JP2009115203A - 等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】外輪の内部に封入した潤滑成分の外部への漏出や外輪の内部への外部からの異物の侵入を確実に防止でき、また、内輪に対して軸部材を位置決めすることができる等速自在継手を提供する。
【解決手段】 内輪3とスタブシャフト12との間の軸先端側に位置規制部24を設ける。この位置規制部24は、スタブシャフト12の先端部に形成した環状の凹溝22と、内輪3の軸孔11でスタブシャフト12の凹溝22と対向する部位に形成した係止溝21と、スタブシャフト12の凹溝22と内輪3の係止溝21との間に介在させたCクリップ23とで構成し、このCクリップ23は、内輪3の係止溝21に係止させる。また、内輪3の軸孔11の軸先端側に段差部25を形成し、この段差部25に、円筒部40と底部41とから成るキャップ26を圧入嵌合する。この圧入嵌合は、キャップ26の円筒部40を段差部26の当接面42に当接するまで圧入することにより行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 内輪3とスタブシャフト12との間の軸先端側に位置規制部24を設ける。この位置規制部24は、スタブシャフト12の先端部に形成した環状の凹溝22と、内輪3の軸孔11でスタブシャフト12の凹溝22と対向する部位に形成した係止溝21と、スタブシャフト12の凹溝22と内輪3の係止溝21との間に介在させたCクリップ23とで構成し、このCクリップ23は、内輪3の係止溝21に係止させる。また、内輪3の軸孔11の軸先端側に段差部25を形成し、この段差部25に、円筒部40と底部41とから成るキャップ26を圧入嵌合する。この圧入嵌合は、キャップ26の円筒部40を段差部26の当接面42に当接するまで圧入することにより行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車や各種産業機械に用いられ、回転トルクを伝達する等速自在継手に関するものである。
等速自在継手は固定型等速自在継手と摺動型等速自在継手とに大別される。固定型等速自在継手は角度変位のみを許容し、ドライブシャフトの車輪側等に使用される。一方、摺動型等速自在継手は角度変位および軸方向変位を許容し、ドライブシャフトのディファレンシャル側等に使用される。
図6に従来の等速自在継手として、摺動型等速自在継手の一つであるクロスグルーブ型等速自在継手を例示する。なお、クロスグルーブ型等速自在継手は、4WD車(4輪駆動車)やFR(エンジンが車体の前部に配置された後輪駆動車)などのプロペラシャフトに使用される。この理由は、プロペラシャフトで、トランスミッション(変速装置)とディファレンシャル(作動歯車装置)との間に使用する等速自在継手は、トランスミッションとディファレンシャルとの間の相対位置変化に対応できるものを使用する必要があるためである。
この等速自在継手101は、一端に開口部を有する外輪102と、その外輪102の内部に配された内部部品106とで主要部が構成されている。この内部部品106は、内輪103と、ボール104と、ケージ105とから成る。
外輪102は、内周面に直線状のトラック溝107が複数形成されており、内輪103は、外周面に直線状のトラック溝108が複数形成されている。また、内輪103の中心には軸孔111が形成され、この軸孔111には軸部材であるスタブシャフト112が挿入されてスプライン嵌合されている。なお、このスタブシャフト112は、内輪103の外輪反開口部側でスナップリング119により抜け止めされている。
図7に外輪102と内輪103に形成したトラック溝(107、108)の部分正面図を示す。同図に示すように、外輪102のトラック溝107と内輪103のトラック溝108は、軸線Lに対して互いに逆方向に交叉角αだけ傾斜させて形成されている。外輪102のトラック溝107と内輪103のトラック溝108との交叉部には前記ボール104が組み込まれており、このボール104は、図6に示すようにケージ105のポケット109で保持されている。
外輪102の開口部は密封装置で覆われている。この密封装置は、ブーツ113と金属製のブーツアダプタ120とから成る。ブーツ113は、大径端部114と、小径端部115と、大径端部114と小径端部115とをつなぐ中間部110とを有する断面U字型の形状を成す。小径端部115はスタブシャフト112の外周面に取り付けられ、この取り付け部分はブーツバンド118を加締めて固定されている。
ブーツアダプタ120は円筒形で、一端部116は外輪102の開口端部129に取付固定されている。また、他端部117はブーツ113の大径端部114に加締めて固定されている(特許文献1参照)。
さて、図6に示すクロスグルーブ型等速自在継手101は、これを組立てる際、ブーツ113の小径端部115をスタブシャフト112に取付固定する工程を必要とするため、組立作業性(組立てのしやすさ、作業効率)における課題となっていた。
この課題を解決する技術として、内輪に外輪の開口部を覆うブーツの小径端部が取付固定された等速自在継手が知られている(特許文献2参照)。
この等速自在継手は、ブーツと継手アッセンブリ(外輪と内部部品)は一体化されているため、一つのユニットとして取り扱うことができる。そのため、この等速自在継手は、その組立て時に、ブーツの小径端部をシャフトに取付固定する工程(特許文献1参照)が不要であり、これにより組立工数を削減することができるため、組立作業性に優れている。
特開2003− 56590号公報
特表2007−504410号公報
さて、特許文献2に開示されている等速自在継手は、等速自在継手の組立作業性に優れているが、内輪とスタブシャフトはスプライン嵌合がされているのみであるため、内輪とスタブシャフトとの間を介して外輪の内部に封入したグリースなどの潤滑成分が外部へ漏出する問題があった。また、内輪とスタブシャフトはスプライン嵌合がされているのみであるため、スタブシャフトは、軸方向の強い力が加わると、内輪の軸孔から抜け出る可能性があった。さらに、上述したスプライン嵌合は、内輪の軸孔にスタブシャフトを圧入していくことにより行うが、この際、スタブシャフトは、内輪に対する圧入位置を特定する基準を有しないことから、内輪に対して軸方向で位置決めするのが困難であった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、外輪の内部に封入した潤滑成分の外部への漏出や外輪の内部への外部からの異物の侵入を確実に防止でき、また、内輪に対して軸部材を位置決めすることができる等速自在継手を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するのための本発明の等速自在継手は、開口部を有する外側継手部材と、その内側に配されてトルク伝達時に前記外側継手部材に対して相対動作する内側継手部材と、前記外側継手部材の開口部を覆うブーツとを備えた等速自在継手であって、前記内側継手部材の外側継手部材開口部側を軸方向に延設し、その延設部に前記ブーツの端部が取付固定され、前記内側継手部材とその軸孔に圧入される軸部材との間に、前記内側継手部材に対して軸部材を位置決めする位置規制部を設け、前記ブーツにより閉塞された外側継手部材の内部空間を、内側継手部材或は軸部材のいずれかに装着されたシール部材により密封したことを特徴とする。ここで、「外側継手部材の開口部を覆うブーツ」は、外側継手部材の開口部が、外側継手部材に直接的或は間接的に取り付けられたブーツにより覆われていることを意味する。また、「ブーツにより閉塞された」とは、外側継手部材の開口部がブーツで覆われていることを意味する。
この場合、ブーツの端部は、内側継手部材に取り付けるため、ブーツと継手本体を一つのユニットとして取り扱うことができる。このため、本発明の等速自在継手は、その組立て時において、軸部材にブーツの端部を取り付ける工程が不要であり、これにより、組立工数を削減することができるため、組立作業性に優れている。
また、内側継手部材の軸孔に軸部材を圧入する際、位置規制部により内側継手部材に対して軸部材を位置決めすることができるため、上述した圧入作業が容易になる。
さらに、内側継手部材と軸部材との間からは、外側継手部材の内部に封入される潤滑成分が外部へ漏出しようとし、また、外部の異物が、外側継手部材の内部へ侵入しようとするが、内側継手部材或は軸部材のいずれかに装着したシール部材により、外側継手部材の内部の潤滑成分が外部へ漏出しようとする経路(内側継手部材と軸部材との間)を閉鎖して、前記ブーツにより閉塞された外側継手部材の内部空間を密封することができる。これにより、外側継手部材の内部に封入した潤滑成分の外部への漏出を防止することができ、また、外側継手部材の内部への外部からの異物の侵入も防止することができる。
なお、本発明のように、内側継手部材は、その外側継手部材開口部側を軸方向に延設した延設部を有する構造とすると、延設部がブーツの被取付部として機能するため、上記したブーツの端部を内側継手部材に取り付ける作業が容易になる。
位置規制部は、軸部材に形成された凹溝と、その凹溝に嵌合された規制部材と、内側継手部材の軸孔に形成されて規制部材を係止する係止溝とで構成するのが望ましい。
この場合、内側継手部材の軸孔に軸部材を圧入する際、軸部材は、その凹溝に嵌合させた規制部材を内側継手部材の軸孔の係止溝に係止させることで、内側継手部材に対して軸を位置決めすることができる。このため、上述した圧入作業が容易になり、等速自在継手の組立作業性を向上させることができる。また、圧入後も、軸部材が内側継手部材の軸孔から抜け出るのを防止することができる。
規制部材としては止め輪を使用することが可能であり、この止め輪としては、例えば、Cクリップを使用することができる。Cクリップは可撓性を有し、これを利用して内側継手部材の係止溝に係止させることができるため、規制部材の止め輪として好ましい。
シール部材は、内側継手部材の軸孔の軸先端側端部に装着され、その軸先端側開口部を覆うキャップとすることができる。なお、ここでいう「覆う」とは、閉じる或は閉塞することも含めた意味とする。
この場合、キャップにより、外側継手部材の内部に封入した潤滑成分が、内側継手部材と軸部材との間に軸先端側から侵入するのを防止することができる。このため、外側継手部材の内部に封入した潤滑成分が外部へ漏出するのを防止して、外側継手部材の内部の潤滑を確保することができる。また、キャップにより、外側継手部材の内部空間を密封することができることから、外側継手部材の内部への外部からの異物の侵入も防止することができる。
また、シール部材は、軸部材に形成した環状の凹溝に嵌合され、内側継手部材の軸孔内径に圧接された環状部材とすることができる。ここで「内側継手部材の軸孔内径」とは、内側継手部材で軸孔となる内周面を意味する。
この場合、内側継手部材の延設部に圧接させた環状部材により、外側継手部材の内部の潤滑成分が外部へ漏出しようとする経路(内側継手部材と軸部材との間)を閉鎖してブーツにより閉塞された外側継手部材の内部空間を密封することができる。これにより、外側継手部材の内部に封入した潤滑成分の外部への漏出を防止して外側継手部材の内部の潤滑を確保することができ、また、外側継手部材の内部への外部からの異物の侵入も防止することができる。
なお、環状部材にはOリングを使用するのが望ましい。Oリングは可撓性があり、内側継手部材の軸孔内径に強く密着するため、環状部材をOリングとすると、上記した環状部材の作用および効果を顕著に得ることができる。
本発明の等速自在継手は、外側継手部材開口部側が延設された延設部を有する内側継手部材とその軸孔に圧入される軸部材との間に、前記内側継手部材に対して軸部材を位置決めする位置規制部を設ける。このため、上述した圧入作業を容易になり、等速自在継手の組立作業性を向上させることができる。また、圧入後も、軸孔から軸部材が抜け出るのを防止することができる。
また、内側継手部材或は軸部材のいずれかにシール部材を装着することにより、外側継手部材の内部に封入した潤滑成分の、内側継手部材と軸部材との間を含む外部への漏出経路を閉鎖して、ブーツにより閉塞された外側継手部材の内部空間を密封することができる。これにより、外側継手部材の内部に封入した潤滑成分の外部への漏出を防止して外側継手部材の内部の潤滑を確保することができ、また、外側継手部材の内部への外部からの異物の侵入も防止することができる。
以下に本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1および図2に本発明の第1の実施形態を示す。
図1は、摺動型等速自在継手の一つであるクロスグルーブ型等速自在継手を示した。この等速自在継手1は、一端に開口部を有する外輪2と、その外輪2の内部に配された内部部品6とで主要部が構成されている。この内部部品6は、内輪3と、ボール4と、ケージ5とから成る。
外輪2は、内周面に直線状のトラック溝7が複数形成されており、内輪3は、外周面に直線状のトラック溝8が複数形成されている。また、内輪3の中心には軸孔11が形成され、この軸孔11には軸部材であるスタブシャフト12が挿入されてスプライン嵌合されている。
図2に外輪2と内輪3に形成したトラック溝(7、8)の部分正面図を示す。同図に示すように、外輪2のトラック溝7と内輪3のトラック溝8は軸線Lに対して互いに逆方向に交叉角αだけ傾斜させて形成されている。外輪2のトラック溝7と内輪3のトラック溝8との交叉部には前記ボール4が組み込まれており、このボール4は、図1に示すようにケージ5のポケット9で保持されている。
外輪2の開口部は密封装置で覆われている。この密封装置は、ブーツ13と金属製のブーツアダプタ19とからなる。ブーツ13は、大径端部14と、小径端部15と、大径端部14と小径端部15とをつなぐ中間部10とを有する断面U字型の形状を成す。
ブーツアダプタ19は円筒形で、一端部16は外輪2の開口端部29に外嵌して加締めにより固定されている。また、他端部17はブーツ13の大径端部14に加締めて固定されている。
さて、本実施形態では、内輪3は、その外輪開口部側端部が軸方向に延設された延設部27を有し、その延設部27の端部(以下延設端部とする)28にブーツ13の小径端部15を外嵌して取り付け、この取り付け部分は小径端部15の外側からブーツバンド18を加締めて固定する。
この場合、ブーツ13と継手本体である継手アッセンブリ(外輪2、内部部品6)は図3に示すように一つのユニットUとして取り扱うことができるため、スタブシャフト12をユニットUの内輪3の軸孔11に圧入した後に、ブーツ13の小径端部15をスタブシャフト12に取り付ける工程が不要となる(図6に示す等速自在継手を参照)。これにより、等速自在継手1(図1参照)は、これを組立てる際の組立工数を削減できるため、組立作業性を向上させることができる。
なお、内輪3にブーツ13の小径端部15を取付固定する場合、本実施形態のように、内輪3は、その外輪開口部側端部を軸方向に延設して延設部27を有する構造としたことにより、この延設部27がブーツ13の小径端部15の被取付部として機能する。そのため、ブーツ13の小径端部15を内輪3へ取り付ける作業が容易になる。また、この場合、ブーツ13は既存のもの(図6参照)を使用することができるため、等速自在継手の作製に必要なコストや作業時間を削減できる点で好ましい。
内輪3とスタブシャフト12との間の軸先端側には位置規制部24を設ける。この位置規制部24は、スタブシャフト12の先端部に形成した環状の凹溝22と、内輪3の軸孔11でスタブシャフト12の凹溝22と対向する部位に形成した係止溝21と、スタブシャフト12の凹溝22と内輪3の係止溝21との間に介在させた規制部材であるCクリップ23とで構成し、Cクリップ23は、内輪3の係止溝21に係止させる。この方法について、図4を用いて説明する。
まず、スタブシャフト12の凹溝22に可撓性のあるCクリップ23を嵌合し、この状態のスタブシャフト12を図中白抜き矢印で示す方向に内輪3の軸孔11へ圧入していくことで、内輪3とスタブシャフト12とをスプライン嵌合させる。この際、Cクリップ23は縮径させるが、スタブシャフト12の圧入を内輪3の係止溝21まで進めると、Cクリップ23は弾性復元力により再び拡径する。これにより、Cクリップ23を内輪3の係止溝21に係止させて、スタブシャフト12が内輪3に対して軸方向移動するのを規制することができる。
このように、位置規制部24により、内輪3に対してスタブシャフト12を位置決めすることができるため、スタブシャフト12を内輪3の軸孔に圧入する作業が容易になり、等速自在継手1の組立作業性を向上させることができる。また、スタブシャフト12は、内輪3の軸孔11への圧入後も、スタブシャフト12は位置規制部24により内輪3の軸孔11から抜け出ることがない。
内輪3の軸孔11の軸先端側に段差部25を形成し、この段差部25に、円筒部40と底部41とから成るシール部材としてのキャップ26を圧入嵌合する。この圧入嵌合は、円筒部40を段差部26の当接面42に当接するまで圧入することにより行う。キャップ26は、外輪2の内部に封入した潤滑成分の外部への漏出経路、つまり、外輪の内部から内輪3とスタブシャフト12との間を介して外部へ通じる経路を閉鎖して、ブーツ13により密封された外輪2の内部空間を密封するため、外輪2の内部の潤滑成分が外部へ漏出するのを防止することができる。この結果、外輪2の内部の潤滑を確保することができる。
図5に本発明の第2の実施形態を示す。なお、本実施形態において、図1〜図4に示す第1の実施形態と同じ部位、機能を有する部位や部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、内輪3とスタブシャフト12との間に位置規制部35とシール部材37を設ける。
位置規制部35は、内輪3の延設端部28の軸孔11に形成した環状の係止溝32と、この係止溝32と対向する環状の凹溝33と、係止溝32と凹溝33との間に介在し、係止溝32に係止させた規制部材であるCクリップ34とで構成する。なお、この位置規制部35の作用及び効果とCクリップ34を係止溝32に係止させる手段については、図1〜図4に示す第1の実施形態と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
スタブシャフト12で凹溝33(位置規制部35)よりもシャフト中央側の部位に環状の凹溝36を形成し、この凹溝36にシール部材として可撓性のあるOリング37(環状部材)を嵌合し、このOリング37は内輪3の延設端部28の軸孔内径に圧接させる。これは、スタブシャフト12の凹溝36にOリング37を嵌合し、この状態のスタブシャフト12を内輪3の軸孔11に圧入して、内輪3とスタブシャフト12とをスプライン嵌合させることで可能である。この理由は、上述した圧入の開始時に縮径させるOリング37は、内輪3の軸孔11に入り込むと、その弾性復元力により拡径しようとして内輪3の延設端部28の軸孔内径に圧接するためである。
このOリング37により、外輪2の内部に封入された潤滑成分の漏出経路(内輪3とスタブシャフト2との間)を閉鎖して、外輪2の内部空間を密封することができる。そのため、外輪2の内部に封入された潤滑成分の外部への漏出を防止することができ、また、外部からの外輪2の内部への異物の侵入を防止することができる。
なお、本実施形態にように、シール部材に環状部材であるOリング37を使用する理由としては、シール部材を環状部材としない場合、この環状部材を周方向全長で内輪3に圧接させることができず、外輪2とスタブシャフト12との間でシール部材が内輪3の軸孔内径に圧接していない部分から外輪2の内部の潤滑成分が外部へ漏出する可能性があるためである。
なお、本実施形態のように、外輪2の内部空間を密封するために、内輪3のスタブシャフト12との間で潤滑成分が封入された外輪2の内部から離隔した位置にシール部材37を設ける場合、シール部材37は、内輪3の延設端部28の開口部から外部へ漏出しようとする少量の潤滑成分のみを効率よく遮断することができるため、本発明にかかるシール部材の作用および効果を効果的に得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらはあくまで例示であり、特許請求の範囲に記載の意味および内容の範囲内で任意に変更が可能である。
例えば、位置規制部を構成する規制部材は、本実施形態のCクリップのような止め輪に限らず、環状の止め輪を使用することができる。この際、内輪の係止溝とこれと対向する軸部材の凹溝は環状とする必要がある。
また、位置規制部やシール部は、ここで挙げた実施形態のように、内輪と軸部材との間において、必ずしも軸先端側或は反軸先端側に設ける必要があるわけではなく、例えば中央側など、任意に変更が可能である。
さらに、内輪の延設端部にシール部材を装着し、内輪の延設部の開口部を覆うようにしても、本発明の目的とする作用および効果を得ることができる。
そして、ここで挙げた実施形態では、本発明をクロスグルーブ型等速自在継手に適用したが、周知の等速自在継手に本発明を適用することが可能である。例として、固定型等速自在継手や摺動型等速自在継手が挙げられる。固定型等速自在継手としては、ボールの個数が8個、10個の形態を含む。また、摺動型等速自在継手としては、ボールの個数が8個、10個の形態、および、トリポード型を含む。また、ブーツも、ここで挙げた実施形態で使用するU字型のものではなく、蛇腹状のブーツ等も使用することができる。
1、31 摺動型等速自在継手(LJ)
2 外輪(外側継手部材)
3 内輪(内側継手部材)
11 軸孔(内輪)
12 スタブシャフト(軸部材)
13 ブーツ
21、32 係止溝(位置規制部)
22、33 凹溝(位置規制部)
23、34 Cクリップ(止め輪)
24、35 位置規制部
25 段差部
26 キャップ(シール部材)
27 延設部
28 延設端部
36 凹溝
37 Oリング(シール部材)
40 円筒部(キャップ)
41 底部(キャップ)
42 当接面(段差部)
2 外輪(外側継手部材)
3 内輪(内側継手部材)
11 軸孔(内輪)
12 スタブシャフト(軸部材)
13 ブーツ
21、32 係止溝(位置規制部)
22、33 凹溝(位置規制部)
23、34 Cクリップ(止め輪)
24、35 位置規制部
25 段差部
26 キャップ(シール部材)
27 延設部
28 延設端部
36 凹溝
37 Oリング(シール部材)
40 円筒部(キャップ)
41 底部(キャップ)
42 当接面(段差部)
Claims (6)
- 開口部を有する外側継手部材と、その内側に配されてトルク伝達時に前記外側継手部材に対して相対動作する内側継手部材と、前記外側継手部材の開口部を覆うブーツとを備えた等速自在継手であって、
前記内側継手部材の外側継手部材開口部側を軸方向に延設し、その延設部に前記ブーツの端部が取付固定され、前記内側継手部材とその軸孔に圧入される軸部材との間に、前記内側継手部材に対して軸部材を位置決めする位置規制部を設け、前記ブーツにより閉塞された外側継手部材の内部空間を、内側継手部材或は軸部材のいずれかに装着されたシール部材により密封したことを特徴とする等速自在継手。 - 前記位置規制部は、前記軸部材に形成された凹溝と、その凹溝に嵌合された規制部材と前記内側継手部材の軸孔に形成されて前記規制部材を係止する係止溝とで構成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
- 前記規制部材を止め輪としたことを特徴とする請求項2に記載の等速自在継手。
- 前記シール部材を、内側継手部材の軸孔の軸先端側端部に装着され、その軸先端側開口部を覆うキャップとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 前記シール部材を、軸部材に形成した環状の凹溝に嵌合され、前記内側継手部材の軸孔内径に圧接された環状部材としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 前記環状部材をOリングとしたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
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