JP2009047227A - 等速自在継手 - Google Patents

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重美 田中
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Abstract

【課題】 外輪内部の密封性を向上させ、かつ、等速自在継手の組立て時の作業性や外輪の加工性を向上させることができる等速自在継手を提供することを目的とする。
【解決手段】 外輪2の一方開口端部2bの内周面2cに、軸方向に延びる円筒部14aと、径方向に延びる係止部14cと、前記円筒部14aと前記係止部14bとを連結するR部14bとからなる段差部14を形成する。外輪2の一方開口部9は、外周面8cが外輪2の一方開口端部2bの内周面2cに嵌合される円筒部8aと、その円筒部8aの反継手内部側の開口部を閉塞するように一体的に形成された底部8bとからなる有底円筒状のシールプレート8で閉塞する。また、円筒部8aにおいて、外輪2の段差部14と対向する部分をテーパ部13とし、このテーパ部13と段差部14との間に、シール部材として環状のOリング11を介在させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の駆動軸や各種産業機械に用いられて、回転トルクを伝達する等速自在継手に関するものである。
等速自在継手には、角度変位のみを許容する固定型等速自在継手と角度変位および軸方向変位(プランジング)を許容する摺動型等速自在継手とがあり、使用箇所により使い分けがなされている。例えば、自動車の車輪に動力を伝達する駆動軸において、車輪側に装着され、車輪の転舵に追従するための等速自在継手としては、固定型等速自在継手が使用される。また、自動車のディファレンシャルギア側に装着され、転舵時の軸方向変位の吸収や、サスペンションの上下動による軸方向変位及び作動角の変化に追従するための等速自在継手としては、摺動型等速自在継手が使用される。
図4に摺動型等速自在継手の一つであるダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の従来例を示す。この等速自在継手101は、外側継手部材である外輪102、内側継手部材である内輪103、ボール104、ケージ105で主要部が構成されており、外輪102は両端に開口部(109、110)を有し、かつ、内部には、内輪103、ボール104、ケージ105からなり、外輪102に対して相対動作する内部部品106が収容されている。
外輪102の円筒状内周面には直線状のトラック溝102aが形成されており、内輪103の円筒状外周面には、外輪102のトラック溝102aと対向する直線状のトラック溝103aが形成されており、このトラック溝103aと外輪102のトラック溝102aとの間にはボール104が介在され、このボール104はケージ105のポケット105aで保持されている。
内輪103には中心孔112が形成されており、この中心孔112には軸部材であるシャフト107が挿嵌されており、エンジン(図示省略)から等速自在継手101への動力伝達を可能にしている。
さて、外輪102の一方の開口端部102bの内周面102cには、軸方向に延びる円筒部114aと、径方向に延びる係止部114cと、前記円筒部114aと前記係止部114cとを連結するR部114bとからなる段差部114が形成されている。外輪102の一方の開口部109は、密閉部材であるシールプレート108で閉塞されており、このシールプレート108は、外輪102の開口端部102bの内周面102cに嵌合されると共に、前記段差部114の係止部114cで係止されている。一方、外輪102の他方の開口部110は、図示しないブーツ等で覆われている。
シールプレート108は、外周面108cが外輪102の一方開口端部102bの内周面102cに嵌合される円筒部108aと、その円筒部108aの反継手内部側の開口部を閉塞するように一体的に形成された底部108bとからなる有底円筒状をなす。
円筒部108aは、その継手内部側端部に、内径側へ屈曲した屈曲部113を有する。この屈曲部113は、シールプレート108の外輪102内部への嵌合開始時に、シールプレート108が外輪102の内部に入り込みやすくするガイド機能を果たす(特許文献1、2参照)。
特開2007−100797号公報 特開2007−100801号公報
さて、図4に示す等速自在継手は、外輪102の一方開口部109はシールプレート108で閉塞されており、他方開口部110は図示しないブーツ等で覆われているため、外輪102の内部は密封されている。これにより、外輪102の内部への異物の侵入と、外輪102の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出が防止されている。
この図4に示す等速自在継手101において、外輪102の密封性を向上させた等速自在継手として図5に示す等速自在継手がある。なお、この図5において、図4と同じ部位、機能、形態を有する部品については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この等速自在継手131は、外輪132の一方開口端部132bの内周面132cに凹部132dが環状に形成され、この凹部132dとシールプレート108の円筒部108aの外周面108cとの間にシール部材である環状のOリング111を介在させている。このOリング111は可撓性があるため、シールプレート108の円筒部108aの外周面108cに押し潰されて密着しており、これにより、外輪132の内部の密封性が向上している。なお、Oリング111は軽量であるため扱いやすく、また、重量面で等速自在継手に悪影響を与えることもない。
しかし、この図5に示す等速自在継手131では、外輪132の一方開口端部132bの内周面132cに凹部132dを形成するが、この場合、凹部132dの別工程での加工が必要となり、加工が容易ではなかった。
また、シール部材としてのOリング111は、シールプレート108を外輪132の一方開口端部132bの内周面132cに圧入嵌合する前に、あらかじめ外輪132の一方開口端部132bに形成された凹部132dに嵌合して固定させる。しかし、シールプレート108の外輪102内部への圧入嵌合時に、凹部132dからOリング111が抜け出るおそれがあった。また、凹部132dは外輪132の内側に形成されるため、この凹部132dにOリング111を固定させる作業は困難であった。
さらに、シールプレート108を外輪132の一方開口端部132bの内周面132cに圧入嵌合する際、Oリング111が外輪132の凹部132dに正常に嵌合しているか否かを目視確認しながら作業を行うことが好ましい。シールプレート108における外輪132の一方開口端部132bの内周面132cへの嵌合は、外輪132の内部に内部部品106を組み込む前に行うため、前記の目視確認は外輪132の他方開口部140側から行うことができる。しかし、この目視確認では、図5に示す等速自在継手131においては、Oリング111が外輪132の凹部132dに正常に嵌合しているか否かを確認するのは困難であった。
そして、この図5および既に説明した図4に示す等速自在継手は、シールプレートを圧入嵌合する外輪の一方開口端部は、内径寸法交差(製造上許容できる内径の最大値と最小値の差)が小さいため、厳密に設計する必要がある。そのため、外輪の開口端部の加工が容易ではなく、加工性が低下する問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、外輪内部の密封性を向上させ、かつ、等速自在継手の組立て時における作業性(作業のしやすさ)や外輪の加工性(加工のしやすさ)を向上させることができる等速自在継手を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本出願人が発明した等速自在継手の一つとしては、両端に開口部を有し、内部に内側継手部材を収容した外側継手部材と、前記外側継手部材の一方の開口端部の内周面に嵌合され、前記外側継手部材の一方の開口部を閉塞する密閉部材とを備えた等速自在継手であり、前記外側継手部材の開口端部の内周面に、前記密閉部材を軸方向に係止させる段差部を形成し、その段差部と前記密閉部材の前記段差部と対向する部位との間に環状のシール部材を介在させたことを特徴とする。
本発明では、前記外側継手部材の一方の開口端部の内周面に、前記密閉部材を軸方向に係止させる段差部を形成し、その段差部に、外側継手部材の一方開口部側から環状のシール部材を組み込んで係止させる。そして、外側継手部材の一方開口部側から密閉部材を嵌合して、前記シール部材を介して前記段差部で係止することにより、外側継手部材の一方開口部を閉塞する。この場合、シール部材は、密閉部材の段差部と対向する部位と段差部とに密着する。このため、外側継手部材の内周面に、シール部材を装着する溝を形成するなどの困難な加工を施すことなく、外側継手部材の内部の密封性を向上させることができる。
上記した本発明において、密閉部材は、外周面が外側継手部材の内周面に嵌合される円筒部と、その円筒部の一方の開口部を閉塞するように一体的に形成された底部とからなる有底円筒状とし、前記段差部と対向する部位を、円筒部開口側に向けて縮径するテーパ部とするのが望ましい。
このように、密閉部材の円筒部における外側継手部材の段差部と対向する部位を、円筒部開口側に向けて縮径するテーパ部とする場合、外側継手部材の段差部と密閉部材のテーパ部との間に介在させるシール部材が、テーパ部に沿ってなだらかに密着するため、シール部材とテーパ部との密着面積が大きくなる。このため、外側継手部材の内部の密封性が向上し、外側継手部材の内部への異物の侵入と、外側継手部材の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を効率よく防止することができる。
また、テーパ部は、密閉部材の成形時に容易に成形できるため、密閉部材の加工性に影響を及ぼさない。また、密閉部材のテーパ部は、外側継手部材の開口端部の内周面に嵌合する際にガイド機能を果たして密閉部材の外側継手部材の内部への入り込みを容易にするため、等速自在継手の組立て時における作業性の向上にも寄与する。
上記したシール部材は弾性素材で構成するのが望ましい。
シール部材を弾性素材で構成すると、外側継手部材の段差部と密閉部材の前記段差部と対向する部位との間に介在させたシール部材が弾性変形して、段差部と密閉部材とに強く密着する。これにより、外側継手部材の内部が強固に密封され、外側継手部材の内部への異物の侵入と、外側継手部材の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を確実に防止することができる。
また、シール部材としては、Oリングを使用することができる。このOリングは可撓性があるため、シール部材としてOリングを使用する場合、既に説明したシール部材を弾性素材で構成した場合の作用及び効果と同様の作用および効果を得ることができる。また、Oリングは軽量で扱いやすいため、重量面で等速自在継手に悪影響を与えることも無い。
前記した課題を解決するための、本出願人が発明した他の等速自在継手は、両端に開口部を有し、内部に内側継手部材を収容した外側継手部材と、前記外側継手部材の一方の開口端部に嵌合され、前記外側継手部材の一方の開口部を閉塞する密閉部材とを備えた等速自在継手であり、前記密閉部材を、前記外側継手部材の開口端部に外嵌させると共に、前記外側継手部材の一方の開口端面に衝合させ、前記外側継手部材の開口端面と前記密閉部材の衝合面との間にシール部材を介在させたことを特徴とする。
本発明では、密閉部材を、外側継手部材の一方開口端部に外嵌させると共に、外側継手部材の一方開口端面に衝合させることで、外側継手部材の一方開口部を閉塞する。また、外側継手部材の一方開口端面と密閉部材の衝合面との間にはシール部材を介在させる。この場合、シール部材が、外側継手部材の一方開口端面と密閉部材の衝合面とに密着するため、外側継手部材の内周面に、シール部材を装着する溝を形成するなどの困難な加工を施すことなく、外側継手部材の内部の密封性を向上させて、外側継手部材の内部への異物の侵入と、外側継手部材の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を防止することができる。
上記の本発明において、密閉部材は、内周面が外側継手部材に外嵌される円筒部と、その円筒部の一方の開口部を閉塞するように一体的に形成された底部とからなる有底円筒状とすることができる。この場合、円筒部を外側継手部材の開口端部に外嵌させると共に、底部を外側継手部材の開口端面に衝合させ、外側継手部材の開口端面と密閉部材の底部の内底面である衝合面との間にシール部材を介在させる。
外側継手部材の開口端面と密閉部材の衝合面との間に介在させるシール部材は、弾性素材で構成するのが望ましい。
このように、シール部材を弾性素材で構成すると、密閉部材を、外側継手部材の一方の開口端部に外嵌させると共に、外側継手部材の一方開口端面に衝合させた際、シール部材は弾性変形して、外側継手部材の一方開口端面と密閉部材の衝合面とに強く密着する。これにより、外側継手部材の内部は強固に密封され、外側継手部材の内部への異物の侵入と、外側継手部材の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を確実に防止することができる。
シール部材には、液体パッキンを使用するのが望ましい。
この液体パッキンは、必要部位に塗布して硬化させることにより、パッキンとしての効果を奏するものである。シール部材として液体パッキンを使用する場合、密閉部材を、外側継手部材の一方の開口端部に外嵌させると共に、外側継手部材の一方開口端面に衝合させた際、液体パッキンは、外側継手部材の一方開口端面と密閉部材の衝合面とに密着する。これにより、Oリングなどの特別な密閉部材を使用することなく、外側継手部材の内部の密封性を向上させることができるため、外側継手部材の内部への異物の侵入と、外側継手部材の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を低コストで防止することができる。
また、本発明の場合、液体パッキンは、外側継手部材の開口端面又は密閉部材の衝合面のいずれか一方に塗布することで、上記した本発明の作用および効果を得ることができる。
本出願人が発明した等速自在継手の一つは、外側継手部材の開口端部の内周面に、密閉部材を軸方向に係止させる段差部を形成し、その段差部と密閉部材における前記段差部と対向する部位との間に環状のシール部材を介在させる。この場合、前記シール部材は、前記密閉部材における前記段差部と対向する部位と前記段差部とに密着するため、外側継手部材の内部の密封性が向上し、外側継手部材の内部への異物の侵入と、外側継手部材の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を防止することができる。
また、本発明の場合、外側継手部材の内周面に、シール部材を装着する溝を形成するなどの困難な加工を施すことがないため、外側継手部材の加工性を向上させることができる。そして、シール部材は、あらかじめ外側継手部材の段差部に係止させて、外側継手部材の一方開口部から圧入嵌合する密閉部材で挟み込むことで、容易に外側継手部材の段差部と密閉部材における前記段差部と対向する部位とに密着させることができる。そのため、外側継手部材の内部を密封することができると共に、シール部材の外側継手内部への組付け性も向上させることができる。
そして、密閉部材を外側継手部材の一方開口端部の内周面へ嵌合する際は、段差部に係止させたシール部材のズレの有無を目視確認しながら行うのが望ましい。外側継手部材の段差部にシール部材を係止させて、外側継手部材の一方開口端部の内周面へ密閉部材を嵌合する作業は、外側継手部材の内部に内側継手部材などの内部部品を組み込む前に行うため、前記の目視確認は、外側継手部材の他方開口部側から行うことができる。この際、本実施形態では、シール部材は外側継手部材の段差部に係止させるのみであるため、従来のように、シール部材が、外側継手部材の一方開口端部の内周面に形成した溝などに正常に嵌り込んでいるか否かの困難な確認は不要となり、前記の目視確認が容易となる。この結果、等速自在継手の組立て時の作業性を向上させることができる。
また、本出願人が発明した他の等速自在継手は、密閉部材を、外側継手部材の開口端部に外嵌させると共に、外側継手部材の一方開口端面に衝合させ、外側継手部材の一方開口端面と密閉部材の衝合面との間にシール部材を介在させる。この場合、シール部材が外側継手部材の開口端面と密閉部材の衝合面とに密着するため、外側継手部材の内部の密封性が向上し、外側継手部材の内部への異物の侵入と、外側継手部材の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を防止することができる。
また、本発明の場合、外側継手部材の内周面には、シール部材を装着する溝を形成するなどの困難な加工を施すことがないため、外側継手部材の加工性を向上させることができる。そして、シール部材は、外側継手部材の開口端部の内周面には嵌合せず、外側継手部材の開口端部に外嵌するため、外側継手部材の開口端部の内径寸法を厳密に管理する必要がなくなる。このため、外側継手部材の加工性を向上させることができる。
さらに、本発明では、外側継手部材の開口端部の内周面には密閉部材を嵌合しないため、外側継手部材の軸方向長さは、密閉部材の軸方向長さを考慮して長くする必要がない。そのため、外側継手部材の加工費用を削減することができる。
以下に本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1に本発明の第一の実施形態を示す。この図1は、本発明を摺動型等速自在継手の一つであるダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)に適用したものである。
この等速自在継手1は、外側継手部材である外輪2、内側継手部材である内輪3、ボール4、ケージ5で主要部が構成されており、外輪2は両端に開口部(9、10)を有し、かつ、内部には、内輪3、ボール4、ケージ5からなり、外輪2に対して相対動作する内部部品6が収容されている。
外輪2の円筒状内周面には直線状のトラック溝2aが形成されており、内輪3の円筒状外周面には、外輪2のトラック溝2aと対向する直線状のトラック溝3aが形成されており、このトラック溝3aと外輪2のトラック溝2aとの間にはボール4が介在され、このボール4はケージ5のポケット5aで保持されている。
内輪3には中心孔12が形成されており、この中心孔12には軸部材であるシャフト7が挿嵌されており、エンジン(図示省略)から等速自在継手1への動力伝達を可能にしている。
さて、外輪2の一方開口端部2bの内周面2cには、軸方向に延びる円筒部14aと、径方向に延びる係止部14cと、前記円筒部14aと前記係止部14bとを連結するR部14bとからなる段差部14が形成されている。外輪2の一方開口部9は、密閉部材であるシールプレート8で閉塞されており、このシールプレート8は、外輪2の開口端部2bの内周面2cに嵌合されると共に、段差部14の係止部14cで係止されている。一方、外輪2の他方開口部10は、図示しないブーツ等で覆われている。
シールプレート8は、外周面8cが外輪2の一方開口端部2bの内周面2cに嵌合される円筒部8aと、その円筒部8aの反継手内部側の開口部を閉塞するように一体的に形成された底部8bとからなる有底円筒状をなす。
円筒部8aは、シールプレート8を外輪2の開口端部2bの内周面2cに嵌合する際に
ガイド機能を果たし、嵌合作業を容易にする。
さて、本実施形態では、円筒部8aにおいて、外輪2の段差部14と対向する部分、つまり、継手内部側端部をテーパ部13とし、このテーパ部13と段差部14との間に、シール部材として環状のOリング11を介在させて、段差部14とテーパ部13とに密着させる。これにより、外輪2の内部の密封性が向上し、外輪2の内部への異物の侵入と、外輪2の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を防止することができる。また、外輪2の開口端部2bの内周面2cには、図5に示すように、Oリング11を装着するための溝を形成するなどの困難な加工は施さないため、外輪2の加工性も向上させることができる。
上記した密閉部材としてのOリング11は、図2(A)に示すように、外輪2の内部に内部部品6を組み込んでいない状態で、一方開口部9を介して図中白抜き矢印で示す方向に外輪2の一方開口端部2bの内周面2cへ嵌合して、外輪2の段差部14の係止部14cに係止させる。次に、図2(B)に示すように、シールプレート8を、外輪2の一方開口部9を介して図中白抜き矢印で示す方向に外輪2の一方開口端部2bの内周面2cへ圧入嵌合して、係止部14cに係止させたOリング11を挟み込んで図2(C)の状態とする。この図2(C)の状態の外輪2の内部に内部部品6(内輪3、ボール4、ケージ5)を組み込んで図1の状態とする。このように、本発明によれば、Oリング11を、容易に外輪2の段差部14とシールプレート8のテーパ部13とに密着させることができるため、外輪2の内部を密封することができると共に、Oリング11の外輪2の内部への組付け性も向上させることができる。
また、上記のように、シールプレート8を外輪2の一方開口端部2bの内周面2cへ嵌合する際は、外輪2の段差部14に係止させるOリング11のズレの有無を目視確認しながら行うのが望ましい。外輪2の段差部14にシール部材であるOリング11を係止させて、外輪2の一方開口端部2bの内周面2cへ密閉部材であるシールプレート8を嵌合する作業は、外輪2の内部に内部部品6を組み込む前に行うため、前記したOリング11の目視確認は、外輪2の他方開口部10側から行うことができる。この際、本実施形態では、Oリング11は外輪2の段差部14に係止させるのみであるため、図5に示す従来例のように、Oリング11が、外輪の一方開口端部の内周面に形成した溝などに正常に嵌り込んでいるか否かの困難な確認は不要となり、前記の目視確認が容易となる。この結果、等速自在継手1の組立て時の作業性を向上させることができる。
ここで、シールプレート8における外輪2の段差部14と対向する部分は、既に説明した本発明の作用および効果が得られるのであれば、テーパ部以外とすることも可能であるが、本実施形態のように、テーパ部13とするのが望ましい。これは、シールプレート8における外輪2の段差部14と対向する部分をテーパ部13とすると、外輪2の段差部14とシールプレート8のテーパ部13との間に介在させるOリング11が、テーパ部13に沿ってなだらかに密着するため、Oリング11とシールプレート8のテーパ部13との密着面積が大きくなる。このため、外輪2の内部の密封性が向上し、外輪2の内部への異物の侵入と、外輪2の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を効率よく防止することができる。
そして、テーパ部13は、シールプレート8の成形時に容易に成形できるため、シールプレート8の加工性に影響せず、また、テーパ部13は、外輪2の開口端部2bの内周面2cに嵌合する際、その嵌合開始時にガイド機能を果たして嵌合の開始を容易にするため、等速自在継手1の組立て時における作業性の向上にも寄与する。
図3に本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態において、図1に示す第1の実施形態と同じ部位、機能、形態を有する部品については同じ符号を付し、その詳細な説明を訴省略する。
本実施形態では、密閉部材としてのシールプレート28を外輪2の一方開口端部2bに外嵌することで、外輪2の一方開口部9を閉塞する。シールプレート28は、円筒部28aと、その円筒部28aの一方開口部を閉塞するように一体的に形成された底部28bとからなる有底円筒状とし、円筒部28aを外輪2の開口端部2bに外嵌させると共に、底部28bを外輪2の一方開口端面2eに衝合させることで、外輪2の一方開口部9を、底部28bで閉塞する。
このシールプレート28の底部28bの内底面となる衝合面28dと外輪2の開口端面2eとの間には、シール部材として液体パッキン29(図中散点で示す)を介在させる。
この液体パッキン29は、必要箇所に塗布することで硬化してパッキンの作用および効果を得るものである。本実施形態では、外輪2の一方開口端面2eに液体パッキン29を塗布して硬化させ、これをシールプレート28の衝合面28dで挟み込むことで、図3に示すように、液体パッキン29を外輪2の一方開口端面2eとシールプレート28の衝合面28dとに密着させる。これにより、外輪2の内周面に、シール部材を装着する溝を形成するなどの困難な加工を施すことなく、外輪2の内部の密封性を向上させて、外輪2の内部への異物の侵入と、外輪2の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を防止することができる。
また、上記のように、シール部材として液体パッキン29を使用することにより、Oリングなどの特別な密閉部材を使用する必要がなくなる。この結果、低コストで外輪2の内部の密封性を向上させて、外輪2の内部への異物の侵入と、外輪2の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を防止することができる。
シール部材は、上記の液体パッキン29に限られないが、弾性素材で構成したものを使用するのが望ましい。
シール部材を弾性素材で構成すると、シールプレート28を、外輪2の一方開口端部2bに外嵌させると共に、外輪2の一方開口端面2eに衝合させた際、シール部材は弾性変形して、外輪2の一方開口端面2eとシールプレート8の衝合面28dとに強く密着する。これにより、外輪2の内部を強固に密封され、外輪2の内部への異物の侵入と、外輪2の内部に充填されたグリースや潤滑油などの潤滑成分の外部への漏出を確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、密閉部材であるシールプレート8は、外輪2の開口端部2bの内周面2cに嵌合せず、外輪2の開口端部2bに外嵌するため、外輪2の開口端部2bの内径寸法を厳密に管理する必要がなくなる。このため、外輪2の加工性を向上させることができる。
そして、本発明では、外輪2の開口端部2bの内周面2cには密閉部材であるシールプレート8を嵌合しないため、外輪2の軸方向長さは、シールプレート8の軸方向長さを考慮して長くする必要がなくなる。そのため、外輪2の加工費用を削減することができる。
なお、本実施形態では、液体パッキン29を外輪2の開口端面2eに塗布したが、シールプレート28の衝合面28dに塗布しても、図3に示す本実施形態の等速自在継手を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これに限られることはなく、特許請求の範囲に記載の意味及び内容の全ての事項を含む。
例えば、ここで挙げた実施形態では、本発明を摺動型等速自在継手の一つであるダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)に適用したが、外輪の両端に開口部を有するものであれば周知の等速自在継手に適用することが可能である。例えば、摺動型等速自在継手であれば、クロスグルーブ型等速自在継手(LJ)、トリポード型等速自在継手(TJ)などが挙げられる。
本発明の第一の実施形態を示す断面図である。 (A)は外輪の内部にOリングを嵌合する方法を示す断面図である。(B)は(A)の後、シールプレートを圧入嵌合する方法を示す断面図である。(C)は(B)の作業が完了した状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す断面図である。 従来の等速自在継手を示す断面図である。 図4に示したものとは別の従来の等速自在継手を示す断面図である。
符号の説明
1 等速自在継手(DOJ)
2 外輪(外側継手部材)
2b 一方開口端部
2c 内周面(一方開口端部)
2d 外周面(一方開口端部)
2e 一方開口端面
3 内輪(内側継手部材)
8、28 シールプレート(密閉部材)
8a、28a 円筒部
8b、28b 底部
8c 外周面(円筒部)
28c 内周面(円筒部)
28d 衝合面(底部)
9 一方開口部(外輪)
10 他方開口部(外輪)
11 Oリング(シール部材)
13 テーパ部(円筒部)
14 段差部
14a 円筒部
14b R部
14c 係止部
29 液体パッキン(シール部材)

Claims (9)

  1. 両端に開口部を有し、内部に内側継手部材を収容した外側継手部材と、前記外側継手部材の一方の開口端部の内周面に嵌合され、前記外側継手部材の一方の開口部を閉塞する密閉部材とを備えた等速自在継手であって、
    前記外側継手部材の開口端部の内周面に、前記密閉部材を軸方向に係止させる段差部を形成し、その段差部と前記密閉部材の前記段差部と対向する部位との間に環状のシール部材を介在させたことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記密閉部材は、外周面が前記外側継手部材の内周面に嵌合される円筒部と、その円筒部の一方の開口部を閉塞するように一体的に形成された底部とからなる有底円筒状とし、前記段差部と対向する部位を、円筒部開口側に向けて縮径するテーパ部としたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記シール部材を弾性素材で構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の等速自在継手。
  4. 前記シール部材をOリングとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手。
  5. 両端に開口部を有し、内部に内側継手部材を収容した外側継手部材と、前記外側継手部材の一方の開口端部に嵌合され、前記外側継手部材の一方の開口部を閉塞する密閉部材とを備えた等速自在継手であって、
    前記密閉部材を、前記外側継手部材の開口端部に外嵌させると共に、前記外側継手部材の一方の開口端面に衝合させ、前記外側継手部材の開口端面と前記密閉部材の衝合面との間にシール部材を介在させたことを特徴とする等速自在継手。
  6. 前記密閉部材は、内周面が前記外側継手部材に外嵌される円筒部と、その円筒部の一方の開口部を閉塞するように一体的に形成された底部とからなる有底円筒状とし、前記円筒部を前記外側継手部材の開口端部に外嵌させると共に、前記底部を前記外側継手部材の開口端面に衝合させ、前記外側継手部材の開口端面と前記密閉部材の底部の衝合面との間にシール部材を介在させたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
  7. 前記シール部材を弾性素材で構成したことを特徴とする請求項5又は6に記載の等速自在継手。
  8. 前記シール部材を液体パッキンとしたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の等速自在継手。
  9. 前記液体パッキンを、前記外側継手部材の開口端面又は前記密閉部材の衝合面のいずれか一方に塗布したことを特徴とする請求項8に記載の等速自在継手。
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