JP6754014B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents
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Description
図5の(a)は、変速機ケース10の要部拡大図である。図5の(b)は、図5の(a)における面Aで、変速機ケース10を切断した切断面の模式図である。
なお、図5の(b)は、変速機ケース10の切断面を紙面下側から上側に向かって見た図である。
ケース2側のフランジ部22と、サイドカバー3側のフランジ部32との互いの接合面には、シール材4が介在している。このシール材4は、変速機ケース10内のオイルが、重ね合わせたフランジ部22、32の間から外部に漏出することを防止するために設けられている。
従って、変速機ケース10への他の部品(例えば、電装品など)の組付けは、ケース2とサイドカバー3の間にFIPGを塗布した後、当該変速機ケース10を放置して、FIPGが硬化するのを待って行う。そうすると、変速機ケース10を放置する場所の確保が必要になる他、放置する分だけ工程時間も長くなる。
第1ケース部材と、
コネクタ端子部を有する第2ケース部材と、
前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との合わせ面に設けられたフォームドインプレイスガスケットと、を有し、
少なくとも前記コネクタ端子部に隣接する前記合わせ面の外周端部において、前記フォームドインプレイスガスケットの溜まり部が形成されている構成とした。
図1の(a)は、変速機ケース10の斜視図である。
図1の(b)は、サイドカバー3側からみた変速機ケース10の要部拡大図である。
図1の(c)は、図1の(b)におけるA−A矢視図である。
図2は、変速機ケース10のケース2とサイドカバー3を説明する図である。
図2の(a)は、ケース2をサイドカバー3側から見た平面図である。
図2の(b)は、サイドカバー3をケース2側から見た平面図である。
図3は、ケース2とサイドカバー3との接合構造11を説明する図である。
図3の(a)は、図1の(b)におけるC−C断面の模式図である。
図3の(b)は、図1の(b)におけるD−D断面の模式図である。
図3の(c)は、図3の(a)における領域Aの拡大図である。
なお、図2の(b)では、接合面と回転センサとの位置関係を分かりやすくするために、回転センサの一部を仮想線で記載してある。
サイドカバー3のフランジ部32は、当該サイドカバー3の周壁部31の厚み方向(図中、左右方向)で、周壁部31から外側に延出して設けられている。
なお、以下の説明では、周壁部21の厚み方向における周壁部21の内周からフランジ部22の外周までの距離を、フランジ部22の長さと表記する。また、周壁部31の厚み方向における周壁部31の内周からフランジ部32の外周までの距離を、フランジ部32の長さと表記する。
(a)ケース2のフランジ部22とサイドカバー3のフランジ部32の互いの接合面22a、32aのうちの少なくとも一方に、シール材4を塗布する。
(b)ケース2とサイドカバー3とを、フランジ部22、33同士を重ね合わせて配置する。
(c)フランジ部22、32のボス部23、33を挿通させたボルトBを締め付けて、ケース2とサイドカバー3とを接合する。
「フォームドインプレイスガスケット」は、シールする面の両方に液状ガスケットを接着させた状態で硬化を行う液体硬化型ガスケットの一種である。
液体硬化型ガスケットには、FIPGの他にCIPG(キュアードインプレイスガスケット(Cured In Place Gasket)/別称:アッセンブリ成形ガスケット)がある。
CIPGは一方の対向面に液状ガスケットを塗布し、硬化が完了した後に他方の対向面を硬化後のガスケットに接触させる。
一方、FIPGは液状ガスケットを対向面の双方に挟んだ状態で硬化を行う。
よって、FIPGを用いると、接合面からの液状ガスケットのはみ出しの課題が生じ得ることになる。
なお、言い換えるのであれば、CIPGは「対向面の一方にのみ接着した液体硬化型ガスケット」といえるし、FIPGは「対向面の双方に接着した液体硬化型ガスケット」といえる。
図3の(a)に示すように、この際にシール材4は、フランジ部22、32の内周側(図中、右側)と外周側(図中、左側)に移動する。
ここで、図2の(b)に示すように、サイドカバー3には回転センサ5が取り付けられている。
回転センサ5は、プーリ(図示せず)の回転を検出する為に設けられている。回転センサ5は、サイドカバー3を貫通して設けられている。回転センサ5は、長手方向の一端側のセンサ部51が、プーリ収容室20内でプーリに対向している。他端側のコネクタ端子部52が、サイドカバー3の外部に位置している。
サイドカバー3の重ね合わせ方向から見て、フランジ部32においてコネクタ端子部52の先端面52aは、周方向で隣接するボス部33、33の間の領域330aに位置している(以下、これら隣接するボス部33、33を、ボス部33A、33Bと標記する)。
回転センサ5は、当該回転センサ5の中心線Lmを、直線Lnに対して所定角度θだけ傾けた状態で、サイドカバー3に取り付けられている。
サイドカバー3の重ね合わせ方向から見て、コネクタ端子部52の先端面52aは、フランジ部32の外周面32bを内側から外側に横切っている。
ここで、コネクタにおけるシール材4が付着した部位が、コネクタ端子部52との接続部であると、コネクタとコネクタ端子部52との接触不良が生じてしまう。
図1の(c)に示すように、フランジ部22の周方向に複数形成されたボス部23のうち、ボス部23A、23Bは、それぞれフランジ部32のボス部33A、33Bと対向している。
フランジ部22におけるボス部23A、23Bの間の領域230aは、フランジ部32におけるボス部33A、33Bの間の領域330aと対向する。
フランジ部22における切欠き部25の形成された部分は、接合面22aから所定角度傾斜した傾斜面22cとなっている。
本実施形態では、この傾斜面22cは、接合面22aの途中位置P1から外周面22bに向かうにつれて、サイドカバー3の接合面33aから離れる向き(図中、下側)に30°傾斜している。なお、傾斜面22cの傾斜角度は30°でなくてもよい。
そのため、従来においてフランジ部22、32の外周面22b、32bより外側にはみ出していた分のシール材4は、空隙部R1内に捕捉されるようになっている(図3の(a)参照)。
傾斜面22cと重力の作用によるはみ出しを最小限に抑えるために、シール材4の粘性(高めに設定)、傾斜面の角度(低めに設定)、シール材4の吐出量(少なめに設定)などを適宜調整することが好ましい。
そのため、フランジ部22、32のうち空隙部R1が設けられた領域の外周面22b、32bは、合わせ面幅Wを確保した分だけ、他の領域の外周面22b、32bよりも、変速機ケース10の外側に突出している(図3の(a)、(b)参照)。
好ましい一つの例では、切欠き部25を有する領域230aでの合わせ面幅Wは、他の切欠き部25を具備しない領域230bでの合わせ面幅Wに実質的に等しい。
そこで、本実施形態では、フランジ部22、32のうち、コネクタ端子部52周辺の領域(領域230a、330a)のみ局所的にフランジ部22、32の長さを長くした(幅を広くした)。
(1)ケース2(第1ケース部材)と、
コネクタ端子部52を有する回転センサ5が取り付けられたサイドカバー3(第2ケース部材)と、
ケース2とサイドカバー3との接合面22a、32a(合わせ面)に設けられたシール材4(フォームドインプレイスガスケット)と、を有し、
コネクタ端子部52に隣接する接合面22aの外周面22b側(外周端部)において、ケース2に切欠き部25が設けられた構成とした。
そこで、このように切欠き部25を局所的に設ける構成とすることにより、コスト増加を必要最小限に抑制することができる。
切欠き部25が形成される領域230aは、コネクタ端子部52に隣接して局所的に設けられており、
周壁部21の内部から外部に向かう方向において、切欠き部25が形成される領域230aのフランジ部22の延出長さL2は、切欠き部25が形成されない領域230bのフランジ部22の延出長さL1よりも長い。
しかしながら、全周に亘ってフランジ部22、32の長さを長く(肉厚化)すると、使用する材料が増えるのでコスト増加につながる。
そこで、このように構成すると、切欠き部25を設けても所定の合わせ面幅Wを確保することができる。よって、シール性が低下することを防止しつつ、コスト増加を必要最小限に抑制している。
切欠き部25は、ボス部23A、23Bの間に局所的に設けられている構成とした。
すなわち、
(5)ケース2と、
コネクタ端子部52を有する回転センサ5が取り付けられたサイドカバー3と、
ケース2とサイドカバー3との接合面22a、32aに設けられたシール材4(フォームドインプレイスガスケット)と、を有し、
コネクタ端子部52に隣接する接合面22aの外周面22bにおいて、ケース2に切欠き部25が設けられている自動変速機1の製造方法であって、
液状のシール材4を接合面22a、32aに配置した状態でコネクタ端子部52にコネクタを接続した後に、シール材4を硬化させる構成とした。
このように構成すると、コンバータカバー6を有し、当該コンバータカバー6側からコネクタをコネクタ端子部52に取り付ける場合に特に有効である。即ち、工場のライン上の制約でコンバータカバー6側から配線を取り回してコネクタを取り付けざるを得ない場合にこの発明は特に有効といえよう。もちろん第1ケース部材側からコネクタを取り付ける際にも本発明は有効である。
図4は、変形例にかかる接合構造を適用した、駆動力伝達装置の変速機ケースを説明する図である。
図4の(a)は、第1の変形例にかかる接合構造を適用した、駆動力伝達装置の変速機ケースを説明する図である。
図4の(b)は、第2の変形例にかかる接合構造を適用した、駆動力伝達装置の変速機ケースを説明する図である。
例えば、図4の(a)に示すように、フランジ部32に切欠き部35が形成されている構成の接合構造11Aを適用した自動変速機1Aとしても良い。
また、図4の(b)に示すように、フランジ部22とフランジ部32にそれぞれ切欠き部25、35が形成されている構成の接合構造11Bを適用した自動変速機1Bとしても良い。
なお、以下の説明では、実施の形態にかかる接合構造11を適用した自動変速機1との相違点のみ説明する。
変形例にかかる接合構造11Aでも、フランジ部32のボス部33A、33Bとの間の領域330aに、切欠き部35が設けられている。
図4の(a)に示すように、フランジ部22の接合面22aは、フランジ部22、32の重ね合わせ方向(図中、上下方向)に直交する平坦面となっている。
フランジ部32における切欠き部35の形成された部分は、接合面32aから所定角度だけ傾斜した傾斜面32cとなっている。
この傾斜面32cは、接合面32aの途中位置P2から外周面32bに向かうにつれて、ケース2の接合面22aから離れる向きに傾斜している。
変形例にかかる接合構造11Bでも、フランジ部32のボス部33A、33Bとの間の領域330aに、切欠き部35が設けられている。
図4の(b)に示すように、フランジ部22の接合面22aと、フランジ部32の接合面32aには、それぞれ切欠き部25、35が形成されている。
複数のギアから構成されるギア列であって、少なくとも1つのギアが、ギア列の収容ケース内のオイルを掻き上げ得るように構成された装置にも適用可能である。このような装置として、入力された回転を減速して出力する減速装置が例示される。
Claims (3)
- 第1ケース部材と、
コネクタ端子部を有する第2ケース部材と、
前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との合わせ面に設けられたフォームドインプレイスガスケットと、
を有し、
少なくとも前記コネクタ端子部に隣接する前記合わせ面の外周端部において、前記フォームドインプレイスガスケットの溜まり部が形成されており、
前記溜まり部は、前記コネクタ端子部に隣接する前記合わせ面の外周端部に局所的に設けられている、駆動力伝達装置。 - 第1ケース部材と、
コネクタ端子部を有する第2ケース部材と、
前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との合わせ面に設けられたフォームドインプレイスガスケットと、
を有し、
少なくとも前記コネクタ端子部に隣接する前記合わせ面の外周端部において、前記フォームドインプレイスガスケットの溜まり部が形成されており、
前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、前記コネクタ端子部からの距離が最も小さい2つのボルト孔を有し、
前記溜まり部は、前記2つのボルト孔の間に局所的に設けられている、駆動力伝達装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記溜まり部は、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の少なくとも一方に切欠きが設けられることにより形成されている、駆動力伝達装置。
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