WO2015008690A1

WO2015008690A1 - 防液コネクタ

Info

Publication number: WO2015008690A1
Application number: PCT/JP2014/068414
Authority: WO
Inventors: 明広長田; 健治 ▲高▼橋; 一栄高橋
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2013-07-19
Filing date: 2014-07-10
Publication date: 2015-01-22
Also published as: JP2015022922A; US20160141793A1; CN105409067A

Abstract

　防液コネクタ（１）は、凹部底壁（１１）と凹部底壁（１１）を共通にして互いに逆方向に嵌合口を向けた二つの嵌合凹部（１２、１３）と凹部底壁（１１）に形成された端子保持孔（１１ａ）とを備えたコネクタハウジング（１０）と、コネクタハウジング（１０）内に充填された樹脂製充填材（３０）と、相手端子との接続部分となる断面矩形状の両端部（２０ａ）と樹脂製充填材（３０）によって埋設される部分を断面円形状に形成した断面円形部（２２）を備え、各嵌合凹部（１２、１３）の内部に両端部（２０ａ）を突出するように端子保持孔（１１ａ）に挿通されることによってコネクタハウジング（１０）内に保持された端子（２０）とを備える。

Description

防液コネクタ

　本発明は、液体を収容するケースに取り付ける防液コネクタに関する。

　従来、自動車の自動変速機ケースのように油等の液体を収容するケースに取り付けるコネクタとしては、防液機能を有する防液コネクタを用いている。

　特許文献１には、従来例の防液コネクタとして、凹部底壁と凹部底壁を共通にして互いに逆方向に嵌合口を向けた二つの嵌合凹部と凹部底壁に形成された端子保持孔とを備えたコネクタハウジングと、コネクタハウジング内に充填された樹脂製充填材と、相手端子との接続部分となる断面矩形状の両端部を備え、嵌合凹部の各々の内部に両端部を突出するように端子保持孔に挿通されることによってコネクタハウジング内に保持された端子とを備えた防液コネクタが記載されている。

特開２０００－４０５５１号公報(JP 2000-040551 A)

　特許文献１に記載された従来例の防液コネクタ１００は、図７（ａ）、７（ｂ）に示すように、樹脂製充填材３０が端子２００の角部周辺で、端子２００と樹脂製充填材３０との熱膨張の差によって、クラックおよび剥離Ｃが発生し易く、クラックおよび剥離Ｃを介して液体が漏れ、防液性が低下するおそれがあった。

　本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、防液性を向上することができる防液コネクタを提供することを目的とする。

　本発明の態様に係る防液コネクタは、凹部底壁と凹部底壁を共通にして互いに逆方向に嵌合口を向けた二つの嵌合凹部と凹部底壁に形成された端子保持孔とを備えたコネクタハウジングと、コネクタハウジング内に充填された樹脂製充填材と、相手端子との接続部分となる断面矩形状の両端部と前記樹脂製充填材によって埋設される部分を断面円形状に形成した断面円形部とを備え、嵌合凹部の各々の内部に両端部を突出するように端子保持孔に挿通されることによってコネクタハウジング内に保持された端子とを備える。

　端子の樹脂製充填材によって埋設される部分が断面円形状であるため、樹脂製充填材には小さい応力が前記端子の外周に沿って均等にかかる。このため、端子の周辺でクラックおよび剥離が発生し難くなり、結果的に、防液性を向上することができる。

　断面円形部は、端子の前記両端部以外の略全域に形成されてもよい。

　このような構成により、端子の樹脂製充填材によって埋設される部分とその周辺部分を確実に断面円形状にすることができ、端子の周辺で、クラックおよび剥離の発生を確実に防止することができる。

図１は、実施形態に係る防液コネクタの斜視図である。図２は、図１に示す防液コネクタのＡ－Ａ線断面斜視図である（端子については断面で示していない）。図３は、実施形態に係る防液コネクタの端子の拡大斜視図である。図４（ａ）は断面矩形状の端子が樹脂充填材に埋設された防液コネクタ（従来例）に熱衝撃を与えた場合の発生応力解析の結果を示し、図４（ｂ）は実施形態に係る防液コネクタに熱衝撃を与えた場合の発生応力解析の結果を示す図である。図５（ａ）は図４（ａ）の樹脂製充填材の一部を拡大した図であり、図５（ｂ）は図４（ｂ）の樹脂製充填材の一部を拡大した図である。図６は、実施形態の変形例に係る防液コネクタの断面斜視図である。図７（ａ）は従来例の防液コネクタの断面斜視図であり、図７（ｂ）は図７（ａ）の端子近傍の拡大平面図である。

　以下、図面を参照して、実施形態に係る防液コネクタを説明する。実施形態に係る防液コネクタ１は、例えば、自動車の自動変速機ケースのように油等の液体が収容されるケースに取り付けるためのコネクタである。なお、実施形態に係る防液コネクタ１では、１つの端子２０を備えた簡易な構成を例示しているが、実用上は２つ以上の端子２０を備える。

　防液コネクタ１は、凹部底壁１１と凹部底壁１１を共通にして互いに逆方向に嵌合口を向けた二つの嵌合凹部１２、１３と凹部底壁１１に形成された端子保持孔１１ａとを備えたコネクタハウジング１０と、相手端子との接続部分となる断面矩形状の両端部２０ａを備え、嵌合凹部１２、１３の各々の内部に両端部２０ａを突出するように端子保持孔１１ａに挿通することによってコネクタハウジング１０内に保持された端子２０とを備え、樹脂製充填材３０がコネクタハウジング１０の内部に充填される。

　コネクタハウジング１０は、凹部底壁１１によって、２つの嵌合凹部１２、１３に内部空間が区画された円筒形状の合成樹脂材からなる。コネクタハウジング１０は、凹部底壁１１と、第一嵌合凹部１２と、第二嵌合凹部１３と、凹部底壁１１に形成した端子保持孔１１ａと、凹部底壁１１の第二嵌合凹部１３側の面に形成した樹脂充填部１４と、取付先となる自動変速機ケースに固定するフランジ部１５とを備える。

　第一嵌合凹部１２は、防液コネクタ１に接続する二つの相手コネクタ（不図示）のうち、一方の相手コネクタが嵌合する部分である。

　第二嵌合凹部１３は、防液コネクタ１に接続する二つの相手コネクタ（不図示）のうち、他方の相手コネクタが嵌合する部分である。

　端子保持孔１１ａは、端子２０の断面円形部２２を挿通することによって端子を保持する。

　樹脂充填部１４は、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂材である樹脂製充填材３０を充填する凹状部分である。樹脂充填部１４は、内周面が円形状に形成されている。

　フランジ部１５は、コネクタハウジング１０の外周面に沿って突設し、ボルト等の固定部材（不図示）によってコネクタハウジング１０を自動変速機ケースに固定する部分である。フランジ部１５は、自動変速機ケースとの間にオーリング等のシーリング部材が取り付けられることによって自動変速機ケースに密着して取り付けられる。

　端子２０は、図３に示すように、相手コネクタの端子との接続部分となる両端部２０ａに形成した断面矩形状の断面矩形部２１と、樹脂製充填材３０によって埋設される部分を断面円形状に形成した断面円形部２２とを備える。

　断面円形部２２は、端子２０の両端部２０ａ以外の略全域に形成する。このため、断面円形部２２は、樹脂製充填材３０に埋設される部分の周辺部分についても形成するようになっている。

　ここで、図４、５を用いて、実施形態に係る防液コネクタ１、すなわち樹脂製充填材３０によって埋設される部分が断面円形状である防液コネクタ１と、樹脂製充填材３０によって埋設される部分が断面矩形状である従来例の防液コネクタ１００とに熱衝撃を与えた場合の発生応力解析の結果を示す。

　図４（ａ）は樹脂製充填材３０によって端子２００の埋設される部分が断面矩形状である従来例の防液コネクタ１００に熱衝撃を与えた場合の発生応力解析の結果を示し、図４（ｂ）は実施形態に係る防液コネクタ１に熱衝撃を与えた場合の発生応力解析の結果を示す図である。図５（ａ）は図４（ａ）の樹脂製充填材３０の一部を拡大した図であり、図５（ｂ）は図４（ｂ）の樹脂製充填材３０の一部を拡大した図である。なお、図５（ａ）は端子２００を、図５（ｂ）は端子２０をそれぞれ省略して示している。なお、図４および図５では、一点鎖線で囲う部分と、一点鎖線で囲う部分よりも大きい応力を示す塗りつぶし部分とで応力分布を示す。

　図５（ａ）に示すように、断面矩形状の端子２００を埋設する樹脂製充填材３０は角部に大きい応力が発生していることがわかる。このため、樹脂製充填材３０が端子２００の角部周辺で、端子２００と樹脂製充填材３０との熱膨張の差によって大きい応力が発生し、結果、クラックおよび剥離が発生する。

　一方、図５（ｂ）に示すように、端子２０の断面円形部２２を埋設する樹脂製充填材３０は、小さい応力が断面円形部２２の円周に沿って均等にかかっている。このため、樹脂製充填材３０に端子２０の周辺で、クラックおよび剥離が発生し難い。

　実施形態に係る防液コネクタ１は、端子２０の樹脂製充填材３０によって埋設される部分が断面円形状であるため、樹脂製充填材３０には小さい応力が端子２０の外周に沿って均等にかかる。このため、端子２０の周辺でクラックおよび剥離が発生し難くなり、結果的に、防液性を向上することができる。

　また、実施形態に係る防液コネクタ１は、端子２０の樹脂製充填材３０によって埋設される部分とその周辺部分を確実に断面円形状にすることができ、端子２０の周辺で、クラックおよび剥離が発生することを確実に防止することができる。

（変形例）
　次に、図６を用いて、実施形態の変形例に係る防液コネクタ２について説明する。変形例に係る防液コネクタ２は、端子４０の樹脂製充填材３０によって埋設される部分にのみ断面円形部２２を形成するように調整している点で実施形態に係る防液コネクタ１と異なる。なお、変形例に係る防液コネクタ２のその他の構成は実施形態に係るコネクタ１と同様であり、実施形態に係るコネクタ１と同一構成部分には同一符号を付している。

　変形例に係る防液コネクタ２は、端子４０の樹脂製充填材３０によって埋設される部分が断面円形状であるため、実施形態に係る防液コネクタ１と同様に、樹脂製充填材３０には小さい応力が端子４０の外周に沿って均等にかかる。このため、端子４０の周辺でクラックおよび剥離が発生し難く、結果的に、防液性を向上することができる。

　以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。

　本発明によれば、端子の周辺でクラックおよび剥離が発生し難く、防液性が向上した防液コネクタを提供することができる。

Claims

　防液コネクタであって、
　凹部底壁と、前記凹部底壁を共通にして互いに逆方向に嵌合口を向けた二つの嵌合凹部と、前記凹部底壁に形成された端子保持孔とを備えたコネクタハウジングと、
　コネクタハウジング内に充填された樹脂製充填材と、
　相手端子との接続部分となる断面矩形状の両端部と前記樹脂製充填材によって埋設される部分を断面円形状に形成した断面円形部とを備え、前記嵌合凹部の各々の内部に前記両端部を突出するように前記端子保持孔に挿通されることによって前記コネクタハウジング内に保持された端子と
を備えることを特徴とする防液コネクタ。
　請求項１に記載の防液コネクタであって、
　前記断面円形部は、前記端子の前記両端部以外の略全域に形成される
ことを特徴とする防液コネクタ。