JP2000130598A - ステアリングシャフトのダストシール構造 - Google Patents

ステアリングシャフトのダストシール構造

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JP2000130598A
JP2000130598A JP10306537A JP30653798A JP2000130598A JP 2000130598 A JP2000130598 A JP 2000130598A JP 10306537 A JP10306537 A JP 10306537A JP 30653798 A JP30653798 A JP 30653798A JP 2000130598 A JP2000130598 A JP 2000130598A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダストや音の侵入を防止する。ステアリングシ
ャフト回転時の異音を防止する。組付時の位置ずれを吸
収する。 【解決手段】ステアリングシャフト1が嵌まる嵌合孔4
を有し該ステアリングシャフト1と共に回転する内側環
状体3と、車両のダッシュパネル2に固定される外側環
状体5とを備えている。この両環状体3,5のうちの一
方に、ステアリングシャフトまわりを巡るように環状に
形成され粘体10が充填される環状溝9が形成され、両
環状体3,5のうちの他方に、該両環状体の相対回転を
許容するように全周にわたって上記環状溝9の粘体10
内に入る環状シール部12が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のステアリン
グシャフトのダストシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】実開平2−138278号公報にステア
リングシャフト用ダストシールの一例が記載されてい
る。これは、ステアリングシャフトの外面に摺接する内
側摺接リングと、コラムカバーに固定される外側固定リ
ングと、該両リング間に介在するゴム製変形部とを備え
たものである。内側摺接リングは、ステアリングシャフ
トに摺接するリップ、グリースを貯蔵する中空部及び該
中空部よりリップ先端面に通ずるグリース滴下孔を備
え、該リップとステアリングシャフトとの摺接面をグリ
ースによって潤滑するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の場合、
リップとステアリングシャフトとの摺接面がグリースに
よって潤滑されるものの、ステアリングシャフトの回転
時に該シャフト外面とリップとが擦れ合って異音を発生
することを確実に防止することは難しい。特に、当該ダ
ストシールをステアリングシャフトと共に車体に組み付
けたときに、寸法誤差や組付誤差によって該シャフトと
ダストシールとの位置関係がシャフトと直交する方向に
ずれることがあるが、その場合に上記異音やステアリン
グシャフトの回転むら等が問題になる。
【0004】上記位置ずれはダストシールのゴム製変形
部によってある程度吸収されるものの、その吸収能を大
きくすること、つまりゴム製変形部を薄肉にすることが
できない事情がある。すなわち、従来の構造では、シー
ル性確保のためにリップがステアリングシャフトに比較
的強く当たった状態(きつく嵌まった状態)にする必要
があるが、ゴム製変形部が薄いと、ステアリングシャフ
トが回転するときに該シャフトにリップが引きずられ、
該ゴム製変形部がねじれながらリップが該シャフトと共
に回転し、そのねじれ音が発生し易くなる。従って、ゴ
ム製変形部を厚めにしてそのねじれを防止する必要があ
るものである。
【0005】しかし、このようにゴム製変形部を厚くせ
ざるを得ないということは、上記位置ずれの吸収に不利
になるということである。従って、上記位置ずれがある
ときにはリップが変形してステアリングシャフトの外面
に均等な力で接触しない所謂片当たりを生ずることがあ
る。このため、ステアリングシャフトの回転むらを生じ
たり、リップがシャフトに強く当たっている部分での擦
れによって大きな異音を発生する。また、リップがシャ
フトに強く当たっている部分の反対側においてリップと
シャフトとの間に隙間を生じて、車室内へのダストや音
が侵入し易くなるおそれもある。
【0006】すなわち、本発明は、上記ダストや音の侵
入を確実に防止する、ステアリングシャフト回転時の異
音を確実に防止する、さらには組付時の位置ずれを確実
に吸収することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、グリース等の粘体を単なる潤滑としてでは
なく、ダストや音の侵入を阻止するシールとして有効に
利用するようにして、その解決を図ったものである。
【0008】請求項1に係る発明は、ステアリングシャ
フトが嵌まる嵌合孔を有し該ステアリングシャフトと共
に回転する内側環状体と、車両のダッシュパネルの開口
周縁部に直接又は筒部材を介して固定される外側環状体
とを備え、上記両環状体のうちの一方に、ステアリング
シャフトまわりを巡るように環状に形成され粘体が充填
される環状溝が形成され、上記両環状体のうちの他方
に、該両環状体の相対回転を許容するように全周にわた
って上記環状溝の粘体内に入る環状シール部が設けられ
ているステアリングシャフトのダストシール構造であ
る。
【0009】すなわち、このダストシール構造では、リ
ップをステアリングシャフトの外面に摺接させてダスト
や音に対するシール性を確保するのではなく、ステアリ
ングシャフトに嵌合した内側環状体とダッシュパネルに
固定された外側環状体との間に介在する粘体によって当
該シール性を確保している。そして、ステアリングシャ
フトが回転するとき、上記環状シール部は環状溝内を粘
体に包まれた状態で相対移動するため、擦れ合いによる
異音の問題は解消される。
【0010】ここに、「粘体」は一般には固体と液体の
中間の性質を有するもの、と定義されるが、本発明にお
いては、それは環状溝から流出しない程度の粘性を有す
る流体であればよく、例えばグリースが好ましい。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1記載のス
テアリングシャフトのダストシール構造において、上記
内側環状体が、その外周面に開口した環状溝を有し、上
記外側環状体が、車両のダッシュパネルの開口周縁部に
直接又は筒部材を介して固定される外周側の環状固定部
と、上記内側環状体の環状溝の粘体内に当該両環状体の
相対回転及び径方向の相対移動を許容するように全周に
わたってはまる内周側の環状シール部と、該環状固定部
と環状シール部とを結ぶ蛇腹状ラバー部とを有する、と
いうものである。
【0012】この発明においては、外側環状体の環状シ
ール部が内側環状体の環状溝の粘体に該両環状体の相対
回転だけでなく径方向の移動を許容するようにはまって
いるから、車体に組み付けたときに両環状体間に径方向
の位置ずれがあっても、粘体によってシール性を確保し
ながら、この位置ずれを両環状体間の径方向の相対変位
によって吸収することができ、尚且つステアリングシャ
フト回転時の異音発生を確実に防止することができる。
また、上記蛇腹状ラバー部はその変形によってステアリ
ングシャフトの軸方向の位置ずれを吸収する。
【0013】また、この発明では、粘体によってシール
性が確保され、環状シール部を例えば内側環状体の環状
溝内面に強く当てる必要がないから、環状シール部と内
側環状体の環状溝内面との間で片当たりを生じても、ス
テアリングシャフトの回転むらを生ずることはなく、該
シャフト回転時の異音も避けることができる。また、ス
テアリングシャフトが回転するときに環状シール部が引
きずられて回転するという問題がなくなるから、蛇腹状
ラバー部を変形し易いように薄肉にすることができ、上
記軸方向の位置ずれ吸収にも有利になる。
【0014】請求項3に係る発明は、請求項1記載のス
テアリングシャフトのダストシール構造において、上記
外側環状体が、車両のダッシュパネルの開口周縁部に直
接又は筒部材を介して固定される外周側の環状固定部
と、内周面に開口した環状溝を有する内周側の環状溝部
と、該環状固定部と環状溝部とを結ぶ蛇腹状ラバー部と
を有し、上記内側環状体が、径方向外方へ突出し上記外
側環状体の環状溝の粘体内に当該両環状体の相対回転及
び径方向の相対移動を許容するように全周にわたっては
まる環状シール部を有する、というものである。
【0015】すなわち、この発明は、環状シール部と環
状溝との配設関係が請求項2に係る発明とは逆の関係に
なっているものであり、請求項2に係る発明と同様の機
能・作用を有する。
【0016】請求項4に係る発明は、請求項2又は請求
項3記載のステアリングシャフトのダストシール構造に
おいて、上記環状シール部は、径方向に広がった板状体
であり、その板面に上記環状溝の開口部近傍で周方向に
延びる突条と径方向に延びる突条とを有する、というも
のである。
【0017】すなわち、環状溝の粘体内を環状シール部
が回転移動することが繰り返されると、該環状シール部
と粘体との界面に隙間を生じ易くなる。そこで、この発
明においては、上記径方向の突条を設けて当該回転移動
の際に該径方向突条によって粘体を流動させて上記隙間
を生じないようにしている。また、周方向に延びる突条
は、環状溝から粘体が飛散することを妨げる。
【0018】請求項5に係る発明は、請求項1記載のス
テアリングシャフトのダストシール構造において、上記
内側環状体が、上記ステアリングシャフトの軸方向の一
方に開口した環状溝を有し、上記外側環状体が、車両の
ダッシュパネルの開口周縁部に直接又は筒部材を介して
固定される外周側の環状固定部と、上記内側環状体の環
状溝の粘体内に当該両環状体の相対回転及び軸方向の相
対移動を許容するように全周にわたって軸方向からはま
る内周側の円筒状の環状シール部と、該環状固定部と環
状シール部とを結ぶ蛇腹状ラバー部とを有する、という
ものである。
【0019】この発明の場合は、外側環状体の環状シー
ル部が内側環状体の環状溝の粘体に該両環状体の相対回
転だけでなく軸方向の移動を許容するようにはまってい
るから、車体に組み付けたときに内外の環状体の間に軸
方向の位置ずれを生じても、粘体によってシール性を確
保しながら、この位置ずれを両環状体間の軸方向の相対
変位によって吸収することができ、尚且つシャフト回転
時の異音発生を確実に防止することができる。また、上
記蛇腹状ラバー部は、その変形によって上記径方向の位
置ずれを吸収する。
【0020】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ステアリ
ングシャフトが嵌まり該ステアリングシャフトと共に回
転する内側環状体と、車両のダッシュパネルに固定され
る外側環状体とのうちの一方に、ステアリングシャフト
まわりを巡るように環状に形成され粘体が充填される環
状溝が形成され、該両環状体のうちの他方に、該両環状
体の相対回転を許容するように全周にわたって上記環状
溝の粘体内に入る環状シール部が設けられているから、
両環状体間の粘体によってステアリングシャフト回転時
の擦れ合いによる異音の発生を防止しながら、ダストや
音の侵入を確実に防ぐことができる。
【0021】請求項2又は請求項3に係る発明によれ
ば、外側環状体に蛇腹状ラバー部を設けるとともに、環
状シール部を環状溝に両環状体の相対回転だけでなく径
方向の移動を許容するようにはめたから、該両環状体間
に径方向の位置ずれを生じても、粘体によってシール性
を確保しながら、両環状体間の径方向の相対変位によっ
て当該位置ずれを吸収してステアリングシャフト回転時
の異音発生を確実に防止することができ、また、蛇腹状
ラバー部による軸方向の位置ずれ吸収性を高めることが
できる。
【0022】請求項4に係る発明によれば、上記環状シ
ール部が、上記環状溝の開口部近傍で周方向に延びる突
条と径方向に延びる突条とを有するから、環状シール部
と粘体との界面に隙間を生ずることを防止することがで
きるとともに、環状溝から粘体が飛散することを防ぐこ
とができる。
【0023】請求項5に係る発明によれば、上記内側環
状体が、上記ステアリングシャフトの軸方向の一方に開
口した環状溝を有し、上記外側環状体が、車両のダッシ
ュパネルに固定される環状固定部と、上記内側環状体の
環状溝の粘体内に当該両環状体の相対回転及び軸方向の
相対移動を許容するように全周にわたって入る円筒状の
環状シール部と、該環状固定部と環状シール部とを結ぶ
蛇腹状ラバー部とを有するから、両環状体間の粘体によ
ってステアリングシャフト回転時の擦れ合いによる異音
の発生を防止しながら、ダストや音の侵入を確実に防ぐ
ことができ、しかも両環状体間の軸方向の位置ずれを両
環状体間の軸方向の相対変位によって吸収し、また、両
環状体の径方向の位置ずれを蛇腹状ラバー部の変形によ
って吸収することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0025】<実施形態1>本形態は図1〜図5に示さ
れている。図1において、1は車両のステアリングシャ
フト、2はダッシュパネル、3はステアリングシャフト
1が嵌まる嵌合孔を有し該ステアリングシャフト1と共
に回転する内側環状体、5はダッシュパネル2に筒状の
内カバー部材8a及び筒状の外カバー部材8bを介して
固定される外側環状体である。
【0026】内カバー部材8aはゴム製又は樹脂製であ
り、外カバー部材8bは金属製又は樹脂製であって内カ
バー部材8aに嵌められており、両者の一端のフランジ
がダッシュパネル2の開口2aの周縁部に隙間なく固定
されている。また、外側環状体5は内カバー部材8aに
内嵌めされており、外カバー部材8bに外から巻いたバ
ンド8cによって、この外側環状体5及び内外のカバー
部材8a,8bが締め付け結合されている。
【0027】図2に示すように、内側環状体3は、金属
製又は樹脂製の第1及び第2の両環状部材6,7によっ
て構成されている。第1環状部材6は、上記ステアリン
グシャフト1が嵌まる嵌合孔4を有する円筒部と、該円
筒部の一端より径方向外方へ張り出した環状板部とより
なる。第2環状部材7は、第1環状部材6の円筒部より
も短寸の円筒部と、該円筒部の一端より径方向外方へ張
り出した環状板部とよりなる。両環状部材6,7は、第
2環状部材7の円筒部が第1環状部材6の円筒部におけ
る環状板部とは反対側の端部に隙間なく外嵌めされて一
体になっている。
【0028】この内側環状体3では、両環状部材6,7
の環状板部間が外周面に開口した環状溝9に形成され、
該環状溝9にグリース等の粘体10が充填されている。
また、ステアリングシャフト1は第1環状部材6の嵌合
孔4に圧入されて、当該内側環状体3と一体に回転する
ようになっている。
【0029】外側環状体5は、内カバー部材8aに内嵌
めされる外周側の金属製又は樹脂製の環状固定部材11
と、上記内側環状体3の環状溝9の粘体10内にはまる
内周側の入る環状シール部材12と、該環状固定部材1
1と環状シール部材12とを結ぶ蛇腹状ラバー部材13
とによって構成されている。
【0030】環状固定部材11は、一端に外側に張り出
したフランジを有する円筒状に形成されていて、そのフ
ランジがダッシュパネル2のステアリングシャフト1を
通すための開口2aの周縁部に隙間なく固定されてい
る。環状シール部材12は、図3及び図4に示すよう
に、径方向に広がった金属製又は樹脂製の環状板14
と、該環状板14の両面にモールディングによって固着
されたラバー15とよりなり、当該両環状体3,5の相
対回転及び径方向の相対移動を許容するように、全周に
わたって内側環状体3の環状溝9の粘体10内にはめら
れている。
【0031】環状シール部材12のラバー15は、環状
板14における上記内側環状体3の環状溝9の開口部近
傍及び環状板の内周部近傍で周方向に延びる突条15
a,15bと、この突条15a,15bを結ぶように径
方向に延びる複数本の突条15cとを備えてなる。ま
た、環状板14における突条15aと突条15bとの間
の部位には該環状板14を貫通する貫通孔14aが形成
されている。
【0032】蛇腹状ラバー部材13は、複数の波の輪が
同心状に形成された波紋状に形成されており、その外周
部が環状固定部材11のフランジとは反対側の端部に、
その内周部が環状シール部材12の外周部に、それぞれ
全周にわたってモールディングによって固着している。
【0033】従って、本実施形態においては、ダストや
音に対するシール性は粘体10によって確保されてお
り、ステアリングシャフト1が回転するとき、外側環状
体5の環状シール部材12が内側環状体3の環状溝9を
粘体10に包まれた状態で相対的に回転移動するから、
部材間の擦れ合いによる異音の発生の問題はなくなる。
また、ステアリングシャフト1をダッシュパネル2に内
側環状体3と外側環状体5とを介して組み付けたとき
に、両環状体3,5間にその径方向の位置ずれを生じて
も、内側環状体3の環状溝9と外側環状体5の環状シー
ル部材12とが径方向に相対変位することによってその
位置ずれが吸収され、環状シール部材12が環状溝9の
粘体10内にはまっている限りは上記シール性は確保さ
れ、且つステアリングシャフト1も異音を発生すること
なく回転することができる。
【0034】また、環状溝9の開口部近傍に存する環状
シール部材12の周方向突条15aは該環状溝9内の粘
体10の飛散防止に寄与し、径方向突条15cはステア
リングシャフト1が回転するときに粘体10を流動さ
せ、該粘体10と環状シール部材12との界面に隙間を
生ずることを防止する。また、貫通孔14aは環状シー
ル部材12の両側の粘体10の行き来を可能にし該環状
シール部材12に対する粘体10の付着性を高める。
【0035】内側環状体3と外側環状体5との間に生ず
ることがある軸方向の位置ずれは外側環状体5の蛇腹状
ラバー部材13の変形によって吸収される。このような
位置ずれを生じた場合、例えば図3に示すように、環状
シール部材12の内外の突条15a,15bが内側環状
体3における環状溝9の内面に当接するが、突条15
a,15bのまわりには粘体が存在するため、ステアリ
ングシャフト1の回転時に異音を発生することが避けら
れる。
【0036】また、環状シール部材12が全周にわたっ
て粘体10内にはまっている限りシール性が確保される
から、該環状シール部材12を内側環状体3の環状溝内
面に強く当てる必要はなく、図3に示すような片当たり
状態になっても回転むら及び異音発生の問題はない。ま
た、蛇腹状ラバー部材13を厚肉にする必要がないか
ら、つまり、それを薄肉にすることができるから、軸方
向の位置ずれ吸収性も高くなり、そのことが上記片当た
りが強くなることを避けるうえで有利に働いている。
【0037】図5は環状シール部材12の変形例を示す
ものであり、これは、環状板14がラバー15によって
くるまれている点に特徴があり、他は上記図3及び図4
に示すものと同じであり、同様の要素には同じ符号を与
えている。
【0038】<実施形態2>本実施形態は図6に示され
ており、実施形態1とは違って、内側環状体3に環状シ
ール部12が形成され、外側環状体5に粘体10充填用
の環状溝9が形成されている。
【0039】すなわち、内側環状体3は、ステアリング
シャフト嵌合孔4を有する円筒部16を備え、該円筒部
16の中央より板状の環状シール部12が径方向外側に
張り出している。
【0040】外側環状体5は、実施形態1と同様の環状
固定部材11と、内周面に開口した環状溝9を有する環
状溝部材17と、該環状固定部材11と環状溝部材17
とを結ぶ蛇腹状ラバー部材13とによって構成されてい
る。環状溝部材17は、各々径方向に広がった環状板部
と、該環状板部の周縁より軸方向に突出した周壁部と、
該周壁部の突出端より径方向外方へ張り出したフランジ
とよりなる一対の環状部材18,18を互いのフランジ
部で合わせたものであり、相対する環状板部の間が当該
環状溝部材17の内周面に開口した環状溝9に形成され
ている。蛇腹状ラバー部材13はその内周縁部が環状溝
部材17のフランジに結合している。
【0041】そうして、上記外側環状体5の環状溝9に
充填された粘体10に上記内側環状体3の板状の環状シ
ール部12が全周にわたってはまっている。また、環状
シール部12には実施形態1と同様にラバー15及び貫
通孔14aが設けられている。
【0042】従って、本実施形態は、実施形態1とは環
状シール部と環状溝との配設関係が逆の関係になってい
るだけであり、従って、実施形態1と同様の作用効果を
奏する。
【0043】<実施形態3>本実施形態は図7に示され
ており、内側環状体3の環状溝9が軸方向に開口してい
る点に特徴がある。
【0044】すなわち、内側環状体3は、同心状に設け
られた内円筒部及び外円筒部の一端同士が環状板部によ
って連なったものであり、内外の円筒部間が上記環状溝
9に形成されている。
【0045】外側環状体5は、実施形態1のものと同様
の環状固定部材11及び蛇腹状ラバー部材13を備えて
いるが、該蛇腹状ラバー部材13の内周縁部が連なる環
状シール部材12は、円筒部と該円筒部の一端より外方
へ張り出したフランジとよりなり、該円筒部が上記環状
溝9の粘体10に全周にわたって軸方向からはまり、フ
ランジが上記蛇腹状ラバー部材13に結合している。環
状シール部材12の両面には環状溝9の開口部近傍及び
該環状シール部材12の先端部近傍の各々において周方
向に延びる周方向突条と、この両周方向突条を結ぶよう
に軸方向に延びる軸方向突条とを備えたラバー15が設
けられている。また、環状シール部材12の各突条で囲
まれた部位には貫通孔14aが設けられている。
【0046】従って、本実施形態の場合、外側環状体5
の環状シール部材12が内側環状体3の環状溝9の粘体
10に該両環状体3,5の相対回転だけでなく軸方向の
移動を許容するようにはまっているから、ダッシュパネ
ル2に組み付けたときに内外の環状体3,5の間に軸方
向の位置ずれを生じた場合、粘体10でシール性を確保
しながら、この軸方向の位置ずれは両環状体3,5間の
軸方向の相対変位によって吸収することができる。一
方、蛇腹状ラバー部材13は、その辺径によって両環状
体3,5の径方向の位置ずれを吸収することになる。
【0047】また、環状シール部材12のラバー15の
環状溝開口部近傍に存する周方向突条は該環状溝9の粘
体の飛散防止に寄与し、軸方向突条はステアリングシャ
フト1が回転するときに粘体10を流動させて該粘体1
0と環状シール部材12との界面に隙間を生ずることを
防止し、また、貫通孔14aは粘体10の環状シール部
材12への付着性を高める。
【0048】なお、上記実施形態1〜3では、蛇腹状ラ
バー部材13が波紋状になって径方向に平面的に広がっ
ているが、筒状の蛇腹形状であってもよい。
【0049】また、上記実施形態1〜3では、外側環状
体5の環状固定部材11が蛇腹状ラバー部材13とは別
体の金属製又は樹脂製であるが、これを蛇腹状ラバー部
材13と一体成形されたゴム製としてもよい。その場
合、このゴム製の環状固定部をダッシュパネル2の開口
周縁部まで延設し該開口周縁部に当て、その上から環状
の押えプレートを重ねて、該押えプレートをねじ部材等
によってダッシュパネルに締め付けるようにしてもよ
い。すなわち、この場合は外側環状体5がダッシュパネ
ルに直接固定された構造となり、筒状のカバー部材8
a,8bは不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るステアリングシャフ
トのダッシュパネルへの取付構造を示す縦断面図。
【図2】同形態に係るステアリングシャフトのダストシ
ール構造を示す縦断面図。
【図3】同形態の環状溝部分を示す断面図。
【図4】同形態の環状シール部材を示す正面図。
【図5】同形態の環状シール部材の別の例を示す断面
図。
【図6】本発明の実施形態2に係るステアリングシャフ
トのダストシール構造を示す縦断面図。
【図7】本発明の実施形態3に係るステアリングシャフ
トのダストシール構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 ステアリングシャフト 2 ダッシュパネル 2a 開口 3 内側環状体 4 嵌合孔 5 外側環状体 6,7 環状部材 9 環状溝 10 粘体 11 環状固定部材 12 環状シール部材 13 蛇腹状ラバー部材 14 環状板 14a 貫通孔 15 ラバー 15a,15b 周方向突条 15c 径方向突条 16 円筒部 17 環状溝部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフトが嵌まる嵌合孔を
    有し該ステアリングシャフトと共に回転する内側環状体
    と、 車両のダッシュパネルの開口周縁部に直接又は筒部材を
    介して固定される外側環状体とを備え、 上記両環状体のうちの一方に、ステアリングシャフトま
    わりを巡るように環状に形成され粘体が充填される環状
    溝が形成され、 上記両環状体のうちの他方に、該両環状体の相対回転を
    許容するように全周にわたって上記環状溝の粘体内には
    まる環状シール部が設けられているステアリングシャフ
    トのダストシール構造。
  2. 【請求項2】 上記内側環状体が、その外周面に開口し
    た環状溝を有し、 上記外側環状体が、車両のダッシュパネルの開口周縁部
    に直接又は筒部材を介して固定される外周側の環状固定
    部と、上記内側環状体の環状溝の粘体内に当該両環状体
    の相対回転及び径方向の相対移動を許容するように全周
    にわたってはまる内周側の環状シール部と、該環状固定
    部と環状シール部とを結ぶ蛇腹状ラバー部とを有する請
    求項1記載のステアリングシャフトのダストシール構
    造。
  3. 【請求項3】 上記外側環状体が、車両のダッシュパネ
    ルの開口周縁部に直接又は筒部材を介して固定される外
    周側の環状固定部と、内周面に開口した環状溝を有する
    内周側の環状溝部と、該環状固定部と環状溝部とを結ぶ
    蛇腹状ラバー部とを有し、 上記内側環状体が、径方向外方へ突出し上記外側環状体
    の環状溝の粘体内に当該両環状体の相対回転及び径方向
    の相対移動を許容するように全周にわたってはまる環状
    シール部を有する請求項1記載のステアリングシャフト
    のダストシール構造。
  4. 【請求項4】 上記環状シール部は、径方向に広がった
    板状体であり、その板面に上記環状溝の開口部近傍で周
    方向に延びる突条と径方向に延びる突条とを有する請求
    項2又は請求項3記載のステアリングシャフトのダスト
    シール構造。
  5. 【請求項5】 上記内側環状体が、上記ステアリングシ
    ャフトの軸方向の一方に開口した環状溝を有し、 上記外側環状体が、車両のダッシュパネルの開口周縁部
    に直接又は筒部材を介して固定される外周側の環状固定
    部と、上記内側環状体の環状溝の粘体内に当該両環状体
    の相対回転及び軸方向の相対移動を許容するように全周
    にわたって軸方向からはまる内周側の円筒状の環状シー
    ル部と、該環状固定部と環状シール部とを結ぶ蛇腹状ラ
    バー部とを有する請求項1記載のステアリングシャフト
    のダストシール構造。
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