JP4662031B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密封技術に係る密封装置に関し、更に詳しくは、例えば自動車等車両におけるステアリングシャフトのダストシール等、軸偏心や取付偏心が大きい軸封部に用いられるのに適した密封装置に関するものである。本発明の密封装置は、上記車両のほか、汎用機械等にも用いられる。
従来から、図6に示す密封装置51が知られており、この密封装置51は以下のように構成されている。尚、この密封装置51は車両用ステアリングダストシールである(特許文献1掲載の図5参照)。
すなわち、この密封装置51は、ハウジングであるフロントダッシュパネル52に設けた軸孔53の周面とこの軸孔53に挿通した軸であるステアリングシャフト54の周面との間の隙間をシールするものであって、フロントダッシュパネル52の内周に取り付けられる取付部55と、ステアリングシャフト54の周面に摺動自在に密接するリップ状のシール部56とを有しており、更にこの取付部55とシール部56との間に、軸偏心等に対応するためのベロー部57を一体に有している。
しかしながら、この密封装置51には、以下の不都合がある。
すなわち近年、この種の密封装置51に対しては更なる高偏心作動が求められており、この点、上記ベロー部57の形状(弾性変形)のみにて高偏心に追随するには、ベロー部57の幅を拡げる、あるいはベロー部57を二箇所設ける等の方法があるが、これらの方法によると、密封装置51嵌合幅の制限やベロー部57の接触による破損等が問題となる虞がある。
尚、本発明に関連する技術として、本願出願人は先に、図7に示すように、回転軸62に接触して流体の漏れを防ぐシールリップ63と、シールリップ63を支持する内環64と、シールリップ63の外周側に設けられ、シールリップ63を支持する外周部65とを有し、シールリップ63外径部に外周部64と内環64との間の相対運動を可能とする摺動部66を備えた密封装置61を提案しており、この先行技術によれば、ベロー部を有さなくても、摺動部66が外周部65に対して径方向変位することにより、シールリップ63が軸偏心等に追随することができる。
しかしながら、この先行技術によると、ゴム状弾性体よりなる摺動部66がその内部に内環64を埋設したものであってその軸方向幅が比較的大きく設定されていることから、摺動部66が外周部65に対して径方向変位するときに外周部65の内部空間65aに圧力変動が生じて摺動部66の円滑な摺動が妨げられることがあり、これを防止するには、外周部65に貫通孔67を設けて内部空間65aを大気開放しなければならない。
特開平9−242880号公報 実開昭64−55368号公報
本発明は以上の点に鑑みて、近年における要求である高偏心作動に対応することができ、しかも部品に貫通孔を設ける必要がない密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、軸を挿通したハウジングの内周に取り付けられる取付部と、前記取付部の内周側に設けられたベロー部と、前記ベロー部の更に内周側に設けられるとともに前記軸の周面に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置であって、前記ベロー部の外周側に剛板製のスライド部を径方向外方へ向けて一体に保持し、前記剛板製のスライド部は、前記取付部の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部によって径方向スライド自在に保持され、前記軸方向一対のスライド支持部はそれぞれ、金属環の表面にゴム状弾性体を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体によって、前記剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接して前記スライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部が成形されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2による密封装置は、軸を挿通したハウジングの内周に取り付けられる取付部と、前記取付部の内周側に設けられるとともに前記軸の周面に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置であって、前記シール部の外周側に剛板製のスライド部を径方向外方へ向けて一体に保持し、前記剛板製のスライド部は、前記取付部の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部によって径方向スライド自在に保持され、前記軸方向一対のスライド支持部はそれぞれ、金属環の表面にゴム状弾性体を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体によって、前記剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接して前記スライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部が成形されていることを特徴とするものである。
上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、ベロー部の外周側に剛板製のスライド部が径方向外方へ向けて一体に保持され、この剛板製のスライド部は、取付部の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部によって径方向スライド自在に保持され、軸方向一対のスライド支持部はそれぞれ、金属環の表面にゴム状弾性体を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体によって、剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接してスライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部が成形されている構成であることから、軸偏心等が生じると、ベロー部が弾性変形し、併せてスライド部が径方向にスライド作動することによって偏心を吸収する。したがって、ベロー部の弾性変形による偏心吸収と、スライド部の径方向スライドによる偏心吸収とが併せなされるため、高偏心作動に対応することが可能となる。
また、剛板製のスライド部は、上記先行技術におけるゴム状弾性体製の摺動部66と比較して薄肉であることから(図7に示したように、ゴム状弾性体製の摺動部66にはその肉厚内に剛板製の内環64が埋設されており、同じ剛板製のこの内環64と本発明のスライド部とが同じ厚さであるとすると、先行技術の方がゴム厚さの分、厚肉である)、スライド時におけるこれが差し込まれる空間の容積変化率を小さく抑えることが可能となる。したがって、スライド支持部に敢えて貫通孔を設けなくても、スライド部を円滑にスライドさせることが可能となる。
尚、上記「ベロー部の外周側に剛板製のスライド部が径方向外方へ向けて一体に保持され、この剛板製のスライド部は、取付部の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部によって径方向スライド自在に保持され、軸方向一対のスライド支持部はそれぞれ、金属環の表面にゴム状弾性体を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体によって、剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接してスライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部が成形されている構成」は、取付部およびシール部のみを有してベロー部を有さないタイプの密封装置についても適用可能であり、スライド部の径方向スライド量を大きく設定することにより高偏心作動に対応することが可能となる。したがって、本願の請求項2に係る密封装置では、請求項1に係る密封装置の構成要素からベロー部を省略する構成とした。
また、上記請求項1および2に共通して、軸方向一対のスライド支持部が、剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接してスライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部を有する構成であると、スライド部を安定良く保持し、かつスライド部およびスライド保持部間のシール性を確保することが可能となる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の請求項1による密封装置によると、ベロー部の外周側に剛板製のスライド部が径方向外方へ向けて一体に保持され、この剛板製のスライド部は、取付部の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部によって径方向スライド自在に保持され、軸方向一対のスライド支持部はそれぞれ、金属環の表面にゴム状弾性体を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体によって、剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接してスライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部が成形されていることから、軸偏心等が生じたときに、ベロー部が弾性変形し、加えてスライド部が径方向にスライド作動して偏心を吸収する。したがって、ベロー部の弾性変形による偏心吸収作用と、スライド部の径方向スライドによる偏心吸収作用とが併せてなされることから、高偏心作動に対応することができる。
また、剛板製のスライド部が比較的薄肉であって、これが差し込まれる空間の容積変化率を小さく抑えることが可能であることから、スライド支持部に貫通孔を設けなくても、スライド部が円滑にスライドする。
本発明の請求項2による密封装置によると、シール部の外周側に剛板製のスライド部が径方向外方へ向けて一体に保持され、この剛板製のスライド部は、取付部の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部によって径方向スライド自在に保持され、軸方向一対のスライド支持部はそれぞれ、金属環の表面にゴム状弾性体を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体によって、剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接してスライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部が成形されていることから、軸偏心等が生じたときに、スライド部が径方向にスライド作動して偏心を吸収する。したがって、スライド部の径方向スライド量を或る程度大きく設定することにより高偏心作動に対応することができる。
また、剛板製のスライド部が比較的薄肉であって、これが差し込まれる空間の容積変化率を小さく抑えることが可能であることから、スライド支持部に貫通孔を設けなくても、スライド部が円滑にスライドする。
更にまた、この請求項2の構成によると、偏心吸収に際して弾性変形する部位が存在しないため、へたり等の部品の早期劣化を抑えることができ、高偏心作動する密封装置の耐久性を向上させることができる。
また、上記請求項1および2に共通して、軸方向一対のスライド支持部が、剛板製のスライド部の平面に摺動自在に密接してスライド部を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部を有することから、スライド部を安定良く保持し、かつスライド部およびスライド保持部間のシール性を確保することができる。
尚、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)高偏心に対応するため、ベロー部以外の箇所に可動部位をもつ形状を備えた密封装置。
(2)高偏心に対応するため、ベロー部以外の箇所にスライド可能部位をもつ形状を備えた密封装置。
(3)外周側のベロー部根元をゴム(リップ形状)で挟み込み、スライド可能な形状とする。
(4)上記(1)ないし(3)の構成によると、ベロー部の伸び縮み以外の箇所に可動箇所を設けることができる。これにより、ベローが縮みきった後に、リップ部において挟み込み部が可動するため、更なる偏心に追随することが可能となる。尚、ベロー部はなくても良い。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る密封装置1の要部断面を示している。当該実施例に係る密封装置1は、車両用ステアリングダストシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。尚、この実施例は請求項1に係る実施例である。
すなわち、この密封装置1は先ず、ハウジングであるフロントダッシュパネル2に設けた軸孔3の周面とこの軸孔3に挿通した軸であるステアリングシャフト4の周面との間の径方向隙間をシールするものであって、フロントダッシュパネル2の内周に取り付けられる取付部5と、ステアリングシャフト4の周面に摺動自在に密接するシール部6とを有しており、更にこの取付部5とシール部6との間に、軸偏心等に対応するためのベロー部7が一体に成形されている。また、ベロー部7の外周側に、剛板製のスライド部8が径方向外方へ向けて一体に保持されており、この剛板製のスライド部8が、取付部5の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部9,10によって径方向スライド自在に保持されている。
取付部5は、フロントダッシュパネル2の軸孔3内周に嵌合される金属環11の表面にゴム状弾性体12,13を加硫接着したものであって、金属環11の外周面に被着した一部のゴム状弾性体12によって、フロントダッシュパネル2との間をシールする外周シール部14が成形されている。金属環11にはその内周面にも一部のゴム状弾性体13が被着されており、このゴム状弾性体13によって、後記する第二スライド支持部10の金属環17との間をシールする内周シール部15が成形されている。
取付部5の内周側に設けられた軸方向一対のスライド支持部9,10はそれぞれ、金属環16,17の表面にゴム状弾性体18,19を加硫接着したものであって、このゴム状弾性体18,19によって、剛板製のスライド部8の平面に摺動自在に密接してスライド部8を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部20,21が成形されている。シールリップ状の摺動保持部20,21はそれぞれ、径方向内方へ向けて設けられた主リップ20a,21aと、径方向外方へ向けて設けられた副リップ20b,21bとを一体に有している。
図上上側に配置された第一のスライド支持部9の金属環16は、取付部5の金属環11と一体に成形されている。すなわち、取付部5の金属環11の筒状部11aの上端部から径方向内方へ向けて径方向部16aが一体成形されるとともにこの径方向部16aの内周端部から軸方向一方(図では下方)へ向けて筒状部16bが一体成形されて、この径方向部16aおよび筒状部16bによって第一のスライド支持部9の金属環16が構成されており、筒状部16bの先端にリップ状の摺動保持部20が被着されている。ゴム状弾性体18は、リップ状の摺動保持部20のほかに、筒状部16bの内周面に被着された内周被着部18aと、径方向部16aの外側端面に被着された端面被着部18bとを一体に有しており、端面被着部18bは取付部5の外周シール部14と一体に繋がっている。したがって、取付部5および第一スライド支持部9は、一つの金属環とこれに被着されたゴム状弾性体よりなる一つの加硫成形品(第一の加硫成形品)として成形されている。
一方、図上下側に配置された第二のスライド支持部10は、第二の加硫成形品によって構成されており、金属環17とこれに加硫接着されたゴム状弾性体19とを有している。金属環17は、取付部5の金属環11の筒状部11aの内周側に内周シール部15を介して嵌着された外周側筒状部17aと、この外周側筒状部17aの上端部から径方向内方へ向けて一体成形された径方向部17bと、この径方向部17bの内周端部から軸方向他方(図では上方)へ向けて一体成形された内周側筒状部17cとを一体に有しており、内周側筒状部17cの先端にリップ状の摺動保持部21が被着されている。ゴム状弾性体19は、リップ状の摺動保持部21のほかに、内周側筒状部17cの内周面に被着された内周被着部19aと、径方向部17bの外側端面に被着された端面被着部19bとを一体に有している。
取付部5の金属環11と第二スライド支持部10の金属環17の間は、前者金属環11の筒状部11aの内周面に被着したゴム状弾性体13よりなる内周シール部15によってシールされている。上下一対のスライド支持部9,10の間すなわちリップ状の摺動保持部20,21の間は、ここに剛板製のスライド部8が挟み込まれることによりシールされている。取付部5および上下のスライド支持部9,10(第一および第二の加硫成形品)にはその何れにも貫通孔は形成されていない。したがって、取付部5および一対のスライド支持部9,10によって囲まれた空間22は気密化されて大気と遮断されており、このように気密化されて大気と遮断された空間22は優れた遮音効果を発揮する。
シール部6は、ステアリングシャフト4の周面に摺動自在に密接するシールリップ23と、このシールリップ23をシャフト4の偏心に追随させるダンパー24と、ヒゲリップ25およびグリース保持リップ26とを一体に有して所定のゴム状弾性体によって一体に成形されており、ダンパー24の内部には補強用の金属環27が埋設されている。
ベロー部7は、シール部6のダンパー24の外周部から径方向外方へ向けて一体に成形されており、その外周端部に、剛板製のスライド部8を一体に保持するスライド取付部28を一体に有している。
剛板製のスライド部8は、環状を呈するプレート状に成形されており、その内周端部をもってスライド取付部28に一体に保持されており、上下一対のスライド支持部9,10間に配置され、一対の摺動保持部20,21の間に挟まれて径方向スライド自在とされている。
上記構成の密封装置1は、上記したように自動車等車両用のステアリングダストシールとして用いられ、エンジン室側から車室内側へダストが侵入しないようこれをシールするものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
すなわち先ず、上記したようにベロー部7の外周側に剛板製のスライド部8が径方向外方へ向けて一体に保持され、この剛板製のスライド部8が取付部5の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部9,10によって径方向スライド自在に保持されているために、シャフト4に偏心等が発生すると、ベロー部7が弾性変形し、これに加えて剛板製のスライド部8が径方向にスライド作動して偏心を吸収する。したがって、ベロー部7の弾性変形による偏心吸収作用と、スライド部8の径方向スライドによる偏心吸収作用とが併せてなされることから、高偏心作動に対応することができる。
図2はこの作動状態を示しており、シャフト4の偏心(矢印A)によって、図の左側では、シール部6が取付部5に近付く方向へ変位している。したがってベロー部7は径方向に圧縮された状態にあり、このベロー部7に押されてスライド部8は空間22に深く差し込まれている。これに対して図の右側では、シール部6が取付部5から離れる方向へ変位するので、ベロー部7は径方向に伸張し、スライド部8はほぼ定位置にある(ベロー部7に引っ張られて空間22から抜ける方向へスライドすることもある)。
また、上記構成の密封装置1では、剛板製のスライド部8が比較的薄肉であって、これが差し込まれる空間22の容積変化率を小さく抑えることが可能であることから、空間22を取り囲む取付部5や上下のスライド支持部9,10に貫通孔を設けなくても、スライド部8が円滑にスライドする。したがって、貫通孔の形成加工を省略することができる。また、上記したように空間22は気密化されて大気と遮断されるで、優れた遮音効果を発揮し、エンジン側の騒音が車室内側へ伝わりにくくすることができる。
また、上記構成の密封装置1では、軸方向一対のスライド支持部9,10に、剛板製のスライド部8の平面に摺動自在に密接してスライド部8を軸方向両側から挟み込むリップ状の摺動保持部20,21が設けられているために、スライド部8を安定良く保持して円滑にスライドさせることができ、かつスライド部8およびスライド保持部9,10間のシール性を十分に確保することができる。
第二実施例・・・
図3は、本発明の第二実施例に係る密封装置1の要部断面を示している。当該実施例に係る密封装置1は、車両用ステアリングダストシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。尚、この実施例は請求項2に係る実施例である。
すなわち、この密封装置1は先ず、ハウジングであるフロントダッシュパネル2に設けた軸孔3の周面とこの軸孔3に挿通した軸であるステアリングシャフト4の周面との間の径方向隙間をシールするものであって、フロントダッシュパネル2の内周に取り付けられる取付部5と、ステアリングシャフト4の周面に摺動自在に密接するシール部6とを有している。また、シール部6の外周側に、剛板製のスライド部8が径方向外方へ向けて一体に保持されており、この剛板製のスライド部8が、取付部5の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部9,10によって径方向スライド自在に保持されている。上記第一実施例と異なり、ベロー部6は設けられていない。
取付部5は、フロントダッシュパネル2の軸孔3内周に嵌合される金属環11の表面にゴム状弾性体12,13を加硫接着したものであって、金属環11の外周面に被着した一部のゴム状弾性体12によって、フロントダッシュパネル2との間をシールする外周シール部14が成形されている。金属環11にはその内周面にも一部のゴム状弾性体13が被着されており、このゴム状弾性体13によって、後記する第二スライド支持部10の金属環17との間をシールする内周シール部15が成形されている。
取付部5の内周側に設けられた軸方向一対のスライド支持部9,10はそれぞれ、金属環16,17の表面にゴム状弾性体18,19を加硫接着したものであって、このゴム状弾性体18,19によって、剛板製のスライド部8の平面に摺動自在に密接してスライド部8を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部20,21が成形されている。シールリップ状の摺動保持部20,21はそれぞれ、径方向内方へ向けて設けられた主リップ20a,21aと、径方向外方へ向けて設けられた副リップ20b,21bとを一体に有している。
図上上側に配置された第一のスライド支持部9の金属環16は、取付部5の金属環11と一体に成形されている。すなわち、取付部5の金属環11の筒状部11aの上端部から径方向内方へ向けて径方向部16aが一体成形されるとともにこの径方向部16aの内周端部から軸方向一方(図では下方)へ向けて筒状部16bが一体成形されて、この径方向部16aおよび筒状部16bによって第一のスライド支持部9の金属環16が構成されており、筒状部16bの先端にリップ状の摺動保持部20が被着されている。ゴム状弾性体18は、リップ状の摺動保持部20のほかに、筒状部16bの内周面に被着された内周被着部18aと、径方向部16aの外側端面に被着された端面被着部18bとを一体に有しており、端面被着部18bは取付部5の外周シール部14と一体に繋がっている。したがって、取付部5および第一スライド支持部9は、一つの金属環とこれに被着されたゴム状弾性体よりなる一つの加硫成形品(第一の加硫成形品)として成形されている。
一方、図上下側に配置された第二のスライド支持部10は、第二の加硫成形品によって構成されており、金属環17とこれに加硫接着されたゴム状弾性体19とを有している。金属環17は、取付部5の金属環11の筒状部11aの内周側に内周シール部15を介して嵌着された外周側筒状部17aと、この外周側筒状部17aの上端部から径方向内方へ向けて一体成形された径方向部17bと、この径方向部17bの内周端部から軸方向他方(図では上方)へ向けて一体成形された内周側筒状部17cとを一体に有しており、内周側筒状部17cの先端にリップ状の摺動保持部21が被着されている。ゴム状弾性体19は、リップ状の摺動保持部21のほかに、内周側筒状部17cの内周面に被着された内周被着部19aと、径方向部17bの外側端面に被着された端面被着部19bとを一体に有している。
取付部5の金属環11と第二スライド支持部10の金属環17の間は、前者金属環11の筒状部11aの内周面に被着したゴム状弾性体13よりなる内周シール部15によってシールされている。上下一対のスライド支持部9,10の間すなわちリップ状の摺動保持部20,21の間は、ここに剛板製のスライド部8が挟み込まれることによりシールされている。取付部5および上下のスライド支持部9,10(第一および第二の加硫成形品)にはその何れにも貫通孔は形成されていない。したがって、取付部5および一対のスライド支持部9,10によって囲まれた空間22は気密化されて大気と遮断されており、このように気密化されて大気と遮断された空間22は優れた遮音効果を発揮する。
シール部6は、ステアリングシャフト4の周面に摺動自在に密接するシールリップ23と、このシールリップ23をシャフト4の偏心に追随させるダンパー24と、ヒゲリップ25およびグリース保持リップ26とを一体に有して所定のゴム状弾性体によって一体に成形されており、ダンパー24の内部には補強用の金属環27が埋設されている。
剛板製のスライド部8は、環状を呈するプレート状に成形されており、その内周端部をもってシール部6のダンパー24の外周部に一体に保持されており、上下一対のスライド支持部9,10間に配置され、一対の摺動保持部20,21の間に挟まれて径方向スライド自在とされている。
上記構成の密封装置1は、上記したように自動車等車両用のステアリングダストシールとして用いられ、エンジン室側から車室内側へダストが侵入しないようこれをシールするものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
すなわち先ず、上記したようにシール部6の外周側に剛板製のスライド部8が径方向外方へ向けて一体に保持され、この剛板製のスライド部8が取付部5の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部9,10によって径方向スライド自在に保持されているために、シャフト4に偏心等が発生すると、スライド部8が径方向にスライド作動して偏心を吸収する。したがって、スライド部8の径方向スライド量を或る程度大きく設定することにより、高偏心作動に対応することができる。
図4はこの作動状態を示しており、シャフト4の偏心(矢印A)によって、図の左側では、シール部6が取付部5に近付く方向へ変位している。したがってこのシール部6に押されてスライド部8は空間22に深く差し込まれている。これに対して図の右側では、シール部6が取付部5から離れる方向へ変位するので、スライド部8はシール部6に引っ張られて空間22から抜ける方向へスライドしている。
また、上記構成の密封装置1では、剛板製のスライド部8が比較的薄肉であって、これが差し込まれる空間22の容積変化率を小さく抑えることが可能であることから、空間22を取り囲む取付部5や上下のスライド支持部9,10に貫通孔を設けなくても、スライド部8が円滑にスライドする。したがって、貫通孔の形成加工を省略することができる。また、上記したように空間22は気密化されて大気と遮断されるで、優れた遮音効果を発揮し、エンジン側の騒音が車室内側へ伝わりにくくすることができる。
また、上記構成の密封装置1では、軸方向一対のスライド支持部9,10に、剛板製のスライド部8の平面に摺動自在に密接してスライド部8を軸方向両側から挟み込むリップ状の摺動保持部20,21が設けられているために、スライド部8を安定良く保持して円滑にスライドさせることができ、かつスライド部8およびスライド保持部9,10間のシール性を十分に確保することができる。
尚、上記第一および第二実施例に係る密封装置1は、本発明の目的を実現可能な範疇においてその構成を種々変更することが可能であって、例えば以下のようなものであっても良い。
上記第一実施例では、図1に示したように、ベロー部7が、符号7a,7bおよび7cで示す三つの斜面と、符号7dおよび7eで示す二つの屈曲部(アール部)を径方向交互に備えた断面形状とされているが、このベロー部7の断面形状は特に限定されるものではなく、例えば図5に示すように、符号7aおよび7bで示す二つの斜面と、符号7dで示す一つの屈曲部(アール部)を径方向交互に備えた比較的単純な断面形状であっても良い。
また、上記第一実施例では、剛板製のスライド部8は平板環状に成形されているが、第二実施例に示すように、環状の段差部8aを備えたものであっても良い。
また、リップ状の摺動保持部20,21は、その剛板製のスライド部8に対する摺動抵抗を調整することにより、スライド部8のスライド量を増減させることができる。
本発明の第一実施例に係る密封装置の要部断面図 同密封装置の作動状態を示す説明図 本発明の第二実施例に係る密封装置の要部断面図 同密封装置の作動状態を示す説明図 本発明の他の実施例に係る密封装置の要部断面図 従来例に係る密封装置の断面図 他の従来例に係る密封装置の断面図
符号の説明
1 ステアリングダストシール(密封装置)
2 フロントダッシュパネル(ハウジング)
3 軸孔
4 ステアリングシャフト(軸)
5 取付部
6 シール部
7 ベロー部
7a,7b,7c 斜面
7d,7e 屈曲部
8 スライド部
8a 段差部
9,10 スライド支持部
11,16,17,27 金属環
12,13,18,19 ゴム状弾性体
14 外周シール部
15 内周シール部
20,21 摺動保持部
20a,21a 主リップ
20b,21b 副リップ
22 空間
23 シールリップ
24 ダンパー
25 ヒゲリップ
26 グリース保持リップ
28 スライド取付部

Claims (2)

  1. 軸(4)を挿通したハウジング(2)の内周に取り付けられる取付部(5)と、前記取付部(5)の内周側に設けられたベロー部(7)と、前記ベロー部(7)の更に内周側に設けられるとともに前記軸(4)の周面に摺動自在に密接するシール部(6)とを有する密封装置(1)であって、
    前記ベロー部(7)の外周側に剛板製のスライド部(8)を径方向外方へ向けて一体に保持し、
    前記剛板製のスライド部(8)は、前記取付部(5)の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部(9)(10)によって径方向スライド自在に保持され、
    前記軸方向一対のスライド支持部(9)(10)はそれぞれ、金属環(16)(17)の表面にゴム状弾性体(18)(19)を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体(18)(19)によって、前記剛板製のスライド部(8)の平面に摺動自在に密接して前記スライド部(8)を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部(20)(21)が成形されていることを特徴とする密封装置。
  2. 軸(4)を挿通したハウジング(2)の内周に取り付けられる取付部(5)と、前記取付部(5)の内周側に設けられるとともに前記軸(4)の周面に摺動自在に密接するシール部(6)とを有する密封装置(1)であって、
    前記シール部(6)の外周側に剛板製のスライド部(8)を径方向外方へ向けて一体に保持し、
    前記剛板製のスライド部(8)は、前記取付部(5)の内周側に設けた軸方向一対のスライド支持部(9)(10)によって径方向スライド自在に保持され、
    前記軸方向一対のスライド支持部(9)(10)はそれぞれ、金属環(16)(17)の表面にゴム状弾性体(18)(19)を加硫接着したものであって、前記ゴム状弾性体(18)(19)によって、前記剛板製のスライド部(8)の平面に摺動自在に密接して前記スライド部(8)を軸方向両側から挟み込むシールリップ状の摺動保持部(20)(21)が成形されていることを特徴とする密封装置。
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