JPH08189563A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JPH08189563A
JPH08189563A JP7090238A JP9023895A JPH08189563A JP H08189563 A JPH08189563 A JP H08189563A JP 7090238 A JP7090238 A JP 7090238A JP 9023895 A JP9023895 A JP 9023895A JP H08189563 A JPH08189563 A JP H08189563A
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JP
Japan
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resin material
metal ring
sealing
peripheral surface
outer peripheral
Prior art date
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Withdrawn
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JP7090238A
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English (en)
Inventor
Kazunori Jinbo
一憲 神保
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication of JPH08189563A publication Critical patent/JPH08189563A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属環の樹脂材へインサート成形するタイプ
の密封装置において、樹脂材と金属環の接触面に発生す
る隙間を通って漏れが生ずることなどを防止するように
して、シール性の向上を図る。 【構成】 リップ部3が接続される金属環4の内周壁を
成形型のガイド面8としてこの金属環4を樹脂材2へイ
ンサート成形するもので、この金属環4に、ガイド面8
より大径でかつ内,外周に樹脂材2に対してシール面1
6A,16B,16C,16D、17A,17Bを有す
る部位12を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば樹脂材料でで
きたリテーナ等の部品にインサート成形するタイプの密
封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の密封装置の従来のものを図12
に示す。図を説明すると、100は密封装置としてのオ
イルシールであって、このオイルシール100は、ゴム
状弾性材料で出来たリップ部101と、金属環102か
ら構成されている。103が、樹脂材であって、例え
ば、リテーナ等の部品である。通常の場合、オイルシー
ル100は単体で存在し、ケース、ケース蓋などの他の
部品に圧入などにより分解可能に組み込まれるものであ
るが、このオイルシール100のように、樹脂材料で出
来た他の部品(樹脂材103)にインサート成形され
て、他の部品と一体となるオイルシールがある。
【0003】このようにインサート成形するタイプのオ
イルシール100の従来の金属環102の形状は、図1
2に示すとおり径方向内向きのフランジ部104の外径
側に、樹脂材103を射出成形する場合に、成形型にオ
イルシール100を位置決めし、保持するために必要な
ガイド面105が内周面である円筒部106を有してい
る。フランジ部104の内径端部の両面にはゴム状弾性
体を被せて、焼付、接着等により、リップ部101を固
着し、一体となっている。また、円筒部106の外周面
は、樹脂材103との接触面107を構成しながら、樹
脂材103と連結している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術の場合では、樹脂材103と金属環102の
接触面107が円筒部106の外周面のみであるため、
環境温度が高温になると、熱膨張のために、金属環10
2、樹脂材103共に外径方向に膨張するが、熱膨張係
数は一般に樹脂材の方が金属よりも大きいために、熱膨
張係数の大きい樹脂材103が外周側に、熱膨張係数の
小さい金属環102が内周側になっていることから、接
触面107側では熱膨張差によるすきまが生じようとす
る。その結果として、発生するすきまを伝って、軸シー
ルしたい流体の漏れを生じることになる。
【0005】また、オイルシール100を使用する箇所
は、例えば自動車のエンジンに使う等と、ガソリンのあ
る雰囲気の箇所が多い。このようなガソリン雰囲気で
は、樹脂材103には、膨潤するものがある。このよう
な場合、膨潤するのは樹脂材103であって、金属では
ないから、上記の熱膨張と同じ傾向の状態を呈すること
になる。
【0006】また、たとえば図13に示すように、オイ
ルシール100を、樹脂材103の密封流体側Oの端面
を相手側取付部材108の端面に、ボルトA109にて
密接状態となるように締付固定し、さらに相手側取付部
材108の外周側のプレート110を介してボルトB1
11にて樹脂材103の外周部を締付固定する場合、従
来のオイルシール100にあっては、樹脂材103と金
属環102の接触面107が円筒部106の外周面のみ
であるため、樹脂材103の外周面側のすきま112を
なくすべく樹脂材103をボルトB111で締め上げる
と、樹脂材103を外径方向に引っ張る力fが働くか
ら、金属環102の接触面107側にすきまが生じ、漏
れを発生する傾向になる。
【0007】さらに、金属環102の円周上に不均一な
熱膨張や上記のような外力fが発生した場合に金属環1
02そのものが変形し、それがリップ部101を変形さ
せて、リップのシール性に悪影響を与える場合もある。
【0008】本発明は、上記した従来技術の課題を解決
するためになされたもので、その目的とするところは、
金属環の樹脂材へインサート成形するタイプの密封装置
において、樹脂材と金属環の接触面に発生する隙間を通
って漏れが生ずることなどを防止するようにして、シー
ル性の向上を図り得る密封装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、リップ部が接続される金属環の
内周壁を成形型のガイド面として前記金属環を樹脂材へ
インサート成形する密封装置において、前記金属環に、
前記ガイド面より大径でかつ内,外周に前記樹脂材に対
してシール面を有する部位を設けたことを特徴とする。
【0010】前記金属環のガイド面より大径でかつ内,
外周に樹脂材に対してシール面を有する部位に環状の溝
を設けるとよい。
【0011】
【作用】上記構成の密封装置にあっては、たとえば環境
温度が高温になると、熱膨張のために、金属環、樹脂材
共に外径方向に膨張するが、熱膨張係数は一般に樹脂材
の方が金属よりも大きいために、樹脂材が金属環に対し
外周側になっているところでは、熱膨張差によるすきま
が生じようとする。しかし、樹脂材の中に入り込んだ金
属環部位をガイド面より大径でかつ内,外周に樹脂材に
対してシール面を有する形状としたことから、その部位
の内周側では、熱膨張係数の小さい金属が外周側で、熱
膨張係数の大きい樹脂が内周側となるために、締め代が
生じて、その内周面がシール面となって、シールしたい
油などが発生するすきまを伝って漏れてきても、その締
め代の生じている内周面にてシールされることになる。
【0012】膨潤の場合も、また樹脂材に外径方向の外
力が加わった場合も、同じ状態が発生する。樹脂材の中
に入り込んだ金属環部位の内周面では圧縮締め代が生じ
て、その内周面がシール面となってシールの機能を発揮
する。
【0013】一方、低温時の場合は、全体として収縮す
るのであるが、やはり、樹脂材と金属環との間に熱膨張
差があるために、金属環部位の外周面に、圧縮締め代が
生じて、その外周面がシール面となってシールの機能を
発揮する。
【0014】金属環に、ガイド面より大径でかつ内,外
周に樹脂材に対してシール面を有する前記樹脂材の中に
入り込む部位を設けたことから、従来品よりも、金属環
の剛性が増し、金属環、リップ部の変形も少なくなり、
リップのシール性も向上する。
【0015】さらに、金属環のガイド面より大径でかつ
内,外周に樹脂材に対してシール面を有する部位に環状
の溝を設けることで、樹脂材成形時にこの溝に入り込ん
で突起部が形成され、この突起部と溝との間にてシール
され、軸方向の外力または熱膨張差に対しても、シール
性向上となる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0017】(第1実施例)本発明の第1実施例に係る
密封装置を図1乃至図4に基づいて説明する。
【0018】1が密封装置としてのオイルシールであ
る。2が樹脂材であって、例えば、リテーナ等の部品で
ある。オイルシール1は、ゴム状弾性材料で出来たリッ
プ部3と金属環4とで構成されている。リップ部3は、
金属環4の径方向内向きのフランジ部41に、ゴム状弾
性材料を被せて、焼付、接着等により、金属環4に固着
し、一体となっている。また、リップ部3は、軸シール
の機能を果たすために、密封流体側Oの流体をシールす
るメインリップ5、大気側Aからのダスト等をシールす
るダストリップ6を持っている。
【0019】また、メインリップ5の大気側Aの面に
は、ねじ溝51が形成されており、このねじ溝51によ
るポンピング作用によりシール性を向上させるものであ
る。
【0020】金属環4は、フランジ部41の外径側に、
樹脂材2を射出成形する場合に、図7に示す成形型であ
る金型7にオイルシール1を位置決めし、保持するため
に必要なガイド面8が内周面である第1円筒部9のほか
に、さらにその密封流体側Oに、ガイド面8より大径の
第2円筒部10を有し、その第2円筒部10と第1円筒
部9とを連結する傾斜部11を有する段状に拡がる部位
12を設けている。この部位12は、樹脂材2の中に深
く埋没して、その全面は樹脂材2で被われている。
【0021】ここで、図7に基づいて本実施例に係るオ
イルシール1のインサート成形について説明する。
【0022】金型7は、上型71と下型72とを備えて
おり、金属環4をインサートした状態で型合わせするこ
とで、図7に示すように径方向外側を樹脂材2を成形す
るための樹脂材キャビティ73とし、径方向内側をリッ
プ部3を成形するためのリップ部キャビティ74として
いる。そして、金属環4は、第1円筒部9の内周壁が上
型71の樹脂材キャビティ73側の周面に密接状態で配
設され、フランジ部41が上型71の樹脂材キャビティ
73側周面に沿って突出する凸部75と下型72の樹脂
材キャビティ73側周面に沿って突出する凸部76にて
挟まれて金型7にインサートされている。
【0023】このとき、第1円筒部9の内周壁(内周
面)が上型71に対するガイド面8となっており、段状
に拡がった部位12が樹脂材キャビティ73内に入り込
んでいる。この状態で、樹脂材キャビティ73内に流動
樹脂を流し込み、リップ部キャビティ74内にてゴム生
地を加硫成形することで、金属環4が樹脂材2にインサ
ートされ、金属環4の内向きフランジ部41の内端にリ
ップ部3が接続されたオイルシール1が成形される。
【0024】尚、上型71の凸部75を有する樹脂材キ
ャビティ73側の周面の径の方が下型72の凸部76を
有するリップ部キャビティ73側の周面の径より大径と
なっており、これらの凸部75,76によって金属環4
の内向きフランジ部41をつぶすように挾むことによ
り、インサート成形時の樹脂回りを防止している。
【0025】次に、上記インサート成形により製造され
た製品の一例として、図5および図6に示すオイルシー
ル1’について説明する。
【0026】このオイルシール1’は、図示しないがエ
ンジンのクランクシャフトに使用されるもので、オイル
シール1’の金属環およびリップ部は、上記したオイル
シール1の金属環およびリップ部と同一となっている。
したがって、その同一の構成部分については、同一の符
号を付して、その説明は省略する。
【0027】一方、樹脂材は、上記したようにエンジン
のクランクシャフトに使用されることから、図5に示す
ような形状のリテーナ2’となっており、このリテーナ
2’は、相手側取付部材(図示せず)に螺合固定される
ものである。したがって、リテーナ2’の外周部には、
相手側取付部材の端面に対して螺合固定させるための孔
が複数設けられており、13は図中上下それぞれ一対に
設けられた平面ボルト孔で、14は図中ほぼ中央部に一
対に設けられたノックピン孔である。また、リテーナ
2’の底面部には、相手側取付部材を介してオイルシー
ル1’を径方向に対して螺合固定させるための一対のオ
イルパンボルト孔15が設けてある。
【0028】次に、上記のように構成された本発明に係
るオイルシール1,1’の金属環4の段状に拡がる部位
12の新しい作用・効果について述べる。
【0029】本発明に係るオイルシール1,1’では、
インサート成形後、金属環4について、フランジ部41
の角部の外周面16A、第1円筒部9の外周面16B、
段状に拡がる部位12の傾斜部11の外側の面16C,
第2円筒部10の外周面16Dから成るイ面16と、段
状に拡がる部位12の傾斜部11の内側の面17Aと第
2円筒部10の内周面17Bから成るロ面17と、第2
円筒部10の端面に、樹脂材2,リテーナ2’と接触す
る領域が構成される。この状態で、環境温度が高温にな
ると、熱膨張のために、金属環4、樹脂材2,リテーナ
2’共に外径方向に、即ち、図1のX方向に膨張する
が、熱膨張係数は一般に樹脂材の方が金属よりも大きい
ために、多くの樹脂材2,リテーナ2’が金属環4の外
周側になっている部分では、熱膨張差によるすきま(図
中点線部参照、特にC部参照)が生じようとする。
【0030】しかし、金属環4の段状に拡がる部位12
の内周側の部分では、熱膨張係数の小さい金属が外周側
で、熱膨張係数の大きい樹脂が内周側となっているため
に、上記ロ面17において締め代(図中D部参照)が生
じるのである。シールしたい油などが金属環4と樹脂材
2,リテーナ2’とのイ面16側の接触面に生じるすき
まを伝って漏れる場合を考えると、金属環4の断面の周
囲をぐるっと伝ってこなければならないが、段状に拡が
る部位12の内周側を必ず通らなければならないから、
ロ面17にてシールされることになる。すなわち、ロ面
17(いわゆる金属環4の内周面)がシール面を成すの
である。
【0031】膨潤の場合も上記の熱膨張の場合と全く同
じである。膨潤しようとするのは樹脂材の方のみであっ
て、熱膨張と同じような傾向の膨潤差が生じるからであ
る。
【0032】また、図4に示すように、樹脂材2に外径
方向の引っ張る力が外力Fとして加わった場合や、図5
および図6に示すように樹脂材がリテーナ2’の場合
に、平面ボルト孔13を介して相手側取付部材に図示し
ない平面ボルトによるボルト締めおよびノックピン孔1
4を介して図示しないノックピンを圧入し、そしてオイ
ルパンボルト孔15を介して図示しないボルトにてボル
ト締めすることによりリテーナ2’を外径方向に引っ張
る力が加わった場合(図13参照)も、同じ状態が発生
する。
【0033】金属環4に対して樹脂材2,リテーナ2’
が外周側にある部分では引き離されるためにすきま(図
2中点線部参照、特にC部参照)が生じようとするが、
樹脂材2,リテーナ2’が内周側となる段状に拡がる部
位12の内周側では樹脂材2は圧縮の状態となり、ロ面
17側に締め代(図中D部参照)が生じて、シールの機
能を発揮する。
【0034】一方、低温時を考える。この場合は、全体
として収縮するのであるが、やはり、樹脂材2,リテー
ナ2’と金属環4との間に熱膨張差があるために、図3
に示すように、ロ面17側にすきま(図中点線部参照、
特にF部参照)を生じるが、第1円筒部9の外周面16
Bと、段状に拡がる部位12の傾斜部11の角部の外周
面16C,第2円筒部10の外周面16Dのイ面16
に、圧縮締め代が生じ(特に図中E部参照)、イ面16
がシール面を成す。これは収縮率(=膨張率)の大きい
樹脂材2,リテーナ2’が金属環4の外周側にあるから
である。膨張の場合に比べて、シールをする箇所が多く
て、漏れに対して安全である。
【0035】その他として、段状に拡がる部位12を設
けたことにより、従来品よりも、金属環の剛性が増した
から、金属環4とリップ部3の変形も少なくなり、メイ
ンリップ5、ダストリップ6のシール性も向上する。
【0036】また、上記したように凸部74を有する上
型71と樹脂材キャビティ73側の周面の径の方が凸部
76を有する下型72のリップ部キャビティ73側の周
面の径より大径となっており、これらの凸部75,76
によって金属環4の内向きフランジ部41をつぶすよう
に挟むことにより、インサート成形していることから、
金属環4を介して図中上下の樹脂材2,リテーナ2’に
おいて、下側が径方向内側に若干突出する段差部を有す
ることになり、その下側の樹脂材2,リテーナ2’にて
金属環4の抜け防止を図ることができる。尚、金属環4
の内向きフランジ部41の大気側Aの面側の部位の樹脂
材2,リテーナ2’が無くても、金属環4の第1円筒部
9の外周面16Bおよび傾斜部11の外側の面16C側
の樹脂材2,リテーナ2’の部位のいわゆるアンダーカ
ット領域があれば抜け防止は達成できる。
【0037】ここで、本実施例では、金属環4に樹脂材
2の中に入り込み段状に拡がる部位12を設けたもので
あったが、この形状に限定されるものではない。一般
に、金属環のガイド面より大径でかつ内,外周に樹脂材
に対してシール面を有する部位を樹脂材の中に入り込む
形状とすればよい。その部位では、必ず、金属環の内,
外周に対して、膨張率の大きい樹脂材が内,外周側にあ
り、熱膨張の際には、内周面に締め代が生じ、収縮の際
には、外周面に締め代が生じるからである。
【0038】図8に、本実施例とは形状の異なる種々の
態様を挙げておく。これらは、すべて、樹脂材の中に入
り込んだ金属環部位が、ガイド面より大径でかつ内,外
周に樹脂材に対してシール面を有するものである。
【0039】図8(a)は、樹脂材の中に入り込んだ金
属環部位12Aが曲面となっている金属環4Aを示して
いる。図8(b)は、金属環部位12Bが段付の円筒状
になっている金属環4Bを示している(図1の段状に拡
がるものとほとんど同じ)。図8(c)は、金属環部位
12Cの外径側の円筒部が同図(b)と反対側に折れ曲
がっている金属環4Cを示している。図8(d)は、金
属環部位12Dがテーパ状に拡がっている金属環4Dを
示している。
【0040】(第2実施例)図9に第2実施例に係る密
封装置を示す。第2実施例は第1実施例の部位12に環
状の溝を設けたものである。
【0041】図9において、この実施例では部位12の
内周側に溝30,31を設け、外周側に溝32を設けて
ある。この溝30,31,32には樹脂材2が入り込み
それぞれ突起部20,21,22を形成している。
【0042】このように構成した第2実施例では、例え
ば、軸方向の外力または軸方向の高温膨張差を考えた
時、図10に破線にて示すようなすきまが発生すること
になる。しかし、溝30,31,32および突起部2
0,21,22のある部分については、樹脂材2全体の
熱膨張が生じても、突起部20,21,22が熱膨張す
るため、この部分において、すきまは発生せず、溝3
0,31,32との間でそれぞれシール性を向上でき
る。
【0043】この溝30,31,32の形状は断面略半
円状であるが、もちろん、これに限るものではなく、例
えば、図11に示すような波形状のもの,断面がU字形
状,V字形状のものでもよく、また、溝の数についても
この実施例では内周面17Bに2か所,外周面16Dに
1か所、合わせて3か所に設けているが、内周面17B
に1か所,外周面16Dに2か所等でもよく、内周面1
7B,外周面16D共にさらに多くの溝を設けてもよい
が、シール性を考慮した時、内周面17B,外周面16
D共に少なくとも1つの溝を設ける必要がある。
【0044】なお、この溝は、図8(a)〜(d)にそ
れぞれ示した金属環4A〜4Dの部位12A〜12Dに
設けることもできる。
【0045】一方、例えば、径方向に延びるフランジ部
に溝および突起部を設けたものでは、樹脂材全体の軸方
向の熱膨張が生じた場合、フランジ部と樹脂材の間にす
きまが発生してしまう可能性がある。よって、このよう
な軸方向の外力または軸方向の高温膨張差にもシール性
を発揮するためには、略軸方向に延びる金属環の部位に
溝を設ける必要がある。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
温度が高い場合には、外径方向に熱膨張するため、樹脂
材の中に入り込んだ金属環部位の内周面と樹脂材との間
に、締め代が生じて、シールしたい油などが発生するす
きまを伝って漏れてきても、その締め代の生じている内
周面がシール面となり、シールされることになる。
【0047】膨潤の場合も、同じく、シールの機能を発
揮する。樹脂材に引っ張るような外力が働いたときも同
じである。
【0048】一方、低温の場合には、収縮するため、樹
脂材の中に入り込んだ金属環部位の外周面と樹脂材との
間に、締め代が生じて、シールしたい油などが発生する
すきまを伝って漏れてきても、その締め代の生じている
外周面がシール面となり、シールされることになる。
【0049】金属環に、成形型のガイド面より大径でか
つ内,外周に樹脂材に対してシール面を有する前記樹脂
材の中に入り込む部位を設けたことから、従来品より
も、金属環の剛性が増し、金属環、リップ部の変形も少
なくなり、リップのシール性も向上する。
【0050】さらに、金属環のガイド面より大径でかつ
内,外周に樹脂材に対してシール面を有する部位に環状
の溝を設けることで、樹脂材成形時にこの溝に入り込ん
で突起部が形成され、この突起部と溝との間にてシール
され、径方向のみならず軸方向の外力または熱膨張差に
対しても、シール性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例に係る密封装置とし
てのオイルシールの断面図である。
【図2】図2は図1のオイルシールの高温又は外力を受
けた作用を示す説明用断面図である。
【図3】図3は図1のオイルシールの低温時の作用を示
す説明用断面図である。
【図4】図4は樹脂材に外力を受けた作用を示すリップ
部を省略した説明用断面斜視図である。
【図5】図5は本発明の一実施例に係る製品の一例を示
すオイルシールを示しており、同図(a)は正面図で、
同図(b)は同図(a)のA−A線断面図で、同図
(c)は同図(a)の底面図である。
【図6】図6は図5(b)のB部拡大図である。
【図7】図7は図1のオイルシールの製造工程を示す要
部断面図である。
【図8】図8は本発明に係る密封装置の金属環の種々の
形状を示す断面図である。
【図9】図9は本発明の第2実施例に係る密封装置とし
てのオイルシールの断面図である。
【図10】図10は図9に示したオイルシールの軸方向
の外力または高温膨張を示す説明用断面図である。
【図11】図11は本発明の第2実施例に係る密封装置
に適用される金属環の他の形状を示す断面図である。
【図12】図12は従来の密封装置としてのオイルシー
ルの断面図である。
【図13】図13は図12のオイルシールの使用状態を
示す要部断面図である。
【符号の説明】
1,1’ オイルシール(密封装置) 2 樹脂材 2’ リテーナ(樹脂材) 3 リップ部 4,4A,4B,4C,4D 金属環 41 フランジ部 5 メインリップ 51 ねじ溝 6 ダストリップ 7 金型(成形型) 71 上型 72 下型 73 樹脂材キャビティ 74 リップ部キャビティ 75,76 凸部 8 ガイド面 9 第1円筒部 10 第2円筒部 11 傾斜部 12,12A,12B,12C,12D 部位 13 平面ボルト孔 14 ノックピン孔 15 オイルパンボルト孔 16 イ面 16A,16B,16C,16D 面 17 ロ面 17A,17B 面 20,21,22 突起部 30,31,32 溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リップ部が接続される金属環の内周壁を
    成形型のガイド面として前記金属環を樹脂材へインサー
    ト成形する密封装置において、 前記金属環に、前記ガイド面より大径でかつ内,外周に
    前記樹脂材に対してシール面を有する部位を設けたこと
    を特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】 前記金属環のガイド面より大径でかつ
    内,外周に樹脂材に対してシール面を有する部位に環状
    の溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の密封装
    置。
JP7090238A 1994-11-08 1995-03-23 密封装置 Withdrawn JPH08189563A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7090238A JPH08189563A (ja) 1994-11-08 1995-03-23 密封装置

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