JPS6221177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は流体圧シリンダ等の相対的に摺動する
円筒面の一方に設けた環状溝に装着して流体をシ
ールするＵパツキン組立体に係り、特にシール性
を向上させるためＵパツキンの摺動側リツプと固
定側リツプとの間の溝の中に弾性体の拡張リング
を備えたＵパツキン組立体に関するものである。

従来のＵパツキンの摺動側リツプと固定側リツ
プとの間の溝の中に弾性を有する拡張リングを備
えてシール性を向上させたＵパツキン組立体の一
例は第１図において、Ｕパツキン１の摺動側リツ
プ２と固定側リツプ３との間の溝４の中にほぼ溝
の形状と等しい形状で、かつ、Ａとして示すよう
に作動流体側がＵパツキンの摺動側リツプ頂部５
および固定側リツプ頂部６より突出する拡張リン
グ７を備えたＵパツキン組立体８である。しか
し、第２図において、Ｕパツキン組立体８を通常
の装着溝９に装着し流体圧力により相手摺動部材
であるロツド１０と相対的に摺動させたとき、Ｕ
パツキン１と拡張リング７の相対的位置が変つて
シール機能に変化をおよぼすので、それを防止す
るため第３図において、装着溝９の軸方向の長さ
をＵパツキン組立体８の軸方向の長さと等しいか
または短く形成して拡張リング７の作動流体側の
頂部１１を押えることにより、Ｕパツキン１と拡
張リング７の相対的位置が変らないようにする必
要があつた。従つて一体形装着溝には装着ができ
ないので装着溝に分割部１２を設けなければなら
ず、装着溝の製作および組立は工数と時間を多く
要しコスト高になる欠点があつた。

また、従来のシール性を向上させたＵパツキン
組立体の他の例は第４図において、前記の例と同
様にＵパツキン１の摺動側リツプ２と固定側リツ
プ３との間の溝４の中にほぼ溝の形状と等しい形
状で、かつ作動流体側がＵパツキンの摺動側リツ
プ頂部５および固定側リツプ頂部６よりＡのよう
に突出してなる拡張リング７を備えたＵパツキン
組立体８である。この例の前記溝４は開口部の幅
が内部の幅より狭くなるように突起状部分１３，
１３が設けられていて、拡張リング７はＵパツキ
ン１から容易に外れない構造になつている。しか
し、Ｕパツキン１の前記溝４の中に拡張リング７
を挿入して組立てる場合、前記突起状部分１３，
１３が両側に設けられているので、前記両側の突
起状部分１３，１３を押し開いて挿入しなければ
ならないのでその作業は能率のわるいものであつ
た。

また更に、従来のシール性を向上させたＵパツ
キン組立体の他の一例は第５図において、Ｕパツ
キン１の摺動側リツプ２と固定側リツプ３との間
の溝４の開口部の上記摺動側リツプの頂部５と固
定側リツプの頂部６から前記溝４側に突出した突
起１４，１４を設けることによつて、拡張リング
７が前記溝４から外れないようにしたものであ
る。しかし、Ｕパツキン１の前記溝４の中に拡張
リング７を挿入して組立てるとき、前記突起１
４，１４が設けられているので、前記両側の突起
１４，１４を押し開いて挿入しなければならない
ので、前記の例と同様にその作業は能率のわるい
ものであつた。

本考案は前記従来のものにおける欠点を除去す
ることを目的としてなされたもので、Ｕパツキン
の摺動側リツプと固定側リツプとの間の溝の中に
弾性体の拡張リングを備えたＵパツキン組立体に
おいて、前記Ｕパツキンの固定側リツプにのみ、
該固定側リツプの頂部の前記溝側に半径方向に突
出する突起を設けてなるものである。

以下、図面に従つて本考案を説明する。

本考案をロツドパツキンに適用した場合の一実
施例は、第６図および第７図において、ロツド１
０と相対的に摺動するロツド貫通部１６に設けた
環状装着溝９に装着されて流体をシールするＵパ
ツキン１の摺動側リツプ２と固定側リツプ３の間
の溝４の中に弾性を有する拡張リング７を備えた
Ｕパツキン組立体８である。そして、上記Ｕパツ
キン１の摺動側リツプ２の頂部５に上記摺動側リ
ツプ頂部を半径方向に横断する流体圧導入のため
の切欠１５を設ける。この切欠１５の断面形状は
三角形、四角形または円弧等のどのような形状で
もよい。更に、固定側リツプ３の頂部６の溝側に
突起１４を設ける。この突起１４は円周上に連続
したものでも、断続したものでもよい。

以上のように構成した本考案のパツキン組立体
は、第６図および第７図において、まずＵパツキ
ン１の溝４に拡張リング７を挿入するが、このと
き拡張リング７が溝４から容易に外れないように
する突起１４は固定側リツプにのみ設けられてい
るから、上記拡張リングは容易にＵパツキン１の
溝４に挿入できる。また、本考案のＵパツキン組
立体８の軸方向の長さは装着溝９の軸方向の長さ
より短いので一体形装着溝９に装着するのが容易
である。

本考案のロツド用Ｕパツキン組立体を一体形の
ロツドパツキン装着溝に装着するときは、前記ロ
ツドパツキン組立体を外周から圧縮するように押
えながら装着する。この場合固定側リツプ３の頂
部の溝側に突起１４が設けられているから拡張リ
ング７は外れることがない、従つて拡張リング７
が溝４から外れないようにする突起１４は外周の
固定リツプ３側にのみ設けていれば良く、そのた
め内周の摺動リツプ２側には突起を設ける必要は
ない。

また、本考案のピストン用Ｕパツキン組立体を
シリンダ１７内を摺動するピストンに設けられた
一体型のピストンパツキン装着溝１９に装着する
ときは第８図および第９図において、前記ピスト
ン用Ｕパツキン組立体を内周から引伸して装着す
る。この場合固定側リツプ３の頂部の溝側に突起
１４が設けられているから拡張リング７は外れる
ことがない。

以上のように本考案は、Ｕパツキンの摺動側リ
ツプと固定側リツプとの間の溝の中に弾性体の拡
張リングを備えたＵパツキン組立体において、前
記Ｕパツキンの固定側リツプにのみ、該固定側リ
ツプの頂部の前記溝側に半径方向に突出する突起
を設けてなるＵパツキン組立体であつて、シール
性が良好であるとともにＵパツキンの摺動側リツ
プと固定側リツプの間の溝へ拡張リングを挿入す
るのが容易であり、更に一体形装着溝へ容易に装
着できるものである。また、拡張リング７がＵパ
ツキンの前記溝４から外れないようにする突起１
４は固定側リツプ３にのみ設けるだけでよいか
ら、Ｕパツキン１の成形金型およびＵパツキン自
体の構成が簡単になり、その製作は容易になる。

なお、第１０図および第１１図において、拡張
リング７の作動流体と接する側にＵパツキンのリ
ツプ頂部５および６より突出した突起２０を設け
ることにより、Ｕパツキン組立体８を装着溝４の
中で安定させてシール性を向上させるものであ
る。また、前記突起２０は円周上に連続したもの
でもよいが、断続したもので固定側リツプの側に
流体圧を導入し、拡張リングに均一に流体圧を作
用させた方がシール性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は従来の例を示し、第６図
ないし第１１図は本考案の一実施例を示すもので
ある。第１，４，５，６，８，１０，１１図はＵ
パツキン組立体断面部分図、第２，３，７，９図
はＵパツキン組立体を流体圧シリンダに装着した
状態の断面部分図である。 １……Ｕパツキン、２……摺動側リツプ、３…
…固定側リツプ、４……溝、７……拡張リング、
８……Ｕパツキン組立体、９……装着溝、１３…
…突起状部分、１４……突起、１５……切欠、１
９……装着溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｕパツキンの摺動側リツプと固定側リツプとの
   間の溝の中に弾性体の拡張リングを備えたＵパツ
   キン組立体において、前記Ｕパツキンの固定側リ
   ツプにのみ、該固定側リツプの頂部の前記溝側に
   半径方向に突出する突起を設けてなるＵパツキン
   組立体。