JP2005233222A - 3部材結合体のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロック11及びシリンダヘッド12に対して、液状ガスケットを介在させてフロントカバー19を結合する場合等に好適なシール構造を提供する。
【解決手段】フロントカバー19のフランジ端面191aは、平面部1911と、この平面部1911に傾斜する傾斜部1912とを有して形成される。シリンダブロック11のフランジ端面111aには、シリンダブロック上面11aに接続するテーパ面113がフロントカバー19の平面部1911に対向する位置に設けられ、シリンダヘッド12のフランジ端面121aには、シリンダヘッド下面12aと接続するテーパ面123が同じくフロントカバー19の平面部1911に対向する位置に設けられる。フロンカバー19とシリンダブロック11及びシリンダヘッド12とは、液状ガスケットを介在させて結合する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液状ガスケットを用いたシール構造に関し、特に、第1の部材と第2の部材とを結合すると共に、液状ガスケットを介在させて第1、第2の部材を跨ぐように第3の部材を結合して構成される3部材結合体のシール構造に関する。
特許文献1には、2つのフランジ間にシール剤(液状ガスケット)を介在させ、これを硬化させてガスケットとして用いるシール構造において、一方のフランジ面を平面とし、他方のフランジ面は、その中央に平面部を設けると共に該平面部の両側にテーパ面を設けることで、前記一方のフランジ面との間に2つの液状ガスケットの溜まり部を形成するものが開示されている。
特開平11−173424号公報
上記従来のシール構造では、未硬化の液状ガスケットが外気と接触する面積が大きくなり、硬化時間を短くできるものの、液状ガスケットが2つの溜まり部に分散されるため、硬化した液状ガスケットの両フランジ間の相対変位(特に、せん断方向の変位)に対する強度が低くなって、使用量当たりのシール性が十分に得られないおそれがある。
そこで、本願出願人は、一方のフランジ面を平面とする一方、他方のフランジ面を平面とこの平面の一方側のみに設けた傾斜面(面取り面)とで構成する(以下、このような片側面取り形状をチャンファ形状という)ことで、両フランジ間に介在させる液状ガスケットの硬化時間を短くしつつ、少ない使用量で大きなシール性を得ることのできるシール構造を提案した(特願2003−351658号)。
例えば、一体型フロントカバーを有するエンジンにおいて、シリンダブロックとフロントカバーとの間及びシリンダヘッドとフロントカバーとの間を、液状ガスケットを用いてシールしようとする場合、シリンダブロック側及びシリンダヘッド側のフロントカバーとの合わせ面は、通常平面となっているから、フロントカバー側のシリンダブロック及びシリンダヘッドとの合わせ面を上記チャンファ形状とすることにより、シリンダブロック−フロントカバー間、及び、シリンダヘッド−フロントカバー間のそれぞれにおいて、少ない使用量で大きなシール性を得ることができる。
しかし、一体型フロントカバーは、シリンダブロックとシリンダヘッドとを跨ぐよう設けられるものであるところ、シリンダブロック、シリンダヘッド及びフロントカバーの3面合わせ部には隙間が生じやすく、上記チャンファ形状を利用したシール構造によるシール機能が十分に発揮できないおそれがあり、更なる改良の余地がある。
すなわち、フロントカバー側の合わせ面を上記チャンファ形状とすると、その傾斜面(面取り面)によって液状ガスケットを押し潰す力が不足し、上記3部材の合わせ部に生じる隙間に液状ガスケットを十分に充填できないおそれがあるからである。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、第1の部材と第2の部材とを結合すると共に、液状ガスケットを介在させて第1、第2の部材を跨ぐように第3の部材を結合して構成される3部材結合体に好適なシール構造を提供することを目的とする。
このため、本発明に係るシール構造は、第1の部材の第1接合面と、第2の部材の第2接合面とを合わせて第1部材と第2部材とを結合すると共に、略平坦に形成される前記第1の部材の第3接合面及び前記第2の部材の第4接合面に対して、液状ガスケットを介在させて第3の部材の第5接合面を合わせて前記第1、第2の部材を跨ぐように前記第3の部材を結合して構成される3部材結合体のシール構造において、前記第5接合面が、前記第3接合面及び前記第4接合面との合わせ方向と直交する幅方向の一方の端縁から延伸して前記第3、第4接合面に平行な平面部と、この平面部から離れるにしたがって前記第3、第4接合面との間隔を拡大させるよう傾斜する第1傾斜部とを有する一方、前記第3接合面には、前記第2の部材に近づくにしたがって前記第5接合面との間隔を拡大させるよう傾斜して前記第1接合面に接続する第2傾斜部を設ける。この第2傾斜部は、前記幅方向で前記第5接合面の平面部よりも小さく、かつ、前記第3の部材が結合された状態において、前記第5接合面の平面部と対向する位置に設けられる。
本発明に係るシール構造によると、第1の部材の第3接合面と第3の部材の第5接合面との間及び第2の部材の第4接合面と第3の部材の第5接合面との間において、液状ガスケットの良好に硬化させることができると共に、比較的少ない液状ガスケット量で所要のシール性を得ることができる。また、第2傾斜部によって第3接合面、第4接合面及び第5接合面の合わせ部に生じる隙間に対しても液状ガスケットを充填しやすくなるので、液状ガスケットを第1接合面と第2接合面との間に介在するシール材(板状ガスケット、液状ガスケット等)まで到達させて、かかる隙間をも確実にシールすることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すエンジン1の概略を示している。図1において左側がエンジン1の前側であり、右側がエンジン1の後側である。
エンジン1は、シリンダブロック11と、その上面に固定されるシリンダヘッド12とを備えて構成される。シリンダブロック11には、ピストン13が挿入されており、このピストン13とシリンダヘッド12との間に形成される空間が燃焼室となる。シリンダヘッド12には、カムシャフト14が回転自在に支持されており、その上面にヘッドカバー(ロッカーカバー)15が固定されている。また、シリンダブロック11には、その下面に液状ガスケット等のシール材(図示省略)を介してアッパーオイルパン16が固定されており、このアッパーオイルパン16の下面には、エンジン1に潤滑オイルが貯蔵されるロアオイルパン17が固定されている。シリンダブロック11及びアッパーオイルパン16によってクランクケースが構成され、クランクケース内にはクランクシャフト18が収納される。
シリンダブロック11、シリンダヘッド12及びアッパーオイルパン16の前面には、フロントカバー19が固定されている。このフロントカバー19の内側には、クランクシャフト18からカムシャフト14にエンジン1の出力を伝達するチェーン20が収納されている。なお、フロントカバー19は、例えば、図で見て上下方向に2分割されるようなものであってもよい。ヘッドカバー15、フロントカバー19によってエンジン1内の空間、例えば、シリンダブロック11、シリンダヘッド12、オイルパン16,17内の空間が外部から遮断され、オイルの漏れを防止している。
このような構成のエンジン1において、フロントカバー19とシリンダヘッド11及びシリンダブロック12との間は、硬化させた液状ガスケットによってシールするようにしており、フロントカバー19側の合わせ面に上記「チャンファ形状」が採用されている。なお、本実施形態において、シリンダブロック11が第1の部材(又は第2の部材)に、シリンダブロック12が第2の部材(又は第1の部材)に、フロントカバー19が第3の部材に相当する。
図2は、図1のA部拡大図である。この図に示すように、シリンダヘッド12は、板状ガスケットGを介してシリンダブロック11の上面に固定されており、フロントカバー19は、液状ガスケットgを介してシリンダブロック11及びシリンダヘッド12の前面に固定されている。
図3は、シリンダブロック11、シリンダヘッド12及びフロントカバー19の結合部を模式的に示している。
シリンダブロック11とシリンダヘッド12とは、それぞれシリンダブロックの上面に形成された平坦部(以下、単にシリンダブロック上面といい、第1接合面に相当する)11aと、シリンダヘッドの下面に形成された平坦部(以下、単にシリンダヘッド下面といい、第2接合面に相当する)12aとの間に、板状ガスケットGを挟み込んだ状態でボルト等の締結手段(図示省略)により一体に締結される。
図4は、一体に締結されたシリンダブロック11及びシリンダヘッド12をフロントカバー19側から見た状態の概略を示している。
図3、4に示すように、シリンダブロック11には、その前面の外縁部(上面側を除く)にフランジ部111が突出形成されており、シリンダヘッド12には、その前面の外縁部(下面側を除く)にフランジ部112が突出形成されている。これらフランジ部111、121の端面111a、121aがフロントカバー19との合わせ面となる。
シリンダブロック11において、そのフランジ端面(第3接合面又は第4接合面に相当する)111aはシリンダブロック上面11aに直交する(あるいは、ほぼ直交する)面であり、このフランジ端面111aとシリンダブロック上面11aとが交わる角部112が部分的に面取りされて、フランジ端面111aと上面11aとを接続するテーパ面(以下、シリンダブロック側テーパ面といい、第2傾斜部又は第3傾斜部に相当する)113が形成されている。
このシリンダブロック側テーパ面113は、フロントカバー19を締結した状態において、チャンファ形状として形成される(この点については後述する)フロントカバー19側のフランジ端面191aの平面部1911に対向する位置に設けられる。なお、シリンダブロック側テーパ面113とフロントカバー19の平面部1911との間の間隔はシリンダヘッド12に近づくほど拡大する。そして、シリンダブロック側テーパ面113とフロントカバー19側の平面部1911との間に形成される空間が液状ガスケットgの溜まり部p1となる(図2参照)。従って、シリンダブロック側テーパ面113の寸法等は、要求される液状ガスケットgの量等を考慮して設定する必要があるが、本実施形態においては、少なくともその幅(面取り幅)Wcが上記平面部1911の幅Wfよりも小さく(図4、図5参照)、かつ、板状ガスケットGの外縁よりも内側でシリンダブロック上面11aに接続するようなテーパ面とする(図2において、L1>L2とする)。
また、シリンダヘッド12において、そのフランジ端面(第4接合面又は第3接合面に相当する)121aはシリンダヘッド下面12aに直交する(あるいは、ほぼ直交する)面であり、このフランジ端面121aとシリンダヘッド下面12aとが交わる角部122が部分的に面取りされて、フランジ端面121aとシリンダヘッド下面12aとを接続するテーパ面(以下、シリンダヘッド側テーパ面といい、第3傾斜部又は第2傾斜部に相当する)123が形成されている。このシリンダヘッド側テーパ面123は、板状ガスケットGを挟んで、上記シリンダブロック側テーパ面113とほぼ対称的に形成されており、その幅(面取り幅)Wcが上記平面部1911の幅Wfよりも小さく、かつ、板状ガスケットGの外縁よりも内側でシリンダヘッド下面12aに接続するようなテーパ面となっていると共に、シリンダヘッド側テーパ面123とフロントカバー19側のフランジ端面191a(平面部1911)の間に形成される空間の液状ガスケットgの溜まり部(第1溜まり部に相当する)p1となる(図2参照)。
ここで、シリンダブロック側テーパ面113及びシリンダヘッド側テーパ面123は、それぞれシリンダブロック11のフランジ端面111a、シリンダヘッド12のフランジ端面121aの幅方向端部(すなわち、内側と外側のいずれか)に設けるのが望ましい。両テーパ面113、123とフロントカバー19側の平面部1911との間に形成される溜まり部p1において、外気との接触面積を増やして液状ガスケットgの硬化時間を早めるためである。但し、液状ガスケットgの硬化時間が問題にならないような場合(例えば、他の手段により外気との接触を確保している場合)には、両テーパ面113、123をそれぞれフランジ端面における幅方向端部に設ける必要はない。
なお、本実施形態では、後述するように、フロントカバー19の平面部1911が、フランジ端面191aにおいて、フロントカバー19の内外に関する外側の端縁から内側に向けて延伸していることから、シリンダブロック側テーパ面113及びシリンダヘッド側テーパ面123を、それぞれのシリンダ端面111a、121aの最も外側に設けることとし、シリンダブロック側テーパ面113、シリンダヘッド側テーパ面123は、それぞれシリンダブロック11(フランジ111の)側面11b、シリンダヘッド12(フランジ121の)側面12bに接続している。
また、シリンダブロック11側のフランジ端面111aとシリンダヘッド12側のフランジ端面121aとは、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とが一体に締結された状態において、ほぼ面一となっている(図2参照)。
一方、フロントカバー19には、その外縁にシリンダブロック11及びシリンダヘッド12のフランジ部111、121に対応するフランジ部191が突出形成されており、このフランジ端面(第5接合面に相当する)191aがシリンダブロック11及びシリンダヘッド12との合わせ面となる。
そして、一体に締結されたシリンダブロック11及びシリンダヘッド12とフロントカバー19とは、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12側のフランジ端面111a、121aと、フロントカバー19側のフランジ端面191aとの間に液状ガスケットgを介在させてボルト等の締結手段(図示省略)により締結される。
図5(a)は、フロントカバー19をシリンダブロック11及びシリンダヘッド12側から見た状態を示しており、図5(b)は図5(a)のX−X断面図である。
上記したように、フロントカバー19のフランジ端面191aとして「チャンファ形状」が採用されており、具体的には、以下に説明する3つの平面によって形成されている。
まず、第1の平面は、エンジン1の上下方向と平行な平面からなる平面部1911である。この平面部1911は、フランジ端面191aの外側の端縁から内側に向けて延伸しており、Wf(>Wc)なる幅を有している。次に、第2の平面は、第1の平面(平面部1911)に対して傾斜してフランジ端面191aの内側の端縁に接続する平面からなる傾斜部(第1傾斜部に相当する)1912である。この傾斜部1912は、フランジ端面191aの内側に寄るほど、すなわち、平面部1911から離れるにしたがってシリンダブロック11及びシリンダヘッド12のフランジ端面111a、121aとの間の間隔が拡大するように傾斜しており、この傾斜部1912とシリンダブロック11及びシリンダヘッド12のフランジ端面111a、121aとの間の空間も液状ガスケットgの溜まり部p2となる。そして、第3の平面は、第1の平面(平面部1911)に垂直な平面からなり、第1の平面である平面部1911の内側端と第2の平面である傾斜部1912の外側端とを接続する縦壁部1913である。なお、縦壁部1913は、平面部1911に対して傾斜部1912よりも大きな角度で傾斜する平面として設けられればよいが、平面部1911に対して垂直であるのが望ましい。
図6、図7は、一体に締結されたシリンダブロック11及びシリンダヘッド12と、フロントカバー19とを締結する際の液状ガスケットgの様子を示している。図6は、シリンダブロック11のフランジ端面111a(又はシリンダヘッド12のフランジ端面121a)とフロントカバー19のフランジ端面191aとの合わせ部の様子(エンジン上方から見た断面図に相当する)を、図7はシリンダブロック11のフランジ端面111a、シリンダヘッド12のフランジ端面121a及びフロントカバー19のフランジ端面191aとの合わせ部の様子(図1のA部に相当する)を示している。
まず、図6(a)、図7(a)に示すように、未硬化の液状ガスケットgは、フロントカバー19のフランジ端面191aのうち、平面部1911における縦壁部1913に近接した部分に塗布される。このとき、縦壁部1913を目標として利用することで、適切な位置に安定して液状ガスケットgを塗布することができる。そして、フロントカバー19のフランジ端面191aと、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12のフランジ端面111a、121aを徐々に近づけていき、接合させてボルト等の締結手段により締結する。その際、フランジ端面191aとフランジ端面111a及び121aとが近づくにつれて、塗布された液状ガスケットgは押し潰されて、その間の空間を埋めていく。
図6(b)、図7(b)に示すように、液状ガスケットgは、フロントカバー19側の平面部1911とシリンダブロック11及びシリンダヘッド12側のフランジ端面111a、121aとの間の空間にも広がるが、フロントカバー19側の傾斜部1912とシリンダブロック11及びシリンダヘッド12のフランジ端面111a、122aとの間に形成される溜まり部p2にも比較的多くの量が流れ込む。また、フロントカバー19側の平面部1911とシリンダブロック側テーパ面113及びシリンダヘッド側テーパ面123のそれぞれとの間に形成される溜まり部p1にも流れ込む。なお、かかる溜まり部p1は、板状ガスケットGの端縁にオーバーラップするように形成されているから、液状ガスケットg板状ガスケットGの端縁部にまで到達することになる。
そして、締結終了後は、所定の乾燥時間をおいて液状ガスケットgを硬化させる。硬化した液状ガスケットgは、平面部1911とフランジ端面111a、121aとの間に薄膜部g1を形成し、溜まり部p1、p2においてそれぞれ膨大部g2、g3を形成する。
以上説明したシール構造によれば、以下のような効果を得ることができる。
まず、フロントカバー19のフランジ端面(第5接合面)191aにおいて、平面部1911の一方の側に傾斜部(第1傾斜部)1912を設けることにより、シリンダブロック11のフランジ端面(第3又は第4接合面)111aとこの傾斜部1912、シリンダヘッド12のフランジ端面(第4又は第3接合面)121aとこの傾斜部1912との間に液状ガスケットgの溜まり部p2が形成され、乾燥期間において、溜まり部p2内の未硬化の液状ガスケットと外気とを十分に接触させることができる。このため、液状ガスケットを短時間で良好に硬化させることができる。そして、特に、液状ガスケットgの溜まり部p2をフロントカバー19のフランジ面191aの一方側のみに設けることにより、硬化した液状ガスケットの膨大部g2、g3も一方側のみに形成されることとなり、フロントカバー19−シリンダブロック11間及びフロントカバー19−シリンダヘッド12間において、使用量当たりの液状ガスケットの耐力性を高めることができ、少ない使用量で所要のシール性を得ることができる。
すなわち、フロントカバー19とシリンダブロック11との相対位置、フロントカバー19とシリンダヘッド12との相対位置がずれることによって、液状ガスケットには応力(引張、せん断)が発生することになるが、上記構成により、硬化した液状ガスケットに形成される角を少なくできるので、応力集中が発生する箇所が少なくなるし、大きな応力が発生する(応力集中する)部分には膨大部が形成されているので、発生した応力を膨大部内で分散させることができ、液状ガスケットの亀裂等の損傷を防止して長期にわたり良好なシール性を維持できる。
更に、シリンダブロック11のフランジ端面111a(第3又第4接合面)及びシリンダヘッド12のフランジ端面121a(第4又は第3接合面)にはそれぞれシリンダブロック側テーパ面(第2又は第3傾斜部)113、シリンダブロック側テーパ面(第3又は第2傾斜部)123が設けられ、この両テーパ部113、123はその幅(Wc)がフロントカバー19の平面部1911の幅(Wf)よりも小さく、かつ、平面部1911に対向する位置に設けられるので、押し潰された液状ガスケットが(両テーパ面113、123に案内されて)シリンダブロック11−シリンダヘッド12間にも充填され易くなる。これにより、フロントカバー19−シリンダブロック11間、フロントカバー19−シリンダヘッド12間におけるシール性を良好に確保しつつ、シリンダブロック11、シリンダヘッド12及びフロントカバー19の3部材の合わせ部(3面合わせ部)に生じる隙間にも効果的に液状ガスケットを充填して、かかる部分におけるシール性をも確保できる。なお、両テーパ面113、123とフロントカバー19のフランジ端面191aの平面部1911との間にも液状ガスケットgの溜まり部p1が形成され、この部分においても硬化した液状ガスケットの膨大部が形成されることになるから、シリンダブロック11、シリンダヘッド12及びフロントカバー19の相対位置のずれにより発生した応力をこの膨大部内で分散させることができ、かかる部分においても液状ガスケットの亀裂等の損傷を防止できる。
また、シリンダブロック側テーパ面113は、シリンダブロック11の上面11aとシリンダヘッド12の下面12aとの間に介在される板状ガスケットGの外縁よりも内側でシリンダブロック上面11aに接続し、シリンダヘッド側テーパ面123は、板状ガスケットGの外縁よりも内側でシリンダヘッド下面11aに接続するように形成されているので、液状ガスケットgを板状ガスケットGに確実にオーバーラップさせることができ、上記3部材の合わせ部のシール性をより向上させることができる。
また、シリンダブロック側テーパ面113、シリンダヘッド側テーパ面123は、それぞれシリンダブロック11のフランジ端面111a、シリンダヘッド12のフランジ端面121aの幅方向端部(外側)に設けられるので、シリンダブロック側テーパ面113、シリンダヘッド側テーパ面123とフロントカバー19のフランジ端面191aの平面部1911との間に形成される溜まり部p1内の未硬化の液状ガスケットを十分に外気に接触させることができる(硬化時間を短縮できる)。
また、フロントカバー19のフランジ端面191aにおいて、傾斜部1912を平面部1911に対して、フロントカバー19の内外に関する内側(漏れ方向に関して内側)に設けたので、フロントカバー19の内側に溜まり部p2が形成され、内側に平面部1911を設けた場合に比べて、フロンとカバー19内に液状ガスケットがはみ出したり、落下したりすることを抑制できる。
また、フロントカバー19のフランジ端面191aにおいて、縦壁部1913を設け、この縦壁部1913を介して平面部1911と傾斜部1912とを接続するようにしたので、平面部1911、傾斜部1912が互いの影響を受けることなく、それぞれを要求される精度に仕上げることが加工上容易になる。従って、部品バラツキも減少することになるため、最終的に形成される液状ガスケット形状の安定、ひいては、安定したシール性を確保できる。
以上では、シリンダブロック11、シリンダヘッド12及びフロントカバー19を3部材とした場合(図1のA部)のシール構造について説明した。但し、かかる3部材を対象とする場合に限るものではなく、例えば、シリンダブロック11、アッパーオイルパン16及びフロントカバー19の3部材を対象とする場合(図1のB部)、シリンダブロック11、アッパーオイルパン16及びリアオイルシールリテーナ21の3部材を対象とする場合(図1のC部)についても上記シール構造を適用することができる。ここで、リアオイルシールリテーナ21は、クランクケース内を外部から遮断するためのオイルシールをエンジン1に保持するためのものである。
また、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とは板状ガスケットGを介して(挟んで)締結されているが、板状ガスケットGに代えて液状ガスケットであってもよい。この場合、液状ガスケットの溜まり部p1には、シリンダブロック上面11aとシリンダヘッド下面12aによって押し潰された液状ガスケットと、フロントカバー19のフランジ端面191aとシリンダブロック11のフランジ端面111aとによって押し潰された液状ガスケット又はフロントカバー19のフランジ端面191aとシリンダヘッド12のフランジ端面121aとによって押し潰された液状ガスケットが流れ込むことになるので、3部材合わせ部に生じる隙間に十分に液状ガスケットを充填できる。
また、シリンダブロック11のフランジ端面111aとシリンダヘッド12のフランジ端面121aの両方に、それぞれシリンダブロック側テーパ面113、シリンダブロック側テーパ面123を設け、フロントカバー19の平面部1911との間に液状ガスケットの溜まり部p1を形成しているが、いずれか一方のみに設ける構成としてもよい。
更に、上記シール構造は、エンジン1における3部材合わせのオイルシール部に限らず、広く産業機械全般における(3部材合わせの)オイルシール部にも適用することができるものである。
本発明の一実施形態を示すエンジンの構成を示す図である。 図1のA部拡大図である。 シリンダブロック、シリンダヘッド及びフロントカバーの合わせ部を示す図である。 一体に締結したシリンダブロック及びシリンダヘッドをフロントカバー側から見た状態を示す図である。 (a)フロントカバーをシリンダブロック及びシリンダヘッド側から見た状態を示す図、(b)X−X断面図、である。 フロントカバー締結時における液状ガスケットの様子を説明する図である。 同じくフロントカバー締結時における液状ガスケット様子を説明する図である。
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、11a…シリンダブロック上面、111…シリンダブロックのフランジ、111a…シリンダブロックのフランジ端面、113…シリンダブロック側テーパ面、12…シリンダヘッド、12a…シリンダヘッド下面、121…シリンダヘッドのフランジ、121a…シリンダヘッドのフランジ端面、123…シリンダヘッド側テーパ面、19…フロントカバー、191…フロントカバーのフランジ、191a…フロントカバーのフランジ端面、1911…平面部、1911…傾斜部、1913…縦壁部、G…板状ガスケット、g…液状ガスケット、p1,p2…液状ガスケットの溜まり部

Claims (7)

  1. 第1の部材の第1接合面と、第2の部材の第2接合面とを合わせて第1部材と第2部材とを結合すると共に、略平坦に形成される前記第1の部材の第3接合面及び前記第2の部材の第4接合面に対して、液状ガスケットを介在させて第3の部材の第5接合面を合わせて前記第1、第2の部材を跨ぐように前記第3の部材を結合して構成される3部材結合体のシール構造において、
    前記第5接合面は、前記第3接合面及び前記第4接合面との合わせ方向と直交する幅方向の一方の端縁から延伸して前記第3、第4接合面に平行な平面部と、この平面部から離れるにしたがって前記第3、第4接合面との間隔を拡大させるよう傾斜する第1傾斜部とを有する一方、
    前記第3接合面には、前記第2の部材に近づくにしたがって前記第5接合面との間隔を拡大させるよう傾斜して前記第1接合面に接続する第2傾斜部が設けられ、
    前記第2傾斜部は、前記幅方向で前記第5接合面の平面部よりも小さく、かつ、前記第3の部材が結合された状態において、前記第5接合面の平面部と対向する位置に設けられることを特徴とする3部材結合体のシール構造。
  2. 前記第1接合面と前記第2接合面との間には板状ガスケットが介在され、
    前記第2傾斜部は、前記板状ガスケットの外縁よりも内側で前記第1接合面に接続することを特徴とする請求項1記載の3部材結合体のシール構造。
  3. 前記第2傾斜部は、前記第3接合面の前記幅方向の端部に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の3部材結合体のシール構造。
  4. 前記第4接合面には、前記第1の部材に近づくにしたがって前記第5接合面との間隔を拡大するように傾斜して前記第2接合面に接続する第3傾斜部が、設けられ、
    前記第3傾斜部は、前記幅方向で前記第5接合面の平面部よりも小さく、かつ、前記第3の部材が結合された状態において、前記第5接合面の平面部と対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の3部材結合体のシール構造。
  5. 前記第3傾斜部は、前記第4接合面の前記幅方向の端部に設けられることを特徴とする請求項4記載の3部材結合体のシール構造
  6. 前記第5接合面において、前記第1傾斜部は、前記平面に対し、漏れ方向に関して内側に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の3部材結合体のシール構造。
  7. 前記第5接合面は、前記平面部に対して前記第1傾斜部よりも大きな角度で傾斜する縦壁部を有し、
    前記平面部と前記第1傾斜部とは、前記縦壁部を介して接続することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の3部材結合体のシール構造。
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