JP2004068672A - エンジンのシール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三面合せ部Xの間隙Gに液体パッキン7を充填することにより、シリンダヘッド3の角部3dとシリンダブロック2の角部cとフランジ部5Aの端面5Bとの間のシールを維持するようにしている。上記角部3dおよび角部2cは、所定角度で面取りして面取部3e、2dを形成している。そして、ガスケット4の端部4Bは面取部3e、2dの内方側の縁部3e’、2d’よりも端面5B側へ突出させている。
これにより間隙G内に液体パッキン7を隙間無く確実に充填することができる。
【効果】従来と比較して三面合せ部Xのシール性を向上させることができる。
【選択図】 図3
これにより間隙G内に液体パッキン7を隙間無く確実に充填することができる。
【効果】従来と比較して三面合せ部Xのシール性を向上させることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンのシール構造に関し、より詳しくは、シリンダブロックとシリンダヘッドおよびそれらの側面にわたって連結するチェーンカバーとを備えたエンジンにおいて、上記3部材の境界部分となる三面合せ部のシール構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダヘッドおよびシリンダブロックと、上記シリンダヘッドの下面と上記シリンダブロックの上面との間に挟持されてそれらの間のシールを維持するガスケットと、左右一対のフランジ部を有し、これらのフランジ部の端面を上記ガスケットの端部の隣接位置となる上記シリンダヘッドの下面の端部および上記シリンダブロックの上面の端部を覆って該シリンダヘッド及びシリンダブロックの側面に連結したチェーンカバーとを備えたエンジンは知られている。そしてさらに、上記シリンダヘッドの側面および上記シリンダブロックの側面と、これら両方の側面に当接する上記チェーンカバーのフランジ部の端面と、上記ガスケットを挟持したシリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部とで構成される三面合せ部の間隙に液体パッキンを充填して、上記三面合せ部のシールを維持するように構成したエンジンは知られている(例えば、特開平10−18909号公報)。このように、従来では、上記三面合せ部の間隙内に液体パッキンを充填することにより、チェーンカバー内のオイルがシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に浸入するのを防止し、ひいてはチェーンカバー内のオイルが燃焼室側へ洩れないようにしている。
そして、図11、図12に示すように、従来のエンジンにおいては、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されるガスケットの端部(縁部)も上記三面合せ部の間隙に臨んでいるため、各部材を組み付けた際にガスケットの端部(縁部)がシリンダヘッドおよびシリンダブロックの側面からカバー側へ突出しないように構成している。このように構成することで、ガスケットの端部(縁部)がチェーンカバーの端面と当接することが無いので、間隙内に充填された液体パッキンがガスケットの端部によって水平方向に切断されないようにしている。さらに、図13に示すように、従来では、上記三面合せ部となるシリンダヘッドの側面の角部およびシリンダブロックの側面の角部を面取りしている。このように構成することで、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの側面よりも後退させたガスケットの端部の位置まで、液体パッキンが充填されやすいように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のエンジンに用いられるガスケットの厚さは0.4mmから1.0mmが一般的となっている。そのため、上述したように、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの角部を面取りしても、その面取部よりも内方側へ後退したガスケットの端部の位置まで液体パッキンを確実に充填させるのが困難であった。
また、従来のエンジンのガスケットは、その表面を薄いゴムコートで被覆している場合が多い。このようにゴムコートで被覆したガスケットにおいては、シリンダヘッドの下面およびシリンダブロックの上面とそれらの間に挟持したガスケットが、燃焼室の燃焼ガスの熱によってガスケットとヘッドブロックの伸びに差が発生することにより僅かに相対移動される。そして、この相対移動に伴って、ガスケットのゴムコートのゴムがガスケットの端部の位置から上記間隙内の液体パッキンに向けて押し出されることになる。これに伴い、ガスケットの端部と液体パッキンとの間に隙間が生じるようになり、それによって三面合せ部のシール性が悪くなるという欠点があった。
さらに、従来のガスケットは、上記チェーンカバー内のオイルがガスケットとシリンダヘッド及びシリンダブロックの当接面との間から燃焼室側へ洩れるのを防止するために、ガスケットにおける一方の三面合せ部の位置から他方の三面合せ部の位置まで、チェーンカバーの幅方向に沿ってシール手段としてのビード部を形成している(図12参照)。しかしながら、このビード部の両端は、チェーンカバー側のフランジ部の端面に対向させて配置している。そのため、図12に示すように、従来のビード部においては、三面合せ部となるフランジ部の端面の幅に対して、その幅方向の3分の1程度チェーンカバーの内方側に位置しており、このビード部の端部の位置までチェーンカバー内のオイルが浸入していたものである。つまり、従来一般のチェーンカバーのフランジ部は、その幅の約3分の2程度だけしか有効なシール領域として利用できないという欠点が指摘されていたものである。この点も従来の三面合せ部のシール性が低下する原因となっていたものである。
そこで、本発明の目的は、従来と比べて三面合せ部のシール性が良好なシール構造を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、シリンダヘッドおよびシリンダブロックと、上記シリンダヘッドの下面と上記シリンダブロックの上面との間に挟持されてそれらの間のシールを維持するガスケットと、左右一対のフランジ部を有し、これらのフランジ部の端面を上記ガスケットの端部の隣接位置となる上記シリンダヘッドの下面の端部および上記シリンダブロックの上面の端部を覆って該シリンダヘッド及びシリンダブロックの側面に連結したチェーンカバーとを備え、さらに、上記シリンダヘッドの側面および上記シリンダブロックの側面と、これら両方の側面に当接する上記チェーンカバーのフランジ部の端面と、上記ガスケットを挟持したシリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部とで構成される三面合せ部の間隙に液体パッキンを充填して、上記三面合せ部のシールを維持するように構成したエンジンにおいて、
上記シリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部をそれぞれ所定角度で面取りしてそこに面取部を形成し、上記ガスケットの端部を上記両面取部における内方側の縁部よりも上記チェーンカバーのフランジ部の端面側へ突出させるとともに、上記両面取部とそれらに隣接する上記フランジ部の端面との間に形成される間隙内に位置させ、さらに上記間隙内に上記液体パッキンを充填して三面合せ部のシールを維持するように構成したものである。
このような構成によれば、ガスケットの端部は上記間隙内に位置しているので、該間隙内の全域に液体パッキンを隙間なく確実に充填することができる。そのため、上記従来のシール構造と比較して三面合せ部のシール性を向上させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図3において1は自動車用のエンジンである。このエンジン1は、アルミ合金製のシリンダブロック2およびシリンダヘッド3と、上記シリンダブロック2の上面2aとシリンダヘッド3の下面3aとの間に挟持した薄板状のガスケット4とを備えており、このガスケット4により上記シリンダブロック2の上面2aとシリンダヘッド3の下面3aとの間のシールを維持している。ガスケット4はSUS板を用いて製造している。また、エンジン1は、上記上面2a、下面3aおよびガスケット4と直交するように上記シリンダヘッド3の側面3bおよびシリンダブロック2の側面2bとにわたって組み付けた断面略U字形のチェーンカバー5を備えている。
【0006】
図2に示すように、チェーンカバー5は、左右両側に横方向に張り出した一対のフランジ部5Aを備えており、これら各フランジ部5Aの端面5B(当接面)を上記シリンダヘッド3の側面3bおよびシリンダブロック2の側面2bに当接させてあり、その状態で両フランジ部5Aを上記シリンダヘッド3の側面3bおよびシリンダブロック2の側面2bに連結している。
また、図1に示すように、チェーンカバー5の上面5Cとシリンダヘッド3の上面3cとにわたってシリンダヘッドカバー6を取り付けてあり、このシリンダヘッドカバー6により、チェーンカバー5の上面5Cとシリンダヘッド3の上面3cの全域を覆っている。上記チェーンカバー6の内部には、図示しないカムシャフトを駆動するためのチェーンを収容している。
【0007】
上記ガスケット4におけるチェーンカバー5側の端部4B(縁部)と、その上下位置となるシリンダヘッド3の角部3dおよびシリンダブロック2の角部2c、さらにこれらの角部3d、2cの側面と当接するフランジ部5Aの端面5Bの箇所は、一般に三面合せ部Xと称されており、この三面合せ部Xに生じる微小な間隙G内にシール部材としての液体パッキン7を充填している。
このように間隙G内に液体パッキン7を充填することで、三面合せ部Xのシールを維持するように構成してあり、それによって、チェーンカバー5内のオイルが上記間隙G内に浸入することを防止するようにしている。
【0008】
また、図2および図6に示すように、上記ガスケット4には、上記端部4Bにおける一方のフランジ部5Aの位置から他方のフランジ部5Aの位置にわたって、かつチェーンカバー5の幅方向に沿ってビード部4Aを形成している。このビード部4Aは、上方側に向けて膨出させて断面を略台形状に形成している。このビード部4Aによって、チェーンカバー5内のオイルが、上下の角部3d、2cの間からガスケット4と下面3aおよび上面2aとの間に浸入したとしても、そのビード部4Aの位置でオイルが燃焼室側へ浸入するのを阻止できるようにしている。また、図6に示すように、ガスケット4の表面および裏面の全域は、全域に薄いゴムコート8によって被覆している。
【0009】
以上の構成は、従来公知のエンジンのものと変わるところはない。
しかして、本実施例は、上述した構成を前提とした上で、上記三面合せ部Xのシール構造を次のように改良することで、この三面合せ部Xのシール性を向上させたものである。
すなわち、図3、図4に示すように、上記シリンダヘッド3の角部3dは、フランジ部5Aの端面5Bと対向する領域において、すなわち三面合せ部Xとなる領域を30度ないし60度の角度で面取りして、面取部3eを形成している。また、これと同様の角度でシリンダブロック2の角部2cも面取りして面取部2dを形成している。そして、面取部3e、2dにおける内方側の縁部3e’、2d’が側面2b、3bから内方側(左方側)へ後退する後退量は、同じ寸法(約1mm)に設定している。
また、シリンダヘッド3の面取部3eにおける内方側の縁部3e’を断面円弧状に形成するとともに、シリンダブロック2側の面取部2dにおける内方側の縁部2d’も断面円弧状に形成している。
【0010】
さらに、本実施例においては、ガスケット4の端部4Bを面取部3e、2dにおける内方側の縁部3e’、2d’よりもフランジ部5Aの端面5B側へ突出させて間隙G内に位置させるとともに、この端部4Bが側面2b、3bから内方側(左方側)へ0.5mm以上後退するような上記面取部2d、3eの面取り角度と面取り量に設定している。つまり、端部4Bがフランジ部5Aの端面5Bから常に0.5mm以上離隔するように構成している。
そして、このように、ガスケット4の端部4Bが面取部3e、2dの内方側の縁部3e’、2d’よりも間隙G内に突出し、かつ側面2b、3bから内方側(左方側)へ0.5mm以上後退した状態において、間隙G内に液体パッキン7を充填している。これにより、本実施例においては、エンジン1を構成する各部材の寸法誤差、組み付け誤差、熱膨張、収縮の影響があったとしても、ガスケット4の端部4Bは間隙G内に位置するようになっている。
また、図2に示すように、本実施例においては、両フランジ部5Aにおけるチェーンカバー5の内方側となる角部は所要寸法だけ面取りして、面取部5Fを形成している。これによって、三面合せ部Xの間隙G内にガスケット4の表面のゴムコート8の一部が押し出されてきた場合において、そのゴムコートの一部を上記面取部5Fの位置の間隙内に収容できるようになっている。
さらに、図2、図5および図6に示すように、ガスケット4には、上記ビード部4Aよりもさらにチェーンカバー5の内方側の位置にサブビード部4Cを形成している。図6に示すように、このサブビード部4Cは、端部4B側が捲れあがるように傾斜させて形成している。また、図2に示すように、サブビード部4Cは、その両端部を三面合せ部Xにおける各フランジ部5Aの上記面取部5Fよりも外方側の端面5Bと対向する位置に位置させている。また、上述したように、サブビード部4Cは、ビード部4Aに沿って、かつそれよりもチェーンカバー5に近い端部5B側に形成している。
このように、本実施例のガスケット4は、ビード部4Aとサブビード部4Bを備えており、それらの二重のシール手段によって、チェーンカバー5内のオイルがガスケット4の上下の微小な間隙を介して燃焼室側へ浸入しないように構成している。
【0011】
以上のように、本実施例のエンジン1においては、上記三面合わせ部Xにおける角部2c、3dに面取部2d、3eを形成し、かつガスケット4の端部4Bが面取部2d、3eの内方側の縁部2d’、3e’よりも間隙G内に位置するように構成して、その状態で間隙Gに液体パッキン7を充填している。
そのため、ガスケット4の厚さが0.4mmから1.0mmと薄い場合であっても、上記間隙Gの全域内に隙間無く液体パッキン7を充填することができる。これにより、三面合せ部Xのシール性を従来よりも向上させることができる。
また、エンジン1を構成する各部材の寸法誤差、組み付け誤差、燃焼ガスの影響があったとしても、ガスケット4の端部4Bは間隙G内に位置することになる。そのため、図4に示すように、エンジン1の構成部材を組み付けた際に、面取部3e、2dの内方側の縁部3e’、2d’よりも間隙Gと反対側へ退没しない。そのため、ガスケット4の端部の表面のゴムコート8が熱の影響によって液体パッキン7に向けて押し出されることが無く、したがって、間隙G内に充填した液体パッキン7によって三面合せ部Xのシールを確実に維持して、そのシール性を向上させることができる。また、ガスケット4の端部4Bがフランジ部5Aの端面5Bに当接することは無いので、間隙G内の液体パッキン7がガスケット4の端部4Bによって切断されることは無く、したがって、三面合せ部Xのシール性が低下することを防止できる。
【0012】
さらに、本実施例のガスケット4は、ビード部4Aとサブビード部4Cとによる二重構造のシール手段を備えているので、ビード部4Aだけを備えていた従来のガスケット(図12参照)と比較して、シリンダヘッド3の下面3aとシリンダブロック2の上面2aとの間のシールを確実に維持することができる。そのため、チェーンカバー5内のオイルが、シリンダヘッド3の下面3aとシリンダブロック2の上面2aとの間を介して燃焼室側へ浸入することを確実に防止できる。
また、サブビード部4Cの両端部は、フランジ部5Aの端面5Bにおけるチェーンカバー5の内方側に位置している。つまり、ビード部4Aのみの場合においては、このビード部4Aの端部は、フランジ部5Aの端面5Bの幅方向中央側に位置していた(図12参照)。そのため、この端部の位置までチェーンカバー5内のオイルが浸入することになり、三面合せ部Xとなる端面の幅方向の寸法(シール領域)が小さくなっていたものである。これに対して、本実施例においては、サブビード部4Cを設けて、その端部をチェーンカバー5の内方側に近い位置に位置させている。そのため、サブビード部4Cの位置でオイルの浸入を防止できることになり、それにより、三面合せ部Xとなる端面5Bの幅方向の寸法(シール領域)を大きくすることができる。この点からも本実施例においては、三面合せ部Xのシール性を従来よりも向上させることができる。
さらに、本実施例では、両フランジ部5Aの内方側の角部に面取部5Fを形成しているので、三面合せ部Xの間隙G内にガスケット4の表面のゴムコート8の一部が押し出されてきた場合において、そのゴムコートの一部を上記面取部5Fの位置の間隙内に収容できるようになっている。
また、上記面取部3e、2dの内方側の縁部3e’、2d’は断面円弧状に形成しているので、ガスケット4が熱膨張して縁部3e’、2d’と相対移動してもガスケット4の表面に付したゴムコート8が損傷するのを防止することができる。
【0013】
−−−−−−−−−−−−(第2実施例)
次に、図7及び図8は、本発明の第2実施例を示したものである。この第2実施例は、上記第1実施例におけるガスケット4のサブビード部を省略して、その代わりにガスケット4の端部4Bの幅方向に沿って薄板状のゴム製の補助シール部材11を取り付けたものである。この補助シール部材11は、端部4Bの表面及び裏面と縁部を覆って取り付けている。
この他の構成は、上記第1実施例と同じである。このような構成の第2実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用、効果を得ることができる。なお、補助シール部材11としてゴムの代わりに接着剤を塗布するようにしても良い。この場合には、ガスケット4の端部4Bと液体パッキン7とをより一層強固に接着することができる。
【0014】
−−−−−−−−−−−−−−(第3実施例)
次に、図9及び図10は、本発明の第3実施例を示したものである。この第3実施例は、ガスケット4として、上記第2実施例のものと同じガスケット4を用いるとともに、上記ガスケット4の端部4Bと対向するフランジ部5Aの端面5Bに断面が略V字形の直線状の溝12を形成したものである。そして、この溝12の幅(開口部の上下方向寸法)は、実質的に両面取部3e、2dの外方側の縁部が隔てた上下方向寸法と同じに設定してあり、したがって、溝12とそれに対向した状態の面取部3e、2dとによって間隙Gが形成されており、この間隙G内にガスケット4の端部4Bが位置している。この他の構成は上記第1実施例のものと同じである。
第3実施例においては、上記フランジ部5Aの端面5Bに溝12を設けたことにより、図10に示すように、ガスケット4の端部4Bが側面2b、3bよりもフランジ部5Aの端面5B側へ突出していたとしても、その端部4Bが溝12内に収容されるようになっている。これにより、側面2b、3bとフランジ部5Aの端面5Bとが隙間無く当接することができ、三面合せ部Xの間隙G内に液体パッキン7を隙間無く充填することができる。
このような構成の第3実施例であっても、上記各実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来と比較して三面合せ部のシール性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すエンジン1の正面図。
【図2】図1のII―IIに沿う要部の断面図。
【図3】図1のIII―IIIに沿う要部の断面図。
【図4】図3の要部の拡大図。
【図5】図1に示したガスケットの平面図。
【図6】図5のVI―VI線に沿う要部の断面図。
【図7】本発明の第2実施例におけるガスケットを示す平面図。
【図8】図7のVIII―VIII線に沿う断面図。
【図9】本発明の第4実施例を示す要部の断面図。
【図10】図9のY−Y線に沿う断面図。
【図11】従来技術であるエンジンの正面図。
【図12】図11のXII―XII線に沿う要部の断面図。
【図13】図11のXIII―XIII線に沿う要部の断面図。
【符号の説明】
1…エンジン 2…シリンダブロック
2a…上面 2d…面取部
3…シリンダヘッド 3a…下面
3e…面取部 4…ガスケット
4B…端部 5…チェーンカバー
7…液体パッキン G…間隙
X…三面合せ部
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンのシール構造に関し、より詳しくは、シリンダブロックとシリンダヘッドおよびそれらの側面にわたって連結するチェーンカバーとを備えたエンジンにおいて、上記3部材の境界部分となる三面合せ部のシール構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダヘッドおよびシリンダブロックと、上記シリンダヘッドの下面と上記シリンダブロックの上面との間に挟持されてそれらの間のシールを維持するガスケットと、左右一対のフランジ部を有し、これらのフランジ部の端面を上記ガスケットの端部の隣接位置となる上記シリンダヘッドの下面の端部および上記シリンダブロックの上面の端部を覆って該シリンダヘッド及びシリンダブロックの側面に連結したチェーンカバーとを備えたエンジンは知られている。そしてさらに、上記シリンダヘッドの側面および上記シリンダブロックの側面と、これら両方の側面に当接する上記チェーンカバーのフランジ部の端面と、上記ガスケットを挟持したシリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部とで構成される三面合せ部の間隙に液体パッキンを充填して、上記三面合せ部のシールを維持するように構成したエンジンは知られている(例えば、特開平10−18909号公報)。このように、従来では、上記三面合せ部の間隙内に液体パッキンを充填することにより、チェーンカバー内のオイルがシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に浸入するのを防止し、ひいてはチェーンカバー内のオイルが燃焼室側へ洩れないようにしている。
そして、図11、図12に示すように、従来のエンジンにおいては、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されるガスケットの端部(縁部)も上記三面合せ部の間隙に臨んでいるため、各部材を組み付けた際にガスケットの端部(縁部)がシリンダヘッドおよびシリンダブロックの側面からカバー側へ突出しないように構成している。このように構成することで、ガスケットの端部(縁部)がチェーンカバーの端面と当接することが無いので、間隙内に充填された液体パッキンがガスケットの端部によって水平方向に切断されないようにしている。さらに、図13に示すように、従来では、上記三面合せ部となるシリンダヘッドの側面の角部およびシリンダブロックの側面の角部を面取りしている。このように構成することで、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの側面よりも後退させたガスケットの端部の位置まで、液体パッキンが充填されやすいように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のエンジンに用いられるガスケットの厚さは0.4mmから1.0mmが一般的となっている。そのため、上述したように、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの角部を面取りしても、その面取部よりも内方側へ後退したガスケットの端部の位置まで液体パッキンを確実に充填させるのが困難であった。
また、従来のエンジンのガスケットは、その表面を薄いゴムコートで被覆している場合が多い。このようにゴムコートで被覆したガスケットにおいては、シリンダヘッドの下面およびシリンダブロックの上面とそれらの間に挟持したガスケットが、燃焼室の燃焼ガスの熱によってガスケットとヘッドブロックの伸びに差が発生することにより僅かに相対移動される。そして、この相対移動に伴って、ガスケットのゴムコートのゴムがガスケットの端部の位置から上記間隙内の液体パッキンに向けて押し出されることになる。これに伴い、ガスケットの端部と液体パッキンとの間に隙間が生じるようになり、それによって三面合せ部のシール性が悪くなるという欠点があった。
さらに、従来のガスケットは、上記チェーンカバー内のオイルがガスケットとシリンダヘッド及びシリンダブロックの当接面との間から燃焼室側へ洩れるのを防止するために、ガスケットにおける一方の三面合せ部の位置から他方の三面合せ部の位置まで、チェーンカバーの幅方向に沿ってシール手段としてのビード部を形成している(図12参照)。しかしながら、このビード部の両端は、チェーンカバー側のフランジ部の端面に対向させて配置している。そのため、図12に示すように、従来のビード部においては、三面合せ部となるフランジ部の端面の幅に対して、その幅方向の3分の1程度チェーンカバーの内方側に位置しており、このビード部の端部の位置までチェーンカバー内のオイルが浸入していたものである。つまり、従来一般のチェーンカバーのフランジ部は、その幅の約3分の2程度だけしか有効なシール領域として利用できないという欠点が指摘されていたものである。この点も従来の三面合せ部のシール性が低下する原因となっていたものである。
そこで、本発明の目的は、従来と比べて三面合せ部のシール性が良好なシール構造を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、シリンダヘッドおよびシリンダブロックと、上記シリンダヘッドの下面と上記シリンダブロックの上面との間に挟持されてそれらの間のシールを維持するガスケットと、左右一対のフランジ部を有し、これらのフランジ部の端面を上記ガスケットの端部の隣接位置となる上記シリンダヘッドの下面の端部および上記シリンダブロックの上面の端部を覆って該シリンダヘッド及びシリンダブロックの側面に連結したチェーンカバーとを備え、さらに、上記シリンダヘッドの側面および上記シリンダブロックの側面と、これら両方の側面に当接する上記チェーンカバーのフランジ部の端面と、上記ガスケットを挟持したシリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部とで構成される三面合せ部の間隙に液体パッキンを充填して、上記三面合せ部のシールを維持するように構成したエンジンにおいて、
上記シリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部をそれぞれ所定角度で面取りしてそこに面取部を形成し、上記ガスケットの端部を上記両面取部における内方側の縁部よりも上記チェーンカバーのフランジ部の端面側へ突出させるとともに、上記両面取部とそれらに隣接する上記フランジ部の端面との間に形成される間隙内に位置させ、さらに上記間隙内に上記液体パッキンを充填して三面合せ部のシールを維持するように構成したものである。
このような構成によれば、ガスケットの端部は上記間隙内に位置しているので、該間隙内の全域に液体パッキンを隙間なく確実に充填することができる。そのため、上記従来のシール構造と比較して三面合せ部のシール性を向上させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図3において1は自動車用のエンジンである。このエンジン1は、アルミ合金製のシリンダブロック2およびシリンダヘッド3と、上記シリンダブロック2の上面2aとシリンダヘッド3の下面3aとの間に挟持した薄板状のガスケット4とを備えており、このガスケット4により上記シリンダブロック2の上面2aとシリンダヘッド3の下面3aとの間のシールを維持している。ガスケット4はSUS板を用いて製造している。また、エンジン1は、上記上面2a、下面3aおよびガスケット4と直交するように上記シリンダヘッド3の側面3bおよびシリンダブロック2の側面2bとにわたって組み付けた断面略U字形のチェーンカバー5を備えている。
【0006】
図2に示すように、チェーンカバー5は、左右両側に横方向に張り出した一対のフランジ部5Aを備えており、これら各フランジ部5Aの端面5B(当接面)を上記シリンダヘッド3の側面3bおよびシリンダブロック2の側面2bに当接させてあり、その状態で両フランジ部5Aを上記シリンダヘッド3の側面3bおよびシリンダブロック2の側面2bに連結している。
また、図1に示すように、チェーンカバー5の上面5Cとシリンダヘッド3の上面3cとにわたってシリンダヘッドカバー6を取り付けてあり、このシリンダヘッドカバー6により、チェーンカバー5の上面5Cとシリンダヘッド3の上面3cの全域を覆っている。上記チェーンカバー6の内部には、図示しないカムシャフトを駆動するためのチェーンを収容している。
【0007】
上記ガスケット4におけるチェーンカバー5側の端部4B(縁部)と、その上下位置となるシリンダヘッド3の角部3dおよびシリンダブロック2の角部2c、さらにこれらの角部3d、2cの側面と当接するフランジ部5Aの端面5Bの箇所は、一般に三面合せ部Xと称されており、この三面合せ部Xに生じる微小な間隙G内にシール部材としての液体パッキン7を充填している。
このように間隙G内に液体パッキン7を充填することで、三面合せ部Xのシールを維持するように構成してあり、それによって、チェーンカバー5内のオイルが上記間隙G内に浸入することを防止するようにしている。
【0008】
また、図2および図6に示すように、上記ガスケット4には、上記端部4Bにおける一方のフランジ部5Aの位置から他方のフランジ部5Aの位置にわたって、かつチェーンカバー5の幅方向に沿ってビード部4Aを形成している。このビード部4Aは、上方側に向けて膨出させて断面を略台形状に形成している。このビード部4Aによって、チェーンカバー5内のオイルが、上下の角部3d、2cの間からガスケット4と下面3aおよび上面2aとの間に浸入したとしても、そのビード部4Aの位置でオイルが燃焼室側へ浸入するのを阻止できるようにしている。また、図6に示すように、ガスケット4の表面および裏面の全域は、全域に薄いゴムコート8によって被覆している。
【0009】
以上の構成は、従来公知のエンジンのものと変わるところはない。
しかして、本実施例は、上述した構成を前提とした上で、上記三面合せ部Xのシール構造を次のように改良することで、この三面合せ部Xのシール性を向上させたものである。
すなわち、図3、図4に示すように、上記シリンダヘッド3の角部3dは、フランジ部5Aの端面5Bと対向する領域において、すなわち三面合せ部Xとなる領域を30度ないし60度の角度で面取りして、面取部3eを形成している。また、これと同様の角度でシリンダブロック2の角部2cも面取りして面取部2dを形成している。そして、面取部3e、2dにおける内方側の縁部3e’、2d’が側面2b、3bから内方側(左方側)へ後退する後退量は、同じ寸法(約1mm)に設定している。
また、シリンダヘッド3の面取部3eにおける内方側の縁部3e’を断面円弧状に形成するとともに、シリンダブロック2側の面取部2dにおける内方側の縁部2d’も断面円弧状に形成している。
【0010】
さらに、本実施例においては、ガスケット4の端部4Bを面取部3e、2dにおける内方側の縁部3e’、2d’よりもフランジ部5Aの端面5B側へ突出させて間隙G内に位置させるとともに、この端部4Bが側面2b、3bから内方側(左方側)へ0.5mm以上後退するような上記面取部2d、3eの面取り角度と面取り量に設定している。つまり、端部4Bがフランジ部5Aの端面5Bから常に0.5mm以上離隔するように構成している。
そして、このように、ガスケット4の端部4Bが面取部3e、2dの内方側の縁部3e’、2d’よりも間隙G内に突出し、かつ側面2b、3bから内方側(左方側)へ0.5mm以上後退した状態において、間隙G内に液体パッキン7を充填している。これにより、本実施例においては、エンジン1を構成する各部材の寸法誤差、組み付け誤差、熱膨張、収縮の影響があったとしても、ガスケット4の端部4Bは間隙G内に位置するようになっている。
また、図2に示すように、本実施例においては、両フランジ部5Aにおけるチェーンカバー5の内方側となる角部は所要寸法だけ面取りして、面取部5Fを形成している。これによって、三面合せ部Xの間隙G内にガスケット4の表面のゴムコート8の一部が押し出されてきた場合において、そのゴムコートの一部を上記面取部5Fの位置の間隙内に収容できるようになっている。
さらに、図2、図5および図6に示すように、ガスケット4には、上記ビード部4Aよりもさらにチェーンカバー5の内方側の位置にサブビード部4Cを形成している。図6に示すように、このサブビード部4Cは、端部4B側が捲れあがるように傾斜させて形成している。また、図2に示すように、サブビード部4Cは、その両端部を三面合せ部Xにおける各フランジ部5Aの上記面取部5Fよりも外方側の端面5Bと対向する位置に位置させている。また、上述したように、サブビード部4Cは、ビード部4Aに沿って、かつそれよりもチェーンカバー5に近い端部5B側に形成している。
このように、本実施例のガスケット4は、ビード部4Aとサブビード部4Bを備えており、それらの二重のシール手段によって、チェーンカバー5内のオイルがガスケット4の上下の微小な間隙を介して燃焼室側へ浸入しないように構成している。
【0011】
以上のように、本実施例のエンジン1においては、上記三面合わせ部Xにおける角部2c、3dに面取部2d、3eを形成し、かつガスケット4の端部4Bが面取部2d、3eの内方側の縁部2d’、3e’よりも間隙G内に位置するように構成して、その状態で間隙Gに液体パッキン7を充填している。
そのため、ガスケット4の厚さが0.4mmから1.0mmと薄い場合であっても、上記間隙Gの全域内に隙間無く液体パッキン7を充填することができる。これにより、三面合せ部Xのシール性を従来よりも向上させることができる。
また、エンジン1を構成する各部材の寸法誤差、組み付け誤差、燃焼ガスの影響があったとしても、ガスケット4の端部4Bは間隙G内に位置することになる。そのため、図4に示すように、エンジン1の構成部材を組み付けた際に、面取部3e、2dの内方側の縁部3e’、2d’よりも間隙Gと反対側へ退没しない。そのため、ガスケット4の端部の表面のゴムコート8が熱の影響によって液体パッキン7に向けて押し出されることが無く、したがって、間隙G内に充填した液体パッキン7によって三面合せ部Xのシールを確実に維持して、そのシール性を向上させることができる。また、ガスケット4の端部4Bがフランジ部5Aの端面5Bに当接することは無いので、間隙G内の液体パッキン7がガスケット4の端部4Bによって切断されることは無く、したがって、三面合せ部Xのシール性が低下することを防止できる。
【0012】
さらに、本実施例のガスケット4は、ビード部4Aとサブビード部4Cとによる二重構造のシール手段を備えているので、ビード部4Aだけを備えていた従来のガスケット(図12参照)と比較して、シリンダヘッド3の下面3aとシリンダブロック2の上面2aとの間のシールを確実に維持することができる。そのため、チェーンカバー5内のオイルが、シリンダヘッド3の下面3aとシリンダブロック2の上面2aとの間を介して燃焼室側へ浸入することを確実に防止できる。
また、サブビード部4Cの両端部は、フランジ部5Aの端面5Bにおけるチェーンカバー5の内方側に位置している。つまり、ビード部4Aのみの場合においては、このビード部4Aの端部は、フランジ部5Aの端面5Bの幅方向中央側に位置していた(図12参照)。そのため、この端部の位置までチェーンカバー5内のオイルが浸入することになり、三面合せ部Xとなる端面の幅方向の寸法(シール領域)が小さくなっていたものである。これに対して、本実施例においては、サブビード部4Cを設けて、その端部をチェーンカバー5の内方側に近い位置に位置させている。そのため、サブビード部4Cの位置でオイルの浸入を防止できることになり、それにより、三面合せ部Xとなる端面5Bの幅方向の寸法(シール領域)を大きくすることができる。この点からも本実施例においては、三面合せ部Xのシール性を従来よりも向上させることができる。
さらに、本実施例では、両フランジ部5Aの内方側の角部に面取部5Fを形成しているので、三面合せ部Xの間隙G内にガスケット4の表面のゴムコート8の一部が押し出されてきた場合において、そのゴムコートの一部を上記面取部5Fの位置の間隙内に収容できるようになっている。
また、上記面取部3e、2dの内方側の縁部3e’、2d’は断面円弧状に形成しているので、ガスケット4が熱膨張して縁部3e’、2d’と相対移動してもガスケット4の表面に付したゴムコート8が損傷するのを防止することができる。
【0013】
−−−−−−−−−−−−(第2実施例)
次に、図7及び図8は、本発明の第2実施例を示したものである。この第2実施例は、上記第1実施例におけるガスケット4のサブビード部を省略して、その代わりにガスケット4の端部4Bの幅方向に沿って薄板状のゴム製の補助シール部材11を取り付けたものである。この補助シール部材11は、端部4Bの表面及び裏面と縁部を覆って取り付けている。
この他の構成は、上記第1実施例と同じである。このような構成の第2実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用、効果を得ることができる。なお、補助シール部材11としてゴムの代わりに接着剤を塗布するようにしても良い。この場合には、ガスケット4の端部4Bと液体パッキン7とをより一層強固に接着することができる。
【0014】
−−−−−−−−−−−−−−(第3実施例)
次に、図9及び図10は、本発明の第3実施例を示したものである。この第3実施例は、ガスケット4として、上記第2実施例のものと同じガスケット4を用いるとともに、上記ガスケット4の端部4Bと対向するフランジ部5Aの端面5Bに断面が略V字形の直線状の溝12を形成したものである。そして、この溝12の幅(開口部の上下方向寸法)は、実質的に両面取部3e、2dの外方側の縁部が隔てた上下方向寸法と同じに設定してあり、したがって、溝12とそれに対向した状態の面取部3e、2dとによって間隙Gが形成されており、この間隙G内にガスケット4の端部4Bが位置している。この他の構成は上記第1実施例のものと同じである。
第3実施例においては、上記フランジ部5Aの端面5Bに溝12を設けたことにより、図10に示すように、ガスケット4の端部4Bが側面2b、3bよりもフランジ部5Aの端面5B側へ突出していたとしても、その端部4Bが溝12内に収容されるようになっている。これにより、側面2b、3bとフランジ部5Aの端面5Bとが隙間無く当接することができ、三面合せ部Xの間隙G内に液体パッキン7を隙間無く充填することができる。
このような構成の第3実施例であっても、上記各実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来と比較して三面合せ部のシール性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すエンジン1の正面図。
【図2】図1のII―IIに沿う要部の断面図。
【図3】図1のIII―IIIに沿う要部の断面図。
【図4】図3の要部の拡大図。
【図5】図1に示したガスケットの平面図。
【図6】図5のVI―VI線に沿う要部の断面図。
【図7】本発明の第2実施例におけるガスケットを示す平面図。
【図8】図7のVIII―VIII線に沿う断面図。
【図9】本発明の第4実施例を示す要部の断面図。
【図10】図9のY−Y線に沿う断面図。
【図11】従来技術であるエンジンの正面図。
【図12】図11のXII―XII線に沿う要部の断面図。
【図13】図11のXIII―XIII線に沿う要部の断面図。
【符号の説明】
1…エンジン 2…シリンダブロック
2a…上面 2d…面取部
3…シリンダヘッド 3a…下面
3e…面取部 4…ガスケット
4B…端部 5…チェーンカバー
7…液体パッキン G…間隙
X…三面合せ部
Claims (7)
- シリンダヘッドおよびシリンダブロックと、上記シリンダヘッドの下面と上記シリンダブロックの上面との間に挟持されてそれらの間のシールを維持するガスケットと、左右一対のフランジ部を有し、これらのフランジ部の端面を上記ガスケットの端部の隣接位置となる上記シリンダヘッドの下面の端部および上記シリンダブロックの上面の端部を覆って該シリンダヘッド及びシリンダブロックの側面に連結したチェーンカバーとを備え、
さらに、上記シリンダヘッドの側面および上記シリンダブロックの側面と、これら両方の側面に当接する上記チェーンカバーのフランジ部の端面と、上記ガスケットを挟持したシリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部とで構成される三面合せ部の間隙に液体パッキンを充填して、上記三面合せ部のシールを維持するように構成したエンジンにおいて、
上記シリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部をそれぞれ所定角度で面取りしてそこに面取部を形成し、上記ガスケットの端部を上記両面取部における内方側の縁部よりも上記チェーンカバーのフランジ部の端面側へ突出させるとともに、上記両面取部とそれらに隣接する上記フランジ部の端面との間に形成される間隙内に位置させ、さらに上記間隙内に上記液体パッキンを充填して三面合せ部のシールを維持するように構成したことを特徴とするエンジンのシール構造。 - 上記ガスケットには、上記左右の一方のフランジ部における端面の位置から他方のフランジ部における端面の位置まで上記チェーンカバーの幅方向に沿って形成されるシール手段を設けてあり、このシール手段は、上方側へ膨出させて形成したビード部と、このビード部に沿ってそれよりもチェーンカバーに近接する位置に形成したサブビード部とからなることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのシール構造。
- 上記ガスケットには、上記左右の一方のフランジ部における端面の位置から他方のフランジ部における端面の位置まで上記チェーンカバーの幅方向に沿って形成されるシール手段を設けてあり、このシール手段は、上方側へ膨出させて形成したビード部と、ガスケットの端部における幅方向の全域にわたって取り付けたシール部材とからなることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのシール構造。
- 上記ガスケットの端部と対向するフランジ部の端面には、ガスケットの端部の幅方向に沿って直線状の凹部を形成してあり、ガスケットの端部は、上記シリンダヘッドの側面およびシリンダブロックの側面を越えて、上記凹部内に収容できるように構成されていることを特徴とする請求項1および請求項3に記載のエンジンのシール構造。
- 上記各フランジ部における内方側の角部は面取りを施した面取部として形成してあり、上記サブビード部の端部は、これら両フランジ部における面取部よりも外方位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンのシール構造。
- 上記シリンダヘッドの下面の端部およびシリンダブロックの上面の端部は、30度から60度の角度で面取りされていることを特徴とする請求項1から請求項5のそれぞれに記載のエンジンのシール構造。
- 上記シリンダヘッドの面取部及びシリンダブロックの面取部における内方側の縁部は、ともに断面円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のそれぞれに記載のエンジンのシール構造。
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