JPH11153571A - 酸素センサ素子 - Google Patents
酸素センサ素子Info
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- JPH11153571A JPH11153571A JP9337869A JP33786997A JPH11153571A JP H11153571 A JPH11153571 A JP H11153571A JP 9337869 A JP9337869 A JP 9337869A JP 33786997 A JP33786997 A JP 33786997A JP H11153571 A JPH11153571 A JP H11153571A
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Abstract
素子を提供すること。 【解決手段】 基準ガス室18を設けた固体電解質体1
0,測定電極11,基準電極12とよりなると共に基準
ガス室18にはヒータ19が挿入配置してある。内側面
102とヒータ19とが接触する領域及びこの領域と対
向する外側面101とを含む領域とよりなる接触部10
0を有しており,かつ測定電極11は接触部100の少
なくとも一部を含むように形成されている。素子先端部
14から長さLの範囲に被測定ガス接触面13を有して
いる。接触部100の少なくとも一部は素子先端部14
から長さ0.4L以内の範囲に位置する。測定電極11
は素子先端部14から長さ0.8Lの範囲のみに設けて
ある。
Description
に含まれる酸素ガスの濃度を検出・測定し,上記内燃機
関の空燃比制御のために利用されるヒータ付きの酸素セ
ンサ素子に関する。
内燃機関の空燃比制御等に利用する酸素センサ素子とし
て,以下に示すごときものが知られている。即ち,上記
酸素センサ素子は,内部に基準ガス室が設けてあるコッ
プ型の固体電解質体と,該固体電解質体の外側面に設
け,かつ被測定ガスと接触する測定電極と,上記固体電
解質体の内側面に設けた基準電極とよりなる。上記測定
電極及び基準電極は固体電解質体の略全面に形成される
ケースと,部分的に形成されるケースとがある(特開昭
58−73857号)。
基準ガス室には通電により発熱するヒータが挿入配置さ
れている。上記酸素センサ素子はある一定以上の温度に
達しないと酸素濃度を検出することができない。上記ヒ
ータの加熱により酸素センサ素子は外部雰囲気温度が低
い状態であっても酸素ガス濃度を測定することができ
る。
ンサ素子には以下に示す問題点があった。つまり,酸素
センサ素子の外側面は後述するごとく素子先端部から長
さLの範囲に被測定ガス接触面を有しており,この部分
は酸素センサ素子の使用時には高温の被測定ガスにより
加熱された状態にある。従って,後述する図8に示すご
とく,酸素センサ素子には温度分布が発生する。
質体の全面に形成されている場合の酸素センサ素子の出
力は,高温の部分からの出力と低温の部分からの出力と
の電気回路的な合成である。酸素センサ素子の低温部は
活性が低いため,センサ出力及び応答性が低い。この部
分の影響により総じてセンサ応答性が低下するおそれが
ある。
体に対し部分的に形成されている場合においても,これ
らの電極が低温の部分に形成されている場合には,上記
と同様に不正確な出力しか得られなかったり,応答性が
低下するおそれがある。
ンサ素子には内燃機関始動直後よりセンサ出力が得られ
るような性能が要求されている。つまり,ヒータへの通
電開始後からセンサ出力が得られるまでの活性時間が短
いことが要求されている。従来構造にかかる酸素センサ
素子ではこのような要求に応えることが難しかった。
されたもので,活性時間が短く,応答性が高い,酸素セ
ンサ素子を提供することを目的とする。
れ,内部に基準ガス室が設けてあるコップ型の固体電解
質体と,該固体電解質体の外側面に設け,かつ被測定ガ
スと接触する測定電極と,上記固体電解質体の内側面に
設けた基準電極とよりなると共に上記基準ガス室にはヒ
ータが挿入配置してある酸素センサ素子であって,上記
固体電解質体の内側面と上記ヒータとが接触する領域及
びこの領域と対向する上記固体電解質体の外側面とを含
む領域とよりなる接触部を有しており,かつ上記測定電
極は上記外側面側の接触部の少なくとも一部を含むよう
に形成されており,また,上記酸素センサ素子の外側面
は該酸素センサ素子の素子先端部から長さLの範囲に酸
素センサ素子の使用時には被測定ガスと接触する被測定
ガス接触面を有しており,かつ上記接触部の少なくとも
一部は上記素子先端部から長さ0.4L以内の範囲に位
置するよう形成されており,更に,上記測定電極は上記
素子先端部から長さ0.8Lの範囲のみに設けられるよ
う形成されていることを特徴とする酸素センサ素子にあ
る。
を有しており,かつ上記測定電極は上記接触部の少なく
とも一部を含むように形成されている。ここに,上記接
触部とは,後述する図5に示すごとく,例えばヒータと
内側面とが当接するA点と固体電解質体を介してA点と
対向するB点,更に両点の近傍を含む領域である。な
お,ヒータと内側面とが当接する領域を含む接触部とは
点状,線状,面状といった形態を取ることがある。ま
た,一ヶ所において当接することも,複数箇所において
当接することもある。
使用時に被測定ガスと直接接触する部分である。また,
被測定ガス接触部と被測定ガスに接触しない部分との境
界に,一般的には被測定ガスが接触しない部分にガスが
もれないようにするため,例えば金属等ばね性があるパ
ッキンによりシールしてある。
端部から長さ0.4L以内の範囲に位置するよう形成さ
れている。0.4Lより素子長手方向上方に形成された
場合には,より低温である酸素センサ素子の上方側への
熱引けが大となり,接触部の加熱が不充分となるおそれ
がある。よって,酸素センサ素子の活性時間が短くなる
おそれがある。
8Lの範囲内のみに位置するよう形成されている。0.
8Lの範囲外に部分的であってもはみ出して形成された
場合には,測定電極の一部の温度が低下し,この低温部
分の影響から,酸素センサ素子の応答性が低下するおそ
れがある。
発熱抵抗体が内蔵されている。上記発熱抵抗体は測定電
極と対面するよう設けることが好ましい。これにより,
測定電極を効率的に加熱することができ,酸素センサ素
子の活性を高めることができる。
明にかかる酸素センサ素子は,内側面はヒータが接触す
る接触部を有しており,かつ測定電極は接触部の少なく
とも一部を含むように形成されている。これにより,ヒ
ータの熱は内側面及び固体電解質体を経由して測定電極
へと直接的に伝導することができる。このため,ヒータ
は測定電極を直接加熱することができる。従って,本発
明にかかる酸素センサ素子は,ヒータによる加熱開始後
からセンサ出力が得られるまでの活性時間を短くするこ
とができる。
いては,接触部は素子先端部から長さ0.4L以内の範
囲に位置するよう形成されている。これにより,固体電
解質体等を通じて酸素センサ素子のより上方へ熱が逃げ
ること,即ち熱引けを防止することができ,よってヒー
タによる加熱をより効率よく行うことができる。
いては,測定電極は素子先端部から長さ0.8Lの範囲
に位置するよう形成されている。このため,センサ使用
時の測定電極は高温に保持されている(後述する図8参
照)。これにより,測定電極に温度分布が生じることが
防止でき,応答性の低下を防止することができる。ま
た,活性時間を短くすることもできる。
短く,応答性が高い,酸素センサ素子を提供することが
できる。
質体に部分的に設けてあるため,特に固体電解質体の全
面に形成する場合と比較して電極材料のコストを削減す
ることができる。
部から形成することもできるし,後述する図15に示す
ごとく素子先端部を除いた固体電解質体の側面部分に環
状に形成することもできる。更に,後述する図16に示
すごとく,部分的に形成することもできる。なお,上記
側面電極の面積は2mm2 以上とすることが好ましい。
2mm2 未満では電極面積が小さすぎて充分なセンサ出
力を得ることが困難となるおそれがある。
電極と上記基準電極とは上記固体電解質体を介して対向
する位置に設けてあることが好ましい。測定電極及び基
準電極との間に酸素イオン電流が流れることによりセン
サ出力を得ることができる。従って,対向しない位置に
存在する電極は機能上の観点からは特に必要がない。更
に,上記測定電極及び基準電極は後述するごとく貴金属
等より構成されている。従って,本発明によれば,高価
な貴金属よりなる電極材料の使用量を減らすことがで
き,原料コストが安価な酸素センサ素子を得ることがで
きる。
電解質体の上記外側面には上記測定電極の電極出力を外
部に導出するための外側リード電極が設けてあり,上記
外側リード電極の固体電解質体外周方向の幅は0.1〜
5mmの範囲内にあることが好ましい。
れることにより凝集する。幅が0.1mm未満である場
合には,凝集の進行により外側リード電極が断線するお
それがある。一方,幅が5.0mmより大となった場合
には,センサの応答性,出力が低下するおそれがある。
これは,低温の外側リード電極から生じるセンサ出力の
影響が無視できなくなり,ここの低いセンサ出力が酸素
センサ素子の出力に影響を与え,総じてセンサの応答性
が低くなるおそれがある。なお,上記外側リード電極の
本数は特に問わず,複数本設けることもできる。複数本
の外側リード電極の幅の合計が5.0mm以下となれば
よい。なお,外側リード電極の形成はメッキ,ペースト
印刷,スパッタ蒸着のいずれの方法によって形成しても
よい。
体の上記内側面には上記基準電極の電極出力を外部に導
出するための内側リード電極が設けてあり,上記内側リ
ード電極と上記外側リード電極とは固体電解質体を介し
て対向しない位置にそれぞれ設けてあることが好まし
い。
電極との間に酸素イオン電流が発生し,センサ出力が発
生することを防止することができる。よって,より応答
性の高い酸素センサ素子を得ることができる。
電極は化学メッキにより形成された電極であることが好
ましい。一般に各種電極を形成する方法としては,化学
メッキ,導電性ペーストの印刷,スパッタ,蒸着等の各
種方法が挙げられる。化学メッキにより形成された電極
は,ペースト電極と比べるとより低温で焼成されて作製
されるため,電極の表面エネルギーが高く,触媒活性が
優れている。このため,より高い応答性を得ることがで
きる。
は,スパッタ,蒸着を利用して形成した電極と比べる
と,多数の非常に細かいポアを有しているため,酸素の
拡散性に優れ,より高い応答性を得ることができる。
固体電解質体の電極形成用の外側面に対し,貴金属核を
設ける。その後,固体電解質体に化学メッキを施すこと
により,貴金属核を設けた部分にのみ化学メッキを設け
ることができる。このため,複雑な形状の測定電極を容
易に形成することができる。なお,この貴金属核の形成
は以下に示す方法にて行うことが好ましい。
ーストを所望の形状に印刷し,脱バインダ,有機貴金属
分解のための熱処理を施して,上記表面に貴金属を析出
させる。これにより,貴金属核形成部を形成する。この
場合の有機貴金属ペーストとしては,有機貴金属,例え
ばジベンジリデン白金等を使用することができる。ま
た,上記貴金属としては触媒活性を持つPt,Pd,A
u,Rh等の中より選ばれる少なくとも1種類を使用す
ることができる。なお,基準電極を形成する方法として
は,化学メッキ,導電性ペーストの印刷,スパッタ,蒸
着等の各種方法が挙げられる。
図1〜図12を用いて説明する。図1〜図5に示すごと
く,本例の酸素センサ素子1は,一方が閉塞され,内部
に基準ガス室18が設けてあるコップ型の固体電解質体
10と,該固体電解質体10の外側面101に設け,か
つ被測定ガスと接触する測定電極11と,上記固体電解
質体10の内側面102に設けた基準電極12とよりな
ると共に上記基準ガス室18にはヒータ19が挿入配置
されている。
の内側面102と上記ヒータ19とが接触する領域及び
この領域と対向する上記固体電解質体10の外側面10
1とを含む領域とよりなる接触部10を有しており,か
つ上記測定電極11は上記接触部100の少なくとも一
部を含むように形成されている。
記酸素センサ素子1の外側面101は該酸素センサ素子
1の素子先端部14から長さLの範囲に酸素センサ素子
の使用時には被測定ガスと接触する被測定ガス接触面1
3を有しており,かつ上記接触部100は上記素子先端
部14から長さ0.4L以内の範囲に位置するよう形成
されている。更に,図1に示すごとく,上記測定電極1
1は上記素子先端部14から長さ0.8Lの範囲のみに
設けられている。
ンサ素子1の詳細な構成について,以下に説明する。図
1〜図4に示すごとく,上記固体電解質体10の外側面
101には測定電極11と,これと導通するよう形成さ
れた外側リード電極111及び外側端子電極112とが
設けてある。内側面102には,基準電極102,内側
リード電極121,内側端子電極122とが設けてあ
る。また,上記基準ガス室18には棒状のヒータ19が
挿入配置されている。上記ヒータ19には通電により発
熱する発熱抵抗体190が内蔵されている。なお,上記
固体電解質体10は酸素イオン導電性のZrO2 よりな
る。
の被測定ガス接触面13の長さLは18mmである。上
記測定電極11は素子先端部14から長さ0.56L
(10mm)の範囲に設けてある。また,基準電極12
は図5に示すごとく,測定電極11と対向する位置に設
けてあり,その長さは測定電極11よりも若干短めであ
る。なお,図6に示すごとく,基準電極12の長さを測
定電極11より長くすることもできる。また,両者の長
さを揃えて同じにすることもできる。
ド電極111,121の固体電解質体外周方向の幅Wは
1.5mmである。上記外側及び内側端子電極112,
122は外側及び内側リード電極111,121が取り
出した出力を外部へ取り出すために形成されており,後
述する酸素センサ6のターミナル681,682と接続
される部分である。
び内側端子電極112,122の形状は固体電解質体外
周方向の幅xが7mm,長さyが5mmとなる長方形で
ある。幅wは外側及び内側リード電極111,121の
幅と同じとしてもよい。図4(b)に示すごとく,上記
外側及び内側リード電極111,121はそれぞれ90
度ずらして各2本づつ設けてある。
等からなる。図2に示すごとく,ヒータ19に内蔵され
た発熱抵抗体190はヒータ19の先端部から1.0m
mの部分より長手方向に7.0mmの長さで形成されて
いる。上記発熱抵抗体190の材質はW−Re,Pt等
である。上記ヒータ19の発熱抵抗体190は素子先端
部14より高さ0.56L(10mm)の部分まで形成
されている。
Al2 O3 セラミックシートとよりなり,上記抵抗発熱
体はAl2 O3 セラミックシートの裏面側に設けてあ
る。また,Al2 O3 よりなる角状の基板に抵抗発熱体
を設け,その表面に被覆用の基板を積層した積層型のヒ
ータを利用することもできる。
ヒータ19と内側面とが当接するA点と固体電解質体1
0を介してA点と対向するB点,更に両点の近傍を含む
領域である。上記測定電極11はこの接触部100及び
B点を含むように形成されている。また,A点は,素子
先端部14より高さ0.11L(2.0mm)の位置に
ある。
明する。固体電解質体10の外側面101にペーストを
測定電極11,外側リード電極111,外側端子電極1
12の形状にパッド印刷で印刷する。また,上記ペース
トはジベンジリデンPtを含有し,該ペースト中の貴金
属量は0.4wt%である。次に,印刷したペーストに
対し熱処理を施す。これにより,Pt核形成部を得た。
その後,上記Pt核形成部に対し化学メッキを施した。
メッキの厚さは1μmである。以上により,測定電極1
1等を得た。なお,本例においては測定電極11と共に
外側リード電極111,外側端子電極112を化学メッ
キにより形成したが,外側リード電極111をペースト
電極により形成することもできる。
明する。内部に有機貴金属あるいは貴金属ペーストを充
填したディスペンサーのノズル先端を基準ガス室18に
挿入し,該ノズル先端を内側面102に沿わせて,上
下,左右に回転させながら動作させる。これにより,上
記ペーストによる印刷部を形成することができる。この
印刷部の形状は,基準電極12,内側リード電極12
1,内側端子電極122と同様の形状である。
熱処理後にメッキを施す。また,貴金属ペーストを塗布
した場合には,そのまま焼成する。以上により,基準電
極12等を得た。なお,上記ディスペンサーとしては,
先端に例えば発泡体のような多孔質体を取り付けたもの
を利用することもできる。
素センサ6の構造を説明する。図7に示すように,上記
酸素センサ6はハウジング60と該ハウジング60に挿
入された酸素センサ素子1とよりなる。上記ハウジング
60の下方には被測定ガス室63を形成し,酸素センサ
素子1の先端部を保護するための二重の被測定ガス側カ
バー630が設けてある。上記ハウジング60の上方に
は,三段の大気側カバー61,62,63が設けてあ
る。
18には棒状のヒータ19が挿入配置されている。上記
ヒータ19は所望のクリアランスを内側面102との間
に確保して,挿入配置されている。
は,リード線691〜693を挿入させた弾性絶縁部材
69が設けてある。上記リード線691,692は,固
体電解質10において発生した電流を信号として取り出
し,外部に送るものである。また,上記リード線693
は,上記ヒータ19に対し通電し,これを発熱させるた
めのものである。
続端子683,684が設けてあり,該接続端子68
3,684により,上記酸素センサ素子1に固定したタ
ーミナル681,682との導通が取れている。なお,
上記ターミナル681,682は,上記酸素センサ素子
1における外側及び内側端子電極112,122に対し
接触固定されている。
上昇プロファイル,酸素センサ素子の温度が安定した後
の温度分布を測定する。上記温度センサ素子1の各部に
おける温度上昇プロファイルを各部に熱電対を設け,雰
囲気温度400℃である被測定ガス中に酸素センサ素子
を導入し,同時にヒータに通電し,その後のセンサ出力
をモニタすることにより測定した。この結果を図8に記
載した。
4,『0.11L』は接触部100,『0.56L』は
測定電極11の上方端部(図1にかかる点c),『0.
83L』は素子先端部14より長手方向の距離が15m
mである部分,『L』は被測定ガス接触面13の上方端
部(図1にかかる点d)における温度上昇プロファイル
である。
400℃に保持し,素子先端部を原点(0mm),被測
定ガス接触面13における長手方向の各位置での温度を
測定した。この測定結果を図9に記載した。
た点は,酸素センサ素子1の内側面102とヒータ19
との接触部100である。素子先端部14の温度の上昇
がこれに続く。最も温度上昇に時間がかかったのは被測
定ガス接触面13の上方端部である。そして,測定した
位置が0.8Lを越えたあたりから,温度上昇の速度が
急速に低下することが分かった。
1の温度は素子先端部14から0.8Lの間は略一定で
あることが分かった。そして,これを越えると急激に温
度が低下することも分かった。
かかる酸素センサ素子1は,内側面102はヒータ19
が接触する接触部100を有しており,かつ測定電極1
1は接触部100の少なくとも一部を含むように形成さ
れている。これにより,ヒータ19の熱は内側面102
及び固体電解質体10を経由して測定電極11へと伝導
し,測定電極11を直接加熱することができる。従っ
て,本例にかかる酸素センサ素子は,ヒータ19による
加熱開始後からセンサ出力が得られるまでの活性時間が
短い,優れた素子である(実施形態例2参照)。
接触部100は素子先端部14から長さ0.4L以内の
範囲に位置するよう形成されている。これにより,熱引
けを防止することができ,よってヒータ19による加熱
をより効率よく行うことができる。
いては,測定電極11は素子先端部14から長さ0.8
Lの範囲に位置するよう形成されている。このため,セ
ンサ使用時の測定電極11は高温に保持されている(後
述する図参照)。これにより,測定電極11に温度分布
が生じることが防止され,応答性の低下を防止すること
ができる。また,活性時間を短くすることもできる。
く,応答性が高い,酸素センサ素子を提供することがで
きる。
面を様々な層で被覆することもできる。図10に示す酸
素センサ素子1は,プラズマ溶射法により形成されたM
gAl2 O4 スピネルからなる保護層107が設けてあ
る。上記保護層107の厚みは100μm,気孔率は2
0%である。上記保護層107は拡散抵抗層としての機
能も有する。上記保護層107は酸素センサ素子1にお
ける被測定ガス接触面13の全面に対し形成されている
が,少なくとも測定電極11の全体が被覆されていれ
ば,効果を得ることができる。上記保護層107によ
り,電極が熱により凝集することを抑制することができ
る。
7の表面に,被測定ガス中の有害成分をトラップするた
めの第2保護層108を設けた酸素センサ素子1であ
る。上記第2保護層108は主成分がAl2 O3 であ
り,厚みは120μm,気孔率は20〜50%である。
挙げる。Al2 O3 をスラリー化し,ディッピングによ
り保護層107の表面をコートする。その後,これを熱
処理して第2保護層108となる。上記第2保護層10
8は測定電極11を被覆すれば充分効果を発揮すること
ができる。本例においては素子先端部14より12mm
(0.67L)の部分まで形成されている。また,上記
第2保護層108は被測定ガス接触面13の全体に施し
てもよい。
の表面に第2保護層108が設けてあり,更にその表面
に被測定ガス中の有害物質のトラップ効果を高めるため
に,第3保護層109を設けた酸素センサ素子1であ
る。
08より大とすることにより,より大きな被毒物質をト
ラップし,第2保護層108での被毒物質による目詰ま
りを防ぐことができる。第3保護層109は例えば主成
分がAl2 O3 であり,厚みは40μm,気孔率は60
%である。
一例を挙げる。上記第2保護層108の形成方法と同様
にAl2 O3 をスラリー化し,ディッピングにより第2
保護層107の表面をコートする。その後,熱処理する
ことにより第3保護層109を得ることができる。
08と同様に,測定電極11を被覆することでその効果
を充分発揮することができる。また,上記第3保護層1
09は素子先端部14より11mm(0.61L)の部
分まで形成されている。
かかる酸素センサ素子の性能試験を行ったものである。
表1,表2は本発明にかかる構造の酸素センサ素子であ
る試料1〜9の結果について記載した。これらの試料の
構造は実施形態例1に示した酸素センサ素子と同様の構
造である。但し,各部の寸法,位置等がそれぞれ異な
る。また,測定電極の製法も異なる。
面全体に設けた酸素センサ素子である。また,表1及び
表2の(2)は,基準電極を測定電極と対向して形成し
た酸素センサ素子である。なお,これらの酸素センサ素
子(試料及び比較試料の双方)は,外側及び内側リード
電極は,実施形態例1の図4(b)に示すごとく,それ
ぞれが90度づつずらして設けてある。
は,測定電極の下端と素子先端部との間の距離である。
接触部位置とは,接触部と素子先端部との間の距離であ
る。外側リード電極の幅は実施形態例1に示すごとく,
酸素センサ素子の外周方向の幅である。また,表1にか
かる試料8は後述する実施形態例3の図16に示すごと
き形状の外側電極を有しており,外周方向の幅は3mm
である。
する。上記性能試験としては,活性時間の測定,センサ
応答性の測定(センサ出力,応答時間),耐久性の測定
を行う。ここでセンサ応答性の指標としてセンサ出力波
形の振幅(出力),応答時間を測定した。
ッチ雰囲気(λ[空気過剰率]=0.9),雰囲気温度
400℃である被測定ガス中に試料及び比較試料にかか
る酸素センサ素子を導入する。この導入と同時にヒータ
に通電する。ヒータ通電後,センサ出力が0.45Vと
なるまでの時間を測定し,この時間が30秒以下である
試料,比較試料について○を記載した。
る。雰囲気温度400℃の被測定ガスにおいて,リッチ
雰囲気(λ=0.9)及びリーン雰囲気(λ=1.1)
を出力電圧0.45Vを境に切り替えた。この時の酸素
センサ素子の出力波形を測定し,該波形の周波数が0.
8Hz以上,被測定ガスがリッチ雰囲気(λ=0.9)
である場合,リーン雰囲気(λ=1.1)である場合と
の間の出力電圧の差が0.7V以上のものを○とした。
00時間という条件の耐熱試験を実施した。試験終了後
の試料及び比較試料の応答性が0.4Hz以上,センサ
出力が0.5V以上であるものを○とした。
L以内の範囲に位置するよう形成されていること,測定
電極は素子先端部から長さ0.8Lの範囲に位置するよ
う形成されていること,という条件を満たす酸素センサ
素子である。これらはいずれも活性時間が短く,応答性
が高く,センサ出力に優れていることが分かった。
8Lより高い位置に形成されており,応答性が低かっ
た。試料11は接触部の位置が高く,活性時間が短かっ
た。試料12は外側リード電極の幅が広く,そのため応
答性が低かった。また,試料13は外側リード電極の幅
が狭く,そのため耐久性が低かった。試料14は測定電
極がペースト印刷により作製されているため,活性時間
が長く,応答性が悪く,センサ出力も低かった。また,
試料15は測定電極が接触部に形成されていないため活
性時間が長かった。
から長さ0.4L以内の範囲に位置するよう形成されて
いること,測定電極は素子先端部から長さ0.8Lの範
囲に位置するよう形成することにより,活性時間が短
く,応答性に優れ,センサ出力の高い酸素センサ素子を
得ることができることが分かった。また,測定電極を化
学メッキにて構成し,外側リード電極の幅を0.1〜5
mmの範囲内とすることが好ましいことが分かった。
(2)の試料9とを比較すると,両者は基準電極の状態
が異なるだけである。即ち,基準ガスを測定電極に対向
して形成したものが試料9である。これらを比較する
と,試料9のほうが僅かに応答性,センサ出力において
優れていることが分かった。
の異なる各種の酸素センサ素子1について示すものであ
る。図13は被測定ガス接触面13の長さが25mmで
ある酸素センサ素子1である。測定電極11は素子先端
部14から10mm(0.4L)の部分まで形成されて
いる。また,外側リード電極111の幅は1.5mm,
外側端子電極112は幅7mm,長さ4mmの長方形で
ある。その他は実施形態例1と同様である。また,実施
形態例1と同様の作用効果を有する。
(0.11L)の部分まで形成された酸素センサ素子1
である。外側リード電極111,外側端子電極112は
実施形態例1と同様な形状である。また,図14にかか
る酸素センサ素子は実施形態例2の表1にかかる試料3
である。このものは活性時間が非常に速く,センサの応
答性,出力も高く,優れた酸素センサ素子1である。ま
た,外側電極11の面積が小さく,高価なPtの使用量
が少なくて済むため,製造コストが非常に低いという利
点がある。その他は実施形態例1と同様である。
2mm(0.11L)〜10mm(0.56L)の部分
において測定電極11が形成された酸素センサ素子1で
ある。このものは,実施形態例2の表1の試料7にかか
る酸素センサ素子1であり,センサの応答性,出力が非
常に高く,活性時間も充分速く,優れた酸素センサ素子
である。その他は実施形態例1と同様である。
から長手方向に10mm(0.56L),外周方向の幅
を3mmとして形成した外側電極11を有する酸素セン
サ素子1である。上記外側電極11は図16(b)に示
すごとく対向する二ヶ所の位置に設けてある。また,基
準電極12も外側電極11の位置に合わせて,これと対
向する位置に設けてある。また,このものは表1の試料
8にかかる酸素センサ素子である。
活性時間も速く,優れた酸素センサ素子1である。更
に,外側電極11の面積が小さいことから,高価な貴金
属を含んだ電極材料の使用量を少なくすることができ,
製造コストも安価となる。
側電極11の幅は外側リード電極111の幅よりも広く
形成されている。両者の幅を同一とすることもできる。
更に外側端子電極112の幅も同一とすることができ
る。
11との接続部分,外側リード電極111と外側端子電
極112との接続部分にそれぞれ1mmのテーパ109
を設けた酸素センサ素子1である。なお,このテーパ1
09の部分は弧状とすることもできる。ところで,測定
電極11等を化学メッキにて構成し,焼成する際には,
上記接続部分には応力が集中しやすい。上記テーパ10
9を設けることで応力を分散させることができるため,
接続部分の断線を防止することができる。
の内側面の全面に形成した酸素センサ素子1である。こ
の基準電極12は有機貴金属を溶解した溶液を内側面に
ディッピングし,熱処理後にメッキを施すことにより作
製することができる。このため,ディスペンサー等の複
雑な装置を用いることなく,容易に基準電極を形成する
ことができる。その他は実施形態例1と同様である。
図。
面説明図。
図。
縦断面説明図(図3のA−A矢視断面図),(b)固体
電解質体の横断面説明図(図3のB−B矢視断面図)。
説明図。
要部説明図。
図。
上昇プロファイルを示す線図。
が安定した後の温度分布を示す線図。
酸素センサ素子の要部説明図。
層が設けられた酸素センサ素子の要部説明図。
層,第3保護層が設けられた酸素センサ素子の要部説明
図。
長く形成された酸素センサ素子の説明図。
センサ素子の説明図。
電極が形成されていない酸素センサ素子の説明図。
について部分的に形成された酸素センサ素子。
ド電極,外側端子電極との間の接続部についてテーパー
が形成された酸素センサ素子。
体に形成された酸素センサ素子の固体電解質体の断面
図。
Claims (5)
- 【請求項1】 一方が閉塞され,内部に基準ガス室が設
けてあるコップ型の固体電解質体と,該固体電解質体の
外側面に設け,かつ被測定ガスと接触する測定電極と,
上記固体電解質体の内側面に設けた基準電極とよりなる
と共に上記基準ガス室にはヒータが挿入配置してある酸
素センサ素子であって,上記固体電解質体の内側面と上
記ヒータとが接触する領域及びこの領域と対向する上記
固体電解質体の外側面とを含む領域とよりなる接触部を
有しており,かつ上記測定電極は上記外側面側の接触部
の少なくとも一部を含むように形成されており,また,
上記酸素センサ素子の外側面は該酸素センサ素子の素子
先端部から長さLの範囲に酸素センサ素子の使用時には
被測定ガスと接触する被測定ガス接触面を有しており,
かつ上記接触部の少なくとも一部は上記素子先端部から
長さ0.4L以内の範囲に位置するよう形成されてお
り,更に,上記測定電極は上記素子先端部から長さ0.
8Lの範囲のみに設けられるよう形成されていることを
特徴とする酸素センサ素子。 - 【請求項2】 請求項1において,上記測定電極と上記
基準電極とは上記固体電解質体を介して対向する位置に
設けてあることを特徴とする酸素センサ素子。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記固体電解
質体の上記外側面には上記測定電極の電極出力を外部に
導出するための外側リード電極が設けてあり,上記外側
リード電極の固体電解質体外周方向の幅は0.1〜5m
mの範囲内にあることを特徴とする酸素センサ素子。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
上記固体電解質体の上記内側面には上記基準電極の電極
出力を外部に導出するための内側リード電極が設けてあ
り,上記内側リード電極と上記外側リード電極とは固体
電解質体を介して対向しない位置にそれぞれ設けてある
ことを特徴とする酸素センサ素子。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
上記測定電極は化学メッキにより形成された電極である
ことを特徴とする酸素センサ素子。
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