JPH0798294A - 酸素センサ及びその電極形成法とリード線取付方法 - Google Patents

酸素センサ及びその電極形成法とリード線取付方法

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JPH0798294A
JPH0798294A JP5258206A JP25820693A JPH0798294A JP H0798294 A JPH0798294 A JP H0798294A JP 5258206 A JP5258206 A JP 5258206A JP 25820693 A JP25820693 A JP 25820693A JP H0798294 A JPH0798294 A JP H0798294A
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bag
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electrode
lead wire
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JP5258206A
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Yukihiro Ebisawa
幸弘 海老澤
Yoshio Murashita
良雄 村下
Soichi Kojima
荘一 小島
Shirohito Matsuyama
城仁 松山
Saneji Kaji
実嗣 鍛治
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Hitachi Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 応答性、信頼性に優れた酸素センサの提供、
および生産性・経済性に優れた酸素センサの製造法を確
立する。 【構成】 酸素イオン伝導性酸化物から成る固定電解質
袋管の閉塞端近傍の外面に、部分的に形成された実質上
はち巻様の環状の外面白金電極部と触媒反応抑制膜を被
覆したリード電極部を設け、袋管開口端部にリード線を
備える。上記触媒反応抑制膜にはクラック防止のため結
晶粒子を分散させる。電極形成には、白金無電解メッキ
に先立って、外面電極形成部にはパラジウムペースト
を、内面電極形成部にはパラジウム溶液を塗布、乾燥、
そして焼付ける。リード線の取付けは、ガラスペースト
に代えてリング状ガラスを使用して大気中で一回焼成で
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素センサおよびその
電極形成法とリード線取付方法に関し、更に詳しく言え
ば、応答性、信頼性に優れた酸素センサ、そして生産
性、経済性に特に優れ、しかも電極と固体電解質体との
密着性、絶縁性にも優れた酸素センサの電極の形成方
法、さらに同じく生産性、経済性に優れ、しかもリード
線と電極との密着性、絶縁性にも優れたセンサ信号の取
出用のリード線取付方法に関する。本発明によって絶縁
皮膜が形成され、あるいは電極が形成され、またはリー
ド線が取付けられた酸素センサは、例えば、自動車用あ
るいは一般産業用の内燃機関や各種燃焼機器等に於ける
酸素センサ、空燃比センサ、COセンサ等に利用される。
【0002】
【従来の技術】セラミックス製の酸素センサは、例えば
酸化イットリウムなどで安定化されたジルコニア系セラ
ミックスである酸素イオン伝導性酸化物( 以下、ジルコ
ニア系セラミックス製固体電解質ということもある) か
らなる固体電解質の素子内外面に、白金の多孔質電極を
設けて構成されるものであり、内燃機関の排気と接触す
る外面電極と、大気に接触させた内面電極との間で、酸
素濃度差に応じて発生する起電力を計測することによ
り、排気中の酸素濃度を検出する装置である。
【0003】上記の酸素センサは濃淡電池型と呼ばれる
ものであるが、近年、より高精度に空燃比を測定制御し
て内燃機関の燃費を改善するため限界電流型酸素センサ
(空燃比センサ) が開発されている。その測定原理は内
・外の電極間に電圧を印加すると、図1に印加電圧と拡
散電流との関係をグラフで示すように、ある値以上の電
圧になると、内部抵抗に関係なく各酸素濃度に応じたほ
ぼ一定の拡散電流値が検出される。この拡散電流を酸素
拡散電流として計測することで酸素濃度を決定するので
ある。
【0004】現在、かかる酸素センサは内燃機関に供給
される混合気体の空燃比制御 (空燃比のフィードバック
制御) 等に広く用いられている。例えば、酸素センサ
は、エンジン下部排気マニホールド集合部に取付けて排
気ガス中の空燃比を検出し、そのとき検出された酸素濃
度にしたがって燃料/空気量、つまり空燃比をフィード
バック制御するものであり、最近のCAFE規制などの燃費
向上ニーズあるいはLEV 等のNOx 、CO2 抑制ニーズとと
もに、開発が盛んに行われている。
【0005】この種の酸素センサは、製作法あるいは構
造的観点より、積層型と、一端閉塞型 (このタイプは通
称、袋管と言われ、以下にあって袋管ともいう) に大別
される。
【0006】袋管型酸素センサは、ジルコニア系セラミ
ックス製固体電解質袋管の外壁面と内壁面の上に白金膜
の電極を設け、その上から多孔質スピネルの溶射層を形
成する。センサ信号は、外面電極と内面電極からそれぞ
れリード引出し部分の白金膜、つまりリード電極を通じ
て、素子端面で直接接触されるニッケルなどのリード線
から取り出される。
【0007】図2は、従来の袋管型の酸素センサ素子1
の概略説明図であり、酸化イットリウム等で安定化され
たジルコニア系セラミックスである固体電解質1aを用
いて袋管本体を構成し、この袋管の内外表面全面に内、
外面電極1b、1cを形成して素子1とし、さらに外面電極
1c の上にはセラミックス溶射膜4が設けられている。
特開昭58−204365号公報には、セラミック袋管の内外全
面にめっきにより白金電極を形成した酸素センサが開示
されている。
【0008】このように、袋管型酸素センサは、酸素イ
オン伝導性を有する固体電解質体から構成される袋管の
内表面と外表面全面に白金電極を形成しており、従っ
て、円筒体ということから検知方向は制限されず、また
ヒータを素子内管に別に導入することが可能であること
から、予め埋設しておく白金ヒータが不要となり、経済
的であり、しかも同心円状に均一に暖めることが可能で
あり、今日広く普及している酸素センサである。
【0009】しかしながら、かかる利点を有する袋管型
酸素センサ、つまり一端閉塞型酸素センサにあっても、
起電力の立ち上がりが遅いため、応答性が悪く、又、限
界電流型の空燃比センサとして用いようとしても拡散電
流が安定して測定できないという問題があった。
【0010】一方、酸素センサの信号取出し構造、つま
りリード線取付構造は、センサに設けた大気の導入孔か
らの水分、塩水等の侵入があるため、信号取出し用リー
ド線との接続抵抗部を腐食から保護できるようにする必
要があるが、例えば特開平1−257256号公報、特開平2
−112636号公報に開示されているように、素子電極と金
属部材とを電気的に接続するために、まず、白金等の貴
金属ペーストにより直接メタライズ接合し、その後、接
合強度の増強と噴霧塩水等からの防水のため封着ガラス
によるメタライズ接合部の封着コーティングを行ってい
た。
【0011】より具体的に説明すると、まず、検出素子
端面に凹部を2箇所設け、その凹部まで内、外電極を延
長して形成し、その凹部に信号引出し用金属部材をそれ
ぞれセットするとともに白金等の貴金属ペーストを充填
して1100℃で30分間の焼付けによりメタライズし、次に
封着ガラスを充填して650 ℃で30分間再度焼成を行い、
先に形成されたメタライズ接合部をガラスコーティング
により封着保護する。二回に分けて行う焼成は避けられ
なかった。
【0012】したがって、貴金属ペーストとガラスコー
ティングの2度の焼成を行うときリード線用の金属部材
が酸化される問題がある。かかる金属部材としては、白
金ワイヤを使用すると白金のコストが高いため、通常ニ
ッケルワイヤなどが使用されるが、大気中で300 ℃以上
に加熱されるとニッケルワイヤの表面が酸化され、コネ
クタ部へ連結される際の抵抗が高くなり信号が明瞭に得
られなくなる、あるいは信号が安定しなくなるため、酸
素分圧が低い雰囲気 (例えば窒素雰囲気) 中で焼成しな
ければならない。
【0013】かかる製造方法では、素子端面の凹部への
貴金属ペーストそして封着用ガラスペーストの充填、2
度の窒素雰囲気中での焼成、治具への素子の取り付けと
取り外しなど複雑な製造工程となり、製造コストが高く
なる問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ここに、本発明の目的
は、応答性、測定精度の優れた酸素センサおよび量産を
念頭においた生産性、経済性に優れた酸素センサの製造
法を確立するための、電極形成法、さらにリード線の取
付方法を提供することである。
【0015】本発明の具体的な目的は、部分的に形成さ
れた実質上はち巻様の環状の外面白金電極部と、触媒反
応抑制膜で被覆されたリード電極部を固体電解質の袋管
の外面に設けることで、従来よりも応答性および測定精
度を改善した酸素センサを提供することである。
【0016】また、本発明の別の具体的な目的は、袋管
型酸素センサであって、電極を形成すべく行う白金無電
解メッキの際、メッキの必要な部分にのみに活性化処理
を限定し、しかもこれを短時間で行う技術を開発するこ
とである。
【0017】本発明のさらに別の具体的な目的は、上記
と同じく量産を念頭においた生産性、経済性に優れた酸
素センサのリード線取付け法を確立するため、貴金属ペ
ーストによるリード線のメタライズ接合とガラスコーテ
ィングとを同時に1回焼成で行い、しかも長期にわたり
安定したセンサ信号の検出が可能で信頼性を向上させる
技術を開発することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、実
質上はち巻様の環状の外面電極の面積を正確に規定する
ことで測定精度が顕著に改善されることを知り、さらに
外面電極を部分的に設けたためにリード線との接続のた
め外面に形成することが必要となったリード電極をガラ
ス質皮膜である触媒反応抑制膜で被覆することを着想
し、本発明に至った。
【0019】すなわち、本発明の要旨とするところは、
例えばジルコニア系セラミックスである酸素イオン伝導
性酸化物から成る固体電解質の袋管と、該袋管の内面お
よび外面に形成された白金電極と、前記袋管の袋管開口
端部に設けたリード線とを備えた酸素センサであって、
前記袋管の閉塞端近傍の外面に部分的に形成された実質
上はち巻様の環状の外面白金電極部と、前記袋管の外面
に設けた、該外面白金電極部と前記リード線とを接続す
るリード電極部とを有し、該リード電極部を触媒反応抑
制膜で被覆したことを特徴とする酸素センサである。
【0020】ところで、絶縁を目的とした触媒反応抑制
膜として外側リード電極部に設けるガラス皮膜は数十μ
m の厚さで設けられるが、熱応力によりガラスにクラッ
クが発生し、クラックが貫通して拡散電流値が不安定と
なる場合がある。その点についてさらに検討を重ねたと
ころ、クラック発生の原因は、ガラスのみの単一相から
なっていることによるものであることが判明したので、
母材とほぼ同じ熱膨張率を有する結晶成分を分散させた
ところ、クラックの伝播抵抗を高めることができること
を知った。
【0021】したがって、本発明の好適態様によれば、
前記触媒反応抑制膜は、ガラス質マトリックス中にジル
コニア、アルミナ、およびスピネルから成る群から選ば
れた1種または2種以上の結晶粒子を分散させたものか
ら構成してもよい。
【0022】さらに、好ましくは、前記触媒反応抑制膜
に含有される結晶粒子の粒径を 0.1〜30μm、含有量を
1〜40重量%とする。
【0023】次いで、本発明者らは、電極皮膜を効果的
に特定部分に形成する技術につき検討した。すなわち、
袋管型酸素センサの電極形成法は、無電解メッキが従来
より使用されている。これは、まずジルコニア粒界をフ
ッ酸等で荒らしておき、ここに、塩化スズ、パラジウム
により核付けを行い、このパラジウム(Pd)核を起点とし
て、無電解メッキにより白金が被着するという技術であ
る (雑誌「セラミック」 21(1986) No.3,215-222) 。但
し、この技術では、袋管の外面に帯状の電極を形成する
際、本発明のように部分的に電極を形成する場合には電
極形成部以外の部分に物理的にマスクを装着して必要部
のみメッキをしなければならず、マスクの脱着にかなり
の労力と時間を必要とする。
【0024】特開平4−95766 号公報には、積層型の酸
素センサにおいてパラジウムあるいはスズを含む水溶液
の代わりに、有機貴金属を含むインクを使用し、これを
所定領域に塗布して焼付けを行い核付けを行う方法が開
示されている。しかし、かかる技術では不必要な部分に
もメッキが施されてしまう危険性が高く、精度良いメッ
キが行えないばかりか、核付けの後に行う白金メッキに
よる電極部形成に際して、メッキ中に不必要なパラジウ
ム核が流出し、メッキ自体が不可能になることが判明し
た。この方法が上記のような欠点を有するのは、当該技
術が、白金無電解メッキのための核形成ではなく、他の
全般的なメッキ法の核形成を念頭において開発されてい
るからに他ならないからであり、そのため、特開平4−
95766 号公報に開示された技術では、貴金属含有量 0.5
〜10重量%のインクを用いているのである。しかし、そ
の結果、特開平4−95766 号公報の方法には、インク
の焼成時に貴金属が飛散するために不必要な箇所に核生
成される恐れがあること、高濃度の貴金属含有インク
を使用しているため、粘度が高くなってしまうこと、
貴金属含有量が 0.5〜10重量%とかなり高濃度であるた
め、酸素のイオン拡散抵抗が大きくなる傾向が強いこ
と、そしてその製造工程の作業能率の点でも1分間に
2個が限界であって、今日求められている膜厚の公差範
囲を満足することができないこと、がそれぞれ判明し
た。
【0025】膜厚が厚くなりすぎると拡散電流 (酸素の
イオン化電流) が極度に低下し、酸素がイオン化しにく
くなるので問題である。またバラツキが大きいと拡散電
流値も大きく振れることが明らかとなった。
【0026】そこで、本発明者らは、パラジウムあるい
は酸化パラジウムの核付けの優位性に着目しながらも、
従来とは異なった観点から検討を重ねた結果、上述の特
開平4−95766 号公報にあるように、貴金属核付部を貴
金属含有量 0.5〜10重量%のインクで厚塗りするのでは
なく、少量のパラジウム核をいかに限定的に被メッキ部
に付着させるかが重要となってくることを知り、それを
実現するために内外電極でペースト塗布と溶液塗布を区
分して使用することが有利であり、しかも内外側の電極
形成領域における核付部のパラジウム量を変更すること
によって、上述のような従来技術の問題が解決されるこ
とを知見して本発明に至った。
【0027】よって、別の面からは、本発明の要旨とす
るところは、酸素イオン伝導性酸化物から成る固体電解
質体の袋管に内面および外面に電極を設けて構成される
酸素センサの製造法において、予め電極を設ける領域
に、外面電極に相当する箇所にはパラジウムあるいは酸
化パラジウムの含有量が0.1 〜0.5 重量%のペースト
(以下、単にパラジウムペーストということもある)
を、内面電極に相当する箇所にはパラジウムあるいは酸
化パラジウムの含有量が0.3 〜1.0 重量%の溶液(以
下、パラジウム溶液ということもある)をそれぞれ塗
布、乾燥、焼付けておき、次いで前記領域をめっきする
ことで電極を形成することを特徴とする、酸素センサの
電極形成法である。
【0028】より具体的に言えば、本発明は、下記工程
〜から成る、金属パラジウムあるいは酸化パラジウ
ム (PdあるいはPdO)の核を、電極を構成すべく白金メッ
キを行う必要領域だけに限定的に、しかも均一に形成さ
せることを特徴とする袋管型酸素センサの製造方法であ
る。
【0029】固体電解質体のエッチング、 外側 (外壁) 電極形成部および外面リード電極形成部
へのパラジウムあるいは酸化パラジウムの含有量が0.1
〜0.5 重量%のパラジウムペーストの塗布、 乾燥、 内側( 内壁) 電極形成部へのパラジウムあるいは酸化
パラジウムの含有量が0.3 〜1.0 重量%のパラジウム溶
液の塗布、 乾燥、 焼付け、 電極形成の無電解メッキ、 ガラス絶縁層 (触媒反応抑制膜) 塗布、 焼成工程、 の各工程から成る、袋管型酸素センサの製造方法であ
る。
【0030】本発明において用いるパラジウムペースト
は、その好適態様によれば、硫化バルサムパラジウムか
ら構成され、その粘度は、通常1000〜12000 CPの範囲に
あり、いわゆるインクとはパラジウム化合物を均一に分
散させる点で区別される。また、パラジウム溶液は塩化
パラジウムから構成され、均一に分散させたものであ
る。
【0031】ところで、リード線の取付に関する前述の
従来技術によっても、メタライズ接合部の周囲に封着さ
れたガラスにより接合部の保護が可能であるが、複雑な
製造工程を簡単化して製造コストを低減する必要があ
る。すなわち、従来、電極へのリード線取付けに際して
は、白金ペーストで一回焼成し、その後にガラスペース
トを袋管端部に形成された凹部に充填してから二回目の
焼成を行っていた。ガラスペーストでは十分に飛散でき
ずガラス中にガスが残るため、一回白金ペーストを焼成
し、ガスが発生しないようにしてガラスペーストのみを
焼成していたのである。
【0032】そこで、本発明者らが、同様の検出素子端
面の凹部に白金ペーストと封着用のガラスを続けて充填
し同時に焼成するリード線取付け方法の検討を重ねた結
果、例えばガラスペーストに代えて固体ガラス体、例え
ばリング状ガラスを用いるというように封着用のガラス
材料の成分や形状を変更し、さらにリード線に酸化防止
剤を塗布して大気焼成を行うというように焼成の条件を
変更することで、大気中での一回焼成が可能になるな
ど、前記のような従来技術の問題が解決されることを知
見して次の本発明に至った。
【0033】かくして、本発明は、さらに別の面から
は、ジルコニア系セラミック製固体電解質の袋管の内面
および外面に形成された白金電極と、前記袋管の袋管開
口端部に設けたリード線とを備えた酸素センサのリード
線取付け方法であって、該袋管の袋管開口端部に設けた
リード線取付用凹部に白金ペーストを充填し、その中へ
酸化防止剤を表面に塗布したリード線端を挿入し、さら
に該リード線に前記凹部の凹部形よりわずかに小さい外
形を有するガラス体、例えばその凹部径より小さい外径
を有するリング状ガラスを遊嵌した後、大気中で焼成す
ることを特徴とする酸素センサのリード線取付け方法で
ある。かくして、本発明によれば、次のような優れた作
用効果を得ることができる。
【0034】外部電極を部分的に設けることで、電圧
印加時の拡散電流の立ち上がりが早くなる。つまり極間
抵抗が小さくなる。 外部電極をセラミックス袋管の薄肉部にのみ実質上は
ち巻様の環状電極とすることで上記と同様の効果が得
られる。 外部電極をさらに、均一厚さ部に設けることで、また
外部電極のリボン状の幅を一定にすることで、所定印加
電圧での拡散電流値のバラツキが少なくなる。
【0035】リード電極部にガラス皮膜を設けること
で、部分的に設けた外部反応電極での拡散電流のみが検
出されるため、測定精度が向上する。 ガラス皮膜中に酸化物結晶を分散させることで、ガラ
ス皮膜の強度が改善され、クラックの発生を防止でき
る。クラックがあるとそのクラック部を通ってガスが電
極上に到達し、拡散電流値が上がってしまうためそれを
防止することで測定精度の向上になる。 リード線の取付けに際しては、白金ペーストとともに
リング状ガラスを用いることで、白金ペーストの溶剤が
飛散し易くなり、焼成後のガラス中にガスが残らないた
め一回焼成が可能となり、しかもリード線に酸化防止剤
を塗布することで大気焼成も可能となるのである。
【0036】
【作用】次に、本発明の作用について添付図面を参照し
てさらに詳述する。なお、以下にあって酸素センサの代
表例として限界電流型酸素センサを説明しているが、当
業者であれば本発明が酸素センサ一般に有効であること
が容易に理解されよう。図3は、本発明によって製造さ
れる袋管型の酸素センサの略式部分断面図であり、上半
分は側面図で、下半分は断面図で示す。図中、酸素セン
サ素子10は、ジルコニア系セラミックス製固体電解質の
袋管12と、該袋管の内面および外面に形成された内、外
面白金電極14、16と、リード電極17と、前記袋管の袋管
開口端部に設けたリード線18とを備えている。
【0037】特に、図4にその一部を詳細に示すよう
に、リード電極17の部分には電気的に絶縁性の高い触媒
反応抑制膜であるガラス膜20を塗布し、さらにその最表
層部にアルミナやマグネシアなどからなるスピネルの溶
射膜22を形成している。
【0038】外面電極を袋管の閉塞端近傍に実質上はち
巻様で環状に設けたのは、袋管の薄肉部に設けることで
起電力の立ち上がりや、拡散電流の立ち上がりが早くな
り、応答性が改善されること、又、薄肉部でも均一な厚
さでないと酸素透過時間がバラツキ、安定した拡散電流
値が得られないことにより、管の周方向の均一薄肉部に
相当する閉塞端近傍の周方向に設けることが最適である
ことを見い出し決定したものである。また、外面電極の
幅も精度よく設けることで、拡散電流のバラツキを少な
くすることができる。
【0039】母体となるジルコニアはY2O3を5mol%添加
し、部分安定化した固体電解質である。かかる固体電解
質に絶縁性皮膜として使用するガラスは、CaO-BaO-Al2O
3-SiO2系で熱膨張係数が母材のジルコニアの75×10-7
℃に近いものが使われ、バインダー、溶剤などと混合し
て塗布、乾燥後、1000〜1200℃で焼付け、ガラス皮膜を
得る。
【0040】しかしながらこの方法では、しばしば、ガ
ラス中に貫通クラックが発生する。この原因は次のよう
に考えられる。つまり、ガラスの熱膨張率は75×10-7
母材ジルコニアにほぼ等しいものの、中間に白金層が存
在する。この白金層は多孔質ではあるものの、ガラスお
よび母体のジルコニアより大きい熱膨張率を持つ (約10
0 ×10-7/ ℃程度) ため、熱応力発生の原因となってい
る。その際、昇温時には引張応力が発生するから、多孔
質白金膜とガラス質マトリックス間に存在するV エッジ
よりクラックが発生、進展するのである。
【0041】この様子は図5(a) に模式的に示す。図示
のように、白金膜54から進展したクラック50がガラス質
マトリックス52の表面まで貫通するケースも多く、この
ような場合にはイオン伝導体の電気的絶縁性低下の大き
な原因となっていた。
【0042】そこで、本発明にあっては、ガラス質マト
リックス中に適当な大きさの結晶を分散させるのが好ま
しく、それによりクラックの進展がその結晶の存在によ
り緩和され、結果的に、靱性が大きくなり、クラックレ
スの絶縁皮膜が構成される。
【0043】すなわち、図5(a) では、クラック50が表
面まで瞬時に進展するのに対し、図5(b) では表面まで
進展せずに、途中の結晶粒子により進展がさまたげられ
る。次に、ガラス質マトリックスに対する結晶粒子含有
量を1〜40重量%に決めた理由について述べる。
【0044】図6は、組成: CaO:10wt%、BaO:26wt
%、Al2O3:7wt%、SiO2:50wt%、Ba2O3:5wt%、Zn
O:2wt%のガラスを図4のリード電極部17に塗布乾燥
し1050℃で焼成後、表面にどれだけの貫通クラックが存
在するかをガラスに含有させる結晶粒子 (ジルコニア)
の量を変えて調べた結果をまとめて示すグラフである。
【0045】なお、貫通クラック長は、光学顕微鏡によ
り4mm×4mm角の面積にどの程度の長さのクラックが存
在するか写真から判定して求めた。これからも分かるよ
うに、結晶含有量が増加するに従い、クラック長は急激
に低下し、結晶含有量が30wt%以上ではクラックは完全
になくなった。
【0046】一方、図7は、図6の場合と同様にして行
った結晶含有量と相対付着強度との関係を示すグラフで
ある。これからも分かるように、結晶とガラスの付着強
度は、ガラス量が相対的に減少しても、全く低下せず、
40%超で急激な低下を示した。これは、ガラスの絶対量
が少なくなったため、白金界面との間で剥離が生じたも
のと考えられる。つまり、結晶そのものと白金間には、
ガラスに見られる付着能力が無いことに起因している。
【0047】以上より、空燃比センサの場合には、限界
電流型のため空燃比の変化による限界電流値( 拡散電流
値) を測定する必要があるため絶縁膜( 触媒反応抑制
膜) にクラックがあると電流値が変化するため、結晶含
有量は10%以上が望ましい。
【0048】しかし、濃淡電池型の酸素センサでは空燃
比1を境としてオンオフの信号のみでよいため、限界電
流値の精度はさほど必要ではないため、絶縁膜としての
目的が達成されればよく、付着強度が得られる結晶含有
量として40%以下であればよい。
【0049】したがって、結晶含有量としては1 〜40重
量%、好ましくは10〜40重量%である。なお、結晶粒子
としてアルミナ、またはスピネルを使用した場合にも実
質上同一の傾向が見られた。
【0050】第3に、結晶粒子の粒径であるが、0.1 μ
m未満であると、クラック進展抑制のための障害とはな
りにくく、あまり効果的でない。一方、30μm超になる
と、ガラス皮膜の厚みを上回るため、結晶粒子がガラス
表面に顔を出してしまう。以上により、好ましくは粒径
は0.1 〜30μmに限定される。
【0051】第4に、結晶粒子の種類としては、母材と
同じPSZ(部分安定化ジルコニア) やジルコニア (ZrO2)
が熱膨張率が近いため好適であるが、これ以外にもアル
ミナ(Al2O3)、スピネル(MgO・Al2O3)は、効果が大き
い。熱膨張率が60〜90×10-7/℃の結晶が好適で、これ
以上でも、これ以下でも、クラックは発生し易くなり、
効果は少なくなる。
【0052】このように、本発明の一つの特徴は、触媒
反応抑制膜である絶縁皮膜の構成要素がガラス質と結晶
粒子とから成り、結晶粒子がガラス質マトリックス中に
十分に分散していることであり、しかも両者の熱膨張率
がジルコニア母材(PSZ) および白金膜の値に近いことで
ある。この条件を満足するものであれば、本発明におい
ていずれのガラス質あるいは結晶粒子を使用しても特に
制限はない。
【0053】その他、クラック発生に影響を与える因子
としては、他の結晶粒子の形状、ヒートパターンがあ
る。まず、結晶粒子の形状については、応力拡大係数の
低下を抑制する意味からは、球形が望ましいが、実際は
それ程影響されない。塗布後、焼付時のヒートパターン
は、昇温時3〜4℃/min とし、ガラス塗布時に巻き込
んだエアポアを拡散させることが望ましい。一方、降温
は、炉冷でよい。
【0054】次に、本発明は具体的には前述のないし
の各工程から構成されるが、基本的にはそれらは、パ
ラジウムペーストおよび溶液を区分して用いること、そ
の組成、それに含まれる貴金属含有量が異なること、そ
して塗布箇所によってその含有量を変える点を除いて従
来のそれに同じであって、本発明においても特に制限さ
れるものではない。
【0055】したがって、本発明にかかる酸素センサの
電極形成法における各工程のうち、核付け工程としての
パラジウムペーストおよびパラジウム溶液の塗布、乾
燥、焼付けの各工程を主にその作用について以下詳述す
る。
【0056】まず、本発明において用いるパラジウムあ
るいは酸化パラジウムを含むペースト (溶液) として
は、既に知られているが、そのような公知のパラジウム
ペースト(溶液)は、もっぱら一般電極形成用であっ
て、本来、本発明におけるような酸素センサ素子の必要
な部分にのみ電極を形成するといった用途は想定されて
いなかった。好適組成は、ペーストの場合、樹脂、溶
剤、硫化バルサムパラジウムであり、溶液の場合、溶
剤、塩化パラジウムである。
【0057】このような塗布材としては、本発明にあっ
ては、パラジウムあるいは酸化パラジウム濃度0.1 〜0.
5 重量%のパラジウムペーストと、パラジウムあるいは
酸化パラジウム濃度0.3 〜1.0 重量%のパラジウム溶液
とが、2種用意される。
【0058】かかる活性化ペーストは、パラジウム金属
または酸化物を0.1 〜0.5 重量%含み、樹脂や溶剤でペ
ースト状としたもので、印刷に適した粘度や乾燥速度を
有するものが好ましい。
【0059】活性化ペースト中のパラジウム金属 (酸化
物含) の含有率が0.1 重量%未満の場合には、形成され
る核が少なすぎるため、後続のメッキ工程において均一
な多孔質白金膜とはならず、部分的に断線を生ずること
があり、また、白金無電解メッキ時の反応速度が遅くな
りがちとなり、生産性に悪影響を及ぼす。
【0060】一方、パラジウム金属またはパラジウム酸
化物の含有率が0.5 重量%超では、活性化ペースト印刷
後の焼付け時にパラジウム核が印刷箇所以外にも飛散
し、白金無電解メッキ時に印刷箇所以外にまで白金が付
着してしまう。
【0061】以上より、リード電極を含めて外面電極用
の核付け用のパラジウムペーストのパラジウムまたは酸
化パラジウムの含有量は 0.1〜0.5 重量%に限定され
る。一方、素子の内壁および上面へのパラジウムまたは
(酸化パラジウムを含む)溶液の塗布は、内壁面にパラ
ジウム核を形成させるために行う。この際のパラジウム
金属 (酸化物含) の量は0.3 〜1.0 重量%とする。これ
は、内壁面が凹凸が少なく、しかもメッキ液が供給され
にくいためであり、外壁面よりも量を若干多くすべきで
ある。
【0062】ここで0.3 重量%を下回ると、均一なメッ
キ層が生成しにくくなり、一方、1.0 重量%超になる
と、余分なパラジウム核が焼付時に飛散し、外面のメッ
キに悪影響を及ぼす他、治具にも付着するなどの問題が
生じる。
【0063】よって、内壁面のパラジウム塗布液中のパ
ラジウムまたは金属パラジウム濃度は0.3 〜1.0 重量%
に限定される。なお、本発明において、パラジウムペー
スト(溶液)の濃度は金属パラジウムまたは酸化パラジ
ウムの重量基準で表わすものである。
【0064】ペーストの塗布に先立って、固体電解質体
にエッチングを行うが、本発明にあってもこのエッチン
グは、通常の無電解メッキの場合と同様にフッ酸 (HF 2
0%)で15分間程度行えばよい。但し、内壁面について
は、外壁面の倍の時間エッチングを行う。これは外壁面
が砥石研削面で表面状態が粗であるのに対し、内壁面は
プレスピンに密着した面で平坦な表面状態を呈するた
め、最終的に形成される白金メッキ層と母材の固体電解
質との密着性を高める面からも、適当な粗さが確保され
る必要があるためである。
【0065】次いで、前述のパラジウムペーストの場
合、スクリーン印刷、転写、あるいはパッド印刷によっ
て塗布される。このうち、パッド印刷は、膜厚を薄くす
るのに向いているばかりか、複雑な外面形状でも一度に
印刷することができ、本発明の目的には極めて好都合で
あった。
【0066】したがって、外側 (外壁) の電極形成に
は、メッキ前処理における活性化処理をパラジウムある
いはパラジウム酸化物を含む活性化ペーストを用い、こ
れをインクポット式パッド印刷機により、素子表面に印
刷することが好ましい。特に、パッド印刷を使うこと
で、図9に示すような一端閉塞型形状の固体電解質体90
でも縦横に外面リード電極形成部92および外面白金電極
形成部94に直線的に高い精度でペーストを印刷すること
ができる。
【0067】すなわち、パッド印刷により3mm幅の電極
およびリード線用白金膜の形成箇所に、上記活性化ペー
ストと、図8に示すような、2種類の印刷用金型80、82
を用いて、セラミック素子外面の正面および背面にそれ
ぞれ印刷することにより、図9(a) 、(b) に示すような
電極およびリード電極用白金膜を形成させるべき部分9
2、94のみに活性化ペーストを印刷する。
【0068】この際、金型のみぞ深さは、20μm程度が
最もよく、40μmを超えると、印刷した活性化ペースト
が厚くなりすぎるのでよくない。また10μm未満でも、
みぞにペーストがうまく入らず、不可能である。また、
パッド印刷に必要な時間は、1〜10秒程度が好ましい
が、これは、溶剤の量を変えることによりこの範囲内に
容易に調整できる。
【0069】次工程である乾燥工程は、外表面に印刷
した活性ペーストの均一化を図るために重要であり、10
0 ℃で10分程度行う必要がある。また乾き切らないで、
次の工程に移ると、ムラができ易いばかりでなく、ハン
ドリング時にパラジウムが思わぬところに付着し、メッ
キ時に不要なところに白金メッキがされるため、乾燥す
るまで10分程度待つ必要がある。但し、これ以上長い
と、生産性が落ちる場合があり、従って10分程度が最も
よい。
【0070】また、パッド印刷機に乾燥用のエアーノズ
ルを組み込んだものもあり、これで乾燥することにより
さらに乾燥時間を短縮できる。乾燥を終了してから内面
電極形成のためのパラジウム溶液の塗布を行う。パラジ
ウム溶液の内壁面への塗布方法としては、綿等の材質に
湿らして、壁面に擦りつける方法とパラジウム溶液を管
内部に満たす充填法とがあるが、どちらでも可能であ
る。
【0071】但し、残液を管内部に残しておくことは、
均一なメッキに対して、支障があるばかりか、不要なパ
ラジウムが焼付時に飛散するので、残液は全て排出しな
ければならない。内面電極用の核付け用のパラジウム溶
液の塗布が終了してから、前述と同様にして乾燥を行
う。これも外面電極の場合に同じである。
【0072】なお、ペースト塗布、溶液塗布を順次行っ
てから、まとめて乾燥を行ってもよい。乾燥後に行う焼
付けは、主に樹脂成分を飛ばすために行う。よって、樹
脂成分の種類により、焼付け温度が異なるが、400 〜70
0 ℃で行う。また700 ℃超であれば焼結するので好まし
くない。従って、焼付け温度は400 〜700 ℃に限定さ
れ、570 ℃程度が作業性、品質などからみて最も好都合
である。
【0073】無電解メッキは従来と同じく10〜20時間で
行い、1.0 〜1.5 μm程度の白金膜を生成させる。ガラ
スの絶縁層塗布を行った後、焼成を最小限にして、酸素
センサの電極形成が行える。次に、リード線取付けを行
うが、本発明の方法では、袋管開口端部、つまり検出素
子端面に凹部を2箇所設け、その凹部までメッキ等によ
り内、外面電極をそれぞれ延長してリード引出部分、つ
まりリード電極を形成し、その凹部に白金等の貴金属ペ
ーストを充填してから信号引出用のリード線をセット
し、貴金属ペーストの上に封着ガラスを充填して同時に
焼成を行い、貴金属ペーストによるメタライズ接合とガ
ラスコーティングによる封着保護層の形成を同時に行
う。白金等の貴金属ペーストは、メタライズ接合によ
り、検出素子電極と信号取出用リード線との電気的接続
を確実にする。封着ガラスによるメタライズ接合部の封
着コーティングは、メタライズ接合部だけでは十分でな
い接合強度を増強する働きと、メタライズ接合部の塩水
等に侵入に対する耐食性を向上させる2つの働きをす
る。
【0074】封着用のガラスとして、特開平2−112636
号公報に開示されているような、ガラス粉末を溶剤で分
散させたガラスペーストを使用する場合、素子端面の凹
部に貴金属ペーストに続いてガラスペーストを充填した
ときに、貴金属ペーストとガラスペーストが混合しペー
スト中の貴金属粉末とガラス粉末が混合する結果とな
り、また同時焼成した場合にも溶剤の蒸発に伴って貴金
属粉末とガラス粉末とが混合する結果となり、貴金属ペ
ーストにガラス粉末が混入されるため、メタライズ接続
部の抵抗が2Ω以上となり好ましくない。
【0075】しかし、本発明によるように、ガラスペー
ストの代わりに固体ガラス体、例えばリング状のブロッ
クのガラスを貴金属ペーストの上に置いて焼成を行った
場合には貴金属ペーストとガラスはほとんど混合しない
ので有用である。これは固体と液体の混合は起こりにく
いことに起因していると考えられる。しかし、窒素雰囲
気中または真空中で焼成を行なった場合、ガラスが蒸発
してしまい、結果的にガラスが隅に局在し本来の目的の
メタライズ接合部を完全にガラスコートできない。
【0076】そこで、素子端面の凹部の上面直径2.5 mm
下面直径1.6 mmに対して、外径1.5mmφ、内径0.8 mm
φ、長さ1.5 mmのリング状ガラスと白金ペーストを充填
し、図10(a) に示すように、白金ペーストの有機溶剤の
蒸発経路を確保し、さらに有機溶剤が酸化蒸発しやすい
ように大気中で焼成すると、適切な封着保護層が形成さ
れることが判明した。リング状ガラス、つまりガラスビ
ーズの外径は、凹部の下面直径より大きい場合には貴金
属ペースト中の有機溶剤の蒸発経路が確保できず、完全
にはガラスコーティングができないため、凹部の下面直
径よりも小さいものが好ましい。リング状ガラスの内径
は、使用のリード線の直径以上のものとする。
【0077】リード線は、ヘッダー加工により頭部をク
ギ状にしたリード線が最適であるが、例えば、ニッケル
ワイヤを用いる場合、大気中で焼成するとワイヤ表面が
数十μm酸化されリード線の導電性を悪化させるという
問題が生じる。しかし、クギ状に加工した頭部以外の部
分に酸化防止用の溶剤を塗布することで、大気中焼成で
もリード線が酸化されないことが判明した。
【0078】このための酸化防止用の溶剤としては、ガ
ラス粉末を有機溶剤等で分散させたガラスペースト、白
金等の貴金属ペースト、あるいは有機金属化合物溶液な
どが有効である。頭部の非接触部分については、ニッケ
ル表面に酸化膜を有する方が、ガラスも酸化物のため接
着しやすく好適である。従って、必要な部分のみガラス
ペーストなどの酸化防止剤を塗布することによりセンサ
のリード線部分の抵抗を2Ω以下にすることが可能であ
る。
【0079】メタライズ用の貴金属ペーストは、素子部
の電極とリード線を電気的接続するもので、長期にわた
り腐食あるいはマイグレーション等により劣化しないも
のが最適である。
【0080】封着ガラスは、白金等の貴金属ペーストと
同時に焼き付けを行うためには、貴金属ペーストが焼成
される温度で溶融し、メタライズされると同時に封着が
行われるガラス組成のものが好ましい。例えば、空燃比
センサが内部のヒータなどで素子の電極を300 〜800 ℃
に加熱して使用される場合、検出素子端面でも最高800
℃まで耐熱性および耐食性が要求されるため、1000℃付
近で焼成される白金ペーストとともに使用できる封着ガ
ラスとしては、焼成温度が800 ℃以上で、耐食性の高い
ガラスであって、さらにジルコニア母体の熱膨張率70×
10-7/℃に近い熱膨張率を有するガラスが好ましい。
【0081】同時焼成の観点からは、1100℃で焼成され
る白金ペーストを使用する場合には、ガラスの溶融温度
が1100℃より低いと、1100℃までの加熱によってガラス
成分が多量に蒸発するばかりか、溶融ガラスと焼結して
いない白金ペーストとが混合してメタライズ接合と封着
保護層の形成がともに不可能となり、一方、ガラスの溶
融温度が1100℃より高いとガラスの封着をするのにさら
に高温まで加熱しなければならないこととなるため、11
00℃付近で溶融し焼成されるガラスが好ましい。この場
合でも、昇温、降温速度は5℃/分以上の急速加熱、冷
却することで、ガラス成分の拡散や蒸発をできるかぎり
抑制するのが好ましい。
【0082】他にメタライズ接合として、貴金属ペース
トの代わりに、リード線の凹部に接触する部分に白金等
の貴金属ろうを付けたものを用いてもよい。この場合、
同時焼成による封着ガラスと貴金属ろうとの混合が少な
くなるため、接合部の電気抵抗が低くなり、信頼性の高
い接合が可能である。このための貴金属ろうとしては、
白金ろう、金ろう、銀ろう等の他に白金/ニッケルろう
等の貴金属合金ろうあるいはニッケル単独のろうを用い
てもよい。次に、実施例によって本発明の作用を具体的
に説明する。
【0083】
【実施例】
実施例1 組成がCaO 10wt%、BaO 26wt%、Al2O3 7wt%、SiO2 5
0 wt%、B2O3 5wt%、ZnO 2wt%から成るガラスを平
均粒径4μmに微粉砕したものと、結晶成分として部分
安定化ジルコニア (イットリア 5mol%添加)を100:0〜
50:50 の割合で混合した粉100 gと、バインダー100
g、水100 gを均一混合したスラリーを作製した。
【0084】このスラリーを図4に示す袋管白金リード
電極部17に5mm幅で22mm長さに塗布した後、100 ℃で30
分乾燥し、1050℃で30分間保持焼付した。炉内ヒートパ
ターンは昇温3℃/min 、降温も3℃/min であった。
炉外に取り出してから、袋管外面にスピネル質の溶射膜
22を形成したのち、袋管内側にヒータを設置し、650 ℃
に昇温して絶縁抵抗を調べた。
【0085】続いて、光学顕微鏡により4mm×4mm角の
面積にどの程度の長さの貫通クラックが存在するか、写
真から判定した。以上の結果を表1のNo.1〜No.8および
No.14 〜No.18 に記した。
【0086】同様にして結晶粒子としてアルミナ、スピ
ネル、ウンモ、酸化鉄、ジルコニアを使用した場合につ
いても絶縁抵抗を測定し、表1にはNo. 9〜No.13 とし
てそれらの結果も併記した。
【0087】
【表1】
【0088】表1より、結晶の含有量、粒径および結晶
の種類が適当な場合、クラックの発生も少なく絶縁抵抗
も高いことが分かる。
【0089】実施例2 まず、従来法として、ジルコニアを主成分とする固体電
解質の焼結体(以下、セラミックス素子ともいう)を20
%フッ酸溶液で表面を粗面化し、塩化スズ溶液および塩
化パラジウム溶液(パラジウム濃度 0.5%)により、素
子全面にパラジウム核付けし、これに電極形成不要部が
メッキされないようにメッキ不要部にマスクを施した。
【0090】一方、本発明法として、フッ酸で前述と同
様のセラミックス素子の表面を粗面化し、0.5 重量%パ
ラジウムを含む組成を有する活性ペースト( 樹脂+溶剤
+硫化バルサムパラジウム) を、図9(a) 、(b) に示し
たように、パッド印刷法でセラミックス素子の電極形成
部のみに部分的に印刷し、これを570 ℃で焼付けした。
なお、本例は従来法との比較のために示すもので、外面
電極のみを形成している。
【0091】このように従来法および本発明法のそれぞ
れによって前処理をしたセラミックス素子をそれぞれ5
本用意し、10時間白金メッキ液に浸漬した。従来のマス
キング法で作製した白金膜の形状はマスクを施した箇所
と被メッキ部分の境界が直線的なラインとならず、凹凸
があった。しかし、本発明によって前処理した場合には
マスクを施さないにもかかわらず、そのような境界は直
線状であった。
【0092】次に、パラジウムの含有量が、どのように
影響するかを見るために、パラジウム含有量を0.05、0.
2 、0.5 、1.0 、2.0 重量%とした前記組成の活性化ペ
ーストをパッド印刷法により、図9(a) 、(b) に示すよ
うに、セラミックス素子外壁面の電極およびリード電極
を形成させるべき部分に印刷し、これらを570 ℃で焼付
けした後に、同じメッキ液に浸漬して白金無電解メッキ
を実施した。
【0093】パラジウムの含有量が1.0 、2.0 重量%の
活性化ペーストを印刷した場合、活性化ペーストの焼付
け時にパラジウムが印刷箇所以外にも飛散したため、不
必要な部分にまで白金膜が形成され、部分的なメッキは
不可能であった。特に、パラジウム2.0 重量%の活性化
ペーストを用いたものではセラミックス素子外壁面のほ
ぼ全面に白金膜が形成された。しかし、パラジウムの含
有量が0.05、0.2 、0.5 重量%の活性化ペーストを印刷
した場合、印刷箇所のみに、精度良く部分的に白金膜が
形成された。
【0094】一方、厚さ1μmの白金膜を形成するのに
要する無電解メッキ時間は、パラジウムの含有量が0.2
、0.5 重量%の活性化ペーストでは約5時間であった
のに対し、パラジウムの含有量が0.05重量%の活性化ペ
ーストでは無電解メッキの反応速度がやや遅く、同程度
の厚さの白金膜を形成するのに約10時間のメッキ時間を
必要とした。
【0095】ここで、パッド印刷法における適切な条件
を決定するために、シクロヘキサノン等の溶剤を調製し
て、パッド印刷用に適当な粘度や乾燥時間を有する活性
化ペースト (パラジウム含有量 0.2重量%) を準備し、
図8に示すようなインク用金型18を用いて、塗布方法を
検討した。
【0096】その結果、インク用金型のみぞの深さは20
μm程度が最も好ましく、40μm以上になると、活性化
ペーストが均一に印刷されず、また活性化ペーストが厚
く印刷されるので結果的にパラジウム塗布量が多くなる
ため好ましくない。
【0097】次に、内壁面活性液塗布テストとして、外
壁面にパッド印刷法で活性化ペーストを印刷したセラミ
ックス素子の内壁面に、パラジウム含有量 1.0重量%の
パラジウム溶液を塗布し、これを外壁面に印刷した活性
化ペーストと同時に570 ℃で焼付けし、得られたセラミ
ックス素子に無電解メッキを行った。
【0098】塗布箇所にのみきれいにめっき皮膜が形成
された。比較のため1重量%超の濃度のパラジウム溶液
の塗布を行ったところ、周辺部もまたメッキされた。内
壁面への活性液の塗布方法に関して、パラジウムが1.0
重量%の活性液を使用する場合、薄く塗布することが望
ましく、厚塗りや活性液が内面に残存すると、外壁面に
不必要な部分にまで白金膜が形成され、限定した部分メ
ッキが不可能である。
【0099】さらに外壁面にパラジウムの含有量が0.0
5、0.2 、0.5 、1.0 、2.0 重量%の活性化ペーストを
印刷し、内壁面にパラジウムの含有量が1.0 重量%の活
性液を塗布して、5時間のメッキを施した後、絶縁用ガ
ラス付けを行い電極を形成させた。これらのセンサにお
ける、大気中での拡散電流値を調査し、その公差範囲を
求めた。
【0100】パラジウム含有量が0.2 、0.5 重量%の活
性化ペーストでは、5時間の白金メッキによって必要な
白金の膜厚を有し、拡散電流の値も20mAでセンサ信号と
しては満足できるものである。さらにその膜厚は均一に
形成されているため、標準偏差はそれぞれ5.1 %、4.6
%と小さい。
【0101】パラジウムの含有量0.05重量%の活性化ペ
ーストでは、メッキ反応が遅いため、充分な膜厚が確保
できず、部分的に断線するところもあり、拡散電流を完
全に検出できない。その結果拡散電流の値は低くなり、
標準偏差は15.0%であった。
【0102】パラジウムの含有量が1.0 、2.0 重量%の
活性化ペーストでは、白金メッキ時に不必要な箇所にメ
ッキが付着されそのメッキ付着面積はサンプルによって
異なっているため、その電極面積の誤差により拡散電流
の標準偏差が大きくなる結果となり、標準偏差は10.9
%、17.8%であった。
【0103】パラジウムの含有量が0.05重量%以下ある
いは1.0 重量%以上の活性化ペーストでは、拡散電流の
標準偏差が10%以上になり、センサ製造歩留まりが60%
以下に低下する結果となるため、パラジウムの含有量が
0.05重量%以下あるいは1.0重量%以上の活性化ペース
トの使用は製造上好ましくない。しかしパラジウムの含
有量が 0.1〜0.5 重量%の活性化ペーストの場合、拡散
電流の偏差は小さく、電極形成の製造歩留まりは約90%
であった。
【0104】次に、外壁面にパラジウムの含有量が0.5
重量%の活性化ペーストを印刷し、内壁面にパラジウム
の含有量が0.05、0.2 、0.5 、1.0 、2.0 重量%の活性
液を塗布して、5時間のメッキを施した後、絶縁用ガラ
ス付けを行い電極を形成させた。これらのセンサにおけ
る、大気中での拡散電流値を調査し、その公差範囲を求
めた。
【0105】パラジウムの含有量が0.05、0.2 重量%の
活性液では、内壁面が完全にメッキされず、部分的に断
線しているため拡散電流の偏差が大きくなった。パラジ
ウムの含有量が2.0 重量%の活性液では、周辺部もメッ
キされ内壁面の電極の面積が変化するため、拡散電流の
標準偏差は10.4%であり、製造上好ましくない。
【0106】実施例3 本発明による信号取出用のリード線取付け方法の詳細施
工例を図10(a) 、(b)に示す。素子端面に凹部を2ヶ所
有するジルコニア系セラミックス製固体電解質の内外表
面に無電解メッキにより白金の多孔質の電極を形成し、
このとき端面のそれぞれの凹部の内側まで、外面電極と
内面電極のリード引出部を形成し、その凹部に白金ペー
ストを充填する。
【0107】次に、ヘッダー加工により頭部をクギ状に
加工したニッケルワイヤに、リング状ガラスを挿入し、
クギ状の頭部以外の部分に酸化防止用の溶剤を塗布した
後、凹部内の白金ペースト中に入れる。リード線が倒れ
るのを防ぐためのリード線固定用の治具をセットして、
電気炉に入れて、大気中でメタライズとガラスコーティ
ング層の焼成を同時に行う。
【0108】一例として、上面直径が2.5 mm、下面直径
が1.7 mmの素子端面の凹部に白金ペーストを塗布し、外
径1.6 mm、内径0.8 mm、長さ1.0 mmのリング状に加工し
た日本電気硝子製GA-13(高温焼成タイプ) あるいはGA-1
2(低温焼成タイプ) のガラスを挿入し、酸化防止のため
ガラスペーストを塗布した線径0.6 mmφのニッケルワイ
ヤを凹部にセットして、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、種々の温度で同時に焼成した。昇温速度、降温速度
はともに10℃/分で、650 ℃から1200℃の温度で30分間
保持した。
【0109】焼成後炉から取り出して、メタライズ接合
部の電気抵抗とリード線の引張り強度を測定し、表2に
その結果を記した。
【0110】
【表2】
【0111】表2よりリング状のガラスを用い大気中で
焼成することで、従来の2回焼成法と同等の良好なリー
ド線取付が可能であることが分かる。
【0112】
【発明の効果】本発明の酸素センサの電極形成法によれ
ば、極めて低濃度のパラジウムを含む活性化ペーストを
パッド印刷することにより、必要部分のみに限定的に、
精度良く付着強度の高い白金膜を形成することができ
る。さらに、電極形成の際、白金メッキが不必要な部分
にマスクを装着しなくても、部分的に白金メッキを施す
ことができ、しかも安定した品質で白金電極が形成でき
る。従って、酸素センサの製造法に関し、例えば製造所
要時間が従来法と比較して1/3 となり、所要領域にのみ
メッキが行われることから材料コストが1/2 となるな
ど、経済性、生産性に優れた電極形成が可能となる。
【0113】また、本発明によれば、センサ信号取り出
し用のリード線取付け方法において、白金等の貴金属ペ
ーストや貴金属ろうの焼成温度と同じガラスを用い、こ
のガラスをリング状などのブロックに加工して、素子端
面の凹部内で同時に大気中で焼成することによって、メ
タライズ接合とガラス封着保護層を一度の焼成で製造す
ることができる。
【0114】さらに、ニッケル等のワイヤに酸化防止用
溶剤を必要な部分に塗布すれば大気中での焼成も可能と
なり、従来法より製造工程を単純化し、さらに長期にわ
たってメタライズ部分の腐食防止が可能なリード線の取
り付け方法である。また、大気中での同時焼成が可能と
なることから、窒素の使用がなく、また通常の電気炉で
も製造ができるため、材料費・設備費の大幅なコストダ
ウンが実現できる。
【0115】従って、リード線取付け方法に関し、製造
所要時間が従来法と比較して1/2 となり、大気中で焼成
されることから材料費・設備費などのコストが1/3 とな
るなど、経済性、生産性に優れたリード線取付けが可能
となる。また、本発明のリード電極上に絶縁用の触媒反
応抑制層を設けることでリード電極部からの酸素分子レ
ベルで、透過を抑制することが可能である。
【0116】さらに、本発明によれば応答性が良く、さ
らに限界電流型酸素センサに利用した場合、図1で説明
するような酸素リーク電流 (絶縁抵抗の逆数) を低下さ
せることができ、印加電圧の振れの範囲内で酸素分圧に
応じた、ほぼ一定の拡散電流を得ることができるので、
空燃比センサとして用いた場合などには信頼性向上に大
きな寄与を及ぼすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】袋管型の酸素センサにおける印加電圧と拡散電
流との関係を示すグラフである。
【図2】従来の袋管型の酸素センサ素子の概略説明図で
ある。
【図3】本発明にかかる袋管型の酸素センサの略式部分
断面図である。
【図4】本発明にかかる酸素センサの一部の拡大断面図
である。
【図5】図5(a) は、ガラス質絶縁層にクラックが表面
まで瞬時に進展する様子の模式的説明図であり、図5
(b) は、表面まで進展せずに、途中の結晶により進展が
妨げられる様子を示す模式的説明図である。
【図6】結晶含有率と貫通クラック長さとの関係を示す
グラフである。
【図7】結晶含有率と相対付着強度との関係を示すグラ
フである。
【図8】パッド印刷に用いる2種類の印刷用金型80,82
の説明図である。
【図9】図9(a) は、パッド印刷により袋管外表面に印
刷された電極形状の正面図であり、同(b) は同じくその
背面図である。
【図10】リード線取付操作の施工例の概略説明図であ
り、図10(a) は焼成前、図10(b)は焼成後の様子をそれ
ぞれ示す。
【符号の説明】
10: 酸素センサ素子 12: 袋管 14: 外面白金電極 16: 外面白金電極 17: リード電極 18: リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 荘一 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 松山 城仁 名古屋市緑区鳴海町字伝治山三番地 鳴海 製陶株式会社内 (72)発明者 鍛治 実嗣 金沢市松村7丁目84番地 住金ホトンセラ ミックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導性酸化物から成る固体電
    解質の袋管と、該袋管の内面および外面に形成された白
    金電極と、前記袋管の袋管開口端部に設けたリード線と
    を備えた酸素センサであって、前記袋管の閉塞端近傍の
    外面に部分的に形成された実質上はち巻様の環状の外面
    白金電極部と、該外面白金電極部と前記リード線とを接
    続する前記袋管の外面に設けたリード電極部とを有し、
    該リード電極部を触媒反応抑制膜で被覆したことを特徴
    とする酸素センサ。
  2. 【請求項2】 前記触媒反応抑制膜が、ガラス質マトリ
    ックス中にジルコニア、アルミナ、およびスピネルから
    成る群から選ばれた1種または2種以上の結晶粒子を分
    散させたものである請求項1記載の酸素センサ。
  3. 【請求項3】 触媒反応抑制膜に含有される前記結晶粒
    子の粒径が 0.1〜30μm、含有量が1〜40重量%である
    請求項2記載の酸素センサ。
  4. 【請求項4】 酸素イオン伝導性酸化物から成る固体電
    解質の袋管と、該袋管の内面および外面に形成された白
    金電極と、該袋管の袋管開口端部に設けたリード線とを
    備えた酸素センサの電極形成方法であって、袋管の閉塞
    端近傍の外面に部分的に実質上はち巻様の環状の外面白
    金電極形成部を設けるとともに、該外面白金電極形成部
    と前記リード線とを接続する外面リード電極形成部を設
    け、さらに前記袋管の内面には内面白金電極形成部を設
    け、前記外面白金電極形成部と外面リード電極形成部と
    にはパラジウムあるいは酸化パラジウムの含有量が 0.1
    〜0.5 重量%のパラジウムペーストを、前記内側白金電
    極形成部にはパラジウムあるいは酸化パラジウムの含有
    量が 0.3〜1.0 重量%のパラジウム溶液をそれぞれ塗
    布、乾燥、焼付し、次いで前記の各電極形成部に白金め
    っきを行うことで各電極を形成し、さらに前記外面リー
    ド電極形成部の電極表面を触媒反応抑制膜で被覆するこ
    とを特徴とする酸素センサの電極形成方法。
  5. 【請求項5】 酸素イオン伝導性酸化物から成る固体電
    解質の袋管の内面および外面に形成された白金電極と、
    前記袋管の袋管開口端部に設けたリード線とを備えた酸
    素センサのリード線取付け方法であって、該袋管の袋管
    開口端部に設けたリード線取付用凹部に白金ペーストを
    充填し、その中へ酸化防止剤を表面に塗布したリード線
    端を挿入し、さらに該リード線に前記凹部の凹部形より
    わずかに小さい外形を有するガラス材を遊嵌した後、大
    気中で焼成することを特徴とする酸素センサのリード線
    取付方法。
JP5258206A 1993-05-27 1993-10-15 酸素センサ及びその電極形成法とリード線取付方法 Withdrawn JPH0798294A (ja)

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