JP3366472B2 - セラミックヒータ及びその製造方法 - Google Patents
セラミックヒータ及びその製造方法Info
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Description
中に発熱体を埋設したセラミックヒータに関し、特に車
の排ガス中の酸素濃度測定等に使用される酸素センサ用
セラミックヒータに関する。
HC,NOX )の排出量を低くする目的で利用されてい
る。酸素センサは、エンジン直下のマニホールド集合部
に取り付けられており、その出力電圧が理論空燃比では
大きく変化することを利用して、常に空燃比が理論値近
傍となるように燃料供給量を制御することによって、後
方に設置されている三次元触媒コンバータの排出ガスの
浄化機能を最大レベルに発揮させ、排出ガス濃度を低く
することができるのである。
素子の温度が数100℃に上がらなければ機能しないた
め、セラミックヒータによりセンサ素子を加熱すること
が行われている。
セラミックスの基体中にW,Mo等の高融点金属を主成
分とする発熱体を埋設したものが広く用いられている
(特開昭63−9860号、特開昭63−58479号
公報等参照)。このセラミックヒータの電極取出部の構
造は、基体の表面にリード取出パッドを成すメタライズ
層を形成し、このリード取出パッドと内部に埋設した発
熱体をビアホールで導通させ、リード取出部上にNiメ
ッキ層を形成した後、リード線をロウ付けするようにな
っている。なお、上記Niメッキ層の形成は、厚みの調
整が容易な無電解メッキ法で行うことが一般的である。
の加熱用として用いる場合、セラミックヒータの発熱部
の温度を800〜1000℃に維持する必要があり、ま
たエンジン直下に設置してあるため、電極取出部の温度
が通常で350℃、使用条件によっては400〜500
℃に達することがあった。
出部におけるNiメッキ層が剥がれやすいという問題が
あった。Niメッキ層が剥がれると、リード取出パッド
を成すメタライズ層が露出して酸化、崩壊し、導通不良
を起こしやすいという不都合があった。
ナセラミックスの基体中にW,Mo等の高融点金属を主
成分とする発熱体を埋設し、該発熱体に通電するための
リード取出パッドを前記基体の表面に備え、このリード
取出パッド上にNiメッキ層を形成して成るセラミック
ヒータにおいて、上記Niメッキ層におけるS(硫黄)
の含有量を0.1重量%以下としたことを特徴とする。
iメッキ層を形成する際には無電解メッキ法を用いてい
るが、この無電解メッキ液中には安定化剤を成すジチオ
グリコール酸や還元剤を成すジメチルアミンボラン等が
添加されており、メッキ時にこれらの成分中のB,S,
Si,Cl,Pb,Pd等が共析してNiメッキ層中に
残存することになる。そして、本願発明者等が種々実験
を行った結果、上記成分のうち、S(硫黄)成分がNi
メッキ層中に多く存在していると、SがNiの粒界を破
壊し、リード取出部を成すメタライズ層から剥がれやす
くなることを見出し、Sの含有量を0.1重量%以下と
すれば剥離を防止できることから、本発明を成したので
ある。
リード取出パッド上にNiメッキ層を形成した後、還元
雰囲気中で550〜1200℃の温度範囲で加熱処理を
行う工程により製造することを特徴とする。
よって得られたNiメッキ層中には通常S成分が含まれ
ているが、これを還元雰囲気中で加熱処理することによ
って、S成分を蒸発させ、含有量を0.1重量%以下と
できるようにしたものである。なお、加熱処理の温度に
ついては、550℃未満ではS成分を蒸発させる効果に
乏しく、1200℃を超えるとメタライズ層を成すWと
反応して耐酸化性が低下するため、上記範囲内が良い。
1重量%以下であることから、高温時でもリード取出パ
ッドから剥離しにくく、導通不良を防止して寿命を長く
することができる。
ックヒータ1はアルミナセラミックスからなる円柱状の
基体2中に高融点金属からなる発熱体3及び該発熱体3
に接続されたリード部4を埋設し、このリード部4の末
端上の基体2表面に電極取出部5を形成し、リード線6
を接続した構造となっている。
示すように基体2の表面にメタライズ層からなるリード
取出パッド7を形成し、このリード取出パッド7と内部
に埋設したリード部4を導通させるビアホール8を備
え、上記リード取出パッド7上にNiメッキ層9を形成
したものであり、このNiメッキ層9上にロウ材10に
よってリード線6をロウ付けするようになっている。
ード取出パッド7を保護するためのものであるが、この
Niメッキ層9中のS(硫黄)成分の含有量を0.1重
量%以下とすることによって、高温雰囲気中でもでリー
ド取出パッド7を成すメタライズ層から剥離しにくく、
導通不良を防止し、寿命を長くすることができる。
クスとしては、主成分であるAl2O3 を88〜99重
量%含み、焼結助剤としてSiO2 、CaO、MgO等
を1〜12重量%含むものを用いる。さらに、発熱体3
及びリード部4としては、W,Mo,Re等の高融点金
属を主成分とするものを用いる。
o,W等を主成分とするメタライズ層により形成する
が、このリード取出パッド7の厚みaは10〜40μm
とすることが好ましい。これは厚みaが10μm未満で
あると、リード線6の接合強度が低くなり、一方40μ
mを超えるとメタライズ層とセラミックスとの熱膨張差
により耐久性が劣化するためである。
は、1〜10μmの範囲とすることが好ましい。これは
厚みbが1μm未満であると耐酸化性が不十分であり、
一方10μmを超えるとメタライズ層とセラミックスと
の熱膨張差により耐久性が劣化するためである。
法を説明する。
ミナセラミックスのグリーンシート2aの一方の面に、
高融点金属のペーストを用いて発熱体3及びリード部4
を成すパターンを印刷する。この時リード部4は抵抗値
が低くなるように幅広として発熱体3と一体的に形成す
れば良い。一方、このグリーンシート2aの他方面にお
けるリード部4末端部に対応する部分にリード取出パッ
ド7を形成し、このリード取出パッド7とリード部4間
を導通するビアホール8を形成する。そして、別途用意
したアルミナセラミックスの棒状成形体2bに対し、上
記グリーンシート2aを、発熱体3が内面となるように
巻回して密着させ、全体を一体焼成する。
ッキによりNiメッキ層9を形成するが、この時無電解
メッキ液中の添加成分のために、Niメッキ層9中には
Sやその他の成分が共析することになる。そこで、次に
H2 やN2 等の還元性雰囲気中、550〜1200℃の
温度範囲で20分以上の加熱処理を行う。この工程によ
り、Niメッキ層9中のS成分が蒸発して、その含有量
を0.1重量%以下とすることができる。この後、リー
ド線6をロウ付けすることによってセラミックヒータ1
を得ることができる。
に、アルミナセラミックスの基体2を板状とし、この基
体2内に発熱体3とリード部4を埋設し、基体2の表面
に形成した電極取出部5にリード線6を接続した構造の
セラミックヒータ1とすることもできる。さらに、図示
していないが、これらの実施例以外に、筒状やその他の
さまざまな形状とできることは言うまでもない。
図示していないが、上記Niメッキ層9の表面に、さら
に金等のメッキ層を形成したり、あるいはリード線6を
ロウ付けした後、さらにこの表面にNi等のメッキを施
すことによって、電極取出部の保護効果を高めることも
できる。
は、高温での導通不良を防止し、長寿命とできることか
ら、特に酸素センサ加熱用として好適に使用することが
できる。また、この他に、流体加熱用、各種素子加熱用
等各種用途に使用することができる。
た。Al2 O3 含有量92重量%のセラミックグリーン
シート2aの一方面に、Wのペーストを用いて発熱体3
及びリード部4を印刷し、他方面にリード取出パッド7
を形成し、該リード取出パッド7とリード部4間にビア
ホール8を形成した。このグリーンシート2aを、上記
発熱体3が内面となるようにアルミナセラミックスの棒
状成形体2bに巻回し密着させた後、還元雰囲気中15
00〜1600℃で焼成し、セラミックヒータ1を得
た。このセラミックヒータ1を充分に洗浄した後、無電
解メッキにより、リード取出パッド7上にNiメッキ層
9を形成した。その後、還元雰囲気中で、750℃で2
0分間の加熱処理を行った。
クヒータ1と、比較例としてNiメッキ後の加熱処理を
行わなかったものについて、まずNiメッキ層9中のS
成分の含有量を測定した。測定方法は、硝酸と塩酸が
1:1の混合酸中でNiメッキ層9を溶解し、溶解液を
用いてICP法にて成分分析を行い、NiとSの分析値
を比較することにより、Sの含有量を求めた。
タについて、バッチ式大気雰囲気炉にて、Niメッキ層
9が450±5℃となるように設置し、規定時間毎に取
り出して、Niメッキ層9に粘着テープを張り付け、1
0秒後に45〜50°の角度で引き剥がした後、10倍
の双眼顕微鏡で粘着テープとNiメッキ層9を観察し、
Niメッキ層9又はリード取出パッド7を成すメタライ
ズ層の剥離の有無を調べた。
お、表1中剥離の有無については、Niメッキ又はメタ
ライズ層にわずかでも剥離が生じたものを×、生じなか
ったものを○で表した。
ッキ層9中に0.14重量%以上のSが含有されている
ため、高温での剥離が認められたのに対し、本発明実施
例ではNiメッキ層9中のS含有量が0.04重量%以
下と極めて少ないため、高温での剥離が全く認められな
かった。
キ層9を形成した後の加熱処理について、処理時間を2
0分とし処理温度をさまざまに変化させて、上記と同様
の試験を行った。
り、処理温度が550℃未満であるとNiメッキ層9中
のS含有量を0.1重量%以下にできず、高温での剥離
が発生した。また、処理温度が1200℃を超えるとメ
タライズ層をなすWとNiの反応による耐酸化性劣化の
理由により剥離が発生した。したがって、加熱処理温度
は550〜1200℃の範囲とすれば良いことがわかっ
た。
間をさまざまに変化させて同様の実験を行ったところ、
結果は表3に示す通りであった。この結果より明らか
に、処理時間を20分以上とすれば、Niメッキ層9中
のS含有量を0.1重量%以下として、高温での剥離を
防止できることがわかった。
セラミックスの基体中にW,Mo等の高融点金属を主成
分とする発熱体を埋設し、該発熱体に通電するためのリ
ード取出パッドを前記基体の表面に備え、このリード取
出パッド上にNiメッキ層を形成して成るセラミックヒ
ータにおいて、上記Niメッキ層におけるS(硫黄)の
含有量を0.1重量%以下としたことによって、高温雰
囲気中でもNiメッキ層が剥離することなく、ヒータへ
の導通不良を防止できることから、酸素センサ用等の過
酷な条件下でも長期間良好に使用できるセラミックヒー
タを提供できる。
ド取出パッド上にNiメッキ層を形成した後、還元雰囲
気中で550〜1200℃の温度範囲で加熱処理を行う
工程によって、Niメッキ層中のS成分を0.1重量%
以下に減らすことができ、上記のような長寿命のセラミ
ックヒータを容易に製造することができる。
図、(b)は(a)中のX−X線断面図である。
るための斜視図である。
斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】アルミナセラミックスの基体中にW,M
o,Re等の高融点金属を主成分とする発熱体を埋設
し、該発熱体に通電するためのリード取出パッドを前記
基体の表面に備え、このリード取出パッド上にNiメッ
キ層を形成して成るセラミックヒータにおいて、上記N
iメッキ層におけるS(硫黄)の含有量が0.1重量%
以下であることを特徴とするセラミックヒータ。 - 【請求項2】アルミナセラミックスの基体中にW,Mo
等の高融点金属を主成分とする発熱体を埋設し、該発熱
体に通電するためのリード取出パッドを前記基体の表面
に備え、このリード取出パッド上にNiメッキ層を形成
した後、還元雰囲気中で550〜1200℃の温度範囲
で加熱処理を行う工程からなるセラミックヒータの製造
方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32476594A JP3366472B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | セラミックヒータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32476594A JP3366472B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | セラミックヒータ及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08185956A JPH08185956A (ja) | 1996-07-16 |
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Family Applications (1)
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JP32476594A Expired - Fee Related JP3366472B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | セラミックヒータ及びその製造方法 |
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JP3921327B2 (ja) * | 2000-04-14 | 2007-05-30 | 京セラ株式会社 | セラミックヒータ及びその製造方法 |
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-
1994
- 1994-12-27 JP JP32476594A patent/JP3366472B2/ja not_active Expired - Fee Related
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