JP2589136B2 - 酸素センサ素子 - Google Patents

酸素センサ素子

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JP2589136B2 JP63071903A JP7190388A JP2589136B2 JP 2589136 B2 JP2589136 B2 JP 2589136B2 JP 63071903 A JP63071903 A JP 63071903A JP 7190388 A JP7190388 A JP 7190388A JP 2589136 B2 JP2589136 B2 JP 2589136B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は各種燃焼機器の酸素濃度を検知するための酸
素センサ素子,特に内燃機関からの排ガスを浄化するた
めに利用される空燃比制御用の酸素センサ素子及びその
製法に関する。
[従来技術及び課題] 空燃比制御用酸素センサ素子は,酸素イオン伝導性の
固体電解質体とその内外面に備えられる一対の電極(基
準電極,測定電極)とからなり,排ガスと接触する測定
電極を排ガスから保護するため多孔質保護層で被覆する
のが一般的である。しかし,この種のセンサ素子にあっ
ては,排ガス中に含まれる未燃成分により,空気過剰率
(λ)がずれる,いわゆるλポイントズレをきたし,検
出精度が低下する。そのため,種々の研究,提案がなさ
れている。
例えば,保護層の中に貴金属触媒を担持してなる酸素
センサ素子が提案されている(特開昭53−50888,同50−
14396,同54−89696)。しかし,この種の酸素センサ素
子にあっては,使用時における耐久性に問題があった。
即ち,排ガス中の未燃成分(CO等)が担持触媒に吸着又
は反応して触媒が体積膨張することにより,保護層にキ
レを生じ,最悪の場合には保護層が剥離して電極が昇華
する。又,触媒の担持量を多くすると目詰りを発生して
応答劣化をもたらし,一方少なすぎると触媒が飛散して
しまい,その効果が消失する。
又,保護層を二層にして,より外側に位置する層だけ
に触媒を担持してなる酸素センサ素子が提案されている
(特開昭53−72686,同55−13828)。しかし,この種の
酸素センサ素子にあっては,触媒担持層そのものが剥離
し易く,触媒作用を有効に活かしきれない。
更に,保護層として酸素を吸蔵・放出する物質で構成
してなる酸素センサ素子も提案されている(特開昭62−
245148)。しかし,保護層が剥離し易いことは上記技術
と同様であり,やはり耐久性の劣化が懸念される。
本発明はかかる課題を解決すること,即ち耐久性に優
れ,貴金属触媒を有効に活用でき,しかもλポイントズ
レ及び応答性の低下を生ずることなく,正確な空燃比制
御を長期間安定に維持できる酸素センサ素子を開発する
ことを目的とする。特に,400℃以下の低温下(エンジン
駆動初期など)においても,最適な制御状態である若干
リッチ制御を維持し,浄化特性の向上に寄与できる酸素
センサ素子を開発することを目的とする。
[課題の解決手段] 本発明者はこうした知見に鑑み鋭意研究を重ねた結
果,同一出願人が先に出願した特願昭63−27623と同様
に,本発明を完成するに至ったものであり,本発明は上
述の課題を下記手段によって解決する。
固体電解質体の一面側に基準電極,他面側に測定電極
を備え,被測定ガスの酸素濃度を検知する酸素センサ素
子において, 固体電解質体が基部及び基部に直接結合する球状突起
部からなり,球状突起部を少なくとも含む位置において
測定電極を備え, 測定電極が多孔質の第1保護層で被覆されると共に,
第1保護層が多孔質の第2保護層で被覆され,第1,第2
保護層夫々が被測定ガスの酸化反応を促進する貴金属触
媒を担持し, 第1保護層が被測定ガスに対して安定な金属酸化物か
らなり, 第2保護層が非化学量論的な遷移金属酸化物からな
る, 素子のうち少なくとも検知機能に関与する部分を加熱
するヒータを備えている, 酸素センサ素子。
[好適な実施態様及び作用] 素子ないしは固体電解質体は先端が閉塞され内面側空
間を有し後端が開口している限り,袋状(試験管状),
板状又は管状など種々の形状でよく,あるいは先端が閉
塞され内面側空間を有し後端が開口した基体を別途に設
け,この基体に固体電解質体等の素子の各要素を結合さ
せて素子全体として袋状等になるものであってもよい。
固体電解質材料としては例えばZrO2に安定化剤としてY2
O3,CaO等を添加したものを用いるとよい。基準電極及び
測定電極(層状)はともに多孔質とされ,Pt又は2%程
度以下のRhを含有するPt等の貴金属を用いるとよい。
固体電解質体の他面(測定電極を形成する面)は,固
体電解質からなる球状突起部とされる。球状突起部を測
定電極,更には保護層内に楔状に貫入した状態とし,固
体電解質体と保護層とを強固に物理的に結合させるため
である。球状突起部の存在によって,保護層中の触媒に
未燃成分が吸着又は反応して体積膨張しても,保護層は
固体電解質体から剥離し難く,素子の耐久性が高められ
る。球状突起部は測定電極を介して,その外側に位置さ
せてもよい。
球状突起部は,造粒粒子の集合体からなり,造粒粒子
を固体電解質体の基部表面に単層又は複層をもって形成
するとよい。又造粒粒子は40〜100μm,好ましくは50〜8
0μmにするとよい。楔状の凹凸を形成して保護層との
強固な結合を得るためであり,40μm未満では楔として
の機能を充分に果し得ず,100μmを越えると基材との固
着が弱くなるためである。球状突起部は,各造粒粒子間
に凹部を残すよう分布するとよい。保護層との結合力を
より高める他,電極表面積の拡大にも寄与し得る。
球状突起部の材質は固体電解質体の基部と同一材質と
することが好ましいが,固体電解質であればよい。例え
ば基部がZrO2−Y2O3系,球状突起部がZrO2−(CaO,Mg
O)系,又基部がZrO2−Y2O3系,球状突起部が該基部とY
2O3含有量の異なるZrO2−Y2O3系としてもよい。
測定電極は,既述の通り多孔質の第1保護層で被覆さ
れると共に,この第1保護層は多孔質の第2保護層で被
覆されなければならない。
第1保護層は,使用時において排ガスの未燃成分(CO
等)が測定電極(貴金属)に吸着又は反応することによ
り測定電極が体積膨張して固体電解質体から剥離するの
を防止するためのものである。第1保護層はセラミック
ス例えばAl2O3,スピネル,BeO,ZrO2等又はこれらの混合
物で構成するとよく,特にスピネルを主体とするものが
好ましい。その気孔率は5〜20%程度,その厚みは100
〜180μm,好ましくは150μm程度にするとよい。素子先
端部における第1保護層の厚みをより後方部における厚
みに対して大(例えば3/2〜2倍)にするとよい。低温
使用時においてセンサ出力が不規則になる,いわゆる
「ケミカルノイズ」現象の発生を抑制して,低温使用時
においてもより正確な制御を行なうためである。その先
端部の軸方向長さは,素子先端から素子取付部までの軸
方向長さの1/5〜1/2の範囲から選択するとよい。肉厚と
される部分について材料を異ならせてもよい。
第1保護層に担持され被測定ガスの未燃成分の酸化を
促進する貴金属触媒としては,特に白金(Pt)を主体と
するもの例えばPt80wt%以上からなるものが好ましい。
その担持量は,第1保護層の構成材料全量に対して0.01
〜5wt%の範囲にするとよい。0.01wt%未満では効果が
なく,5wt%を越えると目詰りを生ずるおそれがあるから
である。但し,濃い(リッチ)排ガスに晒される条件下
では1wt%以下であることが好ましい。1wt%を越える
と,多量に存在する未燃成分が貴金属触媒に吸着又は反
応して保護層にキレが発生するためである。この触媒
は,保護層全域に均一又は不均一に分散でき,例えば,
排ガスの未燃成分が多い素子先方部において貴金属の含
有率を大としてもよい。又,触媒の材質を各部で異なら
せてもよい。
第2保護層は,既述の通り非化学量論的な遷移金属酸
化物によって構成されていなければならない。第1保護
層の担持貴金属触媒が使用時に飛散してλポイントズレ
及び出力低下するのを防止するためである。又,第2保
護層自体による遷移金属特有の触媒作用及び担持触媒の
作用によって排ガスの未燃成分の酸化作用をより一層促
進すると共に,その非化学量論性によって酸素量に応じ
て電子又は正孔が変化することから,担持触媒に未燃成
分が過度に吸着することを防止し,担持触媒の作用を長
期安定に維持するためである。遷移金属酸化物として
は,上記作用を発揮し得る限り3A族〜8族及び1B族の遷
移金属酸化物のいずれをも選択し得るが,4A族,例えば
チタン(Ti),8族他例えばコバルト(Co),ニッケル
(Ni)の酸化物が好ましい。特にTiOx(x=1.8以上2
未満,好ましくは1.95以上2未満)で表わされる非化学
量論的チタニアを使用するとよい。上記作用を効率よく
発揮でき,しかも耐熱性に優れるからである。そのチタ
ニア(TiOx)を第2保護層の構成材料(担持触媒は除
く)全量に対して50wt%以上,好ましくは70wt%以上に
するとよい。この場合,残部は,他の非化学量論的な遷
移金属酸化物とするとよいが,化学量論的な遷移金属酸
化物或は第1保護層と同様なセラミック材料で構成して
もよい。第2保護層の気孔率は第1保護層のそれよりも
大にするとよい。被測定ガスの通過性及びセンサ応答性
の劣化を防止するためである。例えば,8%〜25%にする
とよく,開気孔(通過孔)として存在させてもよい。
又,同様な見地で,第2保護層の厚みは第1保護層のそ
れよりも薄くするとよい。例えば,10μm〜50μmにす
るとよい。
第2保護層の貴金属触媒の担持量は第1層におけるも
のよりも少なくしてもよい。遷移金属酸化物が触媒作用
を兼備するからであり,この担持量低減によって触媒に
よる目詰まり発生を防止すると共に,貴金属の有効利用
を図ることができる。特に第2保護層全量に対して0.02
〜5mol%の担持量とすれば,触媒作用を有効に発揮し,
触媒と未燃焼ガスとの反応に基づく体積膨張による層剥
離を防止できる。好ましくは0.1〜2mol%である。この
触媒も第2保護層全域に均一又は不均一に分散するとよ
い。
又,保護層の少なくとも一部(特定部)が非化学量論
的な遷移金属酸化物からなるもの,即ち必ずしも二層に
明確に区別されないものであってもよい。この場合,特
定部の構成は既述の第2保護層におけると同様にし,残
部構成は既述の第1保護層と同様にするとよい。保護層
全体が非化学量論的な遷移金属酸化物からなってもよ
い。貴金属触媒は特定部及び残部にかかわらず存在させ
るとよい。
ヒータは,素子,特にその構成要素のうち少なくとも
検知機能に関与する部分を加熱するものである。素子の
空燃比制御,特に400℃以下の低温下での空燃比制御を
正確かつ安定に維持するためである。「検知機能に関与
する部分」とは,被測定ガスの酸素濃度の検知のための
起電力発生に何らかの影響を及ぼす部分をいう。ヒータ
は,加熱要素として発熱導体とその周囲に位置する絶縁
体とから構成するとよい。素子の他の各要素との絶縁性
を確保するためである。発熱導体としては,主にタング
ステン(W),モリブデン(Mo)を用いるとよい。更に
これらの成分に白金(Pt),ロジウム(Rh)等の高融点
金属成分を混合して用いるとよい。尚,抵抗特性に悪影
響を与えない限りにおいて若干酸化物等が存在していて
もよい。発熱導体は,高抵抗性を有する発熱部と,電源
との接続に供される低抵抗性を有する端子部とからな
り,発熱部はセンサを加熱すべき目的に応じて所定の大
きさ,形状(例えば直線状,波線状)に形成するとよ
い。絶縁体としてはAl2O3,スピネル等がよく,特にAl2O
389〜99.7wt%からなり,焼結促進成分として酸化SiO
20.04〜10wt%,MgO0.1〜2wt%,CaO0.1〜2.5wt%を含有
するものがよい。高温下に長期間晒されても発熱導体を
保護し,加熱機能を安定に維持するためである。ヒータ
形状は素子におけるヒータの存在部位及び素子形状等に
応じて棒状,板状,管状等種々のものであってよい。
又,厚みも適宜選択できる。
ヒータは,電極,及びその存在部位に対応した素子の
各要素(固体電解質体など)を加熱するように配備する
とよい。酸素イオンの移動,従って検出特性に最も影響
を及ぼす部分だからである。例えば,固体電解質体が試
験管状体である場合,その内面側空間に基準電極に近接
させてヒータ特に棒状ヒータを装備するとよい。固体電
解質体が板状又は管状体である場合,固体電解質体の外
面側に測定電極に近接させてヒータを付着させるとよ
い。又,固体電解質体の内面側に基準電極に近接させて
付着配備してもよい。内面側空間を有する先端閉塞され
た基体(管状など)を有し,基体の外面側に素子の各要
素(固体電解質体など)を備えてなる素子にあっても,
固体電解質体外面側であって測定電極に近接させてヒー
タを付着させるとよい。又基体の外面側であって固体電
解質体の内面側に基準電極に近接させてヒータを付着さ
せてもよい。ヒータが固体電解質体の外面側に付着配備
されるものにあっては,ヒータについても測定電極と同
様に第1,第2保護層で被覆されることになる。
酸素センサ素子の製造について云えば次の通りであ
る。
素子の各要素で段階的に被着形成する方法によって行
なうとよい。特に袋状(試験管状)素子の場合に好まし
い。この場合,固体電解質体としてZrO2にY2O3を添加
し,混合し,仮焼し,粉砕し,成形する。その後,焼成
は温度1400〜1500℃にて行なうとよい。常圧,加圧焼
結,雰囲気加圧のいずれであってもよい。電極の形成
は,電極メッキ,化学メッキ等の通常メッキ処理の他,
通常の気相析着法例えばスパッタリング,蒸着或いはス
クリーン印刷によって行なうとよい。保護層の形成とし
ては,その材料の溶液又は粉末を刷毛塗布,浸漬,噴霧
等の後焼成する方法,又溶射が挙げられる。尚,保護層
への触媒の担持は,貴金属塩溶液中にて浸漬処理し,そ
の後乾燥,焼成して行なうとよく,又保護層材料及び貴
金属成分を配合してなるペースト状物を用いてもよい。
ヒータの製造については,例えば次のように行なわれ
る。Al2O3基材を加圧成形,押出成形等によって成形,
焼成する。Al2O3グリーンシートの表面に発熱体パター
ンを形成する。この形成はメッキ,気相析着法(スパッ
タリング等),スクリーン印刷などによって行なわれ
る。このパターン印刷面側をAl2O3グリーンシートで被
覆し,両側をグリーンシートで被覆された発熱体パター
ンをAl2O3基材と接合させる。この一体化物を同時焼成
するとよい。焼成温度は1450〜1600℃の範囲から選択す
るとよい。焼成後,その発熱体の端子部をメタライズ処
理して電源からのリードをロー付にして接続する。
又,素子が内面側空間を有する先端閉塞された基体を
有する場合にあっては,積層印刷技術によって行なうと
よい。特に板状又は管状素子の場合に好ましい。積層印
刷技術とは,酸素センサ素子の各要素を所定のグリーン
シート(例えば固体電解質材料)に積層して印刷し,こ
の印刷グリーンシートを基材に被着して焼成一体化する
技術をいう(例えば特開昭62−222159参照)。但し,被
測定ガスに直接晒される最外層については別途溶射,特
にプラズマ溶射によって形成してもよい。溶射粉末同志
の固着強度が強く,耐久性に優れるからである。
[実施例] 以下,本発明の実施例について説明する。
第1〜3図は一実施例を示したものであり,各図にお
いて,1が酸素センサ素子であり,大略,この素子1は基
準ガスと被測定ガス(排ガス)とによって酸素濃度差を
生じ得る固体電解質体2と,固体電解質体2の内外面に
形成された一対の多孔質電極(内側電極)3,(外側電
極)4と,外側電極4を被覆する多孔質保護層5と,保
護層5に均一分散して担持された貴金属触媒6…とから
構成されている。ここでは,固体電解質体2はZrO2にY2
O3を添加したものからなり,電極3,4はともにPt電極で
あり,貴金属触媒6…はPt粒子からなっている。
固体電解質体2は,基部2aとその外側表面に位置する
球状突起部2bとからなり,この球状突起部2bの形状に沿
って外側電極4,更には保護層5が形成されている。又,
保護層5はより内側に位置して外側電極4を直接被覆す
る第1保護層5aと,より外側に位置して排ガスに晒され
る第2保護層5bとからなる。両保護層5a,5bはともにPt
触媒6…を担持している。ここでは,第1保護層5aはス
ピネル,第2保護層5bはチタニアからなる。又,7がヒー
タ(発熱導体)であり,素子1の中心軸に沿って延びる
棒状体とされている。従って,特に素子の要素のうち検
知機能に関与する部分について,内方側より内側電極3,
固体電解質体2,外側電極4,第1保護層5a,第2保護層5b
が加熱されることになる。
尚,第1図において8はハウジング,9は加締用リン
グ,10は充填剤,11は保護管,又第6図において12は絶縁
層を夫々示す。
第4図は他の実施例,即ち板状の酸素センサ素子の例
を示したものである。本例では,固体電解質体2の外面
側に,外側電極4からの離間距離を一定に維持してコ字
状にヒータ7が付着配備されている。従って,特に素子
の要素のうち検知機能に関与する部分について,外側電
極4,更には内方側に位置する固体電解質体2,内側電極3
が加熱され,又外方側に位置する第1,2保護層5a,5bが加
熱されることになる。他は前記実施例と略同様であるの
で,同一構成要素に同一符号を付してその説明は省略す
る。
次に,本発明の酸素センサ素子の製造例について説明
する。以下の各工程を順次行なう。
(1)素子本体の製造 工程1:純度99%以上のZrO2に純度99.9%のY2O3を5mol%
添加し,混合した後,1300℃で2時間仮焼する。
工程2:水を加えボールミル中にて湿式にて粒子の80%が
2.5μm以下の粒径になるまで粉砕する。
工程3:水溶性バインダを添加し,スプレードライにて平
均粒径70μmの球状の造粒粒子を得る。 −(工)3 工程4:(工)3にて得た粉末をラバープレスし所望の管
状(試験管状)に成形し乾燥後,砥石にて所定の形状に
研削する。
工程5:外面上に,(工)3で得た造粒粒子に水溶性バイ
ンダ繊維素グリコール酸ナトリウム及び溶剤を添加した
泥漿を付着させる。
工程6:乾燥後,1500℃×2Hrsにて焼成する。検出部に対
応する部分について,軸方向長さは25mm,外径約5mmφ,
内径約3mmφとした。
工程7:化学メッキにより,内外面にPt層を厚さ0.9μm
に析着させ,その後1000℃で焼付する。
工程8:MgO・Al2O3(スピネル)の粉末にてプラズマ溶射
して厚さ約150μmの第1保護層を形成する。
工程9:Ptが0.05g/のH2PtCl6溶液中に浸し,50〜100mmH
g減圧下で約5分放置する。
工程10:乾燥後,貴金属含有チタニアペーストを第1保
護層の表面に塗布し,800℃の還元性雰囲気で焼付けるこ
とにより,約2μmの細孔を有する厚さ約25μmの第2
保護層を形成する。尚,上記ペーストは,チタニアの粉
末をH2PtCl6液又はPtブラックに浸し,攪拌しながら乾
燥・含浸させ,その後有機バインダ及び溶剤(ブチルガ
ルビドール)を添加して得る。
(2)ヒータの製造 工程1:Al2O3粉末を主原料とし,焼結促進成分粉末を含
有してなるAl2O3配合物をボールミルで湿式混合し,脱
水乾燥する。
−(工)1 工程2:(工)1の材料からなる素地にバインダを加え,
パイプ状に押出成形し,800℃にて熱処理して基材とす
る。 −(工)2 工程3:(工)1の材料をスラリー状とし,キャスティン
グ法により0.8mmの第1グリーンシートを作る。
工程4:第1グリーンシートの表面にPtブラック及び白金
スポンジを2:1の割合で調合したPtペーストを用いて発
熱体パターンをスクリーン印刷する。
工程5:パターン印刷面側に第1グリーンシートと同様に
成形してなる0.3mmの第2グリーンシートをパターンを
被覆して圧着する。
工程6:得られた積層シートの第2グリーンシート表面に
ペースト状物を塗布する。この塗布面を(工)2の基材
との接合に接するようにして,基材の周囲にグリーンシ
ート等を巻回させ,圧着させる。樹脂抜き後,1550℃で
焼成する。
工程7:得られた基体は,その端子部をNiメッキし,Agロ
ー材を用いてリード線引出用端子と接続する。
(3)酸素センサの製造 更に,こうして製造された酸素センサ素子1を用い
て,以下の工程により,酸素センサAを得た。
工程1:素子1をハウジング8内に挿入した後,加締用リ
ング9及び滑石等の充填剤10を挿填して,素子1をハウ
ジング8内に固定する。
工程2:ヒータ7を素子1内に挿入する。
工程3:電極3,4に端子を介してリードを接続すると共
に,ヒータ7にリードを接続する。
工程4:素子1先端部を覆って保護管11を配置し,ハウジ
ング8先端と保護管11後端とを溶接する。
工程5:外筒を被せて酸素センサを得る。
[試験例] 前記実施例に係る本発明の酸素センサ素子(a)に基
づいて以下の試験を行ない各評価項目について調べた。
又,比較例として,(b)ヒータを備えてないもの(他
は実施例と同じ),(c)従来の市販センサ素子(日本
特殊陶業(株)製)であってヒータを備えていないも
の,及び(d)前記(c)と同様の素子であってヒータ
を備えたもの,を採用した。
酸素センサをエンジン実車にて所定の位置に取付け,
センサ制御し,より下流に位置するλスキャン値(制御
A/F平均値)を調べ,λ特性を評価する。次の二車種の
ものについて調べた。
(1)80Km/Hの定速走行で素子Tip温が450℃以上とな
り,且つ相対的にリッチ制御になっている第1の車両。
(2)80Km/Hの定速走行で素子Tip温がせいぜい400℃迄
しか昇温せず,且つ相対的にリーン制御になっている第
2の車両。
その結果を第7,8図に夫々示す。
第7図から明らかなように,第1の車両において本発
明に係る素子(a)は素子(c)に比してA/Fのバラツ
キ及び経時変化が小さく,かつややリッチ側の値を示
し,初期NOxの低減が可能である。又,耐久後も初期状
態と同等の制御を維持できる。尚,素子(b)もこの第
1の車両では良好な結果を示す。
加えて,第8図から明らかなように,第2の車両にお
いても本発明に係る素子(a)は初期のA/Fのバラツキ
及び経時変化が小さく,しかも,比較例に係る素子
(b)(d)に比してややリッチ側の値を示す。従っ
て,低温下でも初期NOxの低減ができ,エミッション変
動を抑制できる。一方素子(b)はかかる条件下では素
子(d)と同様にA/Fのバラツキを生ずる。
[効果] 以上の如く本発明によれば,球状突起部の存在によっ
て固体電解質体と保護層とが強固に結合しているので,
保護層の剥離を防止でき,耐久性に優れる。又,未燃成
分の貴金属への過度の吸着及び反応を第2保護層によっ
て抑制できるので,センサ応答性及びλ特性においても
優れ,高精度の空燃比制御を維持できる。第2保護層に
よって第1保護層の担持触媒の飛散が防止されるので,
第1保護層の触媒担持量を少くでき,その触媒作用によ
ってより一層の高精度の空燃比制御を維持できる。更
に,第1,2保護層の担持貴金属触媒に加えて,第2保護
層自体も被測定ガス中の未燃成分の酸化反応を促進する
触媒作用を有するので,触媒作用を保護層全体が分担で
きることとなり,触媒と未燃成分との反応による体積膨
張を極力抑止でき,この点からも耐久性の向上に寄与す
る。しかも,仮に第2保護層の貴金属が昇華しても,第
1保護層の担持触媒及び第2保護層自体によって充分な
触媒作用を継続して発揮できる。
又,素子のうち少なくとも検知機能に関与する部分を
加熱するヒータを備えているので,特に400℃以下の低
温状況下であってもA/Fのバラツキ及び経時変化が少な
く,車種等に応じて所期のA/F値に容易に制御できる。
従って,本発明は高価な貴金属を有効に利用して被測
定ガス中の未燃成分を効率良く酸化させることができ,
しかも低温・高温下に拘らず高精度かつ最適なセンサ制
御を安定に維持できる。
かくて,三元触媒を組合せることにより排ガスの浄化
特性の大幅向上に寄与でき,酸素センサ分野において極
めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の酸素センサ素子及び酸素センサの一
実施例を示す断面図, 第2図は,第1図のII拡大断面図, 第3図は,第2図のIII拡大断面図,及び 第4図は,本発明の酸素センサ素子の他の実施例を示す
平面図, 第5図は,第4図のV−V断面図, 第6図は,第5図のVI拡大断面図,及び 第7,8図は試験例の結果を示すグラフであって,第7図
は第1の車両に係るもの,第8図は第2の車両に係るも
の, を夫々表わす。 A……酸素センサ,1……酸素センサ素子 2……固体電解質体,2a……基部 2b……球状突起部,3……基準電極 4……測定電極,5……保護層 5a……第1保護層,5b……第2保護層 6……触媒,7……ヒータ 12……絶縁層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質体の一面側に基準電極,他面側
    に測定電極を備え,被測定ガスの酸素濃度を検知する酸
    素センサ素子において, 固体電解質体が基部及び基部に直接結合する球状突起部
    からなり,球状突起部を少なくとも含む位置において測
    定電極を備え, 測定電極が多孔質の第1保護層で被覆されると共に,第
    1保護層が多孔質の第2保護層で被覆され,第1,第2保
    護層夫々が被測定ガスの酸化反応を促進する貴金属触媒
    を担持し, 第1保護層が被測定ガスに対して安定な金属酸化物から
    なり, 第2保護層が非化学量論的な遷移金属酸化物からなり, 素子のうち少なくとも検知機能に関与する部分を加熱す
    るヒータを備えている, 酸素センサ素子。
  2. 【請求項2】遷移金属酸化物がチタニアである請求項1
    記載の酸素センサ素子。
  3. 【請求項3】第2保護層に担持される触媒の量が,第2
    保護層材料に対して0.02〜5mol%(貴金属換算)である
    請求項1記載の酸素センサ素子。
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