JP4874764B2 - アンモニアガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検出ガス雰囲気中のアンモニアガスを検出するに適したアンモニアガスセンサ及びその製造方法に関する。
従来、この種のアンモニアガスセンサにおいては、下記特許文献1に開示されたアンモニアガスセンサが提案されている。このアンモニアガスセンサは、固体電解質と、この固体電解質にその両側面から設けた基準電極及び検知電極とを備えている。ここで、検知電極は、アンモニアガス選択材料、例えばバナジウムでもって形成されている。
米国特許第7074319号公報
ところで、上記アンモニアガスセンサにおいては、検知電極が上述のごとくバナジウムで形成されているため、アンモニアガスに対するガス選択性は高いとしても、当該検知電極としての集電能力が低い。従って、アンモニアガスセンサとしての検出出力、ひいては感度のばらつきが大きく、安定しにくいという不具合を招く。
これに対しては、検知電極を、バナジウムに代えて、従来から知られている金でもって形成することが考えられる。しかし、この場合、検知電極としては、集電能力は高くなるものの、アンモニアガスに対するガス選択性が低いという不具合を招く。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、アンモニアガスに対するガス選択性及び集電能力の双方を適正に発揮し得るように、固体電解質からなる酸素イオン伝導体に対する電極構成に工夫を凝らし、アンモニアガスを妨害ガスから適正に選択しかつ安定的に検出するようにしたアンモニアガスセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係るアンモニアガスセンサは、請求項1の記載によれば、
固体電解質からなる酸素イオン伝導体(10)と、
この酸素イオン伝導体の一方の面に沿い設けられる基準側電極層(20)と、
貴金属を主成分とする材料で形成される層状の検知電極部(31)と、酸化物を主成分とする材料で形成される層状の選択反応部(32)とを有し、酸素イオン伝導体を介し基準側電極層に対向するように酸素イオン伝導体の他方の面に沿い設けてなる他方側電極層(30)とを備え
検知電極部は、酸素イオン伝導体の他方の面上に設けられており、また、選択反応部は、検出電極部上に設けられており、
検知電極部には、選択反応部の形成材料が拡散されてなる。
このように、他方側電極層は、貴金属を主成分とする材料からなる検知電極部と、酸化物を主成分とする材料からなる選択反応部とを、共に有するように構成されているため、当該他方側電極層は、検知電極部の高い集電能力及び選択反応部の高いガス選択性の双方を効果的に発揮し得る。その結果、当該アンモニアガスセンサは、被検出ガス雰囲気内のアンモニアガスを、妨害ガスから適正に選択し、かつ、ばらつきを伴うことなく安定的に検出し得る。
なお、他方側電極層は、検知電極部と選択反応部とがそれぞれ層状に形成されている。そして、検知電極部が、酸素イオン伝導体を介し基準側電極層に対向するように酸素イオン伝導体の他方の面に沿い設けられており、選択反応部が、検知電極部に沿いこれを介し酸素イオン伝導体に対向するように設けられている。
また、本発明は、検知電極部には、選択反応部の形成材料が拡散されてなる。
これによれば、選択反応部が、検知電極部から剥離することなく、当該検知電極部と良好な密着状態を確保し得る。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載のアンモニアガスセンサにおいて、他方側電極層をその厚さ方向に2つの層に分けた際に、これら2つの層の各々に含まれる選択反応部の形成材料に濃度差が生じていることを特徴とする。
これにより、他方側電極層は、検知電極部の高い集電能力及び選択反応部のアンモニアガスに対する高いガス選択性の双方をより一層効果的に発揮し得る。その結果、アンモニアガスセンサは、被検出ガス雰囲気内のアンモニアガスを妨害ガスからより一層適正に選択し、かつ、ばらつきをより一層抑制でき安定的に検出し得る。
なお、上述した「他方側電極層をその厚さ方向に2つの層に分けた」とは、他方側電極層をその厚さ方向に任意に2層に分けたことをいう。
また、この任意の2つの層に分けた際、これら2つの層の各々に含まれる選択反応部の形成材料に濃度差が生ずるアンモニアガスセンサとしては、検知電極部の形成材料と選択反応部の形成材料とを予め混合して酸素イオン伝導体上に形成することで、検知電極部と選択反応部とが他方側電極層に略均一に存在するアンモニアガスセンサではなく、例えば、検知電極部と選択反応部とをそれぞれ酸素イオン伝導体上に形成し、これら検知電極部と選択反応部の形成後に選択反応部の形成材料検知電極部に拡散するようなアンモニアガスセンサが挙げられる。このように、検知電極部と選択反応部との各々が酸素イオン伝導体上に存在することで、検知電極部の高い集電能力及び選択反応部の高いガス選択性の双方がより一層効果的に発揮され得る。
また、本発明は、請求項の記載によれば、請求項1または2に記載のアンモニアガスセンサにおいて、
検知電極部の形成材料は、上記貴金属として、金及び白金のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする。
これにより、請求項1または2に記載の発明の作用効果がより一層確実に達成され得る。
また、本発明は、請求項の記載によれば、請求項1〜のいずれか1つに記載のアンモニアガスセンサにおいて、
選択反応部の形成材料は、上記酸化物として、バナジウム酸化物、タングステン酸化物及びモリブテン酸化物のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする。
これにより、請求項1〜のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層確実に達成され得る。
また、本発明は、請求項の記載によれば、請求項に記載のアンモニアガスセンサにおいて、選択反応部の形成材料は、さらに、貴金属をも含有することを特徴とする。
これにより、選択反応部の高いガス選択性に加え、集電能力をも高めることができ、その結果、請求項に記載の発明の作用効果がより向上され得る。なお、当該貴金属としては、金或いは白金が好ましい。
また、本発明は、請求項の記載によれば、請求項1〜のいずれか1つに記載のアンモニアガスセンサにおいて、選択反応部の形成材料は、上記酸化物として、固体酸性質を示す材料からなることを特徴とする。
これによっても、請求項1〜のいずれか1つに記載の発明と同様の作用効果が達成され得る。
また、本発明に係るアンモニアガスセンサの製造方法は、請求項の記載によれば、
固体電解質の酸素イオン伝導体(10)を形成する酸素イオン伝導体形成工程と、
酸素イオン伝導体の一方の面に沿い基準側電極層(20)を形成する基準側電極層形成工程と、
貴金属を主成分とする材料からなる層状の未焼成検知電極部と酸化物を主成分とする材料からなる層状の未焼成選択反応部と用いて、酸素イオン伝導体を介し基準側電極層に対向して酸素イオン伝導体の他方の面に沿い検知電極部(31)及び選択反応部(32)を他方側電極層(30)として形成するように、焼成する他方側電極層形成工程とを備え
他方側電極層形成工程では、
未焼成検知電極部を酸素イオン伝導体の他方の面上に形成し、未焼成選択反応部を未焼成検知電極部上に形成して、
未焼成選択反応部をその少なくとも一部にて未焼成検知電極部に拡散させるように未焼成検知電極部及び未焼成選択反応部を同時に焼成して検知電極部及び選択反応部を形成する。
これによれば、作製されたアンモニアガスセンサにおいては、貴金属を主成分とする材料からなる検知電極部及び酸化物を主成分とする材料からなる選択反応部が、酸素イオン伝導体を介し基準側電極層に対向して酸素イオン伝導体の他方の面に沿い形成される。
ここで、検知電極部は、上述のように貴金属を主成分とする材料からなるため、高い集電能力を有する。また、選択反応部は、上述のように酸化物を主成分とする材料からなるため、アンモニアガスに対する高いガス選択性を有する。従って、検知電極部の高い集電能力及び選択反応部のアンモニアガスに対する高いガス選択性の双方を効果的に発揮し得るアンモニアガスセンサの提供が可能となる。
なお、検知電極部の形成材料と選択反応部の形成材料とを予め混合して酸素イオン伝導体上に形成するのではなく、上述のように未焼成検知電極部と未焼成選択反応部とをそれぞれ酸素イオン伝導体上に形成するので、焼成後のアンモニアガスセンサは、検知電極部と選択反応部とが、共に、酸素イオン伝導体上に存在することとなり、検知電極部の高い集電能力及び選択反応部の高いガス選択性の双方がより一層効果的に発揮され得る。
さらに、未焼成選択反応部及び未焼成検知電極部を酸素イオン伝導体の他方の面に沿い形成して、未焼成選択反応部をその少なくとも一部にて未焼成検知電極部に拡散させるように未焼成検知電極部及び未焼成選択反応部を同時に焼成する。
従って、アンモニアガスセンサの製造にあたり、余分な焼成工程を必要とすることなく、選択反応部の形成材料がその少なくとも一部にて検知電極部に拡散してなる他方側電極層の形成が可能となる。
ここで、未焼成選択反応部の形成材料が未焼成検知電極部に拡散するように未焼成選択反応部及び未焼成検知電極部を焼成することで、検知電極部及び選択反応部が形成される。その結果、当該アンモニアガスセンサにおいては、選択反応部が、検知電極部から剥離することなく当該検知電極部と良好な密着状態に維持され得る。
また、本発明に係るアンモニアガスセンサの製造方法は、請求項8の記載によれば、
固体電解質の酸素イオン伝導体(10)を形成する酸素イオン伝導体形成工程と、
酸素イオン伝導体の一方の面に沿い基準側電極層(20)を形成する基準側電極層形成工程と、
貴金属を主成分とする材料からなる層状の未焼成検知電極部と酸化物を主成分とする材料からなる層状の未焼成選択反応部と用いて、酸素イオン伝導体を介し基準側電極層に対向して酸素イオン伝導体の他方の面に沿い検知電極部(31)及び選択反応部(32)を他方側電極層(30)として形成するように、焼成する他方側電極層形成工程とを備え、
他方側電極層形成工程では、
未焼成検知電極部を酸素イオン伝導体の他方の面上に形成して焼成することにより、検知電極部を形成し、
然る後、未焼成選択反応部を検知電極部上に形成して、未焼成選択反応部をその少なくとも一部にて検知電極部に拡散させるように焼成することにより、選択反応部を形成する。
これによれば、作製されたアンモニアガスセンサにおいては、貴金属を主成分とする材料からなる検知電極部及び酸化物を主成分とする材料からなる選択反応部が、酸素イオン伝導体を介し基準側電極層に対向して酸素イオン伝導体の他方の面に沿い形成される。
ここで、検知電極部は、上述のように貴金属を主成分とする材料からなるため、高い集電能力を有する。また、選択反応部は、上述のように酸化物を主成分とする材料からなるため、アンモニアガスに対する高いガス選択性を有する。従って、検知電極部の高い集電能力及び選択反応部のアンモニアガスに対する高いガス選択性の双方を効果的に発揮し得るアンモニアガスセンサの提供が可能となる。
その上、アンモニアガスセンサの製造にあたり、検知電極部を形成した後に選択反応部を形成することにより、検知電極部及び選択反応部を同時に形成する場合に比べて、検知電極部の形状がより一層安定するように形成され得る。
ここで、未焼成選択反応部の形成材料が検知電極部に拡散するように未焼成選択反応部を焼成することで、選択反応部が形成される。従って、当該アンモニアガスセンサにおいては、選択反応部が、検知電極部から剥離することなく当該検知電極部と良好な密着状態に維持され得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明に係るアンモニアガスセンサの各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るアンモニアガスセンサの第1実施形態を縦断面により模式的に示しており、このアンモニアガスセンサは、例えば、内燃機関の排気系統の排気ガス雰囲気(被検出ガス雰囲気)中に含まれるアンモニアガスを検出するために用いられる。
当該アンモニアガスセンサは、酸素イオン伝導体10、基準側電極層20及び他方側電極層30を備えており、酸素イオン伝導体10は、固体電解質により有底筒状に形成されている。基準側電極層20は、基準電極として、白金(Pt)により、酸素イオン伝導体10の内周面に沿い有底筒状に形成されている。
他方側電極層30は、検知電極部31及び選択反応部32を有しており、検知電極部31は、金(Au)により、酸素イオン伝導体10の外周面下部に沿い有底筒状に形成されている。選択反応部32は、バナジウム酸化物(例えば、V25)により、検知電極部31をその外周面及び上端面から酸素イオン伝導体10の外周面下部に沿い被覆するように、有底筒状に形成されている。
また、当該アンモニアガスセンサは、ヒータ40を備えており、このヒータ40は、基準側電極層20内に立設されている。ここで、当該ヒータ40は、その各下端隅角部41にて、基準側電極層20の内面底部に当接されて、基準側電極層20との間の熱伝導を良好に確保することで、当該アンモニアガスセンサを所定の制御温度(例えば、650(℃))に維持する役割を果たす。
以上のように構成したアンモニアガスセンサは、基準側電極層20及び他方側電極層30を、それぞれ、大気及び上記被検出ガス雰囲気に晒すように内燃機関の排気系統に配設される。しかして、当該アンモニアガスセンサは、他方側電極層30の選択反応部32により、上記被検出ガス雰囲気中のアンモニアガスを妨害ガスから選択し、当該選択アンモニアガスを検知電極部31により集電し、酸素イオン伝導体10の酸素イオン伝導作用のもとに、基準側電極層20である基準電極と検知電極部31との間に電位差(アンモニアガスの濃度に対応)を検出出力として発生する。
ここで、他方側電極層30は、検知電極部31及び選択反応部32でもって構成されているため、アンモニアガスに対するガス選択性及び集電能力を共に高く確保できる。
また、検知電極部31には、選択反応部32の形成材料が拡散されている。このように、選択反応部32の形成材料が検知電極部31に拡散していることにより、選択反応部32が検知電極部31から剥離することなく検知電極部31と良好な密着状態に維持されている。なお、図1においては、検知電極部31と選択反応部32との間に境界が存在するように記載されているが、実際には、検知電極部31と選択反応部32との間の境界では、これら両者が混ざり合った状態となっている。
次に、上述のように構成したアンモニアガスセンサの製造方法について説明する。
1.酸素イオン伝導体10の形成工程
部分安定化ジルコニアの粉末を準備して有底筒状のゴム型(図示しない)内に充填する。ここで、当該部分安定化ジルコニアは、4.5(モル%)のイットリア酸化物(Y23)を主成分として含有する材料である。
上述の充填後、上記部分安定化ジルコニアの粉末を、上記ゴム型内にて有底筒状に加圧成形した上で、焼成温度1490(℃)にて焼成する。これにより、部分安定化ジルコニアの粉末が、固体電解質からなる有底筒状の酸素イオン伝導体10として形成される。
2.基準側電極層20の形成工程
上述のように酸素イオン伝導体10を形成した後、基準側電極層20となる白金(Pt)でもって、酸素イオン伝導体10の内周面に沿い無電解メッキを施した上で、焼成する。これにより、白金(Pt)が、無電解メッキ及び焼成でもって、基準側電極層20として、酸素イオン伝導体10の内周面に沿い形成される。
3.検知電極部ペーストの作製工程
上述のように基準側電極層20を形成した後、金(Au)、有機溶剤及び分散剤を乳鉢に入れて、らいかい機により4(時間)の間分散混合する。ついで、バインダー及び粘度調整材を、上述のように分散混合した金(Au)、有機溶剤及び分散剤に、それぞれ、所定量ずつ添加して、さらに、4(時間)の間、湿式混合を施して、検知電極部31となる検知電極部ペーストを作製する。
4.選択反応部ペーストの作製工程
上述のように検知電極部ペーストを作製した後、バナジウム酸化物(V25)、有機溶剤及び分散剤を乳鉢に入れて、らいかい機により4(時間)の間分散混合する。ついで、バインダー及び粘度調整材を、上述のように分散混合したバナジウム酸化物(V25)、有機溶剤及び分散剤に、それぞれ、所定量ずつ添加して、さらに、4(時間)の間、湿式混合を施して、選択反応部32となる選択反応部ペーストを作製する。
5.検知電極部31の形成工程
上述のようにして作製した検知電極部ペーストを、上述の酸素イオン伝導体10の外周面下部に沿い印刷して乾燥して未焼成検知電極部を形成し、然る後、当該未焼成検知電極部を、焼成温度1000(℃)にて、焼成時間1(時間)の間、焼成して、検知電極部31を形成する。
6.選択反応部32の形成工程
ついで、上述のように作製した選択反応部ペーストを、酸素イオン伝導体10の外周面下部に沿い、検知電極部31を被覆するように当該検知電極部31の外周面及び上端面に印刷して乾燥して未焼成選択反応部を形成し、然る後、当該未焼成選択反応部を、所定の焼成条件で焼成して、選択反応部32を形成する。本実施形態では、上記所定の焼成条件は、焼成温度750(℃)にて焼成時間10(分)の間焼成することをいう。
ここで、上述のように焼成温度750(℃)にて焼成時間10(分)の間焼成する過程において、選択反応部32のバナジウム酸化物(V25)が検知電極部13の金(Au)に拡散していく。これは、上述の焼成温度750(℃)が、バナジウム酸化物(V25)の融点(690(℃))よりも高く、金(Au)の融点(1064(℃))よりも低いため、上述の焼成工程において、バナジウム酸化物(V25)だけが融解し始めて、融解していない金(Au)内に拡散していくためであると考えられる。
従って、上記焼成工程後においては、検知電極部31及び選択反応部32との境界は、これら両者が混ざり合った状態に形成されている。このような形成状態においては、選択反応部32側から検知電極部31側にかけて上記バナジウム酸化物の濃度が変化している。
また、上述のように検知電極部31を形成した後に選択反応部32を形成するので、検知電極部31及び選択反応部32を同時に形成する場合に比べて、検知電極部31の形状がより一層安定するように形成され得る。
7.ヒータ40の立設工程
ついで、ヒータ40を、基準側電極層20の内面底部に立設する。このとき、ヒータ40は、その各下端隅角部41にて、基準側電極層20の内面底部に当接するように立設される。これにより、当該アンモニアガスセンサの製造が終了する。
次に、上述のように製造したアンモニアガスセンサの特性を評価してみた。この評価にあたり、上述のように製造したアンモニアガスセンサを実施例とした。また、この実施例との対比のために、比較例1及び比較例2を準備した。
ここで、比較例1及び比較例2は次のようにして準備した。本第1実施形態では、比較例1は、上記実施例において選択反応部32を除いた構成のアンモニアガスセンサとした。また、比較例2は、上記実施例において検知電極部31を除いた構成のアンモニアガスセンサとした。なお、この比較例2においては、上述の選択反応部ペーストを、酸素イオン伝導体10の外周面下部に沿い印刷して乾燥し、然る後、焼成温度750(℃)にて、焼成時間10(分)の間、焼成して、選択反応部32を形成した。
また、上述の評価にあたり、評価装置として、モデルガス発生装置を採用した。このモデルガス発生装置による測定条件及び測定方法は次の通りである。
測定条件:
評価用ガスの温度は280(℃)とする。上述の実施例並びに各比較例1及び2の各制御温度は、ヒータ40による加熱のもと、650(℃)維持されるものとする。また、上記評価用ガスの組成は、10(%)の酸素(O2)、5(%)の二酸化炭素(CO2)、5(%)の水(H2O)及び100(p.p.m.)のアンモニア(NH3)の各ガス成分及び妨害ガスとする。なお、妨害ガスは、100(p.p.m.C)のプロピレン(C36)と、100(p.p.m.)の一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分とする。
測定方法:
上述の実施例並びに各比較例1及び2を、上記モデルガス発生装置内にて、上記評価用ガスの流れの中に配置した。そして、上記実施例及び上記比較例1では、それぞれ、基準側電極層20と検知電極部31との間に生ずる電位差を測定する。また、上記比較例2では、基準側電極層20と選択反応部32との間に生ずる電位差を測定する。
但し、上記モデルガス発生装置内では、上記実施例及び比較例1は、それぞれ、基準側電極層20側にて大気に晒され、検知電極部31側にて上記評価用ガスに晒される。また、上記比較例2では、基準側電極層20側にて大気に晒され、選択反応部32側にて上記評価用ガスに晒される。
上述の測定条件及び測定方法のもと、上述の実施例並びに各比較例1及び2の各感度(mV)を、上記評価用ガスの各ガス成分との関係において測定してみた。
これによれば、上述の実施例の感度は、アンモニア(NH3)、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分との関係において、図2にて示す各棒グラフ1、1−1〜1−3が得られた。
図2において、上記実施例の感度は、各棒グラフ1−1、1−2及び1−3にて示すごとく、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分に対して、非常に低く、アンモニアのガス成分に対しては、棒グラフ1にて示すごとく、妨害ガスの各ガス成分に比べて、非常に高いことが分かる。
これは、上記実施例では、検知電極部31の集電能力が高く、かつ選択反応部32のアンモニアガスに対するガス選択性も高いためである。即ち、検知電極部31の高い集電能力及び選択反応部32のアンモニアガスに対する高いガス選択性が相乗的に作用して、図2の棒グラフ1のような結果が得られたものである。
また、上述の比較例1の感度は、アンモニア(NH3)、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分との関係において、図3にて示す各棒グラフ2、2−1〜2−3が得られた。
図3において、上記比較例1の感度は、棒グラフ2にて示すごとく、アンモニアのガス成分に対し、上記実施例に比べて高いが、プロピレン(C36)及び一酸化炭素(CO)の各ガス成分に対しても、各棒グラフ2−1、2−2及び2−3にて示すごとく、上記実施例に比べて高いことが分かる。
これは以下の理由に基づく。上記比較例1では、金(Au)からなる検知電極部31の集電能力を確保し得ても、選択反応部32が採用されていない。このため、検知電極部31の金(Au)のみでは、触媒活性が低く、アンモニア(NH3)だけでなく、それ以外の妨害ガスも、検知電極部31、酸素イオン伝導体10、アンモニアガス及び妨害ガスの間で形成される三相界面に到達することで、起電力が発生し、上記比較例1としてのアンモニアガスに対するガス選択性が非常に低くなることに起因する。
また、上述の比較例2の感度は、アンモニア(NH3)、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分との関係において、図4にて示す各棒グラフ3、3−1〜3−3が得られた。
図4において、上記比較例2の感度は、棒グラフ3にて示すごとく、アンモニアのガス成分に対し、上記実施例に比べて低く、また、各棒グラフ3−1、3−2及び3−3にて示すごとく、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分に対して、上記実施例と同様或いはそれ以下と低いことが分かる。
また、上述の実施例、比較例1及び比較例2を、それぞれ、20本ずつ準備して、これらの実施例、比較例1及び比較例2について、上述の測定条件及び測定方法のもと、アンモニアガスに対する感度を、集電効果の点から測定してみた。これによれば、図5にて示す図表が得られた。なお、図5の図表において、左欄の数1〜20のうち、例えば、「1」は、実施例、比較例1及び比較例2の各1本目を示す。
この図表によれば、上記実施例及び比較例1では、感度のばらつきが、平均値、標準偏差及び3σからみて、金(Au)からなる検知電極部31の集電能力に起因して、小さいことが分かる。従って、上記実施例及び比較例1は、アンモニアガスセンサとしての感度の安定性においては適正である。
また、図5の図表によれば、上記比較例2では、金(Au)からなる検知電極部31が採用されていないため、選択反応部32のみでは、集電能力が不足する。このため、上記比較例2では、感度のばらつきが、平均値、標準偏差及び3σからみて、大きい。
例えば、バナジウム酸化物(V25)は、上記比較例2の制御温度650(℃)においても、感度に対応する抵抗のばらつきが、大きく、数キロオームの範囲で発生する。従って、上記比較例2は、アンモニアガスセンサとしての感度の安定性に欠ける。
以上述べたことから分かる通り、上記実施例は、上記比較例1及び比較例2とは異なり、アンモニアガスに対するガス選択性に優れ、かつ安定した感度、ひいては安定した検出出力を有するアンモニアガスセンサとして提供され得ることが分かる。
また、このようなアンモニアガスセンサによれば、安定した感度は、上述の評価から分かるように、ヒータ40による制御温度、例えば、650(℃)という高い温度においても、確保され得る。ここで、ヒータ40による制御温度である650(℃)は、内燃機関の排気ガス雰囲気の温度よりも原則として高いが、当該アンモニアガスセンサの感度は、安定的に維持され得る。
また、当該アンモニアガスセンサは、上述のごとく、検知電極部31及び選択反応部32の採用により、アンモニアガスに対するガス選択性及び集電能力の双方において高く確保し得る。従って、検知電極部31が金(Au)であっても、これに高価なパラジウム(Pd)等の貴金属を添加する必要もなく、選択反応部32の採用でもって、当該アンモニアガスセンサが安価に提供され得る。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたアンモニアガスセンサにおいて、検知電極部31が、金(Au)ではなく、白金(Pt)でもって形成されている。
ここで、検知電極部ペーストを、金(Au)に代えて白金(Pt)を用いて上記第1実施形態と同様にして作製し、当該検知電極部ペーストでもって、上記第1実施形態にて述べた検知電極部31の形成工程と同様にして、焼成温度1200(℃)にて焼成時間10(分)の間焼成して、本第2実施形態の検知電極部を形成する。その他の構成及びアンモニアガスセンサの製造方法は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態におけるアンモニアガスセンサの感度を、上記第1実施形態と同様にして、上記評価用ガスの各ガス成分との関係において測定してみた。これによれば、本第2実施形態のアンモニアガスセンサの感度は、アンモニア(NH3)、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分との関係において、図6にて示す各棒グラフ4、4−1〜4−3として得られた。
この図6によれば、検知電極部31を白金(Pt)でもって形成しても、本第2実施形態のアンモニアガスセンサの感度は、各棒グラフ4−1、4−2及び4−3にて示すごとく、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分に対して非常に低く、アンモニアのガス成分に対しては、棒グラフ4にて示すごとく、妨害ガスの各ガス成分に比べて、非常に高いことが分かる。
これは、本第2実施形態のアンモニアガスセンサでは、検知電極部31が白金(Pt)で形成されていても、当該検知電極部31の集電能力が高く、バナジウム酸化物(V25)を主成分とする選択反応部32のアンモニアガスに対するガス選択性が高いためである。
即ち、本第2実施形態のアンモニアガスセンサでは、検知電極部31の高い集電能力及び選択反応部32のアンモニアガスに対する高いガス選択性が、上記第1実施形態と同様に相乗的に作用して、図6の棒グラフ4のような結果が得られたものである。
ちなみに、本第2実施形態のアンモニアガスセンサにおいて、選択反応部32を廃止した構成を、比較例3として準備して、この比較例3の感度を、本第2実施形態のアンモニアガスセンサと同様にして、上記評価用ガスの各成分との関係において測定してみた。
これによれば、上記比較例3の感度は、アンモニア(NH3)、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分との関係において、図7にて示す各棒グラフ5、5−1、5−2が得られた。なお、一酸化炭素(CO)のガス成分に対する感度は零である。
図7の各棒グラフ5、5−1、5−2によれば、上記比較例3の感度は、プロピレン(C36)、一酸化炭素(CO)及び一酸化窒素(NO)の各ガス成分に対してだけでなく、アンモニアのガス成分に対しても非常に低いことが分かる。
これは、白金(Pt)の触媒機能、即ち集電能力が高く、アンモニア及び妨害ガスの各成分が燃焼してしまい、一方において、選択反応部32がないために、アンモニアガスに対するガス選択性がないためである。
以上のことから分かるように、本第2実施形態によれば、検知電極部31を白金(Pt)で形成しても、当該検知電極部31の集電能力及び選択反応部32のガス選択性の双方を高く確保し得るアンモニアガスセンサの提供が可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態において、アンモニアガスセンサの選択反応部32が、バナジウム酸化物(V25)ではなく、タングステン酸化物(WO3)或いはモリブテン酸化物(MoO3)でもって形成されている。その他のアンモニアガスセンサとしての構成及び製造方法は、上記第1実施形態と実質的に同様である。
このように構成した本第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた実施例において、選択反応部32を、バナジウム酸化物(V25)ではなく、タングステン酸化物(例えば、WO3)でもって形成して、実施例1として準備し、また、選択反応部32を、モリブテン酸化物(例えば、MoO3)でもって形成して、実施例2として準備した。
このように準備した各実施例1、2につき、上記第1実施形態にて述べた測定条件及び測定方法のもと、感度とアンモニア(NH3)及びプロピレン(C36)の各ガス成分との関係につき測定してみた。なお、上記評価用ガス中の妨害ガスのガス成分は、本第3実施形態では、100(p.p.m.C)のプロピレン(C36)のみとする。
これによれば、図8にて示す各棒グラフ6、6−1、7、7−1、8、8−1が得られた。ここで、各棒グラフ6及び6−1は、上記第1実施形態にて述べたアンモニアガスセンサ(選択反応部32の形成材料がバナジウム酸化物(V25))の感度を、それぞれ、アンモニア(NH3)及びプロピレン(C36)の各ガス成分との関係で示す。
各棒グラフ7及び7−1は、本第3実施形態にて述べたアンモニアガスセンサ(選択反応部32の形成材料がタングステン酸化物(WO3))の感度を、それぞれ、アンモニア(NH3)及びプロピレン(C36)の各ガス成分との関係で示す。
また、各棒グラフ8及び8−1は、本第3実施形態にて述べたアンモニアガスセンサ(選択反応部32の形成材料がモリブテン酸化物(MoO3))の感度を、それぞれ、アンモニア(NH3)及びプロピレン(C36)の各ガス成分との関係で示す。
しかして、各棒グラフ6及び6−1によれば、上記第1実施形態にて述べたごとく、バナジウム酸化物(V25)からなる選択反応部32のアンモニアガスに対する高いガス選択性を発揮し得ることが分かる。
また、各棒グラフ7及び7−1によれば、タングステン酸化物(WO3)からなる選択反応部32のアンモニアガスに対するガス選択性が、共に、上記第1実施形態によりも高く発揮され得ることが分かる。
また、各棒グラフ8及び8−1によれば、モリブテン酸化物(MoO3)からなる選択反応部32のアンモニアガスに対するガス選択性が、各棒グラフ7及び7−1による場合よりも、共に低いものの、アンモニアガスに対する感度が、プロピレンに対する感度よりも実用上差し支えない程度に高いことが分かる。
以上より、本第3実施形態によれば、選択反応部32がタングステン酸化物(WO3)或いはモリブテン酸化物(MoO3)で形成されていても、上記第1実施形態にて述べたアンモニアガスセンサと実質的に同様の作用効果を達成し得るアンモニアガスセンサの提供が可能となる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)選択反応部32の形成材料は、上記第3実施形態にて述べたものに限ることなく、ゼオライトや固体超強酸等の固体酸性質を示す材料であってもよい。これによっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
(2)上記第1実施形態において、未焼成検知電極部を酸素イオン伝導体10の他方の面に沿い形成した後、当該未焼成検知電極部を介し未焼成選択反応部を酸素イオン伝導体10の他方の面に対向するように形成して、未焼成選択反応部の形成材料がその少なくとも一部にて未焼成選択反応部に拡散するように、未焼成検知電極部及び未焼成選択反応部を同時に焼成して検知電極部31及び選択反応部32を形成するようにしてもよい。
これにより、未焼成検知電極部及び未焼成選択反応部に対する別々の焼成の一方が不要となって、アンモニアガスセンサの製造工程の簡単化に役立つ。なお、このようなことは、上記第2或いは第の実施形態においても、同様に成立する。
)上記各実施形態のいずれかにおいて、酸素イオン伝導体10と検知電極部31との間の密着性を高めるために、検知電極部31の形成材料に部分安定化ジルコニアを添加するようにしてもよい。
)本発明に係るアンモニアガスセンサの断面形状は、上記実施形態にて述べたような有底筒状に限ることなく、断面コ字状、断面V字状、断面平板状等の各種の形状であってもよい。
)選択反応部の形成材料は、バナジウム酸化物、タングステン酸化物及びモリブテン酸化物のうち少なくとも一種の他、さらに、少量の貴金属をも含有するようにしてもよい。
これにより、選択反応部は、集電能力をも高めつつ、アンモニアガスに対するガス選択性を高く確保し得る。
)本発明の実施にあたり、当該アンモニアガスセンサは、内燃機関の排気ガス系統に限ることなく、排気ガスを発生する機関や装置等であれば、どのようなものに、本発明を適用してもよい。
本発明に係るアンモニアガスセンサの第1実施形態を示す縦断面図である。 上記第1実施形態における実施例の感度をアンモニア及び妨害ガスの各ガス成分との関係で示す棒グラフである。 上記第1実施形態における比較例1の感度をアンモニア及び妨害ガスの各ガス成分との関係で示す棒グラフである。 上記第1実施形態における比較例2の感度をアンモニア及び妨害ガスの各ガス成分との関係で示す棒グラフである。 上記第1実施形態における各20本の実施例、比較例1及び比較例2の感度のばらつきを、各平均値、標準偏差及び3σとともに示す図表である。 本発明の第2実施形態におけるアンモニアガスセンサの感度をアンモニアガス及び妨害ガスの各ガス成分との関係で示す棒グラフである。 上記第2実施形態における比較例2の感度をアンモニアガス及び妨害ガスの各ガス成分との関係で示す棒グラフである。 本発明の第3実施形態におけるアンモニアガスセンサの感度を、選択反応部をバナジウム酸化物、タングステン酸化物及びモリブテン酸化物で形成した場合につき、アンモニアガス及び妨害ガスのガス成分との関係で示す各棒グラフである。
符号の説明
10…酸素イオン伝導体、20…基準側電極層、30…他方側電極層、
31…検知電極部、32…選択反応部。

Claims (8)

  1. 固体電解質からなる酸素イオン伝導体と、
    この酸素イオン伝導体の一方の面に沿い設けられる基準側電極層と、
    貴金属を主成分とする材料で形成される層状の検知電極部と、酸化物を主成分とする材料で形成される層状の選択反応部とを有し、前記酸素イオン伝導体を介し前記基準側電極層に対向するように前記酸素イオン伝導体の他方の面に沿い設けてなる他方側電極層とを備え
    前記検知電極部は、前記酸素イオン伝導体の他方の面上に設けられており、また、前記選択反応部は、前記検出電極部上に設けられており、
    前記検知電極部には、前記選択反応部の形成材料が拡散されてなるアンモニアガスセンサ。
  2. 前記他方側電極層をその厚さ方向に2つの層に分けた際に、これら2つの層の各々に含まれる前記選択反応部の形成材料に濃度差が生じていることを特徴とする請求項1に記載のアンモニアガスセンサ。
  3. 前記検知電極部の形成材料は、前記貴金属として、金及び白金のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアンモニアガスセンサ。
  4. 前記選択反応部の形成材料は、前記酸化物として、バナジウム酸化物、タングステン酸化物及びモリブテン酸化物のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアンモニアガスセンサ。
  5. 前記選択反応部の形成材料は、さらに、貴金属をも含有することを特徴とする請求項4に記載のアンモニアガスセンサ。
  6. 前記選択反応部の形成材料は、前記酸化物として、固体酸性質を示す材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアンモニアガスセンサ。
  7. 固体電解質の酸素イオン伝導体を形成する酸素イオン伝導体形成工程と、
    前記酸素イオン伝導体の一方の面に沿い基準側電極層を形成する基準側電極層形成工程と、
    貴金属を主成分とする材料からなる層状の未焼成検知電極部と酸化物を主成分とする材料からなる層状の未焼成選択反応部と用いて、前記酸素イオン伝導体を介し前記基準側電極層に対向して前記酸素イオン伝導体の他方の面に沿い検知電極部及び選択反応部を他方側電極層として形成するように、焼成する他方側電極層形成工程とを備え、
    前記他方側電極層形成工程では、
    前記未焼成検知電極部を前記酸素イオン伝導体の他方の面上に形成し、前記未焼成選択反応部を前記未焼成検知電極部上に形成して、
    前記未焼成選択反応部をその少なくとも一部にて前記未焼成検知電極部に拡散させるように前記未焼成検知電極部及び前記未焼成選択反応部を同時に焼成して前記検知電極部及び前記選択反応部を形成するアンモニアガスセンサの製造方法。
  8. 固体電解質の酸素イオン伝導体を形成する酸素イオン伝導体形成工程と、
    前記酸素イオン伝導体の一方の面に沿い基準側電極層を形成する基準側電極層形成工程と、
    貴金属を主成分とする材料からなる層状の未焼成検知電極部と酸化物を主成分とする材料からなる層状の未焼成選択反応部と用いて、前記酸素イオン伝導体を介し前記基準側電極層に対向して前記酸素イオン伝導体の他方の面に沿い検知電極部及び選択反応部を他方側電極層として形成するように、焼成する他方側電極層形成工程とを備え、
    前記他方側電極層形成工程では、
    前記未焼成検知電極部を前記酸素イオン伝導体の他方の面上に形成して焼成することにより、前記検知電極部を形成し、
    然る後、前記未焼成選択反応部を前記検知電極部上に形成して、前記未焼成選択反応部をその少なくとも一部にて前記検知電極部に拡散させるように焼成することにより、前記選択反応部を形成するアンモニアガスセンサの製造方法。
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