JP2005315845A - ガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】接触燃焼式ガスセンサのガス感度の向上を図り、また、応答速度の向上を図ること。また、ゼロ点変動の小さい接触燃焼式ガスセンサを得ること。
【解決手段】接触燃焼式ガスセンサの検知素子2の熱伝導層21に、窒化ホウ素を添加する。その添加割合を、熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料、例えばアルミナの30重量%以上100重量%以下とする。補償素子4の熱伝導層21についても同様とする。また、検知素子2の触媒層23に、窒化ホウ素を添加する。その添加割合を、触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料、例えば酸化スズの10重量%以上80重量%以下とする。補償素子4の補償材料層43についても同様とする。
【選択図】 図1


Description

この発明は、ガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサに関する。
従来より、水素ガスやメタンガス等の可燃性ガスを検知するセンサとして、接触燃焼式ガスセンサが公知である。接触燃焼式ガスセンサは、検知対象ガスを、そのガスを燃焼させて検知する検知素子を備えている。検知素子は、焼結体中にヒータコイルの主要部が埋め込まれた構成となっている。
上述した構成の接触燃焼式ガスセンサを使用する際には、焼結体は、検知対象ガスに応じた温度に保持される。その状態で、検知対象ガスが焼結体に接触すると、検知対象ガスは燃焼する。その際に発生した燃焼熱の一部は、焼結体を伝わり、焼結体中のヒータコイルに伝わる。残りの燃焼熱は、環境雰囲気中に発散される。熱伝導によりヒータコイルの温度が変化すると、ヒータコイルの抵抗が変化する。その抵抗変化は、電圧変化として検知素子から出力される。この出力電圧の変化を読み取ることによって、可燃性ガスの存在を検知することができる。
前記検知素子として、窒化アルミニウムをアルミナで結合した熱伝導層(前記焼結体に相当)の中央部に白金線コイルを埋め込むとともに、熱伝導層に、可燃性ガスを燃焼させるための酸化触媒を担持させたものが公知である(例えば、特許文献1参照。)。また、接触燃焼式ガスセンサは、上述した検知素子と、環境雰囲気の温度変化による検知素子の出力電圧の変動を補償するための補償素子と、2個の抵抗素子とからなるホイートストンブリッジ回路を備えている。補償素子は、検知素子と同様の構成で、かつ触媒の代わりに、不活性な酸化物を担持させた構成となっている。そのため、検知対象ガスは、この補償素子に接触しても燃焼しない。そして、このホイートストンブリッジ回路から、検知素子の出力電圧の変化量から環境雰囲気の温度変化の影響を除いた電圧が出力される。
特開平3−162658号公報(第1図)
しかしながら、本発明者らが試験を行ったところ、上記特許文献1に開示された検知素子では、可燃性ガスが燃焼する環境における窒化アルミニウムの安定性が低いため、以下のような問題点のあることが明らかとなった。すなわち、水素やメタン等の検知対象ガスが燃焼すると、次の(1)式の反応が起こり、水蒸気が生じる。その水蒸気は、窒化アルミニウムと反応する。それによって、次の(2)式に示すように、窒化アルミニウムが分解して、アルミナとアンモニアが生じる。
2H2+O2→2H2O ・・・(1)
2AlN+3H2O→Al23+2NH3 ・・・(2)
検知素子の近傍にアンモニアが存在すると、酸化触媒の、可燃性ガスを燃焼させる能力(燃焼活性)が一時的に劣化する。そのため、一時的に検知素子のガス感度が低下してしまう。また、熱伝導層が、可燃性ガスの燃焼とともに、窒化アルミニウムを主とする組成からアルミナを主とする組成へ変化していく。それに伴って、熱伝導層の熱伝導度が変化するので、ガスセンサのゼロ点が変動してしまう。このような事情により、特許文献1に記載された検知素子を用いて実際に接触燃焼式ガスセンサを製品化するのは、極めて困難である。
ところで、接触燃焼式ガスセンサでは、同じガス濃度であれば、ホイートストンブリッジ回路から出力される電圧の変化量は大きい方が好ましい。この出力電圧の変化量が大きいということは、ガス感度が高いということである。ガス感度を高くするには、検知対象ガスの燃焼により発生した全燃焼熱に対して、環境雰囲気中に発散される割合を減らし、その分、焼結体中を伝わってヒータコイルに達する割合を増やせばよい。
また、接触燃焼式ガスセンサでは、同じガス濃度であれば、ホイートストンブリッジ回路から出力される電圧ができるだけ短時間で安定する方が好ましい。出力電圧の安定に要する時間が短いということは、応答速度が速いということである。応答速度を速くするには、検知対象ガスの燃焼により発生した燃焼熱が、できるだけ速やかに焼結体中を伝わってヒータコイルに達するようにすればよい。
さらに、実際に接触燃焼式ガスセンサを使用している間、ガスセンサのゼロ点はできるだけ変動しないのが望ましい。そのためには、検知素子を製造する段階で十分に焼結体を焼き固めておけばよい。製造段階での焼き固めが不十分であると、実際の運用時に、ヒータコイルに通電し、それによる発熱によって焼結体を検知対象ガスに応じた温度に保持している間に焼結体の焼き固めが進行し、それによって焼結体の熱伝導特性等の物理的な特性が変化し、ゼロ点が変動してしまう。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ガス感度の向上を図ることができるガスセンサ用検知素子、または、応答速度の高速化を図ることができるガスセンサ用検知素子、または、ゼロ点変動を小さくすることができるガスセンサ用検知素子を提供することを目的とする。また、この発明は、ガス感度が高い接触燃焼式ガスセンサ、または、応答速度が速い接触燃焼式ガスセンサ、または、ゼロ点変動が小さい接触燃焼式ガスセンサを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するヒータコイルと、該ヒータコイルの一部を被い、かつ接触したガスを燃焼させるとともに、ガスの燃焼により発生した燃焼熱を前記ヒータコイルに伝える焼結体と、を備えた、接触燃焼式ガスセンサに用いられる検知素子であって、前記焼結体には、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、窒化ホウ素は、電気伝導性が殆どなく、かつ熱容量が小さくて熱伝導性が高いので、焼結体の熱伝導性が高くなる。そのため、環境雰囲気中に発散される燃焼熱の割合が減り、その分、焼結体中を伝わってヒータコイルに達する燃焼熱の割合が増えるので、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、その出力電圧の変化量が大きくなり、ガス感度が高くなる。また、焼結体の熱伝導性が高くなることによって、燃焼熱がヒータコイルに達するまでの時間が短縮されるので、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、応答速度が速くなる。
さらに、請求項1の発明によれば、この検知素子の製造段階において、ヒータコイルにスラリーを塗布した状態でヒータコイルに通電し、それによってヒータコイルが発生する熱によって焼結体を焼き固める際に、焼結体に十分な熱が伝わるので、焼結体を十分に焼き固めることができる。そのため、実際の運用時に、ヒータコイルを発熱させても焼結体の焼き固めは、それ以上、殆ど進行しない。従って、実際の運用後に焼結体の熱伝導特性等の物理的な特性が変化することは殆どないので、ゼロ点の経時変化の小さい安定した特性が得られる。
請求項2の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項1に記載の発明において、前記窒化ホウ素の添加量は、前記焼結体を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であることを特徴とする。請求項2の発明によれば、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなる。窒化ホウ素の添加量が30重量%未満では、有意な効果は得られない。
請求項3の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項1に記載の発明において、前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記ヒータコイルとの間に充填されて前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導層と、を有し、前記熱伝導層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする。請求項3の発明によれば、熱伝導層は、焼結体の大部分を占めるので、熱伝導層に窒化ホウ素を添加することにより、窒化ホウ素を添加した効果、すなわちこの検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなるという効果が顕著に現れる。
請求項4の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項3に記載の発明において、前記窒化ホウ素の添加量は、前記熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であることを特徴とする。請求項4の発明によれば、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなる。窒化ホウ素の添加量が30重量%未満では、有意な効果は得られない。
請求項5の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項1に記載の発明において、前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記ヒータコイルとの間に充填されて前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導層と、を有し、前記触媒層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする。請求項5の発明によれば、触媒層にのみ、窒化ホウ素を添加しても、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサの応答速度が速くなる。
請求項6の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項5に記載の発明において、前記窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であることを特徴とする。請求項6の発明によれば、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサの応答速度が速くなる。窒化ホウ素の添加量が10重量%未満では、有意な効果は得られない。また、窒化ホウ素自体は、触媒層と検知対象ガスとの接触燃焼に対して直接的には寄与しないので、窒化ホウ素の添加量が80重量%を超えると、触媒層の、検知対象ガスを燃焼させる能力(燃焼活性)が下がってしまい、好ましくない。
請求項7の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項1に記載の発明において、前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記ヒータコイルとの間に充填されて前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導層と、を有し、前記熱伝導層および前記触媒層には、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする。請求項7の発明によれば、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項8の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項7に記載の発明において、前記熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、前記触媒層における窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。熱伝導層における窒化ホウ素の添加量が30重量%未満では、有意な効果は得られない。また、触媒層における窒化ホウ素の添加量が10重量%未満では、有意な効果は得られない。また、窒化ホウ素自体は、触媒層と検知対象ガスとの接触燃焼に対して直接的には寄与しないので、触媒層における窒化ホウ素の添加量が80重量%を超えると、触媒層の、検知対象ガスを燃焼させる能力(燃焼活性)が下がってしまい、好ましくない。
請求項9の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項1または2に記載の発明において、前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒材と、前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導材とを混合した単一層でできていることを特徴とする。請求項9の発明によれば、焼結体が単一層で構成されている場合でも、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項10の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項2に記載の発明において、前記ベース材料は、アルミナであることを特徴とする。請求項10の発明によれば、窒化ホウ素はアルミナよりも熱伝導性に優れるので、アルミナの一部または全部を窒化ホウ素で置き換えることにより、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項11の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項4または8に記載の発明において、前記熱伝導層のベース材料は、アルミナであることを特徴とする。請求項11の発明によれば、窒化ホウ素はアルミナよりも熱伝導性に優れるので、アルミナの一部または全部を窒化ホウ素で置き換えることにより、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項12の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項6または8に記載の発明において、前記触媒層のベース材料は、酸化スズであることを特徴とする。請求項12の発明によれば、窒化ホウ素は酸化スズよりも熱伝導性に優れるので、酸化スズの一部を窒化ホウ素で置き換えることにより、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサの応答速度が速くなる。
請求項13の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の発明において、前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする。請求項13の発明によれば、焼結体中に埋め込まれたヒータコイルの有効長が長くなるので、ヒータコイルの抵抗が大きくなる。従って、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、より一層、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けて、効率よく抵抗変化を起こすので、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、より一層、応答速度が速くなる。
請求項14の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の発明において、前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする。請求項14の発明によれば、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサのガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項15の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項3〜8、11または12のいずれか一つに記載の発明において、前記触媒層と前記熱伝導層の間に、検知対象ガスに対して前記触媒層よりも高い燃焼活性を有する中間層が設けられていることを特徴とする。請求項16の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項15に記載の発明において、前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする。
請求項17の発明にかかるガスセンサ用検知素子は、請求項15に記載の発明において、前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする。請求項15〜17の発明によれば、検知対象ガスの接触燃焼性が向上し、ガス感度が増加する。また、検知対象ガスの接触燃焼部位が焼結体の最外殻部よりも内側に位置するので、実環境での使用時においてガス感度の劣化要因となる物質が焼結体の最外殻部に蓄積しても、それによるガス感度の劣化率が小さくなる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項18の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化する第1のヒータコイル、および該第1のヒータコイルの一部を被い、かつ接触したガスを燃焼させるとともに、ガスの燃焼により発生した燃焼熱を前記第1のヒータコイルに伝える第1の焼結体を備え、該第1の焼結体に構成材料として窒化ホウ素が添加されている検知素子と、前記検知素子と同一構成の第2のヒータコイル、および該第2のヒータコイルの一部を被い、かつ周囲の温度を前記第2のヒータコイルに伝える第2の焼結体を備え、該第2の焼結体に構成材料として窒化ホウ素が添加されている補償素子と、第1の抵抗素子と、前記第1の抵抗素子に直列に接続された第2の抵抗素子と、前記検知素子と前記補償素子との直列接続体、および前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との直列接続体のそれぞれの両端に直流電圧を印加する電源と、を備え、前記検知素子、前記補償素子、前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子は、ホイートストンブリッジ回路を構成し、該ホイートストンブリッジ回路から、前記検知素子と前記補償素子との接続ノードと、前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との接続ノードとの間の電圧が出力されることを特徴とする。
請求項18の発明によれば、窒化ホウ素は、電気伝導性が殆どなく、かつ熱容量が小さくて熱伝導性が高いので、検知素子の焼結体の熱伝導性が高くなる。そのため、環境雰囲気中に発散される燃焼熱の割合が減り、その分、焼結体中を伝わってヒータコイルに達する燃焼熱の割合が増えるので、出力電圧の変化量が大きくなり、ガス感度が高くなる。また、検知素子の焼結体の熱伝導性が高くなることによって、燃焼熱がヒータコイルに達するまでの時間が短縮されるので、応答速度が速くなる。
さらに、請求項18の発明によれば、検知素子および補償素子のそれぞれの製造段階において、ヒータコイルにスラリーを塗布した状態でヒータコイルに通電し、その通電によってヒータコイルが発生する熱によって焼結体を焼き固める際に、焼結体に十分な熱が伝わるので、焼結体を十分に焼き固めることができる。そのため、実際の運用時に、検知対象ガスの燃焼によって熱が発生しても、検知素子の焼結体の焼き固めは、それ以上、殆ど進行しない。従って、実際の運用後に検知素子の焼結体の熱伝導特性等の物理的な特性が変化することは殆どないので、ゼロ点の経時変化の小さい安定した特性が得られる。
請求項19の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項18に記載の発明において、前記第1の焼結体における窒化ホウ素の添加量は、前記第1の焼結体を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、前記第2の焼結体における窒化ホウ素の添加量は、前記第2の焼結体を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、かつ前記第1の焼結体における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする。請求項19の発明によれば、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなる。窒化ホウ素の添加量が30重量%未満では、有意な効果は得られない。
請求項20の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項18に記載の発明において、前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記第1のヒータコイルとの間に充填されて前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える第1の熱伝導層と、を有し、前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料層と、該補償材料層と前記第2のヒータコイルとの間に充填されて前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える第2の熱伝導層と、を有し、前記第1の熱伝導層および前記第2の熱伝導層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする。請求項20の発明によれば、熱伝導層は、焼結体の大部分を占めるので、熱伝導層に窒化ホウ素を添加することにより、窒化ホウ素を添加した効果、すなわちガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなるという効果が顕著に現れる。
請求項21の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項20に記載の発明において、前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第1の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、前記第2の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第2の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、かつ前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする。請求項21の発明によれば、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなる。窒化ホウ素の添加量が30重量%未満では、有意な効果は得られない。
請求項22の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項18に記載の発明において、前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記第1のヒータコイルとの間に充填されて前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える第1の熱伝導層と、を有し、前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料層と、該補償材料層と前記第2のヒータコイルとの間に充填されて前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える第2の熱伝導層と、を有し、前記触媒層および前記補償材料層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする。請求項22の発明によれば、触媒層および補償材料層にのみ、窒化ホウ素を添加しても、応答速度が速くなる。
請求項23の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項22に記載の発明において、前記触媒層における窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、前記補償材料層における窒化ホウ素の添加量は、前記補償材料層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、かつ前記触媒層における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする。請求項23の発明によれば、応答速度が速くなる。窒化ホウ素の添加量が10重量%未満では、有意な効果は得られない。また、窒化ホウ素自体は、触媒層と検知対象ガスとの接触燃焼に対して直接的には寄与しないので、触媒層への窒化ホウ素の添加量が80重量%を超えると、触媒層の、検知対象ガスを燃焼させる能力(燃焼活性)が下がってしまい、好ましくない。
請求項24の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項18に記載の発明において、前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記第1のヒータコイルとの間に充填されて前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える第1の熱伝導層と、を有し、前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料層と、該補償材料層と前記第2のヒータコイルとの間に充填されて前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える第2の熱伝導層と、を有し、前記触媒層、前記第1の熱伝導層、前記補償材料層および前記第2の熱伝導層に、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする。請求項24の発明によれば、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項25の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項24に記載の発明において、前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第1の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、前記触媒層における窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、前記第2の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第2の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、かつ前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加割合と同じであり、前記補償材料層における窒化ホウ素の添加量は、前記補償材料層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、かつ前記触媒層における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする。
請求項25の発明によれば、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。熱伝導層への窒化ホウ素の添加量が30重量%未満では、有意な効果は得られない。また、触媒層への窒化ホウ素の添加量が10重量%未満では、有意な効果は得られない。また、窒化ホウ素自体は、触媒層と検知対象ガスとの接触燃焼に対して直接的には寄与しないので、触媒層への窒化ホウ素の添加量が80重量%を超えると、触媒層の、検知対象ガスを燃焼させる能力(燃焼活性)が下がってしまい、好ましくない。
請求項26の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項18または19に記載の発明において、前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒材と、前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導材とを混合した単一層でできており、前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料と、前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える熱伝導材とを混合した単一層でできていることを特徴とする。請求項26の発明によれば、焼結体が単一層で構成されている場合でも、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項27の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項19に記載の発明において、前記第1の焼結体および前記第2の焼結体におけるベース材料は、アルミナであることを特徴とする。請求項27の発明によれば、窒化ホウ素はアルミナよりも熱伝導性に優れるので、アルミナの一部または全部を窒化ホウ素で置き換えることにより、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項28の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項21または25に記載の発明において、前記第1の熱伝導層および前記第2の熱伝導層のベース材料は、アルミナであることを特徴とする。請求項28の発明によれば、窒化ホウ素はアルミナよりも熱伝導性に優れるので、アルミナの一部または全部を窒化ホウ素で置き換えることにより、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項29の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項23または25に記載の発明において、前記触媒層および前記補償材料のベース材料は、酸化スズであることを特徴とする。請求項29の発明によれば、窒化ホウ素は酸化スズよりも熱伝導性に優れるので、酸化スズの一部を窒化ホウ素で置き換えることにより、応答速度が速くなる。
請求項30の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項18〜29のいずれか一つに記載の発明において、前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっており、前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする。請求項30の発明によれば、焼結体中に埋め込まれたヒータコイルの有効長が長くなるので、ヒータコイルの抵抗が大きくなる。従って、より一層、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けて、効率よく抵抗変化を起こすので、より一層、応答速度が速くなる。
請求項31の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項18〜29のいずれか一つに記載の発明において、前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっており、前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする。請求項31の発明によれば、ガス感度が高くなり、また、応答速度が速くなり、また、ゼロ点の経時変化が小さくなる。
請求項32の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項20〜25、28または29のいずれか一つに記載の発明において、前記触媒層と前記第1の熱伝導層の間に、検知対象ガスに対して前記触媒層よりも高い燃焼活性を有する第1の中間層が設けられており、前記補償材料層と前記第2の熱伝導層の間に、検知対象ガスに対する燃焼活性を有していない第2の中間層が設けられていることを特徴とする。
請求項33の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項32に記載の発明において、前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっており、前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする。
請求項34の発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、請求項32に記載の発明において、前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっており、前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする。
請求項32〜34の発明によれば、検知対象ガスの接触燃焼性が向上し、ガス感度が増加する。また、検知対象ガスの接触燃焼部位が焼結体の最外殻部よりも内側に位置するので、実環境での使用時においてガス感度の劣化要因となる物質が焼結体の最外殻部に蓄積しても、それによるガス感度の劣化率が小さくなる。さらに、実環境での使用時のゼロ点変動が抑制される。これは、第2の中間層に、補償素子に蓄積するとゼロ点の変動を引き起こす原因となる物質を含ませておくことにより、補償素子の作製段階でその特定の物質が補償素子に予めゼロ点の変動量が飽和する程度に蓄積するので、実環境での使用時にさらにその特定の物質が補償素子に蓄積しても、それ以上ゼロ点が変動することがないからである。
本発明にかかるガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサによれば、ガス感度の高い接触燃焼式ガスセンサが得られる。また、応答速度の速い接触燃焼式ガスセンサが得られる。さらに、ゼロ点変動の小さい接触燃焼式ガスセンサが得られる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサの好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる検知素子の構成を示す断面図である。図1に示すように、検知素子2は、ヒータコイル22の一部を焼結体20により被った構成となっている。焼結体20は、特に限定しないが、例えば2層構造になっており、ヒータコイル22を直接被う熱伝導層21の表面に、触媒層23を付着させた構成となっている。
図2は、図1に示す検知素子と対をなして用いられる補償素子の構成を示す断面図である。図2に示すように、補償素子4は、検知素子2のヒータコイル22と同じ構成のヒータコイル22の一部を焼結体40により被った構成となっている。焼結体40は、特に限定しないが、例えば2層構造になっており、検知素子2の熱伝導層21と同じ構成の熱伝導層21の表面に、補償材料層43を付着させた構成となっている。焼結体40の熱伝導層21は、検知素子2と同様に、ヒータコイル22を直接被っている。
検知素子2および補償素子4のいずれにおいても、熱伝導層21は、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)、酸化チタンおよび窒化ホウ素を適当な配合比で混合した混合物により構成されている。なお、後述するように、補償素子4は、検知素子2の出力電圧の変化量から環境雰囲気の温度変化の影響を除くために接触燃焼式ガスセンサに設けられるものである。従って、検知素子2と補償素子4の熱容量を同じにするため、検知素子2と補償素子4とで、熱伝導層21の形状、大きさ、構成成分および構成成分の割合等は、全て同じであるのが望ましい。
実施の形態1では、検知素子2と補償素子4とで、熱伝導層21の形状、大きさ、構成成分および構成成分の割合等は、全て同じであるとする。熱伝導層21への窒化ホウ素の添加割合は、熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下である。その理由については、後述する。なお、特に断らない限り、本明細書では、窒化ホウ素の添加割合を、ベース材料に対する重量%で表す。
具体的には、従来の検知素子の熱伝導層には、不可避不純物レベルを超える量の窒化ホウ素は含まれていない。この従来の熱伝導層を構成する成分のうち、最大量の成分は例えばアルミナである。従って、実施の形態1では、熱伝導層のベース材料は、アルミナである。この従来の熱伝導層におけるアルミナの重量を100重量%としたときに、実施の形態1の熱伝導層21には、アルミナに換算して30〜100重量%分の窒化ホウ素が添加されている。つまり、従来の熱伝導層におけるアルミナの重量の30〜100%の重量分を窒化ホウ素で置き換えることになる。窒化ホウ素の添加割合が100重量%である場合には、アルミナは含まれない。なお、ベース材料がアルミナ以外の金属酸化物であっても、窒化ホウ素の添加割合は、ベース材料がアルミナである場合と同様である。
触媒層23は、例えば酸化スズ、白金、パラジウムおよび窒化ホウ素を適当な配合比で混合した混合物により構成されている。触媒層23への窒化ホウ素の添加割合は、触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下である。その理由については、後述する。
具体的には、従来の検知素子の触媒層には、不可避不純物レベルを超える量の窒化ホウ素は含まれていない。この従来の触媒層を構成する成分のうち、最大量の成分は例えば酸化スズである。従って、実施の形態1では、触媒層のベース材料は、酸化スズである。この従来の触媒層における酸化スズの重量を100重量%としたときに、実施の形態1の触媒層23には、酸化スズに換算して10〜80重量%分の窒化ホウ素が添加されている。つまり、従来の触媒層における酸化スズの重量の10〜80%の重量分を窒化ホウ素で置き換えることになる。なお、ベース材料が酸化スズ以外であっても、窒化ホウ素の添加割合は、ベース材料が酸化スズである場合と同様である。
補償材料層43は、例えば酸化スズおよび窒化ホウ素を適当な配合比で混合した混合物により構成されている。補償素子4が検知素子2の出力電圧の温度補償のために設けられることに鑑みれば、補償素子4の熱容量を検知素子2の熱容量と同じにするため、補償材料層43の厚さは、触媒層23の厚さと同じであるのが望ましい。また、補償材料層43の構成成分とその割合等は、触媒層23の白金およびパラジウムを除く構成成分とその割合等と同じであるのが望ましい。
実施の形態1では、補償材料層43の厚さは、触媒層23の厚さと同じであるとする。また、補償材料層43の構成成分とその割合等は、触媒層23の白金およびパラジウムを除く構成成分とその割合等と同じであるとする。従って、補償材料層43への窒化ホウ素の添加割合は、触媒層23への添加割合と同様に、補償材料層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下となる。
上述した構成の検知素子2を作製するにあたっては、熱伝導層21の構成成分となる材料の粉末を混合し、それに溶媒およびバインダ等を加えて混練し、スラリー状にしたものを、ヒータコイル22に塗布する。つづいて、触媒層23の構成成分となる材料の粉末を混合し、それに溶媒およびバインダ等を加えて混練し、スラリー状にしたものを、焼き固め前の乾燥した熱伝導層21の表面に塗布する。ついで、ヒータコイル22に通電してヒータコイル22を発熱させ、その熱でもって熱伝導層21および触媒層23を焼き固めることによって、検知素子2ができ上がる。用いる材料は異なるが、補償素子4の作製も同様である。
検知素子2にあっては熱伝導層21および触媒層23、補償素子4にあっては熱伝導層21および補償材料層43をそれぞれ焼き固める際に、熱伝導層21、触媒層23および補償材料層43に、熱伝導性に優れる窒化ホウ素が含まれているので、熱伝導層21、触媒層23および補償材料層43に熱が十分に伝わり、短時間で効率よく、むらなく焼き固めが進行する。
その結果、熱伝導層21、触媒層23および補償材料層43を製造段階で十分に焼き固めることができるので、実際にユーザがガスセンサの使用を開始した後に、検知対象ガスに応じた温度(例えば、約450℃)に加熱しても、熱伝導層21、触媒層23および補償材料層43の焼き固めは、それ以上、殆ど進行しない。従って、実際の運用後に熱伝導層21、触媒層23および補償材料層43の熱伝導特性等の物理的な特性が変化することは殆どないので、ガスセンサのゼロ点の経時変化は小さい。
図1または図2に示すように、ヒータコイル22は、検知素子2の焼結体20または補償素子4の焼結体40中に埋め込まれるビード部24と、ビード部24の両端から伸びるリード部25とから構成されている。ビード部24は、例えば二重巻回コイルにより構成されている。リード部25は、例えば一重巻回コイルにより構成されている。このヒータコイル22の作製にあたっては、まず、通常の非コイル状の白金線、白金−ロジウム合金等の白金をベースとした合金線、または鉄−パラジウム合金線を芯金に巻きつけて一重巻回コイルを作製する。そして、この一重巻回コイルを素線とし、この素線の一部を例えば別の芯金に巻きつけて、ビード部24となる部分を二重巻回コイルにする。
なお、リード部25を二重以上の巻回コイルにより構成し、ビード部24を三重以上の巻回コイルにより構成してもよい。例えば、リード部25およびビード部24をそれぞれ二重巻回コイルおよび三重巻回コイルとする場合には、まず、一重巻回コイルを作製し、この一重巻回コイルを素線(一次素線)として二重巻回コイルを作製し、さらに、この二重巻回コイルを新たな素線(二次素線)として、その一部を芯金に巻きつけて、ビード部24となる部分を三重巻回コイルにすればよい。リード部25およびビード部24のコイルの多重数をさらに増やす場合には、素線を芯金に巻きつける巻線加工の繰り返し回数を増やせばよい。
次に、上述した構成の検知素子2および補償素子4を備えた接触燃焼式ガスセンサの構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる接触燃焼式ガスセンサのセンサ本体の構成を示す部分断面図である。図3に示すように、センサ本体3は、セラミックスや樹脂でできた板状のマウントベース31を貫通する外部接続用の電極ピン32,33を有し、この電極ピン32,33に検知素子2および補償素子4(図には現れていない)の両端のリード部25を固定した構成となっている。検知素子2および補償素子4は、マウントベース31と、ガス透過性を有する金網または金属紛の焼結体よりなる防爆構造体34により囲まれている。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる接触燃焼式ガスセンサの制御回路の構成を示す回路図である。図4に示すように、接触燃焼式ガスセンサ5の制御回路は、検知素子2、検知素子2に直列に接続された補償素子4、第1の抵抗素子51、第1の抵抗素子51に直列に接続された第2の抵抗素子52、および電源(電源回路)53を有する。これら検知素子2、補償素子4、第1および第2の抵抗素子51,52は、ホイートストンブリッジ回路を構成している。
電源53は、検知素子2と補償素子4との直列接続体、および第1の抵抗素子51と第2の抵抗素子52との直列接続体のそれぞれの両端に、直流電圧を印加する。そして、このホイートストンブリッジ回路からは、検知素子2と補償素子4との接続ノード(図4にAで示す)と、第1の抵抗素子51と前記第2の抵抗素子52との接続ノード(図4にBで示す)との間の電圧が出力される。検知素子2、補償素子4、第1の抵抗素子51および第2の抵抗素子52のそれぞれの通電抵抗値をRD、RC、R1およびR2とすると、[RC×R1=RD×R2]のときに、ホイートストンブリッジ回路の出力電圧Voutはゼロボルトとなる。
電源53により、検知素子2および補償素子4の各ヒータコイル22に定格電圧を印加すると、それぞれのヒータコイル22が発熱し、検知素子2および補償素子4が検知対象ガスに応じた動作温度になり、環境との平衡温度により得られた通電抵抗値に依存した出力電圧Voutがガスセンサ5から得られる。そして、検知対象ガスを検知した場合には、検知対象ガスの接触燃焼により検知素子2の通電抵抗値RDのみが上昇するので、出力電圧Voutは、ガス感度に応じた分だけ+(プラス)側に上昇する。
次に、本発明者らが実施の形態1にかかる接触燃焼式ガスセンサを試作し、応答速度、ガス感度およびゼロ点の経時的安定性の各特性を評価した結果について説明する。表1に、検知素子2および補償素子4の各熱伝導層21にのみ、窒化ホウ素をその添加割合を種々変えて添加し、触媒層23および補償材料層43には窒化ホウ素を添加していないサンプルについて、応答速度を測定した結果を示す。ここでは、試験ガスとして水素ガスを用い、その4000ppm時の出力安定値の90%の値に到達する所要時間を応答時間として、表1に示した。窒化ホウ素の添加割合が0重量%のサンプルは、熱伝導層、触媒層および補償材料層に窒化ホウ素を含まない従来の検知素子および補償素子を用いたサンプルである。
Figure 2005315845
表1より、窒化ホウ素の添加割合が30重量%以上であれば、添加割合が高くなるほど応答時間が短くなることがわかる。窒化ホウ素の添加割合が30重量%未満では、応答時間の短縮の程度は誤差レベルであり、窒化ホウ素を含まない従来のサンプルに対して有意な結果は得られなかった。従って、上述したように、熱伝導層21への窒化ホウ素の添加割合は、30重量%以上100重量%以下であるのが適当である。
表2に、検知素子2の触媒層23および補償素子4の補償材料層43にのみ、窒化ホウ素をその添加割合を種々変えて添加し、熱伝導層21には窒化ホウ素を添加していないサンプルについて、応答速度を測定した結果を示す。表2には、試験ガスとして水素ガスを用い、その4000ppm時の出力安定値の90%の値に到達する所要時間を応答時間として示した。窒化ホウ素の添加割合が0重量%のサンプルは、触媒層、補償材料層および熱伝導層に窒化ホウ素を含まない従来の検知素子および補償素子を用いたサンプルである。
Figure 2005315845
表2より、窒化ホウ素の添加割合が30重量%以上であれば、添加割合が高くなるほど応答時間が短くなることがわかる。窒化ホウ素の添加割合が30重量%未満では、応答時間の短縮の程度は誤差レベルであり、窒化ホウ素を含まないサンプルに対して有意な結果は得られなかった。表1と表2を比べると、窒化ホウ素を添加したことにより応答速度が速くなる効果は、検知素子2の焼結体20および補償素子4の焼結体40の大部分を占める熱伝導層21に窒化ホウ素を添加した方が、顕著に現れることがわかる。
表3に、検知素子2の触媒層23および補償素子4の補償材料層43に添加する窒化ホウ素の添加割合を種々変えたサンプルについて、ガス感度を測定した結果を示す。表3には、4000ppmの水素ガス中での出力電圧値から空気中での出力電圧値を減算した値をガス感度とし、窒化ホウ素の添加割合が0重量%のサンプルのガス感度を100とした相対値で示した。
Figure 2005315845
表3に示すように、窒化ホウ素の添加割合が10重量%および20重量%では、窒化ホウ素を含まないサンプル(0重量%)に対して有意なガス感度の向上が確認された。しかし、窒化ホウ素の添加割合が30重量%以上になると、触媒層23の、検知対象ガスを燃焼させる能力(燃焼活性)が下がってしまい、窒化ホウ素を含まないサンプル(0重量%)よりもガス感度が低くなってしまう。窒化ホウ素の添加割合が80重量%では、相対ガス感度は40%程度に低下するが、実用上は支障のない程度である。80重量%を超えると、ガス感度が著しく低くなるので、好ましくない。
従って、表2の結果と表3の結果を合わせて、触媒層23および補償材料層43への窒化ホウ素の添加割合は、10重量%以上80重量%以下であるのが適当である。この範囲のうち、10重量%以上30重量%未満では、ガス感度の改善効果は得られるが、明らかな応答速度の高速化の効果は期待できない。
表4に、検知素子2および補償素子4の各熱伝導層21に窒化ホウ素を50重量%の割合で添加した10個のサンプルと、熱伝導層に窒化ホウ素を添加していない10個のサンプルについて、定格電圧の140%の電圧を印加した過電圧加速試験を行い、ゼロ点の経時特性を評価した結果を示す。表4には、ゼロ点の変動として、10個のサンプル水素濃度換算値の平均値を示した。表4より、窒化ホウ素を添加したサンプルでは、ゼロ点変動が、窒化ホウ素を添加していないサンプルの50〜60%程度であり、ゼロ点変動が小さいことが確認された。
Figure 2005315845
ここで、検知対象ガスを高効率で接触燃焼させるための触媒動作温度は、そのガス種に基づいて選択される。より高い抵抗値を有するヒータコイルを用いた場合、所望の触媒動作温度を得るには、より高い電源電圧が必要となる。ブリッジ回路の性質上、電源電圧と出力電圧Voutとは比例関係にあるので、より高い抵抗値を有するヒータコイルを用いた場合のガス感度は、より高い値となる。従って、図1および図2に示すようにヒータコイル22が多重巻回コイルである場合には、ビード部が通常の一重巻回コイルである場合よりも抵抗値が高いので、より高いガス感度が得られる。
なお、検知素子2および補償素子4の代わりに、図5および図6に示すように、接触したガスを燃焼させる触媒材と熱伝導材とを混合した単一の層で構成された焼結体120を有する検知素子102と、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料と熱伝導材とを混合した単一の層で構成された焼結体140を有する補償素子104を用いても、同様の効果が得られる。また、図7および図8に示すように、リード部225が非コイル状の線材のままであり、ビード部224を一重巻回コイルにしたヒータコイル222を有する検知素子202および補償素子204を用いても、同様の効果が得られる。さらに、図9および図10に示すように、単一層で構成された焼結体120と、一重巻回コイルのビード部224を有するヒータコイル222とを組み合わせた検知素子302と、単一層で構成された焼結体140と、一重巻回コイルのビード部224を有するヒータコイル222とを組み合わせた補償素子304を用いても、同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図11および図12は、それぞれ本発明の実施の形態2にかかる検知素子および補償素子の構成を示す断面図である。図11に示すように、実施の形態2の検知素子402は、実施の形態1の検知素子2において、熱伝導層21と燃焼触媒層23の間に第1の中間層411を有するものである。また、図12に示すように、実施の形態2の補償素子404は、実施の形態1の補償素子4において、熱伝導層21と補償材料層43の間に第2の中間層412を有するものである。その他の構成は、実施の形態1と同じであるので、実施の形態1と同様の構成については実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
第1の中間層411は、主に検知対象ガスに対して燃焼触媒となる白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムまたはルテニウムなどの貴金属とその酸化物により構成されている。つまり、第1の中間層411は、燃焼触媒層23に含まれる白金などの燃焼触媒材料を高濃度に含有する層であり、検知対象ガス(可燃性ガス)に対して高い燃焼活性を有する。この場合、第1の中間層411のない構成に比べて、燃焼触媒層23における燃焼触媒材料の濃度は低い。
図13は、図11の切断線E−Eにおける断面構成を模式的に示す図である。図14は、図13のF部を拡大した構成とそれに対応する燃焼活性度の特性を示す図である。その比較として、図15は、第1の中間層411のない構成におけるF部に相当する部分の燃焼活性度を示す特性図である。図15に示すように、第1の中間層411のない構成では、ガス感度の発生点は燃焼触媒層23と熱伝導層21との界面付近である。それに対して、実施の形態2では、ガス感度の発生点が第1の中間層411と熱伝導層21との界面付近である。
そして、上述したように燃焼触媒材料の濃度が第1の中間層411で高く、燃焼触媒層23で低いことにより、図14に示すように、検知素子402における可燃性ガスの接触燃焼部位は、第1の中間層411と燃焼触媒層23との界面近辺に極大を有するような分布を示す。つまり、実施の形態2では、第1の中間層411のない構成に比べて、よりビード部24に近い位置まで可燃性ガスの燃焼が起こることになる。
燃焼触媒における可燃性ガスの燃焼には、安定的な酸素の供給が不可欠である。実施の形態2では、可燃性ガスが燃焼する際の酸素は、燃焼触媒層23に含まれる酸化スズ等の酸化物から供給される。また、燃焼触媒層23において酸化スズと白金などの燃焼触媒材料との界面に吸着している酸素も、可燃性ガスの燃焼に寄与する。
補償素子404の第2の中間層412は、検知素子402と熱的特性を揃えるために設けられており、検知対象ガスに対する燃焼活性を有していない材料、例えば酸化銅により構成されている。これによって、補償素子404と検知素子402とで、ほぼ同じ熱容量となる。また、従来は、補償素子においても高濃度ガスに対して微少の燃焼が発生することがあったが、第2の中間層412を設けることにより、このような可燃性ガスの異常燃焼が起こるのを防ぐことができる。
上述したような第1の中間層411を有する検知素子402を作製するには、ヒータコイル22に熱伝導層21の構成成分よりなるスラリーを塗布し、乾燥させた後、その表面に白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムまたはルテニウムなどの貴金属の塩化物水溶液または酢酸物水溶液を各成分単独または適当に組み合わせて適量を塗布する。その際、これらの塩化物水溶液または酢酸物水溶液については、少なくともその濃度のみを管理すればよい。次いで、前記塩化物水溶液または酢酸物水溶液を塗布した表面に燃焼触媒層23の構成成分よりなるスラリーを塗布し、ヒータコイル22に通電してヒータコイル22を発熱させ、その熱でもって熱伝導層21、第1の中間層411および触媒層23を焼き固めることによって、検知素子402ができ上がる。
第2の中間層412を有する補償素子404を作製するには、ヒータコイル22に熱伝導層21の構成成分よりなるスラリーを塗布し、乾燥させた後、その表面に硫酸銅または酢酸銅の水溶液を適量を塗布する。この場合も、これらの水溶液については、少なくともその濃度のみを管理すればよい。次いで、前記水溶液を塗布した表面に補償材料層43の構成成分よりなるスラリーを塗布し、ヒータコイル22に通電してヒータコイル22を発熱させ、その熱でもって熱伝導層21、第2の中間層412および補償材料層43を焼き固めることによって、補償素子404ができ上がる。
次に、上述した構成の検知素子402と補償素子404を備えた接触燃焼式ガスセンサでは、ガス感度値の増加、外的感度劣化要因に対するガス感度の耐久性能の向上、および耐硫黄酸化物(SOX)特性の向上が期待される。ガス感度は燃焼触媒濃度に依存する。実施の形態2では、検知素子402に第1の中間層411があることによって燃焼触媒の濃度が高くなっているので、中間層のない構成と比較してガス感度が増加する。
図16は、第1の中間層411を有する検知素子402と中間層のない検知素子について相対ガス感度を調べた結果を示す特性図である。図16より、水素ガスおよびメタンガスのいずれに対しても、実施の形態2ではガス感度が20%程度増加しているのがわかる。特にメタンガスに対しては、ガス感度の増加以外にも、ガス感度のばらつき、すなわちメタンガスに対する個々の検知素子402の個体差が減少するという結果が得られている。
また、接触燃焼式ガスセンサが使用される実環境には、ガス感度を劣化させる様々な要因が存在する。例えば、台所などで発生する油蒸気のような高分子有機物は、燃焼触媒層23上で不完全燃焼を起こす。この不完全燃焼により発生するカーボンは、触媒の動作温度が低い最外殻部、すなわち燃焼触媒層に顕著に蓄積される。中間層のない検知素子では、可燃性ガスの接触燃焼部位が燃焼触媒層のみであるため、カーボンの蓄積によって緩やかにガス感度が劣化してしまう。それに対して、実施の形態2では、上述したように可燃性ガスが第1の中間層411においても燃焼するので、ガス感度が多少劣化したとしても、その劣化率は小さい。
また、接触燃焼式ガスセンサを自動車のエンジン等の燃焼排ガスに対して用いる場合、燃焼排ガス中にSOXが数ppm含まれていると、第2の中間層412のない補償素子では、硫黄成分の蓄積現象が発生しやすい。この硫黄成分の蓄積現象は、補償素子を構成する材料が一時的に硫化する現象であるが、一般雰囲気に戻ればヒーターコイルの生成温度により回復するものである。しかし、エンジン等の燃焼排ガスに曝されている間は、一般雰囲気に戻ることはないので、結果としてセンサのゼロ点が変動してしまう。
この原因は、補償素子と同様の環境に曝される検知素子では、燃焼触媒による酸化作用により硫黄成分の蓄積が相対的に低速で進行するのに対して、補償素子では、燃焼することがないので、SOXの酸化が起こらないからである。ところで、補償素子における硫黄成分の蓄積は、その初期において急速に進行するが、その後は酸化特性を有する検知素子と殆ど変わらない蓄積状態となる。従って、硫黄成分の蓄積によって引き起こされるゼロ点変動は、一定期間が経過した後は殆ど起こらなくなる。
例えば硫酸銅を用いて補償素子を作製する場合、その作製段階において600℃を超える温度で処理すると、硫酸銅が酸化銅と三酸化硫黄などに分解する。従って、実施の形態2では、補償素子の作製時に硫酸銅の濃度を適切に管理することによって、予めゼロ点の変動量が飽和する程度に補償素子に硫黄成分を蓄積させておく。それによって、実環境での使用時にさらに硫黄成分が補償素子に蓄積しても、それ以上ゼロ点が変動することはない。つまり、ゼロ点変動のない安定したガスセンサが得られる。なお、検知素子402および補償素子404の代わりに、図17および図18に示すように、リード部225が非コイル状の線材のままであり、ビード部224を一重巻回コイルにしたヒータコイル222を有する検知素子502および補償素子504を用いても、同様の効果が得られる。
以上において、本発明は、上述した実施の形態に限らず、種々変更可能である。例えば、熱伝導層21、触媒層23および補償材料層43は、窒化ホウ素を含んでいればよく、その他の構成成分については、検知対象ガス種等に応じて適宜選択可能である。
以上のように、本発明にかかるガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサは、家庭用または産業用のガス漏れ検知装置に有用であり、特に、燃料電池に用いられる可燃性ガスを検知する装置に適している。
本発明の実施の形態1にかかる検知素子の一例を示す断面図である。 図1に示す検知素子と対をなして用いられる補償素子の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる接触燃焼式ガスセンサのセンサ本体の構成を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる接触燃焼式ガスセンサの制御回路の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態1にかかる検知素子の他の例を示す断面図である。 図5に示す検知素子と対をなして用いられる補償素子の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる検知素子の他の例を示す断面図である。 図7に示す検知素子と対をなして用いられる補償素子の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる検知素子の他の例を示す断面図である。 図9に示す検知素子と対をなして用いられる補償素子の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる検知素子の一例を示す断面図である。 図11に示す検知素子と対をなして用いられる補償素子の一例を示す断面図である。 図11の切断線E−Eにおける構成を模式的に示す断面図である。 図11に示す検知素子の燃焼活性度を示す特性図である。 中間層のない検知素子の燃焼活性度を示す特性図である。 図11に示す検知素子と中間層のない検知素子とでガス感度を比較して示す特性図である。 本発明の実施の形態2にかかる検知素子の他の例を示す断面図である。 図17に示す検知素子と対をなして用いられる補償素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
A 検知素子と補償素子との接続ノード
B 第1の抵抗素子と第2の抵抗素子との接続ノード
2,102,202,302,402,502 検知素子
4,104,204,304,404,504 補償素子
5 接触燃焼式ガスセンサ
20,40,120,140 焼結体
21 熱伝導層
22,222 ヒータコイル
23 触媒層
43 補償材料層
51 第1の抵抗素子
52 第2の抵抗素子
53 電源
411 第1の中間層
412 第2の中間層


Claims (34)

  1. ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するヒータコイルと、該ヒータコイルの一部を被い、かつ接触したガスを燃焼させるとともに、ガスの燃焼により発生した燃焼熱を前記ヒータコイルに伝える焼結体と、を備えた、接触燃焼式ガスセンサに用いられる検知素子であって、
    前記焼結体には、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とするガスセンサ用検知素子。
  2. 前記窒化ホウ素の添加量は、前記焼結体を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ用検知素子。
  3. 前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記ヒータコイルとの間に充填されて前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導層と、を有し、
    前記熱伝導層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ用検知素子。
  4. 前記窒化ホウ素の添加量は、前記熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ用検知素子。
  5. 前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記ヒータコイルとの間に充填されて前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導層と、を有し、
    前記触媒層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ用検知素子。
  6. 前記窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であることを特徴とする請求項5に記載のガスセンサ用検知素子。
  7. 前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記ヒータコイルとの間に充填されて前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導層と、を有し、
    前記熱伝導層および前記触媒層には、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ用検知素子。
  8. 前記熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、
    前記触媒層における窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であることを特徴とする請求項7に記載のガスセンサ用検知素子。
  9. 前記焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒材と、前記ヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導材とを混合した単一層でできていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用検知素子。
  10. 前記ベース材料は、アルミナであることを特徴とする請求項2に記載のガスセンサ用検知素子。
  11. 前記熱伝導層のベース材料は、アルミナであることを特徴とする請求項4または8に記載のガスセンサ用検知素子。
  12. 前記触媒層のベース材料は、酸化スズであることを特徴とする請求項6または8に記載のガスセンサ用検知素子。
  13. 前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載のガスセンサ用検知素子。
  14. 前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載のガスセンサ用検知素子。
  15. 前記触媒層と前記熱伝導層の間に、検知対象ガスに対して前記触媒層よりも高い燃焼活性を有する中間層が設けられていることを特徴とする請求項3〜8、11または12のいずれか一つに記載のガスセンサ用検知素子。
  16. 前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする請求項15に記載のガスセンサ用検知素子。
  17. 前記ヒータコイルの、前記焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする請求項15に記載のガスセンサ用検知素子。
  18. ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化する第1のヒータコイル、および該第1のヒータコイルの一部を被い、かつ接触したガスを燃焼させるとともに、ガスの燃焼により発生した燃焼熱を前記第1のヒータコイルに伝える第1の焼結体を備え、該第1の焼結体に構成材料として窒化ホウ素が添加されている検知素子と、
    前記検知素子と同一構成の第2のヒータコイル、および該第2のヒータコイルの一部を被い、かつ周囲の温度を前記第2のヒータコイルに伝える第2の焼結体を備え、該第2の焼結体に構成材料として窒化ホウ素が添加されている補償素子と、
    第1の抵抗素子と、
    前記第1の抵抗素子に直列に接続された第2の抵抗素子と、
    前記検知素子と前記補償素子との直列接続体、および前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との直列接続体のそれぞれの両端に直流電圧を印加する電源と、を備え、
    前記検知素子、前記補償素子、前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子は、ホイートストンブリッジ回路を構成し、該ホイートストンブリッジ回路から、前記検知素子と前記補償素子との接続ノードと、前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との接続ノードとの間の電圧が出力されることを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
  19. 前記第1の焼結体における窒化ホウ素の添加量は、前記第1の焼結体を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、
    前記第2の焼結体における窒化ホウ素の添加量は、前記第2の焼結体を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、かつ前記第1の焼結体における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする請求項18に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  20. 前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記第1のヒータコイルとの間に充填されて前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える第1の熱伝導層と、を有し、
    前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料層と、該補償材料層と前記第2のヒータコイルとの間に充填されて前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える第2の熱伝導層と、を有し、
    前記第1の熱伝導層および前記第2の熱伝導層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする請求項18に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  21. 前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第1の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、
    前記第2の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第2の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、かつ前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする請求項20に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  22. 前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記第1のヒータコイルとの間に充填されて前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える第1の熱伝導層と、を有し、
    前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料層と、該補償材料層と前記第2のヒータコイルとの間に充填されて前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える第2の熱伝導層と、を有し、
    前記触媒層および前記補償材料層にのみ、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする請求項18に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  23. 前記触媒層における窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、
    前記補償材料層における窒化ホウ素の添加量は、前記補償材料層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、かつ前記触媒層における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする請求項22に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  24. 前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒層と、該触媒層と前記第1のヒータコイルとの間に充填されて前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える第1の熱伝導層と、を有し、
    前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料層と、該補償材料層と前記第2のヒータコイルとの間に充填されて前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える第2の熱伝導層と、を有し、
    前記触媒層、前記第1の熱伝導層、前記補償材料層および前記第2の熱伝導層に、構成材料として窒化ホウ素が添加されていることを特徴とする請求項18に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  25. 前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第1の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、
    前記触媒層における窒化ホウ素の添加量は、前記触媒層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、
    前記第2の熱伝導層における窒化ホウ素の添加量は、前記第2の熱伝導層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の30重量%以上100重量%以下であり、かつ前記第1の熱伝導層における窒化ホウ素の添加割合と同じであり、
    前記補償材料層における窒化ホウ素の添加量は、前記補償材料層を窒化ホウ素を添加せずに構成した場合の構成成分のうち、最大量の成分であるベース材料の10重量%以上80重量%以下であり、かつ前記触媒層における窒化ホウ素の添加割合と同じであることを特徴とする請求項24に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  26. 前記第1の焼結体は、接触したガスを燃焼させる触媒材と、前記第1のヒータコイルに燃焼熱を伝える熱伝導材とを混合した単一層でできており、
    前記第2の焼結体は、ガスが接触しても燃焼を起こさない補償材料と、前記第2のヒータコイルに周囲の温度を伝える熱伝導材とを混合した単一層でできていることを特徴とする請求項18または19に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  27. 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体におけるベース材料は、アルミナであることを特徴とする請求項19に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  28. 前記第1の熱伝導層および前記第2の熱伝導層のベース材料は、アルミナであることを特徴とする請求項21または25に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  29. 前記触媒層および前記補償材料のベース材料は、酸化スズであることを特徴とする請求項23または25に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  30. 前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっており、
    前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする請求項18〜29のいずれか一つに記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  31. 前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっており、
    前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする請求項18〜29のいずれか一つに記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  32. 前記触媒層と前記第1の熱伝導層の間に、検知対象ガスに対して前記触媒層よりも高い燃焼活性を有する第1の中間層が設けられており、
    前記補償材料層と前記第2の熱伝導層の間に、検知対象ガスに対する燃焼活性を有していない第2の中間層が設けられていることを特徴とする請求項20〜25、28または29のいずれか一つに記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  33. 前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっており、
    前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする請求項32に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  34. 前記第1のヒータコイルの、前記第1の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっており、
    前記第2のヒータコイルの、前記第2の焼結体により被われている部分の少なくとも一部は、コイル状に巻かれていない線材をコイル状に巻いたシングルコイルになっていることを特徴とする請求項32に記載の接触燃焼式ガスセンサ。


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