JP3456346B2 - ガスセンサ用触媒及びその製造方法 - Google Patents
ガスセンサ用触媒及びその製造方法Info
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Description
するための接触燃焼式ガスセンサに用いる、金属酸化物
に担持されたガスセンサ用触媒及びその製造方法に関
し、詳しくは、長期間使用しても経時変化の少ないガス
検知素子用の触媒とその製造方法に関するものである。
ジ回路図である。図において、電源E(電圧Vc)の両
端には、2つの固定抵抗R1,R2の直列回路と、ガス
検知素子D及び補償素子Cの直列回路とが並列に接続さ
れている。また、固定抵抗R1,R2の接続点とガス検
知素子D及び補償素子Cの接続点との間には、負荷Wが
接続されている。
通電、予熱されたガス検知素子Dに可燃性ガスが接触す
ると燃焼が起こり、内部の白金コイルに温度上昇が生じ
てガス濃度に比例した電気抵抗の増加を生じる。なお、
補償素子Cでは燃焼が起こらず、可燃性ガスが接触して
もほとんど温度上昇、抵抗値増加を生じない。ガス検知
素子Dの抵抗増加に伴って生じるブリッジ出力電圧は、
負荷Wに印加される。この出力電圧はガス濃度に比例し
て上昇するので、ブリッジ出力電圧から可燃ガス濃度を
検出することができる。
断斜視図である。白金コイルなどの抵抗温度係数の大き
な測温抵抗体1の周囲に白金とパラジウムなどの触媒3
が担持されたアルミナなどの担体2が固着されている。
説明する。例えば、直径60μmの白金線を用い、外形
0.6mm、巻回数10ターン、長さ1.5mmのコイ
ルを製造して測温抵抗体1とする。この測温抵抗体1に
アルミナ粉末とアルミナゾルとを混合したペーストを付
着させ、800℃で焼成してアルミナ担体2を固着させ
る。その後、塩化白金酸及び塩化パラジウムを溶かした
水溶液中にアルミナ担体2を含浸し、600℃で加熱分
解して白金と酸化パラジウムとの混合触媒3をアルミナ
担体2に担持させ、ガス検知素子Dを製造する。
る。まず、前記同様に形成した測温抵抗体1にアルミナ
粉末とアルミナゾルとを混合したペーストを付着させ、
800℃で焼成してアルミナ担体2を固着させる。次い
で、硫酸銅を溶かした水溶液中にアルミナ担体2を含浸
し、加熱分解して酸化銅触媒3をアルミナ担体2に担持
させることにより、補償素子Cを製造する。
補償素子Cはステム(ベース)にスポット溶接され、防
爆用二重金網が取り付けられる。更に、動作電圧を印加
したまま可燃性ガス中での数時間の通電を行ったのち、
空気中で数日の通電(エージング)を行う。その後、ガ
ス検知素子D及び補償素子Cの測温抵抗体1の抵抗値を
測定し、抵抗値が近いもの同士を組み合わせて使用す
る。
有する従来の接触燃焼式ガスセンサは、作製が比較的簡
単なこと、動作原理が簡単なこと、長期安定性が比較的
優れていること、周囲温度や湿度による影響が少ない等
の特徴を有しており、広く用いられている。
接触燃焼式ガスセンサは、長期にわたる使用によって触
媒粒子の凝集が起こり、触媒の活性が低下するため、出
力が若干減少する。そこで本発明は、長期間使用した場
合にも触媒の凝集が起こりにくい触媒担持方法により、
長期にわたって経時変化の少ないガスセンサ用触媒及び
その製造方法を提供しようとするものである。
め、請求項1記載のガスセンサ用触媒は、金属酸化物か
らなる担体に担持され、かつ、白金及びパラジウムを含
むガスセンサ用触媒において、白金粒子を被覆するよう
にパラジウム粒子を担持させるものである。ここで、請
求項2に記載したように、前記パラジウム粒子を酸化処
理して酸化パラジウム粒子とすることが望ましい。
金粒子の直径は3〜15nmとし、パラジウム粒子は膜
厚1〜10nmの薄膜を形成すると共に、白金の量は担
体に対して6〜10重量%、パラジウムは白金に対して
30〜70重量%とすると良い。
製造方法は、純水に塩化白金酸を溶解させた水溶液中に
前記担体を含浸させて乾燥させた後、加熱分解して白金
を担体に担持させ、この担体を純水に塩化パラジウムを
溶解させた水溶液中に含浸させて乾燥させた後、加熱分
解して白金を被覆するようにパラジウムを担体に担持さ
せる触媒担持工程を有するものである。
媒担持工程により白金及びパラジウムが担持された担体
を、一酸化窒素または酸素または空気中もしくはこれら
の混合雰囲気中において550〜650℃で5時間以
上、加熱処理し、パラジウムを酸化処理して酸化パラジ
ウムにすることが望ましい。
スセンサ用触媒の担体となる金属酸化物にはγ−アルミ
ナを用いると良い。
態を説明する。はじめに、本発明の主要部であるガス検
知素子の製造方法について説明する。なお、参照符号と
しては図7と同一符号を用いるものとする。まず、市販
のγ−アルミナ粉末をライカイ機で1時間以上粉砕した
後、純水に溶解したアルミナゾルを混合する。この混合
液をスターラーにて30分間攪拌し、アルミナペースト
を作製する。
0.6mm、巻回数10ターン、長さ1.5mmのコイ
ルを製造し、測温抵抗体1を作製する。この測温抵抗体
1に上記アルミナペーストを球形に付着させ、乾燥させ
た後、800℃で焼成してアルミナ担体2を白金コイル
に固着させる。そして、純水に塩化白金酸を溶解させた
水溶液中にこのアルミナ担体2を含浸した後、乾燥さ
せ、電気炉により600℃で加熱分解して触媒としての
白金をアルミナ担体2に担持させる。
塩化パラジウムを溶解させた水溶液中に含浸した後、乾
燥させ、電気炉により600℃で加熱分解して触媒とし
てのパラジウムをアルミナ担体2に担持させることによ
り、ガス検知素子Dを製造する。
白金粒子を被覆するようにパラジウム粒子が担持される
ことになる。ここで、白金はアルミナ担体2に対して6
〜10重量%担持され、パラジウムは担持された白金触
媒に対し30〜70重量%となるように担持される。な
お、白金粒子の直径は3〜15nm、パラジウム粒子は
膜厚1〜10nmの薄膜を形成していることが望まし
い。このような触媒担持方法を用いると、高温でセンサ
を長期的に動作させても白金及びパラジウム触媒粒子の
担体上での熱拡散を防止でき、触媒の凝集、活性の低下
を抑制することができる。
温抵抗体1に上記アルミナペーストを付着させ乾燥した
後、800℃で焼成してアルミナ担体2を測温抵抗体1
に固着させる。硫酸銅を溶かした水溶液中にこのアルミ
ナ担体2を含浸した後、乾燥させ、電気炉により600
℃で加熱分解して触媒としての酸化銅をアルミナ担体2
に担持させることにより、補償素子Cを製造する。
方に対して、同時に電気炉により空気中において580
℃で5時間加熱する熱処理を施す。この熱処理で還元さ
れた触媒(Pd)を再び酸化処理して酸化パラジウムに
変化させ、例えばメタンガス等に対する酸化燃焼能力を
向上させる。なお、パラジウムを酸化させる上記熱処理
は、一酸化窒素または酸素または空気中もしくはこれら
の混合雰囲気中において、550〜650℃で5時間以
上行えば良いことが確認されている。
D及び補償素子Cは、ステム(ベース)にスポット溶接
され、測温抵抗体1の抵抗値を測定して抵抗値の近いガ
ス検知素子Dと補償素子Cとを組み合わせ、活性炭フィ
ルターと防爆用二重金網とを取り付けて完成する。
ンサと、従来の方法で触媒を担持したセンサのメタンガ
ス中での初期出力(メタンガス測定時のブリッジ出力電
圧)を示している。この図から、本発明によるセンサで
は従来品を上回る出力を得ることができ、本発明の触媒
担持方法を採った場合でもセンサの性能には何ら問題が
ないことが明らかである。
サと、従来の方法により触媒を担持したセンサの、メタ
ンに対する酸化燃焼能力を固定床流通法触媒評価装置で
比較した結果を示す。本発明によるセンサの方が、従来
方法によるセンサよりも触媒活性が高くなっている。こ
の結果、図1に示した初期出力も本発明の方が高くなっ
ている。
サと従来の方法により触媒を担持したセンサの、各触媒
についてのX線光電子分光法による分析結果を示すもの
である。X線光電子分光法は、周知のように試料の表面
近傍(深さ5nm程度)の情報を得ることができる分析
手段である。図3に示すようにAl及びPdのピークは
検出できるが、Ptのピークは検出できていない。これ
は、Pt粒子の上にPdが5nm以上の厚さで被覆され
ている証拠である。
サと従来の方法により触媒を担持したセンサの各触媒部
分を、透過電子顕微鏡で観察しながらエネルギー分散型
X線で分析した結果である。分析範囲は1nmとした。
エネルギー分散型X線も、X線光電子分光と同様にビー
ムを1nm程度に絞ると極表面のみの分析を行うことが
できる。図4のエネルギー分散型X線分析結果において
も、Ptのピークは小さくPdのピークが大きいことか
ら、PdがPtを被覆しているのがわかる。
たセンサと従来の方法により触媒を担持したセンサの、
メタン−0.4%での出力の通電経時安定性を示すもの
である。従来品では通電日数の増加に伴って出力が徐々
に低下しているのに対し、本発明品は通電初期から長期
にわたって安定な出力を維持している。これは、本発明
品は従来品に比べて熱による触媒の凝集が起こりにくい
ためである。
燃性ガスセンサ用触媒に適用することができるのは言う
までもない。
なる担体に所定量の白金触媒を担持させ、これを被覆す
るように所定量のパラジウム触媒を担持させるものであ
り、更に望ましくは上記パラジウム触媒を酸化処理して
酸化パラジウムに変化させるものである。これにより、
熱による白金、パラジウム各粒子の拡散を抑制でき、凝
集を起こさない触媒を作製することができる。その結
果、センサを長期間使用しても従来品より出力変動が小
さく、経時的に安定した動作が可能なガスセンサを実現
することができる。
法により触媒を担持したセンサの、メタンガス中での初
期出力を示すグラフである。
法により触媒を担持したセンサの、メタン転化率の温度
に対するグラフである。
法により触媒を担持したセンサの、各触媒についてのX
線光電子分光法による分析結果を示すグラフである。
法により触媒を担持したセンサの各触媒を、エネルギー
分散型X線で分析した結果を示すグラフである。
法により触媒を担持したセンサの、通電経時安定性を比
較して示すグラフである。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 金属酸化物からなる担体に担持され、か
つ、白金及びパラジウムを含むガスセンサ用触媒におい
て、 白金粒子を被覆するようにパラジウム粒子を担持させた
ことを特徴とするガスセンサ用触媒。 - 【請求項2】 請求項1記載のガスセンサ用触媒におい
て、 パラジウム粒子を酸化処理して酸化パラジウム粒子とし
たことを特徴とするガスセンサ用触媒。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のガスセンサ用触
媒において、 白金粒子の直径が3〜15nmであり、パラジウム粒子
は膜厚1〜10nmの薄膜を形成していることを特徴と
するガスセンサ用触媒。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載のガスセンサ
用触媒において、 担体に対して6〜10重量%の白金と、白金に対して3
0〜70重量%のパラジウムとを含むことを特徴とする
ガスセンサ用触媒。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載のガスセ
ンサ用触媒において、 前記金属酸化物がγ−アルミナであることを特徴とする
ガスセンサ用触媒。 - 【請求項6】 金属酸化物からなる担体に担持され、か
つ、白金及びパラジウムを含むガスセンサ用触媒の製造
方法において、 純水に塩化白金酸を溶解させた水溶液中に前記担体を含
浸させて乾燥させた後、加熱分解して白金を担体に担持
させ、この担体を純水に塩化パラジウムを溶解させた水
溶液中に含浸させて乾燥させた後、加熱分解して白金を
被覆するようにパラジウムを担体に担持させる触媒担持
工程を有することを特徴とするガスセンサ用触媒の製造
方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の触媒担持工程により白金
及びパラジウムが担持された担体を、一酸化窒素または
酸素または空気中もしくはこれらの混合雰囲気中におい
て550〜650℃で5時間以上、加熱処理し、パラジ
ウムを酸化処理することを特徴とするガスセンサ用触媒
の製造方法。 - 【請求項8】 請求項6または7記載のガスセンサ用触
媒の製造方法において、 前記金属酸化物がγ−アルミナであることを特徴とする
ガスセンサ用触媒の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP23024496A JP3456346B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ガスセンサ用触媒及びその製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1073556A JPH1073556A (ja) | 1998-03-17 |
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
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JP2013208582A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 触媒担体用γ−アルミナ及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP23024496A patent/JP3456346B2/ja not_active Expired - Fee Related
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