JP2013208582A - 触媒担体用γ−アルミナ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒径が大きく、かつ比表面積の大きい、球状または板状の触媒担体用γ−アルミナとその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】平均二次粒子径が30nmから2μmであり、一次粒子径が2.5nmから9.0nmであり、比表面積が10m2/gから150m2/gである球状または板状の触媒担体用γ−アルミナ。
【選択図】図10

Description

本発明は、触媒担体用γ−アルミナ及びその製造方法に関する。
大気中や排気ガス等に含まれる有害ガスや、水中に含まれる有害物質の無害化のために、貴金属や金属酸化物から成る材料を触媒として、これらと作用させ分解させる方法が広く検討されている。
触媒として用いられる材料は希少価値が高いものが多く、最小限の量で最大限の効果を発揮出来ることが望ましい。そのために、出来る限り触媒の比表面積を多くすることが必要であり、安定な担体材料に均一に分散するように担持させ、この混合体を触媒として用いる方法が採られる。アルミニウムの酸化物であるアルミナは、耐熱性や化学安定に優れることから、触媒の担体材料として広く用いられる材料である。
触媒の担体材料となるアルミナ自体も比表面積が大きい方が好ましい。比表面積が大きければ、アルミナ単位量当たりに担持出来る貴金属や金属酸化物等の粒子数を稼ぐことが出来、有害物質の分解材料として高性能となる。比表面積の小さい触媒の担体材料に、担持可能量を超えた量の貴金属や金属酸化物等を添加すると、貴金属や金属酸化物等自体が凝集することで、その比表面積が低下し、担持量に見合った効果が得られない。
また、触媒の担体材料となるアルミナは、担持する貴金属や金属酸化物等の粒子サイズや担持量、対象とする有害物質など、用途に応じて、粒子サイズを選択して用いられることが好ましい。例えば、貴金属や金属酸化物等を添加した触媒全体を有害物質の分解材料として充分に効果を発揮させるには、貴金属や金属酸化物等が均一に担体の粒子に担持した状態にあることが望ましく、すなわち、最低限、貴金属や金属酸化物等の粒径よりも大きい触媒の担体材料が求められる。
このような触媒は、ガスセンサ材料に用いることが出来る。空気中の可燃性ガス濃度を検知する為に、接触燃焼式のガスセンサが広く用いられている。接触燃焼式のガスセンサの多くは、アルミナ等に、貴金属や金属酸化物等を添加したビーズ状の触媒の内部に、白金のヒータコイルを有する構造である。可燃性ガスがビーズの表層で燃焼することで触媒の温度が上昇する。可燃性ガス濃度によって、温度の上昇度合いが変化する。この温度変化に伴い、白金のヒータコイルの電気抵抗が変化する為、電気シグナルのモニタによってガス濃度を検知する。
触媒の表層による可燃性ガスの燃焼は、上記の有害成分を分解して無害化するメカニズムそのものであり、ガスセンサはこのメカニズムを応用したものである。
アルミナは結晶系が数種類あり、合成方法、主に熱分解温度に支配される。良く知られるアルミナの結晶系は、α−アルミナ、θ−アルミナ、γ−アルミナである。アルミナ粒子は主に、水酸化物やアルミニウム塩等の熱分解によって合成される。一般的に、熱分解温度もしくは焼成温度がおよそ950℃以下であればγ−アルミナが、およそ1100℃以下であればθ−アルミナが、およそ1250℃以上であればα−アルミナが得られる。一般的に粒径は低温合成のほうが小さい。アルミナでは、γ−アルミナが最も小さく、α−アルミナが最も大きい。比表面積はγ−アルミナが最も大きく、α−アルミナが最も小さい。例えば、市販のアルミナ粒子は、α−アルミナは比表面積が約15m2/gで粒径は数百nm以上、θ−アルミナは比表面積が約100m2/gで粒径は数十nm程度、γ−アルミナは比表面積が約200m2/gで粒径は数nm程度である。
γ−アルミナは比表面積が最も大きいものの、粒径が非常に細かい。そのため、貴金属や金属酸化物等を添加しても凝集を引き起こしやすい。γ−アルミナが微粒子であることからγ−アルミナ間で凝集し易く、添加した貴金属や金属酸化物等がγ−アルミナ担体中に均一に分散し難く凝集する。
触媒の担体材料として、ある程度の粒径、好適には数百nm以上から数μm程度のものが、触媒の分散性が良いことが知られている。この場合、アルミナが触媒の担体材料であればγ−アルミナではなくα−アルミナを選択しなければならず、担体材料の比表面積が小さくなる問題が生じる。
上記のようなアルミナ粒子において、原料金属化合物の非水溶媒中にピロリドン基を有するポリマーを共存させ、加熱・還流させることで粒径が1から100nmの金属酸化物超微粒子を得る方法や(特許文献1)、平均粒子径が約2μmである、紡錘の形状を持つ粒子からなるγ−アルミナ粒子が開示されている(特許文献2)。
特開平6−218276号公報 特開平11−228132号公報
しかしながら、上記に示した通り、アルミナ粒子は、結晶系によって粒径と比表面積を制御することが出来るものの、粒径と比表面積はトレードオフの関係にあり、粒径の大きいα−アルミナでは比表面積が小さくなり、比表面積の大きいγ−アルミナでは粒径が小さすぎるという課題があった。特に特許文献2においては、粒径の大きなアルミナ粒子について示されているものの、粒子形状は紡錘形状に限られるものであり、平均二次粒子径を自由に調節することもできなかった。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、球状または板状であって、粒径が大きく、かつ比表面積の大きい触媒担体用γ−アルミナ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る触媒担体用γ−アルミナの特徴構成は、平均二次粒子径が30nmから2μmであり、一次粒子径が2.5nmから9.0nmであり、比表面積が10m2/gから150m2/gであって、球状または板状とした点にある。
本構成によれば、球状または板状であって、粒径が大きく、かつ比表面積の大きいγ−アルミナを得ることができる。つまり、任意の触媒に対して粒径を大きくできるため、触媒を均一に担持できる。また比表面積も大きいので、担体材料に担持できる触媒の粒子数を稼ぐことができる。さらに、球状または板状としたことで粒子が凝集しにくくなるため、担体材料の表面全体にわたって触媒を担持させることができる。これらのことより、触媒担体材料として良好なγ−アルミナを提供することができる。
本発明において、前記触媒担体用γ−アルミナは、二次粒子径における粒径の変動係数が、15%から60%であることが好ましい。
また、γ−アルミナの外側から半径が最小となる円と、前記γ−アルミナの内側から半径が最大となる円との二つの幾何学的円において、小さい円の半径と大きい円の半径との商を円度として定義したとき、8割以上の二次粒子の円度が0.50から0.95を示すことが好ましい。
さらに本発明に係るガス検知素子の特徴構成は、触媒担体用γ−アルミナに貴金属触媒を担持させたガス反応部を備える点にある。
本構成によれば、より良好なガス感度を有するセンサを得ることができる。さらには、前記触媒担体用γ−アルミナの平均二次粒子径が数十nmから数μmの範囲を有することから、用途に応じたガスセンサ材料を構成することができる。
本発明に係る触媒担体用γ−アルミナの製造方法の特徴構成は、アルミニウム塩と有機ポリマーとをアルコール系溶媒中で混合し、加熱・還流した後、焼成する点にある。
本手段によれば、粒径が大きく、かつ比表面積の大きい球状または板状のγ−アルミナが得られる。さらに、用いる触媒の粒子サイズや添加量、対象とする有害物質などの用途に応じて、触媒担体用γ−アルミナの粒径分布を調節することができる。
本発明における触媒担体用γ−アルミナの製造方法において、アルミニウム塩は、硝酸アルミニウム、または硝酸アルミニウムの水和物であることが好ましい。
さらに、有機ポリマーは、ポリビニルピロリドンであることが好ましい。
また、前記アルコール系有機溶媒は、アルコール類、グリコール類、グリセリン、または、エチレングリコール、ジエチレングリコールであることが好ましい。
実施例1における焼成粉末のX線回折パターンを示す図である。 実施例1における前駆体粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1における焼成粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2における焼成粉末のX線回折パターンを示す図である。 実施例2における前駆体粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2における焼成粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3における焼成粉末のX線回折パターンを示す図である。 実施例3における前駆体粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3における焼成粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1から3で示した焼成粉末の二次粒子径分布を示す図である。 実施例1から3で示した焼成粉末と、α−アルミナ、θ−アルミナを用いて作製したガスセンサにおける、メタンガスに対するガス感度を示すグラフである。
本発明の触媒担体用γ−アルミナは、平均二次粒子径が30nmから2μmであり、一次粒子径が2.5nmから9.0nmであって、比表面積が10m2/gから150m2/gである球状または板状のものである。なお、本発明において、γ−アルミナの平均二次粒子径とは画像解析法により求めたものであり、一次粒子系はX線回折パターンよりWilliamson−Hall法により求めたものであり、比表面積とはBET法により求めたものである。
また、本発明の触媒担体用γ−アルミナは、二次粒子径における粒径の変動係数が、15%から60%であることが好ましい。本発明において変動係数とは、粒度分布測定結果の標準偏差と平均値の比から求めた値である。変動係数がこの範囲より小さい、または大きい粉体を用いてセンサを作製した場合、センサ素子表面が緻密になり、ガスがセンサ内部まで拡散しにくい構造になり、ガス感度が小さくなる。
さらには、本発明の触媒担体用γ−アルミナは、γ−アルミナの8割以上の二次粒子の円度が0.50から0.95を示すことが好ましい。ここでいう円度とは、γ−アルミナの外側から半径が最小となる円と、γ−アルミナの内側から半径が最大となる円との二つの幾何学的円において、小さい円の半径と大きい円の半径との商のことである。円度がこの範囲であれば、γ−アルミナをセンサ素子として用いた場合に、焼結性がよくなり、耐久性が良い。また、センサ素子表面が緻密にならないため、ガスが拡散しやすく、ガス感度が良好になる。本発明におけるγ−アルミナの製造方法は以下の通りである。
アルミニウム塩と、有機ポリマーを、アルコール系溶媒に溶解させる。アルミニウム塩は特に限定されないが、例えば、硝酸アルミニウム、硝酸アルミニウムの水和物、塩化アルミニウム、塩化アルミニウムの水和物、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムの水和物、トリイソプロポキシアルミニウム等があげられる。また、有機ポリマーも特に限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等があげられる。さらに、アルコール系溶媒も特に限定されないが、高沸点であることが好ましく、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタノール、ヘキサオール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール等があげられる。アルミニウム塩の濃度や有機ポリマーの濃度は特に限定されないが、例えばそれぞれ0.5〜1.2mol/L、0.2〜2mol/Lとなるように調製する。
次に、調製した溶液を攪拌しながら加熱・還流する。加熱・還流の温度は特に限定されないが、例えば、135℃以上が好ましい。
これを、室温まで放冷し、遠心分離を行い、固形物を回収し、その後、水またはエタノールを追加して固形物を分散させ遠心分離を行う方法で洗浄する。これを乾燥させて前駆体粉末を得る。乾燥温度は特に限定されないが、例えば上記のポリビニルピロリドンと硝酸アルミニウム水和物であれば80℃であることが好ましい。
得られた前駆体粉末を焼成し、γ−アルミナ粉末を得る。焼成温度は特に限定されないが、例えば800〜1000℃で焼成する。
さらに、加熱・還流の条件を制御することによって、平均二次粒子を30nmから2μmの範囲において、自在に調節することができる。
例えば、平均二次粒子径が30nmから125nmのγ−アルミナであれば、粒径の変動係数が15%から40%、一次粒子径が2.5nmから4.5nm、比表面積が70m2/gから110m2/g、円度が0.60から0.95のγ−アルミナを提供することができる。
また、平均二次粒子径が125nmから1.3μmのγ−アルミナであれば、粒径の変動係数が25%から40%、一次粒子径が4.0nmから6.0nm、比表面積が10m2/gから60m2/g、円度が0.55から0.95のγ−アルミナを提供することができる。
さらに、平均二次粒子径が1.3μmから2μmのγ−アルミナであれば、粒径の変動係数が30%から60%、一次粒子径が6.0nmから9.0nm、比表面積が10m2/gから35m2/g、円度が0.50から0.95のγ−アルミナを提供することが出来る。
種々の反応条件により、実施例以外のγ−アルミナが生成しうるが、何れも本願の発明の範囲に含まれる。冗長を避ける為に全体を掲載しないが、これらの薬剤の使用条件を調整することにより、得られる粒子の形状や粒径の自由度が広がった。
本発明のγ−アルミナは、例えば貴金属触媒を担持させることにより、ガス反応部として、接触燃焼式ガス検知素子や半導体式ガス検知素子等に適用できる。
以下に、本発明を用いた実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリビニルピロリドン(以下PVP)と硝酸アルミニウム九水和物をエチレングリコール(以下EG)に溶解させ、PVP濃度がモノマーユニット単位で1.08mol/L、硝酸アルミニウム濃度が0.6mol/Lとなるようにした。溶液を攪拌しながら190℃まで加熱し、18時間還流した。加熱・還流の過程で、硝酸アルミニウムの分解反応による窒素酸化物のガスが激しく発生し、溶液は黒変した。還流後、溶液を室温まで放冷し、水を適量追加して遠心分離を行い、固形物を回収した。その後、水またはエタノールを追加して固形物を分散させ遠心分離を行う方法で数回洗浄し、80℃で乾燥させ前駆体粉体を得た。得た前駆体粉末を800℃で4時間焼成し、焼成粉末を得た。焼成粉末の重量は、前駆体粉末の4割程度である。
図1に、焼成粉末のCuKα線で測定したX線回折パターンを示す。観測される回折ピークより、得られた焼成粉末はγ−アルミナであることが確認出来た。X線回折ピークの半値幅から結晶子径(一次粒子径)を求めるHallの式より、結晶子径は3.3nmであることを確認した。
図2に、前駆体粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す。硝酸アルミニウムの熱分解でアルミナの前駆体が形成されるが、反応溶液中にPVPが存在することでアルミナ前駆体の集合が阻害され、二次粒子の平均粒径が100〜300nmの微粒子として得られた。
図3に、焼成粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す。前駆体粉末中にPVPが存在することで、粒子間の焼結が阻害され、二次粒子の平均粒径が121nmであり、焼成粉末の変動係数が33.5%である微粒子が得られた。これら二次粒子の粒径の8割の円度は、0.66〜0.72の範囲に含まれる。また、焼成粉末のBET法による分析より、比表面積は77m2/gであった。
(実施例2)
PVPと硝酸アルミニウム九水和物をEGに溶解させ、PVP濃度がモノマーユニット単位で1.08mol/L、硝酸アルミニウム濃度が0.6/Lとなるようにした。溶液を攪拌しながら170℃まで加熱し、18時間還流した。加熱、還流の過程で、硝酸アルミニウムの分解反応による窒素酸化物のガスが激しく発生し、溶液は黒変した。還流後、溶液を室温まで放冷し、水を適量追加して遠心分離を行い、固形物を回収した。その後、水またはエタノールを追加して固形物を分散させ遠心分離を行う方法で数回洗浄し、80℃で乾燥させ前駆体粉体を得た。得た前駆体粉末を800℃で8時間焼成し、焼成粉末を得た。焼成粉末の重量は、前駆体粉末の4割程度である。
図4に、焼成粉末のCuKα線で測定したX線回折パターンを示す。観測される回折ピークより、得られた焼成粉末はγ−アルミナであることが確認出来た。X線回折ピークの半値幅から結晶子径(一次粒子径)を求めるHallの式より、結晶子径は5.7nmであることを確認した。
図5に、前駆体粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す。硝酸アルミニウムの熱分解でアルミナの前駆体が形成されるが、反応溶液中にPVPが存在することでアルミナ前駆体の集合が阻害され、二次粒子の平均粒径が206nmの微粒子として得られた。
図6に、焼成粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す。前駆体粉末中にPVPが存在することで、粒子間の焼結が阻害され、二次粒子径の平均が180nmであり、焼成粉末の変動係数が29.5%である粒子が得られた。これら二次粒子の粒径の8割の円度は、0.67〜0.84の範囲に含まれる。また、焼成粉末のBET法による分析より、比表面積は54m2/gであった。
(実施例3)
PVPと硝酸アルミニウム九水和物をEGに溶解させ、PVP濃度がモノマーユニット単位で1.08mol/L、硝酸アルミニウム濃度が0.6mol/Lとなるようにした。溶液を攪拌しながら153℃まで加熱し、20時間還流した。加熱、還流の過程で、硝酸アルミニウムの分解反応による窒素酸化物のガスが激しく発生し、溶液は黒変した。還流後、溶液を室温まで放冷し、水を適量追加して遠心分離を行い、固形物を回収した。その後、水またはエタノールを追加して固形物を分散させ遠心分離を行う方法で数回洗浄し、80℃で乾燥させ前駆体粉体を得た。得た前駆体粉末を850℃で8時間焼成し、焼成粉末を得た。焼成粉末の重量は、前駆体粉末の4割程度である。
図7に、焼成粉末のCuKα線で測定したX線回折パターンを示す。観測される回折ピークより、焼成粉末はγ−アルミナであることが確認出来た。X線回折ピークの半値幅から結晶子径(一次粒子径)を求めるHallの式より、結晶子径は6.5nmであることを確認した。
図8に、前駆体粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)を示す。硝酸アルミニウムの熱分解でアルミナの前駆体が形成されるが、反応溶液中にPVPが存在することでアルミナ前駆体の集合が阻害され、二次粒子の平均粒径が約2μmの粒子として得られた。
図9に、焼成粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)を示す。前駆体粉末中にPVPが存在することで、粒子間の焼結が阻害され、二次粒子径の平均が1.77nmであり、焼成粉末の変動係数が43.8%の粒子が得られた。これら二次粒子粒径の8割の円度は、0.72〜0.86の範囲に含まれる。また、焼成粉末のBET法による分析より、比表面積は26m2/gであった。
図10に、これらの製造方法によって得られた焼成粉末の二次粒子径分布を示す。また、実施例1、2の結果も併記する。図10が示すように、合成条件の調節により、二次粒子径分布が異なることがわかった。
(実施例4)
実施例1から3で作成したγ−アルミナ焼成粉末を用いた接触燃焼式ガスセンサのメタンガスに対するガス感度特性を調べ、市販のアルミナ粒子と比較した。
まず、実施例1から3で得られたγ−アルミナと、比較例として用いるα−アルミナ、θ−アルミナについて、平均二次粒子径と比表面積における比較を行った(表1)。
表1に示されるように、本発明における実施例1から3で得られたγ−アルミナは、平均二次粒子径、比表面積ともに大きい値を示している。それに対し、比較例1で用いたα−アルミナは、平均二次粒子径は大きいものの、比表面積が小さい。また、比較例2で用いたθ−アルミナは、比表面積は大きいものの、平均二次粒子径が小さい。
これらのアルミナ粒子を用いた接触燃焼式ガス検知素子について、詳細な説明を以下に示す。
コイル状の白金線に、実施例1〜3、比較例1、2のアルミナを触媒担体として用い、当該触媒担体に白金、パラジウム、白金パラジウム等の触媒を担持したガス反応部としての燃焼触媒部を略球形に設け、接触燃焼式ガス検知素子を作製した。この検知素子を用いてメタンガスに対する感度を調べた。
その結果、図11に示すように、本発明におけるγ−アルミナを用いた検知素子はいずれも、比較例で用いたα−アルミナ、θ−アルミナと比べ、メタンガスに対するガス感度が良好であることが示された。なお、比較例2のθ−アルミナは、平均二次粒子径、比表面積ともに本願発明を実施するための形態の範囲内であるが、θ−アルミナは粒径の変動係数が小さい(10%以下)ため、センサ素子表面が緻密になり、ガス感度が小さいものとなっている。
本発明に係る触媒担体用γ−アルミナは、粒径分布を調節することができるため、用いる触媒の粒子サイズや添加量、対象とする有害物質など、様々な用途のガスセンサに適用することができる。

Claims (9)

  1. 平均二次粒子径が30nmから2μmであり、一次粒子径が2.5nmから9.0nmであって、比表面積が10m2/gから150m2/gである球状または板状の触媒担体用γ−アルミナ。
  2. 二次粒子径における粒径の変動係数が、15%から60%である請求項1に記載の触媒担体用γ−アルミナ。
  3. γ−アルミナの外側から半径が最小となる円と、前記γ−アルミナの内側から半径が最大となる円との二つの幾何学的円において、小さい円の半径と大きい円の半径との商を円度として定義したとき、8割以上の二次粒子の円度が0.50から0.95を示す請求項1または2に記載の触媒担体用γ−アルミナ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の触媒担体用γ−アルミナに貴金属触媒を担持させたガス反応部を備えるガス検知素子。
  5. アルミニウム塩と有機ポリマーとをアルコール系溶媒中で混合し、加熱・還流した後、焼成する触媒担体用γ−アルミナの製造方法。
  6. 前記アルミニウム塩が、硝酸アルミニウムまたは硝酸アルミニウムの水和物である請求項5に記載の触媒担体用γ−アルミナの製造方法。
  7. 前記有機ポリマーが、ポリビニルピロリドンである請求項5または6に記載の触媒担体用γ−アルミナの製造方法。
  8. 前記アルコール系溶媒が、アルコール類、グリコール類、グリセリンである請求項5〜7のいずれか一項に記載の触媒担体用γ−アルミナの製造方法。
  9. 前記アルコール系溶媒がエチレングリコール、ジエチレングリコールである請求項5〜8のいずれか一項に記載の触媒担体用γ−アルミナの製造方法。
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