JP2017156300A - 接触燃焼式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体、および、接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法 - Google Patents

接触燃焼式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体、および、接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法 Download PDF

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博樹 小林
博雅 丹上
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Abstract

【課題】焼結時の加熱ムラを未然に防止し、製造後に迅速に使用でき、製造コストを抑制できる接触燃焼式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体、および、接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法を提供する。【解決手段】被検知ガスと感応する検出素子10および補償素子20を有する接触燃焼式ガスセンサXにおいて、検出素子10は、コイル状に形成したコイル部11aを有する貴金属線材11と、コイル部11aに、被検知ガスに対して活性な貴金属からなる触媒を坦持する絶縁性の金属酸化物の坦体を塗布して焼結成形した燃焼触媒部12と、を備え、金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で焼結させた。【選択図】図1

Description

本発明は、被検知ガスと感応する検出素子および補償素子を有する接触燃焼式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体、および、接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法に関する。
特許文献1には、検出素子および補償素子を有する接触燃焼式ガスセンサについて記載してある。検出素子は、白金コイルにアルミナ粉末とアルミナゾルの混合したペーストを付着させ、800℃で焼成してアルミナ担体を白金コイルに固着させた後、アルミナ担体に酸化パラジウムと酸化白金の混合触媒溶液を含浸し、500℃で加熱分解して、酸化パラジウムと酸化白金の混合触媒をアルミナ担体に担持して製造することが記載してある。
また、補償素子は、白金コイルにアルミナ粉末とアルミナゾルの混合したペーストを付着させ、800℃で焼成してアルミナ担体を白金コイルに固着させた後、アルミナ担体に硫酸銅溶液を含浸し、加熱分解して製造することが記載してある。
特開平9−127036号公報
接触燃焼式ガスセンサにおいて検出素子および補償素子を作製する場合、通常、上述した白金コイルに電流を流すことにより、焼結体部分を局所的に加熱して焼結形成する(通電焼成、内部焼成)ため、焼結体の位置によって加熱ムラが発生するため、均一に焼成できないという問題点があった。
接触燃焼式ガスセンサは、ガスセンサとして安定動作させるために、一定期間の通電(エージング)が必要である。当該期間は、通常、1〜2か月と長期に亘るため、センサ素子を製造後に直ちに使用することができず、また、長期通電時の通電コストが大幅に嵩むという問題点があった。
従って、本発明の目的は、焼結時の加熱ムラを未然に防止し、製造後に迅速に使用でき、製造コストを抑制できる接触燃焼式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体、および、接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る接触燃焼式ガスセンサは、被検知ガスと感応する検出素子および補償素子を有する接触燃焼式ガスセンサであって、その第一特徴構成は、前記検出素子は、コイル状に形成したコイル部を有する貴金属線材と、前記コイル部に、被検知ガスに対して活性な貴金属からなる触媒を坦持する絶縁性の金属酸化物の坦体を塗布して焼結成形した燃焼触媒部と、を備え、前記金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で焼結させた点にある。
本構成では、絶縁性の金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で焼結させているため(炉内焼成、外部焼成)、金属電極線自身に電流を流すことによって絶縁性の金属酸化物を焼結形成する場合(通電焼成、内部焼成)に比べて、加熱ムラが発生し難くなる。これにより、絶縁性の金属酸化物を均一に焼結することができる。
また、本構成のように絶縁性の金属酸化物を均一に焼結して作製された燃焼触媒部を有する検出素子を備えた接触燃焼式ガスセンサであれば、安定動作させるために行う数か月に亘る長期の通電(エージング)処理は不要となり、長くても数日(2〜7日)程度の短期間の通電処理によって安定動作させることができる。従って、本構成の接触燃焼式ガスセンサであれば、製造後に迅速に使用でき、通電コストなどの製造コストを抑制できる接触燃焼式ガスセンサとなる。
さらに、本構成の接触燃焼式ガスセンサであれば、製造後に迅速に使用できるため、接触燃焼式ガスセンサの検出素子の評価を製造後に短期間の内に行うことができる。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第二特徴構成は、前記金属酸化物をアルミナとした点にある。
本構成のように絶縁性の金属酸化物としてアルミナを用いる場合には、当該金属酸化物の細孔径を小さく、比表面積を大きくすることができるため、金属酸化物に貴金属触媒を高分散させることができる。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第三特徴構成は、前記焼結成形が900〜1000℃の温度で行われたものである点にある。
本構成のように焼結成形の温度範囲を900〜1000℃とすることにより、焼結温度の高い絶縁性の金属酸化物材料や触媒を使用することができる。そのため、通電焼成(内部焼成)による従来の接触燃焼式ガスセンサでは使用されなかった絶縁性の金属酸化物を使用できる可能性があるため、新規な接触燃焼式ガスセンサの検出素子を作製することが期待される。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体の第一特徴構成は、コイル状に形成したコイル部を有する貴金属線材と、前記コイル部に、被検知ガスに対して活性な貴金属からなる触媒を坦持する絶縁性の金属酸化物の坦体を塗布して焼結成形した燃焼触媒部と、対面した一対の腕部の表面に貴金属の電極パターンを有し、前記一対の電極パターンのそれぞれに前記貴金属線材の両端部の一方および他方の何れかを接続した基板ステム部と、を備え、前記焼結成形が、前記コイル部に前記金属酸化物を塗布した前記貴金属線材および前記基板ステム部を接続した状態で、加熱炉による加熱により炉内で900〜1000℃で焼結させた点にある。
本構成によれば、コイル部に絶縁性の金属酸化物を塗布した貴金属線材および基板ステム部を接続した接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体の状態で、焼結処理を行うことができる。当該焼結処理は、絶縁性の金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で焼結させているため(炉内焼成、外部焼成)、金属電極線自身に電流を流すことによって絶縁性の金属酸化物を焼結形成する場合(通電焼成、内部焼成)に比べて、加熱ムラが発生し難くなる。これにより、絶縁性の金属酸化物を均一に焼結することができる。
また、本構成のように絶縁性の金属酸化物を均一に焼結して作製された燃焼触媒部を有する接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体であれば、安定動作させるために行う数か月に亘る長期の通電(エージング)処理は不要となり、短期間の通電処理によって安定動作させることができる。従って、本構成の接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体であれば、製造後に迅速に使用でき、通電コストなどの製造コストを抑制できる接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体となる。
焼結後、接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体は、そのままニッケルピンに連結してセンサ基台に取り付けて警報器などの製品の態様とすることができる。即ち、本構成では、コイル部に絶縁性の金属酸化物を塗布した貴金属線材および基板ステム部を接続した接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体の状態で、炉中に投入して焼結処理を行った後、直ちにニッケルピンに連結してセンサ基台に取り付けて製品の態様とすることができるため、警報器などの製造を迅速に行うことができる。
また、焼結成形の温度範囲を900〜1000℃とすることにより、焼結温度の高い絶縁性の金属酸化物材料や触媒を使用することができる。そのため、通電焼成(内部焼成)による従来の接触燃焼式ガスセンサでは使用されなかった絶縁性の金属酸化物を使用できる可能性があるため、新規な接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体を作製することが期待される。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体の第二特徴構成は、前記基板ステム部をセラミック製とした点にある。
本構成のように基板ステム部をセラミック製とすれば、900〜1000℃の高い温度範囲でも十分耐えうる基板ステム部とすることができる。これにより、900〜1000℃の高温の加熱炉における焼結を行うことが可能となる。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法の特徴構成は、コイル部に絶縁性の金属酸化物を塗布した貴金属線材、および、対面した一対の腕部の表面に貴金属の電極パターンを有し、前記一対の電極パターンのそれぞれに前記貴金属線材の両端部の一方および他方の何れかを接続可能な基板ステム部を接続した状態で、前記金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で900〜1000℃で焼結させた点にある。
本構成によれば、コイル部に絶縁性の金属酸化物を塗布した貴金属線材および基板ステム部を接続した接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体の状態で、焼結処理を行うことができる接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法となる。当該焼結処理は、絶縁性の金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で焼結させているため(炉内焼成、外部焼成)、金属電極線自身に電流を流すことによって絶縁性の金属酸化物を焼結形成する場合(通電焼成、内部焼成)に比べて、加熱ムラが発生し難くなる。これにより、絶縁性の金属酸化物を均一に焼結することができる。
また、本構成のように絶縁性の金属酸化物を均一に焼結した燃焼触媒部を作製できる接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法であれば、安定動作させるために行う数か月に亘る長期の通電(エージング)処理は不要となり、短期間の通電処理によって安定動作させることができる。従って、本構成の接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法であれば、製造後に迅速に使用でき、通電コストなどの製造コストを抑制できる接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法となる。
また、焼結成形の温度範囲を900〜1000℃とすることにより、焼結温度の高い絶縁性の金属酸化物材料や触媒を使用することができる接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法となる。そのため、通電焼成(内部焼成)による従来の接触燃焼式ガスセンサの検出素子では使用されなかった絶縁性の金属酸化物を使用できる可能性があるため、新規な接触燃焼式ガスセンサの検出素子を作製することが期待される。
本発明の接触燃焼式ガスセンサの概略図である。 本発明の接触燃焼式ガスセンサの検出素子(検出素子構造体)の概略図である。 本発明の接触燃焼式ガスセンサのガス検知性能(初期出力特性)について調べたグラフである(イソブタン検知)。 本発明の接触燃焼式ガスセンサのガス検知性能(初期出力特性)について調べたグラフである(水素ガス検知)。 本発明の接触燃焼式ガスセンサにおいてエージング処理の期間について調べたグラフである(空気中)。 本発明の接触燃焼式ガスセンサにおいてエージング処理の期間について調べたグラフである(イソブタン5000ppmの雰囲気中)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示したように、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは、被検知ガスを燃焼させて検知する接触燃焼式ガス検出素子(以下、検出素子と称する)10と、環境の変化等、被検知ガスの燃焼以外の温度変化に基づく、検出素子10の抵抗値の変化を補正する補償素子20と、固定抵抗R1,R2とをブリッジ回路に組み込んで構成してある。ブリッジ回路は、電源Eによって常時約90〜120mAの電流を供給し、検出素子10を被検知ガスが接触燃焼し易い(感応し易い)温度に保持してある。
検出素子10と補償素子20とは、抵抗値が等しくなるように設定してある。このため、被検知ガスが存在しない場合には、ブリッジ回路は平衡状態となり、センサ出力Vは生じない。一方、被検知ガスが存在すると、その燃焼によって検出素子10の温度が上昇して抵抗値が大きくなるため、ブリッジ回路の平衡がくずれ、センサ出力Vが生じる。このセンサ出力Vは被検知ガスの濃度に比例するため、このガスセンサにより空気中の被検知ガスの濃度を測定することができる。
図2に示したように、検出素子10は、コイル状に形成したコイル部11aを有する貴金属線材11と、コイル部11aに、被検知ガスに対して活性な貴金属からなる触媒を坦持する絶縁性の金属酸化物の坦体を塗布して焼結成形した燃焼触媒部12と、を備える。当該金属酸化物は、加熱炉による加熱により炉内で焼結させたものである。
図2に示したように本発明の検出素子10は、以下の基板ステム部13と共に検出素子構造体Aを形成する。当該基板ステム部13は、対面した一対の腕部13a,13bの表面に貴金属の電極パターン14a,14bを有し、一対の電極パターン14a,14bのそれぞれに貴金属線材11の両端部の一方および他方の何れかを接続可能となっている。
焼結成形は、コイル部11aに金属酸化物を塗布した貴金属線材11および基板ステム部13を接続した状態で、加熱炉による加熱により炉内で900〜1000℃で焼結させる。
本発明の接触燃焼式ガスセンサXは例えば家庭用警報器全般、携帯用検知器全般および工業用定置式検知器全般に搭載して、水素ガス、メタンガス、イソブタン等のガスを検知することができる。
貴金属線材11は、白金、ロジウム、白金−ロジウム合金、白金−ジルコニア等の線材を使用することができる。燃焼触媒部12は、当該貴金属線材11に、アルミナ、シリカアルミナ等を主成分とする絶縁性の金属酸化物を塗布して覆い、乾燥後焼結成形してある。本実施形態では、絶縁性の金属酸化物がアルミナである場合について説明する。貴金属線材11の線径、コイル径、コイル巻数等は、従来の接触燃焼式ガスセンサに使用するものと同様で、特に限定されない。燃焼触媒部12は、絶縁性の金属酸化物に貴金属触媒を坦持してある。貴金属触媒としては、白金、パラジウム、金等が使用でき、特に限定されない。絶縁性の金属酸化物には、セリア、ランタン等の希土類金属酸化物を担持させてもよい。
金属酸化物としてアルミナを用いる場合には、金属酸化物の細孔径を小さく、比表面積を大きくすることができるため、金属酸化物に貴金属触媒を高分散させることができる。
検出素子構造体Aは、貴金属線材11の両端部の一方および他方の何れかが一対のニッケルピン15a,15bの何れかにそれぞれ通電するように連結してある。本実施形態では、貴金属線材11の両端部の一方が電極パターン14aに接続し、両端部の他方が電極パターン14bに接続し、ニッケルピン15a,15bのそれぞれがニッケルピン接続線(白金リボン等)17a,17bを介して電極パターン14a,14bのそれぞれに通電するように溶接等によって連結してある。これにより、貴金属線材11の抵抗値はニッケルピン15a,15bを介して測定可能にしてある。ニッケルピン15a,15bのそれぞれは、センサ基台16に取り付けてある。
電極パターン14a,14bは、基板ステム部13に形成した一対の腕部13a,13bの表面に、白金等の貴金属を公知の電極パターン印刷することによって形成してある。電極パターン印刷は、腕部13a,13bの表面の全面(平面状)或いは一部(線状)に行えばよい。また、電極パターン14a,14bは腕部13a,13bに対してスルーホールを含んだ両面仕様とすることも可能である。
本実施形態における基板ステム部13は、略U字型(コ字型)のセラミック製のセラミックモールド基材とする場合について説明するが、このような形状に限定されるものではない。略U字型(コ字型)のセラミックモールド基材とすれば、対面した一対の腕部13a,13bを形成することができるため、貴金属線材11の両端部の一方および他方の何れかを電極パターン14a,14bのそれぞれに容易に接続することができる。セラミックはアルミナ、シリカアルミナ等とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。
補償素子20は、検出素子10の抵抗の変化値を補正するものであるため、検出素子10と温度特性が同一であることが好ましい。このため、本実施形態においては、検出素子10において貴金属触媒を担持しないことのみが異なる態様としてある。このように補償素子20は貴金属触媒を有しないため、触媒反応による被検知ガスの燃焼が生じないため、被検知ガスに対して不活性とされる。当該補償素子20は、通電されることにより発熱してその周囲を覆うアルミナ等の坦体を加熱するものであり、熱により自らの抵抗値が変化する。
本発明の接触燃焼式ガスセンサXの検出素子10の製造方法は、以下の通りである。
貴金属線材11のコイル部11aに、アルミナを主成分とする絶縁性の金属酸化物を塗布して覆う金属酸化物塗布工程を行う。
モールド成形によって作製したセラミック製の基板ステム部13の一対の腕部13a,13bのそれぞれの表面に、白金を公知の電極パターン印刷する基板ステム部作製工程を行う。
金属酸化物塗布工程で作製した貴金属線材11、および、基板ステム部作製工程で作製した基板ステム部13を溶接によって連結して検出素子構造体Aを作製する素子構造体作製工程を行う。
検出素子構造体Aの状態で、加熱炉による加熱により炉内で900〜1000℃で1〜4時間程度焼結させる焼結工程を行う。
上述したように本発明の検出素子10は、コイル部11aに絶縁性の金属酸化物を塗布して焼結成形した燃焼触媒部12を備えており、当該金属酸化物は、加熱炉による加熱により炉内で焼結させている。加熱炉は、900℃以上に加熱できる炉を有するものであれば、例えば電気炉等を使用することができるが、これに限定されるものではない。
本構成では、絶縁性の金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で焼結させているため、金属電極線自身に電流を流すことによって絶縁性の金属酸化物を焼結形成する場合に比べて、加熱ムラが発生し難くなる。これにより、絶縁性の金属酸化物を均一に焼結することができる。
また、本構成のように絶縁性の金属酸化物を均一に焼結して作製された燃焼触媒部12を有する検出素子10を備えた接触燃焼式ガスセンサであれば、短期間の通電処理によって安定動作させることができる。
さらに、本構成の接触燃焼式ガスセンサであれば、製造後に迅速に使用できるため、検出素子10の評価を製造後に短期間の内に行うことができる。
絶縁性の金属酸化物の焼結は、コイル部11aに絶縁性の金属酸化物を塗布した貴金属線材11および基板ステム部13を接続した検出素子構造体Aの状態で、加熱炉による加熱により炉内で900〜1000℃で焼結させる。
基板ステム部13はセラミック製であるため、900〜1000℃の高い温度範囲でも十分耐えうる。これにより、900〜1000℃の高温の加熱炉における焼結を行うことが可能となる。
焼結後、検出素子構造体Aは、そのままニッケルピン15a,15bに連結してセンサ基台16に取り付けて警報器などの製品の態様とすることができる。即ち、本構成では、コイル部11aに絶縁性の金属酸化物を塗布した貴金属線材11および基板ステム部13を接続した検出素子構造体Aの状態で、炉中に投入して焼結処理を行った後、直ちにニッケルピン15a,15bに連結してセンサ基台16に取り付けて製品の態様とすることができるため、警報器などの製造を迅速に行うことができる。
焼結成形の温度範囲を900〜1000℃とすることにより、焼結温度の高い絶縁性の金属酸化物や触媒を使用することができる。そのため、通電焼成(内部焼成)による従来の接触燃焼式ガスセンサの検出素子では使用されなかった絶縁性の金属酸化物材料を使用できる可能性があるため、新規な接触燃焼式ガスセンサの検出素子を作製することが期待される。
また、本構成では高温で絶縁性の金属酸化物を焼結させるため、製造後は焼結の進行が完了した状態となり、製造直後から性能の安定した高品質な検出素子とすることができる。
尚、本願発明の特徴を、物の構造又は特性により直接特定することは非実際的である。本願発明および従来技術における差は、絶縁性の金属酸化物の結晶性の違いによるものと推察されるが、このような結晶性の違いに係る構造又は特性を文言により一概に特定することは非実際的である。
〔実施例1〕
本発明の接触燃焼式ガスセンサXのガス検知性能について調べた。
本発明の接触燃焼式ガスセンサXにおける検出素子10は貴金属線材11として白金線、絶縁性の金属酸化物としてアルミナを使用し、貴金属触媒として白金を使用し、検出素子構造体Aにおける電極パターン14a,14bとして白金を使用し、基板ステム部13はアルミナのセラミックモールドとした。焼結工程における炉内焼成の焼結温度は900℃および1000℃(1時間処理)とした(本発明例1,2)。
また、炉内焼成の焼結温度を700℃および800℃(1時間処理)として作製した検出素子を有する接触燃焼式ガスセンサ(比較例2,3)についてもガス検知性能について調べた。
さらに、従来の手法である通電焼成によって作製した検出素子を有する接触燃焼式ガスセンサを使用した比較例(比較例3)についてもガス検知性能について調べた。比較例3のセンサは、具体的には白金線のコイルにアルミナを塗布し、貴金属触媒として白金を使用し、通電焼成して作製した燃焼触媒部を有する検出素子を有する接触燃焼式ガスセンサを使用した。通電焼成は4.0〜6.0Vの条件で行い、900℃未満の温度で焼成した。
これらの接触燃焼式ガスセンサを使用し、イソブタンおよび水素ガスを検知したときの結果をそれぞれ図3,4に示した。
図3の結果より、炉内焼成の焼結温度を900℃および1000℃とした本発明例1,2のセンサの出力は、イソブタン20000ppmの時に約130mVであった。また、通電焼成によって作製した比較例3の接触燃焼式ガスセンサの出力は、イソブタン20000ppmの時に約140mVであった。従って、本発明例1,2のセンサにおいては、比較例3の接触燃焼式ガスセンサと略同様な出力傾向を有すると認められた。
一方、炉内焼成の焼結温度を700℃および800℃とした比較例2,3のセンサの出力は、イソブタン20000ppmの時に約80mVであった。これは、比較例3の接触燃焼式ガスセンサに対して6割程度(80/130)の出力しか得られないと認められた。
また、図4の結果より、水素ガス40000ppmの時において、本発明例1,2のセンサの出力、および、通電焼成によって作製した比較例3の接触燃焼式ガスセンサの出力は、共に約210mVであった。従って、本発明例1,2のセンサにおいては、比較例3の接触燃焼式ガスセンサと略同様な出力傾向を有すると認められた。
一方、炉内焼成の焼結温度を700℃および800℃とした比較例2,3のセンサの出力は、水素ガス40000ppmの時に約170mVであった。これは、比較例3の接触燃焼式ガスセンサに対して8割程度(170/210)の出力しか得られないと認められた。
以上より、炉内焼成の焼結温度を900〜1000℃とした本発明の接触燃焼式ガスセンサは、通電焼成によって作製した比較例3の接触燃焼式ガスセンサと同等の優れた性能を有するものと認められた。
〔実施例2〕
本発明の接触燃焼式ガスセンサXにおいて、安定動作させるために必要なエージング処理の期間について調べた。接触燃焼式ガスセンサは、実施例1と同様のセンサを使用した(本発明例1,2、比較例1〜3)。エージング処理は、空気中およびイソブタン5000ppmの雰囲気中で行い、それぞれの結果を図5,6に示した。
図5において、本発明例1,2のセンサは製造後において安定した出力が得られた。一方、比較例1,2では400日経過後の出力は安定せず、本発明例1,2のセンサに比べて出力は低かった。また、通電焼成によって作製した比較例3の接触燃焼式ガスセンサにおいても、400日経過後の出力は安定しなかった。
図6において、本発明例1,2のセンサは25日程度で出力が安定した。一方、比較例1,2では25日程度で出力が安定したが、本発明例1,2のセンサに比べて出力は低かった。また、通電焼成によって作製した比較例3の接触燃焼式ガスセンサにおいては、100日程度までは大きく出力値が乱れたため、出力が安定するのに100日程度を要した。
以上の結果より、本発明の接触燃焼式ガスセンサXでは、安定動作させるために行う数か月に亘る長期の通電(エージング)処理は不要となり、長くても数日(2〜7日)程度の通電処理によって安定動作させることができるものと認められた。
本発明は、被検知ガスと感応する検出素子および補償素子を有する接触燃焼式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体、および、接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法に利用できる。
X 接触燃焼式ガスセンサ
A 検出素子構造体
10 検出素子
11 貴金属線材
11a コイル部
12 燃焼触媒部
13 基板ステム部
13a,13b 腕部
14a,14b 電極パターン
20 補償素子

Claims (6)

  1. 被検知ガスと感応する検出素子および補償素子を有する接触燃焼式ガスセンサにおいて、
    前記検出素子は、コイル状に形成したコイル部を有する貴金属線材と、前記コイル部に、被検知ガスに対して活性な貴金属からなる触媒を坦持する絶縁性の金属酸化物の坦体を塗布して焼結成形した燃焼触媒部と、を備え、
    前記金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で焼結させた接触燃焼式ガスセンサ。
  2. 前記金属酸化物がアルミナである請求項1に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  3. 前記焼結成形が900〜1000℃の温度で行われたものである請求項1または2に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  4. コイル状に形成したコイル部を有する貴金属線材と、前記コイル部に、被検知ガスに対して活性な貴金属からなる触媒を坦持する絶縁性の金属酸化物の坦体を塗布して焼結成形した燃焼触媒部と、
    対面した一対の腕部の表面に貴金属の電極パターンを有し、前記一対の電極パターンのそれぞれに前記貴金属線材の両端部の一方および他方の何れかを接続した基板ステム部と、を備え、
    前記焼結成形が、前記コイル部に前記金属酸化物を塗布した前記貴金属線材および前記基板ステム部を接続した状態で、加熱炉による加熱により炉内で900〜1000℃で焼結させた接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体。
  5. 前記基板ステム部がセラミック製である請求項4に記載の接触燃焼式ガスセンサの検出素子構造体。
  6. コイル部に絶縁性の金属酸化物を塗布した貴金属線材、および、対面した一対の腕部の表面に貴金属の電極パターンを有し、前記一対の電極パターンのそれぞれに前記貴金属線材の両端部の一方および他方の何れかを接続可能な基板ステム部を接続した状態で、前記金属酸化物を加熱炉による加熱により炉内で900〜1000℃で焼結させる接触燃焼式ガスセンサの検出素子の製造方法。
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