JPH10274636A - Coガス検知素子 - Google Patents

Coガス検知素子

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JPH10274636A
JPH10274636A JP9075304A JP7530497A JPH10274636A JP H10274636 A JPH10274636 A JP H10274636A JP 9075304 A JP9075304 A JP 9075304A JP 7530497 A JP7530497 A JP 7530497A JP H10274636 A JPH10274636 A JP H10274636A
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JP
Japan
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gas
electrode
catalyst
detection element
detecting element
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JP9075304A
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English (en)
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Hiroto Otsuki
裕人 大槻
Yoshihiro Usami
吉弘 宇佐美
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 妨害となるH2ガスの影響が小さく、耐熱性
に優れるCOガス検知素子を提供するものである。 【解決手段】 酸素イオン導電性固体電解質の表面にP
tを含む一対の電極を形成し、該電極の一方をAl
23、SiO2及びゼオライトから選ばれる1種以上の
担体にPt又はRhを担持した触媒で被覆し、他方をA
23、SiO2、ゼオライト、SnO2、Cr23、T
iO2、CaO、SrO、La23及びCeO2から選ば
れる1種以上の粉末を含む触媒で被覆してなるCOガス
検知素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、COガス検知素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼機器等の不完全燃焼によりCOガス
が発生し、これが居住空間に漏出した場合、数10ppm
程度の低濃度でも、人体に与える影響は大きく、重大な
事故になる恐れがある。このため、これを防止する目的
で、室内の雰囲気中のCOガスを検知して警報を発した
り、燃焼機器の排ガス中のCOガスを検知して燃焼機器
の動作を中断するためのCOガス検知素子が、種々提案
されている。これらのガス検知素子は検知方式により、
接触燃焼式センサ、半導体式センサ、固体電解質式セン
サ等に分けられている。これらの中で固体電解質式のC
Oセンサとしては、特開昭55−39005号公報等に
示されるような酸素イオン導電性固体電解質を用いたも
のが提案されている。
【0003】この方式のCOセンサには、固体電解質上
に一対の電極を形成し、これら電極の一方を可燃性ガス
全般を酸化する触媒で覆い、他方を触媒で覆わず電極を
露出したCOセンサ又はCOガス選択性を高くする目的
で、電極の一方を上記と同様に可燃性ガス全般を酸化す
る触媒で覆い、他方をCOガス以外のガスを酸化する能
力の大きな触媒で覆ったものなどがある。これらのCO
センサの周囲にCOガスが存在すると、前者の場合触媒
で覆わなかった電極にのみ、後者の場合COガス以外の
ガスを酸化する能力の大きな触媒で覆った電極側にのみ
COガスが到達し、電極上でCOガスと固体電解質内の
イオンとして存在する酸素が電気化学反応を起こし、起
電力が生じ、両電極間の電位差により、COガスの検知
が可能になる。
【0004】しかしながら、不完全燃焼時には燃料の組
成、バーナー方式等の燃焼条件により異なった濃度のH
2ガスがCOガスと共に発生するため、片側の電極が触
媒に覆われていない場合は、これらのH2ガスによる出
力があらわれてしまい、精度の高いCOガス濃度検知が
できない。また、後者の片側の電極をCOガス以外のガ
スを酸化する能力の大きな触媒で覆った方式のCOセン
サでも、この触媒のH2ガス酸化能力が、排ガス雰囲気
中の酸素濃度や水蒸気濃度により変化するため、H2
スがセンサの起電力へ影響を与え、精度の高いCOガス
濃度検知ができなかった。
【0005】この原因は、従来、酸素イオン導電性固体
電解質の表面上に形成する電極としてPtを用いていた
ためであり、この場合、目的とするCOガスの感度より
も、妨害ガスとなるH2ガスの感度の方が数倍高い。し
たがって、雰囲気中のH2ガス濃度が変化したり、妨害
ガスを除去するための触媒の能力が変動すると、起電力
に与える影響が大きかった。また、Ptを用いた電極の
場合、使用中の熱履歴によりPtの粒子が成長しやす
く、このため、Pt電極表面へのガスの吸着特性が変化
し、ガス感度が鋭敏化する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2及び3記
載の発明は、妨害となるH2ガスの影響が小さく、耐熱
性に優れるCOガス検知素子を提供するものである。請
求項4記載の発明は、請求項1、2及び3記載の発明に
加えて、応答速度を速くしたCOガス検知素子を提供す
るものである。請求項5記載の発明は、請求項1、2、
3及び4記載の発明に加えて、COガス感度を大きくし
たCOガス検知素子を提供するものである。請求項6記
載の発明は、請求項1、2、3、4及び5記載の発明に
加えて、使用中に電極の結晶粒子が粒子成長するのを防
止して、耐熱性を向上させ、出力の経時安定性に優れる
COガス検知素子を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸素イオン導
電性固体電解質の表面にPtを含む一対の電極を形成
し、該電極の一方をAl23、SiO2及びゼオライト
から選ばれる1種以上の担体にPt又はRhを担持した
触媒で被覆し、他方をAl23、SiO2、ゼオライ
ト、SnO2、Cr23、TiO2、CaO、SrO、L
23及びCeO2から選ばれる1種以上の粉末を触媒
で被覆してなるCOガス検知素子に関する。また、本発
明は、このCOガス検知素子において、電極がPt及び
Rhからなる電極であるCOガス検知素子に関する。ま
た、本発明は、このCOガス検知素子において、電極を
形成するRhの含有量が、電極材料全組成物に対して2
〜50重量%含有してなるCOガス検知素子に関する。
また、本発明は、このCOガス検知素子において、電極
の厚さが、0.1〜3μmであるCOガス検知素子に関
する。また、本発明は、このCOガス検知素子におい
て、電極が、電子線蒸着により形成されたCOガス検知
素子に関する。さらに、本発明は、このCOガス検知素
子において、熱処理した電極の結晶粒子の平均粒子径が
0.05μm以上であるCOガス検知素子に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において酸素イオン導電性
固体電解質(以下固体電解質とする)は、Y23、Ce
2等で安定化したZrO2(ジルコニア)の固体電解質
を用いることが好ましい。安定化剤であるY23は、Z
rO288〜96モル%に対し、12〜4モル%添加す
ることが好ましく、ZrO290〜94モル%に対し、
10〜6モル%添加することがより好ましい。また一方
の安定化剤であるCeO2は、ZrO280〜88モル%
に対し、20〜12モル%添加することが好ましく、Z
rO282〜86モル%に対し、18〜14モル%添加
することがより好ましい。この固体電解質の表面への電
極の形成に用いられる材料は、Pt又はPtにRh、I
r、Pd、Ru、Auから選ばれる1種以上の金属の組
み合わせが挙げられ、これらの組み合わせのうち、特に
PtとRhとを組み合わせて用いることが好ましい。
【0009】電極を形成するのにPtとRhとを組み合
わせて用いる場合、Rhの含有量は電極材料全組成物に
対して2〜50重量%であることが好ましく、5〜40
重量%であることがより好ましく、10〜30重量%で
あることがさらに好ましい。含有量が2重量%未満であ
るとCOガス検知素子の出力変化が大きくなる傾向があ
り、50重量%を超えると出力が小さくなる傾向があ
る。
【0010】本発明における電極の厚さは、0.1〜3
μmであることが好ましく、0.1〜2μmであること
がより好ましく、0.1〜1μmであることがさらに好
ましい。厚さが0.1μm未満であるとCOガス検知素
子の出力変化が大きくなる傾向があり、3μmを超える
と出力の応答速度が遅くなる傾向がある。
【0011】電極を形成する方法としては、電子線蒸
着、スパッタ等の薄膜形成法が挙げられるが、本発明に
おいては電子線蒸着法で形成すれば、COガス感度を大
きくできるので好ましい。また、電極は熱処理を行って
結晶粒子の平均粒径を0.1μm以上にすることが好ま
しく、0.15μm以上にすることがより好ましく、
0.2〜0.5μmの範囲にすることがさらに好まし
い。0.05μm未満であるとCOガス検知素子の出力
変化が大きくなる傾向がある。結晶粒子は走査型電子顕
微鏡で観察し、電極の結晶粒子を無作為に50個以上選
びそれの粒径を測定し、その平均値を求めた。なお熱処
理の温度は700〜1200℃が好ましく、700〜1
000℃であることがより好ましく、700〜900℃
であることがさらに好ましい。
【0012】触媒において、Pt又はRhとAl23
SiO2及びゼオライトから選ばれる1種以上の担体の
割合は、前者が0.1〜10重量%に対し、後者が90
〜99.9重量%の範囲が好ましく、前者が1〜7重量
%に対し、後者が93〜99重量%の範囲がより好まし
く、前者が3〜5重量%に対し、後者が95〜97重量
%の範囲がさらに好ましい。Al23、SiO2及びゼ
オライトから選ばれる1種以上の担体にPt又はRhを
担持する方法については特に制限はないが、例えば上記
の粉末に塩化白金酸、白金硝酸アミン、硝酸ロジウム等
の水溶液を含浸し、800℃前後の温度で熱分解して担
持することができる。
【0013】触媒で電極を被覆する方法としては、円筒
状のケース内に電極を形成した固体電解質を挿入する場
合、触媒の粉体を円筒状のケース内に充填して被覆する
ことができる。また電極を形成した固体電解質を円筒状
のケース内に挿入せず平板状のまま使用する場合、触媒
をペースト化し厚膜法で印刷して被覆することができ
る。なお強度が出ない場合は触媒にガラス粉末を混合し
て用いてもよい。電極へのガスの到達性については、電
極を被覆する触媒が可燃性ガスを酸化する能力の大きな
触媒を用いるとガスの到達性が悪く、一方電極を被覆す
る触媒が可燃性ガスを酸化する能力の小さな触媒を用い
るとガスの到達性が良い。即ちガスの到達性は用いる触
媒の酸化度合により決定される。
【0014】本発明においては、Al23、SiO2
びゼオライトから選ばれる1種以上の担体にPt又はR
hを担持した触媒は、可燃性ガスを酸化する能力の大き
な触媒であり、Al23、SiO2、ゼオライト、Sn
2、Cr23、TiO2、CaO、SrO、La23
びCeO2から選ばれる1種以上の粉末を含む触媒は、
可燃性ガスを酸化する能力の小さな触媒である。本発明
におけるCOガス検知素子に用いられる電極を形成した
固体電解質は、平板状のまま用いてもよく、また円筒状
のケース内に挿入して用いてもよく、特に制限はない。
【0015】以下、本発明の実施例の形態を図面を引用
して詳述する。図1は、本発明の実施例になるCOガス
検知素子の構成を示す断面図であり、1は安定化ZrO
2基板でその表面に起電力取出しリード2、2′が形成
され、さらに起電力取出しリード2、2′の一部に重な
るように一対の電極3、3′が形成されている。4はセ
ラミックケースであり、このセラミックケース4内のほ
ぼ中央部の段部5にリード2、2′及び電極3、3′が
形成された安定化ZrO2基板1が挿入固着され、セラ
ミックケース4内を2部屋に分けている。
【0016】さらに、セラミックケース4内の部屋の一
方にはアルミナ担持Pt触媒6が充填され、他方にはA
23粉末7が充填され、上記の電極3、3′を被覆し
ている。8、8′はアルミナ質の多孔質板であり、セラ
ミックケース4の端部に接着剤で接着されており、9は
コイルヒーター及び10、10′は金線でその一端は多
孔質板8、8′に設けた空隙から外部に引出している。
本発明のCOガス検知素子11は以上のように構成され
る。
【0017】図2は、図1のCOガス検知素子11を取
付けたCOガスセンサの斜視図であり、図1に示すコイ
ルヒーター9の先端は、図2に示すマウント12のヒー
ター電源用端子ピン13、13′にスポット溶接により
接続され、また図1に示す金線10、10′は、図2に
示す出力測定用端子ピン14、14′に接続している。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 実施例1 安定化ZrO2基板としては、ZrO292モル%に対
し、安定化剤としてY23を8モル%添加し、混合、成
形、焼成して得た直径が2.5mm及び厚さが0.6mmの
安定化ZrO2基板(以下YSZ基板とする)を用い
た。
【0019】上記で得たYSZ基板の表面を研磨した
後、図1に示すようにAuペーストで起電力取出しリー
ド2、2′を厚膜印刷し、900℃で20分間焼き付け
た。次いで起電力取出しリード2、2′の一部に重なる
ようにYSZ基板1の両面に、RhとPtの含有割合が
表1に示す電極材料を用いて電子線蒸着により膜厚が
0.3μmで直径が2mmの電極3、3′を形成した後、
700℃で1時間熱処理を行った。また起電力取出しリ
ード2、2′に直径が0.1mmのAu線10、10′を
熱圧着により接続した。
【0020】
【表1】
【0021】次に電極3、3′及び起電力取出しリード
2、2′を形成したYSZ基板1を外径が4mmで長さが
7mmのステアタイトで製作したセラミックケース4内の
ほぼ中央部の段部に無機接着剤で接着し、該セラミック
ケース4内を2部屋に分けた。このセラミックケース4
内の一方の部屋に、アルミナ担持Pt触媒6を充填した
後、アルミナ質の多孔質板8′をセラミックケース4の
端部に無機接着剤で接着した。また起電力取出しリード
2′に接続したAu線10′の一端は、多孔質板8′に
設けた空隙から外部に引出した。
【0022】なお前記アルミナ担持Pt触媒6は、比表
面積が150m2/gのAl23粉末97重量%に対しPt
が3重量%含むような量の塩化白金酸の水溶液を含浸
後、800℃で熱分解して得た。このアルミナ担持Pt
触媒6のガス酸化特性を測定するために、該アルミナ担
持Pt触媒6を内径が13mmのガラス管内に層厚さが
1.5mmに充填して370℃に加熱し、被検ガスとして
2ガス2000ppm及びCOガス2000ppmを含む空
気を150cc/分流通させて触媒層のガス組成をガスク
ロマトグラフで分析したところH2ガス及びCOガスは
完全に酸化された。
【0023】次にセラミックケース4内の他方の部屋
に、Al23粉末7を充填した後、前記と同様にアルミ
ナ質の多孔質板8をセラミックケース4の端部に無機接
着剤で接着した。また起電力取出しリード2に接続した
Au線10の一端も前記と同様に多孔質板8に設けた空
隙から外部に引出した。この後前記と同様の方法でAl
23粉末7のガス酸化特性を測定した結果、H2ガス及
びCOガス共に5%以下の酸化率であった。
【0024】さらに、セラミックケース4の外周にニク
ロム質のコイルヒーター9を巻き付け8種類の電極を形
成したCOガス検知素子を得た。このようにして得られ
たCOガス検知素子を用いて、それぞれのコイルヒータ
ー9に通電し、アルミナ担持Pt触媒6及びAl23
末7を370℃に加熱した。次いでこれらのCOガス検
知素子を200℃に加熱した高温槽に入れ、次いでCO
ガス1000ppm及びH2ガス1000ppmを含むガスを
導入し、COガス検知素子の出力を測定した。その結果
を図3に示す。
【0025】図3から明らかなように、COガスに対す
るCOガス検知素子の出力は、Pt電極(Rh含有量0
重量%)のものに比較し、電極中にRhを含有させると
小さくなることが示される。例えばRhの含有量が50
重量%の場合、その出力は90mVであった。これに対し
2ガスに対するCOガス検知素子の出力は、電極中に
Rhを含有させると極度に小さくなることが示される。
またこれらのCOガス検知素子のH2ガス出力とCOガ
ス出力との比(H2/CO)を計算した結果を図4に示
す。図4から明らかなように、Rhの含有量が5重量%
以上になると、出力比が1.5以下になるので好まし
い。
【0026】次にそれぞれのCOガス検知素子を200
℃に加熱した高温槽に入れ、COガス1000ppm及び
2ガス500ppmを含む被検ガスを導入し、COガス検
知素子の出力を測定した。その後、それぞれのCOガス
検知素子を給湯器の排気筒に取付け、1分間サイクルで
断続燃焼を30,000サイクル行った後、再度200
℃に加熱した高温槽に入れ、COガス1000ppm及び
2ガス500ppmを含む被検ガスを導入し、COガス検
知素子の出力を測定した。その結果を図5に示す。図5
から明らかなようにPt電極(Rh含有量0重量%)の
場合は燃焼後と燃焼前の出力比(燃焼後/燃焼前)が
1.2(+20%)と大きくRhの含有量が2重量%以
上の場合、燃焼後と燃焼前の出力比(燃焼後/燃焼前)
が0.9〜1.1で±10%以内であることが確認され
た。
【0027】また、それぞれのCOガス検知素子を分解
し、電極表面の状態を走査型電子顕微鏡で観察した結果
を表2に示す。表2に示されるように、断続燃焼後のP
tのみで形成した電極は粒子成長が見られ、断続燃焼前
に0.04μmの平均粒子径が0.40μmまで大きく
なっているのに対し、Rhを2重量%以上含有する電極
の場合、断続燃焼前に0.04μmの平均粒子径が断続
燃焼後でも約0.11μmとPt電極と比較して変化が
小さいことが示される。この事からもRhを含有する電
極の耐熱性が高く、耐久性に優れていることが確認され
た。
【0028】
【表2】
【0029】実施例2 YSZ基板の両面に形成する電極材料として、Rhの含
有量が10重量%でPtの含有量が90重量%のRh−
Pt合金を用いて電子線蒸着により膜厚が0.1μm、
0.3μm、0.5μm、1μm、3μm及び5μmで
直径が2mmの電極を得た以外は実施例1と同様の工程を
経て6種類のCOガス検知素子を作製し、実施例1で用
いた高温槽内に入れ、実施例1と同様の条件でCOガス
1000ppm及びH2ガス500ppmを含む被検ガスを導
入し、COガス検知素子の出力を測定した。これらの出
力波形の例を図6に示す。図6に示すようにCOガス検
知素子のガス濃度に対する応答には時間遅れがあり、飽
和出力値の90%の値に達するまでの時間を応答時間と
し、これを基にそれぞれのガス検知素子について飽和出
力値と応答時間の関係について調べた結果を図7に示
す。図7により被検ガスに対するガス検知素子出力の応
答は、膜厚が大きいほど遅く、応答速度を1分以内にす
るには、Rh−Ptの膜厚を1μm以下にするのが良い
ことが確認された。また電極の膜厚を3μm以上の場
合、応答速度は3分以上かかり、飽和出力値が低下する
ことも確認された。
【0030】実施例3 YSZ基板の両面に形成する電極材料として、Rhの含
有量が10重量%でPtの含有量が90重量%のRh−
Pt合金を用いて電子線蒸着により膜厚が0.3μmで
直径が2mmのRh−Pt膜を形成し、さらに熱処理を行
わないもの及び600℃、700℃、800℃及び90
0℃の異なる温度で10時間、熱処理を行ったものの5
種類のガス検知素子用電極を得た。得られた各電極の表
面を走査型電子顕微鏡で観察し平均粒子径を測定した。
その測定値を表3に示す。なお起電力取出しリードの形
成及びAu線の接続は実施例1と同様の方法で行った。
【0031】以下実施例1と同様の工程を経てCOガス
検知素子を作製し、実施例1で用いた200℃に加熱し
た高温槽内に入れ、COガス1000ppm及びH2ガス5
00ppmを含む被検ガスを導入し、COガス検知素子の
出力を測定した。その後、実施例1と同様にCOガス検
知素子を給湯器の排気筒に取り付けて1分間サイクルで
断続燃焼を30,000サイクル行った後、再度200
℃に加熱した高温槽内に入れ、上記と同様の被検ガスを
導入し、COガス検知素子の出力を測定した。その結果
を図8に、また、実験後のCOガス検知素子を分解し、
電極表面の平均粒子径を表3に示す。表3に示されるよ
うに、Rh−Pt電力の粒子をあらかじめ700℃以上
の温度で熱処理により0.10μm以上に成長させたも
のは断続燃焼実験中における粒子成長がほとんどなく、
さらに図8に示すように700℃以上の温度で熱処理し
たものはガス検知素子の出力値も変化が小さいことが確
認された。
【0032】
【表3】
【0033】実施例4 YSZ基板の両面に形成する電極材料として、Rhの含
有量が10重量%でPtの含有量が90重量%のRh−
Pt合金を用いて電子線蒸着により膜厚が0.3μmで
直径が2mmのRh−Pt膜を形成し、さらに700℃で
10時間、熱処理を行い、ガス検知素子用電極を得た。
なお起電力取出しリードの形成及びAu線の接続は実施
例1と同様の方法で行った。
【0034】次に電極を形成し、起電力取出しリードを
接続したYSZ基板を実施例1で用いたセラミックケー
ス内のほぼ中央部の段部に無機接着剤で接着し、該セラ
ミックケース内を2部屋に分けた。このセラミックケー
ス内の一方の部屋に、ゼオライト担持Rh触媒を充填し
た後、アルミナ質の多孔質板をセラミックケースの端部
に無機接着剤で接着した。また起電力取出しリードに接
続したAu線の一端は、多孔質板に設けた空隙から外部
に引出した。
【0035】なお前記ゼオライト担持Rh触媒は、比表
面積が350m2/gのゼオライト粉末95重量%にRhが
5重量%含むような量の硝酸ロジウムの水溶液を含浸
後、600℃で熱分解して得た。このゼオライト担持R
h触媒のガス酸化特性を測定するために、該ゼオライト
担持Rh触媒を内径が13mmのガラス管内に層厚さが
1.5mmに充填して370℃に加熱し、被検ガスとして
2ガス2000ppm及びCOガス2000ppmを含む空
気を150cc/分流通させて触媒層のガス組成をガスク
ロマトグラフで分析したところH2ガス及びCOガスは
完全に酸化された。
【0036】次にセラミックケース内の他方の部屋に、
SnO2粉末を充填した後、前記と同様にアルミナ質の
多孔質板をセラミックケースの端部に無機接着剤で接着
した。また起電力取り出しリードに接続したAu線の一
端も前記と同様に多孔質板に設けた空隙から外部に引出
した。この後前記と同様の方法でSnO2粉末のガス酸
化特性を測定した結果、H2ガスは40%及びCOガス
は5%の酸化率であった。
【0037】さらに、セラミックケースの外周にニクロ
ム質のコイルヒーターを巻き付けCOガス検知素子を得
た。このようにして得られたCOガス検知素子を用い
て、コイルヒーターに通電し、ゼオライト担持Rh触媒
及びSnO2粉末を370℃に加熱した。次いでCOガ
ス検知素子を200℃に加熱した高温槽に入れ、COを
1000ppm含むガス中でさらにH2ガス濃度を0〜20
00ppmの範囲で変化させ、COガス検知素子の出力を
測定したその結果を図9に示す。なお図9において、実
施例1で得たCOガス検知素子の出力も合わせて示す。
図9から明らかなように、実施例1で得たCOガス検知
素子より実施例4で得たCOガス検知素子の方がH2
ス依存性が低減されることが確認された。
【0038】
【発明の効果】請求項1、2及び3記載のCOガス検知
素子は、妨害となるH2ガスの影響が小さく、耐熱性に
優れる。請求項4記載のCOガス検知素子は、請求項
1、2及び3記載の発明に加えて、応答速度を速くでき
る。請求項5記載のCOガス検知素子は、請求項1、
2、3及び4記載の発明に加えて、COガス感度を大き
くできる。請求項6記載のCOガス検知素子は、請求項
1、2、3、4及び5記載の発明に加えて、使用中に電
極の結晶粒子が粒子成長するのを防止して、耐熱性を向
上させ、出力の経時安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例になるCOガス検知素子の構成
を示す断面図である。
【図2】図1のCOガス検知素子を取付けたCOガスセ
ンサの斜視図である。
【図3】実施例1で得たCOガス検知素子のセンサ出力
とRh含有量の関係を示すグラフである。
【図4】実施例1で得たCOガス検知素子のH2ガス出
力とCOガス出力との比及びこれとRh含有量の関係を
示すグラフである。
【図5】実施例1で得たCOガス検知素子の断続燃焼後
の出力比とRh含有量の関係を示すグラフである。
【図6】実施例2で得たCOガス検知素子の出力波形を
示すグラフである。
【図7】実施例2で得たCOガス検知素子の飽和出力値
及び応答時間とRh−Pt膜厚の関係を示すグラフであ
る。
【図8】実施例3で得たCOガス検知素子の断続燃焼後
の出力比と熱処理温度の関係を示すグラフである。
【図9】実施例1及び3で得たCOガス検知素子のセン
サ出力とH2ガス濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 安定化ZrO2基板 2、2′ 起電力取出しリード 3、3′ 電極 4 セラミックケース 5 段部 6 アルミナ担持Pt触媒 7 Al23粉末 8、8′ 多孔質板 9 コイルヒーター 10 Au線 11 COガス検知素子 12 マウント 13、13′ ヒーター電源用端子ピン 14、14′ 出力測定用端子ピン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン導電性固体電解質の表面にP
    tを含む一対の電極を形成し、該電極の一方をAl
    23、SiO2及びゼオライトから選ばれる1種以上の
    担体にPt又はRhを担持した触媒で被覆し、他方をA
    23、SiO2、ゼオライト、SnO2、Cr23、T
    iO2、CaO、SrO、La23及びCeO2から選ば
    れる1種以上の粉末を含む触媒で被覆してなるCOガス
    検知素子。
  2. 【請求項2】 電極がPt及びRhからなる電極である
    請求項1記載のCOガス検知素子。
  3. 【請求項3】 電極を形成するRhの含有量が、電極材
    料全組成物に対して2〜50重量%含有してなる請求項
    2記載のCOガス検知素子。
  4. 【請求項4】 電極の厚さが、0.1〜3μmである請
    求項1、2又は3記載のCOガス検知素子。
  5. 【請求項5】 電極が、電子線蒸着により形成された請
    求項1、2、3又は4記載のCOガス検知素子。
  6. 【請求項6】 熱処理した電極の結晶粒子の平均粒子径
    が0.05μm以上である請求項1、2、3、4又は5
    記載のCOガス検知素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1217362A1 (en) * 2000-12-19 2002-06-26 Delphi Technologies, Inc. NOx reduction sensor coating
JP2002333428A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 希土類元素を含む電極及び該電極を備えた電気化学セル

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