JP5339754B2 - 酸素ガス濃度測定方法 - Google Patents

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本発明は、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面に設けた検知極及び対極とを備えた酸素ガス検知素子を用いて、酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス濃度測定方法に関する。
従来、酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス検知素子として、安定化ジルコニア等の酸化物イオン伝導性を有する固体電解質層の両面に、白金等の金属からなる検知極と対極とを設け、当該検知極を、酸素ガス拡散孔を備えたセラミック製のキャップ等で被覆した限界電流式酸素ガス検知素子(例えば、特許文献1参照)が知られている。
この種の限界電流式酸素ガス検知素子では、検知極と対極との間に電圧を印加すると、酸素ガスは検知極においてイオン化される。イオン化された酸化物イオンは、固体電解質を通って対極に移動し、対極上で電子を放出し、酸素ガスとなって外部空間に排出される。この際、検知極に流入する酸素ガスの流入量は酸素ガス拡散孔によって制限される。この酸素ガス拡散孔により、検知極に流入する酸素ガスの流入量を、対極から排出される酸素ガスの排出量よりも十分に小さくなるように制限すると、酸素ガスの検知極への流入が律速となる。これにより、検知極と対極との間に印加する電圧を変動させても対極から排出される酸素ガスの排出量は一定となり、電流値が変化しない限界電流を生じるようになる。この電流値は被測定ガス中の酸素ガスの濃度にほぼ比例するため、限界電流の値を検出することにより酸素ガスの濃度を測定することができる。
このような限界電流式酸素ガス検知素子は、長期間に亘って安定であり、高濃度の酸素ガスの検出に特に適している。
特開昭60−252254号公報
しかし、前記従来の限界電流式酸素ガス検知素子では、固体電解質層の両面に検知極と対極とを設け、当該検知極を、酸素ガス拡散孔を備えたキャップ等で被覆する必要があるため、酸素ガス検知素子が大型化していた。
また、キャップ等に酸素ガス拡散孔を設ける際には、検知極に流入する酸素ガスの流入量を制御できるような精度の高い加工が必要となるため、生産性が低くなり、製造コストが高くなるという問題があった。
半導体工場等においては、配管に酸素ガスと反応するガス種や酸素ガスを使用できない工程に供給するガス種等を通す場合に、予め配管の中の酸素ガスを取り除き、酸素ガスの濃度をppmレベル以下で管理している。しかし、従来の限界電流式ガス検知素子では、ppmレベルの低濃度の酸素ガスを精度良く検出することは難しく、配管の中の酸素ガスの実際の濃度を把握することができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、構造がシンプルで、製造コストが安く、幅広い濃度の酸素ガスを検出できる酸素ガス検知素子を用いて、酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス濃度測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る酸素ガス濃度測定方法の第1特徴構成は酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の同一面に設けた検知極及び対極と、前記固体電解質を加熱する加熱手段とを備え、前記検知極と前記対極とを、白金、金、ロジウム、ルテニウム、パラジウムの群から選ばれる少なくとも1種の貴金属、または当該貴金属を含む合金のうちの同一材料で構成し、前記検知極と前記対極とが同じ濃度の酸素ガスに曝されるように構成した酸素ガス検知素子を用いて、酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス濃度測定方法であって、500〜750℃の範囲動作温度を一定に保ち前記検知極と前記対極との間に0.5〜3.5Vの範囲の電圧を印加することで、前記検知極における酸素ガスのイオン化反応によって酸化物イオンが前記固体電解質中に進入する速度前記固体電解質中の酸化物イオンの移動速度よりも小さくなるようにして0.5〜3.5Vの範囲において電圧の上昇に伴って増大する特性を有する電流値に基づいて酸素ガスの濃度を測定する点にある。
本構成によれば、検知極と対極とを、固体電解質の表面において同じ濃度の酸素ガスに曝されるように設けてある。このため、従来の限界電流式酸素ガス検知素子のように、検知極を酸素ガス拡散孔を備えたキャップ等で被覆する必要がないので、酸素ガス検知素子の構造がシンプルとなり、小型化が可能となる。また、構造がシンプルとなるのに加え、酸素ガス拡散孔を設ける加工自体も不要となるため、製造コストも安くすることができる。
本構成に係る酸素ガス検知素子は、検知極と対極との間に印加する電圧によって検知極における酸素ガスのイオン化反応速度を制御することができる。このため、両極間に印加する電圧を所定の値に設定することにより幅広い濃度の酸素ガスを検出することができる。
本構成によれば、検知極と対極とを固体電解質の同一面に設けることで、従来よりもさらに小型の酸素ガス検知素子を作製することが可能となり、電極を固体電解質層の両面に設けた従来の限界電流式ガス検知素子では取り付け難かった位置にも設置することができる。
また、本構成によれば、上記の貴金属及び合金は、導電性を有すると共に良好な耐久性を有するため、これらの貴金属または合金を検知極及び対極に用いた酸素ガス検知素子は、長期間安定に使用することができる。
さらに、固体電解質を加熱して動作温度を高くすると、固体電解質のイオン伝導率は向上する。
このため、本構成のように、500〜750℃の範囲の動作温度において酸素ガスを測定する場合には、固体電解質に電流が流れ易くなり、精度良く酸素ガスを検出することができる。
本発明に係る酸素ガス濃度測定方法の第2特徴構成は、前記検知極と前記対極との間に流れる電流の電流密度を、0.01〜100μA/mm2の範囲となるように構成した点にある。
本構成のように、検知極と対極との間に流れる電流の電流密度を小さくすると、酸素ガス濃度の微小な変化に対しても電流値の変化として反映させることができるため、酸素ガスの濃度に対する検出精度を高めることができる。
本発明に係る酸素ガス濃度測定方法の第特徴構成は、前記固体電解質、安定化ジルコニアを主成分として構成した酸素ガス検知素子を用いる点にある。
本構成によれば、安定化ジルコニアは、良好な酸化物イオン伝導性を有するため、これを主成分として固体電解質を構成することにより、酸素ガス検知素子として適用することができる。
本発明に係る酸素ガス検知素子は、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面に設けた検知極及び対極とを備えると共に、検知極と対極とが同じ濃度の酸素ガスに曝されるように構成してあり、両極間に0.5〜3.5Vの範囲の電圧を印加した時に生じる電流値に基づいて酸素ガスの濃度を測定する。本発明者らは、温度が一定の条件下においては、固体電解質中を移動する酸化物イオンの移動速度(イオン伝導度)が一定であるのに対し、検知極での酸素ガスのイオン化反応速度は検知極と対極との間に印加する電圧の値に依存することに着目した。そして、両極間に印加する電圧を、検知極における酸素ガスのイオン化反応によって酸化物イオンが固体電解質中に進入する速度が、固体電解質中の酸化物イオンの移動速度よりも小さくなるように制御することにより、酸素ガスのイオン化反応が律速となって、酸素ガスの濃度に応じて電流値が変化することを見出した。このような酸素ガス検知素子であれば、検知極に流入する酸素ガスの流入量を制限する必要がなくなるため、構造がシンプルとなり、安価に製造することができる。尚、酸素ガスの濃度は、変化する電流値を直接測定するだけでなく、電流値に基づく抵抗値または電圧値として測定して導出することもできる。
以下、本発明に係る酸素ガス検知素子の一実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、絶縁基板の上に固体電解質を設けた基板型のガス検知素子に適用した場合を例示するが、これに限られるものではない。その他の従来公知の形態のガス検知素子に適用することもできる。
本実施形態に係る酸素ガス検知素子1は、図1に示すように、絶縁基板2の一方の面に酸化物イオン伝導性を有する固体電解質3と、検知極4と、対極5とが設けてあり、絶縁基板2の他方の面には、酸素ガス検知素子1の動作温度を一定に維持するため、薄膜ヒータ6が設けてある。検知極4と対極5とは、固体電解質3の同一面に接合してあり、両極間に所定の電圧を印加するためポテンショスタット7を介して電気的に接続してある。検知極4では、従来の限界電流式酸素ガス検知素子のように接近する酸素ガスを制限することなく、酸素ガス検知素子1の外部の雰囲気に対して、対極5と同じ条件で曝されるように構成してある。酸素ガス検知素子1をこのような基板型にすることにより、従来の限界電流式酸素ガス検知素子に比べて小型化が可能となる。
絶縁基板2は、従来の基板型のガス検知素子に用いられるものが好ましく適用できる。絶縁基板2の大きさ、形状等は特に限定はなく、例えば、0.5〜2mm×0.5〜2mm、厚みが0.05〜0.5mmのものを用いることができる。また、絶縁基板2の材質は、電気絶縁性を有するものであれば特に制限はないが、熱伝導性、耐熱性等を考慮して選択することが好ましく、例えば、アルミナ、シリカ等のセラミックス材料を適用することが好ましい。
固体電解質3は、酸化物イオン伝導性を有するものであれば特に限定することなく適用することができる。例えば、安定化ジルコニアは酸化物イオンを良好に伝導するため、安定化ジルコニアを主成分として構成したものであれば好ましく適用することができる。安定化ジルコニアとしては、イットリア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア等が例示される。固体電解質3の大きさ、形状等は特に限定されないが、酸素ガス検知素子1を小型化する場合には、例えば、0.5〜2mm×0.5〜2mm、厚みが0.05〜0.5mmの層状の固体電解質3を用いることができる。
検知極4及び対極5は、酸素ガス検知素子に電極として使用されるものであれば、特に制限はない。検知極4及び対極5の材料は任意に選択可能であるが、導電性、耐久性の観点から、例えば、白金、金、ロジウム、ルテニウム、パラジウムの群から選ばれる少なくとも1種の貴金属、またはこれらの貴金属のうちの1種または複数種含む合金であることが好ましい。尚、検知極4と対極5とは、同一材料で構成してあっても、異なる材料で構成してあってもよい。
検知極4及び対極5の大きさ、形状、電極間距離等は特に制限はないが、両極間に一定の電圧を印加した時に所定の値の電流が流れるように設定することができる。例えば、電極間距離を大きくした方が固体電解質3によるオーム損が大きくなるため電流値は小さくなる。また、検知極4と対極5との間に流れる電流の電流密度としては、0.01〜100μA/mm2となるように設定することが好ましい。電流密度は、酸素ガス検知素子1をN2ガス雰囲気に曝した時の最も電流が流れなくなる電流値に基づいて0.01μA/mm2以上とすることが好ましく、酸素ガス検知素子1の出力が平衡に達する時間が実用に供する範囲内であることを考慮すると100μA/mm2以下とすることが好ましい。尚、検知極4と対極5との大きさ、形状等は、同一でも異なっていてもよい。
薄膜ヒータ6は、本発明における加熱手段の一例であり、例えば、白金、金、白金パラジウム合金等を蒸着等によって設け、電源8を接続することによって固体電解質3を加熱することができる。絶縁基板2に、加熱手段を一体化して設けることにより、酸素ガス検知素子1を小型化することができる。なお、加熱手段は、薄膜ヒータ6の他、従来公知の加熱手段を適用することができる。
本実施形態に係る酸素ガス検知素子は、検知極4と対極5との間に0.5〜3.5Vの範囲の電圧を印加する。この範囲にある電圧を印加することにより、検知極4における酸素ガスのイオン化反応速度を、固体電解質3における酸化物イオンの移動速度よりも小さくすることができ、酸素ガスの濃度に応じた電流値を得ることができる。このため、この時に生じる電流値、またはこの電流値に基づく抵抗値や電圧値を検出することにより、酸素ガスの濃度を測定することができる。
本実施形態に係る酸素ガス検知素子の動作温度は、特に限定されないが、500〜750℃であることが好ましい。すなわち、固体電解質を加熱して動作温度を高くすると、固体電解質のイオン伝導率は向上する。このため、500〜750℃の範囲の動作温度において酸素ガスを測定する場合には、固体電解質に電流が流れ易くなり、精度良く酸素ガスを検出することができる。
尚、その他の酸素ガス検知素子の構成、機能については、従来公知の酸素ガス検知素子と同様である。そして、本発明に係る酸素ガス検知素子は、既知のガス検知回路等に組み込むことにより、酸素ガスセンサ等として、適用することができる。
以下に、本実施形態に係る基板型の酸素ガス検知素子1を用いた実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
固体電解質3として、0.75mm×0.75mm、厚み0.2mmのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のブロックを用いた。このYSZのブロックに、検知極4及び対極5として、電極間距離0.2mmで、それぞれ市販の金のペースト(純度95%)を塗布し、950℃で30分間焼成して、0.3mm×0.2mm(電極面積0.06mm2)、厚み0.05mmの金の電極を作製した。そして、絶縁基板2として、1.5mm×1.0mm、厚み0.4mmのアルミナセラミックス基板を用い、このアルミナセラミックス基板の一方の面に、検知極4及び対極5を設けたYSZのブロックをセラミック接着剤により接合させ、他方の面に、薄膜ヒータ6として白金の薄膜を蒸着させた。次いで、検知極4及び対極5のそれぞれを、リード線を介してポテンショスタット7に接続した。
このように作製した酸素ガス検知素子1を、600℃で動作させ、酸素ガス100%、及び窒素ガスをベースとして酸素ガスの濃度を体積比で50%,21%,2.1%,0.21%,0.02%としたそれぞれのガスを被測定ガスとして、検知極4と対極5との間に印加する電圧を掃引速度10mV/secで変化させた時の電流値の変化(CV試験)について調べた。その結果、図2に示すように、検知極4と対極5との間に印加する電圧の値が0.5〜3.5Vの範囲では、酸素ガスの濃度に依存して電流値が変化することが分かった。また、図2で示したグラフの縦軸を電流値の対数でプロットすると、図3に示すように酸素ガスが低濃度の領域で電流値の変化が大きくなり、低濃度の酸素ガスの検知に有効であることが分かった。電圧が0.5〜1.5Vの範囲では、図4に示すように電流値の変化がより良好になり、特に好ましい。
ここで、本発明者らは、図4に示すような両極間に印加する電圧が低い領域では、酸素ガスの濃度に対する電流値変化が、下記式(1)で近似できることを見出した。ここで、式(1)中のα及びβは、印加電圧、動作温度、電極面積・厚み・多孔性、電極間距離によって決定される係数である。
Log(A)=αLog[P(O2)]+β (1)
そこで、電極間に印加する電圧を一定にした場合において、0.7〜1.1Vのそれぞれの電圧毎に酸素ガスの濃度に対する電流値の変化をプロットしたところ、図5に示すように、酸素ガスの濃度の対数に対する電流値の対数が高い直線性を示すことが分かった。また、各プロットの近似式からR2を求めたところ、図5に示す通りであり、電極間の電圧が0.8Vの時がR2=0.9996と最も高い直線性を示すことが分かった。
また、実際に電極間に0.8Vの一定の電圧を印加して定常状態にした後、酸素ガスの濃度の対数と電流値の対数との関係を求めたところ、図6に示すように、上記のCV試験によって求めた場合と完全には一致しなかった。これは、電極間に電圧を印加した場合、電圧の値が定常状態になるまでにある程度の時間を要するため、上記のCV試験の掃引速度では定常状態にならないまま測定されたためと推測される。尚、実際に電極間に0.8Vの一定の電圧を印加して定常状態にした後に測定した場合にも、R2=0.992と十分に高い直線性を示しており、この時の近似式から上記(1)式のα,βを算出すると、
Log(A)=0.3624Log{P(O2)}−7.88
A=1.195×10-8×P(O20.3624
となり、測定した電流値から酸素濃度を定量的に求めることができる。
(実施例2)
実施例1で使用した基板型の酸素ガス検知素子1を用い、動作温度500℃で、電極間に印加する電圧毎の、酸素ガスの濃度の対数と電流値の対数との関係について調べた。その結果、図7に示すように、印加する電圧の値が大きくなるにつれて電流値の変化が小さくなることが確認できた。実用上の観点から、本実施例のような場合には、電流値の変化が大きい0.5〜2Vの範囲の電圧を印加することが好ましい。
(実施例3)
実施例1で使用した基板型の酸素ガス検知素子1において、図8に示すように、電極面積を0.01〜2mm2の範囲で変更し、電極間距離を0.1〜0.5mmの範囲で変更して、両極間に印加した電圧に対して流れる電流値を調べた。その結果、電極面積が大きく、かつ電極間距離が短い方が、低電圧で流れる電流値が大きくなることが分かった。
尚、本実施例においては、約10mAより大きな電流値が流れた場合、酸素ガス検知素子1が破壊され、その後に電流が流れなくなった。このような場合には、電流値が10mA以下となる領域で使用することが好ましく、10nA〜10μmとなる領域で使用することがより好ましい。すなわち、0.5〜3.5Vの範囲の電圧を印加した時に所定の値の電流が流れるように、検知極4及び対極5のサイズ、電極間距離、固体電解質3のサイズ等を設計することが好ましい。
(実施例4)
実施例1で使用した基板型の酸素ガス検知素子1を用い、動作温度が550℃、650℃、750℃のそれぞれの場合について、酸素ガスの濃度毎の電圧と電流値の対数との関係を調べた。その結果、図9に示すように、動作温度が高くなると、固体電解質3のイオン伝導率が向上し、被測定ガスの酸素ガス濃度及び印加電圧が同じ場合には、流れる電流値が高くなることが分かった。また、動作温度が500℃、550℃、600℃、700℃のそれぞれの場合において、両極間に0.7Vの電圧(数値をご教示下さい)を印加した時の酸素ガスに対する応答特性を調べた。その結果、図10に示すように、いずれの動作温度においても応答特性(90%応答)は良好であることが分かった。
また、実施例1で使用した基板型の酸素ガス検知素子1を用いて両極間に0.8Vの電圧を印加した場合についても、動作温度500℃における酸素ガスに対する応答特性を調べた。その結果、図11に示すように、実用上問題のないレベルの応答特性を示すことが確認できた。
(実施例5)
実施例1で使用した基板型の酸素ガス検知素子1を用い、動作温度500℃において、両極間に0.8Vの電圧を印加した場合の大気圧雰囲気下での可燃性ガス(H2,C25OH,i−C410,CO,CH4)に対する反応性を調べた。その結果、図12に示すように、可燃性ガスに対しては全く感度を示さないことが分かった。
可燃性ガスは、電極表面での触媒燃焼反応と、電極とYSZと気相との三相界面でのYSZ内の酸素イオンによる酸化反応との2つの反応を起こすが、本実施例では、検知極4と対極5とをガスの種類及び濃度が同一の雰囲気に曝しているため、検知極4と対極5とでは同一の反応が進行し、結果的に相殺されて感度を示さないものと考えられる。
(実施例6)
実施例1で使用した基板型の酸素ガス検知素子1において、図13に示すように、ポテンショスタット7に代えて、2.0Vの一定の電圧を印加する電源9と10MΩの固定抵抗Rとを直列に接続したものを用い、動作温度600℃で、実施例1と同様の被測定ガスに対する固定抵抗の両端の電圧の変化を調べた。その結果、図14に示すように、0.01〜100%の幅広い濃度範囲の酸素ガスを検知できることが分かった。
〔別実施形態〕
上記の実施形態においては、固体電解質3の表面に検知極4と対極5とを並行に配置した例を説明したが、検知極4と対極5との形状等は特に限定されず、例えば、図15に示すように、検知極4及び対極5を一対の櫛型にすることもできる。
上記の実施形態においては、絶縁基板2の一方の面に固体電解質3、検知極4、対極5を設け、絶縁基板3の他方の面に薄膜ヒータ6を設けた例を説明したが、これに限定されず、固体電解質3、検知極4、対極5、薄膜ヒータ6を、絶縁基板3の同一面に設けることもできる。例えば、図16示すように薄膜ヒータ6を固体電解質3の近傍に配置したり、図17に示すように固体電解質3と薄膜ヒータ6とを絶縁膜(図示しない)等を介して積層することもできる。
上記の実施形態においては、固体電解質3の表面に検知極4と対極5とを設けた2電極式の酸素ガス検知素子1について説明したが、例えば、さらに参照極を設けることもできる。3電極式の酸素ガス検知素子にすることで、検知極4の電位を一定に保ちつつ電極反応を進行させることができるため、検知極4と対極5との間により正確な電圧を印加することが可能になる。
本発明に係る酸素ガス検知素子は、例えば、半導体工場等での配管中の酸素ガスの濃度の測定や、お菓子の袋の中の酸素ガスの濃度の測定等、様々な酸素ガスの測定に適用することができる。
本実施形態に係る酸素ガス検知素子の概略図 酸素ガスの濃度毎の電圧値に対する電流値の変化を示すグラフ 酸素ガスの濃度毎の電圧値に対する電流値の変化を示すグラフ 酸素ガスの濃度毎の電圧値に対する電流値の変化を示すグラフ 電圧値毎の酸素ガス濃度に対する電流値の変化を示すグラフ 0.8Vの電圧印加時の酸素ガス濃度に対する電流値の変化を示すグラフ 電圧値毎の酸素ガス濃度に対する電流値の変化を示すグラフ 電極面積及び電極間距離毎の電圧値に対する電流値の変化を示すグラフ 動作温度毎の電圧値に対する電流値の変化を示すグラフ 動作温度毎の各濃度の酸素ガスに対する応答特性を示すグラフ 0.8Vの電圧印加時の各濃度の酸素ガスに対する応答特性を示すグラフ 0.8Vの電圧印加時の可燃性ガス濃度に対する電流値の変化を示すグラフ 実施例6で使用した酸素ガス検知素子の概略図 酸素ガスの濃度に対する固定抵抗両端の電圧値の変化を示すグラフ 別実施形態に係る酸素ガス検知素子の概略図 別実施形態に係る酸素ガス検知素子の概略図 別実施形態に係る酸素ガス検知素子の概略図
符号の説明
1 酸素ガス検知素子
2 絶縁基板
3 固体電解質
4 検知極
5 対極
6 薄膜ヒータ

Claims (3)

  1. 酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の同一面に設けた検知極及び対極と、前記固体電解質を加熱する加熱手段とを備え、前記検知極と前記対極とを、白金、金、ロジウム、ルテニウム、パラジウムの群から選ばれる少なくとも1種の貴金属、または当該貴金属を含む合金のうちの同一材料で構成し、前記検知極と前記対極とが同じ濃度の酸素ガスに曝されるように構成した酸素ガス検知素子を用いて、酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス濃度測定方法であって
    500〜750℃の範囲動作温度を一定に保ち前記検知極と前記対極との間に0.5〜3.5Vの範囲の電圧を印加することで、前記検知極における酸素ガスのイオン化反応によって酸化物イオンが前記固体電解質中に進入する速度前記固体電解質中の酸化物イオンの移動速度よりも小さくなるようにして0.5〜3.5Vの範囲において電圧の上昇に伴って増大する特性を有する電流値に基づいて酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス濃度測定方法
  2. 前記検知極と前記対極との間に流れる電流の電流密度が、0.01〜100μA/mm2の範囲である請求項1に記載の酸素ガス濃度測定方法
  3. 前記固体電解質、安定化ジルコニアを主成分として構成した酸素ガス検知素子を用いる請求項1または2に記載の酸素ガス濃度測定方法
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