JP4688794B2 - ガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子、接触燃焼式ガスセンサおよび接触燃焼式ガスセンサの製造方法 - Google Patents

ガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子、接触燃焼式ガスセンサおよび接触燃焼式ガスセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子、接触燃焼式ガスセンサおよび接触燃焼式ガスセンサの製造方法に関するものである。
従来より、水素ガスやメタンガス等の可燃性ガスを検知するセンサとして、接触燃焼式ガスセンサが公知である。接触燃焼式ガスセンサは、ヒータコイルを被う熱伝導層に触媒層を担持させた検知素子を所定の温度に加熱しておき、可燃性ガスを触媒層に接触させて燃焼させ、その燃焼熱による温度変化に基づくヒータコイルの抵抗変化を電圧変化として出力することにより、可燃性ガスの存在を検知するものである。
図18は、従来の検知素子の構成を示す断面図であり、図19は、従来のヒータコイルの構成を示す正面図である。図18に示すように、従来の検知素子1は、熱伝導層11中にヒータコイル12が埋め込まれており、熱伝導層11の表面に触媒層13が付着された構成となっている。図19に示すように、従来のヒータコイル12では、熱伝導層11中に埋め込まれる部分(以下、ビード部とする)は、線材をコイル状に巻いた一重巻回コイルとなっている(例えば、特許文献1参照。)。ビード部14の両端から伸びるリード部15は、コイル状になっていない。なお、本明細書では、検知素子において、ヒータコイルのビード部を熱伝導層および触媒層が被う部分を、燃焼部と呼ぶことにする。
また、接触燃焼式ガスセンサでは、上述した構成の検知素子と、この検知素子と同様の構成で、かつ触媒の代わりに不活性な酸化物を担持させた補償素子と、2個の抵抗素子とにより、ホイートストンブリッジ回路が構成されている。そして、燃焼熱によりヒータコイルの抵抗が変化すると、その抵抗変化は、ホイートストンブリッジ回路から電圧変化として出力される(例えば、特許文献2参照。)。
検知素子を作製する方法として、芯線に抵抗線を巻回し、その状態で絶縁剤を電着コートし、絶縁剤を加熱焼成した後、抵抗線の非有効部分を露出させ、芯線を溶解してから、電極ピンに溶接する方法が公知である(例えば、特許文献3参照。)。この方法によれば、検知素子を製造する際に、抵抗線の巻回部の形状が崩れるのを防ぐことができる。
特開平3−162658号公報(第1図) 特公平2−59949号公報(第1図) 特開昭52−116289号公報
接触燃焼式ガスセンサでは、同じガス濃度であれば、ホイートストンブリッジ回路から出力される電圧の変化量は大きい方が好ましい。この出力電圧の変化量が大きいということは、ガス感度が高いということである。ヒータコイルのビード部のコイル巻き数を増やせば、ヒータコイルの、燃焼熱による抵抗変化に寄与する部分の長さ(以下、有効長とする)が長くなり、ヒータコイルの抵抗が大きくなるので、ガス感度が高くなる。
また、接触燃焼式ガスセンサでは、同じガス濃度であれば、ホイートストンブリッジ回路から出力される電圧ができるだけ短時間で安定する方が好ましい。出力電圧の安定に要する時間が短いということは、応答速度が速いということである。応答速度を速くするには、燃焼部内にヒータコイルの線材をできるだけ長く埋め込み、ヒータコイルが燃焼熱を効率よく受けて、ヒータコイルの抵抗変化が効率よく起こるようにすればよい。
しかし、いずれの場合も、ヒータコイルのビード部が大きくなり、それに伴ってビード部を覆う熱伝導層の量や触媒層の量も増えるので、燃焼部が重くなってしまう。検知素子は、ヒータコイルの両端のリード部を外部接続用の電極ピンで支持することにより、センサ内に取り付けられているので、燃焼部が重くなると、リード部で検知素子を支えきれなくなり、リード部の破断などの故障が起こりやすくなる。
従って、従来の接触燃焼式ガスセンサでは、ヒータコイルのリード部での検知素子の支持能力を犠牲にすることなく、ガス感度の向上および応答速度の高速化を図ることは極めて困難である。また、従来の接触燃焼式ガスセンサでは、ヒータコイルのリード部に衝撃吸収能力がないため、外部から衝撃が加わると、その衝撃が殆ど緩和されずに燃焼部に集中してしまう。そのため、触媒層の欠落などが発生しやすいという不具合があり、調整済みのゼロ点が大きく変動してしまうという欠点がある。
そこで、本発明者らは、燃焼部に埋め込まれる部分だけをコイル状にした従来のヒータコイルに代えて、線材をコイル状に巻いたコイル線の一部をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルをヒータコイルとして用いることを提案する。この提案によれば、従来のヒータコイルと外観上の寸法が同じでも、ヒータコイルを構成する線材の実際の長さが従来よりも長くなるので、ヒータコイルの抵抗が大きくなり、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルのコイルドコイルの部分が燃焼部内に埋め込まれることによって、燃焼部内の線材の長さが従来よりも長くなるので、ヒータコイルの抵抗変化が効率よく起こり、応答速度が速くなる。
しかしながら、コイルドコイルよりなるヒータコイルでは、電極ピンに溶接される部分がすでにコイル状になっているため、上記特許文献3に開示されているように芯線を溶解してから溶接を行う方法では、次のような新たな問題が生じることがわかった。例えば、芯線の溶解後にヒータコイルを取り扱う際にコイルの巻回部を不用意に潰してしまうことが多い。また、溶接時に溶接部位でヒータコイルの巻回部が不規則に潰れたり、コイル形状が歪んでヒータコイルが部分的に短絡してしまうため、ロット内におけるヒータコイルの抵抗値のばらつきが大きい。さらに、芯線を溶解させたことにより、その芯線のあった部分、すなわちコイルの内側部分が空胴になっているため、溶接自体が不安定となり、十分な接合強度が得られない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ヒータコイルのリード部での検知素子の支持能力を犠牲にすることなく、ガス感度の向上を図ることができるガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサを提供すること、またはヒータコイルのリード部での検知素子の支持能力を犠牲にすることなく、応答速度の高速化を図ることができるガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサを提供することを目的とする。また、本発明は、衝撃が加わった場合のゼロ点の変動量を小さくすることができるガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサを提供することを目的とする。
また、本発明は、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルの巻回部の形状を崩すことなく、ヒータコイルを容易に取り扱うことができる接触燃焼式ガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルの抵抗値のばらつきを小さくすることができる接触燃焼式ガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと電極ピンとの接合強度を高くすることができる接触燃焼式ガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、接触燃焼式ガスセンサに用いられるヒータコイルであって、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部と、該ビード部の両端から伸びるリード部とを有し、2以上の整数nに対して、前記ビード部が、コイル状に巻かれた(n−1)重巻回コイルよりなる素線をさらにコイル状に巻いたn重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、このヒータコイルを用いて検知素子を作製することによって、検知素子の燃焼部の大きさが従来とほぼ同じであっても、燃焼部内に埋め込まれるビード部の有効長が、ビード部を従来の一重巻回コイルで構成した場合よりも長くなる。従って、ヒータコイルの抵抗が大きくなるので、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けて、効率よく抵抗変化を起こすので、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、応答速度が速くなる。さらに、燃焼部の大きさは従来とほぼ同じでよいので、燃焼部の重さも従来とほぼ同じになる。従って、このヒータコイルを用いることによって、リード部での検知素子の支持能力を犠牲にすることなく、接触燃焼式ガスセンサのガス感度の向上や応答速度の高速化を図ることができる。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、前記リード部が、(n−1)重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、リード部がコイルばねと同様の構成になっているので、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、外部から加わった衝撃がリード部のばね弾性により吸収される。従って、燃焼部に伝わる衝撃が小さくなるので、触媒層の欠落などが発生しにくくなり、接触燃焼式ガスセンサのゼロ点が衝撃により大きく変動するのを抑えることができる。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、出発材料となる非コイル状の原線の線径は、1μm以上100μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、原線の線径が1μm以上であるので、ビード部が多重巻回コイルよりなるヒータコイルの作製が容易である。また、原線の線径が100μm以下であるので、このヒータコイルを用いることによって、接触燃焼式ガスセンサに用いるのに適した大きさの検知素子が得られる。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、出発材料となる非コイル状の原線の線径は、10μm以上50μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、このヒータコイルを用いることによって、接触燃焼式ガスセンサの制御回路を駆動する電源回路として、適当な電圧−電流値を有する電源回路を用いることができる。適当な電源回路を用いることは、接触燃焼式ガスセンサを動作させる際に、触媒層を適切な動作温度にすることができるので、重要である。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、出発材料となる非コイル状の原線の線径は、20μm以上30μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、このヒータコイルを用いることによって、燃焼部の重量が1mg程度の検知素子が得られるので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。また、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、耐衝撃強度も向上する。さらに、このヒータコイルを用いることによって、検知素子の燃焼部内にヒータコイルのビード部がより高密度に埋め込まれるので、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けることができる。それによって、ヒータコイルの抵抗変化がより一層、効率よく起こる。従って、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、応答速度がさらに速くなる。また、ヒータコイルの抵抗がより一層、大きくなるので、電源電圧をより高くすることができる。従って、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、ガス感度がさらに高くなる。
また、原線の線径が20μmよりも小さくなると、ヒータコイルを作製する際の歩留まりが低下するが、原線の線径が20μm以上であるので、ヒータコイルを容易に作製することができる。つまり、歩留まりを低下させることなく、ヒータコイルを作製することができ、またそのヒータコイルを用いることにより、接触燃焼式ガスセンサのガス感度および応答特性をさらに改善することができる。以上より、接触燃焼式ガスセンサのガス感度および応答特性と、ヒータコイルの作製の容易さとの兼ね合いを考慮すると、原線の線径は、20μm以上30μm以下であるのが最適である。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、1以上n以下の整数mに対して、m重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の0.5倍以上20倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、このヒータコイルを用いることによって、検知素子の燃焼部が重くならないので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。それに対して、m重巻回コイルの巻き径が芯金の径の20倍を超えるヒータコイルを用いた場合には、ビード部のコイルの内側空間に充填される熱伝導層の量が増え、燃焼部が重くなるため、リード部による検知素子の支持性能が低下し、接触燃焼式ガスセンサの耐衝撃性能が実用上許容される範囲よりも低下することがあるという不都合が生じる。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、1以上n以下の整数mに対して、m重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の1倍以上10倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、巻線加工後のm重巻回コイルの形状安定性がよいので、ヒータコイルが歩留まりよく得られる。また、リード部による検知素子の支持性能が安定して得られる。なお、m重巻回コイルの巻き径が芯金の径の20倍以下であっても、10倍を超えると、巻線加工後のm重巻回コイルの形状安定性は、多少、低くなる。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、前記n重巻回コイルの巻き数は、1以上30以下であることを特徴とする。
この発明によれば、このヒータコイルを用いることによって、検知素子の燃焼部が重くならないので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。n重巻回コイルの巻き数が30を超えるヒータコイルを用いた場合には、燃焼部が重くなり、ヒータコイルのリード部で検知素子を安定して支えることができない。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、1以上の整数kに対して、前記n重巻回コイルにおけるk巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部との間の隙間の長さは、前記(n−1)重巻回コイルよりなる素線の直径の0.5倍以上10倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、十分に高速な応答特性が得られる。また、このヒータコイルを用いて検知素子を作製する際に、n重巻回コイルにおけるk巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部とが短絡するのを防ぐことができるとともに、ビード部のコイルの内側空間に熱伝導層を充填させて触媒層を形成することができる。それに対して、k巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部との間の隙間が素線の直径の0.5倍の長さよりも短いヒータコイルでは、隣り合う巻回部同士が接触して短絡してしまうことがある。一方、当該隙間が素線の直径の10倍を超える場合には、巻回部間の隙間があきすぎているため、ビード部のコイルの内側空間に熱伝導層を十分に充填させることができず、従って触媒層を形成することができない。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、白金の線材でできていることを特徴とする。この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、上記に記載の発明において、白金をベースとする合金の線材でできていることを特徴とする。
この発明にかかるガスセンサ用ヒータコイルは、接触燃焼式ガスセンサに用いられるヒータコイルであって、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部と、該ビード部の両端から伸びるリード部とを有し、前記リード部がコイル状に巻かれていることを特徴とする。
この発明によれば、リード部がコイルばねと同様の構成になっているので、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、外部から加わった衝撃がリード部のばね弾性により吸収される。従って、検知素子の燃焼部に伝わる衝撃が小さくなるので、触媒層の欠落などが発生しにくくなり、接触燃焼式ガスセンサのゼロ点が衝撃により大きく変動するのを抑えることができる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、接触燃焼式ガスセンサに用いられる検知素子であって、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部、および該ビード部の両端から伸びるリード部を有するヒータコイルと、前記ビード部を覆う熱伝導層と、前記熱伝導層の表面に付着された触媒層と、を備え、2以上の整数nに対して、前記ビード部が、コイル状に巻かれた(n−1)重巻回コイルよりなる素線をさらにコイル状に巻いたn重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、検知素子の燃焼部の大きさが従来とほぼ同じであっても、燃焼部内に埋め込まれるビード部の有効長が、ビード部を従来の一重巻回コイルで構成した場合よりも長くなる。従って、ヒータコイルの抵抗が大きくなるので、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けて、効率よく抵抗変化を起こすので、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、応答速度が速くなる。さらに、燃焼部の大きさは従来とほぼ同じでよいので、燃焼部の重さも従来とほぼ同じになる。従って、リード部での検知素子の支持能力を犠牲にすることなく、接触燃焼式ガスセンサのガス感度の向上や応答速度の高速化を図ることができる。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルのリード部が、(n−1)重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルのリード部がコイルばねと同様の構成になっているので、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、外部から加わった衝撃がリード部のばね弾性により吸収される。従って、燃焼部に伝わる衝撃が小さくなるので、触媒層の欠落などが発生しにくくなり、接触燃焼式ガスセンサのゼロ点が衝撃により大きく変動するのを抑えることができる。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの出発材料となる非コイル状の原線の線径は、1μm以上100μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルの原線の線径が1μm以上であるので、ビード部が多重巻回コイルよりなるヒータコイルを容易に作製することができる。従って、検知素子の作製が容易となる。また、ヒータコイルの原線の線径が100μm以下であるので、接触燃焼式ガスセンサに用いるのに適した大きさの検知素子が得られる。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの出発材料となる非コイル状の原線の線径は、10μm以上50μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、この検知素子を用いることによって、接触燃焼式ガスセンサの制御回路を駆動する電源回路として、適当な電圧−電流値を有する電源回路を用いることができる。適当な電源回路を用いることは、接触燃焼式ガスセンサを動作させる際に、触媒層を適切な動作温度にすることができるので、重要である。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの出発材料となる非コイル状の原線の線径は、20μm以上30μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、燃焼部の重量を1mg程度にすることができるので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。また、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、耐衝撃強度も向上する。さらに、燃焼部内にヒータコイルのビード部がより高密度に埋め込まれるので、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けることができる。それによって、ヒータコイルの抵抗変化がより一層、効率よく起こる。従って、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、応答速度がさらに速くなる。また、ヒータコイルの抵抗がより一層、大きくなるので、電源電圧をより高くすることができる。従って、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、ガス感度がさらに高くなる。
また、ヒータコイルの原線の線径が20μmよりも小さくなると、ヒータコイルを作製する際の歩留まりが低下するが、ヒータコイルの原線の線径が20μm以上であるので、ヒータコイルを容易に作製することができる。従って、歩留まりよく検知素子が得られる。つまり、歩留まりを低下させることなく、検知素子を作製することができ、またその作製した検知素子を用いることにより、接触燃焼式ガスセンサのガス感度および応答特性をさらに改善することができる。以上より、接触燃焼式ガスセンサのガス感度および応答特性と、ヒータコイルの作製の容易さとの兼ね合いを考慮すると、ヒータコイルの原線の線径は、20μm以上30μm以下であるのが最適である。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、1以上n以下の整数mに対して、前記ヒータコイルのm重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の0.5倍以上20倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、燃焼部が重くならないので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。それに対して、m重巻回コイルの巻き径が芯金の径の20倍を超えるヒータコイルを用いた場合には、ビード部のコイルの内側空間に充填される熱伝導層の量が増え、燃焼部が重くなるため、リード部による検知素子の支持性能が低下し、接触燃焼式ガスセンサの耐衝撃性能が実用上許容される範囲よりも低下することがあるという不都合が生じる。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、1以上n以下の整数mに対して、前記ヒータコイルのm重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の1倍以上10倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルを作製する際に、巻線加工後のm重巻回コイルの形状安定性がよいので、歩留まりよくヒータコイルが得られる。従って、歩留まりよく検知素子が得られる。また、リード部による検知素子の支持性能が安定して得られる。なお、m重巻回コイルの巻き径が芯金の径の20倍以下であっても、10倍を超えると、巻線加工後のm重巻回コイルの形状安定性は、多少、低くなる。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルのn重巻回コイルの巻き数は、1以上30以下であることを特徴とする。
この発明によれば、燃焼部が重くならないので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。n重巻回コイルの巻き数が30を超えるヒータコイルを用いた場合には、燃焼部が重くなり、ヒータコイルのリード部で検知素子を安定して支えることができない。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、1以上の整数kに対して、前記ヒータコイルのn重巻回コイルにおけるk巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部との間の隙間の長さは、前記(n−1)重巻回コイルよりなる素線の直径の0.5倍以上10倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、十分に高速な応答特性が得られる。また、検知素子を作製する際に、n重巻回コイルにおけるk巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部とが短絡するのを防ぐことができるとともに、ビード部のコイルの内側空間に熱伝導層を充填させて触媒層を形成することができる。それに対して、k巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部との間の隙間が素線の直径の0.5倍の長さよりも短いヒータコイルを用いた場合には、隣り合う巻回部同士が接触して短絡してしまうことがある。一方、当該隙間が素線の直径の10倍を超える場合には、巻回部間の隙間があきすぎているため、ビード部のコイルの内側空間に熱伝導層を十分に充填させることができず、従って触媒層を形成することができない。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルは、白金の線材でできていることを特徴とする。この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルは、白金をベースとする合金の線材でできていることを特徴とする。
この発明にかかるガスセンサ用検知素子は、接触燃焼式ガスセンサに用いられる検知素子であって、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部、および該ビード部の両端から伸びるリード部を有するヒータコイルと、前記ビード部を覆う熱伝導層と、前記熱伝導層の表面に付着された触媒層と、を備え、前記ヒータコイルのリード部がコイル状に巻かれていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルのリード部がコイルばねと同様の構成になっているので、この検知素子を用いた接触燃焼式ガスセンサでは、外部から加わった衝撃がリード部のばね弾性により吸収される。従って、燃焼部に伝わる衝撃が小さくなるので、触媒層の欠落などが発生しにくくなり、接触燃焼式ガスセンサのゼロ点が衝撃により大きく変動するのを抑えることができる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部、および該ビード部の両端から伸びるリード部を有するヒータコイルと、前記ビード部を覆う熱伝導層と、前記熱伝導層の表面に付着された触媒層と、を備え、2以上の整数nに対して、前記ビード部が、コイル状に巻かれた(n−1)重巻回コイルよりなる素線をさらにコイル状に巻いたn重巻回コイルにより構成された検知素子と、前記検知素子に直列に接続された、前記ヒータコイルと同一構成のヒータコイルを備えた補償素子と、第1の抵抗素子と、前記第1の抵抗素子に直列に接続された第2の抵抗素子と、前記検知素子と前記補償素子との直列接続体、および前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との直列接続体のそれぞれの両端に直流電圧を印加する電源と、を備え、前記検知素子、前記補償素子、前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子は、ホイートストンブリッジ回路を構成し、該ホイートストンブリッジ回路から、前記検知素子と前記補償素子との接続ノードと、前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との接続ノードとの間の電圧が出力されることを特徴とする。
この発明によれば、検知素子の燃焼部の大きさが従来とほぼ同じであっても、燃焼部内に埋め込まれるビード部の有効長が、ビード部を従来の一重巻回コイルで構成した場合よりも長くなる。従って、ヒータコイルの抵抗が大きくなるので、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けて、効率よく抵抗変化を起こすので、応答速度が速くなる。さらに、燃焼部の大きさは従来とほぼ同じでよいので、燃焼部の重さも従来とほぼ同じになる。従って、リード部での検知素子の支持能力を犠牲にすることなく、ガス感度の向上や応答速度の高速化を図ることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルのリード部が、(n−1)重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルのリード部がコイルばねと同様の構成になっているので、外部から加わった衝撃がリード部のばね弾性により吸収される。従って、検知素子の燃焼部に伝わる衝撃が小さくなるので、触媒層の欠落などが発生しにくくなり、ゼロ点が衝撃により大きく変動するのを抑えることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの出発材料となる非コイル状の原線の線径は、1μm以上100μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルの原線の線径が1μm以上であるので、ビード部が多重巻回コイルよりなるヒータコイルを容易に作製することができる。従って、検知素子の作製が容易となり、接触燃焼式ガスセンサの作製が容易となる。また、ヒータコイルの原線の線径が100μm以下であるので、適当な大きさの検知素子を有する接触燃焼式ガスセンサが得られる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの出発材料となる非コイル状の原線の線径は、10μm以上50μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、接触燃焼式ガスセンサの制御回路を駆動する電源回路として、適当な電圧−電流値を有する電源回路を用いることができる。適当な電源回路を用いることは、接触燃焼式ガスセンサを動作させる際に、触媒層を適切な動作温度にすることができるので、重要である。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの出発材料となる非コイル状の原線の線径は、20μm以上30μm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、検知素子の燃焼部の重量が1mg程度になるので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。また、このヒータコイルを用いた接触燃焼式ガスセンサでは、耐衝撃強度も向上する。さらに、燃焼部内にヒータコイルのビード部がより高密度に埋め込まれるので、ヒータコイルがより多くの燃焼熱を受けることができる。それによって、ヒータコイルの抵抗変化がより一層、効率よく起こる。従って、応答速度がさらに速くなる。また、ヒータコイルの抵抗がより一層、大きくなるので、電源電圧をより高くすることができる。従って、ガス感度がさらに高くなる。
また、ヒータコイルの原線の線径が20μmよりも小さくなると、ヒータコイルを作製する際の歩留まりが低下するが、ヒータコイルの原線の線径が20μm以上であるので、ヒータコイルを容易に作製することができる。従って、歩留まりよく接触燃焼式ガスセンサが得られる。つまり、歩留まりを低下させることなく、接触燃焼式ガスセンサを作製することができ、またガス感度および応答特性をさらに改善することができる。以上より、ガス感度および応答特性と、ヒータコイルの作製の容易さとの兼ね合いを考慮すると、ヒータコイルの原線の線径は、20μm以上30μm以下であるのが最適である。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、1以上n以下の整数mに対して、前記ヒータコイルのm重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の0.5倍以上20倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、検知素子の燃焼部が重くならないので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。それに対して、m重巻回コイルの巻き径が芯金の径の20倍を超えるヒータコイルを用いた場合には、ビード部のコイルの内側空間に充填される熱伝導層の量が増え、燃焼部が重くなるため、リード部による検知素子の支持性能が低下し、耐衝撃性能が実用上許容される範囲よりも低下することがあるという不都合が生じる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、1以上n以下の整数mに対して、前記ヒータコイルのm重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の1倍以上10倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルを作製する際に、巻線加工後のm重巻回コイルの形状安定性がよいので、歩留まりよくヒータコイルが得られる。従って、歩留まりよく接触燃焼式ガスセンサが得られる。また、リード部による検知素子の支持性能が安定して得られる。なお、m重巻回コイルの巻き径が芯金の径の20倍以下であっても、10倍を超えると、巻線加工後のm重巻回コイルの形状安定性は、多少、低くなる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルのn重巻回コイルの巻き数は、1以上30以下であることを特徴とする。
この発明によれば、検知素子の燃焼部が重くならないので、ヒータコイルのリード部で検知素子を十分に支えることができる。n重巻回コイルの巻き数が30を超えるヒータコイルを用いた場合には、燃焼部が重くなり、ヒータコイルのリード部で検知素子を安定して支えることができない。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、1以上の整数kに対して、前記ヒータコイルのn重巻回コイルにおけるk巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部との間の隙間の長さは、前記(n−1)重巻回コイルよりなる素線の直径の0.5倍以上10倍以下であることを特徴とする。
この発明によれば、十分に高速な応答特性が得られる。また、検知素子を作製する際に、n重巻回コイルにおけるk巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部とが短絡するのを防ぐことができるとともに、ビード部のコイルの内側空間に熱伝導層を充填させて触媒層を形成することができる。それに対して、k巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部との間の隙間が素線の直径の0.5倍の長さよりも短いヒータコイルを用いた場合には、隣り合う巻回部同士が接触して短絡してしまうことがある。一方、当該隙間が素線の直径の10倍を超える場合には、巻回部間の隙間があきすぎているため、ビード部のコイルの内側空間に熱伝導層を十分に充填させることができず、従って触媒層を形成することができない。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルは、白金の線材でできていることを特徴とする。この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルは、白金をベースとする合金の線材でできていることを特徴とする。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部、および該ビード部の両端から伸びるリード部を有するヒータコイルと、前記ビード部を覆う熱伝導層と、前記熱伝導層の表面に付着された触媒層と、を備え、前記リード部がコイル状に巻かれた検知素子と、前記検知素子に直列に接続された、前記ヒータコイルと同一構成のヒータコイルを備えた補償素子と、第1の抵抗素子と、前記第1の抵抗素子に直列に接続された第2の抵抗素子と、前記検知素子と前記補償素子との直列接続体、および前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との直列接続体のそれぞれの両端に直流電圧を印加する電源と、を備え、前記検知素子、前記補償素子、前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子は、ホイートストンブリッジ回路を構成し、該ホイートストンブリッジ回路から、前記検知素子と前記補償素子との接続ノードと、前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との接続ノードとの間の電圧が出力されることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルのリード部がコイルばねと同様の構成になっているので、外部から加わった衝撃がリード部のばね弾性により吸収される。従って、検知素子の燃焼部に伝わる衝撃が小さくなるので、触媒層の欠落などが発生しにくくなり、ゼロ点が衝撃により大きく変動するのを抑えることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素を、前記電極における構成割合よりも高い割合で含む合金層が存在することを特徴とする。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素を、前記電極における構成割合よりも高い割合で含む合金層が存在し、前記ヒータコイルと前記電極との溶接部位にのみ、前記ヒータコイルのコイル状の部分の内側に、前記合金層中に前記電極中よりも高い割合で含まれている前記金属元素よりなる芯線が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルと電極との接合界面に、電極を構成する金属元素を電極中の構成割合よりも高い割合で含む合金層(以下、このような合金層のことをリッチ層と呼ぶ)が存在するため、高い接合強度が得られる。また、そのリッチ層は、電極を構成する少なくとも一つの金属元素よりなる芯線にヒータコイルの端部を巻きつけた状態で電極に溶接したことにより、その芯線を構成する金属材料が電極の金属材料と合金化したためにできたものである。従って、溶接時のヒータコイルの端部には、巻回部の内側に芯線があるので、溶接時の取り扱いによってその巻回部が不用意に潰れるのを防ぐことができる。また、溶接時に溶接部位でヒータコイルの巻回部が不規則に潰れたり、コイル形状が歪むのを防ぐことができるので、ヒータコイルの抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記合金層中に前記電極中よりも高い割合で含まれている前記金属元素は、前記ヒータコイルを構成する金属よりもイオン化列が大であることを特徴とする。
この発明によれば、芯線にヒータコイルの端部を巻きつけた状態で電極に溶接した後に、エッチングにより芯線を溶解させることができるので、リッチ層を除いて芯線を容易に消滅させることができる。また、ヒータコイルが後述するコイルドコイルで構成されている場合でも、溶接後に芯線を容易に消滅させることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルは白金または白金合金でできており、前記電極はニッケルを含む合金でできており、前記合金層中に前記電極中よりも高い割合で含まれている前記金属元素はニッケルであることを特徴とする。
この発明によれば、ニッケルは白金または白金合金よりも卑な金属であるため、芯線がニッケルでできていることによって、ヒータコイルを残して容易に芯線を溶かすことができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの、前記焼結体に被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルを構成する線材が長くなるので、ヒータコイルの抵抗が大きくなり、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルを構成する線材が焼結体の中により長く埋め込まれることになるので、ヒータコイルの抵抗変化が効率よく起こり、応答速度が速くなる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない金属元素と、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素との合金化により生じた合金層が存在することを特徴とする。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない金属元素と、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素との合金化により生じた合金層が存在し、前記ヒータコイルと前記電極との溶接部位にのみ、前記ヒータコイルのコイル状の部分の内側に、前記合金層中には含まれているが、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない前記金属元素よりなる芯線が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルと電極との接合界面に、ヒータコイルおよび電極のいずれにも含まれていない金属元素と、電極を構成する少なくとも一つの金属元素との合金化により生じた合金層が存在するため、高い接合強度が得られる。また、その合金層は、ヒータコイルおよび電極のいずれにも含まれていない金属元素よりなる芯線にヒータコイルの端部を巻きつけた状態で電極に溶接したことにより、その芯線を構成する金属材料が電極の金属材料と合金化したためにできたものである。従って、溶接時のヒータコイルの端部には、巻回部の内側に芯線があるので、溶接時の取り扱いによってその巻回部が不用意に潰れるのを防ぐことができる。また、溶接時に溶接部位でヒータコイルの巻回部が不規則に潰れたり、コイル形状が歪むのを防ぐことができるので、ヒータコイルの抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記合金層中には含まれているが、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない前記金属元素は、前記ヒータコイルを構成する金属よりもイオン化列が大であることを特徴とする。
この発明によれば、芯線にヒータコイルの端部を巻きつけた状態で電極に溶接した後に、エッチングにより芯線を溶解させることができるので、合金層を除いて芯線を容易に消滅させることができる。また、ヒータコイルが後述するコイルドコイルで構成されている場合でも、溶接後に芯線を容易に消滅させることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサは、上記に記載の発明において、前記ヒータコイルの、前記焼結体に被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルを構成する線材が長くなるので、ヒータコイルの抵抗が大きくなり、ガス感度が高くなる。また、ヒータコイルを構成する線材が焼結体の中により長く埋め込まれることになるので、ヒータコイルの抵抗変化が効率よく起こり、応答速度が速くなる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサを製造するにあたって、少なくとも両端が芯線に巻きつけられてコイル状をなすヒータコイルを作製するコイル作製工程と、前記芯線に巻きつけられた状態のまま、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分をそれぞれ電極に溶接する溶接工程と、前記芯線を消滅させる芯線消滅工程と、芯線のなくなった前記ヒータコイルの一部を焼結体で被う焼結体被覆工程と、を含むことを特徴とする。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサを製造するにあたって、少なくとも両端が芯線に巻きつけられてコイル状をなすヒータコイルを作製するコイル作製工程と、前記芯線に巻きつけられた状態のまま、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分をそれぞれ電極に溶接する溶接工程と、前記ヒータコイルと前記電極との溶接部位を除いて、前記芯線を消滅させる芯線消滅工程と、前記ヒータコイルの、前記芯線のない部分の少なくとも一部を焼結体で被う焼結体被覆工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、溶接時のヒータコイルの端部には、巻回部の内側に芯線があるので、溶接時の取り扱いによってその巻回部が不用意に潰れるのを防ぐことができる。また、溶接時に溶接部位でヒータコイルの巻回部が不規則に潰れたり、コイル形状が歪むのを防ぐことができるので、ヒータコイルの抵抗値のばらつきを小さくすることができる。さらに、溶接によって、ヒータコイルと電極との接合界面に合金層が生じるので、高い接合強度が得られる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、上記に記載の発明において、前記溶接工程では、前記ヒータコイルの、芯線に巻きつけられた端部を前記電極に押し付け、抵抗溶接法、レーザー溶接法または熱圧着による溶接法のいずれかを行うことを特徴とする。
この発明によれば、溶接部位でヒータコイルの巻回部が不規則に潰れるのを容易に防ぐことができるので、ヒータコイルの抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、上記に記載の発明において、前記芯線は、前記ヒータコイルの構成材料よりも卑な金属材料で構成されており、前記芯線消滅工程では、前記芯線のみをエッチングにより消滅させることを特徴とする。
この発明によれば、芯線にヒータコイルの端部を巻きつけた状態で電極に溶接した後に、エッチングにより芯線を容易に消滅させることができる。また、ヒータコイルが後述するコイルドコイルで構成されている場合でも、溶接後に芯線を容易に消滅させることができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、上記に記載の発明において、前記芯線はニッケルでできており、前記ヒータコイルは白金または白金合金でできており、前記芯線消滅工程では、ニッケル用のエッチング液を用いて前記芯線を消滅させることを特徴とする。
この発明によれば、ニッケルは白金または白金合金よりも卑な金属であるため、エッチングによりヒータコイルを残して容易に芯線を溶かすことができる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、上記に記載の発明において、前記コイル作製工程では、前記ヒータコイルの、前記焼結体により被覆される部分の少なくとも一部を、前記芯線にコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いてコイルドコイルにすることを特徴とする。
この発明によれば、ヒータコイルを構成する線材が長くなり、ヒータコイルの抵抗が大きくなるので、ガス感度の高いセンサが得られる。また、ヒータコイルを構成する線材が焼結体の中により長く埋め込まれることになり、ヒータコイルの抵抗変化が効率よく起こるので、応答速度の速いセンサが得られる。
この発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、上記に記載の発明において、前記芯線が、前記ヒータコイルと前記電極とを接合するためのろう材を兼ねていることを特徴とする。
この発明によれば、ろう材を新たに用意して溶接を行わなくても、十分に高い接合強度が得られる。
本発明にかかるガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子および接触燃焼式ガスセンサは、ガス感度の高い接触燃焼式ガスセンサが得られるという効果を奏する。また、応答速度の速い接触燃焼式ガスセンサが得られるという効果を奏する。さらに、耐衝撃強度が高く、衝撃によるゼロ点変動の小さい接触燃焼式ガスセンサが得られるという効果を奏する。
また、本発明にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルを有し、かつそのヒータコイルの抵抗値のばらつきが小さい接触燃焼式ガスセンサが得られるという効果を奏する。また、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルを有し、かつそのヒータコイルと電極ピンとの接合強度が高い接触燃焼式ガスセンサが得られるという効果を奏する。さらに、接触燃焼式ガスセンサを製造する際に、少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルの取り扱いが容易になるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかるガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子、接触燃焼式ガスセンサおよび接触燃焼式ガスセンサの製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態にかかるヒータコイルの構成を示す正面図である。図1に示すように、本実施の形態では、ヒータコイル22のビード部24は、例えば二重巻回コイルにより構成されている。ヒータコイル22のリード部25は、例えば一重巻回コイルにより構成されている。このヒータコイル22の作製にあたっては、まず、通常の非コイル状の線材よりなる抵抗線(原線)を一次芯線に巻きつけて、一重巻回コイルを作製する。そして、この一重巻回コイルを新たな素線とし、この素線の一部を二次芯線に巻きつけて、ビード部24となる部分を二重巻回コイルにする。二次芯線は、一次芯線と同じ径の線でもよいし、異なる径の線でもよい。
なお、リード部25を二重以上の巻回コイルにより構成し、ビード部24を三重以上の巻回コイルにより構成してもよい。例えば、リード部25およびビード部24をそれぞれ二重巻回コイルおよび三重巻回コイルとする場合には、まず、原線を一次芯線に巻きつけて一重巻回コイルを作製し、この一重巻回コイルを素線(一次素線)として二次芯線への巻きつけによって二重巻回コイルを作製し、さらに、この二重巻回コイルを新たな素線(二次素線)として、その一部を三次芯線に巻きつけて、ビード部24となる部分を三重巻回コイルにすればよい。リード部25およびビード部24のコイルの多重数をさらに増やす場合には、素線を芯線に巻きつける巻線加工の繰り返し回数を増やせばよい。
図2は、本発明の実施の形態にかかる検知素子の構成を示す断面図である。図2に示すように、検知素子2は、ヒータコイル22のビード部24を焼結体よりなる熱伝導層21により被い、熱伝導層21の表面に触媒層23を付着させた構成となっている。熱伝導層21は、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)により構成されている。触媒層23は、検知対象の可燃性ガスに応じた酸化金属よりなる燃焼触媒により構成されている。触媒層23は、ヒータコイル22の両端に電圧が印加されることによって、検知対象の可燃性ガスに応じた温度に加熱される。
ここで、検知対象ガスとして、例えば、メタンガス、水素ガス、LPガス(液化石油ガス)、プロパンガス、ブタンガス、エチレンガス、一酸化炭素ガス、またはエタノールやアセトン等の有機成分ガスが挙げられる。そして、例えば、検知対象ガスがメタンガスである場合には、触媒層23は約450℃に加熱される。
図3は、本発明の実施の形態にかかる接触燃焼式ガスセンサのセンサ本体の構成を示す部分断面図である。図3に示すように、センサ本体3は、セラミックスや樹脂でできた板状のマウントベース31を貫通する外部接続用の電極ピン32,33を有し、この電極ピン32,33に検知素子2の両端のリード部25を固定した構成となっている。また、図3には現れていないが、検知素子2に並んで、検知素子2のヒータコイル22と同一構成のヒータコイルを備えた補償素子が設けられている。この補償素子および検知素子2は、マウントベース31と、ガス透過性を有する金網または金属もしくはセラミックスの焼結体よりなる防爆構造体34により囲まれている。
図4は、本発明の実施の形態にかかる接触燃焼式ガスセンサの制御回路の構成を示す回路図である。図4に示すように、接触燃焼式ガスセンサ5の制御回路は、検知素子2、検知素子2に直列に接続された補償素子4、第1の抵抗素子51、第1の抵抗素子51に直列に接続された第2の抵抗素子52、および電源(電源回路)53を有する。これら検知素子2、補償素子4、第1および第2の抵抗素子51,52は、ホイートストンブリッジ回路を構成している。
電源53は、検知素子2と補償素子4との直列接続体、および第1の抵抗素子51と第2の抵抗素子52との直列接続体のそれぞれの両端に、直流電圧を印加する。そして、このホイートストンブリッジ回路からは、検知素子2と補償素子4との接続ノード(図4にAで示す)と、第1の抵抗素子51と前記第2の抵抗素子52との接続ノード(図4にBで示す)との間の電圧が出力される。検知素子2、補償素子4、第1の抵抗素子51および第2の抵抗素子52のそれぞれの通電抵抗値をRD、RC、R1およびR2とすると、[RC×R1=RD×R2]のときに、ホイートストンブリッジ回路の出力電圧Voutはゼロボルトとなる。
電源53により、検知素子2および補償素子4の各ヒータコイル22に定格電圧を印加すると、それぞれのヒータコイル22が発熱し、検知素子2および補償素子4が検知対象ガスに応じた動作温度になり、環境との平衡温度により得られた通電抵抗値に依存した出力電圧Voutがガスセンサ5から得られる。そして、検知対象ガスを検知した場合には、検知対象ガスの接触燃焼により検知素子2の通電抵抗値RDのみが上昇するので、出力電圧Voutは、ガス感度に応じた分だけ+(プラス)側に上昇する。
ここで、検知対象ガスを高効率で接触燃焼させるための触媒動作温度は、そのガス種に基づいて選択される。より高い抵抗値を有するヒータコイルを用いた場合、所望の触媒動作温度を得るには、より高い電源電圧が必要となる。ブリッジ回路の性質上、電源電圧と出力電圧Voutとは比例関係にあるので、より高い抵抗値を有するヒータコイルを用いた場合のガス感度は、より高い値となる。つまり、上述した構成のヒータコイル22は、後述するように従来のものよりも抵抗値が高いので、このヒータコイル22を用いることによって、高いガス感度が得られることになる。
次に、ヒータコイル22の具体的な特徴について説明する。ヒータコイル22を構成する原線としては、例えば、白金または白金合金線や、白金または白金合金−ロジウム合金等の白金または白金合金をベースとした合金線や、鉄−パラジウム合金線を用いることができる。原線の線径は、1μm以上100μm以下である。その理由は、原線の線径が1μm未満では細すぎるため、ビード部24を構成する二重巻回コイルの作製が困難であり、一方、原線の線径が100μmを超えると、検知素子2の燃焼部が大きくなりすぎるからである。
また、原線の線径は、好ましくは10μm以上50μm以下であるとよい。その理由は、適当な電圧−電流値を有する電源53を用いることができ、それによって、接触燃焼式ガスセンサ5の動作時に、触媒層23を適切な動作温度にすることができるからである。例えば、原線の線径が50μmである場合には、電圧−電流値が0.75V−400mAの電源を用いることができる。また、原線の線径が10μmである場合には、電圧−電流値が12V−25mAの電源を用いることができる。
さらに、原線の線径は、より好ましくは20μm以上30μm以下であるとよい。その理由は、第1に、ビード部24の占有体積が小さくなり、検知素子2の燃焼部の重量が1mg程度になるので、ヒータコイル22のリード部25で検知素子2を十分に支えることができるからである。第2に、接触燃焼式ガスセンサ5の耐衝撃強度が向上するからである。第3に、検知素子2の燃焼部内にヒータコイル22のビード部24をより高密度に埋め込むことができるので、ヒータコイル22の、燃焼熱を受ける能力が高くなり、燃焼時のヒータコイル22の抵抗変化がより一層、効率よく起こり、接触燃焼式ガスセンサ5の応答速度が速くなるからである。第4に、細線化によってヒータコイル22の抵抗が大きくなり、それによって上述したように電源電圧をより高くすることができるので、接触燃焼式ガスセンサ5のガス感度が高くなるからである。第5に、原線の線径が20μmよりも小さくなると、ヒータコイル22を作製する際の歩留まりが低下するからである。
表1に、ヒータコイル22の原線の線径と、検知素子2の燃焼部の重量、接触燃焼式ガスセンサ5のガス感度、および接触燃焼式ガスセンサ5の応答時間との関係をまとめて示す。表1においては、各線径範囲の相対重量(a.u.)、相対ガス感度(a.u.)および相対応答時間(a.u.)は、いずれも、線径が30μmである白金線を原線としたヒータコイルを用いた場合の燃焼部の重量(1mg)、ガス感度(40mV)および応答時間(5秒)に対する相対値である。ビード部24およびリード部25は、それぞれ二重巻回コイルおよび一重巻回コイルとする。なお、ガス感度は、水素ガス4000ppmに対する感度であり、応答時間は、水素ガス4000ppm時の出力安定値の90%以上に到達する所要時間である。
Figure 0004688794
一重巻回コイルの巻き径は、原線をコイル状に巻くために用いられる芯金(一次芯線)の径の0.5倍以上20倍以下である。同様に、二重巻回コイルの巻き径は、一重巻回コイル(素線)をさらにコイル状に巻くために用いられる芯金の径の0.5倍以上20倍以下である。三重以上の巻回コイルの場合も同様である。その理由は、検知素子2の燃焼部が重くならないので、ヒータコイル22のリード部25で検知素子2を十分に支えることができるからである。巻き径が20倍を超えると、ビード部24のコイルの内側空間に充填される熱伝導層21の量が増えて、燃焼部が重くなるため、リード部25による検知素子2の支持性能が低下し、接触燃焼式ガスセンサ5の耐衝撃性能が実用上許容される範囲よりも低くなることがある。
また、一重巻回コイルの巻き径は、好ましくは、原線をコイル状に巻くために用いられる芯金の径の1倍以上10倍以下であるとよい。同様に、二重巻回コイルの巻き径は、好ましくは、一重巻回コイル(素線)をさらにコイル状に巻くために用いられる芯金の径の1倍以上10倍以下であるとよい。三重以上の巻回コイルの場合も同様である。その理由は、巻線加工後のコイルの形状安定性がよいので、ヒータコイル22が歩留まりよく得られることと、リード部25による検知素子2の支持性能が安定して得られるからである。なお、巻き径が20倍以下であっても、10倍を超えると、巻線加工後のコイルの形状安定性は、多少、低くなる。
最終螺旋体である二重巻回コイルの巻き数は、1以上30以下である。最終螺旋体が三重以上の巻回コイルである場合も同様である。その理由は、検知素子2の燃焼部が重くならないので、ヒータコイル22のリード部25で検知素子2を十分に支えることができるからである。巻き数が30を超えると、燃焼部が重くなり、ヒータコイル22のリード部25で検知素子2を安定して支えることができない。特に、二重巻回コイルの巻数は、4〜10巻きであるのが適当である。
最終螺旋体である二重巻回コイルにおいて、ある巻回部26と、この巻回部26の隣りの巻回部27(図1参照)との間の隙間の長さ、すなわち素線である一重巻回コイルの素線間隙間距離は、素線の直径の0.5倍以上10倍以下である。最終螺旋体が三重以上の巻回コイルである場合も同様である。その理由は、第1に、十分に高速な応答特性が得られるからである。第2に、検知素子2を作製する際に、隣り合う巻回部26,27が短絡するのを防ぐことができるからである。第3に、ビード部24のコイルの内側空間に熱伝導層21を充填させて触媒層23を形成することができるからである。ここで、巻回部26とその隣りの巻回部27との間の隙間の長さ(素線間隙間距離)とは、一般に螺旋体においてピッチと呼ばれる線間距離から、巻回部26および巻回部27のそれぞれの太さの半分を除いた距離である。
表2に、ヒータコイル22の素線間隙間距離と接触燃焼式ガスセンサ5の応答時間との関係を示す。表2においては、素線間隙間距離を素線の径に対する倍率で表している。また、各素線間隙間距離範囲の相対応答時間(a.u.)は、素線間隙間距離が素線の径に等しいヒータコイルを用いた場合の応答時間に対する相対値である。ビード部24およびリード部25は、それぞれ二重巻回コイルおよび一重巻回コイルとする。
Figure 0004688794
次に、図1に示す構成のヒータコイル22を用いた接触燃焼式ガスセンサ5(実施例とする)と、図19に示す構成のヒータコイル12を用いた接触燃焼式ガスセンサ(従来例とする)とで、ガスセンサとしての性能を比較した結果について説明する。この性能比較においては、実施例および従来例で、同一組成の燃焼触媒等を用いた。また、燃焼触媒の動作温度も同じにした。実施例の5個のサンプルについて、検知素子2の燃焼部内に埋め込まれるビード部24の有効長(図2参照)の平均値は、75mmであった。また、従来例の5個のサンプルについて、検知素子1の燃焼部内に埋め込まれるビード部14の有効長(図18参照)の平均値は、15mmであった。その他の条件等は、全て同じであった。
表3に、ガス感度の比較結果を示す。ここでは、ガス中での出力電圧値から空気中での出力電圧値を減算した値をガス感度とし、水素ガス4000ppmに対する感度の比較と、メタンガス4000ppmに対する感度の比較の二つを行った。実施例のサンプルのガス感度は、従来例のサンプルのガス感度のおおよそ3倍であった。
Figure 0004688794
表4に、応答速度の比較結果を示す。ここでは、水素ガス1800ppm時の出力安定値の90%以上に到達する所要時間を応答時間として、表4に示した。実施例のサンプルの応答時間は、従来例のサンプルの応答時間のおおよそ半分であった。つまり、実施例のサンプルの応答速度は、従来例のサンプルの応答速度のおおよそ2倍であった。
Figure 0004688794
表5に、落下衝撃後に発生するゼロ点変動(水素濃度換算値)の比較結果を示す。ここでは、実施例および従来例の各接触燃焼式ガスセンサを、1mの高さから、30mmの厚さの杉板上に自由落下させた。落下衝撃後のゼロ点変動は、水素濃度換算値で、実施例では2000ppm以下であったのに対して、従来例では2000ppmを超えていた。
Figure 0004688794
次に、接触燃焼式ガスセンサ5の製造方法について説明する。図5は、製造手順を示すフローチャートである。また、図6および図7は、接触燃焼式ガスセンサ5の製造途中の状態を示す部分拡大図である。まず、通常の非コイル状の抵抗線を用意し、これを一次芯線に巻きつけて一重巻回コイルを作製する(ステップS1)。
一次芯線は、用いる抵抗線よりも卑な金属でできた線材であればよい。これは、後のウェットエッチング工程において、抵抗線を残して一次芯線を溶かす必要があるからである。例えば、一次芯線は、ニッケル、アルミニウム、銅またはステンレス合金などでできている。一次芯線の径は、20〜60μmであるのが適当である。また、一重巻回コイルにおいて、ある巻回部28と、この巻回部28の隣りの巻回部29(図7参照)との間の隙間の長さ、すなわち素線の素線間隙間距離は、素線の直径の0.5倍以上10倍以下であるのが適当である。
次いで、一重巻回コイルの一部、すなわちビード部24となる部分を二次芯線に巻きつけて二重巻回コイルを作製し、ヒータコイル22とする(ステップS2)。二次芯線の材料は、特に問わないが、例えば、超硬や焼入れ鋼などである。二次芯線の径は、100〜300μmであるのが適当である。
素線(抵抗線)、一次芯線、一重巻回コイル、二次芯線および二重巻回コイルの最も好ましい組み合わせは、以下の通りである。すなわち、素線は、20μm径の白金または白金合金線であり、一次芯線は、40μm径のニッケル線である。この組み合わせでは、素線の素線間隙間距離は、20μmであるのがよい。また、最も好ましい組み合わせのときには、一重巻回コイルよりなる一次素線の直径は、80μm(20μm(素線の直径)+40μm(一次芯線の直径)+20μm(素線の直径))になる。この組み合わせによる二重巻回コイルにおいて、一重巻回コイルを素線とする素線間隙間距離は、80μmであるのがよい。
次いで、二次芯線を抜き取った後、マウントベース31から突出する電極ピン32,33にヒータコイル22の両端のリード部25を抵抗溶接法、レーザー溶接法または熱圧着法などにより溶接する(ステップS3)。この時点では、図6に示すように、一次芯線6は残っている。
電極ピン32,33は、例えば、ニッケル、またはニッケル−銅合金(モネル)でできている。あるいは、電極ピン32,33を、インコネルやハステロイ(商品名)などのニッケル−クロム−モリブデン合金、SUS316L等のステンレス合金、チタンもしくはチタン合金、またはそれらの組み合わせで構成し、耐食性の向上を図ることもできる。電極ピン32,33の材料として最も好ましいのは、ハステロイ(商品名)である。特に限定しないが、例えば、電極ピン32,33の直径は、600μm程度である。
溶接法としては、いずれの方法でもよいが、抵抗溶接法が好ましい。その理由は、抵抗溶接法は、溶接装置の電圧の立ち上がりが極めて速く、ミリ秒オーダーの通電時間を安定して制御することができるので、本実施の形態のように、異なる材料同士を溶接したり、極細の金属線を溶接するのに適しているからである。
抵抗溶接法を実施する場合には、周知のトランジスタ式抵抗溶接機を用いることができる。その場合の溶接条件としては、特に限定しないが、例えば、電圧が2.0〜3.0Vであり、通電時間が3ミリ秒であり、ヘッド加重が0.5〜5kgfであるのが適当である。上述した素線(抵抗線)、一次芯線、一重巻回コイル、二次芯線および二重巻回コイルの最も好ましい組み合わせの場合には、電圧値は2.3Vであるのが好ましい。
次いで、電極ピン32,33にヒータコイル22を溶接したものをエッチング液中に浸漬し、一次芯線6を溶かして消滅させる(ステップS4)。その際、ヒータコイル22と電極ピン32,33との溶接部位を被覆してエッチングを行うことによって、その溶接部位にのみ、一次芯線6を残すようにしてもよい。
エッチング液は、例えば、硝酸(30%)と硫酸(3%)と過酸化水素(2%)の混合水溶液、または塩化第二鉄溶液(40%水溶液)である。硝酸と硫酸と過酸化水素の混合水溶液を用いる場合、例えば、浴温は室温(例えば、25℃)であり、浸漬時間は60分であるのが適当である。一方、塩化第二鉄溶液を用いる場合は、例えば、浴温を40℃とし、浸漬時間を3分とするのが適当である。
エッチングが終了したら、エッチング液中から、電極ピン32,33にヒータコイル22を溶接したものを引き上げ、水洗し(ステップS5)、イソプロピルアルコール(IPA)等の有機溶媒で洗浄し(ステップS6)、乾燥する(ステップS7)。図7は、エッチングにより一次芯線が消滅した状態を示している。
次いで、ヒータコイル22のビード部24に、熱伝導材や燃焼触媒などのスラリーを塗布し、それを加熱焼成する(ステップS8)。そして、防爆構造体34などの取り付けを行ってセンサ本体3を組み立てる(ステップS9)。最後に、センサ本体3を制御回路に取り付け(ステップS10)、センサのゼロ点調整等を行って、接触燃焼式ガスセンサ5が完成する。
ここまでで説明した素線(抵抗線)、一次芯線、一重巻回コイル、二次芯線および二重巻回コイルの最も好ましい組み合わせ、溶接条件、またはエッチング条件などの具体的な数値や材料等は、本発明者らが行った実験により明らかとなったものである。
次に、上述した製造方法に従って製造することによって、ヒータコイル22と電極ピン32,33との接合界面に現れる特徴点について説明する。一例として、20μm径の非コイル状の白金または白金合金線を素線とし、これを40μm径のニッケル線よりなる一次芯線6に、20μmの素線間隙間距離で巻きつけて、一重巻回コイルを作製した。そして、この一重巻回コイルを、150μm径の超硬線よりなる二次芯線に、80μmの素線間隙間距離で6巻きして、ビード部24に二重巻回コイルを作製した。ビード部24の両端のリード部25の長さは、それぞれ1mmとした。
また、電極ピン32,33を600μm径のハステロイで構成し、抵抗溶接法を採用した。溶接条件は、ヘッド加重を1.5kgfとし、電圧値を2.3Vとした以外は、上述した通りであった。そして、硝酸と硫酸と過酸化水素の混合水溶液を用い、浴温を室温として、60分間のエッチング処理を行った。
以下、一次芯線6を残してヒータコイル22と電極ピン32,33とを溶接した場合を実施例とし、一次芯線6を消滅させた後にヒータコイル22と電極ピン32,33とを溶接した場合を比較例とする。図8および図9は、それぞれ実施例の溶接部位の表面および断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。また、図15および図16は、それぞれ比較例の溶接部位の表面および断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。
図8と図15を比較すると、実施例は比較例よりも、ヒータコイル22のリード部25の各巻回部が規則正しく、かつ十分に押しつぶされて電極ピン32,33に接合しているのがわかる。また、図9と図16を比較すると、実施例は比較例よりも、接合面積が広く、接合界面において一部が合金化しているのがわかる。合金化していることは、図10〜図13に示す分析結果からも明らかである。図10、図11、図12および図13は、それぞれ、図9に示す実施例の断面写真の「A」、「B」、「C」および「D」で示す箇所におけるX線マイクロアナライザー(XMA)による分析結果を示すチャートである。
電極ピン32,33のバルクにあたる「A」点では、ニッケルとクロムとモリブデンのピークが観察され、白金または白金合金のピークは観察されない(図10)。ヒータコイル22の、電極ピン32,33と接合していない箇所である「B」点では、白金または白金合金のピークが観察され、ニッケルとクロムとモリブデンのピークは観察されない(図11)。
ヒータコイル22と電極ピン32,33との接合界面のヒータコイル22寄りの部分である「C」点、およびヒータコイル22と電極ピン32,33との接合界面の電極ピン32,33寄りの部分である「D」点では、ともに、白金または白金合金、ニッケル、クロムのピークが観察される。これは、ヒータコイル22と電極ピン32,33との接合界面において、一次芯線6のニッケルがろう材として機能し、ヒータコイル22と一次芯線6と電極ピン32,33とが合金化したことを示している。「D」点付近は、溶接時にニッケルの一次芯線6があるため、電極ピン32,33のバルクよりもニッケルの含有割合が高いリッチ層である。
合金化による接合強度の向上を確認するため、上述した実施例および比較例をそれぞれ10個ずつ用意し、破断強度の測定を行った。実施例については、図5のステップS1からステップS7までの工程を経たものについて、また、比較例については、図5のステップS1およびステップS2を行い、ステップS4を先に行って一次芯線6を消滅させてからステップS3の溶接を行い、さらにステップ5からステップS7までの工程を経たものについて、それぞれ、ヒータコイル22を電極ピン32,33間で垂直に引っ張り、ヒータコイル22または溶接部位が破断するときの強度を測定した。また、白金または白金合金線の破断強度を知るため、20μm径で50mmの長さの白金または白金合金線の両端を引っ張り、白金または白金合金線が破断するときの強度も測定した。測定結果を表6に示す。
Figure 0004688794
10個の実施例は、いずれもヒータコイル22の途中で破断した。その破断強度は、20μm径の白金または白金合金線の引張強度とほぼ同じであった。それに対して、10個の比較例の破断強度は、いずれも20μm径の白金または白金合金線の引張強度よりも低く、ヒータコイル22と電極ピン32,33との溶接部位で破断した。これより、一次芯線6を残したまま溶接すれば、白金または白金合金線の引張強度以上の十分に高い接合強度が得られることが確認された。
また、図14および図17に、それぞれ実施例および比較例におけるヒータコイル22の全体形状を示す。図14より、実施例では、ヒータコイル22のビード部24に歪みが全くないのがわかる。それに対して、比較例では、ヒータコイル22のビード部24が歪んでおり、ビード部24の隣り合う巻回部同士が接触しそうになっているのがわかる。このように歪む原因は、一次芯線のない状態で溶接を行う際に、ヒータコイル22の巻回部を不用意に潰してしまったり、コイル形状を損傷してしまうことである。
ビード部24の隣り合う巻回部同士が接触したり、コイルが潰れてしまうと、その部分が短絡するため、ヒータコイル22の抵抗に寄与する有効長が短くなり、抵抗値が小さくなる。従って、電極ピン32,33間の抵抗値を測定することによって、ヒータコイル22の局所的な短絡の有無を知ることができる。この短絡の有無を確認するため、上述した実施例および比較例をそれぞれ10個ずつ用意し、抵抗値を測定した。実施例および比較例は、それぞれ、上述した接合強度の測定の場合と同じ工程を経たものである。測定結果を表7に示す。
Figure 0004688794
10個の実施例の抵抗値の最小値は11.0Ωであり、最大値は11.6Ωであった。そして、その標準偏差は0.2であった。それに対して、10個の比較例の抵抗値の最小値は9.1Ωであり、最大値は11.5Ωであった。比較例では、標準偏差は0.7であり、抵抗値が小さい方へばらついていた。これより、一次芯線6を残したまま溶接すれば、ビード部24の隣り合う巻回部同士が接触したり、コイルが潰れてしまうのを防ぐことができることが確認された。
以上説明したように、実施の形態によれば、検知素子2の燃焼部の大きさが従来とほぼ同じであっても、ヒータコイル22の、燃焼部内に埋め込まれるビード部24の有効長が、ビード部24を従来の一重巻回コイルで構成した場合よりも長くなる。従って、ヒータコイル22の抵抗が大きくなるので、接触燃焼式ガスセンサ5のガス感度が高くなり、S/N比が改善される。
また、ヒータコイル22がより多くの燃焼熱を受けて、効率よく抵抗変化を起こすので、接触燃焼式ガスセンサ5の応答速度が速くなる。さらに、燃焼部の大きさは従来とほぼ同じでよいので、燃焼部の重さも従来とほぼ同じになる。従って、ヒータコイル22のリード部25での検知素子2の支持能力を犠牲にすることなく、接触燃焼式ガスセンサ5のガス感度の向上や応答速度の高速化を図ることができる。
また、ヒータコイル22の原線の細線化により、ヒータコイル22の抵抗が大きくなるので、消費電流の低減化を図ることができる。また、リード部25がコイルばねと同様の構成になっているので、外部から加わった衝撃がリード部25のばね弾性により吸収される。従って、検知素子2の燃焼部に伝わる衝撃が小さくなるので、触媒層23の欠落などが発生しにくくなり、ゼロ点が衝撃により大きく変動するのを抑えることができる。
また、コイルドコイルで構成されたヒータコイル22を有し、かつそのヒータコイル22の抵抗値のばらつきが小さく、さらに、そのヒータコイル22と電極ピン32,33との接合強度が高い接触燃焼式ガスセンサ5が得られる。また、接触燃焼式ガスセンサ5を製造する際に、コイルドコイルで構成されたヒータコイル22の取り扱いが容易である。
以上において、本発明は、上述した実施の形態に限らず、種々変更可能である。例えば、溶接方法やその条件、またはエッチング方法やその条件は、適宜変更可能である。また、上述した種々の数値や材料等は一例であり、これに限定されるものではない。
以上のように、本発明にかかるガスセンサ用ヒータコイル、ガスセンサ用検知素子、接触燃焼式ガスセンサおよび接触燃焼式ガスセンサの製造方法は、家庭用または産業用のガス漏れ検知装置に有用であり、特に、燃料電池に用いられる可燃性ガスを検知する装置に適している。
図1は、本発明の実施の形態にかかるヒータコイルの構成を示す正面図である。 図2は、本発明の実施の形態にかかる検知素子の構成を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかる接触燃焼式ガスセンサのセンサ本体の構成を示す部分断面図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかる接触燃焼式ガスセンサの制御回路の構成を示す回路図である。 図5は、本発明の実施の形態にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造方法を示すフローチャートである。 図6は、本発明の実施の形態にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造途中の状態を示す部分拡大図である。 図7は、本発明の実施の形態にかかる接触燃焼式ガスセンサの製造途中の状態を示す部分拡大図である。 図8は、実施例の溶接部位の表面状態を示すSEM像を示す説明図である。 図9は、実施例の溶接部位の断面状態を示すSEM像を示す説明図である。 図10は、図9のA点におけるXMAの分析結果を示すチャートである。 図11は、図9のB点におけるXMAスペクトルを示すチャートである。 図12は、図9のC点におけるXMAスペクトルを示すチャートである。 図13は、図9のD点におけるXMAの分析結果を示すチャートである。 図14は、実施例のヒータコイルの全体形状を示す写真である。 図15は、比較例の溶接部位の表面を示すSEM像を示す説明図である。 図16は、比較例の溶接部位の断面を示すSEM像を示す説明図である。 図17は、比較例のヒータコイルの全体形状を示す写真である。 図18は、従来の検知素子の構成を示す断面図である。 図19は、従来のヒータコイルの構成を示す正面図である。
符号の説明
2 検知素子
4 補償素子
5 接触燃焼式ガスセンサ
21 熱伝導層
22 ヒータコイル
23 触媒層
24 ビード部
25 リード部
26,27 巻回部
32,33 電極ピン
51 第1の抵抗素子
52 第2の抵抗素子
53 電源
6 一次芯線

Claims (35)

  1. 接触燃焼式ガスセンサに用いられるヒータコイルであって、
    ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部と、該ビード部の両端から伸びるリード部とを有し、2以上の整数nに対して、前記ビード部が、コイル状に巻かれた(n−1)重巻回コイルよりなる素線をさらにコイル状に巻いたn重巻回コイルにより構成されていることを特徴とするガスセンサ用ヒータコイル。
  2. 前記リード部が、(n−1)重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  3. 出発材料となる非コイル状の原線の線径は、1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  4. 出発材料となる非コイル状の原線の線径は、10μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  5. 出発材料となる非コイル状の原線の線径は、20μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  6. 1以上n以下の整数mに対して、m重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の0.5倍以上20倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  7. 1以上n以下の整数mに対して、m重巻回コイルの巻き径は、m重巻回コイルを作製する際にコイル状に巻くために用いられる芯金の径の1倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  8. 前記n重巻回コイルの巻き数は、1以上30以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  9. 1以上の整数kに対して、前記n重巻回コイルにおけるk巻き目の巻回部と(k+1)巻き目の巻回部との間の隙間の長さは、前記(n−1)重巻回コイルよりなる素線の直径の0.5倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  10. 白金の線材でできていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  11. 白金をベースとする合金の線材でできていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ用ヒータコイル。
  12. 接触燃焼式ガスセンサに用いられる検知素子であって、
    ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部、および該ビード部の両端から伸びるリード部を有するヒータコイルと、
    前記ビード部を被う熱伝導層と、
    前記熱伝導層の表面に付着された触媒層と、を備え、
    2以上の整数nに対して、前記ビード部が、コイル状に巻かれた(n−1)重巻回コイルよりなる素線をさらにコイル状に巻いたn重巻回コイルにより構成されていることを特徴とするガスセンサ用検知素子。
  13. 前記ヒータコイルのリード部が、(n−1)重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする請求項12に記載のガスセンサ用検知素子。
  14. 前記ヒータコイルは、白金の線材でできていることを特徴とする請求項12または13に記載のガスセンサ用検知素子。
  15. 前記ヒータコイルは、白金をベースとする合金の線材でできていることを特徴とする請求項12または13に記載のガスセンサ用検知素子。
  16. ガスの燃焼時に発生する燃焼熱により電気的な特性値が変化するビード部、および該ビード部の両端から伸びるリード部を有するヒータコイルと、前記ビード部を被う熱伝導層と、前記熱伝導層の表面に付着された触媒層と、を備え、2以上の整数nに対して、前記ビード部が、コイル状に巻かれた(n−1)重巻回コイルよりなる素線をさらにコイル状に巻いたn重巻回コイルにより構成された検知素子と、
    前記検知素子に直列に接続された、前記ヒータコイルと同一構成のヒータコイルを備えた補償素子と、
    第1の抵抗素子と、
    前記第1の抵抗素子に直列に接続された第2の抵抗素子と、
    前記検知素子と前記補償素子との直列接続体、および前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との直列接続体のそれぞれの両端に直流電圧を印加する電源と、を備え、
    前記検知素子、前記補償素子、前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子は、ホイートストンブリッジ回路を構成し、該ホイートストンブリッジ回路から、前記検知素子と前記補償素子との接続ノードと、前記第1の抵抗素子と前記第2の抵抗素子との接続ノードとの間の電圧が出力されることを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
  17. 前記ヒータコイルのリード部が、(n−1)重巻回コイルにより構成されていることを特徴とする請求項16に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  18. 前記ヒータコイルは、白金の線材でできていることを特徴とする請求項16または17に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  19. 前記ヒータコイルは、白金をベースとする合金の線材でできていることを特徴とする請求項16または17に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  20. 接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、
    少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、
    前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、
    前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、
    前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素を、前記電極における構成割合よりも高い割合で含む合金層が存在することを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
  21. 接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、
    少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、
    前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、
    前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、
    前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素を、前記電極における構成割合よりも高い割合で含む合金層が存在し、
    前記ヒータコイルと前記電極との溶接部位にのみ、前記ヒータコイルのコイル状の部分の内側に、前記合金層中に前記電極中よりも高い割合で含まれている前記金属元素よりなる芯線が設けられていることを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
  22. 前記合金層中に前記電極中よりも高い割合で含まれている前記金属元素は、前記ヒータコイルを構成する金属よりもイオン化列が大であることを特徴とする請求項20または21に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  23. 前記ヒータコイルは白金または白金合金でできており、前記電極はニッケルを含む合金でできており、前記合金層中に前記電極中よりも高い割合で含まれている前記金属元素はニッケルであることを特徴とする請求項20または21に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  24. 前記ヒータコイルの、前記焼結体に被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする請求項20または21に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  25. 接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、
    少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、
    前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、
    前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、
    前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない金属元素と、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素との合金化により生じた合金層が存在することを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
  26. 接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサにおいて、
    少なくとも両端がコイル状に巻かれたヒータコイルと、
    前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分にそれぞれ溶接された電極と、
    前記ヒータコイルの一部を被う焼結体と、を備え、
    前記ヒータコイルと前記電極との接合界面に、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない金属元素と、前記電極を構成する少なくとも一つの金属元素との合金化により生じた合金層が存在し、
    前記ヒータコイルと前記電極との溶接部位にのみ、前記ヒータコイルのコイル状の部分の内側に、前記合金層中には含まれているが、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない前記金属元素よりなる芯線が設けられていることを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
  27. 前記合金層中には含まれているが、前記ヒータコイルおよび前記電極のいずれにも含まれていない前記金属元素は、前記ヒータコイルを構成する金属よりもイオン化列が大であることを特徴とする請求項25または26に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  28. 前記ヒータコイルの、前記焼結体に被われている部分の少なくとも一部は、線材をコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いたコイルドコイルになっていることを特徴とする請求項25または26に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  29. 接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサを製造するにあたって、
    少なくとも両端が芯線に巻きつけられてコイル状をなすヒータコイルを作製するコイル作製工程と、
    前記芯線に巻きつけられた状態のまま、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分をそれぞれ電極に溶接する溶接工程と、
    前記芯線を消滅させる芯線消滅工程と、
    芯線のなくなった前記ヒータコイルの一部を焼結体で被う焼結体被覆工程と、
    を含むことを特徴とする接触燃焼式ガスセンサの製造方法。
  30. 接触したガスの燃焼により発生した燃焼熱によってヒータコイルの電気的な特性値が変化し、その特性値の変化に基づいて可燃性ガスの存在を検知する接触燃焼式ガスセンサを製造するにあたって、
    少なくとも両端が芯線に巻きつけられてコイル状をなすヒータコイルを作製するコイル作製工程と、
    前記芯線に巻きつけられた状態のまま、前記ヒータコイルの両端のコイル状の部分をそれぞれ電極に溶接する溶接工程と、
    前記ヒータコイルと前記電極との溶接部位を除いて、前記芯線を消滅させる芯線消滅工程と、
    前記ヒータコイルの、前記芯線のない部分の少なくとも一部を焼結体で被う焼結体被覆工程と、
    を含むことを特徴とする接触燃焼式ガスセンサの製造方法。
  31. 前記溶接工程では、前記ヒータコイルの、芯線に巻きつけられた端部を前記電極に押し付け、抵抗溶接法、レーザー溶接法または熱圧着による溶接法のいずれかを行うことを特徴とする請求項29または30に記載の接触燃焼式ガスセンサの製造方法。
  32. 前記芯線は、前記ヒータコイルの構成材料よりも卑な金属材料で構成されており、前記芯線消滅工程では、前記芯線のみをエッチングにより消滅させることを特徴とする請求項29または30に記載の接触燃焼式ガスセンサの製造方法。
  33. 前記芯線はニッケルでできており、前記ヒータコイルは白金または白金合金でできており、前記芯線消滅工程では、ニッケル用のエッチング液を用いて前記芯線を消滅させることを特徴とする請求項29または30に記載の接触燃焼式ガスセンサの製造方法。
  34. 前記コイル作製工程では、前記ヒータコイルの、前記焼結体により被覆される部分の少なくとも一部を、前記芯線にコイル状に巻いたコイル線をさらにコイル状に巻いてコイルドコイルにすることを特徴とする請求項29または30に記載の接触燃焼式ガスセンサの製造方法。
  35. 前記芯線が、前記ヒータコイルと前記電極とを接合するためのろう材を兼ねていることを特徴とする請求項29または30に記載の接触燃焼式ガスセンサの製造方法。
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