JPH09229900A - 酸素センサのヒータ構造 - Google Patents
酸素センサのヒータ構造Info
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- JPH09229900A JPH09229900A JP8036545A JP3654596A JPH09229900A JP H09229900 A JPH09229900 A JP H09229900A JP 8036545 A JP8036545 A JP 8036545A JP 3654596 A JP3654596 A JP 3654596A JP H09229900 A JPH09229900 A JP H09229900A
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Abstract
極に付着して電極の有効面積を減少させることを防止す
る。 【解決手段】酸素センサ1は酸素に反応する筒状の素子
4と、その素子4の内外両側面にそれぞれ設けられた白
金よりなる内電極7及び外電極8と、素子4の内部に配
置され、自身が昇温することにより素子4を加熱する窒
化珪素よりなるヒータ5とを備える。内電極7と対向す
るヒータ4の表面に設けられた被覆層10は、内電極7
と同じ白金よりなる。従って、ヒータ5の昇温時にはヒ
ータ5を構成する珪素が昇華して内電極7に付着するこ
とはない。ヒータ5の昇温時に被覆層10の白金が昇華
したとしても、内電極7と同じ物質よりなる白金が同電
極7に付着することになる。
Description
素子を有し、その素子の反応に基づいて酸素濃度を検出
する酸素センサに係る。詳しくは、素子を加熱するため
に酸素センサに設けられたヒータの構造に関する。
ために使用される酸素センサがある。図5は酸素センサ
の一例を示す。この酸素センサは金属製のハウジング2
1と、そのハウジング21に取り付けられた素子22
と、素子22を加熱するためのヒータ23と、素子22
を覆うカバー24とを備える。試験管形状をなす素子2
2はヒータ23を内包する。カバー24は複数の通気孔
24aを有する。素子22はジルコニアを材料として焼
結されることにより得られる。素子22の内周面及び外
周面を覆う電極25,26は白金よりなり、多孔質をな
す。素子22の外側が酸素を含む気体に曝されることに
より、両電極25,26の間には、気体中の酸素濃度の
大きさに応じた電圧(又は電流)が生じる。
に依存する。素子22は所定温度で活性化することによ
り、安定した出力を示す。従って、酸素センサをある時
点から早期に使用したい場合には、素子22を早期に活
性化させる必要がある。ヒータ23の一つの役割は、こ
のような場合に素子22を積極的に加熱することであ
る。
ヒータ23自身の温度上昇を速める必要がある。ヒータ
23自身の昇温速度を大きくした場合、ヒータ23が大
きな熱衝撃を受けるおそれがある。この熱衝撃を緩和す
るために、ヒータ23の材料として熱膨張係数の小さい
窒化珪素(Si3N4)が好適である。
タ23を窒化珪素製とした場合、ヒータ23が高温(例
えば「1100℃」程度の温度)になった場合、その窒
化珪素の一成分である珪素(Si)が昇華し始める。更に、
昇華した珪素が二酸化珪素(SiO2)となって、素子22の
内側の電極25の表面に付着することにより、その電極
25の有効面積が減少することになる。この有効面積の
減少に起因して、酸素センサの出力特性が変わり、セン
サの検出精度が低下するおそれがある。
ものであって、その目的は、内外両側面に電極を付着し
てなる筒状の素子と、その内側に配置された窒化珪素よ
りなるヒータとを備えた酸素センサにおいて、ヒータか
ら珪素が昇華してその珪素が電極に付着して電極の有効
面積を減少させることのない酸素センサのヒータ構造を
提供することにある。
めに、請求項1に記載の第1の発明では、酸素に反応す
る筒状の素子と、その素子の内外両側面にそれぞれ設け
られた電極と、素子の内部に配置され、自身が昇温する
ことにより素子を加熱する窒化珪素よりなるヒータとを
備えた酸素センサのヒータ構造において、ヒータが昇温
するときに同ヒータから珪素が昇華することを抑止する
ための抑止手段を設けたことを趣旨とする。
素の昇華が抑止されることから、その珪素が電極に付着
することはない。上記の目的を達成するために、請求項
2に記載の第2の発明では、第1の発明の構成におい
て、抑止手段は、前記素子の内側面に設けられた電極と
同じ成分をなす物質により前記ヒータの表面を被覆する
ことであることを趣旨とする。
の表面に被覆された物質が昇華したとしても、電極と同
じ物質が電極に付着することになる。
係る「酸素センサのヒータ構造」を具体化した一つの実
施の形態を図面を参照して説明する。
ジン(図示しない)に適用される酸素センサ1の主要構
造を示す。この酸素センサ1は、いわゆる限界電流式の
ものである。排気管2に取り付けられるセンサ1は、エ
ンジンの空燃比を制御するために使用される。このセン
サ1は金属製のハウジング3と、そのハウジング3の内
部に取り付けられた素子4と、その素子4を加熱するた
めのヒータ5とを備える。ハウジング3はフランジ6を
含み、そのフランジ6によりセンサ1が排気管2に取り
付けられる。試験管形状をなす素子4はヒータ5を内包
する。ハウジング3はその中間部に段部3aを有する。
この段部3aにおいてハウジング3が素子4の外周面と
接することにより、両者3,4の間がシールされる。こ
こで、段部3aの下側に位置するハウジング3の一部
を、便宜上、ハウジング3の検出部3bと称する。同様
に、段部3aの下方に位置する素子4の一部を、便宜
上、素子4の検出部4aと称する。
気孔3cを有する。素子4はジルコニアを材料として焼
結されたものである。素子4の検出部4aの内周面及び
外周面の一部に付着された内電極7及び外電極8は白金
を材料とし形成され、多孔質をなす。外電極8を覆うよ
うに検出部4aの外周面に付着された抵抗層9は、素子
4を通過する酸素の拡散を抑える。この抵抗層9は、ス
ピネール(MgO・Al2O3)を溶射により500μm程度の厚
さに形成することにより得られる。
気ガスに曝されることにより、そのガス中の酸素濃度の
大きさに応じ、両電極7,8の間には、両電極7,8の
間に印加される電圧に応じた電流が生じる。図2に示す
ように、空燃比がリーンのとき、即ち酸素濃度が相対的
に大きいときには、素子4はその外側から内側へ酸素
(O2 )を送る。空燃比がリッチのとき、即ち酸素濃度
が相対的に小さいときには、素子4はその内側から外側
へ酸素を送る。この酸素の移送に伴い、両電極7,8の
間に、印加電圧に対する限界電流が生じる。図3はその
印加電圧に対する限界電流の関係を示すグラフである。
このグラフにおいて、リッチ時の実線は、製造直後、即
ち使用初期における特性を示す。リッチ時の破線は、従
来のセンサに係り、所定期間経過後、即ち使用耐久後の
特性を示す。酸素センサ1は限界電流値を空燃比がリッ
チ又はリーンであることを示す検出値として出力する。
し、電気的に駆動されるものであり、自身が昇温するこ
とによって素子4を加熱する。このヒータ5は自身の昇
温速度を大きくすると共に、昇温による熱衝撃を緩和す
るために、熱膨張係数の小さい窒化珪素(Si3N4)を材料
として形成される。内電極7に対向するヒータ5の一部
表面を被覆する被覆層10は、内電極7と同一成分をな
す物質、即ち白金より形成される。被覆層10がヒータ
5の一部、即ち内電極7に対向する部分のみに設けられ
るのは、ヒータ5の内部の導電パタンの配置に対応させ
たことによる。この被覆層10は、ヒータ5が昇温する
ときに、同ヒータ5から珪素が昇華することを抑止する
ための本発明の抑止手段に相当する。
グ」によるものである。即ち、ヒータ5の表面の所定位
置に白金ペーストを塗布し、その後にヒータ5を「約9
00℃」に昇温させてその状態を1時間保つことによ
り、白金ペーストをヒータ5の表面に焼き付ける。ヒー
タ5の表面に対する白金の「メタライジング」の方法と
しては、白金メッキも有効である。しかし、ある程度の
厚み、例えば「約2μm以上」を得るためには、白金メ
ッキでは時間がかかり過ぎる。この点、上記焼き付け方
法はある程度の厚みを簡易に得られる点で有利である。
させるために使われる。或いは、ヒータ5は、不安定な
温度条件下で素子4の温度を所要値に保つために素子4
を加熱するために使われる。ヒータ5は自身を構成する
窒化珪素中の珪素が昇華し得る「1100℃」程度の温
度まで昇温される。
「1100℃」程度の温度まで昇温されたときでも、同
ヒータ5からの珪素の昇華が被覆膜10により抑止さ
れ、その珪素を含む二酸化珪素が白金よりなる内電極7
に付着することはない。この意味から、内電極7の表面
に同電極7とは成分の異なる物質が付着して内電極7の
有効面積を減少させることを防止することができる。こ
の結果、空燃比がリッチであるときの酸素センサ1の出
力特性を長期間にわたって使用初期の状態に保つことが
でき、酸素センサ1の検出精度の低下を長期間にわたっ
て防止することができる。
期間(500時間)駆動したときに、酸素センサが出力
するリッチ時の空燃比に対応する限界電流値の変化を示
すグラフである。このグラフは、従来の酸素センサによ
る結果と、本実施形態の酸素センサ1による結果とを示
す。このグラフからも明らかなように、本実施形態の酸
素センサ1によれば、500時間が経過しても限界電流
値に殆ど変化がないことが分かり、従来の酸素センサに
よるものと比較して極めて有利なことが明らかである。
昇温時にその表面から物質が昇華したとしても、珪素で
はなく被覆層10を構成する白金が昇華し、その白金が
内電極7に蒸着されることになる。このため、内電極7
に付着する白金が内電極7と同じ成分をなすことから、
内電極7の有効面積が減少すること防止することができ
る。空燃比がリッチであるときのセンサ1の出力特性を
長期間にわたって使用初期の状態に保つことができ、セ
ンサ1の検出精度の低下を長期間にわたって防止するこ
とができる。更には、内電極7に蒸着した白金が内電極
7を補強することになり、内電極7が高温条件下で凝集
により劣化することを抑えることができる。
の検出部4aの一部に設けただけなので、両電極7,8
に使われる白金の量を節約することができる。この実施
形態では、内電極7の大きさに合わせてヒータ5の表面
の一部に被覆層10を設けただけなので、被覆層10に
使われる白金の量を節約することができる。
することもできる。以下の別の実施形態においても、前
記実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。 (1)前記実施形態では、内電極7と同じ白金よりなる
被覆層10をヒータ5の表面に設けることを抑止手段と
した。これに対し、素子の内部に空気を循環させること
を抑止手段として、ヒータの表面から昇華する珪素が内
電極に付着することを抑止することもできる。或いは、
ヒータと内電極との間にメッシュ状の遮蔽物を配置する
ことを抑止手段として、ヒータの表面から昇華する珪素
が内電極に付着することを抑止することもできる。或い
は、ヒータの温度をヒータから珪素が昇華することのな
いように制御することを抑止手段として、ヒータの表面
から昇華する珪素が内電極に付着することを抑止するよ
うにしてもよい。
に抵抗層9を設けたが、これを省略することもできる。 (3)前記実施形態では、素子4の検出部4aの一部に
内電極7及び外電極8を設けた。これに対し、素子4の
検出部4aの全体に内電極7及び外電極8を設けてもよ
い。
4aに対向するヒータ5の表面の一部に被覆層10を設
けた。これに対し、素子4の検出部4aに対向するヒー
タ5の全体に被覆層10を設けてもよい。
記載した技術的思想に係る次のような各種の実施態様が
含まれることを、以下にその効果と共に記載する。 (イ)請求項2に記載の発明において、前記素子の内外
両側面に設けられる電極を白金より形成したことを特徴
とする。
する白金がその電極と同じ成分をなすことから、電極の
有効面積が減少すること防止することができる。電極に
付着した白金が電極の温度耐久性を高めることができ
る。
て、前記素子の内外両側面に設けられる電極を白金によ
り形成し、その電極を素子の一部に限定して配置したこ
とを特徴とする。
量を節約することができる。 (ハ)請求項2に記載の発明において、前記素子の内外
両側面に設けられる電極を白金により形成し、その電極
を素子の一部に限定して配置すると共に、その電極に対
向するヒータの表面に限定して同表面に白金を被覆した
ことを特徴とする。
るために使われる白金の量を節約することができる。
内外両側面に電極を付着してなる筒状の素子と、その内
側に配置された窒化珪素よりなるヒータとを備えた酸素
センサにおいて、ヒータが昇温するときに同ヒータから
珪素が昇華することを抑止するための抑止手段を設けて
いる。
止されることから、その珪素が電極に付着することはな
い。このため、ヒータから珪素が昇華してその珪素が電
極に付着して電極の有効面積を減少させることを防止す
ることができる。延いては、センサの出力特性を長期間
にわたって使用初期の状態に保つことができるという効
果を発揮する。
1の発明の構成において、抑止手段を、素子の内側面に
設けられた電極と同じ成分をなす物質によりヒータの表
面を被覆することとしている。
された物質が昇華したとしても、電極と同じ物質が電極
に付着することになる。このため、ヒータから珪素が昇
華してその珪素が電極に付着して電極の有効面積を減少
させることを防止することができ、素子の内側面に設け
られた電極の耐久性を高めることができる。延いては、
センサの出力特性を長期間にわたって使用初期の状態に
保つことができるという効果を発揮する。
す断面図。
フ。
化を示すグラフ。
8…外電極、10…白金よりなる被覆層。
Claims (2)
- 【請求項1】 酸素に反応する筒状の素子と、その素子
の内外両側面にそれぞれ設けられた電極と、前記素子の
内部に配置され、自身が昇温することにより前記素子を
加熱する窒化珪素よりなるヒータとを備えた酸素センサ
のヒータ構造において、 前記ヒータが昇温するときに同ヒータから珪素が昇華す
ることを抑止するための抑止手段を設けたことを特徴と
する酸素センサのヒータ構造。 - 【請求項2】 請求項1に記載の酸素センサのヒータ構
造において、 前記抑止手段は、前記素子の内側面に設けられた電極と
同じ成分をなす物質により前記ヒータの表面を被覆する
ことであることを特徴とする酸素センサのヒータ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03654596A JP3159035B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 酸素センサのヒータ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03654596A JP3159035B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 酸素センサのヒータ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09229900A true JPH09229900A (ja) | 1997-09-05 |
JP3159035B2 JP3159035B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=12472749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03654596A Expired - Fee Related JP3159035B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 酸素センサのヒータ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3159035B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11153571A (ja) * | 1997-11-20 | 1999-06-08 | Denso Corp | 酸素センサ素子 |
JP2000081411A (ja) * | 1998-09-04 | 2000-03-21 | Denso Corp | 酸素センサ素子 |
-
1996
- 1996-02-23 JP JP03654596A patent/JP3159035B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11153571A (ja) * | 1997-11-20 | 1999-06-08 | Denso Corp | 酸素センサ素子 |
JP2000081411A (ja) * | 1998-09-04 | 2000-03-21 | Denso Corp | 酸素センサ素子 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
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