JP3366386B2 - 空燃比検出素子 - Google Patents
空燃比検出素子Info
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Description
ンの燃料と空気との混合比率を空燃比A/Fとして検出
する空燃比センサに好適に用いられる空燃比検出素子に
関する。
管の途中に空燃比センサを設け、該空燃比センサで排気
ガス中に含まれる酸素濃度を検知することにより、燃料
と空気との混合比率を空燃比A/Fとして検出するよう
にしている。そして、例えばこの空燃比A/Fを理論空
燃比(A/F=14.7)に近付けるように吸入空気量
に対する燃料噴射量の比率を制御することにより、エン
ジンの燃焼室内で燃料を完全燃焼させ、燃焼効率等を向
上させるようにしている。また、最近の自動車用エンジ
ンでは、燃料消費量(燃費)を向上させるためにエンジ
ンの完全暖気状態で負荷の小さい定速走行時等に、希薄
混合気を用いて所謂リーンバーン制御等を行うようにし
ており、この場合には空燃比A/Fが、例えばA/F=
18〜25程度となるように燃料噴射量を制御してい
る。
ンサには、例えば特開昭62−214347号公報等に
記載のプレート型の空燃比検出素子が用いられ、この空
燃比検出素子は、細長いプレート状に形成されたヒータ
部上に固体電解質層および保護層等を積層化することに
よって構成されている。
る空燃比センサの取付け状態を示す。
該排気管101はエンジンの燃焼室(図示せず)からの
排気ガスを矢示A方向に排出させる。102は該排気管
101の途中に設けられた空燃比センサを示し、該空燃
比センサ102はケーシング(図示せず)の先端側にプ
レート型の空燃比検出素子103を備え、該空燃比検出
素子103は断面長方形状に形成されている。そして、
空燃比センサ102はケーシングの外周側に形成したお
ねじ部(図示せず)等を介して排気管101に螺着さ
れ、空燃比検出素子103を排気管101内で矢示A方
向の排気ガス流に接触させるようにしている。
プレート状に形成されたヒータ部104と、該ヒータ部
104上に積層化して形成された固体電解質層105
と、該固体電解質層105を覆うようにヒータ部104
上に積層化して形成された保護層としてのガス拡散層1
06とから構成され、該ガス拡散層106には排気管1
01内を流れる排気ガスを固体電解質層105側に向け
てガス拡散させるガス透過孔(図示せず)が多孔質状に
形成されている。また、固体電解質層105の上,下面
にはそれぞれ電極(いずれも図示せず)が形成され、こ
れらの電極間に電圧を印加することにより固体電解質層
105内で酸素イオンを輸送させる酸素ポンプを構成し
ている。そして、この酸素ポンプは電極間に発生する起
電力が一定となるように駆動され、このときに電極間を
流れる拡散限界電流Ip をガス拡散層106周囲の酸素
濃度に対応した信号として検知することにより、エンジ
ンの空燃比A/Fを検出するようにしている。
来技術では、プレート型の空燃比検出素子103が設け
られた空燃比センサ102を、排気管101に螺着して
取付けるようにしているから、空燃比検出素子103の
取付方向が排気管101毎にバラツクことがあり、排気
管101内を矢示A方向に流れる排気ガスに対して空燃
比検出素子103が図9のように並行となったり、空燃
比検出素子103が図10に示すように垂直となったり
する。
ルドの合流部に空燃比センサ102を取付けた場合に
は、各気筒からそれぞれの分岐管を介して排出されてく
る排気ガスが、各分岐管毎に異なる方向をもって空燃比
センサ102の位置に流れてくるから、これによっても
排気ガスの流れの方向と空燃比検出素子103の取付方
向とにバラツキが生じてしまう。
方向や空燃比検出素子103の取付方向によってガス拡
散層106を透過するガス拡散量が変化し、空燃比A/
Fの検出精度にバラツキが生じるという問題がある。そ
して、空燃比センサ102からの検出信号に基づいて燃
料噴射量を制御するときには、燃料の噴射量が過大とな
ったり、過小となったりするために、エンジンのリーン
バーン制御等が難しくなるという問題がある。
層106をヒータ部104の一側面に積層化し、該ヒー
タ部104の他側面は外部に露出しているから、固体電
解質層105に対するヒータ部104の伝熱面積を大き
くできないばかりか、エンジンの停止時にはヒータ部1
04が外気温の影響を受け易く、エンジンの始動時にヒ
ータ部104に給電を行っても該ヒータ部104を早期
に昇温させるのが難しくなる。このため、ヒータ部10
4からの熱で固体電解質層105等を活性化させて空燃
比を検出できるまでに余分な時間がかかり、エンジンの
始動時に空燃比を早期に検出できないという問題があ
る。
されたもので、本発明は取付方向等によって検出精度に
バラツキが生じるのを効果的に防止でき、エンジン等の
空燃比を安定して検出できる上に、ヒータによる昇温時
間を確実に短くでき、エンジンの始動時でも早期に空燃
比を検出できるようにした空燃比検出素子を提供するこ
とを目的としている。
ために、請求項1の発明は、細長いロッド状に形成され
たヒータ部と、該ヒータ部の外周側に形成された酸素イ
オン伝導性の固体電解質層と、該固体電解質層の内,外
周面に形成され、外部から電圧を印加することにより該
固体電解質層の内,外周面間で酸素イオンを輸送させる
内側電極および外側電極と、該外側電極を外側から覆う
ように前記固体電解質層の外周側に形成され、該固体電
解質層および外側電極を保護する保護層とからなる空燃
比検出素子において、前記固体電解質層と保護層との間
には、前記外側電極の周囲に位置 して環状のガス拡散ギ
ャップ空間を形成し、前記保護層には、該保護層の周囲
から前記ガス拡散ギャップ空間に排気ガスを導入するガ
ス透過孔を形成したことを特徴としている。
を、セラミックス材料により小径のロッド状に形成さ
れ、基端側端面に開口し軸方向に伸長する軸穴部を有し
たヒータコアと、該ヒータコアの先端側に位置して該ヒ
ータコアの外周面に形成されたヒータパターンと、該ヒ
ータパターンを外側から覆うように前記ヒータコアの外
周側に設けられた絶縁性のヒータ被覆層とにより構成
し、該ヒータ被覆層の外周面と前記固体電解質層の内周
面との間には、前記ヒータコアの軸穴部を介して大気に
連通する環状の大気室を形成してなる構成としている。
護層は、アルミナの粉体中にジルコニアの粉体を混合し
て調整したペースト状物を、前記外側電極の外側から前
記固体電解質層の周囲に印刷することにより形成してな
る構成としている。
ータ部の外周側に固体電解質層および保護層を一体形成
して、全体が円形のロッド状をなす空燃比検出素子とす
ることができ、取付時の方向等によってガス拡散量が変
化するのを防止できる。そして、ヒータ部を全周に亘っ
て外側から固体電解質層および保護層等により覆うこと
ができ、ヒータ部が外気温に影響されてしまうのを抑え
ることができると共に、固体電解質層に対するヒータ部
の伝熱面積を大きくでき、該ヒータ部からの熱を固体電
解質層等に効率的に伝熱できる。また、固体電解質層と
保護層との間のガス拡散ギャップ空間には、該保護層の
周囲からガス透過孔を介して排気ガスを導入することが
でき、外側電極と内側電極との間に酸素濃度差に基づい
た拡散限界電流を生じさせることができる。
る軸穴部を有した小径のロッド状をなすヒータコアの外
周面にヒータパターンを形成し、該ヒータパターンを外
側から覆うように前記ヒータコアの外周側に絶縁性のヒ
ータ被覆層を設けることによってヒータ部を構成するよ
うにすれば、ヒータコアの軸穴部によりヒータ部全体の
熱容量を小さくでき、該ヒータ部の昇温時間を確実に短
くできる。そして、ヒータ被覆層の外周面と前記固体電
解質層の内周面との間に大気室を形成することにより、
該大気室内に前記ヒータコアの軸穴部を介して大気を導
入でき、内側電極と外側電極との間に外部から電圧を印
加することによって、内側の大気室と外側のガス拡散ギ
ャップ空間との間の酸素濃度差に基づいて拡散限界電流
を生じさせ、固体電解質層の内,外周面間で酸素イオン
を輸送させる所望の電気化学反応を確実に生じさせるこ
とができる。
を図1ないし図8に基づき、空燃比センサとして用いた
場合を例に挙げて説明する。
グを示し、該ケーシング1は、先端部外周側に取付部と
してのおねじ部2Aが形成された段付筒状のホルダ2
と、該ホルダ2の基端側に一体的に固着された有底筒状
のキャップ3と、該キャップ3内に同軸に配設され、後
述のシールキャップ10とホルダ2との間に位置決めさ
れたガイド筒4とからなり、これらはステンレス鋼等の
金属材料によって形成されている。そして、該ケーシン
グ1は後述の空燃比検出素子16を自動車用エンジンの
排気管(図示せず)内に突出させるべく、ホルダ2のお
ねじ部2Aが排気管に螺着されるようになっている。
シールリング6を介して配設された絶縁支持体を示し、
該絶縁支持体5はアルミナ(Al2O3 )等のセラミッ
ク材料によって筒状に形成され、その内周側には空燃比
検出素子16が無機接着剤等を用いて固着されている。
そして、該絶縁支持体5はケーシング1内で空燃比検出
素子16を位置決めすると共に、該空燃比検出素子16
を電気的および熱的に絶縁状態で保持している。
設された絶縁筒体を示し、該絶縁筒体7,8はアルミナ
等のセラミック材料によって筒状に形成され、後述の各
コンタクトプレート13,14等をケーシング1に対し
て絶縁状態に保持している。9はケーシング1内に位置
して絶縁支持体5と絶縁筒体7との間に配設されたスプ
リングを示し、該スプリング9は絶縁支持体5をホルダ
2側に向けて常時付勢し、ケーシング1に外部から作用
する振動や衝撃等が空燃比検出素子16に直接伝わるの
を防止している。
ルキャップを示し、該シールキャップ10はポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性を有する樹脂
材料によって段付き筒状に形成され、ケーシング1内に
絶縁筒体7,8等をスプリング9を介して位置決めして
いる。また、該シールキャップ10には空燃比A/Fを
検出するためのリード線11,11とヒータ用のリード
線12,12(一方のみ図示)とが挿通され、該各リー
ド線11,12は絶縁筒体8内でそれぞれ検出用のコン
タクトプレート13,13とヒータ用のコンタクトプレ
ート14,14とに接続されている。
子16の先端部分を保護するようにホルダ2に取付けら
れた有蓋筒状のプロテクタを示し、該プロテクタ15に
は複数の窓部15A,15A,…が形成され、該各窓部
15Aは排気管内を流れる排気ガスを空燃比検出素子1
6の周囲に導くようになっている。
持体5を介して取付けられ、先端側がホルダ2外へと突
出した空燃比検出素子を示し、該空燃比検出素子16は
図2および図3に示す如く後述のヒータ部17、固体電
解質層25および保護層28等によって構成されてい
る。
検出素子16の一部を構成するヒータ部を示し、該ヒー
タ部17は図2ないし図4に示す如く、例えばアルミナ
等のセラミック材料により小径のロッド状に形成された
ヒータコア18と、該ヒータコア18の先端側から基端
側に亘ってヒータコア18の外周面に曲面印刷等の手段
を用いて形成され、ヒータコア18の基端側に伸長する
一対のリード部19A,19Aを有したヒータパターン
19(図4参照)と、該ヒータパターン19を径方向外
側から保護すべく、例えばアルミナ等のセラミック材料
をヒータコア18の外周側に厚膜印刷することにより形
成された絶縁性のヒータ被覆層20とから構成されてい
る。
ラミック材料を射出成型することにより、例えば外形寸
法3〜4mm前,後、長さ寸法50〜60mm前,後の円柱
状ロッドとして形成され、該ヒータコア18にはその基
端側端面に開口し軸方向に延びる軸穴部18Aと、該軸
穴部18Aの先端側から径方向に延びる貫通孔18Bと
が形成されている。そして、軸穴部18Aおよび貫通孔
18Bは、例えば0.5〜1.0mm前,後の穴径をもっ
て形成され、ヒータ被覆層20の貫通孔20A,20A
と共に大気導入路21を構成している。また、軸穴部1
8Aはヒータコア18の容積を減少させることによっ
て、ヒータコア18の熱容量を小さくする熱容量低減穴
をも構成している。
や白金等の発熱性導体材料からなり、各リード部19A
はヒータコア18の基端側で図1に示すようにヒータ用
の各コンタクトプレート14に接続されている。そし
て、ヒータパターン19は外部からヒータ用の各リード
線12、各コンタクトプレート14および各リード部1
9Aを介して給電されることにより、例えば750℃
前,後の温度にヒータ部17を発熱させる。そして、該
ヒータ部17は図3に示すように例えば4〜6mm前,後
の外径寸法Dを有し、内側から固体電解質層25等を加
熱することにより、例えば600℃以上の温度まで空燃
比検出素子16を昇温させて活性化させる。
曲面印刷等の手段を用いて形成された絶縁層を示し、該
絶縁層22,23はアルミナ等のセラミック材料を厚膜
印刷することにより形成され、絶縁層22は貫通孔20
Aよりもヒータ被覆層20の前側に位置し、絶縁層23
は絶縁層22から軸方向に所定寸法離間して貫通孔20
Aよりもヒータ被覆層20の後側に配設されている。そ
して、該絶縁層22,23はヒータ被覆層20の外周面
と後述の内側電極26との間に環状の大気室24を画成
し、該大気室24はヒータ部17の大気導入路21を介
して大気に常時連通している。また、絶縁層22,23
は図3に示す如く、例えば8.28μm以上で、好まし
くは10μm程度の厚さT1 を有し、大気室24内を常
に基準となる酸素濃度に保持できるようになっている。
刷等の手段を用いて形成された酸素イオン伝導性の固体
電解質層を示し、該固体電解質層25は例えばジルコニ
ア(Zr O2)の粉体中に所定重量%のイットリア(Y
2O3)の粉体を混合してペースト状物を調整した後、
このペースト状物を絶縁層22,23の外周側に厚膜印
刷することにより筒状に形成されている。そして、該固
体電解質層25は例えば50〜100μm程度の厚さT
2 を有し、この厚さ方向に酸素イオンを輸送させるよう
になっている。
面に形成された内側電極,外側電極を示し、該内側電極
26および外側電極27は白金等からなる導電性ペース
トを固体電解質層25の内,外周面に印刷することによ
り、例えば4mm前,後の長さ寸法をもって形成され、そ
のリード部26A,27Aは図6に示すようにヒータ部
17の基端側に向けて伸長している。そして、該内側電
極26および外側電極27のリード部26A,27Aは
空燃比検出素子16の基端側で図1に示す各コンタクト
プレート13に接続され、空燃比検出素子16からの検
出信号を各リード線11を介して外部に出力させる。
7を径方向外側から覆うように絶縁層22,23の外周
側に曲面印刷等の手段を用いて形成された保護層を示
し、該保護層28は例えばアルミナ(Al2O3 )の粉
体中に所定重量%のジルコニアの粉体を混合してペース
ト状物を調整し、このペースト状物を絶縁層22,23
等の外周側に厚膜印刷することにより、例えば60μm
前,後の膜厚をもって筒状に形成されている。そして、
該保護層28は固体電解質層25との間に外側電極27
の周囲に位置して径方向の隙間S(例えば20〜60μ
m前,後)を有するガス拡散ギャップ空間29を形成
し、該ガス拡散ギャップ空間29の長さ寸法Lは2〜6
mm前,後となっている。また、保護層28には前記排気
管内の排気ガスをガス拡散ギャップ空間29内に導入す
る各ガス透過孔28A,28Bが形成され、該各ガス透
過孔28A,28Bは保護層28の周囲から外側電極2
7に向けて排気ガスをガス拡散させるようになってい
る。
れ、各リード線12等を介してヒータパターン19に接
続されるヒータ用電源を示し、該ヒータ用電源30はヒ
ータ部17のヒータパターン19に電圧を印加すること
により、例えば750℃前,後の温度にヒータ部17を
発熱させる。
流電源を示し、該直流電源31はバイアス電圧Vp を有
し、そのプラス側は外側電極27にリード線11を介し
て接続されると共に、基準電源32のマイナス側に接続
され、直流電源31のマイナス側はアースされている。
また、基準電源32は基準電圧VE を有し、そのプラス
側は抵抗値rの抵抗33を介して差動増幅器34の非反
転入力端子に接続され、該差動増幅器34の反転入力端
子にはリード線11等を介して内側電極26が接続され
ている。そして、差動増幅器34の出力側端子35と非
反転入力端子、反転入力端子との間にはそれぞれ抵抗値
Rの抵抗36A,36Bが並列接続され、これらの差動
増幅器34および抵抗36A,36B等は空燃比の検出
回路を構成している。
間には後述する化1および化2の反応式により、大気室
24とガス拡散ギャップ空間29との間の酸素濃度差
(酸素分圧差)に基づいて起電力が発生し、この起電力
を一定とするように拡散限界電流Ip が流されるから、
差動増幅器34の出力側端子35には、
ように発生し、このときに内側電極26と外側電極27
との間には、
構成を有するもので、次に空燃比検出素子16の製造方
法について図4ないし図7を参照して説明する。
4に示すように、コア成型工程でアルミナ等のセラミッ
ク材料からヒータコア18を、例えば外形寸法3.8m
m、長さ寸法57mm程度の円柱状ロッドとして射出成型
し、このときに該ヒータコア18には基端側端面に開口
し軸方向に延びる軸穴部18Aと径方向の貫通孔18B
とを一体形成する。この場合、軸穴部18Aはヒータコ
ア18の熱容量を小さくするために1mm前,後の穴径を
もって形成し、貫通孔18Bは0.5mm前,後の穴径を
もって形成するのがよい。そして、射出成型手段を用い
ることにより、ヒータコア18に軸穴部18Aおよび貫
通孔18Bを容易に一体形成することが可能となる。
の支持軸をヒータコア18の両端側に軸穴部18A等を
介して係合させ、ヒータコア18を回転させつつ、例え
ば白金またはタングステン等の発熱性導体材料からなる
ヒータパターン19をヒータコア18の外周面に曲面印
刷する。そして、貫通孔18Bの前,後でヒータコア1
8の軸方向に延びるようにヒータパターン19をヒータ
コア18の外周面に均一の膜厚で形成し、ヒータパター
ン19の各リード部19Aをヒータコア18の基端側に
向けて伸長するように一体形成する。
パターン19を径方向外側から覆うようにして、例えば
アルミナ等のセラミックグリーンシートをヒータコア1
8の外周側に積層化し、例えば0.2〜0.5mm前,後
の膜厚をもってヒータ被覆層20を形成する。この場
合、ヒータコア18の貫通孔18Bに連通するヒータ被
覆層20の貫通孔20A,20Aを形成するため、前記
セラミックグリーンシートにドリルまたはポンチ等で穿
孔を行った後に、例えばカーボン,ポリアミド,ポリエ
ーテルスルホンおよびフェノール樹脂等からなる有機膜
37,37を、前記穿孔部位(または貫通孔18B)に
径方向から予め圧入嵌合しておく。
ずヒータ被覆層20の先端側外周面に、例えばカーボ
ン,ポリアミド,ポリエーテルスルホンおよびフェノー
ル樹脂等からなる有機膜38を曲面印刷する。そして、
有機膜38の前,後には絶縁層22,23をアルミナ等
のセラミック材料を曲面印刷することにより形成し、該
絶縁層22,23および有機膜38の膜厚を大気室24
の厚さT1 に対応させ、後述の焼成工程で該有機膜38
を焼きとばして消散させることにより、絶縁層22,2
3間に大気室24を形成するようにする。
は、前,後の絶縁層22,23に亘って有機膜38の外
周面に白金等からなる導電性ペーストを曲面印刷するこ
とにより内側電極26を形成し、そのリード部26Aを
ヒータ被覆層20の基端側まで伸長させるようにする。
そして、該内側電極26の外側から絶縁層22,23の
外周面に、例えばジルコニアとイットリアからなるペー
スト状物を塗布するように曲面印刷して酸素イオン伝導
性の固体電解質層25を形成し、その後に該固体電解質
層25の外周面に白金等からなる導電性ペーストを曲面
印刷することにより外側電極27を形成する。この場
合、該外側電極27のリード部27Aをヒータ被覆層2
0の基端側まで伸長するように形成し、該リード部27
Aを内側電極26のリード部26Aに対し絶縁層23、
ヒータ被覆層20の径方向で対向させるようにする。
ず外側電極27を外側から覆うように固体電解質層25
の外周面に前記有機膜38と同様の有機膜39を曲面印
刷することにより形成し、その後に該有機膜39および
絶縁層23の外周側に、例えばアルミナ等からなるペー
スト状物を曲面印刷することにより保護層28を形成す
る。この場合、有機膜39の先端側には周方向に所定間
隔をもって離間し略コ字形状に突出する軸方向の突出部
39A,39A,…を一体形成しておき、該各突出部3
9A間の切欠き部39Bを保護層28で埋めるようにす
る。そして、後述する焼成工程で有機膜39を焼きとば
して消散させることにより、固体電解質層25と保護層
28との間にガス拡散ギャップ空間29を形成すると共
に、各突出部39Aの部位で軸方向の各ガス透過孔28
Aを形成するようにする。また、保護層28には径方向
に各ガス透過孔28Bを形成し、該各ガス透過孔28
A,28Bによってガス拡散ギャップ空間29内を保護
層28の外部と連通させるようにする。
成したヒータコア18、ヒータパターン19、ヒータ被
覆層20、絶縁層22,23、固体電解質層25、内側
電極26、外側電極27および保護層28等を、例えば
1400〜1500℃前,後高温度下で2時間程度焼成
することによってこれらを一体的に焼結させ、このとき
に前記有機膜37,38,39を焼きとばして消散させ
ることにより、ヒータ被覆層20の貫通孔20A、大気
室24およびガス拡散ギャップ空間29等を形成する。
子16を製造した後、該空燃比検出素子16を空燃比セ
ンサのケーシング1内に図1に示す如く収納し、各リー
ド部19A,26A,27Aをそれぞれ各コンタクトプ
レート13,14にばね性をもって当接させ、これらを
電気的に接続することによって当該空燃比センサを完成
させる。
Fの検出動作について説明する。まず、当該空燃比セン
サのケーシング1はホルダ2のおねじ部2Aを介して車
両の排気管等に螺着され、空燃比検出素子16の先端側
を排気管内へと突出させた状態で固定される。そして、
エンジンの作動により排気管内を流れる排気ガスが空燃
比検出素子16の周囲にプロテクタ15を介して導入さ
れると、この排気ガスの一部がガス透過孔28A,28
Bを介してガス拡散ギャップ空間29内に流入する。
ヒータパターン19に給電を行ってヒータ部17により
空燃比検出素子16全体を加熱すると共に、直流電源3
1および基準電源32から内側電極26と外側電極27
との間に前記数2の式による電圧Eを印加し、内側電極
26と外側電極27との間には後述する化1および化2
の式により、大気室24とガス拡散ギャップ空間29と
の間の酸素濃度差に基づいた拡散限界電流Ip を内側電
極26と外側電極27との間に生じさせる。
は、内側電極26側で、大気室24内の酸素に電子が付
与されて酸素イオンが発生し、
そして、このときに外側電極27側では、酸素イオンが
酸素と電子とに分解して、
は、外側電極27側でガス拡散ギャップ空間29内の酸
素に電子が付与されて前記化1の反応式による酸素イオ
ンが発生し、内側電極26側では前記化2の反応式によ
り酸素イオンが酸素と電子とに分解されるようになる。
質層25中の酸素欠陥を介して内側電極26と外側電極
27との間で輸送されることにより、該内側電極26と
外側電極27との間には大気室24とガス拡散ギャップ
空間29との間の酸素濃度差(酸素分圧差)に基づいた
起電力が発生する。そこで、この起電力が一定となるよ
うに前記数2の式による電圧Eを差動増幅器34等で調
整し、このときの拡散限界電流Ip に基づき差動増幅器
34の出力側端子35から前記数1の式による出力電圧
Vs を、図8に示すように空燃比A/Fに対応した検出
信号として取出すようにしている。
ーン状態となって、空燃比A/Fが14.7よりも大き
くなる場合には、排気ガス中の酸素濃度が比較的高く、
ガス拡散ギャップ空間29と大気室24との酸素濃度差
が小さいから、拡散限界電流Ip がプラスの値となり、
出力電圧Vs は図8に示すようにバイアス電圧Vp と基
準電圧VE とを合計した電圧値(Vp +VE )よりも高
い電圧値となる。また、排気ガスが燃料過多のいわゆる
リッチ状態で、空燃比A/Fが14.7よりも小さくな
る場合には、排気ガス中の酸素濃度が極めて低く、ガス
拡散ギャップ空間29と大気室24との酸素濃度差が大
きいから、拡散限界電流Ip がマイナスの値となって出
力電圧Vs は電圧値(Vp +VE )よりも低い電圧値と
なる。
Aおよび貫通孔18Bを有した小径のロッド状をなすヒ
ータコア18の外周面にヒータパターン19を形成し、
該ヒータパターン19を外側から覆うように前記ヒータ
コア18の外周側に絶縁性のヒータ被覆層20を設ける
ことによってヒータ部17を細長いロッド状に形成する
と共に、該ヒータ部17の外周側に固体電解質層25お
よび保護層28等を曲面印刷等の手段を用いて一体形成
する構成としたから、全体が円形のロッド状をなす空燃
比検出素子16を製造することができ、当該空燃比セン
サをエンジンの排気管等に実装したときに、取付時の方
向によってガス拡散ギャップ空間29内に各ガス透過孔
28A,28Bを介して導入されるガス量が大きく変化
するのを防止でき、取付時の指向性をなくすことができ
る。
ら固体電解質層25および保護層28等で覆うことによ
り、ヒータ部17が直接外気と接触するのを抑えて外気
温による影響を効果的に低減することができ、ヒータ部
17の伝熱面積を大きくとって該ヒータ部17からの熱
を固体電解質層25等に早期に伝熱できると共に、ヒー
タコア18の軸穴部18A等によりヒータ部17全体の
熱容量を小さくでき、該ヒータ部17の昇温時間を確実
に短くできる。
電解質層25の内周面との間に大気室24を形成するこ
とにより、該大気室24内にヒータ部17の大気導入路
21を介して基準となる大気を導入でき、内側電極26
と外側電極27との間に前記電圧Eを印加することによ
って、固体電解質層25の内,外周面間で前記化1およ
び化2の反応式に基づき酸素イオンを輸送させる所望の
電気化学反応を確実に生じさせることができる。
子16を短時間で活性化でき、エンジンの始動時に空燃
比A/Fを早期に検出することが可能になると共に、当
該空燃比センサの取付自由度を大きくすることができ、
さらにヒータ部17の消費電力を確実に低減できる。ま
た、空燃比検出素子16の製造時には、ヒータコア18
の外周側に順次ヒータパターン19、絶縁層22,2
3、固体電解質層25および保護層28等を曲面印刷す
ることにより形成でき、製造時の作業性を大幅に向上で
きる等、種々の効果を奏する。
射出成形により形成するものとして述べたが、これに替
えて、ヒータコア18を押出し成形等の手段を用いて形
成するようにしてもよい。また、軸穴部18Aの穴径を
1mm以上に大きくすれば、ヒータコア18の熱容量をさ
らに減少でき、ヒータパターン19に通電を行って空燃
比検出素子16を所要温度まで発熱させるときの昇温時
間を効果的に短くできる。
工程でセラミックグリーンシートを用いてヒータ被覆層
20を形成するものとして述べたが、これに替えて、例
えばアルミナ等のセラミック材料をヒータコア18の外
周側に厚膜印刷し100μm前,後の膜厚を有するヒー
タ被覆層20を形成するようにしてもよい。この場合、
ヒータコア18の貫通孔18Bに連通するヒータ被覆層
20の貫通孔20A,20Aを形成するため、例えばカ
ーボン,ポリアミド,ポリエーテルスルホンおよびフェ
ノール樹脂等からなる有機膜37,37を、ヒータコア
18の貫通孔18Bに径方向から予め圧入嵌合してお
き、ヒータコア18を回転させつつ、ヒータコア18の
外周側にアルミナ等のセラミック材料を2回程度曲面印
刷してヒータ被覆層20を形成するのがよい。
比検出素子のヒータ部を細長いロッド状に形成し、該ヒ
ータ部の外周側には酸素イオン伝導性の固体電解質層を
内,外の電極と共に一体形成し、これらを一体的に保護
層により覆うと共に、前記固体電解質層と保護層との間
には、外側電極の周囲に位置して環状のガス拡散ギャッ
プ空間を形成し、前記保護層には、該保護層の周囲から
前記ガス拡散ギャップ空間に排気ガスを導入するガス透
過孔を形成する構成としたから、当該空燃比検出素子を
円形のロッド状に形成でき、空燃比センサとして排気管
等に取り付ける場合に、取付方向によって検出精度にバ
ラツキが生じるのを効果的に防止でき、これによってエ
ンジン等の空燃比を安定して検出できる。そして、ヒー
タ部の外周側に固体電解質層および保護層を一体形成す
ることにより、ヒータによる昇温時間を確実に短くで
き、エンジンの始動時でも早期に空燃比を検出できる。
また、固体電解質層と保護層との間のガス拡散ギャップ
空間には、該保護層の周囲からガス透過孔を介して排気
ガスを導入することができ、外側電極と内側電極との間
に酸素濃度差に基づいた拡散限界電流を生じさせること
ができる。
面に開口し軸方向に伸長する軸穴部を有した小径のロッ
ド状をなすヒータコアの外周面にヒータパターンを形成
し、該ヒータパターンを外側から覆うヒータ被覆層の外
周面と固体電解質層の内周面との間に大気室を形成する
ことにより、該大気室内に前記ヒータコアの軸穴部を介
して大気を導入でき、内側電極と外側電極との間に外部
から電圧を印加することによって、内側の大気室と外側
のガス拡散ギャップ空間との間の酸素濃度差に基づいて
拡散限界電流を生じさせ、固体電解質層の内,外周面間
で酸素イオンを輸送させる所望の電気化学反応を確実に
生じさせることができると共に、製造時の作業性を大幅
に向上できる等、種々の効果を奏する。
アルミナの粉体中にジルコニアの粉体を混合して調整し
たペースト状物を、外側電極の外側から固体電解質層の
周囲に印刷することにより、固体電解質層の外周側に曲
面印刷等の手段を用いて保護層を形成でき、製造時の作
業性を向上することができる。
れた空燃比センサを示す縦断面図である。
拡大断面図である。
大断面図である。
る。
た状態を示す縦断面図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 細長いロッド状に形成されたヒータ部
と、該ヒータ部の外周側に形成された酸素イオン伝導性
の固体電解質層と、該固体電解質層の内,外周面に形成
され、外部から電圧を印加することにより該固体電解質
層の内,外周面間で酸素イオンを輸送させる内側電極お
よび外側電極と、該外側電極を外側から覆うように前記
固体電解質層の外周側に形成され、該固体電解質層およ
び外側電極を保護する保護層とからなる空燃比検出素子
において、 前記固体電解質層と保護層との間には、前記外側電極の
周囲に位置して環状のガス拡散ギャップ空間を形成し、 前記保護層には、該保護層の周囲から前記ガス拡散ギャ
ップ空間に排気ガスを導入す るガス透過孔を形成したこ
とを特徴とする空燃比検出素子。 - 【請求項2】 前記ヒータ部は、セラミックス材料によ
り小径のロッド状に形成され、基端側端面に開口し軸方
向に伸長する軸穴部を有したヒータコアと、該ヒータコ
アの先端側に位置して該ヒータコアの外周面に形成され
たヒータパターンと、該ヒータパターンを外側から覆う
ように前記ヒータコアの外周側に設けられた絶縁性のヒ
ータ被覆層とにより構成し、該ヒータ被覆層の外周面と
前記固体電解質層の内周面との間には、前記ヒータコア
の軸穴部を介して大気に連通する環状の大気室を形成し
てなる請求項1に記載の空燃比検出素子。 - 【請求項3】 前記保護層は、アルミナの粉体中にジル
コニアの粉体を混合して調整したペースト状物を、前記
外側電極の外側から前記固体電解質層の周囲に印刷する
ことにより形成してなる請求項1または2に記載の空燃
比検出素子。
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JP19513393A Expired - Fee Related JP3366386B2 (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 空燃比検出素子 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104345081A (zh) * | 2013-08-09 | 2015-02-11 | 日本特殊陶业株式会社 | 传感器元件和传感器 |
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-
1993
- 1993-07-12 JP JP19513393A patent/JP3366386B2/ja not_active Expired - Fee Related
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