JPH11140181A - ポリアミド酸微粒子及びポリイミド微粒子ならびにそれらの製造方法 - Google Patents
ポリアミド酸微粒子及びポリイミド微粒子ならびにそれらの製造方法Info
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- JPH11140181A JPH11140181A JP25951098A JP25951098A JPH11140181A JP H11140181 A JPH11140181 A JP H11140181A JP 25951098 A JP25951098 A JP 25951098A JP 25951098 A JP25951098 A JP 25951098A JP H11140181 A JPH11140181 A JP H11140181A
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Abstract
微粒子の製造方法を提供する。また、単分散性に優れた
ポリアミド酸微粒子及びポリイミド微粒子を提供する。 【解決手段】無水テトラカルボン酸とジアミン化合物か
らポリイミドを合成する方法において、(a)無水テトラ
カルボン酸を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第
二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)第一溶液と
第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子
を析出させる第二工程、及び(c)得られたポリアミド酸
微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を
得る第三工程を含むことを特徴とするポリイミド微粒子
の製造方法。
Description
酸微粒子及びポリイミド微粒子ならびにそれらの製造方
法に関する。
性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れ、電気・電子材料、
自動車、その他金属・セラミックスの代替材料として幅
広く利用されている。
は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとをN,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒中で反応さ
せ、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のワニスを
調製し、このワニスからポリイミド微粒子を沈殿製造法
により製造する。
するに従って沈殿生成したポリイミド微粒子が合一化又
は凝集を起こすため、単分散の微細なポリイミド微粒子
が得られないという問題がある。
アミンとを有機溶媒中で加熱重合させてポリアミド酸の
溶液を調製し、この溶液をポリマー不溶溶媒中に入れ、
生成した沈殿を回収した後、これを加熱閉環してイミド
化する方法がある。
ドの微粒子を得ようとする場合には、イミド化した後に
回収された塊状物を機械的方法により粉砕しなければな
らず、工程が煩雑になる。また、機械的粉砕による微粒
子化では、得られる粉末は粒径が大きく、また独立した
単分散の微粒子粉末を調製することも困難である。しか
も、上記方法では、所望の粒子形状、粒度分布等に制御
することも困難である。このため、単分散性等に優れた
ポリイミドの微粒子を製造する方法の開発が切望されて
いる。
を制御できるポリアミド酸微粒子及びポリイミド微粒子
の製造方法を提供することを主な目的とする。さらに、
本発明は、単分散性に優れたポリアミド酸微粒子及びポ
リイミド微粒子を提供することをも目的とする。
問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を含
む方法によって、上記目的を達成できることを見出し、
ついに本発明を完成するに至った。
酸とジアミン化合物からポリアミド酸を合成する方法に
おいて、(a)無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、
ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第
一工程、及び(b)第一溶液と第二溶液とを混合し、混合
溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、を
含むことを特徴とするポリアミド酸微粒子の製造方法に
係るものである(第1発明)。
ジアミン化合物からポリイミドを合成する方法におい
て、(a)無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、ジア
ミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工
程、(b)第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液から
ポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、及び(c)得
られたポリアミド酸微粒子をイミド化することによって
ポリイミド微粒子を得る第三工程を含むことを特徴とす
るポリイミド微粒子の製造方法に係るものである(第2
発明)。
子の製造方法において得られるポリアミド酸微粒子であ
って、平均粒径が0.03〜0.7μmであるポリアミ
ド酸微粒子(第3発明)、及び上記ポリイミド微粒子の
製造方法において得られるポリイミド微粒子であって、
平均粒径が0.03〜0.7μmであるポリイミド微粒
子(第4発明)に係るものである。
の第一工程及び第二工程は、第1発明の第一工程及び第
二工程と同じである。以下、各工程ごとに説明する。
を原料として用い、ポリアミド酸微粒子を調製する。ま
ず第一工程として、無水テトラカルボン酸を含む第一溶
液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製
する。すなわち、本発明では、無水テトラカルボン酸と
ジアミン化合物は、それぞれ別個の溶液として調製して
おくことを必須とする。
れず、例えば従来のポリイミド合成で用いられているも
のと同様のものも使用できる。例えば、3,3',4,
4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BT
DA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3−ビ
ス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水
物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)
ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',
6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、
アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無
水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカル
ボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物;ブ
タン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の
脂肪族テトラカルボン酸無水物;シクロブタン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テト
ラカルボン酸無水物;チオフェン−2,3,4,5−テ
トラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テ
トラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸無
水物等を使用することができる。これらは、1種又は2
種以上を用いることができる。本発明では、特にBTD
A、ピロメリット酸二無水物等が好ましい。
の一部を酸クロライドで置換したものを使用することが
できる。酸クロライドで置換すれば、条件によって反応
速度を大きくしたり、得られる粒子の粒径をより微細化
できる等の効果が得られる。酸クロライドとしては、例
えばジエチルピロメリテイトジアシルクロライド等を用
いることができる。
トラカルボン酸が溶解し、かつ、生成するポリアミド酸
が溶解しないものであれば特に制限されない。例えば、
2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレ
ン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケト
ン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エ
チル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、トルエン、キシレン等が挙げられ、これ
らの少なくとも1種を含む溶媒を使用することができ
る。また、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン極
性溶媒のようなポリアミド酸が溶解する溶媒であって
も、アセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレ
ン等のポリアミド酸の貧溶媒と混合してポリアミド酸が
沈殿するように調整すれば、これらも使用することが可
能である。
濃度は、用いる無水テトラカルボン酸の種類、第二溶液
の濃度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.0
01〜0.20モル/リットル程度、好ましくは0.0
1〜0.10モル/リットルとする。
例えば従来のポリイミド合成で用いられているものと同
様のものも使用できる。例えば、4,4'−ジアミノジ
フェニルメタン(DDM)、4,4'−ジアミノジフェ
ニルエーテル(DPE)、4,4'−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4'−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、
1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(T
PE−R)、o−フェニレンジアミン、m−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニル
スルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、
3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−メ
チレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3'−ジメ
チル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、2,6'−ジアミノトルエ
ン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミ
ノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、
3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノ
ベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、
4,4'−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2'−ジ
アミノ−1,1'−ビナフタレン、S(+)−2,2'−
ジアミノ−1,1'−ビナフタレン等の芳香族ジアミ
ン;1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタ
ン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデ
カン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、4,4'−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4
−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン
等を使用することができる。これらは、1種又は2種以
上を用いることができる。本発明では、特にDPE、T
PE−R等が好ましい。
に、他のアミン系化合物(モノアミン化合物、多価アミ
ン化合物等)も用いることができる。これらにより、得
られるポリアミド酸あるいはポリイミドの特性を変える
ことができる。
ン化合物が溶解し、かつ、生成するポリアミド酸が溶解
しないものであれば特に制限されない。例えば、2−プ
ロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピ
クロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、ア
セトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等が挙げられ、これらの少なくとも1種を含む溶媒
を使用できる。また、例えばDMF、DMAc、NMP
等の非プロトン極性溶媒のようなポリアミド酸を溶解す
るものであっても、アセトン、酢酸エチル、MEK、ト
ルエン、キシレン等のポリアミド酸の貧溶媒と混合して
ポリアミド酸が沈殿するように調整すれば、これらも使
用することが可能である。
は、用いるジアミン化合物の種類、第一溶液の濃度等に
応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.001〜0.
20モル/リットル程度、好ましくは0.01〜0.1
0モル/リットルとする。
液からポリアミド酸微粒子を析出させる。第一溶液と第
二溶液との混合比率は、無水テトラカルボン酸・ジアミ
ン化合物の種類、各溶液の濃度等によって適宜変更でき
るが、通常は無水テトラカルボン酸:ジアミン化合物=
1:0.5〜1.5程度(モル比)、好ましくは1:
0.9〜1.1となるように混合すれば良い。
ド酸を析出させることが好ましい。撹拌方法としては、
公知の撹拌方法(撹拌装置)によって実施することがで
きる。本発明では、特に超音波によって撹拌することが
より好ましい。超音波による撹拌によって、通常の撹拌
法に比べて平均粒径で約50%程度の微細化も可能とな
る。超音波による撹拌は、公知の超音波装置(例えば超
音波洗浄器)及び操作条件をそのまま採用できる。超音
波の周波数は、所望の粒径等に応じて適宜設定すれば良
く、通常は28〜100kHz程度、好ましくは28〜
45kHzとすれば良い。
ず、通常0〜130℃程度、好ましくは20〜40℃と
すれば良い。なお、撹拌時間は、ポリアミド酸の析出が
実質的に完了するまで行えば良く、通常は30秒〜30
分程度であるが、かかる範囲外となっても差し支えな
い。
子は、遠心分離法等の公知の方法に従って固液分離して
回収すれば良い。第二工程で得られるポリアミド酸微粒
子(粉末)は、球状として生成される場合は、一般に
は、平均粒径0.03〜0.7μm(好ましくは0.0
3〜0.55μm)であって、標準偏差0.02〜0.
07(好ましくは0.02〜0.055)、変動係数3
〜15%(好ましくは3〜9%)の範囲にある単分散状
のものである。なお、不定形状である場合は、一片の大
きさ(平均)が通常0.5〜1.0μm程度である。
ド化することによってポリイミド微粒子を得る。イミド
化する方法は、ポリアミド酸微粒子からそのままポリイ
ミド微粒子が得られる限りは特に制限されないが、本発
明では特に(i)有機溶媒中で加熱してイミド化する方法
(熱閉環)、又は(ii)有機溶媒中における化学反応によ
りイミド化する方法(化学閉環)を採用することが望ま
しい。
ド酸微粒子を有機溶媒中に分散させ、通常130℃以
上、好ましくは130〜250℃程度の温度で加熱すれ
ば良い。有機溶媒としては、ポリアミド酸の貧溶媒であ
り、かつ、イミド化反応に必要な温度以上の沸点を有す
るものであれば制限されない。特に、本発明では、上記
有機溶媒中に水と共沸混合物を構成し得る溶媒(以下
「共沸溶媒」ともいう)を含むことが好ましい。すなわ
ち、本発明では、共沸溶媒を上記有機溶媒の一部又は全
部として用いることが好ましい。共沸溶媒としては、例
えばキシレン、エチルベンゼン、オクタン、シクロヘキ
サン、ジフェニルエーテル、ノナン、ピリジン、ドデカ
ン等を用いることができる。これらは1種又は2種以上
を用いることができる。本発明では、共沸溶媒は上記有
機溶媒中10容積%以上含むことが好ましい。共沸溶媒
を使用することによって、特に副生する水(主に縮合
水)を共沸させ、これを還流等により反応系外へ除去で
きることから、未反応のアミド結合の加水分解を抑制
し、粒子の形態の変化、分子量の低下等を防止できる結
果、単分散性に優れたポリイミド微粒子がより確実に得
られる。
子の割合は、有機溶媒の種類等に応じて適宜設定すれば
良いが、通常は1〜50g/リットル程度、好ましくは
5〜10g/リットルとすれば良い。
学閉環方法を適用することができる。例えば、ポリアミ
ド酸微粒子をピリジン及び無水酢酸からなる有機溶媒中
に分散させ、撹拌しながら通常15〜115℃程度の温
度で24時間程度加熱すれば良い。両溶媒の配合割合は
適宜設定すれば良い。
公知の方法により回収し、必要に応じて石油エーテル、
メタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すれば良い。
子(粉末)は、球状として生成される場合は、一般に
は、平均粒径0.03〜0.7μm(好ましくは0.0
3〜0.55μm)であって、標準偏差0.02〜0.
07(0.02〜0.055)、変動係数3〜15%
(3〜12%)の範囲にある単分散状のものである。な
お、不定形状である場合は、一片の大きさ(平均)が通
常0.1〜1.0μm程度である。ポリイミド微粒子の
粒子形状は、通常はポリアミド酸微粒子の形状に由来
し、球状、不定形等の所望の形態をとることができる。
て、無水テトラカルボン酸とジアミン化合物との組み合
わせにより、ガラス転移温度(Tg)及び融解温度(T
m)を示さないポリイミド微粒子を製造することができ
る。すなわち、本発明では、直鎖型非熱可塑性ポリイミ
ド微粒子も製造できる。また、第1発明の製造方法にお
いても、上記組み合わせを採用すれば、最終的に直鎖型
非熱可塑性ポリイミド微粒子を与えることができるポリ
アミド酸微粒子が得られる。上記組み合わせ以外の条件
は、第1発明又は第2発明と同様にすれば良い。
ミド(微粒子)がガラス転移温度(Tg)及び融解温度
(Tm)を示さないような組み合わせであれば特に制限
されない。また、Tg及びTmを示さないような組み合
わせである限りは、2種又はそれ以上の組み合わせであ
っても良い。無水テトラカルボン酸とジアミン化合物と
の配合比率は前記と同様の範囲内とすれば良い。
1)p−フェニレンジアミンとピロメリット酸二無水物
との組み合わせ、(2)p−フェニレンジアミンと3,
3',BTDAとの組み合わせ、(3)o−フェニレン
ジアミンとピロメリット酸二無水物との組み合わせ、
(4)4,4'−ジアミノジフェニルサルファイドとピ
ロメリット酸二無水物との組み合わせ、(5)p−フェ
ニレンジアミンと3,3',4,4'−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物との組み合わせ、(6)p−フェニ
レンジアミン及びo−フェニレンジアミンとピロメリッ
ト酸二無水物との組み合わせ、(7)p−フェニレンジ
アミン及びo−フェニレンジアミンと3,3',4,4'
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物との組み合わ
せ、(8)p−フェニレンジアミン及び4,4'−ジア
ミノジフェニルサルファイドとピロメリット酸二無水物
との組み合わせ、(9)p−フェニレンジアミン及び
4,4'−ジアミノジフェニルサルファイドと3,3',
4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物との組
み合わせ、(10)p−フェニレンジアミン、o−フェ
ニレンジアミン及び4,4'−ジアミノジフェニルサル
ファイドとピロメリット酸二無水物との組み合わせ、
(11)p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジア
ミン及び4,4'−ジアミノジフェニルサルファイドと
3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物との組み合わせ、(12)p−フェニレンジアミンと
ピロメリット酸二無水物及び3,3',4,4'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物との組み合わせ、(1
3)o−フェニレンジアミンとピロメリット酸二無水物
及び3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物との組み合わせ、 (14)4,4'−ジア
ミノジフェニルサルファイドと3,3',4,4'−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二
無水物との組み合わせ、(15)4,4'−ジアミノジ
フェニルサルファイド及びp−フェニレンジアミンとピ
ロメリット酸二無水物及び3,3',4,4'−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物との組み合わせ等が挙げら
れる。
性ポリイミド微粒子(粉末)は、球状として生成される
場合は、一般には、平均粒径0.03〜0.7μm(好
ましくは0.03〜0.55μm)であって、標準偏差
0.02〜0.07(0.02〜0.055)、変動係
数3〜15%(3〜12%)の範囲にある単分散状のも
のである。なお、不定形状である場合は、一片の大きさ
(平均)が通常0.1〜1.0μm程度である。ポリイ
ミド微粒子の粒子形状は、通常はポリアミド酸微粒子の
形状に由来し、球状、不定形等の所望の形態をとること
ができる。
によりポリアミド酸微粒子を経てポリイミドを合成する
ので、平均粒径1μm以下(通常0.7μm以下、特に
0.55μm以下)という微細で且つ粒径の均一な単分
散状のポリイミド微粒子を比較的容易に得ることができ
る。また、本発明の方法では、その条件を適宜変更する
ことによって所望の粒径、粒子形状、粒度分布等に制御
することも比較的容易である。
子は、耐熱性、電気絶縁性等のポリイミド樹脂本来の特
性をそのまま維持していることから、従来のポリイミド
樹脂の用途はもとより、特に電気絶縁部品のコーティン
グ材、成形用充填材のほか、液晶用スペーサー等の電気
・電子材料、さらに複合材料等の用途に幅広く応用する
ことができる。
熱可塑性ポリイミド微粒子のみならず、直鎖型非熱可塑
性ポリイミド微粒子も製造することができる。直鎖型非
熱可塑性ポリイミド微粒子は、Tg及びTmを示さず、
不溶・不融であるため、耐熱性、堅牢性等の物理的特性
において特に優れた効果を発揮することができる。その
他の点においては、基本的に前記ポリアミド酸微粒子及
びポリイミド微粒子の場合と同様の性状を有する。
層明確にする。なお、実施例における超音波撹拌は超音
波洗浄器「ULTRASONIC CLEANER CA-2481 II」(海上電
機株式会社製)を用いた。また、本発明における各物性
は次のようにしてそれぞれ測定した。
温度(Td)については、示差走査熱量測定法(DS
C)により求めた。測定条件は、昇温速度20℃/mi
n、窒素50ml/minとした。
のSEM写真から任意の100個の微粒子を選び出し、
これらの粒径の平均を下式(1)に従って求めた。
(3)に従い標準偏差(S)、さらには数式(4)に従
って変動係数(C)も求めた。変動係数が小さいほど粒
径のバラツキが少ないことを示す。平均粒径及び変動係
数については、以下においても同様にして測定した値を
示す。
トンに溶解させた50ml溶液(BTDA/アセトン=
0.002mol/50ml溶液という。以下同
じ。)、第二溶液としてDPE/アセトン=0.002
mol/50ml溶液をそれぞれ調製した。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていること
を確認した。そのSEM写真を図1(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.499μ
m、標準偏差0.0295、変動係数5.912%であ
った。
mlキシレン中に分散させた後、140℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドをSEMで観察し、ポリイミド微粒子も単分散状の均
一な球状粒子から構成されていることを確認した。その
SEM写真を図1(b)に示す。このポリイミド微粒子
の平均粒径0.506μm、標準偏差0.0268、変
動係数5.285%であった。ガラス転移温度(Tg)
及び熱分解温度(Td(5wt%loss))はそれぞ
れ329℃及び532℃であった。
mol/50ml溶液、第二溶液としてBAPB/アセ
トン=0.002mol/50ml溶液をそれぞれ調製
した。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が不定形状の粒子から構成されていることを確認し
た。そのSEM写真を図2(a)に示す。不定形状粒子
の一片の大きさは0.5μm以下であった。
mlキシレン中に分散させた後、140℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドをSEMで観察し、ポリイミド微粒子が不定形状であ
り、一片の大きさは0.5μm以下であることを確認し
た。そのSEM写真を図2(b)に示す。Tg及びTd
はそれぞれ286℃及び484℃であった。
ol/50ml溶液、第二溶液としてTPE−Q/アセ
トン=0.02mol/50ml溶液をそれぞれ調製し
た。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていること
を確認した。そのSEM写真を図3(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.46μm、
標準偏差0.032、変動係数7.2%であった。
mlキシレン中に分散させた後、140℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドをSEMで観察し、ポリイミド微粒子も単分散状の均
一な球状粒子から構成されていることを確認した。その
SEM写真を図3(b)に示す。このポリイミド微粒子
の平均粒径0.46μm、標準偏差0.041、変動係
数8.9%であった。Tg及びTdはそれぞれ291℃
及び531℃であった。
ol/50ml溶液、第二溶液としてTPE−R/アセ
トン=0.02mol/50ml溶液をそれぞれ調製し
た。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていること
を確認した。そのSEM写真を図4(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.62μm、
標準偏差0.041、変動係数8.9%であった。
mlキシレン中に分散させた後、140℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドをSEMで観察し、ポリイミド微粒子も単分散状の均
一な球状粒子から構成されていることを確認した。その
SEM写真を図4(b)に示す。このポリイミド微粒子
の平均粒径0.60μm、標準偏差0.054、変動係
数11.7%であった。Tg及びTdはそれぞれ247
℃及び545℃であった。
た。
クスターラーによる低速撹拌(10rpm)とした以外
は、実施例1と同様にしてポリアミド酸微粒子を調製
し、さらに実施例1と同様にしてイミド化してポリイミ
ド微粒子を得た。
リイミド微粒子を実施例1のものとそれぞれ比較した。
その結果を表1(低速撹拌)及び表2(超音波)にそれ
ぞれ示す。
音波による撹拌の方が粒径(平均値)が小さく揃ってい
ることからも、より単分散性に優れたポリイミド微粒子
が得られることがわかる。
ン=0.002mol/50ml溶液、第二溶液として
p−フェニレンジアミン/アセトン=0.002mol
/50ml溶液をそれぞれ調製した。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていること
を確認した。そのSEM写真を図5(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径は58nmであ
った。
mlキシレン中に分散させた後、135℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドは、Td=600℃であり、Tg及びTmは示さなか
った。また、このポリイミドをSEMで観察した。SE
M写真を図5(b)に示す。このポリイミド微粒子の平
均粒径は58nmであった。これらの結果より、単分散
状の均一な球状粒子から構成されている直鎖型非熱可塑
性ポリイミド微粒子が得られることがわかる。
チル=0.002mol/50ml溶液、第二溶液とし
てp−フェニレンジアミン/酢酸メチル=0.002m
ol/50ml溶液をそれぞれ調製した。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていること
を確認した。そのSEM写真を図6(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径は35.5nm
であった。
mlキシレン中に分散させた後、135℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドは、Td=607℃であり、Tg及びTmは示さなか
った。また、このポリイミドをSEMで観察した。その
SEM写真を図6(b)に示す。このポリイミド微粒子
の平均粒径は35.5nmであった。これらの結果よ
り、単分散状の均一な球状粒子から構成されている直鎖
型非熱可塑性ポリイミド微粒子が得られることがわか
る。
mol/50ml溶液、第二溶液としてp−フェニレン
ジアミン/アセトン=0.002mol/50ml溶液
をそれぞれ調製した。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていること
を確認した。そのSEM写真を図7(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子は平均粒径は0.243μ
m、標準偏差0.0199及び変動係数8.18%であ
った。
mlキシレン中に分散させた後、135℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドは、Td=550℃であり、Tg及びTmは示さなか
った。また、このポリイミドをSEMで観察した。その
SEM写真を図6(b)に示す。このポリイミド微粒子
は平均粒径0.242μm、標準偏差0.0146及び
変動係数6.03%であった。これらの結果より、単分
散状の均一な球状粒子から構成されている直鎖型非熱可
塑性ポリイミド微粒子が得られることがわかる。
ン=0.002mol/50ml溶液、第二溶液として
4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド/アセトン
=0.002mol/50ml溶液をそれぞれ調製し
た。
38kHzの超音波で10分間撹拌し、反応させること
により、ポリアミド酸を析出した。得られたポリアミド
酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、ポリアミド
酸が単分散状の均一な球状粒子から構成されていること
を確認した。そのSEM写真を図8(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子は平均粒径0.535μ
m、標準偏差0.0306及び変動係数5.72%であ
った。
mlキシレン中に分散させた後、135℃で約4時間環
流してイミド化を行った。これにより得られたポリイミ
ドは、Td=565℃であり、Tg及びTmは示さなか
った。また、このポリイミドをSEMで観察した。SE
M写真を図8(b)に示す。このポリイミド微粒子は平
均粒径0.549μm、標準偏差0.0324及び変動
係数5.91%であった。これらの結果より、単分散状
の均一な球状粒子から構成されている直鎖型非熱可塑性
ポリイミド微粒子が得られることがわかる。
微粒子の粒子構造を示す図、図1(b)は実施例1で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図2(b)は実施例2で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図3(b)は実施例3で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図4(b)は実施例4で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図5(b)は実施例5で得
られた直鎖型非熱可塑性ポリイミド微粒子の粒子構造を
示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図6(b)は実施例6で得
られた直鎖型非熱可塑性ポリイミド微粒子の粒子構造を
示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図7(b)は実施例7で得
られた直鎖型非熱可塑性ポリイミド微粒子の粒子構造を
示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図8(b)は実施例8で得
られた直鎖型非熱可塑性ポリイミド微粒子の粒子構造を
示す図である。
Claims (16)
- 【請求項1】無水テトラカルボン酸とジアミン化合物か
らポリアミド酸を合成する方法において、(a)無水テト
ラカルボン酸を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む
第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、及び(b)第一
溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸
微粒子を析出させる第二工程、を含むことを特徴とする
ポリアミド酸微粒子の製造方法。 - 【請求項2】無水テトラカルボン酸とジアミン化合物か
らポリイミドを合成する方法において、(a)無水テトラ
カルボン酸を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第
二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)第一溶液と
第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子
を析出させる第二工程、及び(c)得られたポリアミド酸
微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を
得る第三工程を含むことを特徴とするポリイミド微粒子
の製造方法。 - 【請求項3】第二工程を超音波による撹拌下で行う請求
項1記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。 - 【請求項4】第二工程を超音波による撹拌下で行う請求
項2記載のポリイミド微粒子の製造方法。 - 【請求項5】第一溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む請
求項1又は3に記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。 - 【請求項6】第一溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む請
求項2又は4に記載のポリイミド微粒子の製造方法。 - 【請求項7】第二溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む請
求項1、3又は5に記載のポリアミド酸微粒子の製造方
法。 - 【請求項8】第二溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む請
求項2、4又は6に記載のポリイミド微粒子の製造方
法。 - 【請求項9】第三工程において、ポリアミド酸微粒子を
有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う請求項
2、4、6又は8に記載のポリイミド微粒子の製造方
法。 - 【請求項10】第三工程において、ポリアミド酸微粒子
を水と共沸混合物を構成し得る有機溶媒を含む溶媒中で
加熱し、水を共沸により反応系外に除去しながらイミド
化を行う請求項2、4、6又は8に記載のポリイミド微
粒子の製造方法。 - 【請求項11】第三工程において、溶媒中での加熱を1
30〜250℃で行う請求項9又は10に記載のポリイ
ミド微粒子の製造方法。 - 【請求項12】請求項1、3、5又は7記載の製造方法
において、ポリアミド酸微粒子から得られるポリイミド
微粒子がガラス転移温度及び融解温度を示さないような
無水テトラカルボン酸とジアミン化合物との組み合わせ
を用いるポリアミド酸微粒子の製造方法。 - 【請求項13】請求項2、4、6、8、9、10又は1
1に記載の製造方法において、得られるポリイミド微粒
子がガラス転移温度及び融解温度を示さないような無水
テトラカルボン酸とジアミン化合物との組み合わせを用
いるポリイミド微粒子の製造方法。 - 【請求項14】請求項1、3、5又は7に記載の製造方
法において得られるポリアミド酸微粒子であって、平均
粒径が0.03〜0.7μmであるポリアミド酸微粒
子。 - 【請求項15】請求項2、4、6、8、9、10又は1
1に記載の製造方法において得られるポリイミド微粒子
であって、平均粒径が0.03〜0.7μmであるポリ
イミド微粒子。 - 【請求項16】請求項13に記載の製造方法において得
られるポリイミド微粒子であって、平均粒径が0.03
〜0.7μmである直鎖型非熱可塑性ポリイミド微粒
子。
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