JP2006182845A - ポリアミド酸微粒子及びポリイミド微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無水テトラカルボン酸とジアミン化合物からポリイミドを合成する方法において、(a)1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程を含むことを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法に係る。
【選択図】なし
Description
(a)1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
を含むことを特徴とするポリアミド酸微粒子の製造方法。
(a)1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程
を含むことを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法。
(a)1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
を含むことを特徴とする。
(a)1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程
を含むことを特徴とする。
(1)第一工程
第一工程では、1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する。第一溶液は、無水テトラカルボン酸の不溶解分を含む飽和溶液を用いることが好ましい。第二溶液は、ジアミン化合物の不溶解分を含む飽和溶液を用いることが好ましい。ただし、無水テトラカルボン酸とジアミン化合物とは、それぞれ別個の溶液として調製しておくことを必須とする。
第一溶液で用いる無水テトラカルボン酸は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド 合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物;ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸無水物;チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸無水物等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にBTDA、ピロメリット酸二無水物等が好ましい。
第二溶液で用いるジアミン化合物は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド 合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、4,4'−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6'−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2'−ジアミノ−1,1'−ビナフタレン、S(+)−2,2'−ジアミノ−1,1'−ビナフタレン等の芳香族ジアミン;1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にDPE、TPE−R等が好ましい。
第二工程では、攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる。
(3)第三工程
第三工程として、第二工程でポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る。イミド化する方法は、ポリアミド酸微粒子からそのままポリイミド微粒子が得られる限りは特に制限されないが、本発明では特に(i)有機溶媒中で加熱してイミド化する方法(湿式熱閉環)、(ii)有機溶媒中における化学反応によりイミド化する方法(化学閉環)、又は(iii)乾式(無溶媒下)で加熱することによりイミド化する方法(乾式熱閉環)を採用することが望ましい。この中でも、特に上記(iii)による方法がより望ましい。
走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、そのSEM写真から任意の100個の微粒子を選び出し、これらの粒径の平均値を算出した。
SEM写真より選び出した任意の100個より粒径の標準偏差を求め、前記の平均粒径の値を用いて算出した。
まず、第一溶液として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン 酸二無水物0.23mol(74.11g)をアセトン500ml(395. 5g)に溶解させた飽和溶液、第二溶液として4,4’−ジアミノジフェニル エーテル0.23mol(46.05g)をアセトン500ml(395.5 g)に溶解させた飽和溶液をそれぞれ調製した。次いで、25℃で両溶液を2 Lのビーカーに投入して混合した。このとき、原料の不溶解分が沈降・堆積し ないようにフッ素樹脂(PTFE)製の3枚羽根プロペラ型攪拌羽根(直径8 cm)を用い、240rpmの回転数で攪拌しながら周波数35kHzの超音 波を30分間照射して反応させることにより、ポリアミド酸を析出させた。回 収したポリアミド酸微粒子をロータリーエバポレーター中に投入し、1.3K Paの減圧下、180℃で5時間加熱してイミド化を行った。得られたポリイ ミド粒子は、平均粒径410nmであり、変動係数8.4%の単分散状であっ た。
まず、第一溶液として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン 酸二無水物0.4mol(128.88g)をアセトン500ml(395. 5g)に溶解させた飽和溶液、第二溶液として4,4’−ジアミノジフェニル エーテル0.4mol(80.08g)をアセトン500ml(395.5g )に溶解させた飽和溶液をそれぞれ調製した。次いで、25℃で両溶液を2L のビーカーに投入して混合した。このとき、原料の不溶解分が沈降・堆積しな いようにフッ素樹脂(PTFE)製の4枚羽根プロペラ型攪拌羽根(直径10 cm)を用い、回転数180rpmで攪拌しながら周波数35kHzの超音波 を30分間照射して反応させることにより、ポリアミド酸を析出させた。回収 したポリアミド酸微粒子をロータリーエバポレーター中に投入し、1.3KP aの減圧下、180℃で5時間加熱してイミド化を行った。得られたポリイミ ド粒子は、平均粒径452nmであり、変動係数11.2%の単分散状であっ た。
まず、第一溶液としてピロメリット酸二無水物0.3mol(65.43g )をアセトン500ml(395.5g)に溶解させた飽和溶液、第二溶液と して4,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.3mol(60.06g)を アセトン500ml(395.5g)に溶解させた飽和溶液をそれぞれ調製し た。次いで、25℃で両溶液を混合した。このとき、原料の不溶解分が沈降・ 堆積しないようにフッ素樹脂(PTFE)製の4枚羽根プロペラ型攪拌羽根( 直径10cm)を用い、回転数180rpmで攪拌しながら周波数35kHz の超音波を30分間照射して反応させることにより、ポリアミド酸を析出させ た。回収したポリアミド酸微粒子をロータリーエバポレーター中に投入し、1 .3KPaの減圧下、180℃で5時間加熱してイミド化を行った。得られた ポリイミド粒子は、平均粒径392nmであり、変動係数7.8%の単分散状 であった。
第一溶液と第二溶液とを混合する際にフッ素樹脂製攪拌羽根を使用せずに超 音波による攪拌だけでポリアミド酸微粒子を析出させたほかは実施例1と同様 にしてポリイミド粒子を調製した。得られたポリイミド粒子は、平均粒径10 96nmであり、変動係数28.3%の多分散状であった。
第一溶液と第二溶液とを混合する際にフッ素樹脂製攪拌羽根を使用せずに超 音波による攪拌だけでポリアミド酸微粒子を析出させたほかは実施例3と同様 にしてポリイミド粒子を調製した。得られたポリイミド粒子は、平均粒径78 2nmであり、変動係数23.4%の多分散状であった。
Claims (10)
- 無水テトラカルボン酸とジアミン化合物からポリアミド酸を合成する方法において、
(a)1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
を含むことを特徴とするポリアミド酸微粒子の製造方法。 - 無水テトラカルボン酸とジアミン化合物からポリイミドを合成する方法において、
(a)1)無水テトラカルボン酸を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、2)ジアミン化合物を含む溶液であって、その溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)攪拌羽根及び超音波照射による攪拌下において第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程
を含むことを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法。 - 第一溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む、請求項1に記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
- 第一溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む、請求項2に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
- 第二溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む、請求項1に記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
- 第二溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む、請求項2に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
- 第三工程において、ポリアミド酸微粒子を有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う、請求項2に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
- 第三工程において、ポリアミド酸微粒子を水と共沸混合物を構成し得る有機溶媒を含む溶媒中で加熱し、水を共沸により反応系外に除去しながらイミド化を行う、請求項2に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
- 第三工程において、溶媒中での加熱を130〜250℃で行う、請求項7又は8に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
- 第三工程において、ポリアミド酸微粒子を乾式で加熱することによりイミド化を行う、請求項2に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
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