JP2008222958A - 金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属皮膜を有するポリイミド微粒子を提供すること。
【解決手段】ポリイミド微粒子に金属皮膜を形成する方法において、(a)テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)超音波照射による攪拌下において、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程、(d)ポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含む有機溶媒中で加熱し、金属皮膜を形成する第四工程、を含むことを特徴とする金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】ポリイミド微粒子に金属皮膜を形成する方法において、(a)テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)超音波照射による攪拌下において、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程、(d)ポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含む有機溶媒中で加熱し、金属皮膜を形成する第四工程、を含むことを特徴とする金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法に関する。
ポリイミドは、耐熱性、耐薬品性、機械的特性等に優れた材料であり、航空・宇宙、電子・電気部品、自動車、衣料、化粧品、等の用途のほか、金属又はセラミックスの代替材料として幅広く利用されている。とりわけ、ポリイミドの微粒子が、絶縁材料、スペーサー、ペースト、フィルム等の用途に有効であるため、これらを効率的に製造する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
最近では、ポリイミドの微粒子に機能性を付与するための研究も行われている。例えば、これらの微粒子に金属皮膜を形成することができれば、導電性等の機能を付与することができ、その用途の拡大を図ることが可能となる。
特開平11−140181号公報
特開2000−248063号公報
本発明は、金属皮膜を有するポリマー微粒子を提供することを主な目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の方法によってポリイミド微粒子の表面上に金属皮膜を形成することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の各項に係る発明を提供するものである。
すなわち、本発明は、下記の各項に係る発明を提供するものである。
(1)ポリイミド微粒子に金属皮膜を形成する方法において、
(a)テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)超音波照射による攪拌下において、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程、
(d)ポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含有する有機溶媒中で加熱し、粒子表面に金属皮膜を形成する第四工程、
を含むことを特徴とする金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(2)前記第一溶液及び第二溶液における溶媒が、2−プロパノン、3−ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む前記項1に記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(3)前記ジアミン化合物が、第二工程の反応で消費されない官能基を有する多官能ジアミン化合物を少なくとも含む前記項1又は2に記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(4)前記ジアミン化合物が、1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、及び4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジンから選ばれる多官能ジアミン化合物の少なくとも1種を含む前記項1〜3いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(5)前記第三工程において、ポリアミド酸微粒子を有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う、前記項1〜4いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(6)前記金属塩が、有機酸塩、及び金属錯体から選ばれる少なくとも1種である前記項1〜5いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(7)前記金属塩が、酢酸銀(I)、安息香酸銀(I)、酢酸銅(II)、安息香酸銅(II)、及びビス(アセチルアセトナート)銅(II)から選ばれる少なくとも1種である前記項1〜6いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(7)前記ポリオール類が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロプレングリコール、及びテトラエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種の多価アルコールである前記項1〜7いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(a)テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)超音波照射による攪拌下において、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程、
(d)ポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含有する有機溶媒中で加熱し、粒子表面に金属皮膜を形成する第四工程、
を含むことを特徴とする金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(2)前記第一溶液及び第二溶液における溶媒が、2−プロパノン、3−ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む前記項1に記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(3)前記ジアミン化合物が、第二工程の反応で消費されない官能基を有する多官能ジアミン化合物を少なくとも含む前記項1又は2に記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(4)前記ジアミン化合物が、1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、及び4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジンから選ばれる多官能ジアミン化合物の少なくとも1種を含む前記項1〜3いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(5)前記第三工程において、ポリアミド酸微粒子を有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う、前記項1〜4いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(6)前記金属塩が、有機酸塩、及び金属錯体から選ばれる少なくとも1種である前記項1〜5いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(7)前記金属塩が、酢酸銀(I)、安息香酸銀(I)、酢酸銅(II)、安息香酸銅(II)、及びビス(アセチルアセトナート)銅(II)から選ばれる少なくとも1種である前記項1〜6いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
(7)前記ポリオール類が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロプレングリコール、及びテトラエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種の多価アルコールである前記項1〜7いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
本発明の製造方法によれば、非常に簡便な操作で、ポリイミド微粒子の表面に金属皮膜を形成することが可能であり、導電性等の新たな機能をポリイミド微粒子に付与する手法として好適である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法は、ポリイミド微粒子に金属皮膜を形成する方法において、(a)テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)超音波照射による攪拌下において、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程、(d)ポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含む有機溶媒中で加熱し、金属皮膜を形成する第四工程、
を含むことを特徴とする。以下、この製造方法を各工程ごとに説明する。
を含むことを特徴とする。以下、この製造方法を各工程ごとに説明する。
(a)第一工程
第一工程では、テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する。すなわち、本発明では、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物は、それぞれ別個の溶液として調製しておくことを必須とする。
第一工程では、テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する。すなわち、本発明では、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物は、それぞれ別個の溶液として調製しておくことを必須とする。
(イ)第一溶液
第一溶液で用いるテトラカルボン酸二無水物は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド 合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物ビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物、2,2−ビス(3,4−無水ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族テトラカルボン酸無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸無水物等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にBTDA、PMDA等が好ましい。
第一溶液で用いるテトラカルボン酸二無水物は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド 合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物ビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物、2,2−ビス(3,4−無水ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族テトラカルボン酸無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸無水物等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にBTDA、PMDA等が好ましい。
また、本発明では、テトラカルボン酸ニ無水物の一部を酸クロライドで置換したものを使用することができる。酸クロライドで置換すれば、条件によって反応速度を速くしたり、得られる粒子の粒径をより微細化できる等の効果が得られる。酸クロライドとしては、例えばジエチルピロメリテイトジアシルクロライド等を用いることができる。
第一溶液で用いる溶媒は、実質的にテトラカルボン酸ニ無水物が溶解し、且つ、生成するポリアミド酸が溶解しないものであれば特に制限されない。例えば、2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらの少なくとも1種を含む溶媒を使用することができる。また、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン極性溶媒のようなポリアミド酸が溶解する溶媒であっても、アセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレン等のポリアミド酸の貧溶媒と混合してポリアミド酸が沈殿するように調整すれば、これらも使用することが可能である。
(ロ)第二溶液
第二溶液で用いるジアミン化合物は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド 合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、4,4'−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6'−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2'−ジアミノ−1,1'−ビナフタレン、S(+)−2,2'−ジアミノ−1,1'−ビナフタレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ジアミン、1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にDPE、PDA、TPE−R等が好ましい。
第二溶液で用いるジアミン化合物は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド 合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、4,4'−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6'−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2'−ジアミノ−1,1'−ビナフタレン、S(+)−2,2'−ジアミノ−1,1'−ビナフタレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ジアミン、1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にDPE、PDA、TPE−R等が好ましい。
更には、本発明では、第二工程の反応で消費されない官能基を有する多官能ジアミン化合物を使用することもできる。金属が配位しやすい官能基を有する多官能ジアミン化合物を用いることにより、ポリイミド微粒子表面への金属皮膜の形成を促進する効果がある。官能基としては、得られる粒子表面上に金属が配位する機能を付与できるものであれば、特に限定されない。例えば、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH2)、チオール基(−SH)等を挙げることができる。これらの機能性基を1種又は2種以上有する多官能ジアミン化合物の1種又は2種以上を用いることができる。化合物の具体例としては、1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール(DHPr)、3,5−ジアミノ安息香酸(35DBA)、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン(24D6HP)、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン(45D6H2MP)、4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジン(45D26DMP)等を挙げることができる。本発明では、反応で消費されない官能基を有する多官能ジアミン化合物は、前記の反応で消費されない官能基を有しないジアミン化合物と併用することが可能である。
第二溶液で用いる溶媒は、実質的にジアミン化合物が溶解し、かつ、生成するポリアミド酸が溶解しないものであれば特に制限されない。例えば、2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、これらの少なくとも1種を含む溶媒を使用できる。また、例えばDMF、DMAc、NMP等の非プロトン極性溶媒のようなポリアミド酸を溶解するものであっても、アセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレン等のポリアミド酸の貧溶媒と混合してポリアミド酸微粒子が沈殿するように調整すれば、これらも使用することが可能である。
(b)第二工程
第二工程では、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる。第一溶液と第二溶液との混合比率は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の種類、各溶液の濃度等によって適宜変更できるが、通常はテトラカルボン酸二無水物:ジアミン化合物=1:0.5〜1.5程度(モル比)、好ましくは1:0.9〜1.1となるように混合すれば良い。
第二工程では、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる。第一溶液と第二溶液との混合比率は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の種類、各溶液の濃度等によって適宜変更できるが、通常はテトラカルボン酸二無水物:ジアミン化合物=1:0.5〜1.5程度(モル比)、好ましくは1:0.9〜1.1となるように混合すれば良い。
第一溶液及び第二溶液の濃度については、それぞれに用いる原料の種類や溶解性に応じて適宜設定すれば良いが、通常は溶媒を合算した総量に対してテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の溶媒の総量が0.1〜30wt%程度、好ましくは1〜10wt%とする。前記下限値未満の場合は、得られるポリアミド酸微粒子の収率が低くなり、工業的規模での生産には不向きである。また、上限値を超える場合は、溶液が増粘して十分な攪拌が行えず、不均一反応となるので好ましくない。
第二工程では、特に撹拌しながらポリアミド酸微粒子を析出させることが好ましい。撹拌方法としては、公知の撹拌方法(撹拌装置)によって実施することができる。本発明では、特に超音波によって撹拌することがより好ましい。超音波による撹拌によって、通常の撹拌法に比べて平均粒径で約50%程度の微細化も可能となる。超音波による撹拌は、公知の超音波装置(例えば超音波洗浄器)及び操作条件をそのまま採用できる。超音波の周波数は、所望の粒径等に応じて適宜設定すれば良く、通常は28〜100kHz程度、好ましくは28〜45kHzとすれば良い。
第二工程における温度は、特に制限されず、通常0〜130℃程度、好ましくは20〜40℃とすれば良い。なお、撹拌時間は、ポリアミド酸微粒子の析出が実質的に完了するまで行えば良く、通常は30秒〜30分程度であるが、かかる範囲外となっても差し支えない。
第二工程で沈殿生成したポリアミド酸微粒子は、遠心分離法等の公知の方法に従って固液分離して回収すれば良い。第二工程で得られるポリアミド酸微粒子(粉末)は球状で、平均粒径0.03〜3.0μmであって、変動係数3〜20%の範囲にある単分散状のものである。
(c)第三工程
第三工程では、第二工程のポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る。イミド化する方法は、ポリアミド酸微粒子からそのままポリイミド微粒子が得られる限りは特に制限されないが、本発明では特に(i)有機溶媒中で加熱してイミド化する方法(熱閉環)、(ii)有機溶媒中における化学反応によりイミド化する方法(化学閉環)又は(iii)乾式で加熱閉環イミド化する方法を好適に用いることができる。
第三工程では、第二工程のポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る。イミド化する方法は、ポリアミド酸微粒子からそのままポリイミド微粒子が得られる限りは特に制限されないが、本発明では特に(i)有機溶媒中で加熱してイミド化する方法(熱閉環)、(ii)有機溶媒中における化学反応によりイミド化する方法(化学閉環)又は(iii)乾式で加熱閉環イミド化する方法を好適に用いることができる。
前記(i)による方法は、例えばポリアミド酸微粒子を有機溶媒中に分散させ、通常130℃以上、好ましくは130〜250℃程度の温度で加熱すれば良い。有機溶媒としては、ポリアミド酸の貧溶媒であり、かつ、イミド化反応に必要な温度以上の沸点を有するものであれば制限されない。特に、本発明では、上記有機溶媒中に水と共沸混合物を構成し得る溶媒(以下「共沸溶媒」ともいう)を含むことが好ましい。すなわち、本発明では、共沸溶媒を上記有機溶媒の一部又は全部として用いることが好ましい。共沸溶媒としては、例えばキシレン、エチルベンゼン、メシチレン、オクタン、シクロヘキサン、ジフェニルエーテル、ノナン、デカン、ドデカン等を用いることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、共沸溶媒は上記有機溶媒中10vol%以上含むことが好ましい。共沸溶媒を使用することによって、特に副生する水(主に縮合水)を共沸させ、これを還流等により反応系外へ除去できることから、未反応のアミド結合の加水分解を抑制し、粒子の形態の変化、分子量の低下等を防止できる結果、単分散性に優れたポリイミド微粒子がより確実に得られる。有機溶媒中に分散させるポリアミド酸微粒子の割合は、有機溶媒の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は1〜50g/L程度、好ましくは5〜30g/Lとすれば良い。
前記(ii)による方法では、公知の化学閉環方法を適用することができる。例えば、ポリアミド酸微粒子をピリジン及び無水酢酸からなる有機溶媒中に分散させ、撹拌しながら通常15〜115℃程度の温度で1〜24時間程度加熱すれば良い。両溶媒の配合割合は適宜設定すれば良い。
前記(iii)による方法では、空気中、真空中、不活性ガス中等の雰囲気下、粒子を流動させながら130〜300℃程度に加熱すれば良い。流動方法は、公知の攪拌流動装置等を用いることができる。この方法によっても、粒子を凝集させることなくイミド化することが可能である。
第三工程で生成したポリイミド微粒子は、公知の方法により回収し、必要に応じてメタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すれば良い。
(d)第四工程
第四工程では、第三工程のポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含む有機溶媒中で加熱し、ポリオール類の還元作用で金属塩から金属元素を還元析出させる。この還元反応で析出した金属によりポリイミド微粒子表面に金属皮膜を形成する。
第四工程では、第三工程のポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含む有機溶媒中で加熱し、ポリオール類の還元作用で金属塩から金属元素を還元析出させる。この還元反応で析出した金属によりポリイミド微粒子表面に金属皮膜を形成する。
(ハ)金属塩
第四工程で使用する金属塩は、ポリオール類の還元作用で金属元素を還元析出できる化合物であれば特に制限はなく、各種金属の塩化物、無機酸塩、有機酸塩、金属錯体等を使用できる。金属塩を構成する金属元素については、本発明の金属皮膜を有するポリイミド微粒子を供する用途に応じて適宜選択すれば良い。特に、導電性材料として用いる場合は、金属塩を構成する金属元素としては、材質固有の比抵抗の観点から導電性に優れる銀又は銅を選択することが好ましい。また、金属塩としては、還元反応後の残留物が粒子に残留した場合に、電気的な信頼性を低下させる恐れのある塩化物、無機酸塩等は好ましくなく、銀又は銅を構成元素とする有機酸塩、及び金属錯体を好適に用いる。金属塩の具体例としては、酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩、及びアセチルアセトナート型の錯体等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では特に、酢酸銀(I)、安息香酸銀(I)、酢酸銅(II)、安息香酸銅(II)、及びビス(アセチルアセトナート)銅(II)が好ましい。金属塩を配合する割合は、使用するポリイミド微粒子の粒径、形成したい金属皮膜量に応じて適宜設定すれば良いが、通常はポリイミド微粒子と金属塩との重量比が、1:1〜100程度、好ましくは1:1〜50とする。金属塩の配合比が下限値未満では十分な金属皮膜が形成されず、上限値を超えるようでは金属単独で析出して沈降する粒子が多くなる。
第四工程で使用する金属塩は、ポリオール類の還元作用で金属元素を還元析出できる化合物であれば特に制限はなく、各種金属の塩化物、無機酸塩、有機酸塩、金属錯体等を使用できる。金属塩を構成する金属元素については、本発明の金属皮膜を有するポリイミド微粒子を供する用途に応じて適宜選択すれば良い。特に、導電性材料として用いる場合は、金属塩を構成する金属元素としては、材質固有の比抵抗の観点から導電性に優れる銀又は銅を選択することが好ましい。また、金属塩としては、還元反応後の残留物が粒子に残留した場合に、電気的な信頼性を低下させる恐れのある塩化物、無機酸塩等は好ましくなく、銀又は銅を構成元素とする有機酸塩、及び金属錯体を好適に用いる。金属塩の具体例としては、酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩、及びアセチルアセトナート型の錯体等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では特に、酢酸銀(I)、安息香酸銀(I)、酢酸銅(II)、安息香酸銅(II)、及びビス(アセチルアセトナート)銅(II)が好ましい。金属塩を配合する割合は、使用するポリイミド微粒子の粒径、形成したい金属皮膜量に応じて適宜設定すれば良いが、通常はポリイミド微粒子と金属塩との重量比が、1:1〜100程度、好ましくは1:1〜50とする。金属塩の配合比が下限値未満では十分な金属皮膜が形成されず、上限値を超えるようでは金属単独で析出して沈降する粒子が多くなる。
(二)ポリオール類
第四工程で使用するポリオール類は、前記の金属塩に対して還元剤として機能し得るものであれば特に制限はなく、公知のポリオール還元法で用いられている多価アルコールを使用できる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロプレングリコール、及びテトラエチレングリコール等が挙げられ、これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。金属塩とポリオール類との配合比は特に制限はなく、還元反応が起こるのに十分量のポリオール類が添加されていれば良い。通常は金属元素に対するポリオール類のモル比を2倍以上、好ましくは5倍以上とする。ポリオール類のモル比が前記の範囲未満では、還元反応に長時間を要するばかりか、皮膜の形成自体が困難となる。
第四工程で使用するポリオール類は、前記の金属塩に対して還元剤として機能し得るものであれば特に制限はなく、公知のポリオール還元法で用いられている多価アルコールを使用できる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロプレングリコール、及びテトラエチレングリコール等が挙げられ、これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。金属塩とポリオール類との配合比は特に制限はなく、還元反応が起こるのに十分量のポリオール類が添加されていれば良い。通常は金属元素に対するポリオール類のモル比を2倍以上、好ましくは5倍以上とする。ポリオール類のモル比が前記の範囲未満では、還元反応に長時間を要するばかりか、皮膜の形成自体が困難となる。
第四工程で使用する有機溶媒は、前記ポリオール類と相溶性を有するもので、還元反応に必要な温度以上の沸点を有するものであれば特に制限されない。また、前記ポリオール類をそのまま有機溶媒の全量として用いることもできる。本発明では、有機溶媒を混合溶媒とする場合は、有機溶媒中にポリオール類を10vol%以上含むことが好ましい。
第四工程の反応温度及び反応時間は、使用する金属塩及びポリオール類の種類によって適宜設定すれば良いが、通常は100℃以上、好ましくは120〜250℃程度の温度で30分〜5時間加熱すれば良い。撹拌方法としては、特に制限はなく、公知の撹拌方法(撹拌装置)によって実施することができる。また、前記反応は大気中で可能であるが、還元反応で発生した金属の酸化を防止するために、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。有機溶媒中に分散させるポリイミド微粒子の割合は、有機溶媒の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は1〜50g/L程度、好ましくは5〜30g/Lとすれば良い。
第四工程で得られた金属皮膜を有するポリイミド微粒子は、遠心分離法等の公知の方法に従って固液分離して回収し、必要に応じてメタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すれば良い。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
なお、本発明で得られるポリイミド微粒子、及び金属皮膜を有するポリイミド微粒子の評価は、以下のようにしてそれぞれ実施した。
(A)平均粒径
ポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、そのSEM写真から任意の100個の微粒子を選び出し、これらの粒径の平均値を算出した。
ポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、そのSEM写真から任意の100個の微粒子を選び出し、これらの粒径の平均値を算出した。
(B)変動係数
SEM写真から選び出した任意の100個の微粒子より、これらの粒径の標準偏差を求め、前記の平均粒径の値で除して算出した。
SEM写真から選び出した任意の100個の微粒子より、これらの粒径の標準偏差を求め、前記の平均粒径の値で除して算出した。
(C)元素分析(金属皮膜)
エネルギー分散型X線分光法(EDS)により、ポリイミド微粒子表面の金属成分を調べた。
エネルギー分散型X線分光法(EDS)により、ポリイミド微粒子表面の金属成分を調べた。
(D)金属皮膜の比率
熱重量測定装置(TG−DTA)により、ポリイミド微粒子熱分解後の残渣重量より金属の含有量を算出した。
熱重量測定装置(TG−DTA)により、ポリイミド微粒子熱分解後の残渣重量より金属の含有量を算出した。
先ずは、実施例中にて使用したポリイミド微粒子の調整方法を、以下の試験例に示す。
<試験例1>
第一溶液としてBTDA;16.11g(0.05モル)をアセトン1Lに溶解した溶液、第二溶液としてDPE;8.01g(0.04モル)及びTAP;1.25g(0.01モル)をアセトン/メタノール(0.4L/0.1L)の混合溶媒1Lに溶解した溶液をそれぞれ調製した。次いで、両溶液を25℃で、周波数28kHzの超音波を照射して攪拌し、30分反応させることにより、ポリアミド酸微粒子を析出させた。回収したポリアミド酸微粒子をメシチレン2L中に分散させた後、164℃で約4時間、副生する水を反応系外に留去しながら還流してイミド化を行い、平均粒径760nm、変動係数8.5%のポリイミド微粒子を得た。
第一溶液としてBTDA;16.11g(0.05モル)をアセトン1Lに溶解した溶液、第二溶液としてDPE;8.01g(0.04モル)及びTAP;1.25g(0.01モル)をアセトン/メタノール(0.4L/0.1L)の混合溶媒1Lに溶解した溶液をそれぞれ調製した。次いで、両溶液を25℃で、周波数28kHzの超音波を照射して攪拌し、30分反応させることにより、ポリアミド酸微粒子を析出させた。回収したポリアミド酸微粒子をメシチレン2L中に分散させた後、164℃で約4時間、副生する水を反応系外に留去しながら還流してイミド化を行い、平均粒径760nm、変動係数8.5%のポリイミド微粒子を得た。
<試験例2>
第一溶液としてBTDA;16.11g(0.05モル)をアセトン1Lに溶解した溶液、第二溶液としてDPE;8.01g(0.04モル)及び35DBA;1.52g(0.01モル)をアセトン/メタノール(0.4L/0.1L)の混合溶媒1Lに溶解した溶液をそれぞれ調製した。次いで、両溶液を25℃で、周波数28kHzの超音波を照射して攪拌し、30分反応させることにより、ポリアミド酸微粒子を析出させた。回収したポリアミド酸微粒子をメシチレン2L中に分散させた後、164℃で約4時間、副生する水を反応系外に留去しながら還流してイミド化を行い、平均粒径1.8μm、変動係数9.7%のポリイミド微粒子を得た。
第一溶液としてBTDA;16.11g(0.05モル)をアセトン1Lに溶解した溶液、第二溶液としてDPE;8.01g(0.04モル)及び35DBA;1.52g(0.01モル)をアセトン/メタノール(0.4L/0.1L)の混合溶媒1Lに溶解した溶液をそれぞれ調製した。次いで、両溶液を25℃で、周波数28kHzの超音波を照射して攪拌し、30分反応させることにより、ポリアミド酸微粒子を析出させた。回収したポリアミド酸微粒子をメシチレン2L中に分散させた後、164℃で約4時間、副生する水を反応系外に留去しながら還流してイミド化を行い、平均粒径1.8μm、変動係数9.7%のポリイミド微粒子を得た。
<実施例1>
試験例1のポリイミド微粒子;5.0g、及び酢酸銀(I);10.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して2時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銀の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銀の含有量は、48.8wt%であった。
試験例1のポリイミド微粒子;5.0g、及び酢酸銀(I);10.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して2時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銀の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銀の含有量は、48.8wt%であった。
<実施例2>
試験例1のポリイミド微粒子;5.0g、及びビス(アセチルアセトナート)銅(II);20.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して2時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銅の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銅の含有量は、40.2wt%であった
試験例1のポリイミド微粒子;5.0g、及びビス(アセチルアセトナート)銅(II);20.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して2時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銅の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銅の含有量は、40.2wt%であった
<実施例3>
試験例2のポリイミド微粒子;5.0g、及び酢酸銀(I);15.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して2時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銀の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銀の含有量は、51.3wt%であった
試験例2のポリイミド微粒子;5.0g、及び酢酸銀(I);15.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して2時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銀の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銀の含有量は、51.3wt%であった
<実施例4>
試験例2のポリイミド微粒子;5.0g、及び安息香酸銅(II);15.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して3時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銅の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銅の含有量は、32.6wt%であった
試験例2のポリイミド微粒子;5.0g、及び安息香酸銅(II);15.0gをエチレングリコール1Lに分散させた。この分散液を窒素気流下、PTFE製の攪拌翼を用いて攪拌しながら180℃まで昇温して3時間反応させた。反応終了後、固液分離して金属皮膜を有するポリイミド微粒子を回収した。回収した微粒子の表面性状をEDSで観察した結果、表面に銅の存在が認められた。また、熱分解後の残渣から算出した銅の含有量は、32.6wt%であった
Claims (8)
- ポリイミド微粒子に金属皮膜を形成する方法において、
(a)テトラカルボン酸二無水物を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、
(b)超音波照射による攪拌下において、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、
(c)ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程、
(d)ポリイミド微粒子を金属塩とポリオール類とを含有する有機溶媒中で加熱し、粒子表面に金属皮膜を形成する第四工程、
を含むことを特徴とする金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。 - 前記第一溶液及び第二溶液における溶媒が、2−プロパノン、3−ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む請求項1に記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
- 前記ジアミン化合物が、第二工程の反応で消費されない官能基を有する多官能ジアミン化合物を少なくとも含む請求項1又は2に記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
- 前記ジアミン化合物が、1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、及び4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジンから選ばれる多官能ジアミン化合物の少なくとも1種を含む請求項1〜3いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
- 前記第三工程において、ポリアミド酸微粒子を有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う、請求項1〜4いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
- 前記金属塩が、有機酸塩、及び金属錯体から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
- 前記金属塩が、酢酸銀(I)、安息香酸銀(I)、酢酸銅(II)、安息香酸銅(II)、及びビス(アセチルアセトナート)銅(II)から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
- 前記ポリオール類が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロプレングリコール、及びテトラエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種の多価アルコールである請求項1〜7いずれか記載の金属皮膜を有するポリイミド微粒子の製造方法。
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2007
- 2007-03-15 JP JP2007066778A patent/JP2008222958A/ja active Pending
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