JP2900367B2 - ポリアミド酸溶液およびポリイミドの粉末の製造方法 - Google Patents

ポリアミド酸溶液およびポリイミドの粉末の製造方法

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JP2900367B2 JP63128646A JP12864688A JP2900367B2 JP 2900367 B2 JP2900367 B2 JP 2900367B2 JP 63128646 A JP63128646 A JP 63128646A JP 12864688 A JP12864688 A JP 12864688A JP 2900367 B2 JP2900367 B2 JP 2900367B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、成形性の優れた微細なポリイミド粉末を簡
便に得るのに適したポリアミド酸溶液およびそれから得
られるポリイミドの粉末およびその製造方法に関するも
のである。
<従来の技術> ポリイミド樹脂はその優れた耐熱性、機械特性などの
ために、電気・電子機器産業、自動車産業などにおいて
重要な位置を占めており、特に近年、機器の高速化、高
性能化が進むにつれて、必要不可欠な素材となりつつあ
る。なかでも、特公昭39−22196号公報に開示されてい
るポリピロメリットイミド樹脂に代表される芳香族系の
ポリイミド樹脂は、極めて優れた耐熱性を有しており、
いわゆる耐熱樹脂の頂点に立っているが、その反面流動
性に乏しく、成形が困難であるという問題がある。
このような流動性に乏しい樹脂を成形するには、一般
に数μm以下の微細な粉末が必要であり、そのような粉
末を得る手法がいくつか開示されているが、どれも欠点
を有しており改善が望まれている。
たとえば、特公昭39−22196号公報には、高速混合機
中でポリアミド酸溶液を再沈澱させ、粉末を得る手法が
開示されているが、このような手法では、全体を微細な
粉末にすることが難しく、一部塊状の沈澱が生じてしま
う。また、再沈澱型の改善方法として、特開昭61−234
号公報には、エアースプレーを用いて噴霧状に再沈する
手法が開示されている。この手法は確かに微細な粉末を
得ることはできるが、極めて多量の有機溶剤を必要とす
るうえ、噴霧時に飛散し、収率がさがるという欠点があ
る。また、これらの再沈澱方法は、重合槽と再沈澱槽の
2槽を必要とするという点からもプロセス的に煩雑な手
法である。
さらに別法として、特公昭39−30060号公報には、ポ
リアミド酸溶液を3級アミンの存在下で加熱し、ポリイ
ミド粉末を得る手法が開示されている。しかし、この手
法は、微細な粉末を簡便に得ることはできるものの、生
成したポリイミドの結晶化度が高くなってしまうため、
成形性が極めて損なわれるという本質的な欠点を有して
いる。一般に、溶液中での加熱イミド化により生成した
ポリイミドは、結晶化度が高く、成形しにくいという欠
点を有している。
<発明が解決しようとする課題> そこで本発明者らは、成形性に優れた微細なポリイミ
ド粉末を簡便に得る手法について鋭意検討した結果、特
定な溶媒組成をもつポリアミド酸溶液を調整し、これを
脂肪族酸無水物で化学閉環させることが有効であること
を見出し、本発明に到達した。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は、A.a.下記一般式(I)で表わされ
る繰り返し単位を主要構造単位とするポリアミド酸1〜
20重量%、B.b.アミド系溶媒、c.3級アミンおよびd.溶
解度パラメーターが9.0〜10.0(cal/cm31/2であるポ
リアミド酸の貧溶媒の合計量が99〜80重量%からなり、
かつ重量比でb/c=99/1〜10/90、d/b=80/20〜50/50の
範囲にあることを特徴とするポリアミド酸溶液を提供す
るものである(第1発明)。さらには、上記溶液中のポ
リアミド酸と脂肪族酸無水物が反応して得られた下記一
般式(II)で表わされる繰り返し単位を主要構造単位と
するポリイミドの粉末の製造方法を提供するものである
(第2発明)。
ここでArは少なくとも一つの炭素6員環を含む4価の
芳香族残基であり、そのうちの2価ずつは、Ar基のベン
ゼン環内の隣接する炭素原子に結合していることによっ
て特徴づけられ、具体的には、 などが挙げられる。また、Ar′は2価の芳香族あるいは
脂肪族残基であり、芳香族の場合には、1〜4個の炭素
6員環をもち、脂肪族の場合は、C4〜C14の骨格をもつ
ことにより特徴づけられ、たとえば などが挙げられる。また、(I)および(II)は単独の
ポリマーであってもよいし、あるいは共重合体であって
もかまわない。
このようなポリアミド酸の合成法は公知であり、たと
えば特公昭39−22196号公報にその詳細が開示されてい
るが、テトラカルボン酸誘導体(たとえば二無水物)と
ジアミンとをアミド系溶媒中で反応させることにより得
ることができる。
本発明でいうアミン系溶媒とは、具体的にはN,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドンなどの溶媒をさし、これらはいずれ
もポリアミド酸の良溶媒である。また、3級アミンとし
ては、ピリジン、3−エチルピリジン、4−メチルピリ
ジン、2,6−ルチジン、イソキノリン、N,N−ジメチルベ
ンジルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンな
どを具体的に挙げることができるが、なかでもピリジン
が好ましい。
本発明でいうところの溶解度パラメーターが9.0〜10.
0(cal/cm31/2であるポリアミド酸の貧溶媒として
は、具体的にはアセトン(9.9)、メチルエチルケトン
(9.3)のようなケトン系溶媒、テトラヒドロフラン
(9.1)、1,4−ジオキサン(10.0)のようなエーテル系
溶媒、クロロホルム(9.3)のようなハロゲン系溶媒、
酢酸エチル(9.1)のようなエステル系溶媒などを挙げ
ることができるが、特にアセトンが好ましい。(( )
内は「Polymer Handbook」からの引用による 溶解度パ
ラメーター値、(cal/cm31/2)。また、これらの溶媒
は2種以上を混合して用いることもできる。
また、溶解度パラメーターが上記範囲であるポリアミ
ド酸の貧溶媒であっても、水酸基、1級アミノ基、2級
アミノ基などを有する溶媒は好ましくない。なぜなら
ば、これらの溶媒は酸無水物と反応するため、あとから
添加される脂肪族酸無水物を消費してしまうからであ
る。
本発明の特徴は、特定の溶媒組成をもつポリアミド酸
溶液を調整する点およびそれに脂肪族酸無水物を添加し
て脱水閉環させる点にある。このような酸無水物添加法
はすでによく知られており、特にフィルム状のポリイミ
ドを製造する際に広く用いられている。しかし、この方
法は、そのままポリイミド粉末の製造方法として用いる
ことは難しい。なぜならば、酸無水物の添加により、ポ
リアミド酸溶液全体がゲル化し、大きなゲルの塊りにな
ってしまうからである。そして、本発明者らは、このゲ
ル化を防ぐ方法を検討している過程で、ある特定な溶媒
組成においては、ゲル化がおきず、かつ非常に微細な粉
末が得られることを見出した。すなわち、ポリアミド酸
に対する良溶媒と貧溶媒の比率を調節し、ポリマー溶媒
間の相互作用力をコントロールすることにより、成形に
適した微細な粉末が得られることを見出したのである。
ここで、アミド系溶媒は、ポリアミド酸の良溶媒であ
り、重合溶媒でもある。また、溶解度パラメーターが9.
0〜10.0(cal/cm31/2であるポリアミド酸の貧溶媒
は、ポリアミド酸とアミド系溶媒との親和力を阻害し、
イミド閉環後のゲル化を防ぐ役割を果たす。ここで、溶
解度パラメーターが9.0(cal/cm31/2未満である溶媒
は、ポリアミド酸に対する溶解性が低すぎ、ポリアミド
酸を沈澱させてしまうため好ましくなく、10.0(cal/cm
31/2を越える溶媒は、ポリアミド酸に対する親和性が
強すぎ、ゲル化を防ぐ効果がないため好ましくない。
また、3級アミンは、アミド系溶媒と貧溶媒とが均一
に混合するための補助溶媒の役割を果たす。すなわち、
ポリアミド酸/アミド系溶媒よりなる重合溶液に、貧溶
媒を添加した場合、均一に混合させるためには強力かつ
長時間の攪拌を必要とするが、ここに3級アミンが存在
すると、混合が容易になり、かつ生成したポリイミド粉
末の粒径が均質化することが見出された。また、3級ア
ミンは、同時に脱水閉環反応に対する触媒の役割も果た
し、脂肪族酸無水物添加後のポリイミド粉末の生成速度
を早めることができる。
3級アミンは貧溶媒と同時に添加することもできる
が、好ましくは重合時にすでに添加しておいた方がよ
い。一方、貧溶媒は重合時に添加しておくと、重合度が
あがりにくいため、重合後に添加することが好ましい。
本発明のポリアミド酸溶液は、特定組成の溶媒中にポ
リアミド酸が均一溶解していることを特徴とするが、こ
こで貧溶媒とアミド系溶媒との比率(d/b)は重量比で8
0/20〜50/50がよく、特にポリアミド酸が下記式(III)
で表わされる繰り返し単位を主要構造単位とするポリア
ミド酸であり、貧溶媒がアセトンである場合には、75/2
5〜55/45の範囲が好ましい。
上記範囲よりも貧溶媒が少ない場合は、ゲル化がおき
てしまい好ましくなく、また、多い場合は得られる粉末
が粗大粒子となり、成形後の強度が大幅に低下するため
好ましくない。
また、アミド系溶媒と3級アミンの比率(b/c)は、
重量比で99/1〜10/90がよく、好ましくは95/5〜40/60が
よい。特に、ポリアミド酸が式(III)で表わされる繰
り返し単位を主要構造単位とするポリアミド酸である場
合には、95/5〜30/70がよく、特に好ましくは90/10〜60
/40がよい。
上記範囲よりも3級アミンが少ない場合は、その添加
効果が現われず好ましくない。多い場合は、得られるポ
リイミド粉末が粗大化するか、またはポリアミド酸の段
階で沈澱してしまうため好ましくない。
本発明のポリアミド酸溶液において、ポリアミド酸の
重量 濃度は1〜20%、好ましくは1〜15%がよい。1
%未満では、溶媒量が多くなりすぎて実用的でなく、20
%を越えると全体の粘度が高くなりすぎ、十分な攪拌が
できなくなるため好ましくない。
本発明においては、特定組成に調整したポリアミド酸
溶液に、脂肪族酸無水物を添加しポリイミドの粉末を得
るが、このような脂肪族酸無水物の具体例としては、無
水酢酸、無水プロピオン酸、酢酸ギ酸無水物などが挙げ
られる。これらの脂肪族酸無水物は、アミド酸単位に対
し、0.3当量以上用いればポリイミド粉末を得ることが
できるが、0.8当量以上用いることが好ましい。また、
脂肪族酸無水物は単独で添加してもよいが、適当な溶媒
で希釈させて添加した方が、生成したポリイミド粉末の
粒径が、均質化する傾向があり好ましい。脂肪族酸無水
物による脱水閉環反応は、室温においても十分進行する
が、加熱することにより、反応速度を早めることができ
る。しかし、150℃以上では、反応が早すぎてゲル化し
やすくなるため、80℃以下、好ましくは60℃以下で行う
のがよい。
本発明によるポリイミドの粉末の製造方法によると、
微細なポイリイミド粉末が懸濁した状態の溶液が得られ
るが、ここからポリイミド粉末を取り出すには、過、
蒸留、スプレードライなどにより、溶媒を取り除けばよ
い。得られた粉末は、そのまま成形に供することもでき
るが、ミキサー、粉砕機などで処理すると、成形品の均
一化に効果がある。
本発明のポリイミドの粉末には、必要に応じて種々の
添加剤を配合し、望ましい特性を付与することもできる
が、そのような添加剤の例としては、フッ素樹脂、グラ
ファイト、二硫化モリブデン、マイカ、タルク、ガラス
繊維、カーボン繊維、アルミニウム、銀、各種金属酸化
物などが挙げられる。これらの添加剤は重合の過程です
でに配合しておくこともできるし、また、成形前に配合
することもできるが、いずれにしても均一に分散させる
ことが望ましい。
<実施例> 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。
なお、実施例において、加圧成形は次のような方法で
行った、すなわち、金型中に粉末を充填し、室温におい
て3×103kg f/cm2の圧力をかける。次にこれを徐々に
昇温し、最終的に450℃まで加熱する。この昇温過程
で、ガスが発生するため、時々放圧し、ガスを抜くよう
にする。450℃で5分間保ったのち、加圧したまま冷却
し、300℃以下になったところで取り出す。次にこの成
形品から、65mm×13mm×3mmの試験片を切り出し、引張
および曲げ試験に供した。
実施例1 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)60.07gを
1,130gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)と340gの
ピリジンの混合液に溶解させた。ここにピロメリット酸
二無水物(PMDA)65.44gを加え、1時間攪拌を続けたと
ころ、ηinh(DMAc中、濃度0.5g/dl、30℃で測定)が2.
35のポリアミド酸溶液が得られた。次にこれに2,500gの
アセトン(溶解度パラメーター値:9.9(cal/cm31/2
を加え、激しく攪拌したところ、約15分で均一なポリア
ミド酸溶液が得られた。
続いてこのポリアミド酸溶液を水浴で30℃に温調し、
無水酢酸65gを加えたところ約5分後に、ポリイミドの
粉末が析出した。これを過し、アセトンで洗浄後、空
気中160℃で5時間乾燥したところ112gのポリイミド粉
末が得られた(収率98%)。この粉末を加圧成形し、物
性試験を行ったところ表1に示すように優れた特性を有
していた。
実施例2 DDE60.07gをDMAc1,130gおよびピリジン400gの混合液
に溶解し、ここにPMDA21.81gおよびベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物(BTDA)64.45gを加えた。1時間
攪拌を続けたところηinhが1.81のポリアミド酸溶液が
得られた。次にこれにアセトン3,000gを加え、激しく攪
拌したところ、約15分で均一なポリアミド酸溶液が得ら
れた。
続いてこのポリアミド酸溶液を水浴で30℃に温調し、
無水酢酸100gを加えたところ、約15分後にポリイミドの
粉末が析出した。これを過し、トルエンで洗浄後、空
気中160℃で5時間乾燥したところ、131gのポリイミド
粉末が得られた(収率98%)。この粉末を加圧成形し、
物性試験を行ったところ、表1に示すように優れた特性
を有していた。
比較例1 実施例1においてアセトンを1,000gとするほかは、実
質的に同様な方法で重合を行い、ポリアミド酸溶液を得
た。しかし、これに無水酢酸を実施例1と同量添加した
ところ、全体がゲル化してしまい、粉末を得ることはで
きなかった。
比較例2 実施例1において、ピリジンを用いないほかは実質的
に同様な方法で重合を行った。しかし、アセトンが溶解
しにくく、均一な溶液とするには約5時間の攪拌が必要
であった。
こうして得られたポリアミド酸溶液を実施例1と同様
な方法でイミド閉環させたところ、ポリイミドの粉末が
得られたが、この粉末には粒径の大きな粗粒子(電子顕
微鏡で観察して20μm以上)が混在しており、成形後の
特性も低かった。一方、実施例1で得られたポリイミド
の粉末は粒径1〜2μmの均質なものであった。
比較例3 実施例1において使用する溶媒を各々、DMAc170g、ピ
リジン1,680g、アセトン510gとして重合を行い、ポリア
ミド酸溶液を得た。これを実施例1と同様な方法でイミ
ド閉環させたが、得られた粉末は全体に粗粒子であり成
形後の特性は極めて低かった。
比較例4 実施例2においてアセトンを4,900gとするほかは実質
的に同様な方法で重合を行いポリアミド酸溶液を得た。
続いて、実施例2と同様な方法でイミド閉環させた
が、得られた粉末は全体に粗粒子であり、特性の悪いも
のであった。
比較例5 実施例2において使用する溶媒を各々、DMAc200g、ピ
リジン130g、アセトン220gとして重合を行い、ポリアミ
ド酸溶液を得た。しかし、粘度が高すぎて十分な攪拌が
できないためか無水酢酸添加後、全体が塊りとなってし
まい、粉末を得ることはできなかった。
比較例6 実施例1において、アセトンのかわりにトルエン(溶
解度パラメーター値:8.9(cal/cm31/2)を用いた。し
かし、トルエンはポリアミド酸溶液に均一に溶解せず、
ポリアミド酸が塊状に沈澱してしまったため、粉末状の
ポリイミドを得ることはできなかった。
比較例7 実施例1において、アセトンのかわりにジメチルスル
ホキサイド(溶解度パラメーター値:12.0(cal/cm3
1/2)を用い均一なポリアミド酸溶液を得た。しかし、
このものに無水酢酸を添加したところ全体がゲル化して
しまい、粉末を取り出すことができなかった。
実施例3 4,4′−ジアミノジフェニルメタン(DDM)39.65gおよ
びメタフェニレンジアミン(MPDA)10.81gを、N−メチ
ルピロリドン(NMP)1,300gと3−メチルピリジン400g
の混合液に溶解させた。これに3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)88.27gを加え、1
時間攪拌を続けたところηinhが200のポリアミド酸溶液
が得られた。
次にこれに、1,4−ジオキサン(溶解度パラメーター
値:10.0(cal/cm31/2)3,570gを加え、激しく攪拌し
たところ、約20分で均一なポリアミド酸溶液が得られ
た。
続いてこのポリアミド酸溶液を水浴で30℃に温調し、
無水酢酸100gを加えたところ、約30分後にポリイミドの
粉末が析出した。これを実施例1と同様な方法で後処理
したところ、120g(収率95%)のポリイミド粉末が得ら
れ、成形後の特性は表2に示すように優れたものであっ
た。
比較例8 実施例3において、1,4−ジオキサンを1,000gとする
ほかは実質的に同様な方法で重合を行い、ポリアミド酸
溶液を得た。しかし、このものに無水酢酸を添加したと
ころ、全体がゲル化してしまい、粉末を得ることはでき
なかった。
実施例4 2,2′−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン 82.10gを800gのNMPに溶解させたのち、P
MDA43.62gを加え、さらに1時間攪拌を続けて、ηinh1.
32のポリアミド酸溶液を得た。続いてここに、ピリジン
500g、酢酸エチル(溶解度パラメーター値:9.1(cal/cm
31/2)1,050gの混合液を加え、激しく攪拌したとこ
ろ、約25分で均一なポリアミド酸溶液が得られた。(ポ
リアミド酸濃度:5.1重量%、NMP/ピリジン=62/38、酢
酸エチル/NMP=57/42)。これを水浴で30℃に温調し、
無水酢酸40gを加えたところ、約20分でポリイミドの粉
末が析出し、実施例1と同様に後処理することにより、
110g(収率96%)のポリイミド粉末を得た。このものを
成形後、曲げ試験を行ったところ、強さ14.3kg f/mm2
弾性率352kg f/mm2と優れたものであった。
実施例5 DDE40.05gおよびパラフェニレンジアミン10.81gをDMA
c1,500gに溶解し、続いて3,3′,4,4′−ジフェニルスル
ホンテトラカルボン酸二無水物107.48gを加えた。1時
間攪拌を続けたところ、得られたポリアミド酸のηinh
は1.51であった。ここにイソキノリン500g、メチルエチ
ルケトン(溶解度パラメーター値:9.3(cal/mm31/2
3,300gの混合液を加え、激しく攪拌したところ、約20分
で均一なポリアミド酸溶液が得られた。(ポリアミド酸
濃度:2.9重量%、DMAc/イソキノリン=75/25、メチルエ
チルケトン/DMAc=69/31)。
これを水浴で30℃に温調し、無水酢酸230gを加えたと
ころ、約30分でポリイミドの粉末が析出した。実施例1
と同様な方法で後処理することにより、ポリイミド粉末
137g(収率95%)を得た。また、成形後の曲げ特性は、
強さ13.0kg f/mm2、弾性率390kg f/mm2と良好であっ
た。
比較例9 特開昭61−234号公報に開示されている方法に従い、
次のようにして再沈法ポリイミド粉末を得た。
すなわち、DDE50.06gをDMAc1に溶解したのち、PMDA
54.53gを加え、さらに1時間攪拌を続けてηinhが2.30
のポリアミド酸溶液を得た。これをアセトン2で希釈
したのち、トルエン10、無水酢酸0.5、ピリジン0.5
を入れた沈澱槽中に、エアースプレーガンで噴霧し
た。得られた粉末を過し、アセトンで洗浄したのち、
空気中160℃で5時間乾燥し、67gのポリイミド粉末を得
た(収率70%)。収率が低いのは噴霧状に再沈する再、
飛散したり壁面に付着したりして、かなり損失するから
である。
粉末を加圧成形後、特性を測定したところ、引張強さ
10.0kg f/mm2、伸び9.8%、曲げ強さ13.4kg f/mm2であ
った。
この方法は、成形品の特性は優れているものの、多量
の溶媒を必要とし、収率も低いという欠点があることが
わかった。また、再沈槽を別途必要とするという点で、
実施例1の方法に比べて操作が煩雑であった。
比較例10 特公昭39−30060号公報に開示されている方法に従
い、次のようにして熱イミド化を行った。
すなわち、DDE50.06gをDMAc1に溶解したのち、PMDA
54.53gを加え、さらに1時間攪拌を続けて、ηinhが2.3
0のポリアミド酸溶液を得た。これにピリジン60mlを添
加後、油浴で150℃に加熱し、1時間攪拌した。冷却
後、沈澱を過し、アセトンで洗浄したのち、空気中16
0℃で5時間乾燥して、90gのポリイミド粉末を得た。
(収率95%)。この粉末を加圧成形したのち、特性を測
定しようとしたが、手で簡単に折れるようなもろいもの
であったので、測定できなかった。原因を調べるため、
X線回折により粉末の結晶化度を調べたところ、約40%
であり、高結晶性であることがわかった。
一方、実施例1で得た粉末の結晶化度は、約5%と低
かった。
この方法は、使用する溶媒量が少なく、操作が簡単で
収率も高いという点では優れているが、生成するポリイ
ミド粉末が高結晶性となってしまうため、成形ができな
いという本質的な問題を有していることがわかった。
<発明の効果> 実施例および比較例により明らかなように、本発明に
よるポリアミド酸溶液からは、極めて簡便な操作によ
り、成形性に優れた微細なポリイミドの粉末を、収率よ
く得ることができる。これはポリアミド酸に対する3種
類の溶媒の比率をコントロールすることにより、ポリマ
ー−溶媒間の相互作用力が適性範囲内に調節された結果
と考えられる。
こうして得られたポリイミド成形品は、優れた耐熱
性、機械特性、摺動特性などを有しており、電気・電子
機器部品、自動車部品、事務機部品、航空機部品などに
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:20) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/10 - 73/16 C08L 79/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.a.下記一般式(I)で表わされる繰り返
    し単位を主要構造単位とするポリアミド酸1〜20重量
    %、 B.b.アミド系溶媒、c.3級アミンおよびd.溶解度パラメ
    ーターが9.0〜10.0(cal/cm31/2であるポリアミド酸
    の貧溶媒の合計量99〜80重量%からなり、かつ、重量比
    でb/c=99/1〜10/90、d/b=80/20〜50/50の範囲にある
    ことを特徴とするポリアミド酸溶液。 (式中、Arは少なくとも一つの炭素6員環を含む4価の
    芳香族残基、Ar′は2価の芳香族あるいは脂肪族残基を
    示す。)
  2. 【請求項2】請求項(1)の溶液に脂肪族無水物を加え
    ポリアミド酸を脱水閉環させることにより下記一般式
    (II)で示される繰り返し単位を主要構造単位とするポ
    リイミドの粉末を析出させることを特徴とするポリイミ
    ド粉末の製造方法。 (式中、ArおよびAr′は式(I)の場合と同じものを示
    す。)
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