JP5974912B2 - 半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法 - Google Patents
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Description
電子写真方式の画像形成方法の一つに、感光体上に形成されたトナー画像を中間転写体上に転写し、中間転写体より記録媒体上に二次転写する工程を経て画像形成を行うものがある。
そして、中間転写体の実施形態の一つに、樹脂製の無端ベルトを用いた中間転写ベルトがあり、良好な転写性能を発現させるために、中間転写ベルトの改良が進められてきている。
しかしながら、汎用カーボンブラックをポリイミド系樹脂に分散させた場合、温度、湿度等の電気抵抗値の変動は小さいが、カーボンブラックとポリイミド系樹脂との親和性が悪いため、分散性が不良となる。通常、カーボンブラックは非常に二次凝集を起こしやすく、凝集により導通経路が生じ、中間転写ベルト内での電気抵抗値のバラツキにつながる。その結果、このような中間転写ベルトを用いた場合、記録媒体上に転写したトナー像に転写ムラが生じるなどの問題が生じる。
このようにカーボンブラック分散液に水を添加剤として添加し、塗布液を調製した場合、塗布液調製直後に円筒状の回転体等に塗布して中間転写ベルトを製造すると、所望の抵抗値に調整することができるが、塗布液調製からの時間が経過するにつれて、カーボンブラックが凝集するため、製造する中間転写ベルトの抵抗値が上昇してしまう。その結果、形成する画像に不良が発生するという問題がある。
添加剤としてアセチレンアルコールを使用した場合、製造した中間転写ベルトの面内における抵抗率の均一性が向上するものの、添加剤に水を使用した場合と同様に、塗布液調製からの時間の経過に伴ってカーボンブラックが凝集し、中間転写ベルトの抵抗値変化が大きくなるという問題は解決されていない。
一方、カーボンブラックを分散させる分散剤として、非イオン系、陰イオン系又は両性の界面活性剤を添加することが知られているが、分散剤だけでは、樹脂と混合した塗布液の安定性を保持できないため、塗布液調製からの時間の経過に伴ってカーボンブラックが凝集し、中間転写ベルトの抵抗値変化が大きくなるという問題は解決されていない。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.カーボンブラックを含有する半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法であって、
少なくとも下記工程(1)〜(5)を有し、かつ、下記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物を貧溶媒として用いることを特徴とする半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法。
(1)有機極性溶媒中に、カーボンブラックを分散してカーボンブラック分散液を調製するカーボンブラック分散液調製工程
(2)ポリアミド酸溶液と、前記カーボンブラック分散液とを混合する混合工程
(3)ポリアミド酸樹脂が溶解しない前記貧溶媒を、前記ポリアミド酸溶液及び前記カーボンブラック分散液の混合溶液に、当該混合溶液に対する含有量が2〜20質量%の範囲内となるように添加して塗布液とする貧溶媒添加工程
(4)前記塗布液を金型に塗布する塗布工程
(5)前記金型に塗布した前記塗布液を乾燥し、焼成してイミド化するイミド化工程
一般式(A):R1−OH
〔一般式(A)中、R1はCH3−(CH2)n、(n=2〜5)を表す。〕
一般式(B):R2−(OH)2
〔一般式(B)中、R2は(CH2)m、(m=2又は3)を表す。〕
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法において、ポリアミド酸樹脂が溶解しない貧溶媒として、上記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物を、ポリアミド酸溶液及びカーボンブラック分散液の混合溶液に添加した塗布液とすることによって、上記一般式(A)又は(B)で表される化合物が、カーボンブラックと有機極性溶媒との両方に親和性を有する。すなわち、貧溶媒が有機極性溶媒に比べてカーボンブラックに親和しやすい場合には、カーボンブラックが移動しやすくなり凝集し、貧溶媒がカーボンブラックに比べて有機極性溶媒に親和しやすい場合にも、カーボンブラックが移動しやすく凝集するが、本発明では、貧溶媒が、カーボンブラックと有機極性溶媒との両方に親和性を有する化合物であるので、カーボンブラックの凝集を抑制した経時安定性の高い塗布液とすることができる。
その結果、当該塗布液を使用して製造した半導電性ポリイミド中間転写体の抵抗値変化率を小さくすることができ、良好な画像を形成することができると考えられる。
この特徴は、請求項1から請求項4までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
なお、本発明でいう半導電性とは、表面比抵抗の値が1×106(Ω/□)以上で、1×1013(Ω/□)以下のものを半導電性とする。
また、前記貧溶媒のSP値が、21.9〜29.9(MPa)1/2の範囲内であることが好ましい。これにより、貧溶媒が、カーボンブラックと有機極性溶媒との両方に親和性を有し、カーボンブラックの凝集を抑制することができる点で好ましい。
また、以下の説明では、半導電性ポリイミド中間転写体のことを単に中間転写体というものとする。
本発明に係る中間転写体の形状としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無端状のベルトやドラム状(円筒状)などが挙げられる。
本発明の中間転写体の製造方法は、少なくとも下記工程(1)〜(5)を有する。
(1)有機極性溶媒中に、カーボンブラックを分散してカーボンブラック分散液を調製するカーボンブラック分散液調製工程
(2)ポリアミド酸溶液と、前記カーボンブラック分散液とを混合する混合工程
(3)ポリアミド酸樹脂が溶解しない前記貧溶媒を、前記ポリアミド酸溶液及び前記カーボンブラック分散液の混合溶液に、当該混合溶液に対する含有量が2〜20質量%の範囲内となるように添加して塗布液とする貧溶媒添加工程
(4)前記塗布液を金型に塗布する塗布工程
(5)前記金型に塗布した前記塗布液を乾燥し、焼成してイミド化するイミド化工程
<ポリアミド酸溶液調製工程>
ポリアミド酸溶液調整工程は、有機極性溶媒中に、酸二無水物とジアミンを溶解して重合を行い、ポリアミド酸溶液を調製する工程である。
<有機極性溶媒>
ここで用いられる有機極性溶媒とは、極性を有する有機物の溶媒である。本工程で使用可能な有機極性溶媒としては、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、又はN−メチルピロリドン等が挙げられる。
ここで用いられる酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、又はエチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ここで用いられるジアミンとしては、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジクロロベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフイド、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H2N(CH2)3O(CH2)2OCH2NH2、H2N(CH2)3S(CH2)3NH2、又はH2N(CH2)3N(CH2)2(CH2)3NH2等が挙げられる。
なお、上記添加手順に限らず、例えば、まず、酸二無水物を有機極性溶媒にスラリー状態に分散させておき、この溶液中にジアミンを添加させても良い。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機極性溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でも良い。また、酸二無水物とジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加反応させても良く、酸二無水物と、ジアミンとの混合順序は限定されない。
本発明に係るカーボンブラック分散液調製工程は、有機極性溶媒中に、カーボンブラックを分散してカーボンブラック分散液を調製する工程である。
<カーボンブラック>
本発明において用いられるカーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸性カーボンが好適である。具体的には、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック又はガスブラック等が挙げられる。
カーボンブラックは、好ましくは表面抵抗で1×108〜1×1013Ω/□の範囲内、体積抵抗で1×106〜1×1012Ω・cmの範囲内になる量を含有させるが、機械強度の面から、膜が脆く割れ易くならない程度の添加量で達成できるものを選択することが好ましい。
カーボンブラックの中間転写体における含有量としては、5〜35質量%の範囲内が好ましく、15〜25質量%の範囲内がより好ましい。前記含有量を5〜35質量%の範囲内とすることによって、カーボンブラックの添加効果が十分に得られ、中間転写体の機械強度が向上する。
カーボンブラック分散液中におけるカーボンブラックは、体積平均粒径が10〜300nmの範囲内のものであることが好ましく、50〜250nmの範囲内がより好ましい。
また、後述する貧溶媒を添加した後の塗布液中におけるカーボンブラックの体積平均粒径が、10〜300nmの範囲内のものであることが好ましく、50〜250nmの範囲内がより好ましい。
カーボンブラックの体積平均粒径を10〜300nmの範囲内とすることによって、中間転写体の表面が均一となり、抵抗値の均一化を図ることができる。
なお、カーボンブラックの体積平均粒径は、例えば、得られたカーボンブラック分散液及び塗布液を分散溶媒で希釈したサンプルを、粒度分析計(例えば、日機装株式会社製、マイクロトラックUPA)を用いて測定することができる。
本発明に係る混合工程は、前記ポリアミド酸溶液と、前記カーボンブラック分散液とを混合する工程である。
本工程では、ポリアミド酸溶液及びカーボンブラック分散液をディゾルバ型の撹拌機で混合した後、自転公転式ミキサーで脱泡を行う。
本発明に係る貧溶媒添加工程は、ポリアミド酸樹脂が溶解しない貧溶媒を、前記ポリアミド酸溶液及び前記カーボンブラック分散液の混合溶液に、当該混合溶液に対する含有量が2〜20質量%の範囲内となるように添加して塗布液とする工程である。
<貧溶媒>
本発明でいう貧溶媒とは、ポリアミド酸樹脂が溶解しない溶媒である。ここで「溶解しない」又は「溶解する」とは、室温(25℃)で溶媒100gに樹脂10gを入れて撹拌し、メッシュサイズ4μmで濾過を行い、目視にて残存物を確認できた場合を「溶解しない」、残存物を確認できない場合を「溶解する」というものとする。
貧溶媒は、上記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物である。一般式(A)において、R1はCH3−(CH2)n、(n=2〜5)を表し、一般式(B)において、R2は(CH2)m、(m=2又は3)を表す。これらの中でも、貧溶媒の具体例としては、プロピルアルコール、ブチルアルコール又はペンチルアルコールを使用することが好ましい。
また、貧溶媒の沸点は、90〜200℃の範囲内であることが好ましい。
さらに、貧溶媒の前記混合溶液(ポリアミド酸溶液とカーボンブラック分散液の混合溶液)に対する含有量が、2〜20質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、ポリアミド酸樹脂の有機極性溶媒に対する溶解性が高くなり、ポリアミド酸樹脂が析出してゲル化することもなく、この点においても半導電性ポリイミド中間転写体としての強度を確保することができる。
SP値(溶媒の溶解度パラメーター)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、Polymer Hand Book (Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を用いた。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。なお、データの記載がないものについては、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができる。
なお、貧溶媒の添加の際に、シリコンオイル等のレベリング剤を添加することが、金型に塗布液を塗布した際の表面がより均一となる点で好ましい。
さらに、塗布液は、自転公転式ミキサー等で脱泡しておくことが好ましい。
本発明に係る塗布工程は、塗布液を金型に塗布する工程である。
本発明において用いられる金型としては、例えば、図1に示すような円筒状の回転体100等を使用することができる。
円筒状の回転体100の外面又は内面全体に塗布液Tを塗布する。塗布液Tは、例えば、ディスペンサー101等を使用して塗布することができる。また、塗布液Tを塗布した後、回転体100を回転させることによって均一な塗布面を形成する。なお、回転体100を所定速度で回転させながら、塗布液Tを回転体100の外面又は内面全体に均一になるように塗布しても良い。
また、回転体100の塗布液Tを塗布する面には、あらかじめ、剥離しやすいように離型剤を塗布しておくことが好ましい。
本発明に係るイミド化工程は、金型に塗布した塗布液を乾燥し、焼成してイミド化する工程である。
具体的には、上記塗布工程で塗布液Tを塗布した回転体100を、図2に示すようにヒーター102等で、例えば、100〜150℃、10〜90分の範囲内で乾燥する。その後、焼成炉で、例えば、200〜250℃で10〜60分の範囲内で段階的に焼成し、その後、250〜450℃で10〜120分間、高温加熱処理して焼成することによってイミド化反応を完結する。
なお、回転体への焼成は、カーボンブラックの凝集を抑制するために均等に行う必要がある。具体的には、焼成炉内で回転体を回転させながら焼成したり、熱風の循環の改善等の方法や、上記加熱温度より低温で焼成炉内に回転体を投入して昇温速度を小さくするなどの方法が挙げられる。
最後に、室温まで冷却した後、回転体から取り外して中間転写体を得る。
製造する中間転写体の厚さは、50〜200μmの範囲内とすることが好ましい。
次に、上述のようにして得られた中間転写体として、無端状の中間転写ベルトを使用した電子写真方式の画像形成装置について説明する。
図3は、画像形成装置の一例を示す概略断面構成図である。なお、図3では、フルカラー画像形成装置の場合を示している。
画像形成装置1は、複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体形成ユニット7と、記録媒体Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としてのベルト式定着装置24と、を備えている。画像形成装置1の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
給紙カセット20内に収容された用紙等の記録媒体Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5Aに搬送され、記録媒体P上にカラー画像が一括転写される。
<塗布液1の調製及び中間転写ベルトの製造>
有機極性溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)775gにカーボンブラック(バルカンXC、キャボット社製、ファーネスブラック)150gと、分散用樹脂として、宇部興産製UワニスA(BPDA/ODA)75gをボールミルにて室温で6時間混合して得た均一のカーボンブラック分散液を得た。ポリアミド酸溶液として、宇部興産製UワニスA(BPDA/ODA)を3675g用意し、カーボンブラック分散液とポリアミド酸溶液とを混合し、さらに、下記表1に示す貧溶媒(a)を添加した。このときの添加量は、カーボンブラック分散液とポリアミド酸溶液との混合溶液に対して5質量%となるように調整し、ボールミルにて室温で混合し、塗布液1を得た。
このようにして得られた塗布液1をすぐに、外径300nm、長さ500nmの回転体の外面にディスペンサーを用いて厚さ700μmとなるように塗布し、その後、回転体を回転させることによって均一な塗布面を得た。
その後、回転体の外側から60℃の熱風を30分間あてて乾燥した後、150℃で60分間加熱し、さらに350℃で30分間加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去及びイミド転化を行った。その後、室温に戻し、回転体から離型し、目的とする中間転写ベルトを得た。得られた中間転写ベルトの厚さは75μmであった。
また、経時変化の影響を確認するために、塗布液を調製してから3日保管した液を用いて、上記と同様の手順で中間転写ベルトを得た。
上記塗布液1の調製及び中間転写ベルトの製造において、貧溶媒(a)を、下記表1に示す貧溶媒(b)〜(k)、及び下記表2に示す含有量に変更した以外は同様にして塗布液2〜12、14、15を調製した。塗布液調製後すぐに中間転写ベルトを製造し、塗布液を調製してから3日保管した液を用いて中間転写ベルトを製造した。
上記塗布液1の調製及び中間転写ベルトの製造において、貧溶媒(a)を添加しない以外は、同様にして塗布液13を調製した。塗布液調製後直ぐに中間転写ベルトを製造し、塗布液を調製してから3日保管した液を用いて中間転写ベルトを製造した。
製造した中間転写ベルトの周方向4点と、幅方向3点の表面比抵抗を測定して、平均値を算出した。なお、表面比抵抗は、三菱化学アナリテック(株)製ハイレスタUP MCP−HT450型を使用して測定した。
塗布液調製後、すぐに作製した中間転写ベルトと、3日保管した塗布液を用いて作製した中間転写ベルトの表面比抵抗の平均値から、抵抗値の対数変化率を下記式で算出した。
抵抗値の対数変化率=LOG((3日保管した塗布液で作製した中間転写ベルトの表面比抵抗の平均値Ω/□)/(塗布液調製後、すぐに作製した中間転写ベルトの表面比抵抗の平均値Ω/□))
上記抵抗値の対数変化率が、0.5未満であれば実用上問題ないレベルであり、0.5以上であれば実用上問題となる可能性があるとし、その抵抗値の対数変化率の値を下記表2に示した。
7 無端ベルト状中間転写体形成ユニット
70 中間転写ベルト
100 回転体
101 ディスペンサー
102 ヒーター
T 塗布液
Claims (4)
- カーボンブラックを含有する半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法であって、
少なくとも下記工程(1)〜(5)を有し、かつ、下記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物を貧溶媒として用いることを特徴とする半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法。
(1)有機極性溶媒中に、カーボンブラックを分散してカーボンブラック分散液を調製するカーボンブラック分散液調製工程
(2)ポリアミド酸溶液と、前記カーボンブラック分散液とを混合する混合工程
(3)ポリアミド酸樹脂が溶解しない前記貧溶媒を、前記ポリアミド酸溶液及び前記カーボンブラック分散液の混合溶液に、当該混合溶液に対する含有量が2〜20質量%の範囲内となるように添加して塗布液とする貧溶媒添加工程
(4)前記塗布液を金型に塗布する塗布工程
(5)前記金型に塗布した前記塗布液を乾燥し、焼成してイミド化するイミド化工程
一般式(A):R1−OH
〔一般式(A)中、R1はCH3−(CH2)n、(n=2〜5)を表す。〕
一般式(B):R2−(OH)2
〔一般式(B)中、R2は(CH2)m、(m=2又は3)を表す。〕 - 前記貧溶媒の沸点が、90〜200℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法。
- 前記貧溶媒のSP値が、21.9〜29.9(MPa)1/2の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法。
- 前記半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法で用いられるポリアミド酸溶液は、有機極性溶媒中に、酸二無水物とジアミンを溶解し、重合してポリアミド酸溶液を調製するポリアミド酸溶液調製工程を経て作製されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導電性ポリイミド中間転写体の製造方法。
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