JP2008095006A - ポリアミック酸組成物、ポリイミド成型物及びその製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents

ポリアミック酸組成物、ポリイミド成型物及びその製造方法、並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な貯蔵安定性と、加熱時に発生するボイドの効率的な抑制と、を両立したポリアミック酸組成物、ボイドの発生がなく品質に優れたポリイミド成型物、並びに前記ポリイミド成型物を用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、ポリアミック酸と熱潜在性触媒(好ましくはプロトン酸又はプロトン酸誘導体含有)とを含有するポリアミック酸組成物、該ポリアミック酸組成物を脱水イミド化して製造されるポリイミド成型物、並びに、像保持体と、像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有してなり、前記ポリイミド成型物を具備する(特に中間転写ベルト、搬送ベルト、定着ベルトとして好適に具備する)画像形成装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な貯蔵安定性と触媒の揮発によるボイド発生の防止とを両立したポリアミック酸組成物、前記ポリアミック酸組成物から製造されることによりボイドの発生がなく良好な品質を有するポリイミド成型物及びその製造方法、並びに、前記ポリイミド成型物を具備する画像形成装置に関する。
ポリイミド成型物は、その耐熱性、耐放射線性、耐薬品性、機械的強度、寸法安定性等の特徴から、電気電子部品の分野から航空機の分野まで幅広く使用されている。例えば、電気電子部品の分野では、フレキシブルプリント基板、液晶表示素子の液晶配向膜、半導体装置の絶縁膜又は保護膜、伝導体被覆膜などに広く用いられている。
また近年では、画像形成装置の部品、例えば、用紙の分離爪、ベアリングや、定着ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト等のベルト部材等に使用されている。
ここで、ポリアミック酸組成物は上記ポリイミド成型物を作製するための塗料、その他の接着剤等に利用されており、一般に、ポリイミド樹脂は溶剤に不溶なので、その前駆体であるポリアミック酸の溶液を成型し、溶媒の乾燥後に加熱してアミック酸基の脱水イミド化反応を行い、ポリイミド成型物を得る。
また、上記画像形成装置とは、導電性材料からなる感光体上に一様に電荷を形成し、変調した画像信号をレーザーなどで静電潜像を形成した後、帯電したトナーにより静電潜像を現像してトナー像とする。次いで、このトナー像を直接又は中間転写体を介して、紙、厚紙、OHPシート等の記録媒体に転写し、熱と圧力による定着方式(熱定着方式)等の手段によって定着させ画像を得るものである。
これまで、上記熱定着方式としては、2本のロールの間に記録媒体を通して、圧力と熱を同時に与える2ロール定着方式が提供されてきた。しかし、近年、機械の高速化や、環境に配慮するための省エネルギー化に対応するために、フリーベルトニップ定着(FBNF)方式(例えば、特許文献1及び2参照)という、熱を与える可動のロールとフリーのベルトとを定着体として用いた方式が提供されている。この方式は、記録媒体と定着体の接触面積が大きいことと、ロールが薄肉なことから、従来の2ロール定着方式に比べ、高速定着及び省エネルギー(ウォームアップ時間の短縮等)での稼動が可能であるとの利点を有する。
前記転写ベルト、用紙搬送ベルトや定着ベルト(フリーベルト)の材料としては、ポリイミド樹脂が、その耐熱性、寸法安定性、機械的強度から適している。また、特に転写ベルトや用紙搬送ベルトとして用いる場合、ベルトは半導電性であることが必要であるが、ポリイミド樹脂自体は一般に絶縁性であるため、ポリイミド樹脂に対して各種の導電性物質(カーボンブラック、グラファイト、金属粒子、酸化インジウム等)を分散させることにより、電気抵抗値を制御している。
しかし、脱水イミド化反応には一般に200℃〜350℃の高温での加熱を必要とし、完全に反応を完結するためには、多くのエネルギーを必要とし、エネルギー消費の点から問題があった。
また、ポリイミド成型物の製造には、高温焼成による脱水イミド化反応に伴い、表面や塗膜中にボイド(空隙)が発生する問題があった。更には、前記のようにベルト状に成型する場合、高温焼成による脱水反応の際の体積収縮によって応力が発生し膜厚不均一性を生じる問題があり、また導電性を得るために導電性物質を添加する場合には、高温焼成によって抵抗値のばらつきを生じる問題もあり、これらの問題によって製造時にスペックアウトする率も高いものであった。該スペックアウトしたポリイミドベルトを、特に転写ベルト、用紙搬送ベルト或いは定着ベルトとして画像形成装置に搭載した場合、画質に印字ズレ、印字濃度ムラが生じるといった問題点があった。
前述の脱水イミド化反応の際のエネルギー消費の問題、及び高温焼成によるスペックアウトの問題を改善するために、3級アミン等の触媒を添加して脱水イミド化反応を行う方法が開示されており(例えば、特許文献3及び4参照)、触媒を用いることにより、脱水イミド化反応時に必要とされる温度が下がり、エネルギー消費を抑えることができる。
しかし、触媒を用いた場合には塗液の粘度が上昇する、ゲル化してしまう等、ポリアミック酸組成物の貯蔵安定性が低下するという問題があった。また、3級アミン類は触媒能があまり高くないため多量の添加を必要とし、ポリアミック酸組成物の乾燥成形工程、脱水イミド化反応を行うイミド化工程の際、大量に揮発してしまうため、ポリイミド成型物のボイドの発生、(ベルト状に成型する場合の)膜厚不均一性、(導電性を付与する場合の)抵抗値のばらつき、(転写ベルト、用紙搬送ベルト、定着ベルトとして用いる場合の)画質の印字ズレ及び印字濃度ムラといった課題にも十分に対応できなかった。
一方、ポリアミック酸組成物に脱水イミド化反応の触媒としてオキシカルボン酸類を添加する手法が開示されている(例えば、特許文献5及び6参照)。この手法はエネルギー消費が抑えられることに加え、オキシカルボン酸類の揮発性が低いことによって、前述のボイドの発生、膜厚不均一性、抵抗値のばらつき、画質の印字ズレ及び印字濃度ムラ、といった問題を解消することが可能となった。
しかし、依然、触媒を用いることによる貯蔵安定性低下の問題は残り、更に導電性を付与するために導電剤を分散する場合においては、オキシカルボン酸類のような酸触媒ではポリアミック酸組成物のpHが急激に変化することにより、導電剤の分散性が悪化するという問題が発生した。
特開2005−37678号公報 特開2003−107936号公報 特開2002−283366号公報 特開2004−287005号公報 特開2002−192674号公報 特開平7−138479号公報
前述のように、従来の低温での脱水イミド化反応が可能な(つまり触媒を含有する)ポリアミック酸組成物は、良好な貯蔵安定性とボイド発生の抑制とを両立することができず、品質に優れたポリイミド成型物を提供することができなかった。
即ち本発明の目的は、良好な貯蔵安定性と、加熱時に発生するボイドの効率的な抑制と、を両立したポリアミック酸組成物、ボイドの発生がなく品質に優れたポリイミド成型物及びその製造方法、並びに前記ポリイミド成型物を用いた画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、熱潜在性触媒を含むポリアミック酸組成物を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のポリアミック酸組成物は、
<1> 少なくとも、ポリアミック酸と、熱潜在性触媒と、を含有するポリアミック酸組成物である。
<2> 前記熱潜在性触媒の解離生成物が、少なくともプロトン酸又はプロトン酸誘導体を含有する前記<1>に記載のポリアミック酸組成物である。
<3> 導電剤を含有する前記<1>又は<2>に記載のポリアミック酸組成物である。
<4> 前記<1>〜<3>の何れか1項に記載のポリアミック酸組成物を脱水イミド化して製造されるポリイミド成型物である。
<5> 前記<1>〜<3>の何れか1項に記載のポリアミック酸組成物を用い、成型器にて成型し乾燥させる乾燥成型工程と、成型後のポリアミック酸組成物を脱水イミド化するイミド化工程と、を有するポリイミド成型物の製造方法である。
<6> 像保持体と、像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有してなり、前記<5>に記載のポリイミド成型物を具備する画像形成装置である。
<7> 前記転写手段に用いられる中間転写ベルト又は搬送ベルトと、前記定着手段に用いられる定着ベルトと、から選ばれる少なくとも1種に前記<5>に記載のポリイミド成型物を用いる前記<6>に記載の画像形成装置である。
本発明によれば、良好な貯蔵安定性と、加熱時に発生するボイドの効率的な抑制と、を両立したポリアミック酸組成物、ボイドの発生がなく品質に優れたポリイミド成型物及びその製造方法、並びに前記ポリイミド成型物を用いた画像形成装置を提供することができる。
本発明のポリアミック酸組成物は、少なくともポリアミック酸と、熱潜在性触媒とを含有することを特徴とする。また、必要に応じ導電剤などの添加剤を添加してもよい。
本発明においては脱水イミド化反応の促進に熱潜在性触媒を用いるため、製造時の反応促進性を付与することができ、且つ貯蔵時の安定性と、加熱焼成の際に発生するボイドの効率的な抑制と、を両立することができる。
また、ポリイミド成型物をベルト状に成型する場合には、高温焼成による膜厚不均一性を改善することができる。更には、導電剤を添加する場合には、高温焼成による抵抗値のばらつきを抑制できると共に、触媒の添加によるpHの急激な変化を伴わないため導電剤の分散安定性も得られる。
以下、本発明のポリアミック酸組成物、ポリイミド成型物およびその製造方法、それを用いた画像形成装置について詳述する。
<ポリアミック酸組成物>
本発明のポリアミック酸組成物は、前述のとおり、ポリアミック酸と熱潜在性触媒とを含有してなり、更に導電剤等を含有させることができる。ポリアミック酸組成物は種々の方法により作製することができるが、以下にその一例を示す。
−ポリアミック酸−
一般的にポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得られる。尚、ポリアミック酸は、その一部にポリイミド構造を含んだポリイミド−ポリアミック酸共重合体であってもよい。
用いるテトラカルボン酸二無水物としては、以下のようなものが挙げられ、所望の特性を得るために任意のものを用いることができる。また、それらは単独で用いても、混合して用いてもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と、脂肪族テトラカルボン酸二無水物と、脂環式テトラカルボン酸二無水物と、の三つに大きく分類される。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独又は二種類以上組み合わせても使用することができる。
尚、上記ポリアミック酸組成物により、画像形成装置内のベルト(中間転写ベルト、搬送ベルト、定着ベルト等)として用いられるポリイミドベルトを製造する場合には、上記テトラカルボン酸二無水物としては、強度の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が適している。
また、用いるジアミンとしては以下のようなものが挙げられ、所望の特性を得るために任意のものを用いることができる。また、それらは単独で用いても、混合して用いてもよい。
上記ジアミンは、芳香族ジアミンと、脂肪族ジアミンと、脂環式ジアミンと、の三つに大きく分類される。
芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等が挙げられ、また、当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミンとして、ジアミノテトラフェニルチオフェン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミンとしては、1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエチレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
これらのジアミンは単独又は二種類以上組み合わせても使用することができる。
尚、上記ポリアミック酸組成物により、画像形成装置内のベルト(中間転写ベルト、搬送ベルト、定着ベルト等)として用いられるポリイミドベルトを製造する場合には、ポリイミド成型物の強度の観点から、芳香族ジアミンが好ましく、特に4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが適している。
−溶媒−
上記材料を用いてポリアミック酸組成物を得る際は、無溶剤で調製することもできるが、以下に挙げるような有機極性溶媒中で調製することが好ましい。
尚、有機極性溶媒はポリアミック酸及びポリアミック酸−ポリイミド共重合体を溶解するものであれば、特に制限はない。
有機極性溶媒としては、スルホキシド系溶媒のジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等、ホルムアミド系溶媒のN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等、アセトアミド系溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等、ピロリドン系溶媒のN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等、フェノール系溶媒のピロリドンフェノール、o−、m−又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等、エーテル系溶媒のテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
これらの有機極性溶媒は単独又は二種類以上組み合わせても使用することができ、更には他の溶剤と混合して用いこともできる。混合して用いる場合にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用することができる。
上記溶媒中でポリアミック酸組成物を調製した場合の、ポリアミック酸溶液の固形分濃度は特に限定されるものではないが、5〜50質量%が好ましく、特に10〜30質量%が好適である。固形分濃度が5質量%未満であるとポリアミック酸の重合度が低く、ポリイミド成型物の強度が低下することがあり、固形分濃度が50質量%より高いと原料モノマーの不溶部が生じ反応が進行しにくい場合がある。
また、ポリアミック酸の重合温度は、0℃〜80℃の範囲で行うことが好ましい。重合温度が0℃未満であると、溶液の濃度が高くなり、反応系の攪拌が十分に行えない場合があり、一方反応温度が80℃を超えると、ポリアミック酸の重合と並行して、一部イミド化反応が生起してしまう場合がある。
−導電剤−
また、前述のようにポリイミド成型物に導電性を付与し電気抵抗値を制御する必要のある場合は、ポリアミック酸組成物に抵抗制御のための導電剤(導電性物質)を分散させることにより電気抵抗値を制御可能となる。
本発明に使用される導電剤としては、電気抵抗値の調整が容易なことから、導電性をもつカーボンブラックが好ましく、特に、分散安定性と、電気抵抗の安定性より、pH5.0以下の酸性カーボンブラックが適している。
酸性カーボンブラックとは、カーボンブラックの表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を有するものである。この酸性カーボンブラックは、カーボンブラックの表面に酸化処理を施すことにより得られる酸化処理カーボンブラックが好ましい。上記酸化処理としては、高温雰囲気下で空気と接触させ反応させる空気酸化法、常温下で温度酸化する方法、コンタクト法、ファーネスブラック法等がある。
カーボンブラックの種類としては、ケッチエンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。
尚、ここでいうpHは以下の測定方法により測定された値をいう。
酸性カーボンブラックのpHは、カーボンブラックの水性懸濁液を調製(例えば、水100mlに酸性カーボンブラック1gを分散し、5分間煮沸させて、上澄み液を除去した残渣である水スラリーを調製)し、pHメータの電極で測定することで求められる。
また、所定の電気抵抗を得ることができれば、半導電性のカーボンブラックや、他の導電性もしくは半導電性粒子も使用することができる。
他の導電性もしくは半導電性粒子としては、アルミニウム、ニッケル等の金属、酸化イットリウム、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が挙げられる。また、LiCl等のイオン導電性物質、ポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等の導電性高分子材料の添加も可能である。
これらを単独又は二種類以上組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸組成物中の導電剤の配合量は、ポリアミック酸100質量部に対して、20〜40質量部配合されることが好ましい。20質量部未満または40質量部を超える配合量であると、所定の電気抵抗値を得ることが難しい。
導電剤の分散は、(i)テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、有機極性溶媒中で溶解させてポリアミック酸を重合したポリアミック酸溶液に、導電剤を分散させて分散液とし、さらに熱潜在性触媒の少なくとも一種類以上を溶解してポリアミック酸組成物を得る方法、(ii)有機極性溶媒に導電剤を分散させた後、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを溶解させてポリアミック酸を重合した分散液に、さらに熱潜在性触媒の少なくとも一種類以上を溶解してポリアミック酸組成物を得る方法等を適宜用いることが可能である。
−熱潜在性触媒−
本発明に用いられる熱潜在性触媒とは、常温常圧の通常条件では活性を示さず、外部刺激としての加熱により活性を示す触媒のことをさし、本発明においては「解離温度が50℃以上の触媒」を熱潜在性触媒と定義する。
つまり、液保管温度では触媒能を発揮せず、脱水イミド化反応時に触媒能を発揮するため、焼成時の低温度化と保存安定性とを両立することができる。
尚ここで、上記解離温度の定義および測定方法について説明する。
本発明での「解離温度」とは、触媒が温度変化により、高分子中に包含されている分子の高分子外放出、空孔化合物に分配・吸着している分子の脱着、塩の解離、触媒活性を示す反応基の生成、錯体の解離などの分子構造変化を起こし、これによって初めて触媒活性を示す温度をさす。
本発明での「解離温度」の測定には、感度が温度に依存しない入力補償示差走査熱量測定装置(Diamond DSC、株式会社パーキンエルマージャパン製)を用いた。本発明に係る熱潜在性触媒10mgを該装置により、一定の測定条件(昇温速度:40℃/min、基準物質:α−アルミナ)の下で測定を行い、横軸が温度(℃)、縦軸が熱流量(J/s)のチャートから吸熱ピーク時の温度を読みとり、「解離温度」とした。
尚、市販品の熱潜在性触媒に「解離温度」またはそれに対応する値についての記載があるものに関しては、その値を優先して用いるた。
熱潜在性触媒の解離温度は、ポリイミド成型物の製造方法における乾燥工程において、有機溶剤の沸点以上で、且つポリアミック酸組成物のイミド化反応が起こらない乾燥温度を指定することが品質の点で好ましいことから、90℃以上であることが好ましく、120℃以上であることが特に好ましい。
また、解離温度の上限値は、イミド化工程での速やかな反応を行うことが、品質および生産コストの点で好ましいことから、180℃以下であることが好ましく、150℃以下であることが特に好ましい。
熱潜在性触媒としては、例えば以下のものが挙げられる。
(a)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体をポリマーで粒子状に包んだマイクロカプセル
(b)ゼオライトのような多孔性物質にプロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を吸着させたもの
(c)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を塩基でブロックしたもの
(d)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を一級もしくは二級のアルコールでエステル化したもの
(e)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体をビニルエーテル類及び/又はビニルチオエーテル類でブロックしたもの
(f)三フッ化ホウ素のモノエチルアミン錯体
(g)三フッ化ホウ素のピリジン錯体
尚、これら中でも、触媒能、貯蔵安定性、入手性、コストの面から(c)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を塩基でブロックしたものが特に好ましい。
(a)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体をポリマーで粒子状に包んだマイクロカプセル
プロトン酸としては、硫酸、塩酸、酢酸、ギ酸、硝酸、リン酸、スルホン酸、モノカルボン酸、ポリカルボン酸類、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フタル酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、o−、m−、p−トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
また、プロトン酸誘導体としては、スルホン酸、リン酸等のプロトン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩などの中和物、プロトン酸骨格が高分子鎖中に導入された高分子化合物(例えばポリビニルスルホン酸等)等が挙げられる。
これらプロトン酸及びプロトン酸誘導体の中でも、特に、ベンゼンスルホン酸、o−、m−、p−トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のベンゼンスルホン酸類が好ましい。
また、上記プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を包むポリマーの単量体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル等のメタアクリル系化合物、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等の単官能性単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能性単量体等が挙げられる。
上記プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体とポリマーとをマイクロカプセル化する方法として、一例を挙げると、上記プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体と上記ポリマーの単量体(モノマー)とを分散したカプセル材料に、必要に応じて分散剤、重合促進剤を加え、分散混合し、加熱重合反応することにより、ポリマー中にプロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を内包したマイクロカプセルを得ることができる。この方法は、一般的な懸濁重合法又は乳化重合法に準じている。
(b)ゼオライトのような多孔性物質にプロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を吸着させたもの
多孔性物質としては、ゼオライト類、メソ多孔体類、粘土、活性炭等が挙げられる。
また、吸着させるプロトン酸及びプロトン酸誘導体の具体例及び好ましい例としては、前記(a)において列挙したものと同様のものを挙げることができる。
(c)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を塩基でブロックしたもの
上記プロトン酸及びプロトン酸誘導体の具体例及び好ましい例としては、前記(a)において列挙したものと同様のものを挙げることができる。
また、プロトン酸をブロックする塩基としてはアミン類が挙げられる。アミン類は1級、2級又は3級アミンに分類され、特に制限はなく本発明ではいずれも使用できる。
1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、セカンダリーブチルアミン、アリルアミン、メチルヘキシルアミン等が挙げられる。
2級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、N−イソプロピル−N−イソブチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジセカンダリーブチルアミン、ジアリルアミン、N−メチルヘキシルアミン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、モルホリン、N−メチルベンジルアミン等が挙げられる。
3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジン、N−ピロピルジアリルアミン、3−ジメチルアミノプロパノール、2−エチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジン、2−メチル−4−エチルピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、3−メチル−4−エチルピリジン、3−エチル−4−メチルピリジン、4−(5−ノニル)ピリジン、イミダゾール、N−メチルピペラジン等が挙げられる。
これらアミン類の中でも、3級アミンがより好ましく、具体的には、トリエチルアミン、2,5−ルチジン、イミダゾール、N、N−ジメチルアリルアミンが特に好ましい。
上記(c)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を塩基でブロックしたものの市販品としては、キングインダストリーズ社製の「NACURE2501」(トルエンスルホン酸解離、メタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.0〜7.2、解離温度80℃)、「NACURE2107」(p−トルエンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH8.0〜9.0、解離温度90℃)、「NACURE2500」(p−トルエンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH6.0〜7.0、解離温度65℃)、「NACURE2530」(p−トルエンスルホン酸解離、メタノール/イソプロパノール溶媒、pH5.7〜6.5、解離温度65℃)、「NACURE2547」(p−トルエンスルホン酸解離、水溶液、pH8.0〜9.0、解離温度107℃)、「NACURE2558」(p−トルエンスルホン酸解離、エチレン/グリコール溶媒、pH3.5〜4.5、解離温度80℃)、「NACUREXP−357」(p−トルエンスルホン酸解離、メタノール溶媒、pH2.0〜4.0、解離温度65℃)、「NACUREXP−386」(p−トルエンスルホン酸解離、水溶液、pH6.1〜6.4、解離温度80℃)、「NACUREXC−2211」(p−トルエンスルホン酸解離、pH7.2〜8.5、解離温度80℃)、「NACURE5225」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH6.0〜7.0、解離温度120℃)、「NACURE5414」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、キシレン溶媒、解離温度120℃)、「NACURE5528」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH7.0〜8.0、解離温度120℃)、「NACURE5925」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH7.0〜7.5、解離温度130℃)、「NACURE1323」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、キシレン溶媒、pH6.8〜7.5、解離温度150℃)、「NACURE1419」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、キシレン/メチルイソブチルケトン溶媒、解離温度150℃)、「NACURE1557」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、ブタノール/2−ブトキシエタノール溶媒、pH6.5〜7.5、解離温度150℃)、「NACUREX49−110」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.5〜7.5、解離温度90℃)、「NACURE3525」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH7.0〜8.5、解離温度120℃)、「NACUREXP−383」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、キシレン溶媒、、解離温度120℃)、「NACURE3327」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.5〜7.5、解離温度150℃)、「NACURE4167」(リン酸解離、イソプロパノール/イソブタノール溶媒、pH6.8〜7.3、解離温度80℃)、「NACUREXP−297」(リン酸解離、水/イソプロパノール溶媒、pH6.5〜7.5、解離温度90℃)、「NACURE4575」(リン酸解離、メタノール/ブタノール溶媒、pH7.0〜8.0、解離温度110℃)等が挙げられる。
(d)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を一級もしくは二級のアルコールでエステル化したもの
上記プロトン酸及びプロトン酸誘導体の具体例及び好ましい例としては、前記(a)において列挙したものと同様のものを挙げることができる。
一級もしくは二級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール等が挙げられる。
(e)プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体をビニルエーテル類及び/又はビニルチオエーテル類でブロックしたもの
上記プロトン酸及びプロトン酸誘導体の具体例及び好ましい例としては、前記(a)において列挙したものと同様のものを挙げることができる。
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−ピラン−2−カルボン酸ナトリウム等の環状ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルチオエーテル類としては、上記ビニルエーテル類に対応するビニルチオエーテル化合物(即ち、上記ビニルエーテル類の具体例におけるビニルエーテル基をビニルチオエーテル基に置き換えた化合物)が挙げられる。
これらの熱潜在性触媒は単独又は二種類以上組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸組成物中の熱潜在性触媒の配合量は、ポリアミック酸の配合量に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、特に0.1〜10質量%が適している。20質量%を超える配合量であると、焼成処理後に異物となって析出することがあり、一方0.01質量%未満であると、触媒としての活性が得難くなる。
また、上記熱潜在性触媒を添加するタイミングとしては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、有機極性溶媒中で溶解させてポリアミック酸を重合した後(導電性を付与する場合には導電剤を分散させた状態で)、添加し、ポリアミック酸溶液中に溶解させて、本発明のポリアミック酸組成物を得ることが好ましい。上記タイミングで添加することにより、ポリアミック酸の重合反応を効率よく行うことができる。
<ポリイミド成型物およびその製造方法>
本発明のポリイミド成型物は、前述のポリアミック酸組成物を脱水イミド化して製造され、より具体的には、(1)成型器にて成型し乾燥を行う乾燥成型工程と、(2)成型後のポリアミック酸組成物を脱水イミド化するイミド化工程と、を有する製造方法によって製造される。
本発明のポリイミド成型物は、前述のポリアミック酸組成物を用いているため、ボイドの発生がなく、品質に優れている。またベルト状のポリイミド成型物においては、高温焼成による膜厚不均一性が改善されており、均一な膜が形成され、更に導電性を有するポリイミド成型物においては、高温焼成による抵抗値のばらつきが抑制され、且つ導電剤の分散安定性に優れていることから、良好な導電性を有している。
本発明のポリイミド成型物は、例えば、画像形成装置の部品である、用紙の分離爪、ベアリングや、定着ベルト、転写ベルト、用紙搬送ベルト等のベルト部材等に好適に使用される。またその他、電気電子部品の分野では、フレキシブルプリント基板、液晶表示素子の液晶配向膜、半導体装置の絶縁膜又は保護膜、伝導体被覆膜などに用いることができる。
上記ポリイミド成型物の製造方法において、成型される形状や成型の方法は特に制限されず、適用される部材ごとに適した形状、成型方法をとることができる。例えば、上記のように画像形成装置のベルト部材として用いられる場合は、継ぎ目のないエンドレスベルト状であることが好ましく、以下においては、エンドレスベルト状のポリイミド成型物(以下、単に「ポリイミドベルト」と称する場合がある)の製造方法の一例について説明する。
ポリイミドベルトは、以下に示す、(0)原料配合(ポリアミック酸組成物の調製)および外型(金型)準備工程、(1)乾燥成型工程、(2)イミド化工程、(3)カット検査工程等を経て製造される。
(0)原料配合および外型準備工程
原料配合工程におけるポリアミック酸組成物の調製は、前述の方法によって行われる。
外型準備工程では、SUS、鉄、アルミ、フッ素樹脂などの寸法形状の安定した耐熱性のある材料によって製造された、内壁面及び外壁面がいずれも同心円状に形成された円筒状の外型が用意される。尚、外型の内壁には離型剤層を形成する処理が施されることが好ましい。
(1)乾燥成型工程
乾燥成型工程では、図1(A)および(B)に示すように、前記原料配合工程にて調製したポリアミック酸組成物11Aを、前記外型準備工程で準備した外型12の内部にそのまま注入し、密封する。次いで、図2(A)および(B)に示すように、外型12をロールミル装置などに見られるような同一方向に回転した2つの軸13上に載せて回転させながら、風乾、或いはヒーター等による加熱(好ましくは50〜200℃)によって乾燥し、ポリアミック酸組成物11Aの含有溶媒を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上揮発させ、ポリアミック酸組成物11Aを遠心成型する。
尚、ポリアミック酸組成物11Aは、完全に脱水イミド化反応させてしまうと外型12からの抜き取りが困難となるため、特に上記のようにヒーター等の加熱によって乾燥する場合には、加熱条件を調整して実質的にイミド化反応させないように成型され、図3に示すように、円筒状の外型12の内壁面から抜き取られる。本発明においては、熱潜在性触媒の解離温度未満で乾燥を行うことにより脱水イミド化反応の生起を抑制することができ、容易に外型12の内壁面からの抜き取りが可能となる。
(2)イミド化工程
外型12から抜き取られたエンドレスベルト状のポリアミック酸組成物11Aに、図4に示すように、円柱状の内型14を挿入する。その後、ポリアミック酸組成物11Aを内型14ごとオーブン炉等の高温の加熱装置に入れ、加熱焼成し脱水イミド化させる。尚、本発明のポリアミック酸組成物の脱水イミド化反応の温度(焼成温度)は、好ましくは150〜450℃の範囲であり、また用いる熱潜在性触媒の解離温度以上に設定することが好ましい。このイミド化工程により、ポリアミック酸組成物11Aは縮んで内型14の外壁にフィットし、イミド転化してポリイミドベルト11Bとなる。
(3)カット検査工程
図5に示すように、脱水イミド化されたポリイミドベルト11Bを内型14から取り外し、その後所望の長さに切断され、検査工程を経て、エンドレスベルト状のポリイミド成型物が得られる。
また、用紙の分離爪、ベアリングに用いるポリイミド成型物は、例えば射出成型機を用いて成型することにより、容易に得ることができる。
<画像形成装置>
本発明のポリイミド成型物は、前述の通り、画像形成装置における用紙の分離爪、ベアリング、中間転写体の中間転写ベルト、定着装置の定着ベルト、中間転写体を有しない一括転写方式における用紙搬送ベルト等のベルト部材等に用いることができる。
以下、本発明のポリイミド成型物を具備する画像形成装置の例について説明する。しかし、本発明の画像形成装置は以下の例に限定されるものではなく、様々な構成のものに応用するものである。
図6は、中間転写装置及び定着装置を有する画像形成装置の概略構成図である。該画像形成装置は、中間転写ベルト2、定着ベルト52及び用紙の分離爪59を備えており、何れも本発明のポリイミド成型物が適用されている。
上記画像形成装置は、トナー像の保持体である像保持体(感光体)1、像保持体1にトナーを供給する現像装置6、循環して像保持体1上のトナーを一次転写位置から二次転写位置へ搬送する中間転写ベルト2、像保持体1上のトナーを一次転写位置で中間転写ベルト2に転写する転写電極である導電性ロール25、二次転写位置で中間転写ベルト2のトナー像が保持された表面側に設置された転写電極であるバイアスロール3、バイアスロール3を中間転写ベルト2を挟んで対向するように配置されたバックアップロール22、バックアップロール22に圧接して回転する電極ロール26、中間転写ベルト2を支持して中間転写ベルト2の循環をガイドする支持ロール21、23、24、記録媒体41、記録媒体41を供給する容器4、容器4から記録媒体41をフィードするフィードロール42、トナー像が転写された記録媒体41が搬送される通路である搬送路43、及び定着ベルト52を備えた定着装置5を有する。
この画像形成装置の動作について以下に説明する。
像保持体1は、矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置によって表面が一様に帯電される。その帯電された像保持体1には、図示しない画像書き込み装置によってレーザが照射されて静電潜像が形成される。
この静電潜像が現像装置6によって供給されたトナーにより可視化されて、トナー像Tが形成される。トナー像Tは、像保持体1の回転によって導電性ロール25が配置された一次転写位置に到り、導電性ロール25からトナー像Tのトナーが帯びている電荷とは逆極性の電圧が印加されて、静電的に中間転写ベルト2に吸着される。中間転写ベルト2は、一次転写位置で像保持体1表面と接しながら矢印B方向へ移動するので、像保持体1上のトナー像Tは、その移動とともに中間転写ベルト2上に順次吸着されて一次転写される。中間転写ベルト2上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト2の循環によってバイアスロール3が設置された二次転写位置に搬送される。
記録媒体41が、容器4からフィードロール42によって所定のタイミングで二次転写位置の中間転写ベルト2とバイアスロール3との間に給送される。トナー像をのせた中間転写ベルト2が、その二次転写位置で、バイアスロール3及びバックアップロール22により記録媒体41に圧接されつつ、電極ロール26からバックアップロール22を通してそのトナー像の極性と同極性の電圧が印加されることにより、そのトナー像は記録媒体41に吸着される。中間転写ベルト2は二次転写位置で記録媒体41とともに矢印Bの方向に循環するように移動するため、中間転写ベルト2上のトナー像は、その移動とともに記録媒体41に順次吸着されて二次転写される。
トナー像が転写された記録媒体41は、搬送路43を通り定着装置5に搬送される。記録媒体41上のトナー像は、以下に図7とともに詳細に示すように、定着装置5によって加圧/加熱処理されて記録媒体41上に定着される。
図7は、図6に示す画像形成装置の定着装置を拡大して示す概略構成図である。
定着装置5は、内部に加熱源を有する中空ロール(例えば、内部にハロゲンランプからなる加熱源を有するアルミニウム製中空ロール)51a、弾性体層(例えば、中空ロール51aの表面上に積層された液状シリコンゴム(Liquid silicone Rubber)製の弾性体層)51b、及び耐熱離型耐油層(例えば、弾性体層51bの表面にフッ素ゴムを塗布した耐熱離型耐油層)51cとで構成された、矢印C方向に回転するように駆動される定着ロール51、定着ロール51の駆動にともない矢印Dの方向に循環するように従動する定着ベルト52、定着ベルト52を定着ロール51に圧接して広い接触幅の接触領域Nを形成する加圧パッド(例えば、金属製台座上にシリコンゴムを一体成型してなる加圧パッド)56、定着ベルト52を支える第1の支持ロール54、接触領域Nから定着ベルト52の循環の上流側に位置して定着ベルト52を支えるとともに加熱部を有して定着ベルト52を予備加熱する第2の支持ロール55、接触領域Nから定着ベルト52の循環の下流側に位置して定着ベルト52を支える圧力ロール53、接触領域Nを通過した記録媒体41を定着ロール52から分離する用紙分離爪59を備える。定着ベルト52の接触領域Nと接する部分は、第2の支持ロール55と圧力ロール53に張架されており、圧力ロール53は図示しないコイルスプリングにより定着ロール51中心にむけて加圧されている。
また、定着装置5は、定着ロール51に接触して定着ロール51表面の残留トナーを拭き取るクリーニング手段57、及び定着接触上流で定着ロール51に接触して離型剤を塗布する離型剤均一塗布手段58を備える。
定着装置5の動作を以下に説明する。
未定着トナーを表面に載せた記録媒体41は、図6の搬送路43を経由して定着ベルト52の第2の支持ロール55上に搬送される。記録媒体41は未定着トナーとともに第2の支持ロール55により予備加熱される。第2の支持ロール55から接触領域Nまで定着ベルト52は水平にのびる部分を有し、その水平にのびる部分によって記録媒体41が矢印Eの方向に接触領域Nまで搬送される。接触領域Nを未定着トナー像の付着した記録媒体41が通過する際、定着ロール51がその未定着トナー像を加熱及び加圧することによりその未定着トナー像を記録媒体41上に定着させる。定着ロール51には離型剤均一塗布手段58によって離型剤が塗布されているため、未定着トナー像は記録媒体41に効率良く定着されるが、記録媒体41に定着されずに定着ロール51の表面に付着したトナーが存在すれば、そのトナーはクリーニング手段57によって拭き取られる。トナーが定着された記録媒体41は、接触領域Nを通過した後用紙分離爪59位置まで搬送され、用紙分離爪59によって定着ベルト52から分離され、定着装置5の下流に存在する図示しない排紙位置に排出される。
図8は、中間転写定着装置を有する画像形成装置の概略構成図である。該画像形成装置は、中間転写ベルトと定着ベルトの両方の機能を兼ねる中間転写定着ベルト61を備えており、該中間転写定着ベルト61として本発明のポリイミド成型物が適用されている。
上記画像形成装置では、中間転写定着ベルト61は駆動ロール62、ガイドロール63、64、テンションロール65、及び加熱ローラ66に懸架され、駆動ロール62と加熱ローラ66との間においてそれぞれ異色トナー画像が形成された四個の感光体ドラム67A、67B、67C、67Dが接し、それに対向して転写器68A、68B、68C、68Dが配置され、加熱ローラ66には加圧ローラ69が圧接されている。
上記構成において、中間転写定着ベルト61には四個の感光体ドラム67A、67B、67C、67Dから各色のトナー画像が一次転写され、加熱ローラ66と加圧ローラ69間には記録媒体Pが送り込まれ、中間転写定着ベルト61上の多色トナー画像は記録媒体P上に二次転写されると共に加熱定着される。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
−ポリアミック酸溶液(1)の調製−
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたナスフラスコ(10000ml)中に、5酸化リンによって乾燥した窒素ガスを通じながら、N−メチル−2−ピロリドン5932.8gを注入した。溶液温度を60℃まで加熱した後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル600.6g(3.0mol)を添加して溶解させた。溶液温度を60℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物882.6g(3.0mol)を添加し、攪拌して溶解した。さらに、溶液温度を60℃に保ちながら攪拌を続け、ポリアミック酸への重合反応を24時間行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液(1)を得た。
[実施例1]
−ポリアミック酸組成物(1−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、解離生成物がスルホン酸及び/又はその誘導体とアミンである熱潜在性触媒(NACURE5225、キングインダストリーズ社製、イソプロパノール溶媒、pH6.0〜7.0、解離温度120℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(1−1)を得た。
−ポリアミック酸組成物(2−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、導電剤として酸化処理カーボンブラック(Special Black4、Deggusa社製、pH4.0、揮発分:14.0質量%)25.0gを添加して、ボールミルにて6時間処理した。その後、解離生成物がスルホン酸及び/又はその誘導体とアミンである熱潜在性触媒(NACURE5225、キングインダストリーズ社製、イソプロパノール溶媒、pH6.0〜7.0、解離温度120℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(2−1)を得た。
−ポリイミドベルトの製造−
得られたポリアミック酸組成物(1−1)及び(2−1)を、それぞれ円筒状SUS製金型(外型)の内部に注入して密封した。なお、この円筒状金型には、表面にフッ素系の離型剤を予め塗布することで、ベルト成型後の剥離性を向上させた。
円筒状金型を回転させながら、温度100℃の条件で、30分間乾燥成型工程を行い、ポリアミック酸組成物の含有溶媒の60質量%以上を揮発させ、遠心成型した。遠心成型後のポリアミック酸組成物を外型から抜き取り、その後抜き取ったポリアミック酸組成物に円柱状金型(内型)を挿入して、クリーンオーブン炉に入れ、200℃30分間脱水イミド化反応を行った。反応後のポリアミック酸組成物(即ちポリイミド成型物)を円柱状金型(内型)に嵌めたまま室温で放冷し、その後円柱状金型(内型)から取り外して、カット工程を経て、内径68mm幅340mmのエンドレスベルト状のポリイミドベルト(1−1)及び(2−1)を得た。
尚、このポリイミドベルトの製造は、全ベルト面上で均一な膜厚が得られれば、その膜厚が75μmとなるように調製された条件で製造した。
(ポリイミドベルトの評価)
(I)ベルト膜厚測定(膜厚不均一性)
得られたポリイミドベルト(1−1)及び(2−1)から、それぞれ長さ10cm、幅10cmの試験片をランダムに10箇所切りだした。フィルム厚み計(TECLOCK CORPORATION社製、定圧厚さ測定器PG−02)を用いて、1つの試験片に関し中心と四隅の5点の厚みを測定し、5点の平均値を1つの試験片の厚みとした。上記ポリイミドベルトは75μmの膜厚を基準値としており、10個の試験片のうち、基準値から一番大きい誤差を測定することにより、ベルト膜厚の不均一性を評価した。
(II)イミド化率の測定
得られたポリイミドベルト(1−1)及び(2−1)から試験片を切り出し、FT−IR(堀場製作所製、顕微FT−IR分光器FT−530)によりIRスペクトルの測定を行った。IRスペクトルに現れる1500cm−1の芳香環の振動ピークを基準として、1776cm−1のイミド基に由来するカルボニル基の伸縮ピークの割合を求め、その割合の内400℃焼成ポリイミド膜のピーク割合をイミド化率100%として、ポリイミドのイミド化率を求めた。
(III)ベルト外観
次に、得られたポリイミドベルト(1−1)及び(2−1)の外観を目視にて観察し、以下の基準により評価した。
◎:まったくボイドの発生が見られず、膜の均一性に優れる。
○:ボイドの発生がやや見られるが、実用には問題ない。
△:ボイドの発生が見られ、実用にはやや支障がある。
×:ボイドが多発し、実用できない。
(IV)表面抵抗率の測定
得られたポリイミドベルト(2−1)を、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極の外径Φ16mm、リング状電極部の内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧100Vを印加して、印加後30ミリ秒及び10秒の抵抗値を測定した。測定値から印加後30ミリ秒の表面抵抗率の常用対数値(ρs(30msec))及び10秒の表面抵抗率の常用対数値(ρs(10sec))を算出し、式Δ=|ρs(30msec)−ρs(10sec)|から算出した。
−画像形成装置の製造−
得られたポリイミドベルト(1−1)を定着ベルトとして、導電剤含有のポリイミドベルト(2−1)を中間転写ベルトとして適用し、図6に記載の画像形成装置を製造した。
(画像形成装置の評価)
(V)印字ズレ及び濃度ムラ
上記画像形成装置にトナー(富士ゼロックス社製、商品名:DocuCentre Color 400CP用トナーカートリッジ(黒))をセットし、普通紙上に5000枚画像を形成し、最後の1枚に関して、印字ズレ及び濃度ムラを下記評価基準により評価した。
・印字ズレ
○:印字ズレが確認されない。
△:印字ズレが僅かに確認できたが、問題のないレベルである。
×:印字ズレが明確に確認できる。
・濃度ムラ
○:濃度ムラが確認されない。
△:濃度ムラが僅かに確認できたが、問題のないレベルである。
×:濃度ムラが明確に確認できる。
[実施例2]
−ポリアミック酸組成物(1−2)及び(2−2)の調製−
実施例1で得たポリアミック酸組成物(1−1)及び(2−1)をそれぞれ25℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(1−2)及び(2−2)を得た。
(粘度変化率の測定)
上記ポリアミック酸組成物(1−2)及び(2−2)について、14日間放置前の粘度(V’(Pa・s))と放置後の粘度(V(Pa・s))をそれぞれ測定した。測定は、50gをサンプルビンに密栓し、定速粘度測定装置(HAKKE社製、E型PK100)を用いて行った。定速粘度測定装置のアプリケータの形状は2°コーン型、φ30mm径のものとした。測定された放置前後の粘度から、下記式によって粘度変化率(γ)を算出した。
(式) γ=V/V’
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(1−2)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(2−2)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例3]
−ポリアミック酸組成物(1−3)及び(2−3)の調製−
実施例1で得たポリアミック酸組成物(1−1)及び(2−1)をそれぞれ40℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(1−3)及び(2−3)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(1−3)及び(2−3)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(1−3)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(2−3)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例4]
−ポリアミック酸組成物(3−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、解離生成物がリン酸及び/又はその誘導体とアミンである熱潜在性触媒(NACURE4167、キングインダストリーズ社製、イソプロパノール/イソブタノール溶媒、pH6.8〜7.3、解離温度80℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(3−1)を得た。
−ポリアミック酸組成物(4−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、導電剤として酸化処理カーボンブラック(Special Black4、Deggusa社製、pH4.0、揮発分:14.0質量%)25.0gを添加して、ボールミルにて6時間処理した。その後、解離生成物がリン酸及び/又はその誘導体とアミンである熱潜在性触媒(NACURE4167、キングインダストリーズ社製、イソプロパノール/イソブタノール溶媒、pH6.8〜7.3、解離温度80℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(4−1)を得た。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(3−1)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(4−1)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例5]
−ポリアミック酸組成物(3−2)及び(4−2)の調製−
実施例4で得たポリアミック酸組成物(3−1)及び(4−1)をそれぞれ25℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(3−2)及び(4−2)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(3−2)及び(4−2)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(3−2)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(4−2)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例6]
−ポリアミック酸組成物(3−3)及び(4−3)の調製−
実施例4で得たポリアミック酸組成物(3−1)及び(4−1)をそれぞれ40℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(3−3)及び(4−3)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(3−3)及び(4−3)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(3−3)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(4−3)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例7]
−ポリアミック酸組成物(5−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、解離生成物が安息香酸及び/又はその誘導体とメチルアルコールであるメチルベンゾエート(熱潜在性触媒、和光純薬社製、商品名:安息香酸メチル、解離温度60℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(5−1)を得た。
−ポリアミック酸組成物(6−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、導電剤として酸化処理カーボンブラック(Special Black4、Deggusa社製、pH4.0、揮発分:14.0質量%)25.0gを添加して、ボールミルにて6時間処理した。その後、解離生成物が安息香酸及び/又はその誘導体とメチルアルコールであるメチルベンゾエート(熱潜在性触媒、和光純薬社製、商品名:安息香酸メチル、解離温度60℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(6−1)を得た。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(5−1)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(6−1)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例8]
−ポリアミック酸組成物(5−2)及び(6−2)の調製−
実施例7で得たポリアミック酸組成物(5−1)及び(6−1)をそれぞれ25℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(5−2)及び(6−2)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(5−2)及び(6−2)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(5−2)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(6−2)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例9]
−ポリアミック酸組成物(5−3)及び(6−3)の調製−
実施例7で得たポリアミック酸組成物(5−1)及び(6−1)をそれぞれ40℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(5−3)及び(6−3)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(5−3)及び(6−3)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(5−3)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(6−3)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例10]
−ポリアミック酸組成物(7−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、解離生成物がトリクロロ酢酸及び/又はその誘導体とイソブチルビニルエーテルである1−イソブトキシエチル−トリクロロアセテート(熱潜在性触媒、解離温度70℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(7−1)を得た。
−ポリアミック酸組成物(8−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、導電剤として酸化処理カーボンブラック(Special Black4、Deggusa社製、pH4.0、揮発分:14.0質量%)25.0gを添加して、ボールミルにて6時間処理した。その後、解離生成物がトリクロロ酢酸及び/又はその誘導体とイソブチルビニルエーテルである1−イソブトキシエチル−トリクロロアセテート(熱潜在性触媒、解離温度70℃)25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(8−1)を得た。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(7−1)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(8−1)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例11]
−ポリアミック酸組成物(7−2)及び(8−2)の調製−
実施例10で得たポリアミック酸組成物(7−1)及び(8−1)をそれぞれ25℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(7−2)及び(8−2)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(7−2)及び(8−2)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(7−2)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(8−2)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[実施例12]
−ポリアミック酸組成物(7−3)及び(8−3)の調製−
実施例10で得たポリアミック酸組成物(7−1)及び(8−1)をそれぞれ40℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(7−3)及び(8−3)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(7−3)及び(8−3)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(7−3)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(8−3)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[比較例1]
−ポリアミック酸組成物(9−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、3級アミンであるβ−ピコリン25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(9−1)を得た。
−ポリアミック酸組成物(10−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、導電剤として酸化処理カーボンブラック(Special Black4(Deggusa社製、pH4.0、揮発分:14.0%))25.0gを添加して、ボールミルにて6時間処理した。その後、3級アミンであるβ−ピコリン25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(10−1)を得た。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(9−1)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(10−1)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[比較例2]
−ポリアミック酸組成物(9−2)及び(10−2)の調製−
比較例1で得たポリアミック酸組成物(9−1)及び(10−1)をそれぞれ25℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(9−2)及び(10−2)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(9−2)及び(10−2)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(9−2)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(10−2)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[比較例3]
−ポリアミック酸組成物(9−3)及び(10−3)の調製−
比較例1で得たポリアミック酸組成物(9−1)及び(10−1)をそれぞれ40℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(9−3)及び(10−3)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(9−3)及び(10−3)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(9−3)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(10−3)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[比較例4]
−ポリアミック酸組成物(11−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、オキシカルボン酸である4−ヒドロキシ安息香酸25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(11−1)を得た。
−ポリアミック酸組成物(12−1)の調製−
ポリアミック酸溶液(1)500gに、導電剤として酸化処理カーボンブラック(Special Black4(Deggusa社製、pH4.0、揮発分:14.0%))25.0gを添加して、ボールミルにて6時間処理した。その後、オキシカルボン酸である4−ヒドロキシ安息香酸25.0gを添加し、溶解させポリアミック酸組成物(12−1)を得た。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(11−1)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(12−1)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[比較例5]
−ポリアミック酸組成物(11−2)及び(12−2)の調製−
比較例4で得たポリアミック酸組成物(11−1)及び(12−1)をそれぞれ25℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(11−2)及び(12−2)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(11−2)及び(12−2)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(11−2)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(12−2)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
[比較例6]
−ポリアミック酸組成物(11−3)及び(12−3)の調製−
比較例4で得たポリアミック酸組成物(11−1)及び(12−1)をそれぞれ40℃で14日間放置し、ポリアミック酸組成物(11−3)及び(12−3)を得た。
(粘度変化率の測定)
また、得られたポリアミック酸組成物(11−3)及び(12−3)の放置前後の粘度を実施例2と同様にして測定し、粘度変化率(γ)を算出した。
−ポリイミド成型物及び画像形成装置の製造−
実施例1において用いたポリアミック酸組成物(1−1)を上記ポリアミック酸組成物(11−3)に、またポリアミック酸組成物(2−1)を上記ポリアミック酸組成物(12−3)に変更した以外は、同様の方法によりポリイミド成型物及び画像形成装置を製造し、評価を行った。
これら実施例及び比較例の評価結果等を、下記の表に記載する。
Figure 2008095006
Figure 2008095006
Figure 2008095006
Figure 2008095006
Figure 2008095006
Figure 2008095006
(A)は本発明のポリイミド成型物の製造方法において、ポリアミック酸組成物が注入された外型を示す側面図であり、(B)はその斜視図である。 (A)は本発明のポリイミド成型物の製造方法において、乾燥成型工程を示す側面図であり、(B)はその斜視図である。 本発明のポリイミド成型物の製造方法において、乾燥成型したポリアミック酸組成物を外型から抜き取る様子を示す斜視図である。 本発明のポリイミド成型物の製造方法において、乾燥成型したポリアミック酸組成物に内型を挿入する様子を示す斜視図である。 本発明のポリイミド成型物の製造方法において、ポリイミドベルトを内型から取り外す様子を示す斜視図である。 本発明のポリイミド成型物を中間転写ベルト、定着ベルト及び用紙分離爪として適用した画像形成装置を示す概略構成図である。 図6に記載の画像形成装置の定着装置を拡大して示す概略構成図である。 本発明のポリイミド成型物を中間転写定着ベルトとして適用した画像形成装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1…像保持体、2…中間転写ベルト、3…バイアスロール、4…容器、5…定着装置、6…現像装置、11A…ポリアミック酸組成物、11B…ポリイミドベルト、12…外型、13…軸、14…内型、21,23,24…支持ロール、22…バックアップロール、25…導電性ロール、26…電極ロール、41…記録媒体、42…フィードロール、43…搬送路、51…定着ロール、51a…中空ロール、51b…弾性体層、51c…耐熱離型耐油層、53…圧力ロール、54…第1の支持ロール、55…第2の支持ロール、56…加圧パット、57…クリーニング手段、58…離型剤均一塗布手段、59…用紙分離爪、61…中間転写定着ベルト、62…駆動ロール、63,64…ガイドロール、65…テンションロール、66…加熱ローラ、67A,B,C,D…感光体ドラム、68A,B,C,D…転写器、69…加圧ローラ

Claims (4)

  1. 少なくとも、ポリアミック酸と、熱潜在性触媒と、を含有するポリアミック酸組成物。
  2. 請求項1に記載のポリアミック酸組成物を脱水イミド化して製造されるポリイミド成型物。
  3. 請求項1に記載のポリアミック酸組成物を用い、成型器にて成型し乾燥させる乾燥成型工程と、成型後のポリアミック酸組成物を脱水イミド化するイミド化工程と、を有するポリイミド成型物の製造方法。
  4. 像保持体と、像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有してなり、
    請求項2に記載のポリイミド成型物を具備する画像形成装置。
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