JP5792598B2 - ポリアミド酸粒子の製造方法、ポリイミド粒子の製造方法、ポリイミド粒子及び電子部品用接合材 - Google Patents

ポリアミド酸粒子の製造方法、ポリイミド粒子の製造方法、ポリイミド粒子及び電子部品用接合材 Download PDF

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Description

本発明は、使用可能な原料及び溶媒の選択肢の幅が広いポリアミド酸粒子の製造方法に関する。また、本発明は、該ポリアミド酸粒子の製造方法を含むポリイミド粒子の製造方法、該ポリイミド粒子の製造方法により得られるポリイミド粒子、及び、該ポリイミド粒子を含有する電子部品用接合材に関する。
半導体装置の製造方法において、半導体チップを基板等に接合する際には、例えば、液状エポキシ等を主成分とする接着剤、ダイアタッチフィルム等が用いられる。このような接着剤には、接合後、接合された半導体チップにできる限り応力を発生させない性質が求められる。半導体チップに応力が発生すると、例えば、基板と半導体チップ、又は、半導体チップ同士が剥がれることによって、半導体装置の導通不良等が生じることがある。
半導体チップに応力が発生する大きな要因として、接着剤を加熱硬化した温度から冷却する過程において、半導体チップと、接着剤硬化物との間の収縮率の温度依存性(線膨張率)に差があることが挙げられる。そこで、従来、接着剤に無機充填材を高充填することにより、接着剤硬化物の線膨張率を低下させることが行われてきた。しかしながら、無機充填材を高充填すると、接着剤硬化物の線膨張率を低下させることはできるが同時に弾性率を上昇させてしまい、半導体チップの剥離を充分に抑制することが困難となる。
この問題に対し、充填材としてポリイミド粒子を用いることにより、接着剤硬化物の弾性率の上昇を抑制しながら線膨張率を低下させる試みがなされている。例えば、特許文献1には、接着剤組成物と、導電性粒子と、ポリアミック酸粒子及びポリイミド粒子の一方又は双方を含む複数の絶縁性粒子とを含有する、接続信頼性及び接続外観に優れた回路接続材料が記載されている。特許文献1には、ポリイミド粒子は、例えばポリアミド酸溶液を熱イミド化処理することにより製造することができると記載されており、例えば、実施例1において、粒径3μmのポリイミド粒子を用いたことが記載されている。
ポリイミド粒子を製造する方法として、例えば、ポリイミドからなるフィルムを作製した後、該フィルムを破砕、裁断等する方法が挙げられる(例えば、特許文献2)。しかしながら、近年、半導体装置には更なる小型化及び高集積化が要求されており、半導体チップの小型化及び薄層化もますます進行していることから、ポリイミド粒子の粒子径が大きすぎる場合には、接着剤中でポリイミド粒子が異物となったり、半導体チップの接合時にポリイミド粒子のかみ込みが生じたり、接着剤を薄膜化できなかったりする等の問題が生じている。従って、より粒子径の小さいポリイミド粒子を製造することのできる新たな方法が求められている。
粒子径の小さいポリイミド粒子を製造する方法として、例えば、特許文献3には、無水テトラカルボン酸とジアミン化合物からポリイミドを合成する方法において、(a)無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、及び(c)得られたポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程を含むポリイミド微粒子の製造方法が記載されている。特許文献3には、例えば、実施例1において、平均粒径0.506μmのポリイミド微粒子を得たことが記載されている。
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、第二工程において混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させるため、生成したポリアミド酸は混合溶液に不溶である必要があり、溶媒として、原料は溶解するが生成するポリアミド酸は不溶である溶媒を選択しなければならないことから、使用可能な原料及び溶媒の組み合わせに制限がある。
特開2008−150573号公報 特開2006−131753号公報 特許第3478977号公報
本発明は、使用可能な原料及び溶媒の選択肢の幅が広いポリアミド酸粒子の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該ポリアミド酸粒子の製造方法を含むポリイミド粒子の製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、硬化物の弾性率の上昇を抑制しながら線膨張率を低下させることができ、半導体チップ等の電子部品に応力が発生した場合にも基板と電子部品、又は、電子部品同士の剥離を抑制することができる電子部品用接合材を提供することを目的する。
本発明は、無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と、ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合することにより、前記無水テトラカルボン酸と前記ジアミン化合物とを反応させてポリアミド酸を生成させ、ポリアミド酸が溶解した溶液を得る工程と、前記ポリアミド酸が溶解した溶液を、物理的衝撃を加えた状態で前記ポリアミド酸が不溶である溶媒に滴下することにより、ポリアミド酸粒子を析出させる工程とを有するポリアミド酸粒子の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と、ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合することにより、前記無水テトラカルボン酸と前記ジアミン化合物とを反応させてポリアミド酸を生成させ、ポリアミド酸が溶解した溶液を得る工程と、前記ポリアミド酸が溶解した溶液を、物理的衝撃を加えた状態で前記ポリアミド酸が不溶である溶媒に滴下することにより、ポリアミド酸粒子を析出させる工程とを有するポリアミド酸粒子及びポリイミド粒子の製造方法によれば、使用可能な原料及び溶媒の選択肢の幅が広がることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のポリアミド酸粒子の製造方法では、まず、無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と、ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合することにより、上記無水テトラカルボン酸と上記ジアミン化合物とを反応させてポリアミド酸を生成させ、ポリアミド酸が溶解した溶液を得る工程(本明細書中、ポリアミド酸溶液を得る工程ともいう)を行う。
上記ポリアミド酸溶液を得る工程では、原料である上記無水テトラカルボン酸と上記ジアミン化合物とが反応して、アミド結合とカルボキシル基とを有するポリアミド酸が生成し、生成したポリアミド酸は、溶液中に溶解した状態となる。
上記ポリアミド酸溶液を得る工程では、上記無水テトラカルボン酸を溶解する溶媒及び上記ジアミン化合物を溶解する溶媒として、上記無水テトラカルボン酸及び上記ジアミン化合物をそれぞれ溶解し、かつ、上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と上記ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合した後には生成したポリアミド酸をも溶解する溶媒を用いる。これにより、本発明のポリアミド酸粒子の製造方法では、使用可能な溶媒の選択肢の幅が広がり、これに伴い、使用可能な原料の選択肢の幅も広がる。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン性高極性溶媒は、一般に、上記無水テトラカルボン酸及び上記ジアミン化合物を溶解し、かつ、生成したポリアミド酸をも溶解する場合が多い。そのため、原料は溶解するが生成するポリアミド酸は不溶である溶媒を選択しなければならない従来の方法では、溶媒としてDMF等の非プロトン性高極性溶媒を用いることはできず、仮に使用できたとしても、他の溶媒との混合等によって極性を調整することが必要となる。また、上記無水テトラカルボン酸及び上記ジアミン化合物のなかには、例えば、4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等のようにDMF等の非プロトン性高極性溶媒でなければ溶解できない、又は、溶解しにくい化合物も存在する。そのため、このような化合物を原料として用いることは、原料は溶解するが生成するポリアミド酸は不溶である溶媒を選択しなければならない従来の方法では困難である。
これに対し、本発明のポリアミド酸粒子の製造方法では、溶媒としてDMF等の非プロトン性高極性溶媒を用いたり、原料としてDMF等の非プロトン性高極性溶媒でなければ溶解できない、又は、溶解しにくい化合物を用いたりすることができ、使用可能な原料及び溶媒の選択肢の幅が広がる。
上記無水テトラカルボン酸は特に限定されず、例えば、芳香族テトラカルボン酸無水物が挙げられる。
上記芳香族テトラカルボン酸無水物は特に限定されず、例えば、4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)、ピロメリット酸無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、上記無水テトラカルボン酸として、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸無水物等も挙げられる。
これらの無水テトラカルボン酸は単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
上記無水テトラカルボン酸を溶解する溶媒は、上記無水テトラカルボン酸を溶解し、かつ、上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と上記ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合した後には生成したポリアミド酸が溶液中に溶解した状態となるように、適宜選択される。
上記無水テトラカルボン酸を溶解する溶媒として、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの無水テトラカルボン酸を溶解する溶媒は単独で用いてもよいし、上記無水テトラカルボン酸の溶解性と生成するポリアミド酸の溶解性とを調整するために、二種類以上を併用してもよい。
上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液における上記無水テトラカルボン酸の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.001モル/L、好ましい上限は0.20モル/Lである。上記無水テトラカルボン酸の含有量が0.001モル/L未満であると、上記無水テトラカルボン酸と上記ジアミン化合物との反応が充分に進行しなかったり、効率的に進行しなかったりすることがある。上記無水テトラカルボン酸の含有量が0.20モル/Lを超えると、後述する工程においてポリアミド酸粒子を析出させるとき、ポリアミド酸粒子がうまく粒子状に析出しないことがある。
上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液における上記無水テトラカルボン酸の含有量は、より好ましい下限が0.01モル/L、より好ましい上限が0.10モル/Lである。
上記ジアミン化合物は特に限定されず、例えば、芳香族ジアミンが挙げられる。
上記芳香族ジアミンは特に限定されず、例えば、1,4−フェニレンジアミン(PPD)、1,3−フェニレンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6’−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、S(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン等が挙げられる。
また、上記ジアミン化合物として、例えば、1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン、3,4−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン等も挙げられる。
これらのジアミン化合物は単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
上記ジアミン化合物を溶解する溶媒は、上記ジアミン化合物を溶解し、かつ、上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と上記ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合した後には生成したポリアミド酸が溶液中に溶解した状態となるように、適宜選択される。
上記ジアミン化合物を溶解する溶媒として、例えば、上述したような上記無水テトラカルボン酸を溶解する溶媒と同様の溶媒が挙げられる。これらのジアミン化合物を溶解する溶媒は単独で用いてもよいし、上記ジアミン化合物の溶解性と生成するポリアミド酸の溶解性とを調整するために、二種類以上を併用してもよい。
上記ジアミン化合物が溶解した溶液における上記ジアミン化合物の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.001モル/L、好ましい上限は0.20モル/Lである。上記ジアミン化合物の含有量が0.001モル/L未満であると、上記無水テトラカルボン酸と上記ジアミン化合物との反応が充分に進行しなかったり、効率的に進行しなかったりすることがある。上記ジアミン化合物の含有量が0.20モル/Lを超えると、後述する工程においてポリアミド酸粒子を析出させるとき、ポリアミド酸粒子がうまく粒子状に析出しないことがある。
上記ジアミン化合物が溶解した溶液における上記ジアミン化合物の含有量は、より好ましい下限が0.01モル/L、より好ましい上限が0.10モル/Lである。
上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と、上記ジアミン化合物が溶解した溶液との混合比率は特に限定されないが、上記無水テトラカルボン酸1モルに対する上記ジアミン化合物の添加量が0.5〜1.5モルとなるように混合することが好ましい。上記無水テトラカルボン酸1モルに対する上記ジアミン化合物の添加量が上記範囲を外れると、反応後の溶液に上記無水テトラカルボン酸又は上記ジアミン化合物の未反応分が残り、生成したポリアミド酸に悪影響を及ぼすことがある。
上記無水テトラカルボン酸1モルに対する上記ジアミン化合物の添加量は、より好ましい下限が0.8モル、より好ましい上限が1.2モルである。
上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と、上記ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合する際の混合温度は特に限定されず、例えば、0〜130℃程度の温度が用いられる。また、必要に応じて、上記混合温度を段階的に変更してもよい。
上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と、上記ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合する際には、上記無水テトラカルボン酸と上記ジアミン化合物との反応を均一に進行させるため、必要に応じて撹拌を行ってもよい。
上記攪拌する方法は特に限定されず、従来公知の撹拌方法が用いられ、例えば、マグネチックスターラー、プロペラ撹拌棒、ホモジナイザー、振とう機等を用いた攪拌方法、超音波照射による攪拌方法等が挙げられる。
上記ポリアミド酸溶液を得る工程では、上記無水テトラカルボン酸と上記ジアミン化合物との反応を速やかに進行させるため、塩基性触媒を用いてもよい。
上記塩基性触媒は特に限定されず、従来公知の塩基性触媒が用いられ、例えば、ピリジン、3級アミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)等が挙げられる。これらの塩基性触媒は単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
本発明のポリアミド酸粒子の製造方法では、次いで、上記ポリアミド酸が溶解した溶液を、物理的衝撃を加えた状態で上記ポリアミド酸が不溶である溶媒に滴下することにより、ポリアミド酸粒子を析出させる工程(本明細書中、ポリアミド酸粒子を析出させる工程ともいう)を行う。
上記ポリアミド酸粒子を析出させる工程では、上記ポリアミド酸が溶解した溶液を、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒に滴下することにより、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒中でポリアミド酸粒子が析出する。
上記ポリアミド酸が溶解した溶液を上記ポリアミド酸が不溶である溶媒に滴下する際に、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒に物理的衝撃を加えることにより、析出するポリアミド酸を粒子化することができる。加えられる物理的衝撃は特に限定されず、例えば、攪拌、振盪、超音波照射、ホモジナイザー等による処理等が挙げられる。
なかでも、上記ポリアミド酸が溶解した溶液の滴下を超音波の照射下で行ったり、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒を激しく攪拌しながら上記ポリアミド酸が溶解した溶液を滴下したりすることにより、平均粒子径の小さなポリアミド酸粒子を析出させることができる。特に、上記ポリアミド酸が溶解した溶液の滴下を超音波の照射下で行うことにより、液中に非常に微細な振動が生じ、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒中でポリアミド酸粒子が析出すると同時に微細に攪拌及び分散される。従って、上記ポリアミド酸が溶解した溶液の滴下を超音波の照射下で行うことにより、平均粒子径のより小さいポリアミド酸粒子を析出させることができ、その結果、得られたポリアミド酸粒子のイミド化を行うことにより、平均粒子径のより小さいポリイミド粒子を製造することができる。
上記ポリアミド酸が不溶である溶媒は特に限定されず、上記ポリアミド酸に応じて適宜選択されるが、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なかでも、ポリアミド酸粒子を析出させた後の溶媒除去が容易であることから、アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール等が好ましい。
上記ポリアミド酸が溶解した溶液の添加量は特に限定されないが、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒100体積部に対する好ましい下限が2体積部、好ましい上限が200体積部である。上記ポリアミド酸が溶解した溶液の添加量が2体積部未満であると、析出したポリアミド酸粒子を回収する際に、必要以上に手間が掛かることがある。上記ポリアミド酸が溶解した溶液の添加量が200体積部を超えると、析出したポリアミド酸粒子が凝集してしまうことがある。
上記ポリアミド酸が溶解した溶液の添加量は、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒100体積部に対するより好ましい下限が5体積部、より好ましい上限が50体積部である。
上記ポリアミド酸が溶解した溶液を、超音波の照射下で上記ポリアミド酸が不溶である溶媒に滴下する方法は特に限定されず、例えば、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒を容器に用意し、この容器に超音波発振機、超音波ホモジナイザー、卓上型超音波洗浄機等の従来公知の超音波装置を用いて0〜130℃程度の温度で20〜100kHz、20〜2000W程度の超音波を照射しながら、上記ポリアミド酸が溶解した溶液を滴下する方法等が挙げられる。
上記滴下する方法は特に限定されず、従来公知の滴下方法が用いられ、例えば、ガラス棒を伝って滴下する方法、シリンジ又はスポイトを用いて滴下する方法、ポンプを用いて滴下する方法等が挙げられる。これらの滴下方法は、二種類以上を併用してもよい。
上記ポリアミド酸粒子を析出させる工程では、ポリアミド酸粒子を安定に析出させるために、超音波照射と他の攪拌方法とを併用してもよい。
上記攪拌方法は特に限定されず、例えば、マグネチックスターラー、プロペラ撹拌棒、ホモジナイザー、振とう機等を用いた攪拌方法等が挙げられる。
本発明のポリアミド酸粒子の製造方法では、ポリアミド酸粒子を表面処理することもできる。上記ポリアミド酸粒子を表面処理する方法は特に限定されず、例えば、上記ポリアミド酸粒子を析出させる工程において、上記ポリアミド酸が不溶である溶媒中に、あらかじめ表面処理剤を溶解しておく方法等が挙げられる。
上記表面処理剤は特に限定されず、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ジエチレングリコールジベンゾエート、ポリテトラメチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルエルロース等のセルロース類、各種デンプン類、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらの表面処理剤によって、安定的にポリアミド酸粒子を析出させることができる。
上記表面処理剤の添加量は特に限定されないが、析出させようとするポリアミド酸粒子の重量に対して0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。添加量が0.01重量%未満であると、表面処理剤による効果が発揮されにくいことがある。10重量%を超えて添加しても、それ以上の効果は得られないことがある。
上記した本発明のポリアミド酸粒子の製造方法によれば、使用可能な原料及び溶媒の選択肢の幅が広がる。更に、上記した本発明のポリアミド酸粒子の製造方法により得られたポリアミド酸をイミド化することにより、ポリイミド粒子を製造することができる。このようなポリイミド粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明のポリイミド粒子の製造方法では、本発明のポリアミド酸粒子の製造方法により得られたポリアミド酸粒子をイミド化する工程を行う。これにより、上記ポリアミド酸粒子のアミド結合とカルボキシル基とが反応してイミド結合が形成し、ポリイミド粒子が得られる。
上記ポリアミド酸粒子をイミド化する方法は特に限定されず、従来公知の方法が用いられ、例えば、上記ポリアミド酸粒子を加熱閉環してイミド化する方法、上記ポリアミド酸粒子を化学閉環してイミド化する方法が挙げられる。
上記加熱閉環してイミド化する方法は特に限定されず、例えば、上記ポリアミド酸粒子を有機溶媒中に分散させて、攪拌しながら130〜250℃程度の温度で1〜10時間程度加熱する方法が挙げられる。
上記加熱閉環してイミド化する方法では、副生成物として発生する水を系外に効率的に除去することが好ましい。上記副生成物として発生する水を系外に除去する方法として、例えば、乾燥した不活性ガスをフローさせて、この乾燥した不活性ガスと共に、発生した水を水蒸気として系外に除去する方法、水と共沸する有機溶媒を用いて還流等により系外に除去する方法等が挙げられる。
上記加熱閉環してイミド化する方法において、有機溶媒中に分散させる上記ポリアミド酸粒子の量は特に限定されず、適宜調整することができるが、好ましい下限は1g/L、好ましい上限は50g/Lであり、より好ましい下限は5g/L、より好ましい上限は10g/Lである。
上記化学閉環してイミド化する方法は特に限定されず、例えば、上記ポリアミド酸粒子をピリジンと無水酢酸との混合有機溶媒中に分散させて、攪拌しながら15〜115℃程度の温度で24時間程度加熱する方法が挙げられる。
上記ポリアミド酸粒子をイミド化する工程では、濾過、遠心分離機、デカンテーション、真空乾燥等の従来公知の方法により、得られたポリイミド粒子と有機溶媒とを分離回収することができ、また、必要に応じて、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、エーテル、アルコール等の有機溶媒を用いて、得られたポリイミド粒子を洗浄してもよい。
本発明のポリイミド粒子の製造方法では、ポリイミド粒子を表面処理することもできる。上記ポリイミド粒子を表面処理する方法として、例えば、上記ポリアミド酸粒子をイミド化する工程を行った後、得られたポリイミド粒子を表面処理する工程を行う方法等が挙げられる。
得られたポリイミド粒子を表面処理することにより、電子部品用接合材にポリイミド粒子を配合する場合に、ポリイミド粒子の分散性を向上させたり、増粘を抑えて流動性及び濡れ性を確保しながら、電子部品用接合材中にポリイミド粒子を高充填したりすることができ、電子部品用接合材にポリイミド粒子を添加する効果を更に高めることができる。
上記表面処理する方法は特に限定されず、例えば、シランカップリング剤を用いて表面処理する方法等が挙げられる。
上記シランカップリング剤を用いて表面処理する方法は特に限定されず、例えば、ポリイミド粒子の表面に存在する官能基とシランカップリング剤とを反応させる方法、ポリイミド粒子の表面にコーティング層を形成した後、コーティング層の表面に存在する官能基とシランカップリング剤とを反応させる方法等が挙げられる。
上記コーティング層を形成する方法は特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコールを物理吸着させる方法等が挙げられる。
また、上記表面処理する方法として、例えば、ポリイミド粒子と表面処理剤とを物理的に接触させる方法等も挙げられる。具体的には、ポリイミド粒子を表面処理剤を溶解した溶液に混合して充分な時間攪拌すればよい。上記表面処理剤は特に限定されず、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ジエチレングリコールジベンゾエート、ポリテトラメチレンキサイド、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルエルロース等のセルロース類、各種デンプン類、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
上記表面処理剤の添加量は特に限定されないが、処理しようとするポリイミド粒子の重量に対して0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。添加量が0.01重量%未満であると、表面処理剤による効果が発揮されにくいことがある。10重量%を超えて添加してもそれ以上の効果は得られないことがある。
また、本発明のポリイミド粒子の製造方法では、上述のようなポリイミド粒子を表面処理する工程を行わなくても、例えば、上記無水テトラカルボン酸が溶解した溶液及び/又は上記ジアミン化合物を溶解した溶液に機能性官能基を有する化合物を添加したり、上記無水テトラカルボン酸及び/又は上記ジアミン化合物の一部に機能性官能基を有する化合物を用いたりすることによっても、表面処理されたポリイミド粒子を得ることができる。
例えば、上記ジアミン化合物を溶解した溶液に2,4,6−トリアミノピリミジン等の3価アミンを添加することで、表面にアミノ基を有するポリイミド粒子を得ることができる。更に、このアミノ基に、例えば、グリシジル基、カルボキシル基、アルキル基等を有する機能性化合物を反応させることで、ポリイミド粒子の表面を2次修飾することができる。
本発明のポリイミド粒子の製造方法によれば、平均粒子径の小さいポリイミド粒子を製造することができる。本発明のポリイミド粒子の製造方法により得られるポリイミド粒子であって、平均粒子径が0.03〜3μmであり、粒子径のCV値が12〜50%であるポリイミド粒子もまた、本発明の1つである。
本発明のポリイミド粒子の用途は特に限定されないが、半導体チップ等の電子部品を接合するための電子部品用接合材に本発明のポリイミド粒子を配合することにより、硬化物の弾性率の上昇を抑制しながら線膨張率を低下させることができ、半導体チップ等の電子部品に応力が発生した場合にも基板と電子部品、又は、電子部品同士の剥離を抑制することができる。
上記範囲の平均粒子径及び粒子径のCV値を有するポリイミド粒子は、平均粒子径が充分に小さく、かつ、適度な粒子径分布を有するポリイミド粒子であるといえる。電子部品用接合材にこのようなポリイミド粒子を配合する場合には、電子部品用接合材中にポリイミド粒子を高充填することができ、硬化物の線膨張率を低下させる効果をより高めることができる。これは、以下の理由による。
一般に、電子部品用接合材中に充填材を高充填するためには、粒子径の大きい充填材の隙間に粒子径の小さい充填材を入り込ませることが有効であることが知られている。そのため、単分散性の高い充填材を用いる場合、電子部品用接合材中に充填材を高充填するためには、平均粒子径の異なる2種以上の充填材を併用することが必要となる。
これに対し、上記範囲の平均粒子径及び粒子径のCV値を有し、平均粒子径が充分に小さく、かつ、適度な粒子径分布を有するポリイミド粒子を用いることにより、平均粒子径の異なる他のポリイミド粒子と併用しなくても、電子部品用接合材中にポリイミド粒子を高充填することができ、硬化物の線膨張率を充分に低下させることができる。
上記平均粒子径が0.03μm未満であると、電子部品用接合材にポリイミド粒子を配合した場合、硬化物の線膨張率を低下させる効果が充分に得られなかったり、配合量を増やすと電子部品用接合材の粘度が上昇し、塗布性、製膜性等が著しく低下したりすることがある。上記平均粒子径が3μmを超えると、電子部品用接合材にポリイミド粒子を配合した場合、電子部品用接合材中でポリイミド粒子が異物となったり、電子部品の接合時にポリイミド粒子のかみ込みが生じたり、電子部品用接合材を薄膜化できなかったりすることがある。
本発明のポリイミド粒子の平均粒子径のより好ましい上限は1μmである。
上記粒子径のCV値が12%未満であると、電子部品用接合材にポリイミド粒子を配合する場合、他のポリイミド粒子と併用しなければ電子部品用接合材中にポリイミド粒子を高充填することができなかったり、配合量を増やすと電子部品用接合材の粘度が上昇し、塗布性、製膜性等が著しく低下したりすることがある。上記粒子径のCV値が50%を超えると、異常に大きな粒子又は異常に小さな粒子が含まれてしまうことがある。
本発明のポリイミド粒子の粒子径のCV値のより好ましい上限は40%である。
なお、本明細書中、ポリイミド粒子の平均粒子径とは、ポリイミド粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより得られたSEM写真から、任意に50個以上のポリイミド粒子を選択し、この任意の50個以上のポリイミド粒子の粒子径から算出した数平均値を意味する。
また、本明細書中、ポリイミド粒子の粒子径のCV値とは、ポリイミド粒子の平均粒子径mと標準偏差σから下記式により算出した値を意味する。
CV値(%)=σ/m×100
硬化性化合物と、硬化剤と、本発明のポリイミド粒子とを含有する電子部品用接合材もまた、本発明の1つである。
本発明の電子部品用接合材の形態は特に限定されず、ペースト状であってもよく、シート状であってもよい。ペースト状の本発明の電子部品用接合材を製造する方法は特に限定されず、例えば、従来公知の硬化性化合物、硬化剤等の配合原料、本発明のポリイミド粒子、及び、必要に応じて加えられるその他の添加剤等を所定量配合して従来公知の方法で混合する方法等が挙げられる。シート状の本発明の電子部品用接合材を製造する方法は特に限定されず、例えば、上述のようにして得られたペースト状の電子部品用接合材を押出成型法、溶剤キャスト法等によりシート状に成形する方法、ペースト状の電子部品用接合材を含有する接着剤溶液を、被着体にスピンコートする方法、スクリーン印刷する方法等が挙げられる。
本発明によれば、使用可能な原料及び溶媒の選択肢の幅が広いポリアミド酸粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該ポリアミド酸粒子の製造方法を含むポリイミド粒子の製造方法、該ポリイミド粒子の製造方法により得られるポリイミド粒子、及び、該ポリイミド粒子を含有する電子部品用接合材を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)0.588gをDMF48gに添加して攪拌することにより、BPDAが溶解したDMF溶液を得た。また、1,4−フェニレンジアミン(PPD)0.216gをアセトン40gに添加して攪拌することにより、PPDが溶解したアセトン溶液を得た。
得られたBPDAが溶解したDMF溶液と、PPDが溶解したアセトン溶液とを25℃で混合し、30分間攪拌することにより、BPDAとPPDとを反応させてポリアミド酸を生成させた。このとき、生成したポリアミド酸は反応溶液中に溶解していた。次いで、得られた反応溶液を、超音波装置(UH−600S、SMT社製)を用いて25℃で20kHzの超音波を照射し、撹拌しながら、アセトン316gを入れた容器に、スポイトを用いて滴下した。このようにして反応溶液を滴下することにより、アセトン中で速やかにポリアミド酸粒子が析出した。得られたポリアミド酸粒子を単離した後、デカン146g中に分散させ、160℃で360分間加熱してイミド化することにより、ポリイミド粒子を得た。
(実施例2)
ピロメリット酸無水物(PMDA)0.436gをDMF48gに添加して攪拌することにより、PMDAが溶解したDMF溶液を得た。また、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)0.451gをアセトン40gに添加して攪拌することにより、DAMBOが溶解したアセトン溶液を得た。
得られたPMDAが溶解したDMF溶液と、DAMBOが溶解したアセトン溶液と、反応触媒としてピリジンを微量とを25℃で混合し、30分間攪拌することにより、PMDAとDAMBOとを反応させてポリアミド酸を生成させた。このとき、生成したポリアミド酸は反応溶液中に溶解していた。次いで、得られた反応溶液を、超音波装置(UH−600S、SMT社製)を用いて25℃で20kHzの超音波を照射し、撹拌しながら、アセトン316gを入れた容器にスポイトを用いて滴下した。このようにして反応溶液を滴下することにより、アセトン中で速やかにポリアミド酸粒子が析出した。得られたポリアミド酸粒子を単離した後、デカン146g中に分散させ、160℃で360分間加熱してイミド化することにより、ポリイミド粒子を得た。
(実施例3)
ピロメリット酸無水物(PMDA)0.436gをDMF48gに添加して攪拌することにより、PMDAが溶解したDMF溶液を得た。また、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)0.401gをアセトン40gに添加して攪拌することにより、DPEが溶解したアセトン溶液を得た。
得られたPMDAが溶解したDMF溶液と、DPEが溶解したアセトン溶液とを25℃で混合し、30分間攪拌することにより、PMDAとDPEとを反応させてポリアミド酸を生成させた。このとき、生成したポリアミド酸は反応溶液中に溶解していた。次いで、得られた反応溶液を、超音波装置(UH−600S、SMT社製)を用いて25℃で20kHzの超音波を照射し、撹拌しながら、アセトン316gを入れた容器にスポイトを用いて滴下した。このようにして反応溶液を滴下することにより、アセトン中で速やかにポリアミド酸粒子が析出した。得られたポリアミド酸粒子を単離した後、デカン146g中に分散させ、160℃で360分間加熱してイミド化することにより、ポリイミド粒子を得た。
(実施例4)
4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)を溶解した溶媒をジメチルスルホキシド(DMSO)55gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリイミド粒子を得た。
(実施例5)
ポリアミド酸溶液をアセトン中に滴下してポリアミド酸粒子を析出させる際、ピッツコールK−30(第一工業製薬社製、ポリビニルピロリドン)を0.025g溶解させたアセトン316gを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリイミド粒子を得た。
(実施例6)
実施例1と同様にして、ポリイミド粒子を得た。0.03gのピッツコールK−30(第一工業製薬社製、ポリビニルピロリドン)を100gのエタノールに溶解したエタノール溶液に、得られたポリイミド粒子1gを添加して、充分攪拌混合した。ポリイミド粒子をろ過した後、乾燥して、表面処理されポリイミド粒子を得た。
(実施例7)
ポリアミド酸溶液をアセトン中に滴下してポリアミド酸粒子を析出させる際、ホモジナイザー(KINEMATICA社製、POLYTRON PT3100)を用いて撹拌しながらポリアミド酸溶液をアセトン中に滴下した以外は実施例1と同様にして、ポリイミド粒子を得た。
(比較例1)
ポリアミド酸溶液をアセトン中に滴下してポリアミド酸粒子を析出させる際、超音波の照射もホモジナイザーによる攪拌も行わず、静置した状態で、スポイトを用いてポリアミド酸溶液をアセトン中に滴下した以外は実施例1と同様にして、ポリイミド粒子を得た。
(比較例2)
ピロメリット酸無水物(PMDA)0.436gをアセトン40gに添加して攪拌することにより、PMDAが溶解したアセトン溶液を得た。また、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)0.401gをアセトン40gに添加して攪拌することにより、DPEが溶解したアセトン溶液を得た。
得られたPMDAが溶解したアセトン溶液と、DPEが溶解したアセトン溶液とを超音波装置(UH−600S、SMT社製)を用いて25℃で混合し、30分間攪拌することにより、PMDAとDPEとを反応させてポリアミド酸を生成させた。このとき、生成したポリアミド酸が反応溶液中で析出し、ポリアミド酸粒子が得られた。得られたポリアミド酸粒子を単離した後、デカン146g中に分散させ、160℃で360分間加熱してイミド化することにより、ポリイミド粒子を得た。
(比較例3)
4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)を溶解した溶媒をアセトン40gに変更したこと以外は実施例1と同様に行ったが、BPDAはアセトンには溶解せず、ポリイミド粒子を得ることはできなかった。
<評価>
実施例及び比較例で得られたポリイミド粒子について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)平均粒子径及びCV値の測定
ポリイミド粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。得られたSEM写真から任意に50個以上のポリイミド粒子を選択し、この任意の50個以上のポリイミド粒子の粒子径から数平均値を算出することにより、平均粒子径(nm)を求めた。また、ポリイミド粒子の平均粒子径mと標準偏差σから、下記式により粒子径のCV値(%)を求めた。
CV値(%)=σ/m×100
(2)接着シート外観評価
実施例3及び比較例2で得られたポリイミド粒子について、以下の評価を行った。
硬化性硬化物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「1004AF」、ジャパンエポキシレジン社製)70重量部及びグリシジル基含有アクリル樹脂(商品名「G−2050M」、日油社製)30重量部、硬化剤としてトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸(商品名「YH−306」、ジャパンエポキシレジン社製)20重量部、硬化促進剤として2,4−ジアミノ−6−[2’メチルイミダゾリン−(1’)]−エチルs−トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)8重量部、充填剤として実施例3又は比較例2で得られたポリイミド粒子450重量部、シランカップリング剤(商品名「KBM−573」、信越化学工業社製)2重量部、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)200重量部を、ホモディスパーを用いて攪拌混合して接着剤溶液を調製した。得られた接着剤溶液を用いて、溶剤キャスト法にて成形することにより接着シートを作製し、接着シートの外観を目視にて観察した。
Figure 0005792598
接着シート外観評価において、実施例3で得られたポリイミド粒子を用いた場合は、接着シートの外観は良好であった。一方、比較例2で得られたポリイミド粒子を用いた場合は、接着シートの表面が荒れていた。これは、比較例2で得られたポリイミド粒子を配合すると接着剤溶液の粘度が上昇してしまい、接着剤溶液の塗布性、製膜性等が著しく低下したためであるといえる。
本発明によれば、使用可能な原料及び溶媒の選択肢の幅が広いポリアミド酸粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該ポリアミド酸粒子の製造方法を含むポリイミド粒子の製造方法、該ポリイミド粒子の製造方法により得られるポリイミド粒子、及び、該ポリイミド粒子を含有する電子部品用接合材を提供することができる。

Claims (2)

  1. 無水テトラカルボン酸が溶解した溶液と、ジアミン化合物が溶解した溶液とを混合することにより、前記無水テトラカルボン酸と前記ジアミン化合物とを反応させてポリアミド酸を生成させ、ポリアミド酸が溶解した溶液を得る工程と、
    前記ポリアミド酸が溶解した溶液を、超音波の照射下で前記ポリアミド酸が不溶である溶媒に滴下することにより、ポリアミド酸粒子を析出させる工程とを有する
    ことを特徴とするポリアミド酸粒子の製造方法。
  2. 請求項1記載のポリアミド酸粒子の製造方法により得られたポリアミド酸粒子をイミド化する工程を有することを特徴とするポリイミド粒子の製造方法。
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