JP2000248063A - 機能性ポリアミド酸微粒子及び機能性ポリイミド微粒子ならびにこれらの製造方法 - Google Patents
機能性ポリアミド酸微粒子及び機能性ポリイミド微粒子ならびにこれらの製造方法Info
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Abstract
アミド酸微粒子及び機能性ポリイミド微粒子の製造方法
を提供することを主な目的とする。 【解決手段】無水テトラカルボン酸とジアミン化合物か
らポリアミド酸を合成する方法において、(a)無水テ
トラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方が
機能性基を有し、かつ、当該無水テトラカルボン酸を含
む第一溶液と当該ジアミン化合物を含む第二溶液とをそ
れぞれ調製する第一工程、及び(b)第一溶液と第二溶
液とを混合し、超音波攪拌により混合溶液からポリアミ
ド酸微粒子を析出させる第二工程を含むことを特徴とす
る、少なくとも粒子表面に当該機能性基を有するポリア
ミド酸微粒子の製造方法、さらに該ポリアミド酸微粒子
をイミド化するポリイミド微粒子の製造方法。
Description
酸微粒子及び機能性ポリイミド微粒子ならびにこれらの
製造方法に関する。さらに本発明は、ポリイミド微粒子
の粒子表面の定性分析方法に関する。
性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れ、電気・電子材料、
自動車、その他金属・セラミックスの代替材料として幅
広く利用されている。
は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとをN,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒中で反応さ
せ、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のワニスを
調製し、このワニスからポリイミド微粒子を沈殿製造法
により製造する。
するに従って沈殿生成したポリイミド微粒子が合一化又
は凝集を起こすため、単分散の微細なポリイミド微粒子
が得られないという問題がある。
アミンとを有機溶媒中で加熱重合させてポリアミド酸の
溶液を調製し、この溶液をポリマー不溶溶媒中に入れ、
生成した沈殿を回収した後、これを加熱閉環してイミド
化する方法がある。
ドの微粒子を得ようとする場合には、イミド化した後に
回収された塊状物を機械的方法により粉砕しなければな
らず、工程が煩雑になる。また、機械的粉砕による微粒
子化では、得られる粉末は粒径が大きく、また独立した
単分散の微粒子粉末を調製することも困難である。しか
も、上記方法では、所望の粒子形状、粒度分布等に制御
することも困難である。このため、単分散性等に優れた
ポリイミドの微粒子を製造する方法の開発が切望されて
いる。
が制御されたポリイミド微粒子に種々の機能を付与する
ことができれば、さまざまな用途への使用が可能にな
る。
を制御できる機能性ポリアミド酸微粒子及び機能性ポリ
イミド微粒子の製造方法を提供することを主な目的とす
る。さらに、本発明の目的は、単分散性に優れ、粒子表
面に機能性基を有するポリアミド酸微粒子及びポリイミ
ド微粒子を提供することにもある。
問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を含
む方法によって、上記目的を達成できることを見出し、
ついに本発明を完成するに至った。
ミド酸微粒子及び機能性ポリイミド微粒子ならびにこれ
らの製造方法に係るものである。
物からポリアミド酸を合成する方法において、(a)無
水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一
方が機能性基を有し、かつ、当該無水テトラカルボン酸
を含む第一溶液と当該ジアミン化合物を含む第二溶液と
をそれぞれ調製する第一工程、及び(b)第一溶液と第
二溶液とを混合し、超音波攪拌により混合溶液からポリ
アミド酸微粒子を析出させる第二工程、を含むことを特
徴とする、少なくとも粒子表面に当該機能性基を有する
ポリアミド酸微粒子の製造方法。
物からポリイミドを合成する方法において、(a)無水
テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方
が機能性基を有し、かつ、当該無水テトラカルボン酸を
含む第一溶液と当該ジアミン化合物を含む第二溶液とを
それぞれ調製する第一工程、(b)第一溶液と第二溶液
とを混合し、超音波攪拌により混合溶液からポリアミド
酸微粒子を析出させる第二工程、及び(c)得られたポ
リアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミ
ド微粒子を得る第三工程を含むことを特徴とする、少な
くとも粒子表面に当該機能性基を有するポリイミド微粒
子の製造方法。
得られるポリアミド酸微粒子であって、平均粒径が0.
03〜2μmである機能性ポリアミド酸微粒子。
得られるポリイミド微粒子であって、平均粒径が0.0
3〜2μmである機能性ポリイミド微粒子。
係るものである。
能性基の存在を電子分光法(ESCA)により分析する
方法において、当該機能性基と反応可能なフッ素化処理
剤でポリイミド微粒子表面をフッ素化処理することを特
徴とするポリイミド微粒子の粒子表面の定性分析方法。
の第一工程及び第二工程は、第1発明の第一工程及び第
二工程と同じである。以下、各工程ごとに説明する。(1)第一工程 本発明では、無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物
を原料として用い、ポリアミド酸微粒子を調製する。こ
の場合、無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少
なくとも一方は機能性基を有するものを用いる。機能性
基としては、得られる微粒子表面上に所望の機能を付与
できる限り特に限定されない。例えば、水酸基(−O
H)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−N
H2)、アルケン類(−CH=CH−)、アルキン類
(−C≡C−)、ビニルエーテル類(−CH=CH−O
−)、アミド基(−CONH2)、ニトリル基(−C≡
N)、イソシアネート基(−N=C=O)、ニトロ基
(−NO2)、スルホン基(−SO3H)、チオール基
(−SH)、クラウンエーテル基等の官能基のほか、−
CF3基、−CCl3基、−CBr3等を挙げることがで
きる。本発明では、これらの機能性基を1種又は2種以
上有する化合物の1種又は2種以上を用いることができ
る。また、一つの化合物に2種以上の機能性基を有する
場合は、これらの機能性基は同一でも良いし、あるいは
互いに異なっていても良い。本発明では、得られるポリ
アミド酸微粒子又はポリイミド微粒子の所望の物性、最
終製品の用途等に応じて、これら機能性基を微粒子表面
に適宜付与することができる。
として、無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、ジア
ミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する。すな
わち、本発明では、無水テトラカルボン酸とジアミン化
合物は、それぞれ別個の溶液として調製しておくことを
必須とする。
れず、例えば従来のポリイミド合成で用いられているも
のと同様のものも使用できる。例えば、3,3',4,
4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BT
DA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3−ビ
ス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水
物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)
ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',
6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、
アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無
水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカル
ボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物;ブ
タン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の
脂肪族テトラカルボン酸無水物;シクロブタン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テト
ラカルボン酸無水物;チオフェン−2,3,4,5−テ
トラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物等の複素環族テトラカルボン
酸無水物等を使用することができる。これらは、1種又
は2種以上を用いることができる。本発明では、特にB
TDA、ピロメリット酸二無水物等が好ましい。
ン酸を用いる場合は、前記に掲げた機能性基を有する無
水テトラカルボン酸等を使用できる。例えば、ビシクロ
(2.2.2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テ
トラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水
ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を用
いることができる。本発明では、機能性基を有する無水
テトラカルボン酸は、機能性基を有しない無水テトラカ
ルボン酸と併用することも可能である。
酸の一部を酸クロライドで置換したものを使用すること
ができる。酸クロライドで置換すれば、条件によって反
応速度を大きくしたり、得られる粒子の粒径をより微細
化できる等の効果が得られる。酸クロライドとしては、
例えばジエチルピロメリテイトジアシルクロライド等を
用いることができる。
トラカルボン酸が溶解し、かつ、生成するポリアミド酸
が溶解しないものであれば特に制限されない。例えば、
2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレ
ン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケト
ン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エ
チル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、トルエン、キシレン等が挙げられ、これ
らの少なくとも1種を含む溶媒を使用することができ
る。また、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン極
性溶媒のようなポリアミド酸が溶解する溶媒であって
も、アセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレ
ン等のポリアミド酸の貧溶媒と混合してポリアミド酸が
沈殿するように調整すれば、これらも使用することが可
能である。
濃度は、用いる無水テトラカルボン酸の種類、第二溶液
の濃度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.0
01〜0.20モル/リットル程度、好ましくは0.0
1〜0.10モル/リットルとする。
例えば従来のポリイミド合成で用いられているものと同
様のものも使用できる。例えば、4,4'−ジアミノジ
フェニルメタン(DDM)、4,4'−ジアミノジフェ
ニルエーテル(DPE)、4,4'−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル(BAPB)、1,4'−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、
1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(T
PE−R)、o−フェニレンジアミン、m−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニル
スルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、
3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−メ
チレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3'−ジメ
チル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、2,6'−ジアミノトルエ
ン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミ
ノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、
3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノ
ベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、
4,4'−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2'−ジ
アミノ−1,1'−ビナフタレン、S(+)−2,2'−
ジアミノ−1,1'−ビナフタレン等の芳香族ジアミ
ン;1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタ
ン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデ
カン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、4,4'−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4
−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン
等を使用することができる。これらは、1種又は2種以
上を用いることができる。本発明では、特にDPE、T
PE−R等が好ましい。
用いる場合は、前記に掲げた機能性基を有するジアミン
化合物等を使用できる。例えば、1,3−ジアミノ−2
−プロピルアルコール(DHPr)、2,2−ビス(4
−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS.
A.AF)、3,5−ジアミノ安息香酸(3.5.DB
A)、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン
(2.4.D.6.HP)、2,4,6−トリアミノピ
リミジン(2.4.6.TAPM)等を用いることがで
きる。本発明では、機能性基を有するジアミン化合物
は、機能性基を有しないジアミン化合物と併用すること
も可能である。
かに、他のアミン系化合物(モノアミン化合物、多価ア
ミン化合物等)も用いることができる。これらにより、
得られるポリアミド酸あるいはポリイミドの特性を変え
ることができる。
ン化合物が溶解し、かつ、生成するポリアミド酸が溶解
しないものであれば特に制限されない。例えば、2−プ
ロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピ
クロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、ア
セトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等が挙げられ、これらの少なくとも1種を含む溶媒
を使用できる。また、例えばDMF、DMAc、NMP
等の非プロトン極性溶媒のようなポリアミド酸を溶解す
るものであっても、アセトン、酢酸エチル、MEK、ト
ルエン、キシレン等のポリアミド酸の貧溶媒と混合して
ポリアミド酸が沈殿するように調整すれば、これらも使
用することが可能である。
は、用いるジアミン化合物の種類、第一溶液の濃度等に
応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.001〜0.
20モル/リットル程度、好ましくは0.01〜0.1
0モル/リットルとする。(2)第二工程 第二工程では、第一溶液と第二溶液とを混合し、超音波
攪拌により混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させ
る。第一溶液と第二溶液との混合比率は、無水テトラカ
ルボン酸・ジアミン化合物の種類、各溶液の濃度等によ
って適宜変更できるが、通常は無水テトラカルボン酸:
ジアミン化合物=1:0.5〜1.5程度(モル比)、
好ましくは1:0.9〜1.1となるように混合すれば
良い。
の攪拌法に比べて平均粒径で約50%程度の微細化が可
能となる。超音波攪拌は、公知の超音波装置(例えば超
音波洗浄器)及び操作条件をそのまま採用できる。超音
波の周波数は、所望の粒径等に応じて適宜設定すれば良
く、通常は28〜100kHz程度、好ましくは28〜
45kHzとすれば良い。
ず、通常−60〜130℃程度、好ましくは0〜130
℃程度、より好ましくは20〜40℃とすれば良い。な
お、攪拌時間は、ポリアミド酸の析出が実質的に完了す
るまで行えば良く、通常は30秒〜30分程度である
が、かかる範囲外となっても差し支えない。
にポリアミド酸の貧溶媒を添加することもできる。第一
溶液又は第二溶液で用いる溶媒の種類によってはポリア
ミド酸微粒子が析出しない(又は析出しにくい)場合が
あるが、この場合にポリアミド酸の貧溶媒を添加するこ
とによりポリアミド酸微粒子をより効率的に析出させる
ことができる。言い換えれば、混合溶液にポリアミド酸
の貧溶媒を添加することにより、第一溶液及び第二溶液
の溶液状態を確保するとともに、ポリアミド酸微粒子を
析出させることができ、これにより機能性ポリアミド酸
微粒子を確実に得ることが可能となる。
れず、生成するポリアミド酸の種類、第一溶液・第二溶
液で用いる溶媒等によって適宜選択すれば良い。例え
ば、第一工程で挙げたものと同様の貧溶媒を使用でき、
例えばアセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシ
レン等が挙げられる。また、貧溶媒は、第一溶液と第二
溶液との反応後の溶液(すなわちポリアミド酸溶液)又
は反応前の溶液のどちらに添加しても良いが、特に反応
前の溶液に添加することが好ましい。
子は、遠心分離法等の公知の方法に従って固液分離して
回収すれば良い。第二工程で得られるポリアミド酸微粒
子(粉末)は、球状として生成される場合は、一般に
は、平均粒径0.03〜2μm(好ましくは0.03〜
1.5μm)であって、標準偏差0.00009〜0.
6(好ましくは0.00009〜0.376)、変動係
数0.5〜30%(好ましくは2.5〜25%)の範囲
にある単分散状のものである。なお、不定形状である場
合は、一片の大きさ(平均)が通常0.1〜1μm程度
である。これらポリアミド酸微粒子は、少なくとも粒子
表面に機能性基を有する。機能性基を存在させる割合
は、最終製品の用途、機能性基の種類等に応じて適宜設
定することができる。(3)第三工程 第三工程として、第二工程でポリアミド酸微粒子をイミ
ド化することによってポリイミド微粒子を得る。イミド
化する方法は、ポリアミド酸微粒子からそのままポリイ
ミド微粒子が得られる限りは特に制限されないが、本発
明では特に(i)有機溶媒中で加熱してイミド化する方法
(熱閉環)、又は(ii)有機溶媒中における化学反応によ
りイミド化する方法(化学閉環)を採用することが望ま
しい。
ド酸微粒子を有機溶媒中に分散させ、通常130℃以
上、好ましくは130〜250℃程度の温度で加熱すれ
ば良い。有機溶媒としては、ポリアミド酸の貧溶媒であ
り、かつ、イミド化反応に必要な温度以上の沸点を有す
るものであれば制限されない。特に、本発明では、上記
有機溶媒中に水と共沸混合物を構成し得る溶媒(以下
「共沸溶媒」ともいう)を含むことが好ましい。すなわ
ち、本発明では、共沸溶媒を上記有機溶媒の一部又は全
部として用いることが好ましい。共沸溶媒としては、例
えばキシレン、エチルベンゼン、オクタン、シクロヘキ
サン、ジフェニルエーテル、ノナン、ピリジン、ドデカ
ン等を用いることができる。これらは1種又は2種以上
を用いることができる。本発明では、共沸溶媒は上記有
機溶媒中10容積%以上含むことが好ましい。共沸溶媒
を使用することによって、特に副生する水(主に縮合
水)を共沸させ、これを還流等により反応系外へ除去で
きることから、未反応のアミド結合の加水分解を抑制
し、粒子の形態の変化、分子量の低下等を防止できる結
果、単分散性に優れたポリイミド微粒子がより確実に得
られる。
子の割合は、有機溶媒の種類等に応じて適宜設定すれば
良いが、通常は1〜50g/リットル程度、好ましくは
5〜10g/リットルとすれば良い。
学閉環方法を適用することができる。例えば、ポリアミ
ド酸微粒子をピリジン及び無水酢酸からなる有機溶媒中
に分散させ、攪拌しながら通常15〜115℃程度の温
度で24時間程度加熱すれば良い。両溶媒の配合割合は
適宜設定すれば良い。
公知の方法により回収し、必要に応じて石油エーテル、
メタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すれば良い。
子(粉末)は、球状として生成される場合は、一般に
は、平均粒径0.03〜2μm(好ましくは0.03〜
1.5μm)であって、標準偏差0.00009〜0.
6(好ましくは0.00009〜0.376)、変動係
数2.5〜30%(好ましくは2.5〜25%)の範囲
にある単分散状のものである。なお、不定形状である場
合は、一片の大きさ(平均)が通常0.1〜1μm程度
である。ポリイミド微粒子の粒子形状は、通常はポリア
ミド酸微粒子の形状に由来し、球状、不定形等の所望の
形態をとることができる。これらポリイミド微粒子は、
少なくとも粒子表面に機能性基を有する。機能性基を存
在させる割合は、最終製品の用途、機能性基の種類等に
応じて適宜設定することができる。
ミド微粒子の表面に存在する機能性基の存在を電子分光
法(ESCA)により分析する方法において、当該機能
性基と反応可能なフッ素化処理剤でポリイミド微粒子表
面をフッ素化処理することを特徴とする。
可能なものであり、有機系フッ素を生成するものであれ
ば特に限定されない。例えば、2,2,2−トリフルオ
ロエタノール、無水トリフルオロ酢酸等のフッ素化合物
又はそれを溶媒に溶解させた溶液をフッ素化処理剤とし
て使用することができる。溶液の濃度は、用いるフッ素
化合物の種類等に応じて適宜設定すれば良い。また、ポ
リイミド微粒子の処理量も、機能性基の種類、フッ素化
化合物の種類等に応じて適宜定めることができる。フッ
素化処理は、ポリイミド微粒子をフッ素化処理剤に分散
又は浸漬したり、あるいは混合又は混練すれば良く、ま
た必要に応じて加熱しても良い。その他の条件について
は、機能性基の種類、用いるフッ素化処理剤等に応じて
適宜設定すれば良い。
に有するポリイミド微粒子の場合、この微粒子を塩酸及
び2,2,2−トリフルオロエタノールの混合液中に浸
漬し、密封容器中で加熱処理して微粒子表面のフッ素化
処理を行う。上記混合液における12N塩酸と2,2,
2−トリフルオロエタノールとの比率は、通常1:5〜
20程度とすれば良い。また、上記微粒子の使用量(処
理量)は、混合液100重量部に対して通常1〜10重
量部とすれば良い。
イミド微粒子の場合、乾燥したバイアルに試料約20m
gをとり、無水トリフルオロ酢酸2mlを加え、密封し
て室温で30分間放置した後、常温で減圧乾燥して微粒
子表面のアミノ基を無水トリフルオロ酢酸でフッ素化処
理(アミド化反応)する。
イミド微粒子の場合は、試料約1mgに無水トリフルオ
ロ酢酸10ml及びジクロロメタン10mlを加え、窒
素気流中で密封し、130℃で2時間加熱した後、常温
で減圧乾燥して微粒子表面の水酸基を無水トリフルオロ
酢酸でフッ素化処理(アシル化反応)する。
素化処理後は、遠心分離等の公知の方法により固液分離
して微粒子を回収し、必要に応じてエタノール、アセト
ン等の溶媒で洗浄して中性にすれば良い。次いで、フッ
素化処理されたポリイミド微粒子を電子分光法(ESC
A)により分析すれば良い。ESCAの分析条件自体
は、公知の条件を採用することができる。また、ESC
Aの分析装置も公知の装置又は市販品を用いることがで
きる。
に示すように、微粒子表面に機能性基としてカルボキシ
ル基を有する場合、カルボキシル基から−COOCH2
CF3基(有機系フッ素)へとフッ素化処理される。こ
れに対し、カルボキシル基を有しない場合は有機系フッ
素は生成しない。このように生成した有機系フッ素の存
在によって、ポリイミド微粒子の表面をESCAにより
定性分析することが可能となる。
基が存在する場合は、上記フッ素化処理しなくてもその
まま定性分析することが可能であるが、このような場合
であってもフッ素化処理しても良い。
できるものであればいずれの機能性基の定性分析を行う
ことができる。機能性基としては、前記のように、例え
ば水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、
アミノ基(−NH2)、アルケン類(−CH=CH
−)、アルキン類(−C≡C−)、ビニルエーテル類
(−CH=CH−O−)、アミド基(−CONH2)、
ニトリル基(−C≡N)、イソシアネート基(−N=C
=O)、ニトロ基(−NO2)、スルホン基(−SO
3H)、チオール基(−SH)、クラウンエーテル基等
の官能基のほか、−CF3基、−CCl3基、−CBr3
等を挙げることができる。
粒子表面に機能性基を有するポリアミド酸微粒子あるい
はポリイミド微粒子を効率的かつ確実に製造することが
できる。また、本発明の製造方法では、その条件を適宜
変更することによって所望の粒径、粒子形状、粒度分布
等に制御することも比較的容易である。
粒子あるいはポリイミド微粒子は、その粒子表面に機能
性基を有するので、従来からの用途のほか、その他の種
々の用途に幅広く用いることが可能となる。例えば、電
機・電子材料、医療用材料(診断薬、蛍光マーカー剤、
DDS用材料、人工臓器用材料等)、各種フィルター用
材料、光機能材料(フォトニクス材料)、人工単結晶材
料、クロマトグラフ用材料、炭素材料(電極材料、導電
材料等、)スペーサー剤、焼結成形用材料、フィルム添
加剤、複合材料添加剤、ポリイミドワニス添加剤、ポリ
アミド酸ワニス添加剤等にも有用である。
ド微粒子表面に存在する機能性基を比較的容易にかつ確
実に分析することができる。
熱可塑性ポリイミド微粒子のみならず、直鎖型非熱可塑
性ポリイミド微粒子も製造することができる。直鎖型非
熱可塑性ポリイミド微粒子は、Tg及びTmを示さず、
不溶・不融であるため、耐熱性、堅牢性等の物理的特性
において特に優れた効果を発揮することができる。その
他の点においては、基本的に前記ポリアミド酸微粒子及
びポリイミド微粒子の場合と同様の性状を有する。
層明確にする。なお、実施例における超音波攪拌は超音
波洗浄器「ULTRASONIC CLEANER CA-2481 II」(海上電
機株式会社製)を用いた。また、本発明における各物性
は次のようにしてそれぞれ測定した。 (1)ガラス転移温度等 ガラス転移温度(Tg)、融解温度(Tm)及び熱分解
温度(Td)については、示差走査熱量測定法(DS
C)及び熱重量測定法(TG)により求めた。なお、D
SCの測定条件は、昇温速度20℃/min、窒素50
ml/minとした。 (2)平均粒径等 平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、そ
のSEM写真から任意の100個の微粒子を選び出し、
これらの粒径の平均を下式(1)に従って求めた。
数式(2)(3)に従い標準偏差(S)、さらには数式
(4)に従って変動係数(C)も求めた。変動係数が小
さいほど粒径のバラツキが少ないことを示す。平均粒径
及び変動係数については、以下においても同様にして測
定した値を示す。
イミド微粒子を調製した。
molをアセトンに溶解させた50ml溶液(BTDA
/アセトン=0.001mol/50ml溶液という。
以下同じ。)、第二溶液としてDHPr/アセトン=
0.001mol/50ml溶液をそれぞれ調製した。
38kHzの超音波で15分間攪拌して反応させること
により、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠心
法により析出物を回収し、上記反応溶媒(アセトン)で
洗浄した。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図1(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.088μ
m、標準偏差0.006、変動係数7.376%であっ
た。
200mlキシレン中に分散した後、135℃で約4時
間環流してイミド化した。イミド化した微粒子を遠心法
により回収した後、反応溶媒(キシレン)で洗浄した。
することにより、このポリイミド微粒子が単分散状の均
一な球状粒子から構成されていることを確認した。その
観察結果を図1(b)に示す。このポリイミド微粒子の
平均粒径0.078μm、標準偏差0.006、変動係
数7.624%であった。ガラス転移温度(Tg)及び
熱分解温度(Td)はそれぞれ201℃及び310℃で
あった。
イミド微粒子を調製した。
001mol/100ml溶液、第二溶液として2.
4.D.6.HP/メタノール=0.0004mol/
20ml溶液、さらに第二溶液としてDPE/アセトン
=0.0016mol/80ml溶液をそれぞれ調製し
た以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸微粒子及
びポリイミド微粒子をそれぞれ調製し、実施例1と同様
にしてSEM観察した。
の結果を図2(a)に示す。このポリアミド酸微粒子の
平均粒径1.014μm、標準偏差0.184、変動係
数18.202%であった。
観察結果を図2(b)に示す。このポリイミド微粒子の
平均粒径1.082μm、標準偏差0.135、変動係
数12.502%であった。ガラス転移温度(Tg)及
び熱分解温度(Td)はそれぞれ201℃及び310℃
であった。
及びポリイミド微粒子を調製した。
=0.001mol/50ml溶液、第二溶液として
3.5.DBA/メタノール+アセトン=0.0005
mol/5ml+20ml溶液、さらに第二溶液として
DPE/アセトン=0.0005mol/25ml溶液
をそれぞれ調製した。
数38kHzの超音波で10分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記反応溶媒で洗浄した。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図3(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.371μ
m、標準偏差0.102、変動係数27.480%であ
った。
200mlキシレン中に分散した後、135℃で約4時
間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を遠
心法により回収した後、上記反応溶媒で洗浄することに
より精製した。
することにより、ポリイミドが単分散状の均一な球状粒
子から構成されていることを確認した。その観察結果を
図3(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均粒径
0.336μm、標準偏差0.090、変動係数26.
826%であった。ガラス転移温度(Tg)は示さなか
った。熱分解温度(Td)は547℃であった。
及びポリイミド微粒子を調製した。
=0.002mol/100ml溶液、第二溶液として
3.5.DBA/メタノール+アセトン=0.001m
ol/40ml+10ml溶液、さらに第二溶液として
DPE/アセトン=0.002mol/100ml溶液
をそれぞれ調製した。
数38kHzの超音波で10分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記反応溶媒で洗浄した。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図4(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.482μ
m、標準偏差0.102、変動係数21.151%であ
った。
200mlキシレン中に分散した後、135℃で約4時
間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を遠
心分離により回収した後、上記の反応溶媒で洗浄するこ
とにより精製した。
とにより、ポリイミドが単分散状の均一な球状粒子から
構成されていることを確認した。その観察結果を図4
(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均粒径0.4
70μm、標準偏差0.104、変動係数21.630
%であった。ガラス転移温度(Tg)は示さなかった。
熱分解温度(Td)は520℃であった。
及びポリイミド微粒子を調製した。
+キシレン=0.001mol/50ml+50ml溶
液、第二溶液として3.5.DBA/NMP+アセトン
+キシレン=0.001mol/1ml+49ml+5
0ml溶液をそれぞれ調製した。
数38kHzの超音波で30分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記の反応溶媒で洗浄し
た。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図5(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径1.077μ
m、標準偏差0.043、変動係数4.034%であっ
た。
200mlドデカン中に分散した後、210℃で約4時
間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を遠
心法により回収した後、上記反応溶媒で洗浄することに
より精製した。
することにより、ポリイミド微粒子が単分散状の均一な
球状粒子から構成されていることを確認した。その観察
結果を図5(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均
粒径1.074μm、標準偏差0.045、変動係数
4.142%であった。ガラス転移温度(Tg)は示さ
ず、熱分解温度(Td)は466℃であった。
及びポリイミド微粒子を調製した。
+キシレン=0.001mol/50ml+50ml溶
液、第二溶液として3.5.DBA/DMF+アセトン
+キシレン=0.001mol/1ml+49ml+5
0ml溶液を調製した。
数38kHzの超音波で30分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記の反応溶媒で洗浄し
た。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図6(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.993μ
m、標準偏差0.006、変動係数4.800%であっ
た。
200mlドデカン中に分散した後、210℃で約4時
間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を遠
心法により回収した後、上記の反応溶媒で洗浄すること
により精製した。
することにより、ポリイミド微粒子が単分散状の均一な
球状粒子から構成されていることを確認した。その観察
結果を図6(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均
粒径0.909μm、標準偏差0.005、変動係数
3.521%であった。ガラス転移温度(Tg)は示さ
ず、熱分解温度(Td)は466℃であった。
及びポリイミド微粒子を調製した。
+キシレン=0.001mol/50ml+50ml溶
液、第二溶液として3.5.DBA/DMAc+アセト
ン+キシレン=0.001mol/1ml+49ml+
50ml溶液を調製した。
数38kHzの超音波で30分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記の反応溶媒で洗浄する
ことにより精製した。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図7(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径1.003μ
m、標準偏差0.006、変動係数4.358%であっ
た。
200mlドデカン中に分散した後、210℃で約4時
間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を遠
心法により回収した後、上記の反応溶媒で洗浄した。
することにより、ポリイミド微粒子が単分散状の均一な
球状粒子から構成されていることを確認した。その観察
結果を図7(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均
粒径1.001μm、標準偏差0.006、変動係数
4.147%であった。ガラス転移温度(Tg)は示さ
ず、熱分解温度(Td)は472℃であった。
及びポリイミド微粒子を調製した。
+キシレン=0.001mol/50ml+50ml溶
液、第二溶液として3.5.DBA/DMAc+アセト
ン+キシレン=0.0003mol/0.3ml+1
4.7ml+15ml溶液、さらに第二溶液としてDP
E/アセトン+キシレン=0.0007mol/35m
l+35mlを調製した。
数38kHzの超音波で30分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記反応溶媒で洗浄した。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図8(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.492μ
m、標準偏差0.004、変動係数5.990%であっ
た。
200mlドデカン中に分散した後、210℃で約4時
間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を遠
心法により回収した後、上記の反応溶媒で洗浄すること
により精製した。
することにより、ポリイミド微粒子が単分散状の均一な
球状粒子から構成されていることを確認した。その観察
結果を図8(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均
粒径0.493μm、標準偏差0.004、変動係数
6.180%であった。ガラス転移温度(Tg)及び熱
分解温度(Td)はそれぞれ310℃及び540℃であ
った。
リイミド微粒子を調製した。
=0.002mol/100ml溶液、第二溶液として
2.4.6.TMPA/メタノール+アセトン=0.0
004mol/2ml+18ml溶液、さらに第二溶液
としてDPE/アセトン=0.0016mol/80m
l溶液をそれぞれ調製した。
数38kHzの超音波で10分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記反応溶媒で洗浄した。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図9(a)に示す。ま
た、このポリアミド酸微粒子の平均粒径1.135μ
m、標準偏差0.050、変動係数4.474%であっ
た。
200mlキシレン中に分散させた後、135℃で約4
時間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を
遠心分離により回収した後、上記の反応溶媒で洗浄する
ことにより精製した。
とにより、ポリイミドが単分散状の均一な球状粒子から
構成されていることを確認した。その観察結果を図9
(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均粒径1.1
12μm、標準偏差0.046、変動係数4.151%
であった。ガラス転移温度(Tg)及び熱分解温度(T
d)はそれぞれ310℃及び548℃であった。
リイミド微粒子を調製した。
+キシレン=0.001mol/20ml+30ml溶
液、第二溶液としてBIS.A.AF/アセトン+キシ
レン=0.001mol/1ml+49ml溶液を調製
した。
数38kHzの超音波で30分間攪拌して反応させるこ
とにより、ポリアミド酸微粒子を析出した。その後、遠
心法により析出物を回収し、上記の反応溶媒で洗浄し
た。
顕微鏡(SEM)で観察することにより、ポリアミド酸
微粒子が単分散状の均一な球状粒子から構成されている
ことを確認した。その観察結果を図10(a)に示す。
また、このポリアミド酸微粒子の平均粒径0.548μ
m、標準偏差0.048、変動係数8.681%であっ
た。
200mlキシレン中に分散させた後、135℃で約4
時間環流してイミド化を行った。イミド化した微粒子を
遠心分離により回収した後、上記の反応溶媒で洗浄する
ことにより精製した。
ことにより、ポリイミド微粒子が単分散状の均一な球状
粒子から構成されていることを確認した。その観察結果
を図10(b)に示す。このポリイミド微粒子の平均粒
径0.512μm、標準偏差0.049、変動係数9.
499%であった。ガラス転移温度(Tg)及び熱分解
温度(Td)はそれぞれ325℃及び508℃であっ
た。
イミド微粒子の表面の機能性基を分析した。
1.2ml及び2,2,2−トリフルオロエタノール1
2mlの混合液中に投入し、密封容器中100℃で1時
間フッ素化処理を行った後、遠心分離により上記微粒子
を回収し、エタノール及びアセトンで中性になるまで洗
浄した。これによりフッ素化処理されたポリイミド微粒
子をESCAにより粒子表面上の機能性基の存在を確認
した。ESCA分析装置として「ESCA3300s」
島津製作所社製)を用いた。
た、比較のため、フッ素化処理前のESCA分析の結果
を図12(a)に示す。両者を比較して明らかなよう
に、フッ素化処理することにより、図12(b)では有
機系フッ素に基づく1sの結合エネルギーのピークが6
95eV付近に認められることから、実施例4で得られ
たポリイミド微粒子の表面には機能性基としてカルボキ
シル基が存在していることがわかる。
1と同様の定性分析方法により粒子表面を分析した。フ
ッ素化処理前のESCA分析の結果を図13(a)、フ
ッ素化処理後のESCA分析の結果を図13(b)にそ
れぞれ示す。両者の比較により、フッ素化処理後におい
ても有機系フッ素に基づく1sの結合エネルギーのピー
クが認められず、処理の前後において両者の差が認めら
れないことがわかる。
ラカルボン酸としてBTDA、ジアミン化合物としてD
PEを用いたほかは、実施例1と同様にして作製された
微粒子を使用した。
微粒子の粒子構造を示す図、図1(b)は実施例1で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図2(b)は実施例2で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図3(b)は実施例3で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図4(b)は実施例4で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図5(b)は実施例5で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図6(b)は実施例6で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図7(b)は実施例7で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図8(b)は実施例8で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
微粒子の粒子構造を示す図、図9(b)は実施例9で得
られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図である。
ミド酸微粒子の粒子構造を示す図、図10(b)は実施
例10で得られたポリイミド微粒子の粒子構造を示す図
である。
の概念図である。
ッ素化処理前のESCA分析の結果を示す図、図12
(b)は本発明ポリイミド微粒子のフッ素化処理後のE
SCA分析の結果を示す図である。
ミド微粒子のフッ素化処理前のESCA分析の結果を示
す図、図13(b)は機能性基が存在しないポリイミド
微粒子のフッ素化処理後のESCA分析の結果を示す図
である。
Claims (14)
- 【請求項1】無水テトラカルボン酸とジアミン化合物か
らポリアミド酸を合成する方法において、(a)無水テ
トラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方が
機能性基を有し、かつ、当該無水テトラカルボン酸を含
む第一溶液と当該ジアミン化合物を含む第二溶液とをそ
れぞれ調製する第一工程、及び(b)第一溶液と第二溶
液とを混合し、超音波攪拌により混合溶液からポリアミ
ド酸微粒子を析出させる第二工程、を含むことを特徴と
する、少なくとも粒子表面に当該機能性基を有するポリ
アミド酸微粒子の製造方法。 - 【請求項2】無水テトラカルボン酸とジアミン化合物か
らポリイミドを合成する方法において、(a)無水テト
ラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方が機
能性基を有し、かつ、当該無水テトラカルボン酸を含む
第一溶液と当該ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれ
ぞれ調製する第一工程、(b)第一溶液と第二溶液とを
混合し、超音波攪拌により混合溶液からポリアミド酸微
粒子を析出させる第二工程、及び(c)得られたポリア
ミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微
粒子を得る第三工程を含むことを特徴とする、少なくと
も粒子表面に当該機能性基を有するポリイミド微粒子の
製造方法。 - 【請求項3】第二工程において、混合溶液にポリアミド
酸の貧溶媒をさらに添加する請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】第二工程において、混合溶液にポリアミド
酸の貧溶媒をさらに添加する請求項2記載の製造方法。 - 【請求項5】第一溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−
2−ピロリドンの少なくとも1種を含む請求項1又は3
に記載の製造方法。 - 【請求項6】第一溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−
2−ピロリドンの少なくとも1種を含む請求項2又は4
に記載の製造方法。 - 【請求項7】第二溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−
2−ピロリドンの少なくとも1種を含む請求項1、3又
は5に記載の製造方法。 - 【請求項8】第二溶液における溶媒が2−プロパノン、
3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒド
リン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−
2−ピロリドンの少なくとも1種を含む請求項2、4又
は6に記載の製造方法。 - 【請求項9】第三工程において、ポリアミド酸微粒子を
有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う請求項
2、4、6又は8に記載の製造方法。 - 【請求項10】第三工程において、ポリアミド酸微粒子
を水と共沸混合物を構成し得る有機溶媒を含む溶媒中で
加熱し、水を共沸により反応系外に除去しながらイミド
化を行う請求項2、4、6又は8に記載の製造方法。 - 【請求項11】第三工程において、溶媒中での加熱を1
30〜250℃で行う請求項9又は10に記載の製造方
法。 - 【請求項12】請求項1、3、5又は7に記載の製造方
法において得られるポリアミド酸微粒子であって、平均
粒径が0.03〜2μmである機能性ポリアミド酸微粒
子。 - 【請求項13】請求項2、4、6、8、9、10又は1
1に記載の製造方法において得られるポリイミド微粒子
であって、平均粒径が0.03〜2μmである機能性ポ
リイミド微粒子。 - 【請求項14】ポリイミド微粒子の表面に存在する機能
性基の存在を電子分光法(ESCA)により分析する方
法において、当該機能性基と反応可能なフッ素化処理剤
でポリイミド微粒子表面をフッ素化処理することを特徴
とするポリイミド微粒子の粒子表面の定性分析方法。
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