JP2006307146A - 機能性ポリアミド酸複合粒子及び機能性ポリイミド複合粒子の製造方法 - Google Patents

機能性ポリアミド酸複合粒子及び機能性ポリイミド複合粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の粒径に制御され、かつ、機能性を兼ね備えたポリアミド酸粒子又はポリイミド粒子を工業的規模で生産できる方法を提供する。
【解決手段】少なくとも無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより機能性ポリアミド酸を調製する工程に際し、前記工程のいずれかの段階で担体を混合することにより、機能性基を有するポリアミド酸が担体に担持された複合粒子を製造する方法
係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性ポリアミド酸複合粒子及び機能性ポリイミド複合粒子の製造方法に関する。
ポリアミド酸あるいはポリイミドの粒子を製造する方法としては、これまでいくつかの方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸のワニスを調製し、これを貧溶媒中に滴下し、沈殿法により粒子を製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ポリアミド酸の溶液をポリマー不溶溶媒中に入れて加熱して閉環させることによりイミド化を行い、生成した粒子状重合体を回収する方法が提案されている。
特許文献3には、芳香族テトラカルボン酸二無水物(I)、芳香族ジアミン(II)を、(I)及び(II)は溶解するが、生成するポリアミド酸は溶解しない有機溶媒(III)中で、(I)及び(II)の総量を(III)に対して10重量%以下として反応させることを特徴とするポリアミド酸微粒子の製造法が開示されている。
特公昭38−5997号公報 特公昭39−30060号公報 特開平9−302089号公報
しかしながら、いずれの方法によっても、所望の粒径に制御されたポリアミド酸粒子又はポリイミド粒子を製造することは困難である。
また、ポリアミド酸又はポリイミドの粒子を種々の用途に用いる場合、その用途によってはいろいろな機能性(反応性等)が要求されるが、前記の従来技術ではそれらの提案がなされていない。
従って、本発明の主な目的は、所望の粒径に制御され、かつ、機能性を兼ね備えたポリアミド酸粒子又はポリイミド粒子を工業的規模で生産できる方法を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の機能性ポリアミド酸複合粒子及び機能性ポリイミド複合粒子の製造方法に係るものである。
1. 少なくとも無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより機能性ポリアミド酸を調製する工程に際し、前記工程のいずれかの段階で担体を混合することにより、機能性基を有するポリアミド酸が担体に担持された複合粒子を製造する方法。
2. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸が溶解せず、かつ、前記非プロトン性極性溶媒と相溶性のある溶媒に前記混合物を分散することにより、ポリアミド酸を担体上に析出させる析出工程を含む、前記項1に記載の製造方法。
3. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程を含む、前記項1に記載の製造方法。
4. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物をアルコール系溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程、(d)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程を含む、前記項1に記載の製造方法。
5. 少なくとも無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより機能性ポリアミド酸を調製し、次いで前記ポリアミド酸をイミド化することにより機能性ポリイミドを調製する工程に際し、前記工程のいずれかの段階で担体を混合することにより、機能性基を有するポリイミドが担体に担持された複合粒子を製造する方法。
6. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸が溶解せず、かつ、前記非プロトン性極性溶媒と相溶性のある溶媒に前記混合物を分散することにより、ポリアミド酸を担体上に析出させる析出工程、(d)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程を含む、前記項5に記載の製造方法。
7. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程、(d)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程
を含む、前記項5に記載の製造方法。
8. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程、(d)ポリイミドが溶解せず、かつ、前記非プロトン性極性溶媒と相溶性のある溶媒に、前記イミド化工程で得られた混合物を分散することにより、ポリイミドを担体上に析出させる析出工程、
を含むことを特徴とする、前記項5に記載の製造方法。
9. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程、(d)前記イミド化工程で得られた混合物から溶媒を除去する溶媒除去工程を含む、前記項5に記載の製造方法。
10. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物をアルコール系溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程、(d)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程を含む、前記項5に記載の製造方法。
11. 担体が無機材料により構成されている、前記項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
12. 担体があらかじめシランカップリング剤で処理されたものである、前記項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、特に、無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物との反応系において担体を存在させることによって、所望の粒径に制御された機能性複合粒子を製造することができる。この場合、担体の種類、多官能ジアミン化合物の種類等を変えることによって、さまざまな用途に適した複合粒子を作製することが可能である。例えば、クロマトグラフ(医薬品の分離精製、金属イオンの分離精製、同位体の分離精製、有機化合物の分離精製)、イオン交換(純水の製造、液体中のイオンの除去、燃料電池のイオン交換膜)
気体及び液体の浄化(脱臭、脱色、不純物の除去)、建材(断熱、防音、吸音、化学物質の除去)、プラスチック成形材及びフィルム(ガス分離、絶縁、光拡散、光拡散ディスプレイ材、ポリイミドフィルムへの添加、強度、靭性、耐熱性、難燃性の向上)、プラスチックやゴムへの添加剤(強度、靭性、耐熱性、難燃性の向上)等に用いることができる。
本発明の製造方法は、下記の1)機能性ポリアミド酸複合粒子の製造方法、2)機能性ポリイミド複合粒子の製造方法を包含する。
前記1)は、無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより機能性ポリアミド酸を調製する工程に際し、前記工程のいずれかの段階で担体を混合することにより、機能性基を有するポリアミド酸が担体に担持された複合粒子を製造する方法である。
前記2)は、無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより機能性ポリアミド酸を調製し、次いで前記ポリアミド酸をイミド化することにより機能性ポリイミドを調製する工程に際し、前記工程のいずれかの段階で担体を混合することにより、機能性基を有するポリイミドが担体に担持された複合粒子を製造する方法である。
このように、本発明の製造方法は、担体をいずれの段階で混合しても良い。また、用いる担体を1回にまとめて混合しても良いし、あるいは2回以上に分けて混合しても良い。
担体
担体は、機能性ポリアミド酸及び機能性ポリイミドの製造中に変質しないものであれば限定的でなく、例えば活性炭、シリカ等の無機系担体(無機材料から構成されるもの)、樹脂類、ゴム類等の有機系担体(有機材料から構成されるもの)を使用することができる。
また、担体の形態も粉末状であれば限定されない。粒子形状も限定されず、例えば球状、針状、鱗片状等のいずれであっても良い。平均粒子径は一般的には0.5nm〜1mm程度とすれば良い。
担体は、多孔体であることが好ましい。この場合のBET比表面積は10〜4000m/g程度の範囲内で用途等に応じて適宜決定すれば良い。また、平均細孔径は限定的でないが、一般的には0.2nm〜0.1mm程度の範囲内で適宜設定すれば良い。
担体(特に無機系担体)は、あらかじめシランカップリング剤で処理(特に表面処理)されたものを用いることもできる。上記処理により、1)担体とポリイミドとの接着性又は密着性をより強固なものとすることができ、担体からの樹脂成分の脱落等を効果的に抑制することができる、2)被覆するポリイミドの低分子量化あるいはオリゴイミドの担持が可能となる(低分子量化により官能基の反応性を高めることができる)等の効果を得ることができる。
シランカップリング剤は、担体の種類等に応じて公知又は市販のものから適宜選ぶことができる。例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシランカップリング剤等が挙げられる。この中でも、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の少なくとも1種が好ましい。
シランカップリング剤による処理方法は、一般的な乾式法又は湿式法により実施することができる。乾式法は、担体(粒子)を撹拌機で高速攪拌し、シランカップリング剤の原液又は溶液を均一に分散させて処理する方法である。より具体的には、ミキサーに担体(粒子)を仕込み、攪拌した後、シラン化合物を滴下又は噴霧し、さらに攪拌すれば良い。また、湿式法は、シランカップリング剤の希薄溶液で担体をスラリー化したり、あるいは前記希薄溶液に担体を直接浸漬する方法である。より具体的には、撹拌機に水(又は1重量%酢酸水溶液)を充填し、攪拌し、シランカップリング剤を添加(担体に対して0.5〜1重量%が一般的)し、攪拌 しながら担体(粒子)を添加し、ろ過し、乾燥(100〜150℃程度)すれば良い。いずれの場合も、シランカップリング剤の一般的な処理量(付与量)は、担体100重量部に対して0.5〜2重量部程度とすれば良い。
担体の使用量は、複合粒子の用途、担体の形態、使用形態当に応じて適宜設定することができる。例えば、機能性ポリアミド酸又は機能性ポリイミドの含有量が0.1〜30重量%程度となるように適宜調整すれば良い。
以下、機能性ポリアミド酸及び機能性ポリイミドの製造方法に従って、本発明の製造方法を説明する。なお、機能性ポリイミドは、機能性ポリアミド酸から製造されるので、機能性ポリアミド酸の製法はまとめて説明する。
1.機能性ポリアミド酸が担体に担持された複合粒子の製造
機能性ポリアミド酸は、無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより製造される。
無水テトラカルボン酸
無水テトラカルボン酸は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物;ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸無水物;チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸無水物等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にBTDA、ピロメリット酸二無水物等が好ましい。
また、本発明では、無水テトラカルボン酸の一部を酸クロライドで置換したものを使用することができる。酸クロライドで置換すれば、条件によって反応速度を大きくしたり、得られる粒子の粒径をより微細化できる等の効果が得られる。酸クロライドとしては、例えばジエチルピロメリテイトジアシルクロライド等を用いることができる。
多官能ジアミン化合物
多官能ジアミン化合物は、得られる複合粒子表面上に所望の機能を付与できるものであれば良い。機能性基としては、例えば水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、アルケン類(−CH=CH−)、アルキン類(−C≡C−)、ビニルエーテル類(−CH=CH−O−)、アミド基(−CONH)、ニトリル基(−C≡N)、イソシアネート基(−N=C=O)、ニトロ基(−NO)、スルホン基(−SOH)、チオール基(−SH)、アルデヒド基(−COH)、エポキシ基、クラウンエーテル基、無水カルボキシル基、エステル基、シアン基、エポキシ基、イミド基、ハロゲノ基、エーテル基等の官能基のほか、−CF基、−CCl基、−CBr等を挙げることができる。また、有機金属も挙げることができる。
多官能ジアミン化合物として、具体的には1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール(DHPr)、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS.A.AF)、3,5−ジアミノ安息香酸、(3.5.DBA)、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン(2.4.D.6.HP)、2,4,6−トリアミノピリミジン(2.4.6.TAPM)等が例示できる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特に3.5.DBA、2.4.6.TAPM等が好ましい。
また、本発明では、必要に応じて通常のジアミン化合物も併用することができる。例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン(BAPS−M)、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6’−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、S(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン等の1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(nは、3〜10)、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等の芳香族ジアミン;1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノドデカン、1,11−ジアミノウンデカン等の脂肪族ジアミン;1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にDPE、TPE−R、BAPS−M等が好ましい。
また、本発明では、機能性ポリアミド酸及び機能性ポリイミド(又はこれらの複合粒子)の機能性基と、機能性を有する化合物とをさらに反応させて二次的に新たな機能性を付与することもできる。機能性を有する化合物としては、例えばクラウンエーテル類、ジグリシジルエーテル類、ジアルデヒド類、イオン交換機能、炭水化物(単糖類、オリゴ糖、多糖類など)、ステロイド類、テルペノイド類、アルカロイド類、テトラピロール類、グリコスフィンゴ脂質、フラボノイド、イソフラボノイド、ネオフラボノイド、ヌクレオシドとヌクレオチド、フラビン、ビタミンB−6類、フラーレン、複素環化合物、有機環状化合物、色素、顔料、有機LED等を挙げることができる。
無水カルボン酸と多官能ジアミンとの反応
無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応で使用する溶媒は特に制限されない。例えば、2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の少なくとも1種を含む溶媒を使用できる。また、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒のように、ポリアミド酸が溶解する溶媒を使用することもできる。さらに、例えばアセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレン等のポリアミド酸の貧溶媒を混合してポリアミド酸が沈殿するように調整することもできる。
この場合、例えば無水カルボン酸と多官能ジアミン化合物とを1つの溶媒中に添加し、反応させても良いし、あるいは別々の溶液として調製した後に両溶液を混合することにより反応させても良い。前者の場合は、溶媒中に担体を混合することができる。また、後者の場合は、いずれかの溶液の少なくとも一方に担体を混合することができる。
無水カルボン酸と多官能ジアミン化合物との配合比率は、無水テトラカルボン酸・ジアミン化合物の種類、各溶液の濃度等によって適宜変更できるが、通常は無水テトラカルボン酸:ジアミン化合物=1:0.5〜1.5程度(モル比)、好ましくは1:0.9〜1.1となるように混合すれば良い。
無水カルボン酸と多官能ジアミン化合物との反応によって、機能性基(官能基)を有するポリアミド酸が生成する。両者を溶媒中で反応させる場合は、反応生成物としてワニス(ポリアミド酸含有ワニス)の形態で得ることができる。
反応生成物としてのポリアミド酸は、機能性基(官能基)を有するポリアミド酸として得られるが、必要に応じてこの機能性基(第一の機能性基)に第二の機能性基(又は前記の機能性を有する化合物)を付与することもできる。例えば、第一の機能性基がアミノ基である場合、それにBTDAを反応させることにより、第二の機能性基として無水カルボン酸を有するポリアミド酸を得ることができる。このような工程も本発明の製造方法に包含される。
本発明では、上記ワニスが生成した段階で、これを担体に担持させることが好ましい。すなわち、ポリアミド酸含有ワニスに担体を混合することが好ましい。混合方法としては、例えばポリアミド酸含有ワニスと担体とを公知の攪拌機、混合機等を用いて混合すれば良い。この場合に得られる混合物は、用いる溶媒量に応じて固形状から液状(流動体)までの形態をとり得る。いずれも本発明に包含される。
例えば、上記混合物が液状(溶媒量が相対的に多い場合)は、ポリアミド酸が溶解せず、かつ、前記ワニスの溶媒と相溶性のある溶媒に前記混合物を分散することにより、ポリアミド酸を担体上に析出させる方法(析出工程)を採用することが好ましい。例えば、溶媒として、DMF、DMAc、NMP等の非プロトン性極性溶媒を用いた場合は、前記混合物をアセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレン等の溶媒に分散させれば良い。ここで使用される溶媒の量は、ポリアミド酸が析出するのに十分な量とすれば良い。その後、例えば静置分離、遠心分離等の方法により固液分離すれば良い。
また例えば、上記混合物が固体状(溶媒量が相対的に少ない場合)は、混合物中に含まれる溶媒を除去する方法(溶媒除去工程)を採用することが好ましい。溶媒を除去する方法は限定的でなく、例えば、減圧脱溶媒、常圧加熱脱溶媒、減圧加熱脱溶媒等の方法を採用することができる。
2.機能性ポリイミドが担体に担持された複合粒子の製造
機能性ポリイミドが担体に担持された複合粒子を製造する場合は、(1)前記1.のポリアミド酸含有ワニスに担体を共存させた状態でイミド化を行う方法、(2)前記1.のポリアミド酸含有ワニスを製造し、さらにポリアミド酸をイミド化した後に、得られたポリイミドを担体に担持する方法等のいずれも採用することができる。
上記(1)の方法は、さらに1)析出工程又は溶媒除去工程を経たものをイミド化する方法、2)前記1.の析出工程又は溶媒除去工程を経ていないものをイミド化する方法がある。
前記1)の析出工程又は溶媒除去工程は、前記1.の方法と同様にして実施することができる。
前記2)では、ポリアミド酸をイミド化した後に、析出工程又は溶媒除去工程を実施すれば良い。この場合、溶媒除去工程は、前記1.の方法と同様にすれば良い。また、析出工程は、ポリイミドが溶解せず、かつ、前記溶媒(例えば、非プロトン性極性溶媒)と相溶性のある溶媒に分散する方法を採用でき、例えば前記1.の析出工程と同様に実施することができる。
前記(1)(2)の方法において、ポリアミド酸をイミド化する方法は特に制限されないが、特に(i)有機溶媒中で加熱してイミド化する方法(湿式熱閉環)、(ii)有機溶媒中における化学反応によりイミド化する方法(化学閉環)、又は(iii)乾式(無溶媒下)で加熱することによりイミド化する方法(乾式熱閉環)を採用することが望ましい。
上記(i)の加熱による方法は、例えばポリアミド酸を有機溶媒中に分散させ、通常130℃以上、好ましくは130〜250℃程度の温度で加熱すれば良い。有機溶媒としては、ポリアミド酸の貧溶媒であり、かつ、イミド化反応に必要な温度以上の沸点を有するものであれば制限されない。特に、本発明では、上記有機溶媒中に水と共沸混合物を構成し得る溶媒(以下「共沸溶媒」ともいう)を含むことが好ましい。すなわち、本発明では、共沸溶媒を上記有機溶媒の一部又は全部として用いることが好ましい。共沸溶媒としては、例えばキシレン、エチルベンゼン、オクタン、シクロヘキサン、ジフェニルエーテル、ノナン、ピリジン、ドデカン等を用いることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、共沸溶媒は上記有機溶媒中10容積%以上含むことが好ましい。共沸溶媒を使用することによって、特に副生する水(主に縮合水)を共沸させ、これを還流等により反応系外へ除去できることから、未反応のアミド結合の加水分解を抑制し、粒子の形態の変化、分子量の低下等を防止できる結果、単分散性に優れたポリイミド微粒子がより確実に得られる。
有機溶媒中に分散させるポリアミド酸の割合は、有機溶媒の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は1〜50g/リットル程度、好ましくは5〜10g/リットルとすれば良い。
上記(ii)の化学反応による方法では、公知の化学閉環方法を適用することができる。例えば、ポリアミド酸微粒子をピリジン及び無水酢酸からなる有機溶媒中に分散させ、撹拌しながら通常15〜115℃程度の温度で24時間程度加熱すれば良い。両溶媒の配合割合は適宜設定すれば良い。
上記(iii)による方法では、例えばポリアミド酸を空気中、真空中、不活性ガス中等の雰囲気下で上記微粒子を流動させながら加熱すれば良い。加熱温度は、一般的には130〜300℃程度とすれば良い。また、流動方法は、公知の攪拌流動装置等を用いることによって実施することができる。この方法によっても、粒子を凝集させることなくイミド化することが可能である。特に、この方法では、溶媒が実質的に存在しない条件下でイミド化を行うので、加熱効率が良く、また安全性等においても有利である。
生成したポリイミドは、公知の方法により回収し、必要に応じて石油エーテル、メタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すれば良い。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
BTDA(1.01g)をメタノール500mLに溶かし、DPE(0.54g)を添加して溶解した後、2.4.6.TAPM(0.09g)を添加することにより、ワニスを得た。マイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB7000−60/100mesh」富士シリシア化学製、BET比表面積34.527m/g、平均細孔径729nm)10gを前記ワニス150mLに分散し、常温減圧下で溶媒を揮発させて乾燥した。
次いで、乾燥物(ポリアミド酸とシリカゲルの複合粒子)を200℃で4時間熱処理してイミド化することによって、表面にアミノ基を有するシリカ−ポリイミド複合粒子を得た。
イミド化させた粒子をアセトン(50mL)中に分散し、BTDA(1g)を加え、振とう器にて室温下24時間攪拌した。その後、ろ過し、繰り返しアセトンで洗浄した後、乾燥し、200℃で4時間処理してイミド化することによって、表面に無水テトラカルボン酸を有するシリカ−ポリイミド複合粒子を得た。
4’−アミノベンゾ−15−クラウン−5−エーテル(0.12g)をアセトン50mLに溶解した溶液に、上記の表面に無水テトラカルボン酸を有するシリカ−ポリイミド複合粒子(約5g)を分散し、振とう器にて室温下24時間攪拌した。ろ別し、アセトンで繰り返し洗浄した後、150℃で5時間熱処理してイミド化することによって、クラウンエーテル担持シリカ−ポリイミド複合粒子を得た。
実施例2
BTDA(32.2g)をDMF1000mLに溶かし、DPE(16.0g)を添加して溶解した後、2.4.6.TAPM(2.5g)を添加することにより、アミノ基を有するポリアミド酸ワニス(A)を得た。このワニス200mLにBTDA(1.29g)を添加し、24時間攪拌することにより、無水カルボン酸を有するポリアミド酸ワニス(B)を得た。前記ワニス(B)200mLにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB7000−60/100mesh」富士シリシア化学製、BET比表面積34.527m/g、平均細孔径729nm)120gを分散した(嵩の比率=およそ1:1)。脱気してから振とう器で24時間攪拌した後、ろ過することによりシリカを分離し、多量のアセトンに分散した。シリカ粒子の細孔に含まれていたポリアミド酸は相分離し、シリカの細孔中に残り、それ以外のものは微細なフリーのポリアミド酸粒子になると考えられる。シリカ−ポリアミド酸複合粒子は、デカンテーションにより分離し、繰り返しアセトンで洗浄した。乾燥後、200℃で4時間熱処理してイミド化し、シリカ−表面に無水カルボン酸を有するポリイミドの複合粒子とした。
次に、表面に無水カルボン酸を有するシリカ−ポリイミド複合粒子をアセトン400mL中に分散させてスラリーをつくり、そこに4’−アミノベンゾ−15−クラウン−5−エーテル(1g)を添加し、振とう器にて室温下24時間攪拌した。その後、ろ過し、繰り返しアセトンで洗浄した後、乾燥し、150℃で5時間処理してイミド化することによって、表面にクラウンエーテル担持シリカ−ポリイミド複合粒子を得た。このときの複合粒子における樹脂含有率は5.12重量%、BET比表面積は35.063m/gであった。
粒子表面のクラウンエーテルの亜鉛吸着能力を評価した。100mlのスクリュー管の中に入れた試料の20ml(8.28g)に亜鉛イオン濃度1.7725ppに調製した50mlを加えて密封し、48時間しんとう器で撹拌した後、塩化亜鉛水溶液をろ過した。ろ液を蒸留水で2倍に希釈したものを原子吸光測定により亜鉛の濃度を求めた。その結果を以下に示す。
・標準液の亜鉛濃度:0.88454ppm(実測値)
・処理後の亜鉛濃度:0.23281ppm(実測値)
73.7%の亜鉛イオンを吸着した。
実施例3
BTDA(3.22g)をDMF100mLに溶かし、BAPS−M(3.46g)を添加して溶解した後、2.4.6.TAPM(0.25g)を添加し、常温で24時間攪拌することにより、表面にアミノ基を有するポリアミド酸ワニス(A)を得た。このワニス(A)200mLにトルエン20mLを添加し、共沸により副生する水を反応系外に留去しながら4時間環流し、官能基を有するポリイミドのワニス(B)(可溶性ポリイミドのワニス)を得た。得られたワニス(B)100gにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB7000−60/100mesh」富士シリシア化学製、BET比表面積34.527m/g、平均細孔径729nm)50gを加え、スラリー(嵩の比率=およそ1:1)とした。このスラリーに対して超音波処理及び常温減圧処理を施すことにより脱泡した。このスラリーを多量のアセトンに分散させ、ポリアミド酸を相分離させた。すなわち、DMFはメタノールに溶解し、ポリイミドは相分離させた。アセトンで繰り返し洗浄し、乾燥することにより、表面にアミノ酸を有するポリイミド−シリカ複合粒子を得た。このときの複合粒子における樹脂含有率は5.8重量%、BET比表面積は33.734m/gであった。
実施例4
BTDA(32.22g、0.1mol)をDMF(500mL)に溶解し、DPE(12.01g 0.06mol)を添加した。DPEが溶解した後、約1時間撹拌してから2.4.6.TAPM(5.01g,0.04mol)を加えてから4時間室温で撹拌し、アミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調整した。
このワニスの25mLにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)50gを加え、スラリー(パサパサ状)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。その後、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った。TGAの測定結果では樹脂含有量が10.19重量%であった。計算では樹脂100g中に存在するアミノ基の数は0.53×1023個である。従って、粒子100g中に存在するアミノ基の数は約5.4×1021個となる。また、比表面積(BET法)は22.642m/gであった。
実施例5
BTDA(32.22g 0.1mol)をDMF(500mL)に溶解し、DPE(12.01g 0.06mol)を添加し、DPEが溶解後、約1時間撹拌してから2.4.6.TAPM(5.01g 0.04mol)を加えた。2.4.6.TAPM溶解後4時間室温で撹拌してアミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調整した。このワニスの25mLにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)20gを加えスラリー(パサパサ状態)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。そのあと、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った。
上記の粒子を「エピオールNPG−100」(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、日本油脂製)20gをアセトン(80mL)で希釈した溶液に添加し、スラリー化した。次に、減圧下でスラリーのアセトンを留去した後、170〜180℃で1時間加熱し、ジグリシジルである「エピオールNPG−100」を反応させた。反応終了後、過剰の「エピオールNPG-100」をアセトンで繰り返し洗浄して洗い落とした。洗浄後、減圧乾燥を行い、表面にエポキシ基を有するポリイミドとシリカゲルの複合体を得た。
ポリイミドとシリカゲルの複合体と表面にエポキシ基を有するポリイミドとシリカゲルの複合体のFT−IRを測定し、両者の差スペクトルをとるとグリシジルエーテルを示す吸収が3051cm-1、2920cm-1、1956 cm-1、1105cm-1に認められた。
TGAの測定結果ではエピオールNPG−100(分子量216.27)の分解曲線とポリイミドの分解曲線との明確な分離はできないが、450℃における2者の重量減少の差(エポキシ成分は無くなっているがポリイミドは残っている)からエポキシ成分の比率を求めると樹脂成分の24.18%(重量)であることが確認された。本樹脂成分のアミノ基(1級アミン)に1分子に反応するエピオールNPG−100は8.6%(重量、計算値)である。したがって、アミノ基(1級)以外に、ポリイミドの末端のアミノ基および無水カルボキシル基、グリシジルが反応した後に生じた2級のアミノ基などが反応に関与していると考えられる。
また、シリカとの複合体中における樹脂含有率はTGAの結果より13.02%で、エピオールNPG−100成分の含有率は3.15%(100×0.1302×0.2418)、1.46×10-2(mol/複合粒子100g)、8.77×1021(個/複合粒子100g)である。また、比表面積(BET法)は34.903m/gであった。
実施例6
BTDA(32.22g 0.1mol)をDMF(500mL)に溶解し、DPE(12.01g, 0.06mol)を添加する。DPEが溶解後、約1時間撹拌してから2.4.6.TAPM(5.01g, 0.04mol)を加えてから4時間室温で撹拌し、アミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調整した。
このワニス250mLにBTDA(6.44g,0.002mol)を加え、4時間室温で撹拌した。次にこのワニス100mLをとり、4'−アミノベンゾ−15−クラウン−5−エーテル(2.3g,0.008mol)を加えて24時間室温で撹拌し、15−クラウン−5−エーテルを有するポリアミド酸を調整した。このワニス100mLにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)90gを加え、スラリー(実際はパサパサ)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。そのあと、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った(収量約83g)。
ポリイミドとシリカゲルの複合体と表面にクラウンエーテルを有するポリイミドとシリカゲルの複合体のFT−IRを測定し、両者の差スペクトルをとるとエーテル結合及び環状エーテル結合を示す吸収が2865cm-1、1120cm-1、1090 cm-1、940cm-1に認められた。
TGAの測定結果では樹脂含有量が14.22%(重量)であった。計算では樹脂100g中に存在するクラウンエーテルの数は0.35×1023個である。従って、粒子100g中に存在するクラウンエーテルの数は約5.0×1021個となる。また、比表面積(BET法)は20.896m/gであった。
次いで、粒子表面のクラウンエーテルの亜鉛吸着能力を評価した。試料(クラウンエーテル担持粒子20mL、9.16g)と塩化亜鉛水溶液(亜鉛濃度1.7725ppm)50mLとをサンプル管(100mL)に入れ、しんとう器で48時間処理し、塩化亜鉛水溶液をろ別した。この亜鉛水溶液液を蒸留水で2分の1に薄めて原子吸光で亜鉛の濃度を定量分析した。以下に結果を示す。
・標準液の亜鉛濃度:0.87698ppm(実測値)
・処理後の亜鉛濃度:0.30558ppm(実測値)
約65.2%の亜鉛イオンが粒子に吸着された。
実施例7
BTDA(32.22g 0.1mol)をDMF(500mL)に溶解し、DPE(12.01g,0.06mol)を添加する。DPEが溶解後、約1時間撹拌してから2.4.6.TAPM(5.01g 0.04mol)を加えてから4時間室温で撹拌し、アミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調整した。
このワニスの25mLにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)20gを加えスラリー(パサパサ状)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。その後、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行い、表面にアミノ基を有するポリイミドとシリカゲルの複合体を得た。
次に、この粒子10gをグルタルアルデヒド(150mL)、水(2840mL)、リン酸二水素カリウム(4.0g)、1N水酸化ナトリウム水溶液(12mL)の混合液に分散させ、液温を37℃に保持し、スターラーで2時間撹拌した。反応終了後、濾過し蒸留水で繰り返し洗浄し、表面にアルデヒド基を有するポリイミドとシリカゲルの複合体を得た(収量10g、約100%)。表面にアミノ基を有するポリイミドとシリカゲルの複合体と表面にアルデヒド基を有するポリイミドとシリカゲルの複合体のFT−IRを測定し、両者の差スペクトルをとるとアルデヒド基を示す強い吸収が1720cm-1に認められた。
実施例8
BTDA(32.22g 0.1mol)をDMF(500mL)に溶解し、DPE(12.01g 0.06mol)を添加する。DPEが溶解後、約1時間撹拌してから2.4.6.TAPM(5.01g 0.04mol)を加えてから4時間室温で撹拌し、アミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調整した。
このワニス250mLにBTDA(6.44g 0.002mol)を加え、4時間室温で撹拌した。次に、このワニスの100mLにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)90gを加えスラリー(パサパサ状)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。そのあと、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥し無水カルボキシル基を有するポリイミドとシリカゲルとの複合粒子を得た。次に、この複合粒子10gをDMF100mLに分散させ液にオリゴ糖の一種であるβ−シクロデキストリン(11.35g 0.01mol)を加えて4時間還流し、β−シクロデキストリンの水酸基と複合粒子の表面に存在する無水カルボン酸とのエステル化反応によって担持した。反応終了後、濾過して分離し、蒸留水で繰り返し洗浄して精製した。
ポリイミドとシリカゲルの複合体と表面にβ−シクロデキストリンを有するポリイミドとシリカゲルの複合体のFT−IRを測定し、両者の差スペクトルをとるとシクロデキストリンの存在を示す吸収が3410cm-1、1079cm-1、1030cm-1に認められた。
実施例9
BTDA(3.22g)をDMF100mLに溶かし、BAPS−M(3.46g)を添加し溶解した後、2.4.6.TAPM(0.25g)を添加し24時間常温で撹拌して表面にアミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調製した。このワニスにトルエン20mLを加え共沸により副成する水を反応系外に留去しながら4時間還流し、官能基を有するポリイミドのワニス得た(可溶性ポリイミドのワニス)。得られたワニス100gにマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)90gを加えスラリーとし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。TGAの測定結果では樹脂含有量が5.01%(重量)であった。また、比表面積(BET法)は28.656m/gであった。また、上記の方法で、得られた複合体粒子の細孔内は閉塞しておらず、気体や液体を容易に通過させることができることが判明した。
実施例10
(1)マイクロビーズシリカゲルのシランカップリング処理
マイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)50gをシランカップリング剤(0.5g、信越化学工業株式会社製、製品名「KBE−903」、(C2H5O)3SiC3H6NH2)をイオン交換水625mlに溶解した液に分散し、室温で24時間攪拌してから濾過し、水洗、乾燥後、110℃で2時間加熱してシランカップリング処理を行った。
他の無機粒子に対しても、あるいは他のシランカップリング剤を用いても同様の方法でシランカップリング処理を行うことができる。
(2)複合粒子の製造
BTDA(32.22g、0.1mol)をDMF(500mL)に溶解し、DPE(12.01g 0.06mol)を添加した。DPEが溶解した後、約1時間撹拌してから2.4.6.TAPM(5.01g,0.04mol)を加えてから4時間室温で撹拌し、アミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調整した。
このワニスの25mLに上記の方法でシランカップリング処理したマイクロビーズシリカゲル50gを加え、スラリー(実際はパサパサ)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。その後、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った。TGAの測定結果では樹脂含有量が10.21重量%であった。計算では樹脂中に存在するアミノ基の数は0.53×1023個である(但し、シランカップリング剤の処理量を無視して計算した)。従って、粒子100g中に存在するアミノ基の数は約5.40×1021個となる。また、比表面積(BET法)は22.29m/gであった。
実施例11
4,5-Diamino-2,6-dimercaptopyrimidine(略称DADMP 3.87g、純度90%、0.02mol、分子量174.25)をDMF(100ml)に溶解し、BTDA(6.44g、0.02mol)を添加し、24時間室温で撹拌し、チオール基を有するポリアミド酸ワニスを調製した。
このワニスの25mlを多孔性シリカゲルであるマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)の20gに加えスラリー(パサパサ状)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。その後、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。
イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った。TGAの測定結果では樹脂含有量が11.03重量%であった。計算では樹脂中に存在するアミノ基の数は2.61×1021個/g個である。従って、粒子中に存在するアミノ基の数は約2.88×1020個/gとなる。
実施例12
4,5-Diamino-2,6-dimercaptopyrimidine(略称DADMP 3.36g、純度90%、0.02mol、分子量174.25)をDMF(100ml)に溶解し、BTDA(6.44g,0.02mol)を添加し、24時間室温で撹拌し、SH基を有するポリアミド酸ワニスを調製した。
このワニスの25mlを多孔性シリカゲルであるマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)の20gに加えスラリー(パサパサ状)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。その後、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。
イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った。TGAの測定結果では樹脂含有量が10.24重量%であった。計算では樹脂中に存在するアミノ基の数は2.75×1021個/gである。従って、粒子中に存在するアミノ基の数は約2.82×1020個/gとなる。
実施例13
4,5-Diamino-2,6-dimercaptopyrimidine(略称DADMP 3.87g、純度90%、0.02mol、分子量174.25)をDMF(65ml)に溶解し、ピロメリット酸無水物PMDA(4.59g、純度95%、0.02mol)を添加し、24時間室温で撹拌し、SH基を有するポリアミド酸ワニスを調製した。
このワニスの25mlを多孔性シリカゲルであるマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)の20gに加えスラリー(パサパサ状)とし、ロータリーエバポレーターで加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。その後、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。
イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った。TGAの測定結果では樹脂含有量が11.70重量%であった。計算では樹脂中に存在するアミノ基の数は3.22×1021個/gである。従って、粒子中に存在するアミノ基の数は約3.76×1020個/gとなる。
実施例14
無官能のポリイミドとのブレンドと多孔性シリカを複合させた。
(1)4,5-Diamino-2,6-dimercaptopyrimidine(略称DADMP 3.87g、純度90%、0.02mol、分子量174.25)をDMF(65ml)に溶解したものに、ピロメリット酸無水物PMDA(4.59g、純度95%、0.02mol)を添加し、24時間室温で撹拌し、SH基を有するポリアミド酸ワニスを調製した。
(2)DME(20.01g,0.1mol)をDMF(500ml)に溶解したものに、BTDA(32.22g,0.1mol)を添加し、24時間室温で撹拌して無官能のポリアミド酸ワニスを調製した。
(1)と(2)のワニスをそれぞれ12.5mlずつ混合して均一にした後、多孔性シリカゲルであるマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)の20gに加えスラリーとし、加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。そのあと、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。
TGAの測定結果では樹脂含有量が10.95重量%であった。計算では樹脂中に存在するアミノ基の数は1.80×1021個/gである。従って、粒子中に存在するアミノ基の数は約1.97×1020個/gとなる。
実施例15
BTDA(32.22g,0.1mol)をDMF(500ml)に溶解し、DPE(12.01g,0.06mol)を添加し、DPEが溶解後、約1時間撹拌してから2,4,6-トリアミノピリミジン(5.01g,0.04mol)を加えて4時間室温で撹拌し、アミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調製した。
このワニスにBTDA(12.88g,0.04mol)を加え、4時間室温で撹拌してからワニス100mlに対して4-アミノチオフェノール(0.25g,0.002mol)を加え24時間室温で撹拌しチオールを有するポリアミド酸を調製した。
このワニスの25mlを多孔性シリカゲルであるマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)の20gに加えスラリー(パサパサ状)とし、加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。そのあと、加熱温度を180℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化した。イミド化終了後、アセトンで繰り返し洗浄した後、減圧加熱乾燥を行った。
TGAの測定結果では樹脂含有量が13.23重量%であった。計算では樹脂中に存在するアミノ基の数は3.88×1020個/gである。従って、粒子中に存在するアミノ基の数は約4.742×1019個/gとなる。
実施例16
BTDA(32.22g,0.1mol)をDMF(500ml)に溶解し、DPE(12.01g,0.06mol)を添加し、DPEが溶解後、約1時間撹拌してから2,4,6-トリアミノピリミジン(5.01g,0.04mol)を加えて4時間室温で撹拌し、アミノ基を有するポリアミド酸ワニスを調製した。
このワニスの50mlを多孔性シリカゲルであるマイクロビーズシリカゲル(「Micro Bead Silica Gel MB1000−40/75μm」富士シリシア化学製、BET比表面積31.798m/g、平均細孔径95.1nm)の40gに加えスラリー(パサパサ状)とし、加熱(約100℃)しながら減圧し、DMFを留去した。そのあと、加熱温度を165℃まで上げ、減圧を保持したまま4時間かけてイミド化し、表面にアミノ基を有する多孔性シリカゲル−ポリイミド複合粒子を調製した。
次に、グルタル酸アルデヒド(50%)30ml、水284ml、リン酸二水素カリウム0.4g、1N-水酸化ナトリウム水溶液12mlの溶液に上記のアミノ基を有する複合粒子を37℃で2時間、浸漬し、デカンテーションで粒子を分離した後水で洗浄後、室温で4日間減圧乾燥した。
TGAの測定結果では樹脂含有量が11.30重量%であった。計算では樹脂中に存在するアルデヒドの数は3.88×1020個/gである。従って、粒子中に存在するアルデヒド基の数は約4.38×1019個/gとなる。

Claims (12)

  1. 少なくとも無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより機能性ポリアミド酸を調製する工程に際し、前記工程のいずれかの段階で担体を混合することにより、機能性基を有するポリアミド酸が担体に担持された複合粒子を製造する方法。
  2. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸が溶解せず、かつ、前記非プロトン性極性溶媒と相溶性のある溶媒に前記混合物を分散することにより、ポリアミド酸を担体上に析出させる析出工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  4. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物をアルコール系溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程、(d)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  5. 少なくとも無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を反応させることにより機能性ポリアミド酸を調製し、次いで前記ポリアミド酸をイミド化することにより機能性ポリイミドを調製する工程に際し、前記工程のいずれかの段階で担体を混合することにより、機能性基を有するポリイミドが担体に担持された複合粒子を製造する方法。
  6. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸が溶解せず、かつ、前記非プロトン性極性溶媒と相溶性のある溶媒に前記混合物を分散することにより、ポリアミド酸を担体上に析出させる析出工程、(d)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程を含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程、(d)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程
    を含む、請求項5に記載の製造方法。
  8. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程、(d)ポリイミドが溶解せず、かつ、前記非プロトン性極性溶媒と相溶性のある溶媒に、前記イミド化工程で得られた混合物を分散することにより、ポリイミドを担体上に析出させる析出工程、
    を含むことを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
  9. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物を非プロトン性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程、(d)前記イミド化工程で得られた混合物から溶媒を除去する溶媒除去工程を含む、請求項5に記載の製造方法。
  10. (a)無水テトラカルボン酸と多官能ジアミン化合物をアルコール系溶媒中で反応させることによりポリアミド酸含有ワニスを調製するワニス調製工程、(b)前記ワニスに担体を混合することにより混合物を得る混合物調製工程、(c)混合物中に含まれる溶媒を除去する溶媒除去工程、(d)ポリアミド酸をイミド化するイミド化工程を含む、請求項5に記載の製造方法。
  11. 担体が無機材料により構成されている、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 担体があらかじめシランカップリング剤で処理されたものである、請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
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