JP2008222879A - 機能性ポリイミド微粒子の製造方法 - Google Patents

機能性ポリイミド微粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子形状等が制御された機能性ポリイミド微粒を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法に係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性ポリイミド微粒子の製造方法に関する。
ポリイミドの粒子を製造する方法としては、これまでいくつかの方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、極性溶媒中で無水テトラカルボン酸とジアミン化合物とを反応させることにより得られたポリアミド酸を加熱によってイミド化する方法が開示されている。
また、特許文献2には、無水テトラカルボン酸とジアミン化合物からポリイミドを合成する方法において、(a)無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、及び(c)得られたポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程を含むことを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法が開示されている。
特許文献3には、機能性基をもつポリイミド微粒子の製法として、無水テトラカルボン酸とジアミン化合物からポリイミドを合成する方法において、(a)無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方が機能性基を有し、かつ、当該無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と当該ジアミン化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製する第一工程、(b)第一溶液と第二溶液とを混合し、超音波攪拌により混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程、及び(c)得られたポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程を含むことを特徴とする、少なくとも粒子表面に当該機能性基を有するポリイミド微粒子の製造方法が開示されている。
浅尾勝哉、大西均、森田均「沈殿重合法によるポリイミド微粒子の調製」高分子論文集、Vol.57, No.5, pp271-276(2000) 特開平11−140181号公報 特開2000−248063号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、得られる微粒子のサイズ又は形状のコントロールが難しいという問題があるほか、官能基を有するものは得られない。特許文献2又は特許文献3の方法では、第一溶液及び第二溶液を別個に調製する必要があることから、工業的規模での生産に十分対応するためにはさらなる簡便な方法が必要である。
従って、本発明の主な目的は、粒子形状等が制御された機能性ポリイミド微粒を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定のプロセスを採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の機能性ポリイミド微粒子の製造方法に係る。
1. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位及びc)官能基を含むイミド結合含有単位を有するものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物、2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物及び3)前記の官能基を含むイミド結合含有単位を形成するための第3ジアミン化合物を用い、
前記ワニスを加熱することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
2. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物及び2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物を用い、
前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用い、
前記ワニスを加熱することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
3. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位及びc)官能基を含むイミド結合含有単位を有するものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物、2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物及び3)前記の官能基を含むイミド結合含有単位を形成するための第3ジアミン化合物を用い、
前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスと混合することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
4. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物及び2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物を用い、
前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用い、
前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスと混合することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
5. 機能性ポリイミド微粒子の平均粒径が1〜10μmである、前記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6. 極性溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びクレゾールの少なくとも1種である、前記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
7. 官能基が、酸クロライド基、アミノ基及び水酸基の少なくとも何れかと反応するものである、前記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
8. 酸クロライド基と反応する官能基が、水酸基及びアミノ基の少なくとも1種である、請求項7に記載の製造方法。
9. アミノ基と反応する官能基が、無水カルボキシル基である、前記項7に記載の製造方法。
10. 水酸基と反応する官能基が、カルボキシル基である、前記項7に記載の製造方法。
本発明によれば、可溶性骨格及び不溶性骨格のバランスを調整できるので、粒径等が揃った機能性ポリイミド微粒子を製造することができる。また、ポリアミド酸のワニスから製造できることから、比較的効率的かつ低コストで機能性ポリイミド微粒子を製造することができる。
第1発明
第1発明は、極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位及びc)官能基を含むイミド結合含有単位を有するものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物、2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物及び3)前記の官能基を含むイミド結合含有単位を形成するための第3ジアミン化合物を用い、
前記ワニスを加熱することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする。
第1発明の製造方法での最終目的物は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位(可溶性骨格)、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位(不溶性骨格)及びc)官能基を含むイミド結合含有単位(官能基骨格)を有するポリイミド微粒子である。このような構造を有することにより、所望の形状及び/又は粒径を有する機能性ポリイミド微粒子(官能基を有するポリイミド微粒子)を効率的に製造することができる。例えば、下式(1)に第1発明で目的とするポリイミド微粒子の化学構造の模式図を示す。
Figure 2008222879
…(1)
上記のように、不溶性骨格、可溶性骨格及び官能基骨格を有し、これらはモル比で40%:50%:10%の比率で存在する。これらの比率を調整することにより、粒径、粒子形状等を制御することができる。例えば、可溶性骨格の割合を多くすれば、粒子の球状化、粒子同士の合一や凝集を低減するという効果を得ることができる。
また、上記では、官能基骨格には、官能基としてアミノ基(NH)が結合しているが、本発明において官能基は1又は2以上結合していても良い。
不溶性骨格、可溶性骨格及び官能基骨格の並ぶ順序は特に制限されず、1)不溶性骨格、可溶性骨格及び官能基骨格の順、2)不溶性骨格、官能基骨格及び可溶性骨格の順、3)官能基骨格、不溶性骨格及び可溶性骨格の順等のいずれであっても良い。
第1発明では、まず、極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製することを前提とする。
極性溶媒中としては、特に限定されない。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びクレゾールの少なくとも1種を好適に用いることができる。前記溶媒の使用量は限定的でなく、用いる原料が十分に溶解する量を使用すれば良い。
無水テトラカルボン酸は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物;ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸無水物;チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物,4,4’−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物等の複素環族テトラカルボン酸無水物等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にBTDA、ピロメリット酸二無水物等が好ましい。
ジアミン化合物は、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン(BAPS−M)、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6’−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、S(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン等の1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(nは、3〜10)、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)等の芳香族ジアミン;1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノドデカン、1,11−ジアミノウンデカン等の脂肪族ジアミン;1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4−ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にDPE、TPE−R、BAPS−M等が好ましい。
第1発明では、前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物、2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物及び3)前記の官能基を含むイミド結合含有単位を形成するための第3ジアミン化合物を用いる。
すなわち、第1発明の特徴の一つは、第1ジアミン及び第2ジアミン化合物と、最終的にポリイミド微粒子を析出させる際に用いられる反応溶媒の種類との組み合わせにある。例えば、反応溶媒として前記の極性溶媒の少なくとも1種を用いる場合は、第1ジアミン化合物及び第2ジアミン化合物として、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン(BAPS−M)、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6’−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビベンジル、R(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、S(+)−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン等の1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(nは、3〜10)、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)等の芳香族ジアミン;1,2−ジアミノメタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノドデカン、1,11−ジアミノウンデカン等の脂肪族ジアミン;1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンから選択することが望ましい。
可溶性骨格を形成するための第1ジアミン化合物としては、上記の中でも特にBAPS−M及びFDAの少なくとも1種をより好適に用いることができる。
不溶性骨格を形成するための第2ジアミン化合物としては、特に球状粒子を得ようとする場合は、TPE−Q、DPE及びBAPBの少なくとも1種をより好適に用いることができる。例えば、反応溶媒としてDMF、第1ジアミン化合物としてBAPS−M、第2ジアミン化合物としてTPE−Qという組み合わせを好適に用いることができる。
第3ジアミン化合物は、前記に例示したジアミン化合物に官能基が結合した多官能ジアミン化合物を用いることができる。官能基としては、例えば水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、アルケン類(−CH=CH−)、アルキン類(−C≡C−)、ビニルエーテル類(−CH=CH−O−)、アミド基(−CONH)、ニトリル基(−C≡N)、イソシアネート基(−N=C=O)、ニトロ基(−NO)、スルホン基(−SOH)、チオール基(−SH)、アルデヒド基(−COH)、エポキシ基、クラウンエーテル基、無水カルボキシル基、エステル基、シアン基、エポキシ基、イミド基、ハロゲノ基、エーテル基等の官能基のほか、−CF基、−CCl基、−CBr等を挙げることができる。また、有機金属も挙げることができる。
多官能ジアミン化合物として、具体的には2,3−ジアミノフェノール(2,3−DAPH)、1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール(DHPr)、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS.A.AF)、3,5−ジアミノ安息香酸、(3.5.DBA)、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン(2.4.D.6.HP)、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)等が例示できる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特に3.5.DBA、TAP等が好ましい。
第1発明では、これらの出発物質を非プロトン極性溶媒に混合し、溶解させる。第1ジアミン化合物、第2ジアミン化合物、第3ジアミン化合物及び無水テトラカルボン酸の配合割合は、これらジアミン化合物及び無水テトラカルボン酸の種類、ポリイミド微粒子の所望の特性等により適宜設定することができ、通常は3成分の合計を100モル%とすれば、第1ジアミン化合物:2.5〜42.5モル%、第2ジアミン化合物:2.5〜42.5モル%、第3ジアミン化合物:0.5〜35モル%及び無水テトラカルボン酸:40〜50モル%の範囲内で決定すれば良い。また、これらの出発物質の濃度は、それぞれ1〜30重量%の範囲内で適宜調節することができる。
反応条件は、温度は0〜120℃程度、特に5〜30℃とすることが好ましい。また、反応雰囲気は空気でもよいが、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施することが加水分解や酸化の低減という見地より望ましい。反応時間は、用いる出発物質の種類等にもよるが、通常は0.5〜48時間程度である。このようにして反応を行うことによりポリアミド酸のワニス(ポリアミド酸溶液)を得る。
次いで、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる。析出させる方法は特に限定されず、公知のイミド化方法に従って実施することができる。例えば、生成したポリアミド酸に必要に応じて、水と共沸する有機溶媒を混合した後、前記ワニスを加熱して還流し副生成する水を反応系外へ留去する方法により、好適にポリイミド微粒子を析出させることができる。水との共沸溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン等の公知の溶媒から適宜選択することができる。
ポリイミド微粒子が析出した後、例えば静置分離、遠心分離等の方法により固液分離すれば良い。また、必要に応じて、洗浄、乾燥、分級等の工程を実施することもできる。
第2発明
第2発明は、極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物及び2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物を用い、
前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用い、
前記ワニスを加熱することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする。
第2発明の製造方法での最終目的物は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したポリイミド微粒子である。すなわち、第1発明では官能基を含むイミド結合含有単位を有するポリイミド微粒子を対象とするのに対し、第2発明では官能基を含むイミド結合含有単位を有さず、官能基が前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に直接に結合している点が異なる。例えば、下記に第2発明で目的とするポリイミド微粒子の化学構造の模式図を示す。
Figure 2008222879
…(2)
上記のように、不溶性骨格及び可溶性骨格を有し、これらはモル比で90%:10%の比率で存在する。これらの比率を調整することにより、粒径、粒子形状等を制御することができる。例えば、可溶性骨格の割合を多くすれば、粒子の球状化、粒子同士の合一や凝集を低減するという効果を得ることができる。また、上記の不溶性骨格には、官能基として水酸基(OH)が結合している。官能基は、1又は2以上が結合していても良い。
第2発明では、出発物質として、前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用いる。この点以外は、基本的に第1発明と同様にすれば良い。例えば、非プロトン極性溶媒等も第1発明と同様のものを使用することができる。
無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物としては、反応で消費されない官能基を有しているほかは、第1発明で挙げたものと同様の化合物を使用することができる。官能基の種類も、第1発明で挙げた各種の官能基を採用することができる。例えば、2,3−ジアミノフェノール(2,3−DAPH)、1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール(DHPr)、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS.A.AF)、3,5−ジアミノ安息香酸、(3.5.DBA)、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン(2.4.D.6.HP)、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)等を使用することができる。
第2発明では、これらの出発物質を非プロトン極性溶媒に混合し、溶解させる。第1ジアミン化合物、第2ジアミン化合物及び無水テトラカルボン酸の配合割合は、これらジアミン化合物及び無水テトラカルボン酸の種類、ポリイミド微粒子の所望の特性等により適宜設定することができ、通常は3成分の合計を100モル%とすれば、第1ジアミン化合物:0.1〜50モル%、第2ジアミン化合物:0.1〜50モル%及び無水テトラカルボン酸:40〜60モル%の範囲内で決定すれば良い。また、これらの出発物質の濃度は、それぞれ1〜30重量%の範囲内で適宜調節することができる。
反応条件は、温度は0〜120℃程度、特に5〜30℃とすることが好ましい。また、反応雰囲気は空気でもよいが、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施することが加水分解や酸化の低減という見地より望ましい。反応時間は、用いる出発物質の種類等にもよるが、通常は0.5〜48時間程度である。このようにして反応を行うことによりポリアミド酸のワニス(ポリアミド酸溶液)を得る。
次いで、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる。析出させる方法は特に限定されず、公知のイミド化方法に従って実施することができる。例えば、生成したポリアミド酸に必要に応じて、水と共沸する有機溶媒を混合した後、前記ワニスを加熱して還流し、副生成する水を反応系外へ留去する方法により、好適にポリイミド微粒子を析出させることができる。前記の水との共沸溶媒としてとしては、例えばトルエン、キシレン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン等の公知の溶媒から適宜選択することができる。
ポリイミド微粒子が析出した後、例えば静置分離、遠心分離等の方法により固液分離すれば良い。また、必要に応じて、洗浄、乾燥、分級等の工程を実施することもできる。
第3発明
第3発明は、極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位及びc)官能基を含むイミド結合含有単位を有するものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物、2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物及び3)前記の官能基を含むイミド結合含有単位を形成するための第3ジアミン化合物を用い、
前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスに添加することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする。
第3発明の製造方法での最終目的物は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位(可溶性骨格)、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位(不溶性骨格)及びc)官能基を含むイミド結合含有単位(官能基骨格)を有するポリイミド微粒子である。すなわち、第1発明と同様の構造を有するポリイミド微粒子を目的とする。このような構造を有することにより、所望の形状及び/又は粒径を有する機能性ポリイミド微粒子(官能基を有するポリイミド微粒子)を効率的に製造することができる。
第3発明では、ポリアミド酸のワニスの調製までは第1発明と同様に実施すれば良い。
次いで、前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスと混合することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる。
前記ワニスを加熱することによりイミド化を行う。例えば、生成したポリアミド酸に必要に応じて、水と共沸する有機溶媒を混合した後、前記ワニスを加熱して還流し副生成する水を反応系外へ留去する方法により、好適にイミド化を行うことができる。前記の水との共沸溶媒としてとしては、例えばトルエン、キシレン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン等の公知の溶媒から適宜選択することができる。
その後、生成したポリイミドに対する貧溶媒を添加することによりポリイミド微粒子を析出させる。前記の貧溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレン、水等の公知の溶媒から適宜選択することができる。例えば、生成したポリイミドの貧溶媒に前記ワニスを滴下することによりポリイミド微粒子を析出させることができる。この場合、ホモジナイザー等で攪拌しながら析出させることが凝集を低減することができるという見地より好ましい。
ポリイミド微粒子が析出した後、例えば静置分離、遠心分離等の方法により固液分離すれば良い。また、必要に応じて、洗浄、乾燥、分級等の工程を実施することもできる。
第4発明
第4発明は、極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
前記ポリイミド微粒子は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したものであり、
前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物及び2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物を用い、
前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用い、
前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスを混合することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
ことを特徴とする。
第4発明の製造方法での最終目的物は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したポリイミド微粒子である。すなわち、第3発明では官能基を含むイミド結合含有単位を有するポリイミド微粒子を対象とするのに対し、第4発明では官能基を含むイミド結合含有単位を有さず、官能基が前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に直接に結合している点が異なる。具体的には、第2発明と同様の構造を有するポリイミド微粒子を目的とする。
このため、出発物質として、前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用いる。この点以外は、基本的に第3発明と同様にすれば良い。例えば、非プロトン極性溶媒等も第3発明と同様のものを使用することができる。
無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物としては、反応で消費されない官能基を有しているほかは、第3発明で挙げたものと同様の化合物を使用することができる。官能基の種類も、第3発明で挙げた各種の官能基を採用することができる。例えば、2,3−ジアミノフェノール(2,3−DAPH)、1,3−ジアミノ−2−プロピルアルコール(DHPr)、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS.A.AF)、3,5−ジアミノ安息香酸、(3.5.DBA)、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジン(2.4.D.6.HP)、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)等を使用することができる。
第4発明では、これらの出発物質を非プロトン極性溶媒に混合し、溶解させる。第1ジアミン化合物、第2ジアミン化合物及び無水テトラカルボン酸の配合割合は、これらジアミン化合物及び無水テトラカルボン酸の種類、ポリイミド微粒子の所望の特性等により適宜設定することができ、通常は3成分の合計を100モル%とすれば、第1ジアミン化合物:0.5〜50モル%、第2ジアミン化合物:0.5〜50モル%及び無水テトラカルボン酸:40〜60モル%の範囲内で決定すれば良い。また、これらの出発物質の濃度は、それぞれ1〜30重量%の範囲内で適宜調節することができる。
反応条件は、温度は0〜120℃程度、特に5〜30℃とすることが好ましい。また、反応雰囲気は空気でもよいが、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施することが加水分解や酸化を低減するという見地より望ましい。反応時間は、用いる出発物質の種類等にもよるが、通常は4〜48時間程度である。このようにして反応を行うことによりポリアミド酸のワニス(ポリアミド酸溶液)を得る。
次いで、前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスを混合することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる。
前記ワニスを加熱することによりイミド化を行う。例えば、生成したポリアミド酸に必要に応じて、水と共沸する有機溶媒を混合した後、前記ワニスを加熱して還流し、副生成する水を反応系外へ留去する方法により、好適にイミド化を行うことができる。前記の水との共沸溶媒としてとしては、例えばトルエン、キシレン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン等の公知の溶媒から適宜選択することができる。
その後、生成したポリイミドに対する貧溶媒を添加することによりポリイミド微粒子を析出させる。前記の貧溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレン等の公知の溶媒から適宜選択することができる。例えば、生成したポリイミドの貧溶媒に前記ワニスを滴下することによりポリイミド微粒子を析出させることができる。この場合、ホモジナイザー等で攪拌しながら析出させることが微粒子の凝集を低減するという見地より好ましい。
ポリイミド微粒子が析出した後、例えば静置分離、遠心分離等の方法により固液分離すれば良い。また、必要に応じて、洗浄、乾燥、分級等の工程を実施することもできる。
ポリイミド微粒子
本発明のポリイミド微粒子は、化学構造としては第1発明〜第4発明のそれぞれの構造を有しており、サイズ及び形状が比較的揃ったものである。平均粒径は、一般的には1〜100μmの範囲内で設定することができるが、特に1〜10μmの範囲内で粒径の揃った粒子を提供することができる。特に、変動係数も3〜40%の範囲内という優れた特性を有する。形状は、一般に球状粒子であるが、その他の形状(不定形状)であっても良い。
また、本発明の機能性ポリイミド微粒子は、少なくとも粒子表面に官能基を有しており、それにより様々な用途に適用することができる。官能基としては、前記において第3ジアミン化合物で取り上げた官能基を例示することができる。すなわち、第3ジアミン化合物が有する官能基は、ポリイミド合成時に消費されることなく粒子表面に存在するので、その官能基が有する特性(反応性のほか、撥水性、透明性、摺動性、触媒特性、電解質機能、イオン交換機能等)を利用することができる。
更に、本発明の機能性ポリイミド微粒子は、必要に応じて粒子表面の官能基(第一の官能基)に第二の官能基を付与することもできる。例えば、第一の官能基がアミノ基である場合、それにBTDA等の無水テトラカルボン酸を反応させることにより、第二の官能基として無水カルボン酸を有するポリイミド微粒子を得ることができる。このような工程も本発明の製造方法に包含される。
官能基の存在は、公知の分析装置で解析することができるが、特に酸クロライド基、アミノ基及び水酸基の少なくともいずれと反応する官能基であれば、例えば次の方法により表面の官能基の存在を確認することができる。すなわち、得られたポリイミド微粒子を溶媒中に分散させた後、酸クロライド基、アミノ基又は水酸基を末端に有するパラフィン系炭化水素(検知用化合物)と反応させた後、ポリイミド微粒子を赤外分光分析により確認する方法により、ポリイミド微粒子の表面上のメチレン基の存在を確認することにより官能基の存在を判定する方法を好適に採用することができる。
酸クロライド基を有するパラフィン系炭化水素としては脂肪族酸クロリド(RCOCl(Rはアルキル基を示す。))が好ましく、特に前記Rの炭素数が多いほど赤外分光分析の検知精度が高くなる。従って、前記Rの炭素数が2〜20程度のものを好適に用いることができる。また、前記Rは、直鎖型アルキル基が好ましい。脂肪酸クロリドとしては、例えばn−ドデシル酸クロリド等を好適に用いることができる。脂肪酸クロリドの添加量は、ポリイミド微粒子表面の官能基と十分に反応できるだけの量とすれば良い。
アミノ基を有するパラフィン系炭化水素として、1級アミン化合物を添加し、ポリイミド微粒子表面の官能基とアミノ基とを反応させた後、ポリイミド微粒子を赤外分光分析により確認する方法により、ポリイミド微粒子の表面上のメチレン基の存在を確認することにより官能基の存在を判定する方法を好適に採用することができる。
1級アミン化合物としては脂肪族アミン(RNH(Rはアルキル基を示す。))が好ましく、特に前記Rの炭素数が多いほど赤外分光分析の検知精度が高くなる。従って、前記Rの炭素数が2〜20程度のものを好適に用いることができる。また、前記Rは、直鎖型アルキル基が好ましい。このような酸クロリドとしては、例えばn-ドデシルアミン等を好適に用いることができる。1級アミンの添加量は、ポリイミド微粒子表面の官能基と十分に反応できるだけの量とすれば良い。
水酸基の場合、アルコール類(特に1級アルコール)を添加し、ポリイミド微粒子表面の官能基と水酸基とを反応させた後、ポリイミド微粒子を赤外分光分析により確認する方法により、ポリイミド微粒子の表面上のメチレン基の存在を確認することにより官能基の存在を判定する方法を好適に採用することができる。
アルコール類としては高級アルコール(ROH(Rはアルキル基を示す。))が好ましく、特に前記Rの炭素数が多いほど赤外分光分析の検知精度が高くなる。従って、前記Rの炭素数が2〜20程度のものを好適に用いることができる。また、前記Rは、直鎖型アルキル基が好ましい。このような高級アルコールとしては、例えばn−ドデシルアルコール等を好適に用いることができる。高級アルコールの添加量は、ポリイミド微粒子表面の官能基と十分に反応できるだけの量とすれば良い。
また、前記の溶媒としては、ポリイミド微粒子と反応性のない溶媒を好適に用いることができ、具体的にはNMP、DMAc、アセトン、トルエン、エーテル、n−ヘキサン等の中から適宜選択することができる。さらに、前記の溶媒には、必要に応じて副生成する塩酸を中和する目的のために3級アミン、カイセイソーダ等を中和剤として添加することができる。
官能基と検知用化合物との反応は、官能基の種類等によもよるが、通常は10分〜1時間の間で完了する。反応は、検知用化合物がアミノ基を有する場合はアミド化反応が起こり、検知用化合物が水酸基を有する場合はエステル化反応が生じる。
反応終了後、遠心分離器等の公知の固液分離方法でポリイミド微粒子を分離し、必要に応じてアセトンで未反応の検知用化合物を除去しても良い。乾燥した後、検知用化合物で処理されたポリイミド微粒子を赤外分光分析によりメチレン基の有無を観察する。官能基が存在する場合は、2800cm−1付近において、処理前には存在しないメチレン基(検知用化合物のメチレン基)による強い吸収が確認できる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
<実施例1>
BTDA(0.1モル、32.2g)、TPE−Q(0.04モル、11.7g)、BAPS−M(0.05モル、21.6g)及びTAP(0.01モル、1.25g)をDMF(500mL)中にて窒素ガス下で攪拌しながら常温で24時間反応させることにより、ポリイミド酸のワニスを調製した。
前記ワニスにトルエン100mLを加え、135〜140℃で約4時間還流した。反応容器としてセパラブルフラスコを用い、還流冷却器とセパラブルフラスコとの間に検水器を取り付け、錨型攪拌棒により攪拌した。イミド化反応に伴い副生成物として生成する水はトルエンとの共沸により反応系外の検水器にトラップし、トルエンはオーバーフローによりフラスコ中に戻した。反応の終了は、副生成物である水の生成の有無で確認した。反応の組み合わせ全てにおいて、乾留開始から約3時間で水の生成が終了した。また、還流開始後、約30分〜約1時間で微粒子の沈殿が始まった。水の生成が終了してから約1時間還流を続けた。反応終了後、析出したポリイミド微粒子をデカンテーションで分離し、反応溶媒及びアセトンで洗浄することにより精製した。得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図1に示す。図1に示すように、ポリイミド微粒子の形状は球状であった。また、得られたポリイミド微粒子は、平均粒径5.64μm、変動係数12.98%、熱分解温度553℃、ガラス転移温度248℃であった。
得られたポリイミド微粒子の表面にアミノ基を有することの確認を脂肪酸クロリドによる処理によって確認した。上記ポリイミド微粒子0.25gをDMAc50mL中に分散させた後、トリメチルアミン(1mL)及びn−ドデシル酸クロリド(1.5g)を添加し、室温で30分間攪拌した。反応終了後、遠心分離器でポリイミド微粒子を分離し、アセトンで未反応のトリメチルアミン及びn−ドデシル酸クロリドを除去した。乾燥後、n−ドデシル酸クロリドで処理されたポリイミド微粒子を赤外分光分析によりメチレン基の有無を観察した結果、2800cm−1付近において、処理前には存在しないメチレン基(n−ドデシル酸クロリドのメチレン基)による強い吸収が確認された。このことは、n−ドデシル酸クロリドがポリイミド微粒子表面のアミノ基とアミド化反応した結果を示すものであり、これによりポリイミド微粒子表面にアミノ基が存在することが確認された。
<実施例2>
BTDA(0.1モル、32.2g)、BAPS−M(0.09モル、38.9g)及びDAPH(0.01モル、1.25g)をNMP(500mL)中にて窒素ガス下で攪拌しながら常温で24時間反応させることにより、ポリイミド酸のワニスを調製した。
前記ワニスにトルエン100mLを加え、135〜140℃で約4時間還流した。反応容器としてセパラブルフラスコを用い、還流冷却器とセパラブルフラスコとの間に検水器を取り付け、錨型攪拌棒により攪拌した。イミド化反応に伴い副生成物として生成する水はトルエンとの共沸により反応系外の検水器にトラップし、トルエンはオーバーフローによりフラスコ中に戻した。本実施例における合成では、約4時間還流することによりポリイミドのワニスを得た。
前記ポリイミドのワニスをアセトン中にホモジナイザーにより高速攪拌しながら滴下し、析出したポリイミド微粒子をデカンテーションで分離した。その後、分離回収したポリイミド微粒子をアセトンで洗浄した後、溶媒を水で置換し、凍結乾燥することによりポリイミド微粒子(乾粉)を得た。得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図2に示す。図2に示すように、ポリイミド微粒子の形状は不定形状(三次元網目状)であった。また、得られたポリイミド微粒子は、平均粒径2.96μm、熱分解温度250℃、ガラス転移温度550℃であった。
得られたポリイミド微粒子の表面に水酸基を有することを脂肪酸クロリドによる処理によって確認した。上記ポリイミド微粒子0.25gをDMAc50mL中に分散させた後、トリメチルアミン(1mL)及びn−ドデシル酸クロリド(1.5g)を添加し、室温で30分間攪拌した。反応終了後、遠心分離器でポリイミド微粒子を分離し、アセトンで未反応のトリメチルアミン及びn−ドデシル酸クロリドを除去した。乾燥後、n−ドデシル酸クロリドで処理されたポリイミド微粒子を赤外分光分析によりメチレン基の有無を観察した結果、図7に示すような結果が得られた。図7によれば、2800cm−1付近において、処理前には存在しないメチレン基(n−ドデシル酸クロリドのメチレン基)による強い吸収が確認された。このことは、n−ドデシル酸クロリドがポリイミド微粒子表面の水酸基とエステル化反応した結果を示すものであり、これによりポリイミド微粒子表面に水酸基が存在することが確認された。
<実施例3>
BTDA(0.1モル、32.2g)、BAPS−M(0.09モル、38.9g)及び2,3−DAPH(0.01モル、1.25g)をNMP(500mL)中にて窒素ガス下で攪拌しながら常温で24時間反応させることにより、ポリイミド酸のワニスを調製した。
前記ワニスにトルエン100mLを加え、135〜140℃で約4時間還流した。反応容器としてセパラブルフラスコを用い、還流冷却器とセパラブルフラスコとの間に検水器を取り付け、錨型攪拌棒により攪拌した。イミド化反応に伴い副生成物として生成する水はトルエンとの共沸により反応系外の検水器にトラップし、トルエンはオーバーフローによりフラスコ中に戻した。本実施例における合成では、約4時間還流することによりポリイミドのワニスを得た。
前記ポリイミドのワニスをアセトン中に加えて再沈殿させ、固形分を取り出し、乾燥した後、NMPに溶解させて濃度10重量%のワニスを調製した。このワニスをマグネチックスターラーで穏やかに攪拌した水中(不溶性溶媒)に滴下した。沈殿生成したポリイミド微粒子を遠心分離器で分離した。その後、分離回収したポリイミド微粒子を凍結乾燥することによりポリイミド微粒子(乾粉)を得た。得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図3に示す。図3に示すように、ポリイミド微粒子の形状は球状であった。また、得られたポリイミド微粒子は、平均粒径44.85nm、変動係数33.95%、熱分解温度250℃、ガラス転移温度550℃であった。
また、得られたポリイミド微粒子の表面に水酸基が存在することは、実施例2と同様にして赤外分光分析することにより確認できた。
<実施例4>
BTDA(0.1モル、32.2g)、BAPS−M(0.05モル、21.6g)、TPE−Q(0.03モル、8.77g)、BAPS(0.05モル、21.6g)及びTAP(0.02モル、2.5g)をDMF(500mL)中にて窒素ガス下で攪拌しながら常温で24時間反応させることにより、ポリイミド酸のワニスを調製した。
前記ワニスにトルエン100mLを加え、135〜140℃で約4時間還流した。反応容器としてセパラブルフラスコを用い、還流冷却器とセパラブルフラスコとの間に検水器を取り付け、錨型攪拌棒により攪拌した。イミド化反応に伴い副生成物として生成する水はトルエンとの共沸により反応系外の検水器にトラップし、トルエンはオーバーフローによりフラスコ中に戻した。反応の終了は、副生成物である水の生成の有無で確認した。反応の組み合わせ全てにおいて、乾留開始から約3時間で水の生成が終了した。また、還流開始後、約30分〜約1時間で微粒子の沈殿が始まった。水の生成が終了してから約1時間還流を続けた。反応終了後、析出したポリイミド微粒子をデカンテーションで分離し、反応溶媒及びアセトンで洗浄することにより精製した。得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図4に示す。図4に示すように、ポリイミド微粒子の形状は球状であった。また、得られたポリイミド微粒子は、平均粒径1.95μm、変動係数38.00%、熱分解温度551℃、ガラス転移温度251℃であった。
また、得られたポリイミド微粒子の表面にアミノ基が存在することは、実施例1と同様にして赤外分光分析することにより確認できた。
<実施例5>
BTDA(0.1モル、32.2g)、TPE−Q(0.04モル、11.7g)、BAPS−M(0.05モル、21.6g)及び3,5−ジアミノ安息香酸(0.01モル、1.52g)をDMF(500mL)中にて窒素ガス下で攪拌しながら常温で24時間反応させることにより、ポリイミド酸のワニスを調製した。
前記ワニスにトルエン100mLを加え、135〜140℃で約4時間還流した。反応容器としてセパラブルフラスコを用い、還流冷却器とセパラブルフラスコとの間に検水器を取り付け、錨型攪拌棒により攪拌した。イミド化反応に伴い副生成物として生成する水はトルエンとの共沸により反応系外の検水器にトラップし、トルエンはオーバーフローによりフラスコ中に戻した。反応の終了は、副生成物である水の生成の有無で確認した。反応の組み合わせ全てにおいて、乾留開始から約3時間で水の生成が終了した。また、還流開始後、約30分〜約1時間で微粒子の沈殿が始まった。水の生成が終了してから約1時間還流を続けた。反応終了後、析出したポリイミド微粒子をデカンテーションで分離し、反応溶媒及びアセトンで洗浄することにより精製した。得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図5に示す。図5に示すように、ポリイミド微粒子の形状は多孔性の球状であった。また、得られたポリイミド微粒子は、平均粒径2.70μm、変動係数4.98%、熱分解温度546℃、ガラス転移温度249℃であった。
また、得られたポリイミド微粒子の表面にカルボキシル基が存在することは、酸触媒下で高級アルコール(オクタノール)とエステル化反応させ、赤外分光分析でメチレンの存在を確認するという方法により確認できた。
<実施例6>
BTDA(0.1モル、32.2g)、TPE−Q(0.04モル、11.7g)、BAPS−M(0.04モル、17.3g)及び2,3−DAPH(0.02モル、2.48g)をNMP(500mL)中にて窒素ガス下で攪拌しながら常温で24時間反応させることにより、ポリイミド酸のワニスを調製した。
前記ワニスにトルエン100mLを加え、135〜140℃で約4時間還流した。反応容器としてセパラブルフラスコを用い、還流冷却器とセパラブルフラスコとの間に検水器を取り付け、錨型攪拌棒により攪拌した。イミド化反応に伴い副生成物として生成する水はトルエンとの共沸により反応系外の検水器にトラップし、トルエンはオーバーフローによりフラスコ中に戻した。反応の終了は、副生成物である水の生成の有無で確認した。反応の組み合わせ全てにおいて、乾留開始から約3時間で水の生成が終了した。また、還流開始後、約30分〜約1時間で微粒子の沈殿が始まった。水の生成が終了してから約1時間還流を続けた。反応終了後、析出したポリイミド微粒子をデカンテーションで分離し、反応溶媒及びアセトンで洗浄することにより精製した。得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図6に示す。図6に示すように、ポリイミド微粒子の形状は多孔性の球状であった。また、得られたポリイミド微粒子は、平均粒径2.98μm、変動係数16.26%、熱分解温度551℃、ガラス転移温度254℃であった。
また、得られたポリイミド微粒子の表面に水酸基が存在することは、実施例2と同様にして赤外分光分析することにより確認できた。
実施例1で得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 実施例1で得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 実施例1で得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 実施例1で得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 実施例1で得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 実施例1で得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 実施例1で得られたポリイミド微粒子を脂肪酸クロリドで処理した後に、赤外分光分析により観察した結果を示す図である。

Claims (10)

  1. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
    前記ポリイミド微粒子は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位及びc)官能基を含むイミド結合含有単位を有するものであり、
    前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物、2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物及び3)前記の官能基を含むイミド結合含有単位を形成するための第3ジアミン化合物を用い、
    前記ワニスを加熱することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
    ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
  2. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
    前記ポリイミド微粒子は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したものであり、
    前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物及び2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物を用い、
    前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用い、
    前記ワニスを加熱することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
    ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
  3. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
    前記ポリイミド微粒子は、a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位、b)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位及びc)官能基を含むイミド結合含有単位を有するものであり、
    前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物、2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物及び3)前記の官能基を含むイミド結合含有単位を形成するための第3ジアミン化合物を用い、
    前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスと混合することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
    ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
  4. 極性溶媒中で無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物を反応させることによりポリアミド酸のワニスを調製した後、前記ワニスを原料として用いてポリイミド微粒子を反応溶媒から析出させる方法であって、
    前記ポリイミド微粒子は、1)a)前記反応溶媒に対して可溶性のイミド結合含有単位及びb)前記反応溶媒に対して不溶性のイミド結合含有単位を有し、かつ、2)前記a)及び/又はb)のイミド結合含有単位に官能基が結合したものであり、
    前記ジアミン化合物として、1)前記の可溶性のイミド結合含有単位を形成するための第1ジアミン化合物及び2)前記の不溶性のイミド結合含有単位を形成するための第2ジアミン化合物を用い、
    前記無水テトラカルボン酸及びジアミン化合物の少なくとも一方の化合物として、前記反応で消費されない官能基を有する化合物を用い、
    前記ワニスを加熱することによりポリイミドのワニスを経た後、ポリイミドに対する貧溶媒を前記ポリイミドのワニスと混合することにより機能性ポリイミド微粒子を析出させる、
    ことを特徴とする機能性ポリイミド微粒子の製造方法。
  5. 機能性ポリイミド微粒子の平均粒径が1〜10μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 極性溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びクレゾールの少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 官能基が、酸クロライド基、アミノ基及び水酸基の少なくとも何れかと反応するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  8. 酸クロライド基と反応する官能基が、水酸基及びアミノ基の少なくとも1種である、請求項7に記載の製造方法。
  9. アミノ基と反応する官能基が、無水カルボキシル基である、請求項7に記載の製造方法。
  10. 水酸基と反応する官能基が、カルボキシル基である、請求項7に記載の製造方法。
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