JPH11111162A - 電界放射冷陰極の製造方法 - Google Patents

電界放射冷陰極の製造方法

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JPH11111162A JP27000197A JP27000197A JPH11111162A JP H11111162 A JPH11111162 A JP H11111162A JP 27000197 A JP27000197 A JP 27000197A JP 27000197 A JP27000197 A JP 27000197A JP H11111162 A JPH11111162 A JP H11111162A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な方法によりエミッタ電極先端への粘着
剤残渣を無くし、エミッタ特性の低下を抑制した電界放
出冷陰極の製造方法を提供する。 【解決手段】 1枚のウエハ上に複数形成された電界放
射冷陰極の表面に粘着剤つき保護シートを貼り付け、ダ
イシングにより個々の素子に分割する工程を含む電界放
射冷陰極の製造方法において、前記保護シートを保護シ
ート用フレームに固定し、固定された状態のまま保護シ
ートの粘着剤層の前記電界放射冷陰極の各エミッタ領域
に相当する部分に粘着剤の流動防止手段を設ける、貼り
付け時の各エミッタ領域に相当する部分における加圧力
を低減する、あるいは粘着剤層中に微小球を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先端を先鋭化した
エミッタ電極を有する電界放射冷陰極の製造方法に関
し、特に、1枚のウエハ上に複数形成される電界放射冷
陰極を個々の素子に分割する際に使用する保護シートの
貼り付け方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電子放出を利用した熱陰極に代わる電
子源として、電界放射冷陰極が開発されている。電界放
射冷陰極は先鋭な突起を持つ電極の先端に、高電界(2
〜5E7V/cm以上)を発生させることで、量子力学
的トンネリングによって電子を空間に放出させる。この
ため、先端の先鋭度がデバイスの特性を左右する条件で
あるが、おおよそ数百オングストローム以下の曲率半径
が必要であると言われている。また、電界発生のために
は電極を1μm程度あるいはそれ以下の近接した位置に
配して、数10〜数100Vの電圧を印加する必要があ
る。また、電極表面の清浄度も、仕事関数に影響を与
え、エミッション特性を大きく左右する重要な要因であ
る。
【0003】実際にはこのような素子が、同一の基板上
に数千〜数万形成され、並列に接続されたアレイとして
使用されることが多い。このようなことから、一般的に
半導体の微細加工技術を応用して製造される。
【0004】このような電界放射冷陰極の具体的な製法
の一つは、アメリカのSRI(Stanford Research Insti
tute)のスピント(Spindt)らによって開発された方法
(J. Appl. Phys. 39, p3504, 1968)で、導電性の基板
上にモリブデンのような高融点金属を堆積させて先端形
状の先鋭な構造を得るものである。この製造方法を図2
6に示す。
【0005】まず、シリコン基板71を用意し、酸化膜
を成長させ絶縁層72とする。続いてゲート層74とし
てモリブデンを真空蒸着により堆積する。その後、レジ
スト73を塗布し、フォトリソグラフィーとエッチング
により直径約1μmの開口77を形成し、該開口を介し
て絶縁層72をエッチングする(図26(a))。次
に、回転斜め蒸着を行いアルミニウムの犠牲層78を形
成する。続いて、モリブデンを垂直方向から真空蒸着し
て、エミッタ電極75を堆積させる(図26(b))。
最後に、犠牲層78の上に堆積したモリブデン膜70
を、犠牲層78を選択エッチングする事によりリフトオ
フし、デバイスの構造を得る(図26(c))。
【0006】こうして作られた素子はエミッタ電極75
に負、ゲート電極74が正となるように電圧を印加する
ことで、エミッタ電極75の先端から、基板71と垂直
な方向に電子が放射される。このような構造は一般に縦
型電界放射冷陰極と呼ばれている。
【0007】このような電界放射冷陰極の用途のひとつ
に、電子管等の電子源としての利用がある。上述したよ
うなプロセスは、半導体素子のプロセスとして一般的に
行われているのと同様に、数100〜数1000の素子
を1枚の基板(ウエハ)に同時に作り込む。これを電子
管に搭載するためには、ダイシングによって個々の素子
に分離する必要がある。
【0008】ダイシングは高速で回転する砥石(ダイヤ
モンド、C−BN等の砥粒)で基板を切断する手段であ
るが、冷却、切り屑の飛散防止のために切削部に切削水
を噴射して行うことが一般的である。しかし、この切削
水は素子の形成された基板表面を流動するために、切り
屑(シリコン基板、電極材料等導電性物質も多数あり)
をエミッタ電極近傍にもたらす。切り屑がエミッタ近傍
に残ると、絶縁特性の劣化をもたらし、素子の信頼性を
損ねる。
【0009】従って、従来その対策として、ダイシング
の際には、基板表面を樹脂の基材に粘着剤を塗布した保
護シートでカバーし、これにより、上記の絶縁特性は良
好に保たれてきた。
【0010】ダイシング工程の一般的手順を以下に示
す。
【0011】まず、エミッタ形成、リフトオフの終わっ
たウエハ表面に、UV(紫外線)硬化性粘着剤が塗布さ
れた保護シートを貼り付ける。ウエハ裏面側にも粘着シ
ートを貼り付け、保護シート側からダイシングをおこな
う。このとき切り屑の混じった切削水はウエハ表面にか
かるが、保護シートがあるために、エミッタエリアには
直接接することがなく、ゴミ・汚れなどに起因する絶縁
不良等の欠陥を防ぐことができる。
【0012】ダイシング後は、保護シートを素子から剥
離するが、例えば、粘着剤に紫外線硬化型のものを使用
し、ウエハ表面に紫外線を照射し、粘着剤を硬化させる
ことによって粘着力を低下させれば、容易に保護シート
を剥離することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、粘着性の保護
シートを貼り付ける際の加圧力によって、保護シートの
粘着剤が流動し、エミッタが形成された領域では、図2
4のように、ゲート電極74の開口77内に基材23と
粘着剤層24とから構成される保護シート22の粘着剤
が侵入し、エミッタ電極75の先端にも接触する。粘着
剤の侵入深さは、ゲート開口径約0.6μmにおいて、
約0.25μmである(発明者らのグループによる侵入
深さH(μm)の測定値の一例は:ゲート径Dが0.6
〜1.6μmφの範囲で、H=D×0.3+0.07で
あった。)。ダイシング後に、保護シートを剥離する
と、粘着剤は除去され、SEM観察等でもその残留は確
認できない。しかし、微少量の粘着剤残渣がエミッタ表
面に残留するため、表面の実効的な仕事関数を上昇さ
せ、素子の特性を劣化させていた。
【0014】図25は上記の標準的なプロセスを模擬
し、ダイシングを行わずに素子特性を評価した結果と、
保護シートの貼り付け、剥離を行い粘着剤の影響を模擬
的に再現した素子の、エミッション特性である。保護シ
ートの影響がある場合、初期の特性に比べて、明らかな
劣化がある。
【0015】特開平4−356942号公報には、保護
シートに、切断される領域よりもやや大きい領域に選択
的に接着剤層を形成して、あるいは切断される領域より
もやや大きい領域に遮光膜パターンを形成し、この遮光
膜パターンをマスクとして紫外線を照射して、シートの
切断される領域を除く領域の紫外線硬化型接着剤を硬化
させてから貼り付け、その保護シート側からダイシング
マシンを用いた切断を行うことで素子表面が接着剤で汚
染されることが無く、又、切断面の側面でのみ固着され
た保護シートによって保護されているために、切り屑等
で汚染されることもないことが開示されている。
【0016】確かに、このような構成を電界放出冷陰極
の製造に適用すれば、エミッタ電極先端に粘着剤が接触
することが無くなり、粘着剤残渣によるエミッタ特性の
低下が抑制されることが予想される。しかしながら、切
断領域よりもやや大きい領域にだけ粘着剤を設けたので
は、切断時に架かる力により保護フィルムの一部に剥が
れが生じ、その部分からダイシングの際の切削水が侵入
して所期の目的を達成できないおそれがある。
【0017】これを防止するために、接着力の強い接着
剤を使用することが考えられる。通常、このような保護
フィルムは、厚さ50〜100μm程度の合成樹脂製の
フィルム上に接着剤層を設けたものが使用されており、
剛性がそれほど高いものではない。通常は、ロールに巻
かれた状態で製造業者から納品され、それを引き出して
使用する。ロールから引き出すとき、弛みをとるとき、
又、位置合わせするときには、このような薄い樹脂製フ
ィルムはかなり伸縮性があるため、力のかかる方向にの
び、その直角方向では縮む傾向がある。前記のように接
着剤の塗布領域を切断領域よりもやや大きい領域だけに
設けた場合、例えば前記公報の実施例に記載されている
ような切断領域から60μmというのは、4インチウエ
ハ(100mmφ)では、直径に対して0.06%であ
り、ウエハ上の一点でその精度での位置合わせが可能で
あっても、縦横共に、ウエハ全体にわたってあわせるこ
とは、シートの伸縮を考慮すると至難の業である。ま
た、ウエハサイズは大きくなる傾向にあり、更に精度的
に困難性が拡大する。つまり、位置ズレにより、切断予
定部位に接着剤の無い領域、あるいは硬化領域がきてし
まうと、切削水が侵入して、エミッタ特性を低下させて
しまう原因となる。
【0018】従って、接着剤の塗布領域は広くとる必要
がある。しかしながら、広くとった場合、フィルムの伸
縮により予定していた部位がずれて、接着剤層がエミッ
タ領域にかかってしまうおそれがあり、そのため、保護
フィルムの貼り付けに際して、位置合わせは非常に困難
である。
【0019】従って、本発明は、このような従来技術の
問題点を解決するもので、簡便な方法によりエミッタ電
極先端への粘着剤残渣を無くし、エミッタ特性の低下を
抑制した電界放出冷陰極の製造方法を提供するものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、1枚のウ
エハ上に複数形成された電界放射冷陰極の表面に粘着剤
つき保護シートを貼り付け、ダイシングにより個々の素
子に分割する工程を含む電界放射冷陰極の製造方法にお
いて、前記保護シートを保護シート用フレームに固定
し、固定された状態のまま保護シートの粘着剤層の前記
電界放射冷陰極の各エミッタ領域に相当する部分に粘着
剤の流動防止手段を設けたことを特徴とする。特に、前
記保護シート用フレームに位置合わせ手段を設け、粘着
剤の流動防止手段の加工とウエハへの保護シートの貼り
付けを、前記位置合わせ手段を基準に行うことは望まし
い。
【0021】又、本発明は1枚のウエハ上に複数形成さ
れた電界放射冷陰極の表面に粘着剤つき保護シートを貼
り付け、ダイシングにより個々の素子に分割する工程を
含む電界放射冷陰極の製造方法において、保護シートを
貼り付ける際に押さえ具を使用し、該押さえ具が、エミ
ッタエリアに相当する位置に凹部を形成した押さえ具を
であることを特徴とする電界放射冷陰極の製造方法に関
する。
【0022】更に本発明は、1枚のウエハ上に複数形成
された電界放射冷陰極の表面に粘着剤つき保護シートを
貼り付け、ダイシングにより個々の素子に分割する工程
を含む電界放射冷陰極の製造方法において、保護シート
として、粘着剤中に粘着剤層厚さの10〜90%の粒径
の粒子を混入された保護シートを使用することを特徴と
する電界放射冷陰極の製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】上記第1の発明では、フレームに
保護シートを固定してから粘着剤の流動防止手段を設け
るために、保護シートの伸縮による位置ズレを防止する
ことができる。具体的には、ウエハ表面に保護シートを
貼り付ける際に使用する流動防止手段とは、以下の何れ
かの流動防止手段を施すことをいい、以下、このような
流動防止手段を施した領域を対策領域と呼ぶ。
【0024】1.粘着剤として光硬化型粘着剤を用い、
貼り付け前に光照射により硬化させた部分。
【0025】2.エミッタエリアに相当する部分の粘着
剤層上に該粘着剤より剛性の高い材料からなる薄膜を形
成、あるいは箔を貼り付けたもの。
【0026】3.エミッタエリアに相当する部分を除く
部分にのみ粘着剤を塗布して形成した、あるいは全面に
形成されている粘着剤を貼り付け前にエミッタエリアに
相当する部分のみを除去して形成された無粘着剤領域。
【0027】4.エミッタエリアに相当する部分の粘着
剤に、凸部を持つ工具を押し当てて形成した凹部。
【0028】このように形成される対策領域の大きさ
は、電界放射冷陰極素子のエミッタエリアの大きさと粘
着剤による貼り付け強度とを勘案して適宜決めればよい
が、たとえば、2mm角のチップに対して0.1〜0.
8mmφのエミッタエリアを形成した場合、対策領域は
エミッタと同等か周囲の各方向で0.1mm程度の余裕
をもたせて形成すればよいので、0.3〜1.0mmφ
になるように形成すればよい。
【0029】本発明の第2の発明では、保護シートの伸
縮に関わりなく、凹部を有する押さえ具を用いて、押さ
え具の凹部とウエハ上に形成されたエミッタエリアとを
対応させることにより、エミッタエリア上では加圧力が
低減され、粘着剤の流動が抑えられることから、粘着剤
のエミッタ電極先端への接触が防止できる。
【0030】更に第3の発明では、規定の粒径を有する
微小球を粘着剤層に混入したことにより、粘着剤の流動
が抑えられ、粘着剤のエミッタ電極先端への接触が防止
できる。
【0031】いずれの方法を用いても、エミッタ特性の
低下のない電界放射冷陰極を提供することができる。
【0032】
【実施例】
実施例1 UV(紫外線)照射によって硬化するような、いわゆる
「UV硬化型」の粘着剤を、合成樹脂性のフィルムの片
面に塗布した保護シートを使用し、保護シートを貼り付
けたときに、基板(ウエハ)上の素子のうちの、エミッ
タ電極が形成された領域にあたる部分の粘着剤を、貼り
付け前に、予めUVを部分的に照射して、硬化させてお
いたのち、貼付を実施する例について説明する。
【0033】電界放射冷陰極には、図26(c)に示す
ような、直径約0.6μmφのゲート開口をもつ微小エ
ミッタが、数百〜数万個並列に接続されて、配列されて
いる。
【0034】図1は電界放射冷陰極の素子1個の外観を
示す斜視図である。図1において、基板11上に絶縁層
(図示せず)を介してゲート電極12が形成されてお
り、その中央に前述のエミッタアレイ10がある。ゲー
ト電極12はゲート電圧印加のためにボンディングパッ
ドが接続されている。素子の寸法は、電子管等の電子源
に利用する場合では数mm角(2〜10mm角程度)が
一般的である。このような電界放射冷陰極は、1個1個
を個別に製造するのではなく、半導体産業で行われてい
るような、ウエハプロセスによって製造され、その後、
個々の素子に分離される。
【0035】ウエハプロセス以降の一般的な作業手順に
沿って図により実施例を説明する。
【0036】図3(a)はウエハプロセスを終了したウ
エハ21の断面図である。ウエハ21の表面(図の上
側)にはエミッタアレイが配置されたエミッタエリア2
0がマトリクス状に配列されている。実際の寸法比では
エミッタエリアは断面図で図示しても識別できない大き
さであるが、ここでは、その位置を示すために便宜的に
大きく表している。
【0037】ウエハ表面側にダイシングの際の切削水、
切り屑等からエミッタアレイ20および素子表面を保護
するための、保護シート22を貼り付ける。保護シート
22はポリオレフィン,ポリエチレン等からなる厚さ約
50〜100μmの基材の片面に、アクリル系、ウレタ
ン系等の粘着剤が約5〜20μmの厚さで塗布されてい
るものである。ここでは、紫外線(UV)を照射する事
により硬化する性質を持つアクリル系粘着剤を塗布した
ものを使用する。この基材および粘着剤はダイシング時
の位置合わせのために、透明な材料を用いることが望ま
しい。
【0038】保護シートは、予め保護シート用フレーム
に固定しておく。例えば図2に示すように保護シート用
フレーム25に粘着剤層24を下にして貼り付けてお
く。保護シート22とフレーム25の位置関係は逆でも
良い。その場合は基材23に当たる部分のフレームに予
め粘着剤を塗布しておくか、あるいは何らかの機械的手
段によって固定するなどいずれの方法であっても良い。
フレーム25に保持した状態のまま、エミッタエリアに
接触する領域にUVを部分的に照射する。具体的には図
4に示すように、エミッタエリアと同じ間隔でエミッタ
エリアと同程度の開口30をもつマスク29を保護シー
ト22に密着あるいは近接させて置き、マスク29を介
してUVを照射する。ここで、マスク29としては、
0.1mm程度の厚さのステンレスシート(圧延箔)に
エッチングで開口30を形成したもの等が使用できる。
マスク29を保護シート22の粘着剤層24側あるいは
基材23側に配してマスク29を介してUV照射を行っ
ても良い。UV照射の結果、粘着剤層24の照射領域が
硬化し、対策領域(硬化領域)19となる。なお、硬化
した部分と未硬化の部分とは視認が難しいため、後述す
る様に、UV照射の前後、あるいはUV照射と同時に位
置合わせ用のマークを設けることが望ましい。
【0039】保護シートの貼付は図2に示すように、ウ
エハ21上のエミッタエリアと保護シート側に形成した
対策領域19とが合うように、保護シート用フレーム2
5をX、Y、θ方向に移動させることにより目合わせを
行い貼り付けを実施する。なお、フレームとウエハを相
対的に動かして位置合わせをするが、その際、どちらを
動かしても良い。
【0040】このようにフレームに固定してから対策領
域の加工を行うと、剛性の低い保護シートを変形させる
ことなく、加工された対策領域の相対位置を保ったま
ま、ウエハに対して精度の高い位置決めが可能となる。
又、フレームに固定したことで取り扱いが容易となる。
【0041】フレーム25としては、十分な剛性を有す
る材料であれば良く、金属や剛性の高いプラスチックな
どいずれの材料も使用可能である。又、形状は、図示し
た様な矩形のほか、円形、多角形、楕円等、上記の要件
を満たせばいずれの形状でも良い。又、図ではウエハよ
りも厚いフレームを使用しているが、これに限定され
ず、ウエハの厚みと同等かあるいは十分な剛性が得られ
るのであれば、ウエハより薄くしても良い。
【0042】以上により硬化した対策領域19とウエハ
21の各素子のゲート開口との位置が一致するため、粘
着剤がゲート開口内のエミッタ電極先端に触れることは
ない。位置合わせした結果、図3(b)の状態になる。
【0043】続いて、ウエハ21の裏面側にダイシング
時のウエハ21の保持および、ダイシング後のウエハの
拡張のためのダイシングシート26を貼り付ける。ここ
で用いるダイシングシート26は保護シート22と同
様、例えば、ポリオレフィンの基材にアクリル系粘着剤
を形成したものが使用できるが、ここでは特にUV硬化
型である必要はない。ウエハ21の外周部に円環状のダ
イシング用フレーム27を同時に固着することにより、
貼り付け以降のウエハ21のハンドリングが一層容易に
なる。フレーム27の外側の不用な粘着シート26を切
断除去すると図3(c)の状態になる。なお、保護フィ
ルム用フレーム25とダイシング用フレーム27の位置
関係は図示したものに限定されず、又保護シート用フレ
ーム25でダイシング用フレームを兼ねることも可能で
あり、その場合はダイシング用フレームを設ける必要は
ない。
【0044】なお、ダイシングシート26を貼り付ける
場合、例えば、図6に示すような少なくともエミッタエ
リア20に当たる部分にニゲ34を形成した基台35を
用いて、ローラー33で加圧しながら行うと、保護シー
ト22に更に加圧力が加わることがないので望ましい。
【0045】次にダイシングを行う。ダイシングは保護
シート22、ウエハ21とダイシングシート26の上層
部分の約20μmを切断するようにして、ウエハ21を
完全に切り離す、いわゆるフルカットで行い、図3
(d)のような状態になる。このときの素子とダイシン
グ位置28の関係を図7、図8に示す。保護シートはエ
ミッタエリア20を含む対策領域19(本実施例ではU
V照射領域に相当する)のみがUV照射により硬化され
ていて、変形能が小さくなっているため、エミッタに触
れていない。その反面、ウエハとの固着力が低下してい
る。しかし、対策領域19を除く部分はウエハと通常の
強度で固着している。ダイシング位置28は図8に示す
ように各素子の間の2本の破線で示された位置であり、
保護シートとウエハが十分な固着力で固着している領域
を切断しているので、ダイシング時の切削水、切り屑か
らエミッタエリア20は、保護される。
【0046】ダイシングのあと、表面に付着した切削
水、切り屑を洗浄乾燥した後、保護シート22の基材2
3側から紫外線(UV)を照射して粘着剤層24の粘着
力を全体に渡って低下させた後、その上から合成樹脂フ
ィルムの基材に粘着剤を塗布した剥離シートを貼り付
け、この粘着力によって、保護シート22を剥離シート
とともに剥離する(図3(e))。
【0047】本実施例では、ウエハ21表面に保護シー
ト22、裏面にダイシングシート26を貼り付け、表面
側からダイシングを行う例を説明したが、図9に示すよ
うにウエハの裏面からダイシングを行う方法も可能であ
る。この場合には、予め切断位置からの基準をウエハ外
周に作っておき、これを基準として、ダイシング位置を
決める方法、あるいは、シリコンウエハの場合には、赤
外線を利用して、透過光により位置決めを行う方法が可
能である。
【0048】本実施例では、1個の素子内にひとつのエ
ミッタアレイが含まれている、図1に示すような、形態
の素子を製造する場合を例に説明したが、図10(a)
のようにゲート電極の周囲に、電子ビームを収束させる
ための収束電極14を持つ素子の場合にも、同様に適用
可能であり、エミッタアレイ10を含む部分に対策領域
19が位置するようにすれば良い。さらに、図10
(b)はひとつの素子の中に複数のエミッタアレイ10
を含むような素子であるが、このような場合には、個々
のエミッタアレイ10に対して、それぞれ対策領域19
を対応させても良いし、複数のエミッタアレイ10を含
む共通した対策領域を対応させても良い。
【0049】本実施例では、保護シート貼り付け前に、
エミッタエリアに対応する部分の粘着剤層がUV照射に
よって硬化している。これによって、貼り付け時の粘着
剤の変形(流動)が抑制されるため、ゲート開口内への
粘着剤の侵入量がきわめて少なくなり、エミッタに接触
しなくなる。従って、エミッタ表面への粘着剤の残留も
無く、粘着剤付着のない良好なエミッション特性(図2
5の○)が得られる。
【0050】以上の説明では、保護シートとウエハ上に
位置決め用のマークを形成しておいて、それで位置合わ
せをしながら貼り付けを行う例を説明したが、更に簡単
に、位置精度良く貼り付ける方法についても説明する。
【0051】図11に示すように、保護シート用フレー
ム25に固定された保護シートにUV照射して対策領域
を形成する際、フレーム25とメタルマスク29の両方
に位置決め用孔37、36をそれぞれ設けておき、治具
39の位置決め用ピン38に両者をはめ込み、その状態
でUV照射を行う。なお、ここではUV照射により粘着
剤層を一部硬化させて対策領域を形成する例を説明して
いるが、後述する実施例においても同様に実施すること
が可能である。又、位置決めピン38を有する治具39
を用いたが、フレーム25、マスク29のいずれかに位
置決めピンを設けて、それと対応する孔をもう一方に設
ける構成や、フレームの外側を基準に、治具に付き当て
る基準を設ける等、要は、後述するウエハとの貼り付け
まで、同じ位置合わせ手段を使用できるようにしておけ
ばよい。
【0052】次に、保護シート22をウエハ21に貼り
付ける。図12に示すように、対策領域の形成された保
護シート22を固定している保護シート用フレーム25
の位置決め用孔37と、予め所定の位置でダイシング用
シート26に貼り付けたウエハを保持するダイシング用
フレーム27の位置決め用孔40とを前記と同様に治具
39に設けた位置決め用ピン38で位置合わせを行い、
ウエハのエミッタエリアと保護シート上の対策領域を対
応させて貼り付けを行う。
【0053】このように、対策領域の加工から、ウエハ
への貼り付けまで、同じ基準を使用することにより、よ
り簡単に、より正確な位置合わせが可能となる。
【0054】実施例2 ウエハ表面に貼り付ける保護シートのうちで、保護シー
トをウエハに貼り付けたときに、基板(ウエハ)上の素
子のうちの、エミッタ電極が形成された領域にあたる部
分の粘着剤の上に、部分的に金属、セラミック、等々の
蒸着膜を形成、あるいは、箔を切断、打ち抜き、成形し
たものを並べて貼り付けておき、貼付を実施する例につ
いて説明する。
【0055】膜、箔の材料としては、金属膜に限らず、
粘着剤よりも剛性が高く、粘着剤の流動を抑制できるも
のであれば、適用可能である。
【0056】実施例2を図面によって説明する。ここで
は、実施例1と共通する部分は説明を省略し、金属膜
(箔)を保護シート上に形成し対策領域とする工程を中
心に説明する。
【0057】保護シートとして実施例1と同様のポリオ
レフィン,ポリエチレン等からなる厚さ約50〜100
μmの基材の片面に、アクリル系、ウレタン系等の粘着
剤が約5〜20μmの厚さで塗布されているものを用い
る。保護シートは実施例1と同様にフレームに固定して
おく。
【0058】保護シートには、貼り付けたときに、エミ
ッタエリアに接触する粘着剤層上の領域に金属、セラミ
ック等からなる箔片、薄膜を形成しておく。
【0059】ひとつの方法として、金属薄片を用いる場
合、図2に示す対策領域19に、この大きさに切り出し
た金属箔を粘着剤層の上に並べて貼り付けておく。金属
箔としては、保護シートの粘着剤よりも剛性が高ければ
よく、ほとんどの材料が使用可能である。ここでは、エ
ミッタ表面への影響をより考慮し、エミッタと同じ材
料、図26に示すスピントタイプの場合にはモリブデン
(Mo)箔を貼り付ける。箔片は素子の大きさを2mm
角、エミッタエリアを0.1mmφとした場合、0.2
〜0.5mmφ程度、厚さは取扱を考え数μm程度とす
る。ここで用いる箔の材料としては、金属に限らずガラ
ス、セラミック等の材料を用いることも可能である。ま
た、箔片の大きさはここで説明したものに限られる訳で
はなく、貼り付けたときに、エミッタエリア20を覆
い、ダイシング位置28までに、保護シートと、ウエハ
の十分な固着領域を有する組み合わせであればよい。形
状は、図2では、円形であるが、これも、矩形、多角
形、楕円等、上記要件を満たせばよい。
【0060】もうひとつの方法として、蒸着膜を用いる
場合、図13に示すように、蒸着装置(図示無し)内に
保護シート22を置き、粘着剤層24の前に数mmの間
隔をあけて、マスク41を配置する。マスク41には、
エミッタエリアと同じ間隔でエミッタエリアの直径の2
〜5倍程度の開口をもつ0.1mm程度の厚さのステン
レスシート(圧延箔)が使用できる。保護シート22の
基材23側は冷却されたホルダ42に密着されており、
成膜中の温度上昇を防いでいる。この状態で、たとえば
アルミニウム(Al)を0.1〜1μm真空蒸着して、
対策領域19となる薄膜43を形成する。
【0061】上記の方法により対策領域を形成した保護
シートを実施例1と同様に図3のようにして、ウエハ2
0に貼り付ける。このとき、箔片および、薄膜43によ
り形成された対策領域は、視認可能であるため、実施例
1で行ったような保護シートへのマーキングは必須では
ない。
【0062】保護シート22とウエハ21の1素子分の
概略的断面図を図14に示す。粘着剤層24は薄膜43
(あるいは箔片)によってゲート開口への侵入を阻止さ
れ、エミッタ電極先端に触れることはない。
【0063】ダイシング後は実施例1と同様にUV照
射、剥離シートによって保護シートを剥離する。また、
本実施例でも図9のようなウエハ21の裏面からダイシ
ングする方法も可能である。エミッタエリアと対策領域
の個数の対応は実施例1と同じである。
【0064】貼り付け前に、エミッタエリアに対応する
部分の粘着剤層に粘着剤よりも剛性の高い箔、薄膜が配
置されていることによって、貼り付け時にゲート開口内
への粘着剤の変形(流動)を阻止し、ゲート開口内への
粘着剤の侵入がなくなり、エミッタに接触しなくなる。
従って、エミッタ表面への粘着剤の残留も無く、良好な
エミッション特性が得られる。又、箔、薄膜の形成領域
は視認性が高いため、位置合わせが容易に実施できる。
【0065】実施例3 ウエハ表面に貼り付ける保護シートのうちで、保護シー
トをウエハに貼り付けたときに、基板(ウエハ)上の素
子のうちの、エミッタ電極が形成された領域にあたる部
分に粘着剤を塗布しない、あるいは、予め粘着剤を除去
して無粘着剤領域を形成しておき、貼付を実施する例に
ついて説明する。
【0066】実施例3を図面によって説明する。ここで
は、実施例1と共通する部分は説明を省略する。保護シ
ートとして実施例1と同様のポリオレフィン,ポリエチ
レン等からなる厚さ約50〜100μmの基材の片面
に、アクリル系、ウレタン系等の粘着剤が約5〜20μ
mの厚さで塗布されているものを用いる。
【0067】図15に示すように、保護シートには、貼
り付けたときに、エミッタエリアに接触(図2で対策領
域19に相当)する領域の粘着剤を除去あるいは、その
領域には粘着剤を塗布しない無粘着剤領域44を形成し
ておく。無粘着剤領域44は素子の大きさを2mm角、
エミッタエリアを0.1mmφとした場合、0.2〜
0.5mmφ程度になる。ただし、大きさはここで説明
したものに限られる訳ではなく、貼り付けたときに、エ
ミッタエリア20を覆い、ダイシング位置28までに、
保護シートと、ウエハの十分な固着領域を有する組み合
わせであればよい。形状は、図15では、円形である
が、これも、矩形、多角形、楕円等、上記要件を満たせ
ばよい。
【0068】上記の方法により対策領域を形成した保護
シートを実施例1と同様に図3のようにして、ウエハ2
0に貼り付ける。このとき、無粘着剤領域44は、視認
可能であるため、実施例1で行ったような保護シートへ
のマーキングは必須ではない。
【0069】無粘着剤領域44では粘着剤層24の厚さ
の分だけ全厚が薄くなっており、その段差によって、空
隙45がエミッタエリア20の上にできる。無粘着剤領
域44には粘着剤はないから、もちろんエミッタ電極先
端に触れることはない。
【0070】ダイシング後は実施例1と同様にUV照
射、剥離シートによって保護シートを剥離する。また、
本実施例でも図9のようなウエハ21の裏面からダイシ
ングする方法も可能である。エミッタエリアと対策領域
の個数の対応は実施例1と同じである。
【0071】本実施例では、貼り付け時には、エミッタ
エリアに対応する部分に粘着剤はないため、ゲート開口
内へ侵入する粘着剤がなく、その厚さ分だけの段差があ
るため、空隙ができる。エミッタ表面への粘着剤の残留
も無く、良好なエミッション特性が得られる。
【0072】実施例4 ウエハ表面に貼り付ける保護シートのうちで、保護シー
トをウエハに貼り付けたときに、基板(ウエハ)上の素
子のうちの、エミッタ電極が形成された領域にあたる部
分に、予め凸部を持った工具(物体)を押し当て、粘着
剤層に凹部を形成しておき、貼付を実施する例について
説明する。
【0073】実施例4を図面によって説明する。ここで
は、実施例1と共通する部分は説明を省略する。保護シ
ートとして実施例1と同様のポリオレフィン,ポリエチ
レン等からなる厚さ約50〜100μmの基材の片面
に、アクリル系、ウレタン系等の粘着剤が約5〜20μ
mの厚さで塗布されているものを用いる。
【0074】保護シートには、図16(a)のように、
ウエハ上のエミッタエリア20に対応した位置に凸工具
46を持つ治具、例えばローラーを押し当てながら転が
す事により、図16(b)のような凹部48を形成す
る。ここではローラー状の工具を使用したが、凸工具4
6を平面上に配列した工具を用いてもよいし、単一の凸
工具46を保護シート22との相対位置を変えながら反
復して押し当てる方法でもよい。凸工具46は粘着剤と
固着しにくい、フッ素系樹脂(例えばテフロン)のよう
な材料で形成するか、別の材料で形成して、表面に固着
しにくい材料をコーティングするのが望ましい。いずれ
の方法によっても、粘着剤層24には図16(a)〜
(c)のような過程で凹部48形成されるとともに、か
えり47を生じる。
【0075】凹部48は素子の大きさを2mm角、エミ
ッタエリアを0.1mmφとした場合、0.2〜0.5
mmφ程度になる。押し込み深さの一例としては、1〜
20μm程度であるが、保護シートの粘着剤層の厚さに
よっても増減させる必要がある。ただし、大きさはここ
で説明したものに限られる訳ではなく、貼り付けたとき
に、エミッタエリア20を覆い、ダイシング位置28ま
でに、保護シートと、ウエハの十分な固着領域を有する
組み合わせであればよい。形状は、矩形、円形、多角
形、楕円等、上記要件を満たせばよい。
【0076】上記の方法により対策領域を形成した保護
シートを実施例1と同様に図3のようにして、ウエハ2
0に貼り付ける。このとき、凹部48は、視認可能であ
るため、実施例1で行ったような保護シートへのマーキ
ングは必須ではない。
【0077】保護シート22とウエハ21の1素子分の
概略的断面図を図17に示す。凹部48では粘着剤層2
4のくぼみと、かえり47によって段差が形成されてお
り、空隙49がエミッタエリア20の上にできる。した
がって、エミッタ電極先端に触れることはない。
【0078】ダイシング後は実施例1と同様にUV照
射、剥離シートによって保護シートを剥離する。また、
本実施例でも図9のようなウエハ21の裏面からダイシ
ングする方法も可能である。エミッタエリアと対策領域
の個数の対応は実施例1と同じである。
【0079】本実施例では、貼り付け時には、凹部48
では粘着剤層24のくぼみと、かえり47によって段差
が形成されており、空隙49がエミッタエリア20の上
にできるためゲート開口内への粘着剤の侵入はない。エ
ミッタ表面への粘着剤の残留も無く、良好なエミッショ
ン特性が得られる。
【0080】実施例5 ウエハ表面保護シートを押さえ具によって貼り付けると
きに、基板(ウエハ)上の素子のうちの、エミッタ電極
が形成された領域を押さえる押さえ具の部分に、凹部を
形成しておき、貼付を実施する例について説明する。
【0081】実施例5を図面によって説明する。ここで
は、実施例1と共通する部分は説明を省略する。保護シ
ートとして実施例1と同様のポリオレフィン,ポリエチ
レン等からなる厚さ約50〜100μmの基材の片面
に、アクリル系、ウレタン系等の粘着剤が約5〜20μ
mの厚さで塗布されているものを用いる。なお、本実施
例の方法では、保護シートはフレームに固定する必要は
ない。
【0082】図18に示すように、保護シート22をウ
エハ21に貼り付ける際に、凹付き押さえ具51を使用
する。凹付き押さえ具51の表面には、ウエハ21上を
転動させたときに、ウエハ21上のエミッタエリア20
に当たる部分に凹部52が配置されている。この凹付き
押さえ具51により、図18に示すように保護シート2
2をウエハ21の一端から押さえていく。このとき、ウ
エハ21は凹付き押さえ具51の軌道に対して位置決め
されて、配置されている必要がある。一方、保護シート
22はウエハ21、凹付き押さえ具51のいずれとも精
密に位置あわせされている必要は無い。
【0083】図19にウエハ21の1素子分の概略的断
面図を示す。凹付き押さえ具51を転動させて保護シー
ト22を貼り付けていくと、凹部52の形成されている
部分すなわち、エミッタエリア20の周辺にある圧力低
減部53では、粘着剤層24の変形はほとんどない。し
たがって、ゲート開口内への粘着剤の流動はほとんどな
くなり、エミッタと粘着剤層の接触が防止できる。
【0084】凹部52は素子の大きさを2mm角、エミ
ッタエリアを0.1mmφとした場合、0.2〜0.5
mmφ程度になる。深さは、0.1〜1mm程度である
が、保護シートの基材および粘着剤層の厚さによっても
増減させる必要がある。ただし、大きさはここで説明し
たものに限られる訳ではなく、貼り付けたときに、エミ
ッタエリア20を覆う部分の押し圧を緩和でき、ダイシ
ング位置28までに、保護シートと、ウエハの十分な固
着領域を有する組み合わせであればよい。凹部の形状に
ついては詳述しなかったが、矩形、円形、多角形、楕円
等、上記要件を満たせばよい。
【0085】図18では円弧状断面を持つ凹付き押さえ
具51を使用した例で説明したが、押さえ具の形状とし
ては、円柱状のローラーの表面に凹部を設けたものを使
用することもできる。
【0086】ダイシング後は実施例1と同様にUV照
射、剥離シートによって保護シートを剥離する。また、
本実施例でも図9のようなウエハ21の裏面からダイシ
ングする方法も可能である。エミッタエリアと対策領域
の個数の対応は実施例1と同じである。
【0087】本実施例では、凹部52の形成されている
部分すなわち、エミッタエリア20の周辺では、保護シ
ート22を加圧すべき押さえ具がないため、粘着剤層2
4の変形はほとんどない。したがって、ゲート開口内へ
の粘着剤の流動はほとんどなくなり、エミッタと粘着剤
層の接触が防止できる。エミッタ表面への粘着剤の残留
も無く、良好なエミッション特性が得られる。又、保護
シートの伸縮に関係なく、押さえ具51の凹部52とエ
ミッタエリア20が対応していればよいため、保護シー
トの位置決めは不要となる。
【0088】実施例6 前記実施例5で、ウエハ表面保護シートを押さえ具によ
って貼り付けるときに、基板(ウエハ)上の素子のうち
の、エミッタ電極が形成された領域を押さえる押さえ具
の部分に、凹部を形成しておき、この部分を真空ポンプ
で排気(減圧)する事で、保護シートを変形させ、エミ
ッタエリアを覆う凹部を形成して、保護シートを貼付け
る例について説明する。
【0089】実施例6を図面によって説明する。ここで
は、実施例5と共通する部分は説明を省略する。保護シ
ートとして実施例1と同様のポリオレフィン,ポリエチ
レン等からなる厚さ約50〜100μmの基材の片面
に、アクリル系、ウレタン系等の粘着剤が約5〜20μ
mの厚さで塗布されているものを用いる。
【0090】図20に示すように、保護シート22をウ
エハ21に貼り付ける際に、押さえ具54を使用する。
押さえ具54の表面には、ウエハ21上を転動させたと
きに、ウエハ21上のエミッタエリア20に当たる部分
に凹部55が配置されている。さらに、凹部55の底部
には吸引孔56があり真空ポンプ(あるいは排気装置、
いずれも図示なし)に接続されている。この押さえ具5
4により、図20に示すように保護シート22をウエハ
21の一端から押さえていく。このとき、各吸引孔56
と真空ポンプの間は、凹部55が保護シート22と接す
る位置から、ウエハ21から離れる部分、(図20で
は、ONの部分)のみで接続され、凹部55は保護シー
ト22を吸引する。その他の部分(図20では、OFF
の部分)は遮断されている。この関係が、押さえ具54
の転動にともない、順次切り替わる事により、保護シー
ト22を吸引し、エミッタエリア20上に空隙を形成し
た状態で、ウエハ21に貼り付けていく。
【0091】ここで、ウエハ21は押さえ具54の軌道
に対して位置決めされて、配置されている必要がある。
一方、保護シート22はウエハ21、押さえ具54のい
ずれとも精密に位置あわせされている必要は無い。
【0092】図21にウエハ21の1素子分の概略的断
面図を示す。押さえ具54を転動させて保護シート22
を貼り付けていくと、凹部55の形成されている部分す
なわち、エミッタエリア20の周辺では、保護シート2
2は真空排気によって凹部55に対応した形状に成形さ
れており、エミッタエリア20と粘着剤層24の間に空
隙57を形成している。粘着剤層24はエミッタエリア
20接触しないので、当然の事ながら、エミッタと粘着
剤層の接触が防止できる。
【0093】凹部55は素子の大きさを2mm角、エミ
ッタエリアを0.1mmφとした場合、0.2〜0.5
mmφ程度になる。深さは、0.1〜1mm程度である
が、保護シートの基材および粘着剤層の厚さによっても
増減させる必要がある。ただし、大きさはここで説明し
たものに限られる訳ではなく、貼り付けたときに、エミ
ッタエリア20を覆う部分に空隙57を生じさせる事が
でき、ダイシング位置28までに、保護シートと、ウエ
ハの十分な固着領域を有する組み合わせであればよい。
凹部の形状については詳述しなかったが、矩形、円形、
多角形、楕円等、上記要件を満たせばよい。
【0094】図20では円弧状断面を持つ押さえ具54
を使用した例で説明したが、押さえ具の形状としては、
円柱状のローラーの表面に凹部を設けたものを使用する
こともできる。
【0095】ダイシング後は実施例1と同様にUV照
射、剥離シートによって保護シートを剥離する。また、
本実施例でも図9のようなウエハ21の裏面からダイシ
ングする方法も可能である。エミッタエリアと対策領域
の個数の対応は実施例1と同じである。
【0096】本実施例では、実施例5で説明した効果に
加え、凹部55の形成されている部分すなわち、エミッ
タエリア20の周辺では、保護シート22は真空排気に
よって凹部55に対応した形状に成形されており、エミ
ッタエリア20と粘着剤層24の間に空隙57を形成し
ている。その結果、エミッタと粘着剤層の接触がより完
全に防止できるので、エミッタ表面への粘着剤の残留も
無く、良好なエミッション特性が得られる。
【0097】実施例7 UV(紫外線)照射によって硬化するような、いわゆる
「UV硬化型」の粘着剤に、ガラス、セラミック等の微
小粒を均一に混合しておき、これを、合成樹脂製のフィ
ルムの片面に塗布した保護シートを使用する例について
説明する。
【0098】実施例7を図面によって説明する。ここで
は、実施例1と共通する部分は説明を省略する。図22
に示すように、保護シート60として実施例1と同様の
ポリオレフィン,ポリエチレン等からなる厚さ約50〜
100μmの基材61の片面に、アクリル系、ウレタン
系等の粘着剤層62が約5〜20μmの厚さで塗布され
ているものを用いる。ただし、この粘着剤には粘着剤塗
布厚さの10〜90%程度の粒径のガラスの微小球63
を体積比50%で均一に混入してある。なお、本実施例
においても保護シートのフレームへの固定は不要であ
る。
【0099】上記の様な保護シート60をウエハ21に
貼り付けるには、貼り付け装置の基台の上にウエハを位
置決めして置き、その上に数mmの間隔をおいて、保護
シート60を粘着剤層62を下にして配置する。ここで
は特に位置あわせの必要はない。
【0100】次に保護シート60の一端から、表面が軟
質のゴム等でできたローラなどの治具を保護シート60
上で転がすようにして、押さえていくことで、気泡の巻
き込みを無くして、保護シート60をウエハ21に固着
する事ができる。保護シート60とウエハ21の1素子
分の概略的断面図を図22に示す。図23はエミッタエ
リア20内での作用を説明する断面図である。なお、図
23は本実施例の作用を概念的に説明するもので、各部
の寸法関係は実際のものとは必ずしも対応していない。
粘着剤層62はウエハ21全面に接触しているが、貼り
付け時の加圧力は、基材61とウエハ21の間では、粘
着剤層62内に混入された微小球63が受け止めるた
め、粘着剤には加圧力のうち、ほんの一部分がかかるの
みである。したがって、粘着剤層62の流動は、微小球
63の混入の無い場合と比べて、軽微にとどまる。特に
エミッタエリア20の領域では、ゲート開口内への粘着
剤の侵入が抑制され、エミッタと粘着剤の接触が防止で
きる。
【0101】ダイシング後は実施例1と同様にUV照
射、剥離シートによって保護シートを剥離する。また、
本実施例でも図9のようなウエハ21の裏面からダイシ
ングする方法も可能である。
【0102】本実施例では微小球63の材料として、ガ
ラスを用いる例で説明したが、微小球材料としては、ガ
ラスに限らず、粘着剤に比較して、硬い(剛性の高い)
材料であれば、合成樹脂、金属、セラミック等を使用す
ることも可能である。特に、炭化ケイ素等の微小球(粒
子)を混入した場合、通常砥粒として使われるような材
料であり、上述したような粘着剤の流動抑制の他に、ダ
イシングブレードのドレッシング効果を持たせることが
できる。通常、保護シートのようなプラスチックフィル
ムを砥石で切断する場合、刃先の目詰まり等による条件
の制限、問題等があるが、この場合には、これらの問題
を軽減あるいは回避できる可能性がある。
【0103】本実施例では微小球の材料、大きさ、混入
比率、保護シートの基材、粘着剤層の厚さ、材質等、特
定(範囲)の数値、材料をもちいて説明したが、これら
の数値に限定されるものでなく、これ以外にも同様の効
果が得られる組み合わせはあり得る。
【0104】本実施例では、微小球63によって加圧力
を支えるために、粘着剤層62の変形量が低減する。エ
ミッタエリア20の上部では、ゲート開口内へ粘着剤が
侵入するような流動が抑制され、エミッタと粘着剤層の
接触が防止できるので、エミッタ表面への粘着剤の残留
が無く、良好なエミッション特性が得られる。又、微小
球63が粘着剤層全体に配合されているため、保護シー
トの位置合わせが不要である。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では位置精
度良くエミッタ領域の保護対策領域を形成した保護シー
トを貼り付けることができる、あるいは、保護シートに
対しての位置精度を必要としない保護シート貼り付け方
法又は保護シートを使用するため、従来の粘着剤のエミ
ッタ電極への接触によるエミッタ特性の低下を防止する
ことが可能となり、信頼性の高い電界放出冷陰極を提供
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する電界放出冷陰極の一例を示す
斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を説明する斜視図である。
【図3】本発明の製造方法の各工程を説明する断面図で
ある。
【図4】UV照射により対策領域を形成する方法を例示
する概略断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を説明する斜視図である。
【図6】ウエハ裏面にダイシングシートを貼り付ける工
程の一例を説明する概略断面図である。
【図7】UV照射により硬化した対策領域を形成した保
護シートとウエハの1素子分の概略的断面図である。
【図8】ダイシング位置を説明する平面図である。
【図9】ウエハ裏面からのダイシングを説明する概略断
面図である。
【図10】本発明を適用する電界放出冷陰極の他の例を
示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態を説明する斜視図で、位
置合わせの改良を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態を説明する斜視図で、図
11の後のウエハへの貼り付け工程を説明するものであ
る。
【図13】対策領域として薄膜を蒸着法にて形成する例
を示す概略断面図である。
【図14】薄膜による対策領域を形成した保護シートと
ウエハの1素子分の概略的断面図である。
【図15】無粘着剤領域による対策領域を形成した保護
シートとウエハの1素子分の概略的断面図である。
【図16】凸工具押し当てにより粘着剤層に凹部を形成
する工程を示す概略断面図である。
【図17】凸工具押し当てにより粘着剤層に凹部により
対策領域を形成した保護シートとウエハの1素子分の概
略的断面図である。
【図18】本発明の第2の発明の一実施形態を説明する
断面図である。
【図19】図18に示す方法で対策領域を形成した保護
シートとウエハの1素子分の概略的断面図である。
【図20】本発明の第2の発明の別の実施形態を説明す
る断面図である。
【図21】図20に示す方法で対策領域を形成した保護
シートとウエハの1素子分の概略的断面図である。
【図22】本発明の第3の発明の一実施形態を説明する
断面図で、保護シートとウエハの1素子分を示すもので
ある。
【図23】図22の一エミッタエリアにおける概略を説
明する断面図である。
【図24】従来技術における問題点を説明する概略断面
図である。
【図25】粘着剤のエミッタ特性への影響を説明する図
である。
【図26】従来のスピント型冷陰極素子の製造工程を説
明する概略断面図である。
【符号の説明】
10 エミッタアレイ 11 基板 12 ゲート電極 13 ボンディングパッド 14 収束電極 19 対策領域 20 エミッタエリア 21 ウエハ 22 保護シート 23 基材 24 粘着剤層 25 保護シート用フレーム 26 ダイシングシート 27 ダイシング用フレーム 28 ダイシング位置 29 メタルマスク 30 UV照射用開口 31、32 位置決め用マーク 33 ローラー 34 ニゲ 35 基台 36、37、40 位置決め用孔 38 位置決めピン 39 治具 41 マスク 42 ホルダ 43 薄膜 44 無粘着剤領域 45、48、57 空隙 46 凸工具 47 かえり 50 凹部 51 凹付き押さえ具 52 凹部 53 圧力低減部 54 押さえ具 55 凹部 56 吸引孔 57 空隙 60 保護シート 61 基材 62 粘着剤層 63 微小球 71 基板 72 絶縁層 73 レジスト 74 ゲート電極 75 エミッタ電極 76 Mo膜 77 開口 78 犠牲層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚のウエハ上に複数形成された電界放
    射冷陰極の表面に粘着剤つき保護シートを貼り付け、ダ
    イシングにより個々の素子に分割する工程を含む電界放
    射冷陰極の製造方法において、前記保護シートを保護シ
    ート用フレームに固定し、固定された状態のまま保護シ
    ートの粘着剤層の前記電界放射冷陰極の各エミッタ領域
    に相当する部分に粘着剤の流動防止手段を設けたことを
    特徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記保護シート用フ
    レームに位置合わせ手段を設け、粘着剤の流動防止手段
    の加工とウエハへの保護シートの貼り付けを、前記位置
    合わせ手段を基準に行うことを特徴とする電界放射冷陰
    極の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記粘着剤の
    流動防止手段が、粘着剤として光硬化型粘着剤を用い、
    貼り付け前に光照射により硬化させた部分である電界放
    射冷陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、前記粘着剤の
    流動防止手段が、エミッタエリアに相当する部分の粘着
    剤層上に該粘着剤より剛性の高い材料からなる薄膜を形
    成、あるいは箔を貼り付けたものであることを特徴とす
    る電界放射冷陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、薄膜、箔は、金属、
    ガラス、セラミック、または合成樹脂からなるものであ
    ることを特徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2において、前記粘着剤の
    流動防止手段が、エミッタエリアに相当する部分を除く
    部分にのみ粘着剤を塗布して形成した、あるいは全面に
    形成されている粘着剤を貼り付け前にエミッタエリアに
    相当する部分のみを除去して形成された無粘着剤領域で
    あることを特徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2において、前記粘着剤の
    流動防止手段が、エミッタエリアに相当する部分の粘着
    剤に、凸部を持つ工具を押し当てて形成した凹部である
    ことを特徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  8. 【請求項8】 1枚のウエハ上に複数形成された電界放
    射冷陰極の表面に粘着剤つき保護シートを貼り付け、ダ
    イシングにより個々の素子に分割する工程を含む電界放
    射冷陰極の製造方法において、保護シートを貼り付ける
    際に押さえ具を使用し、該押さえ具が、エミッタエリア
    に相当する位置に凹部を形成した押さえ具であることを
    特徴とする電界放射冷陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記押さえ具の凹部
    内を減圧し、保護シートを変形させ、保護シートに凹部
    を形成しながら貼り付けることを特徴とする電界放射冷
    陰極の製造方法。
  10. 【請求項10】 1枚のウエハ上に複数形成された電界
    放射冷陰極の表面に粘着剤つき保護シートを貼り付け、
    ダイシングにより個々の素子に分割する工程を含む電界
    放射冷陰極の製造方法において、保護シートとして、粘
    着剤中に粘着剤層厚さの10〜90%の粒径の粒子を混
    入された保護シートを使用することを特徴とする電界放
    射冷陰極の製造方法。
  11. 【請求項11】 基材上に粘着剤層を形成したダイシン
    グ用保護シートであって、粘着剤中に粘着剤層厚さの1
    0〜90%の粒径の粒子を混入されていることを特徴と
    する保護シート。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記粒子が砥粒
    粒子であることを特徴とする保護シート。
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