JPH1062999A - 平版印刷版の製版用処理液及び製版方法 - Google Patents
平版印刷版の製版用処理液及び製版方法Info
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Abstract
用処理液において、物理現像及び銀画像部のインキ受理
性を阻害せずに、銀スラッジの発生を防止することであ
る。 【解決手段】銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版を
現像または現像後中和安定化するための製版用処理液に
おいて、コハク酸もしくはその塩、またはその誘導体を
有するモノチオエーテル化合物を含有することを特徴と
する製版用処理液。
Description
利用した平版印刷版を現像または中和安定化するための
製版用処理液及び該処理液を用いた製版方法に関する。
得られる転写銀画像を直ちにインキ受理性として利用す
ることができる平版印刷版は既に知られている。例え
ば、支持体上に下塗層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現
像核層を有する平版印刷版として、米国特許第3721
559号、同第3490905号、同第3385701
号、同第3814603号、同第3454398号、同
第3764323号、同第3099209号、特公昭4
4−27242号、同48−30562号、特開昭53
−9603号、同53−21602号、同54−103
104号、同56−9750号公報等、また、アルミニ
ウム支持体に担持された物理現像核の上にハロゲン化銀
乳剤層を有する平版印刷版として、特開平5−2162
36号、同6−81194号公報等に記載されている。
れば、支持体及びその上にハレーション防止を兼ねた下
塗層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層からなる感光
材料を画像露光し、現像処理を行うと潜像が形成されて
いるハロゲン化銀は乳剤中で黒化銀となる。同時に潜像
が形成されていないハロゲン化銀は現像処理液中に含ま
れるハロゲン化銀溶剤の作用で溶解し、感光材料の表面
に拡散してくる。溶解し拡散してきた銀錯塩が表面層の
物理現像核の上に現像主薬の還元作用によって、画像銀
として析出する。
に露光後、現像処理及び中和(安定化)処理が施され
る。この現像処理工程において、ハロゲン化銀溶剤によ
って溶解した銀錯塩は現像液中に溶け出し、還元されて
金属銀となって析出し、銀スラッジを生じさせていた。
また、現像処理後、版面上に残留した銀錯塩は、次の工
程の中和液で析出し、同様に銀スラッジを生じさせてい
た。これらの銀スラッジはランニング処理によって、益
々増加し、印刷性能を低下させていた。
化させるために、メルカプト基またはチオン基を有する
水不溶性化合物(親油化剤)を銀画像に作用させること
がー般に行われており、特公昭48−29723号、特
開昭58−127928号公報等で知られている。ま
た、これらの親油化剤を、製版時に作用させることも行
われている。
定液)の銀スラッジの発生を助長していることがわかっ
た。特に中和液で版面上のpHが下げられた時に、銀錯
塩または銀イオンに親油化剤が配位している場合、その
析出が顕著に増大した。
ンクに多量の処理液を貯溜する浸漬処理方式が従来から
一般的に用いられているが、近年、環境対応(廃液量の
減少)や処理装置のメンテナンス性向上等が求められて
おり、少量の処理液で処理できる塗布処理方式が開発さ
れている。
処理に必要な量の処理液を塗布するもので、例えば、特
開昭48−76603号、同平4−307245号、同
平6−27682号、同平7−175219号公報等に
記載されている。
は、従来のタンク現像方式に比べ、主に次のような違い
がある。処理液を貯溜する中間タンクが小さいこと(使
用する処理液量が少ないため、装置のコンパクト化が可
能)、版面上に塗布された処理液を一定時間保持し反応
を維持させること、及び、塗布に先立って、塗布量より
過剰の処理液を一旦版面上に供給し、塗布ローラによっ
て除去された過剰量の処理液を回収し再利用すること等
の違いがある。これらの特徴は、従来のタンク現像方式
に比べ、銀スラッジを発生しやすくしていた。
拡散転写法を応用した分野では、特開昭55−1577
38号に4級アンモニウム塩を現像液中に含有させるこ
とが開示されている。この方法はDTR印刷版に適用し
た場合、印刷性能、特に地汚れ及び部分的なインキ乗り
不良を発生させるという欠点があった。
くの技術が報告されている。例えばメルカプト化合物、
ジスルフィド化合物等が知られている。しかし、これら
の銀スラッジ防止剤のほとんどが物理現像を抑制した
り、平版印刷版に必要な印刷性能、特にインキ受理性を
阻害するという欠点を有しており、本発明が対象とする
平版印刷版の処理に適用できるものではなかった。
塩拡散転写法を利用した平版印刷版を現像または現像後
中和安定化するための製版用処理液、即ち、現像液及び
中和安定化液(以降、中和液と称す)において、物理現
像の抑制及びインキ受理性を阻害せずに、銀スラッジの
発生を防止し、ランニング処理においても安定な印刷性
能を保持することである。本発明の他の目的は、塗布処
理方式における銀スラッジの発生を防止することであ
る。
錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版を現像または現像
後中和安定化するための製版用処理液において、コハク
酸もしくはその塩、またはその誘導体を有するモノチオ
エーテル化合物を含有することを特徴とする製版用処理
液によって達成された。特に現像、中和処理に塗布処理
方式を用いた場合、本発明の効果は顕著に現れる。
いて、最も苦心した点であり、また最大の特徴は、物理
現像を抑制せず、そして得られた銀画像のインキ受理性
を阻害せずに、銀スラッジを如何に防止するかというこ
とである。
らの条件を満足するものはなかった。つまり銀スラッジ
は防止するが、物理現像を抑制したり、銀画像のインキ
受理性を阻害するという欠点があった。
エーテル化合物が、上記条件を満足することを見いだ
し、本発明に至った。
利用した平版印刷版の現像処理において、ハロゲン化銀
の溶剤として現像液に含有させることは知られており、
例えば特開平5−289348号公報に開示されいる。
しかしながら、上記本発明のモノチオエーテル化合物が
印刷性能を阻害せずに銀スラッジを防止することは、全
く知られていなかった。
本発明に用いられるモノチオエーテル化合物は、その分
子中にコハク酸もしくはその塩、またはその誘導体を有
する。
ン化銀の溶剤としての作用が強くなり、銀スラッジ防止
の効果がなくなる。
の水素原子が置換したエステル、水酸基が置換したアミ
ド基、及び酸無水物等が挙げられる。塩としては、特に
限定されないが、Na、K等のアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
リール基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4の低級
アルキル基である。これらはアルキル基またはエチレン
オキシド基、プロピレンオキシド基等のアルキレンオキ
シド基で置換されていてもよい。この場合、アルキレン
オキシド基は2個以上が好ましい。
が、炭素数1〜4のアルキル基で置換したものが好まし
い。
物の代表的なものを化1に示す。
2R3)またはOR4を表す。M1は水素原子、アルカリ金
属、アンモニウム基等のカチオンを表し、R2及びR3は
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R4はア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基等)、置換アルキル基(例えば、エチレンオキ
シド基、プロピレンオキシド基等で置換されたアルキル
基)、アリール基(例えば、フェニル基等)等を表す。
また、2個のカルボキシ基が脱水した酸無水物であって
もよい。Lはメチレン、エチレン等のアルキレン基を表
し、nは0または1を表す。R1は未置換のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、置換アルキル基(例えば、カルボキシ基もしくは
その塩、アミド基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキ
シル基等で置換されたアルキル基)を表す。
ルボキシ基もしくはその塩で置換されたアルキル基であ
る。以下に本発明に用いられるモノチオエーエル化合物
の具体例を挙げるが、これらに限定されることはない。
は10-5〜10-1モル/リットル、好ましくは10-4〜
10-2モル/リットルである。この化合物は比較的多量
に用いても、他の性能即ち物理現像の抑制及び銀画像の
インキ受理性を阻害しないという特徴を有している。
物の他にアルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム
等)、保恒剤(例えば亜硫酸塩)、ハロゲン化銀溶剤
(例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チ
オサリチル酸、メソイオン性化合物等)、粘調剤(例え
ばヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース等)、現像主薬(例えばハイドロキノン、1-フェ
ニル-3-ピラゾリドン、メトール、カテコール、ピロガ
ロール、グリシン等)、現像変性剤(例えばポリオキシ
アルキレン化合物、オニウム化合物等)を含有すること
ができる。
するに当たっては、例えば英国特許第1,000,115号、同
第1,012,476号、同第1,017,273号、同第1,042,477号等
の明細書に記載されている如く、ハロゲン化銀乳剤層お
よび/または受像層ないしはそれに隣接する他の水透過
性層中に現像主薬を混入することが行われている。従っ
て、この様な材料においては、現像段階で使用する処理
液は、現像主薬を含まないいわゆる「アルカリ性活性化
液」を使用しうる。
向上させるために、親油化剤としてメルカプト基または
チオン基を有する化合物を含有させることが好ましい。
例えば、特公昭48−29723号、特開昭58−12
7928号等に記載されている化合物が挙げられる。特
にアルキル基、アリール基、アルケニル基等の親油性基
を有するものが好ましい。
化合物の代表例として、次の化15に示される一般式を
有するものが挙げられる。
くは3〜12のアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基またはアリール基で、R2は水素、アルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。m、
nは1以上の整数を表すが、R2が炭素数3以上のアル
キル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基
の場合は、nは0であってもよい。Zは、式中のN、C
と共に5ないし6員環を形成するのに必要な結合の残り
の原子団を示す。)
ミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、
オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮
合したものであってもよい。
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル
−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾ
リジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチ
アゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオ
ン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2
−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−
1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n
−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−
nヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−
フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタ
デシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾー
ル、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、3
−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジ
ン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、
2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−ト
リアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル
−1,3,5−トリアジン等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
化合物の使用量は、現像液1l当り0.01〜1gであ
るが、好ましくは0.02〜0.5gの範囲で添加す
る。添加量が多くなると物理現像を抑制するので好まし
くない。
和液は、版面上のpHを中和し、安定化する役目があ
る。中和液には、上記モノチオエーテル化合物の他に一
般に使用されている緩衝剤、保恒剤、保存剤、湿潤剤及
び界面活性剤等を混合することができる。例えば、緩衝
剤には、リン酸、硫酸等の無機酸、コハク酸、プロピオ
ン酸等の有機酸を使用しpHを5〜7に保つようにす
る。更に、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等の
錯化剤、コロイダルシリカ等の無機の微粒子も含有する
ことができる。また、前記親油化剤を含有させることが
好ましい。
基を有する化合物)は、水を主体とする中性から弱酸性
(pH5〜7)の中和液には溶けないため、例えば、ア
ルカリ溶液で溶解しpHを調節する方法、アミン化合物
または第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で溶
解する方法、有機溶剤を用いる方法等がある。好ましく
はアミン化合物による方法である。
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、アミノエチルエタノールアミン等のアミノアルコー
ル類、プロピルアミン、ブチルアミン等のモノアミン
類、ジメチルアミノエチルアミン等のジアミン類、N−
アミノプロピルプロパンジアミン等のポリアミン類及び
ピリジンやピペリジン等の環状アミン等である。好まし
くはアミノアルコール類である。これらのアミン化合物
は日本乳化剤(株)、広栄化学工業(株)等から入手す
ることが出来る。
l当り0.01〜2gであるが、好ましくは0.02〜
1gの範囲で添加する。
量比で5:1〜100:1、好ましくは10:1〜5
0:1の範囲の割合で添加する。
刷版の製版処理は、タンク内に貯留された多量の処理液
中に平版印刷版が浸漬する処理方式(タンク処理)が一
般的であるが、近年処理液の廃棄量減の目的で塗布処理
方式が開発されている。
ずに銀スラッジの発生を防止するという目的において、
上記の処理方式のいずれに関わらず有効であるが、特に
塗布処理方式は使用する処理液量が限られているため、
銀スラッジが発生しやすく、本発明が好適に用いられ
る。
刷版の版面上に処理液を塗布供給する方式である。塗布
方式としては、ローラ塗布方式、液上げ塗布方式、滴下
法ローラ塗布方式、滴下法ナイフ塗布方式、スプレー塗
布方式及びブラシ塗布方式等が挙げられる。例えば、特
開昭48−76603号、特開昭62−237455
号、同平4−307245号、同平6−27682号、
同平7−175219号公報等に記載されている。これ
らの中でも特にワイヤーバー等を用いたローラ塗布方式
が一定量の塗布量に計量が可能であり好ましい。
い態様について、以下に図面により詳しく説明する。図
1は、塗布処理方式を用いた自動現像装置全体の概略断
面図である。図1の自動現像装置は大別して平版印刷材
料の加温部、現像処理部、中和(安定)処理部、乾燥部
から成っている。
平版印刷材料は現像処理部、中和処理部で処理された後
乾燥部(10)で乾燥処理される。現像処理部は、主と
して感光材料搬送ローラ対(11)、現像液塗布部
(1)、反応維持部(8)、現像液循環ポンプ(1
2)、現像液中間タンク(13)から成っている。
有しており、感光材料搬送ローラ対(21)、中和液塗
布部(5)、反応維持部(9)、中和液循環ポンプ(2
2)、中和液中間タンク(23)から成り、平版印刷材
料搬送ローラ対(21)は前記反応維持部(8)で版面
上に保持された現像液を絞り取る絞りローラを兼ねてい
る。
75219号公報記載の浸漬塗布方式を用いており、塗
布ローラ(3)(ワイヤーバー)によって、処理液が計
量塗布される。他の好ましい塗布方式として、特開昭6
2−237455号、同平6−27682号公報に記載
されているような、1対のローラを用いてもよい。この
場合、処理液は供給手段(スリットまたはノズル等)か
ら塗布ローラに供給され、該ローラを介して版面上に供
給されて塗布される。
処理液はポンプによって、塗布ローラ(3)と案内ロー
ラ(2)の間に供給される。供給量は塗布を均一安定に
するため、通常、塗布量(塗布ローラによって計量塗布
されて持ち出された量)より多くなるように設定され
る。この過剰量の処理液は回収されて中間タンクに戻
り、再利用される。
好ましくは20〜60ml/m2の範囲である。処理液が
塗布された後、感光層と処理液との反応を維持するため
に、版面上に処理液を一定時間(3〜10秒程度)保持
する工程が設けられている。その後、絞りローラによっ
て版面上の処理液が絞り取られ除去される。この絞り取
られた処理液は廃棄される。
させるという目的があり、前記した如く、塗布に先立っ
て版面上に供給された処理液の内、塗布ローラによって
除去された過剰量の処理液は、回収されて再利用される
が、版面上に一旦供給された処理液が回収されて再利用
された場合、その回収された処理液は幾分反応が進行し
ており、銀スラッジの元となる銀錯塩が存在する。それ
がランニング処理によって増加し、銀スラッジとなって
析出してくる。
る。即ち、現像液が版面上に塗布され、反応維持工程を
経て絞りローラで版面上の現像液が除去された後に中和
液が供給されるが、版面上から現像液が完全に除去され
ることはなく、残留する現像液中には銀錯塩が存在し、
その銀錯塩が過剰量の中和液とともに回収され、銀スラ
ッジとなって析出する。
いて、処理液を貯溜する中間タンクの容量は、装置のコ
ンパクト化のために、従来のタンク現像タイプ(浸漬処
理)に比べ、かなり小さく(0.5〜2l程度)設計さ
れており、銀スラッジを発生しやしくしていた。
銀スラッジの付着は重大な問題であった。反応維持工程
において、版面上で十分に反応が促進し、現像液中に溶
け出した銀錯塩は版面上に残留し、それが絞りローラに
付着し、銀スラッジを析出させていた。絞りローラへの
銀スラッジの付着が多くなると、処理した平版印刷版の
版面上に銀スラッジが転写し、インキ受理性等の品質を
著しく低下させていた。
の問題は深刻であり、本発明はその改良を図った点、極
めて有意義な技術である。
用した平版印刷版は、前記したような支持体上にハレー
ション防止を兼ねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤、物理現
像核層から構成されるもの、及び特開平5−21623
6号、同6−81194号公報等に記載のアルミニウム
支持体に担持された物理現像核の上にハロゲン化銀乳剤
層を有する平版印刷版がある。
ロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ
化銀、塩臭ヨウ化銀等使用でき、好ましくは塩化銀が5
0モル%以上のハロゲン化銀である。これらのハロゲン
化銀は分光増感剤(光源、用途に応じた分光増感色素、
例えばカメラタイプ、レーザー光タイプ、色分解用パン
クロタイプ等。)、ゼラチン硬化剤、塗布助剤、かぶり
防止剤、可塑剤、現像剤、マット剤等を含むことができ
る。
目的に使用されている天然および/または合成結合剤、
例えばゼラチン、コロイド状アルブミン、セルロース誘
導体等が使用できる。
は接着改良用下引層および/またはハレーション防止等
の目的で下塗層を含むこともでき、この層には現像剤、
マット剤を含むこともできる。
紙、各種フィルム、プラスチック、樹脂様物質を塗布し
た紙、金属等が使用できる。
この種の薬品の例は周知であって、アンチモン、ビスマ
ス、カドミウム、コバルト、パラジウム、ニッケル、
銀、鉛、亜鉛等の金属およびこれらの硫化物が使用でき
る。物理現像核層にも現像剤を含んでもよく、水溶性バ
インダーを含んでもよい。
えば特公昭48−29723号、米国特許第3,721,539
号等明細書に記載されている如き化合物でインキ受容性
に変換ないし増強しうる。
湿液等は、普通によく知られている方法によることがで
きる。
論これに限定されるものではない。
処理したポリエステルフィルム支持体上の片面に平均粒
子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層を設
け、反対側の面にカーボンブラックを含み、写真用ゼラ
チンに対して20重量%の平均粒径3.5μmのシリカ
粉末を含むハレーション防止用下塗層(pH4に調整)
と、化学増感された後に平均粒径3.5μmのシリカ粉
末を写真用ゼラチンに対して5重量%の割合で含む緑感
域にスペクトル増感された高感度塩化銀乳剤(pH4に
調整)とを設けた。
層のゼラチンは0.8g/m2、硝酸銀に換算したハロ
ゲン化銀1.0g/m2の割合で塗布された。この下塗
層と乳剤層とは硬膜剤としてホルマリンをゼラチンに対
して5.0mg/gゼラチン量で含んでいる。乾燥後4
0℃で10日間加熱した後、乳剤層の上に特開昭54−
103104号実施例2のプレートNo.31記載の核
塗液を塗布、乾燥し、平版印刷版を製造した。
ン化銀1モル当り4×10ー6モルの塩化ロジウムを添加
したものであり、平均粒径0.4μであった。平版印刷
版は幅404mm、長さ500mmのサイズを用い、該
平版印刷版に像反転機構を有する製版カメラで細線画像
を露光した。
用いた。現像液及び中和液の処理温度はそれぞれ30℃
及び25℃になるように調整した。現像液中の化合物A
の種類は表1に示す。
剤は2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール
である。
カプト−5−nヘプチルオキサジアゾールである。
刷版用カメラプロセッサCP−414S(三菱製紙(株)
/大日本スクリーン製造(株)社製)に内蔵されている処
理ユニットを用いた。現像処理槽(7リットル)に上記
現像液を、中和処理槽(6リットル)に上記中和液を満
たし100版処理した。
ジの発生状況、及び作製した平版印刷版(100版目)
の印刷性能を評価した。その結果を表1に示す。
で行った。 A:銀スラッジの発生なし。 B:現像槽の底に銀スラッジがわずかに沈積。 C:現像槽の底に銀スラッジがかなり沈積。 D:現像槽の底に銀スラッジが大量に沈積し、絞りロー
ラにも銀スラッジが付着。 E:絞りローラにかなりの量の銀スラッジが付着し、処
理後の版面上に銀スラッジが転写。
(エービーディック365;AB−Dick社製オフセ
ット印刷機の商標)にセットし、インキは、AB−Di
ck3−1012墨インキ、給湿液にOD30(三菱製
紙社製給湿液)を使用し、水道水でエッチングを行い、
印刷を行った。
触させると同時に紙を送り始め、良好な画像濃度で濃度
ムラのない印刷物が得られるまでの印刷枚数として評価
した。
しない。 B:15000枚で100ミクロンの細線が欠落。 C:10000枚で100ミクロンの細線が欠落。 D:5000枚で100ミクロンの細線が欠落。
ン酸 比較B:ビスフェニル酢酸−2−ジスルフィド 比較C:テトラブチルアンモニウム・ブロマイド 比較D:化16 比較E:化17
い現像液は銀スラッジの発生が多く、ランニング処理に
よってインキ受理性が低下している。本発明の化合物は
印刷性能を低下させずに、銀スラッジの発生を防止して
いる。一方、比較化合物は銀スラッジの抑制に効果がな
いか、または、効果があっても印刷性能を低下させてい
ることが判る。また、四級アンモニウム塩を用いた現像
液は非画像部の地汚れがあった。尚、上記表には載せて
いないが、比較例1(銀スラッジ防止剤を用いない現像
液)の1版目のインキ受理性は12枚であり、ランニン
グ処理によってインキ受理性は低下した。本発明のイン
キ受理性はランニング処理に関係なく安定であった。
実施例1と同じであるが、化合物Aの添加量を、2×1
0-3モルと8×10-3モルに変化した。銀スラッジの発
生状況については、100版処理したときの中間タンク
(容量800ml)内、及び絞りローラへの析出程度を
実施例1の評価基準で評価した。中間タンク内の現像液
量は常に一定になるように、減少分は新液を補充しなが
ら処理した。印刷性能(100版目)は実施例1に準じ
て評価した。評価結果を表2に示す。
スラッジ防止剤(比較化合物)に比べ、多量に用いて
も、物理現像や銀画像部のインキ受理性を阻害しないと
いうことが判る。従って、銀スラッジが発生しやすい塗
布処理方式において、特に有効である。尚、上記表には
載せていないが、比較例1の1版目のインキ受理性は1
3枚であり、ランニング処理で低下した。本発明は1版
目と100版目で差がなかった。
て試験した。
剤は2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール
である。
カプト−5−nヘプチルオキサジアゾールである。化合
物Aは銀スラッジ防止剤として添加した。具体的には表
3に示す。
刷版用カメラプロセッサCP−414S(三菱製紙(株)
/大日本スクリーン製造(株)社製)に内蔵されている処
理ユニットを用いた。現像処理槽(7リットル)に上記
現像液を、中和処理槽(6リットル)に上記中和液を満
たし100版処理した。
での銀スラッジの発生状況、及び作製した平版印刷版
(100版)の印刷性能を評価した。その結果を表1に
示す。
で行った。 A:銀スラッジの発生なし。 B:中和液が濁る。 C:処理槽の底に銀スラッジがわずかに沈積。 D:処理槽の底に銀スラッジがかなり沈積。 E:絞りローラに銀スラッジが付着し、処理後の版面上
に銀スラッジが転写。
た。その結果を表3に示す。
グ処理においてもインキ受理性を低下させずに、中和液
の銀スラッジの発生を防止するのに対して、銀スラッジ
防止剤を用いない中和液は銀スラッジが多量に発生し、
ランニング処理によってインキ受理性が低下している。
一方、比較化合物は、銀スラッジの抑制に効果がない
か、または、効果があってもインキ受理性を著しく低下
させることが判る。尚、上記表には載せていないが、ス
ラッジ防止剤を何も添加していない比較例1の1版目の
インキ受理性は12枚であり、ランニング処理で銀スラ
ッジが発生することによって低下した。
び中和液は実施例3と同じであるが、中和液中の化合物
Aの添加量を、2×10-3モルと8×10-3モルに変化
した。銀スラッジの発生状況については、100版処理
したときの中間タンク(容量800ml)内、及び絞り
ローラへの析出程度を実施例3の評価基準で評価した。
中間タンク内の中和液量は常に一定になるように、減少
分は新液を補充しながら処理した。インキ受理性は(1
00版目)は実施例1に準じて評価した。評価結果を表
4に示す。
スラッジ防止剤(比較化合物)に比べ、多量に用いて
も、銀画像部のインキ受理性を阻害しないということが
判る。従って、銀スラッジが発生しやすい塗布処理方式
において、特に有効である。尚、上記表には載せていな
いが、比較例1の1版目のインキ受理性は13枚であ
り、ランニング処理で低下した。本発明は1版目と10
0版目で差がなかった。
用した平版印刷版の現像処理において、物理現像及び銀
画像部のインキ受理性を阻害せずに、製版用処理液(現
像液及び中和液)の銀スラッジの発生を防止することが
できる。従って、ランニング処理においても安定した印
刷性能を提供することができる。特に、銀スラッジが発
生しやすい塗布処理方式に、本発明は有効である。
略断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版
を現像または現像後中和安定化するための製版用処理液
において、コハク酸もしくはその塩、またはその誘導体
を有するモノチオエーテル化合物を含有することを特徴
とする製版用処理液。 - 【請求項2】 前記製版処理液を用いて塗布方式で処理
することを特徴とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版
印刷版の製版方法。 - 【請求項3】 前記製版処理液が中和安定液である請求
項2記載の銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の製
版方法。
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