JPH1152584A - 平版印刷版の現像方法 - Google Patents

平版印刷版の現像方法

Info

Publication number
JPH1152584A
JPH1152584A JP20630097A JP20630097A JPH1152584A JP H1152584 A JPH1152584 A JP H1152584A JP 20630097 A JP20630097 A JP 20630097A JP 20630097 A JP20630097 A JP 20630097A JP H1152584 A JPH1152584 A JP H1152584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing plate
lithographic printing
developing
silver
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20630097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kurokawa
博幸 黒川
Toshiro Kondo
敏郎 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP20630097A priority Critical patent/JPH1152584A/ja
Publication of JPH1152584A publication Critical patent/JPH1152584A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ランニング処理時のインキ受理性の低下を防止
し、銀スラッジを効果的に防止する平版印刷版の現像方
法を提供することにある。特に塗布処理方式を用いて迅
速に現像する方法に効果的に適用できる平版印刷版の現
像方法を提供することである。 【解決手段】支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層
および物理現像核層を有する平版印刷材料を現像する方
法において、メルカプト基もしくはチオン基を有する化
合物と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
もしくはポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
を含有する現像液で処理することを特徴とする平版印刷
版の現像方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀錯塩拡散転写法
を利用する平版印刷版の現像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、水とインキの両方を版面
に供給して、画像部は着色性のインキを、非画像部は水
を選択的に受け入れ、該画像上のインキを例えば紙など
の被印刷体に転写させることによって印刷がなされてい
る。従って、よい印刷物を得るためには、画像部と背景
非画像部との表面の親油および親水性の差が十分に大き
くて、水およびインキを適用したときに画像部は十分量
のインキを受け付け、非画像部はインキを全く受け付け
ないことが必要である。
【0003】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平
版印刷版、特にハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層
を有する平版印刷版は、例えば米国特許第372155
9号、同第3490905号、同第3385701号、
同第3814603号、同第3454398号、同第3
764323号、同第3099209号、特公昭44−
27242号、同48−30562号、特開昭53−9
603号、同53−21602号、同54−10310
4号、同56−9750号公報等に記載されている。
【0004】係る平版印刷版の製版法に適した銀錯塩拡
散転写法の代表的な実施法によれば、支持体及びその上
にハレーション防止を兼ねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤
層、物理現像核層からなる平版印刷材料を画像露光し、
現像処理を行うと潜像が形成されているハロゲン化銀は
乳剤中で黒化銀となる。同時に潜像が形成されていない
ハロゲン化銀は現像処理液中に含まれるハロゲン化銀溶
剤の作用で溶解し、平版印刷材料の表面に拡散してく
る。溶解し拡散してきた銀錯塩が表面層の物理現像核の
上に現像主薬の還元作用によって、インキ受容性の画像
銀として析出する。
【0005】上記平版印刷版の現像処理方式としては、
タンクに多量の処理液を貯溜し、15秒以上という比較
的長い時間浸漬する浸漬処理方式が従来から一般的に用
いられているが、近年、作業効率の面から現像処理の迅
速化、更には環境対応(廃液量の減少)や処理装置のメ
ンテナンス性向上等が求められており、少量の現像液で
迅速に処理できる処理方法が開発されている。かかる処
理方式として、例えば現像タンク容量を0.5リットル
に減じた現像装置(ヨーロッパ公開特許第482479
号)及び平版印刷版に現像液を塗布して現像する塗布処
理方式がある。
【0006】この塗布処理方式は、平版印刷材料の感光
面に現像に必要な量の現像液を塗布するもので、例え
ば、特開平6−27682号、WO95/18400、
特願平8−233654号公報等に記載されている。
【0007】いずれの現像処理方式においても、得られ
た平版印刷版の重要な印刷特性の一つとしてインキ受理
性が挙げられる。平版印刷版のインキ受理性とは、一般
に印刷開始時において印刷物の画像濃度が安定し良好な
印刷物が得られるまでの印刷枚数で評価される。一般
に、印刷開始時の極初期の段階において、印刷物の画像
の位置調整、見当合わせ等が行われるが、インキが乗ら
ない状態が長く続くほど、前記位置調整及び見当合わせ
の作業効率が低下する。従って、平版印刷版のインキ受
理性は重要な課題である。
【0008】現像処理後得られた銀画像のインキ受理性
を向上させるために、メルカプト基またはチオン基を有
する化合物(親油化剤)を銀画像に作用させることが一
般に行われており、特公昭48−29723号、特開昭
58−127928号公報等で知られている。これらの
親油化剤を現像処理時に作用させることも行われてお
り、インキ受理性の向上に寄与している。しかしなが
ら、ランニング処理により次第にその効果が減少し、処
理枚数が増えて行くにつれて得られる平版印刷版のイン
キ受理性が低下して行くという現象が見られた。
【0009】特に、前記塗布処理方式のように平版印刷
版単位面積当りの現像液の供給量が極端に少ない場合、
例えば平版印刷版1m2当たり80ml以下、更には60ml
以下の現像液で現像した場合、上記問題は顕著になっ
た。
【0010】また、一方、これらの親油化剤が現像液の
銀スラッジの発生を助長していることがわかった。特に
塗布現像方式で銀スラッジの問題は重大であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ラン
ニング処理時のインキ受理性の低下を防止し、銀スラッ
ジを効果的に防止する平版印刷版の現像方法を提供する
ことにある。特に塗布処理方式を用いて迅速に現像する
方法に効果的に適用できる平版印刷版の現像方法を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層および物理現像
核層を有する平版印刷材料を現像する方法において、メ
ルカプト基もしくはチオン基を有する化合物と、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステルもしくはポリオ
キシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有する現像
液で処理することを特徴とする平版印刷版の現像方法に
より達成できた。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる平版印刷材料は、支持体およびその上に
ハレーション防止を兼ねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤
層、受像層となる物理現像核層を有するものであり、銀
錯塩拡散転写法により銀画像を形成し、平版印刷版とす
るものである。
【0014】そして、この銀錯塩拡散転写処理、いわゆ
る現像処理は、メルカプト基もしくはチオン基を有する
化合物と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ルもしくはポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステ
ルを含有する現像液で処理することにより行われる。
【0015】本発明に用いられるメルカプト基またはチ
オン基を有する化合物の代表例として、次の化1に示さ
れる一般式を有するものが挙げられる。
【0016】
【化1】 (式中のR1、R3は炭素数3以上、好ましくは3〜12
のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリ
ール基で、R2 は水素、アルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基またはアリール基を表す。m、nは1以上の
整数を表すが、R2 が炭素数3以上のアルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基またはアリール基の場合は、n
は0であってもよい。Zは、式中のN、Cと共に5ない
し6員環を形成するのに必要な結合の残りの原子団を示
す。)
【0017】5ないし6員環の具体的な例としては、イ
ミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、
オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮
合したものであってもよい。
【0018】係る化合物の具体例としては、2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル
−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾ
リジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチ
アゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオ
ン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2
−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル
−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチ
ル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル
−1,3,4−オキサジアゾール、2−メルカプト−5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メル
カプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト
−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカ
プト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト
−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−
アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−
トリアジン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0019】上記メルカプト基またはチオン基を有する
化合物の使用量は、現像液1l当り0.01〜1gであ
るが、好ましくは0.02〜0.5gの範囲で添加す
る。添加量が多くなると物理現像を抑制するので好まし
くない。
【0020】本発明に用いられるポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステルもしくはポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステルは、エチレンオキシ基の付加し
たソルビタンもしくはソルビットと高級脂肪酸とのエス
テル化反応で作られる非イオン性界面活性剤の一群であ
る。エチレンオキシ基の繰り返し単位は5以上、合計で
は5〜180、脂肪酸は好ましくは炭素数10以上、例
えばラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸等が用いられる。脂肪酸エステルはモノ、ジ、ト
リ、テトラ等の形を取り得る。ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステルとしては日光ケミカル(株)社製
のニッコールTP−10、同TS−10、同TS−3
0、同TO−10、同TO−30等、日本油脂(株)社
製のノニオンLT−221、同PT−221、同ST−
221、同OT−221等がある。ポリオキシエチレン
ソルビット脂肪酸エステルとしてはニッコールGO−4
60、同GS−460等が市販されている。以下に本発
明に用いられる化合物の代表的なものを記載するが、こ
れらに限定されるものではない。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】本発明の上記化合物の現像液への添加量は
O.1〜10g/lであり、好ましくは0.2〜5g/
lである。また、該化合物は2種類以上併用することも
できる。
【0034】上記化1の一般式で表されるメルカプト基
またはチオン基を有する化合物は物理現像された銀画像
に吸着してインキ受理性を向上させることは知られてい
る。しかし、ランニング処理により徐々にその効果が低
下し、また銀スラッジの発生を助長するなどの好ましく
ない副作用を生じさせていた。本発明者は鋭意研究を重
ね、化1の親油化剤と上記非イオン界面活性剤とを含有
する現像液で現像処理することにより、更にインキ受理
性が向上し、しかもランニング処理時においてもその特
性が低下せず、銀スラッジの発生も押さえられるという
予想外の効果を得ることができた。
【0035】また、本発明の上記効果は、浸漬処理方
式、塗布処理方式等の処理方式のいずれに関わらず有効
に発揮されるが、特に使用する処理液量が限られている
ためランニング処理時にインキ受理性の低下が大きく、
かつ銀スラッジが発生しやすい塗布処理方式に適用した
場合効果が大きい。
【0036】ポリオキシエチレン化合物を現像液に添加
することにより、迅速処理方式での現像温度寛容性が広
がり、耐刷力が向上し、耐インキ汚れを防止できること
が特開平7−28396号明細書に記載されている。し
かし、該明細書記載の一般式の構造のポリオキシエチレ
ン化合物は本発明の親油化剤と併用してもランニング処
理におけるインキ受容性の低下を防止したり、銀スラッ
ジの発生を軽減するに充分な効果は見出だせなかった。
【0037】本発明に用いられる現像液には、上記化合
物の他にアルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム
等)、保恒剤(例えば亜硫酸塩)、ハロゲン化銀溶剤
(例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チ
オサリチル酸、メソイオン性化合物等)、粘稠剤(例え
ばヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース等)、現像主薬(例えばハイドロキノン、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン、メトール、カテコール、ピ
ロガロール、グリシン等)、現像変性剤(例えばポリオ
キトアルキレン化合物、オニウム化合物等)を含有する
ことができる。
【0038】また、銀錯塩拡散転写(DTR法)を実施
するに当たっては、例えば英国特許第1,000,11
5号、同第1,012,476号、同第1,017,2
73号、同第1,042,477号等の明細書に記載さ
れている如く、ハロゲン化銀乳剤層および/または受像
層ないしはそれに隣接する他の水透過性層中に現像主薬
を混入することが行われている。従って、この様な材料
においては、現像段階で使用する処理液は、現像主薬を
含まないいわゆる「アルカリ性活性化液」を使用しう
る。
【0039】上記現像液を用いた平版印刷版の現像処理
方式としては、タンクに多量の処理液を貯溜し、15秒
以上という比較的長い時間浸漬する浸漬処理方式が従来
から一般的に用いられているが、近年、作業効率の面か
ら現像処理の迅速化、更には環境対応(廃液量の減少)
や処理装置のメンテナンス性向上等が求められており、
少量の現像液で迅速に処理できる処理方法が開発されて
いる。かかる処理方式として、例えば現像タンク容量を
0.5リットルに減じた現像装置(ヨーロッパ公開特許
第482479号)及び平版印刷版に現像液を塗布して
現像する塗布処理方式がある。
【0040】この塗布処理方式は、感光材料の感光面に
現像に必要な量の現像液を塗布するもので、例えば、特
開平6−27682号、WO95/18400、特願平
8−233654号公報等に記載されている。これらの
中でも特にワイヤーバー等を用いたローラ塗布方式が一
定量の塗布量に計量が可能であり好ましい。
【0041】現像液の塗布量は10〜80ml/m2、好ま
しくは20〜60ml/m2の範囲である。処理液が塗布さ
れた後、感光層と処理液との反応を維持するために、版
面上に処理液を一定時間(3〜10秒程度)保持する工
程が設けられている。その後、絞りローラによって版面
上の処理液が絞り取られ除去される。
【0042】本発明において、現像処理後中和液が施さ
れる。版面上のpHを中和し、安定化する役目がある。
中和液には、一般に使用されている緩衝剤、保恒剤、保
存剤、湿潤剤及び界面活性剤等を混入することができ
る。例えば、緩衝剤には、リン酸、硫酸等の無機酸、コ
ハク酸、プロピオン酸等の有機酸を使用しpHを5〜7
に保つようにする。更に、イミノ二酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸等の錯化剤、コロイダルシリカ等の無機の微
粒子も含有することができる。また、前記親油化剤を含
有させることが好ましい。
【0043】塗布処理方式は処理液の廃棄量を極力減少
させるという目的があり、前記した如く、塗布に先立っ
て版面上に供給された処理液の内、塗布ローラによって
除去された過剰量の処理液は、回収されて再利用される
が、版面上に一旦供給された処理液が回収されて再利用
された場合、その回収された処理液は幾分反応が進行し
ており、銀スラッジの元となる銀錯塩が存在する。それ
がランニング処理によって増加し、銀スラッジとなって
析出してくる。
【0044】また、塗布処理方式を用いた処理装置にお
いて、処理液を貯溜する中間タンクの容量は、装置のコ
ンパクト化のために、従来のタンク現像タイプ(浸漬処
理)に比べ、かなり小さく(0.5〜2リットル程度)
設計されており、銀スラッジを発生しやすくしていた。
【0045】また、反応維持工程の後の絞りローラへの
銀スラッジの付着は重大な問題であった。反応維持工程
において、版面上で十分に反応が促進し、現像液中に溶
け出した銀錯塩は版面上に残留し、それが絞りローラに
付着し、銀スラッジを析出させていた。絞りローラへの
銀スラッジの付着が多くなると、処理した平版印刷版の
版面上に銀スラッジが転写し、インキ受理性等の品質を
著しく低下させていた。
【0046】従って、塗布処理方式における銀スラッジ
の問題は深刻であり、本発明はその改良を図った点、極
めて有意義な技術である。
【0047】本発明の実施に用いられる平版印刷版のハ
ロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ
化銀、塩臭ヨウ化銀等使用でき、好ましくは塩化銀が5
0モル%以上のハロゲン化銀である。これらのハロゲン
化銀は分光増感剤(光源、用途に応じた分光増感色素、
例えばカメラタイプ、レーザー光タイプ、色分解用パン
クロタイプ等。)、ゼラチン硬化剤、塗布助剤、かぶり
防止剤、可塑剤、現像剤、マット剤等を含むことができ
る。
【0048】ハロゲン化銀乳剤の結合剤は、一般にこの
目的に使用されている天然および/または合成結合剤、
例えばゼラチン、コロイド状アルブミン、セルロース誘
導体等が使用できる。
【0049】ハロゲン化銀乳剤層の下側(支持体面)に
は接着改良用下引層および/またはハレーション防止等
の目的で下塗層を含むこともでき、この層には現像剤、
マット剤を含むこともできる。
【0050】ハロゲン化銀乳剤を塗布する支持体は、
紙、各種フィルム、プラスチック、樹脂様物質を塗布し
た紙、金属等が使用できる。
【0051】物理現像核層に使用される物理現像核は、
この種の薬品の例は周知であって、アンチモン、ビスマ
ス、カドミウム、コバルト、パラジウム、ニッケル、
銀、鉛、亜鉛等の金属およびこれらの硫化物が使用でき
る。物理現像各層にも現像剤を含んでもよく、水溶性バ
インダーを含んでもよい。
【0052】本発明により製造された平版印刷版は、例
えば特公昭48−29723号、米国特許第3,72
1,539号等明細書に記載されているが如き化合物で
インキ受容性に変換ないし増強しうる。
【0053】印刷方法あるいは使用する不感脂化液、給
湿液等は、普通によく知られている方法によることがで
きる。
【0054】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、勿
論これに限定されるものではない。
【0055】実施例1 銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版として、下引き
処理したポリエステルフィルム支持体上の片面に平均粒
子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層を設
け、反対側の面にカーボンブラックを含み、写真用ゼラ
チンに対して20重量%の平均粒径3.5μmのシリカ
粉末を含むハレーション防止用下塗層(pH4に調整)
と、化学増感された後に平均粒径3.5μmのシリカ粉
末を写真用ゼラチンに対して5重量%の割合で含む緑感
域にスペクトル増感された高感度塩化銀乳剤(pH4に
調整)とを設けた。
【0056】下塗層のゼラチンは3.5g/m2、乳剤層
のゼラチンは0.8g/m2、硝酸銀に換算したハロゲン
化銀1.0g/m2の割合で塗布された。この下塗層と乳
剤層とは硬膜剤としてホルマリンをゼラチンに対して
5.0mg/gゼラチン量で含んでいる。乾燥後40℃で
7日間加熱した後、乳剤層の上に特開昭54−1031
04号実施例2のプレートNO.31記載の核塗液を塗
布、乾燥し、平版印刷版を製造した。
【0057】ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成時にハロゲ
ン化銀1モル当り4×10-6モルの塩化ロジウムを添加
したものであり、平均粒径0.4μであった。平版印刷
版は幅404mm、長さ500mmのサイズを用い、該平版
印刷版に像反転機構を有する製版カメラで細線画像を露
光した。
【0058】現像液A、及び中和液を下記のように調整
した。現像液の温度は30℃になるように調整した。
【0059】 <現像液> 水酸化カリウム 8g 水酸化ナトリウム 24g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2−アミノエチル−アミノエタノール 10g 親油化剤(2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール) xg 化2のポリオキシエチレンソルビタン肪酸エステル yg 水を加えて1lとする。pHは13.4に調整。
【0060】親油化剤および化2の化合物の添加量x
g、ygの詳細は表1の通りである。なお、比較例3と
して本発明のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テルの代わりに下記化14の化合物を添加した。
【0061】
【化14】
【0062】 <中和液> リン酸 1.2g 第一リン酸ナトリウム 25g 無水亜硫酸ナトリウム 2.5g エチレングリコール 5g 親油化剤 0.1g ジエタノールアミン 5g 水で1lとする。pHは6に調整。親油化剤は2−メル
カプト−5−nヘプチルオキサジアゾールである。
【0063】浸漬処理方式の自動現像装置として、市販
のDTR平版印刷版用カメラプロセッサCP−414S
(三菱製紙(株)/大日本スクリーン製造(株)社製)
を用い、処理装置の現像時間を20秒に設定した。
【0064】得られた平版印刷版について、印刷開始時
のインキ受理性を評価した。印刷試験は、印刷版をオフ
セット印刷機(エービーディック365;AB−Dic
k社製オフセット印刷機の商標)にセットし、インキ
は、AB−Dick3−1012墨インキ、給湿液にO
D30(三菱製紙社製給湿液)を使用し、水道水でエッ
チングを行い、印刷を行った。
【0065】インキ受理性の評価は、版面にインキを接
触させると同時に紙を送り始め、良好な画像濃度で濃度
ムラのない印刷物が得られるまでの印刷枚数として評価
した。
【0066】前記DTR平版印刷版用カメラプロセッサ
CP−414Sの現像処理槽(7リットル)に上記現像
液を、中和処理槽(6リットル)に上記中和液を満たし
100版処理し、フレッシュ液、50版及び100版ラ
ンニング処理した時に得られる平版印刷版についてイン
キ受理性を評価し、併せてその時点での現像液の銀スラ
ッジの発生状況を評価した。
【0067】銀スラッジの発生状況の評価は以下の基準
で行った。 A:銀スラッジの発生なし。 B:現像槽の底に銀スラッジがわずかに発生。 C:現像槽の底に銀スラッジがかなり沈積。 D:現像槽の底に銀スラッジが大量に沈積し、絞りロー
ラにも銀スラッジが付着。 E:絞りローラにかなりの量の銀スラッジが付着し、処
理後の版面上に銀スラッジが転写。
【0068】以上の評価結果を表1にまとめて示す。
【0069】
【表1】
【0070】上記結果から本発明の親油化剤の2−メル
カプト−5−nヘプチルオキサジアゾールとポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレートを併用することによ
り、ランニングによるインキ受理性低下の防止が図られ
る。また、化2の化合物は銀スラッジ発生の抑制に効果
的に働く。
【0071】実施例2 実施例1の現像液に化2の代わりに化12のテトラオレ
イン酸ポリオキシエチレン(60)ソルビットを添加し
て同様の試験を行い、表1に準じる結果を得た。
【0072】実施例3 実施例1の浸漬処理方式の自動現像装置の代わりに、特
願平8−233654号公報に記載の塗布処理装置を用
いた。現像液の塗布量は40ml/m2で、現像時間(塗布
ローラで版面上に現像液が供給されてから絞りローラで
版面上の現像液が絞り取られるまでの時間)は7秒であ
る。現像液および中和液は実施例1と同じである。イン
キ受理性の評価は実施例1に準じて評価した。結果を表
2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2の結果より、インキ受理性が浸漬処理
方式より低下し、ランニング処理での性能劣化傾向の大
きい塗布現像方式においても、本発明は効果的にインキ
受理性を向上させることが分かる。また、銀スラッジ発
生防止効果も顕著である。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、銀錯塩拡散転写法を利
用した平版印刷版の現像処理において、ランニング処理
時のインキ受理性の低下を防止することができる。特に
少量の現像液で迅速に処理する塗布処理方式において、
その効果は顕著であり、また銀スラッジ発生を効果的に
抑制する。更に、親液においてもインキ受理性を更に向
上させる効果もある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤
    層および物理現像核層を有する平版印刷材料を現像する
    方法において、メルカプト基もしくはチオン基を有する
    化合物と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
    ルもしくはポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステ
    ルを含有する現像液で処理することを特徴とする平版印
    刷版の現像方法。
  2. 【請求項2】 平版印刷版に現像液を塗布して処理する
    塗布現像処理方法を用いる請求項1に記載の平版印刷版
    の現像方法。
JP20630097A 1997-07-31 1997-07-31 平版印刷版の現像方法 Pending JPH1152584A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20630097A JPH1152584A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 平版印刷版の現像方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20630097A JPH1152584A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 平版印刷版の現像方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1152584A true JPH1152584A (ja) 1999-02-26

Family

ID=16521028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20630097A Pending JPH1152584A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 平版印刷版の現像方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1152584A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11184099A (ja) 平版印刷版の処理方法
JP3400254B2 (ja) 平版印刷版の製版用処理液及び製版方法
JPH1152584A (ja) 平版印刷版の現像方法
JP3736943B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3611715B2 (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2868997B2 (ja) 平版印刷版の処理方法
US5902719A (en) Process for processing lithographic printing plate
JP3522474B2 (ja) 平版印刷版のスターター液及び印刷方法
JP3135377B2 (ja) 平版印刷版用版面処理液
JP3311508B2 (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2001264987A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11180063A (ja) 平版印刷版のスターター液及び印刷方法
JP3480663B2 (ja) 平版印刷版及び製版方法
JP3518721B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液及び製版方法
JP3329595B2 (ja) 平版印刷版の処理方法
JPH1152586A (ja) 平版印刷版の処理方法
JP3130138B2 (ja) 平版印刷版用版面処理液
JPH1078660A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2907652B2 (ja) 平版印刷版用版面処理液
JP2003295473A (ja) 平版印刷版の処理方法
JPH10288840A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2019135515A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2006267340A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2001264986A (ja) 平版印刷版
JPH10282676A (ja) 平版印刷版の現像処理方法