JPH1078660A - 平版印刷版の現像処理方法 - Google Patents

平版印刷版の現像処理方法

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JPH1078660A
JPH1078660A JP23530796A JP23530796A JPH1078660A JP H1078660 A JPH1078660 A JP H1078660A JP 23530796 A JP23530796 A JP 23530796A JP 23530796 A JP23530796 A JP 23530796A JP H1078660 A JPH1078660 A JP H1078660A
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JP
Japan
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developing
ink
printing plate
mercapto
processing
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JP23530796A
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English (en)
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Toshiro Kondo
敏郎 近藤
Hiroyuki Kurokawa
博幸 黒川
Hajime Fujioka
肇 藤岡
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版を迅速
処理する場合、特に塗布処理方式を用いて迅速現像する
際、安定で優れたインキ受理性及びインキ乗り速度を向
上させることである。更に、塗布処理方式における現像
ムラを解消することである。 【解決手段】銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の
現像処理方法において、現像時間が15秒以内であり、
かつ現像液がメルカプト基またはチオン基を有する化合
物と、ヒドロキシアリール脂肪酸を含有することを特徴
とする平版印刷版の現像処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銀錯塩拡散転写法を
利用した平版印刷版の現像処理方法に関し、詳しくは迅
速現像処理、更に詳しくは平版印刷版に現像液を塗布し
て処理する塗布処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)によって
得られる転写銀画像を直ちにインキ受理性として利用す
ることができる平版印刷版は既に知られている。例え
ば、支持体上に下塗層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現
像核層を有する平版印刷版として、米国特許第3721
559号、同第3490905号、同第3385701
号、同第3814603号、同第3454398号、同
第3764323号、同第3099209号、特公昭4
4−27242号、同48−30562号、特開昭53
−9603号、同53−21602号、同54−103
104号、同56−9750号公報等に記載されてい
る。
【0003】係る平版印刷版の製版法に適した銀錯塩拡
散転写法の代表的な実施法によれば、支持体及びその上
にハレーション防止を兼ねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤
層、物理現像核層からなる感光材料を画像露光し、現像
処理を行うと潜像が形成されているハロゲン化銀は乳剤
中で黒化銀となる。同時に潜像が形成されていないハロ
ゲン化銀は現像処理液中に含まれるハロゲン化銀溶剤の
作用で溶解し、感光材料の表面に拡散してくる。溶解し
拡散してきた銀錯塩が表面層の物理現像核の上に現像主
薬の還元作用によって、画像銀として析出する。
【0004】上記平版印刷版の現像処理方式としては、
タンクに多量の処理液を貯溜し、25秒以上という比較
的長い時間浸漬する浸漬処理方式が従来から一般的に用
いられているが、近年、作業効率の面から現像処理の迅
速化、更には環境対応(廃液量の減少)や処理装置のメ
ンテナンス性向上等が求められており、少量の現像液で
迅速に処理できる処理方式が開発されている。かかる処
理方式として、例えば現像タンク容量を0.5リットル
に減じた現像装置(ヨーロッパ公開特許第482479
号)及び平版印刷版に現像液を塗布して現像する塗布処
理方式がある。
【0005】この塗布処理方式は、感光材料の感光面に
現像に必要な量の現像液を塗布するもので、例えば、特
開昭48−76603号、同平4−307245号、同
平6−27682号、同平7−175219号公報等に
記載されている。
【0006】しかしながら、迅速処理は印刷開始時のイ
ンキ受理性が低下するという問題を招いた。特に処理温
度、処理液の疲労等の微妙な処理条件の変化によって、
インキ受理性能が変動した。そして、前記塗布処理方式
のように平版印刷版単位面積当りの現像液の供給量が極
端に少ない場合、例えば平版印刷版1m2当り80ml
以下、更には60ml以下の塗布量で現像した場合、上
記問題は顕著になった。
【0007】平版印刷版のインキ受理性とは、一般に印
刷開始時において印刷物の画像濃度が安定し良好な印刷
物が得られるまでの印刷枚数で評価される。通常はこの
インキ受理性を評価することで足りる。しかしながら、
塗布処理方式は上記インキ受理性が低下するという問題
に加え、印刷開始時のインキ乗り速度が極めて悪いこと
が判明した。ここで云うインキ乗り速度とは印刷の極初
期の段階における印刷枚数に対するインキ乗りの挙動を
表すものである。
【0008】塗布処理方式と浸漬処理方式のインキ乗り
速度の差を簡単に説明すれば、図2のようになる。実線
が塗布処理方式、点線が浸漬処理である。塗布処理方式
は印刷開始時にインキがほとんど乗らない状態が続く。
また、前記インキ受理性は図2のA点及びB点での印刷
枚数で評価される。
【0009】一般に、印刷開始時の極初期の段階(印刷
物の画像が確認できる程度、例えば図2のC点)におい
て、印刷物の画像の位置調整、見当合わせ等が行われる
が、塗布処理方式のようにインキが乗らない状態が長く
続くほど、前記位置調整及び見当合わせの作業効率が低
下する。従って、塗布処理方式におけるインキ乗り速度
の向上はインキ受理性と共に重要な課題であった。
【0010】一方、現像処理後得られた銀画像のインキ
受理性を向上させるために、メルカプト基またはチオン
基を有する化合物(親油化剤)を銀画像に作用させるこ
とがー般に行われており、特公昭48−29723号、
特開昭58−127928号公報等で知られている。こ
れらの親油化剤を現像処理時に作用させることも行われ
ており、親油化剤を現像液及び安定液、更にエッチング
液に含有させることによって、インキ受理性はある程度
向上するが、親油化剤のみでは所望するインキ受理性得
られなかった。特に、塗布現像処理によるインキ乗り速
度はほとんど改善されなかった。
【0011】また、15秒以下の迅速現像処理における
印刷性能を向上させるために、現像液にpkaが4.5
以下のメルカプト化合物を含有させることが、特開平7
−13335号に開示されているが、インキ受理性は改
善されなかった。
【0012】前記塗布処理方式の別の問題として、現像
ムラが生じ易いという欠点がある。この現像ムラは部分
的な耐刷不良の原因となっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、銀錯
塩拡散転写法を利用した平版印刷版を迅速現像する場合
のインキ受理性の向上、特に塗布処理方式を用いて迅速
現像する際のインキ受理性を安定的に向上させ、且つイ
ンキ乗り速度を向上させることである。本発明の他の目
的は塗布処理方式における現像ムラを解消することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、現
像液に銀画像部の親油化剤、即ちメルカプト基またはチ
オン基を有する化合物と、ヒドロキシアリール脂肪酸を
含有させることによって達成された。
【0015】迅速現像処理の場合、銀画像の形成過程に
おける銀画像部への親油化剤の作用が弱くなることが考
えられる。この現象は処理温度、現像液の疲労等による
処理条件の微妙な変化の影響を受け易く、特に現像液の
疲労によって助長される。更に、塗布処理方式は従来の
浸漬処理方式に比べ、版面上に供給される現像液量は極
端に少ないため、銀画像部の形成の遅れ、更に銀画像部
への親油化剤の作用が極めて希薄になり、その結果、得
られた銀画像に作用した親油化剤の吸着密度が低下して
いるものと推測される。本発明者は鋭意研究を重ね、ヒ
ドロキシアリール脂肪酸を親油化剤と一緒に作用させる
ことによって、親油化剤の吸着効率が高められ、インキ
受理性及びインキ乗り速度が向上することを見いだし
た。特にインキ乗り速度については、これまであまり研
究がなされておらず、インキ受理性を上げればインキ乗
り速度が上がるという単純なものではなく、有効な手段
がなかった。
【0016】また、塗布処理方式は少量の現像液を版面
上に塗布するために、処理時の現像液の温度は周囲の影
響を受けや易く、現像液の微妙な温度変化によって安定
したインキ受理性は得られなかったが、本発明を用いる
ことにより安定で優れたインキ受理性が得られるように
なった。更に前記脂肪酸は塗布処理方式の現像ムラを解
消することも分かった。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、銀画像部の親油
化剤として用いられるメルカプト基またはチオン基を有
する化合物は、例えば特公昭48−29723号、特開
昭58−127928号等に記載されている化合物が挙
げられる。特にアルキル基、アリール基、アルケニル基
等の親油性基を有する含窒素複素環化合物が好ましい。
【0018】前記メルカプト基またはチオン基を有する
化合物の代表例として、次の化1に示される一般式を有
するものが挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】(式中のR1、R3は炭素数3以上、好まし
くは3〜12のアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基またはアリール基で、R2は水素、アルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。m、
nは1以上の整数を表すが、R2が炭素数3以上のアル
キル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基
の場合は、nは0であってもよい。Zは、式中のN、C
と共に5ないし6員環を形成するのに必要な結合の残り
の原子団を示す。)
【0021】5ないし6員環の具体的な例としては、イ
ミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、
オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮
合したものであってもよい。
【0022】係る化合物の具体例としては、2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル
−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾ
リジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチ
アゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオ
ン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2
−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル
−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル
−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−
1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メル
カプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト
−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカ
プト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト
−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−
アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−
トリアジン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0023】この中でも、特に親油性基として炭素数5
個以上の脂肪族基を有するオキサジアゾール環、チアジ
アゾール環が好ましい。
【0024】上記メルカプト基またはチオン基を有する
化合物の使用量は、現像液1l当り0.01〜1g程度
であるが、好ましくは0.02〜0.5gの範囲で添加
する。添加量が多くなると物理現像を抑制するので好ま
しくない。
【0025】本発明に用いられるヒドロキシアリール脂
肪酸は、好ましくは下記化2で表される。
【0026】
【化2】
【0027】(式中、R4は炭素数1〜19の直鎖アル
キル基、R5は炭素数1〜19の直鎖アルキレン基で、
4とR5の炭素数の和は10〜20であり、R6及びR7
は水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜9のアルキル
基またはアルコキシ基のいずれかである。)
【0028】上記ヒドロキシアリール脂肪酸の具体例と
しては、ヒドロキシフェニルミリスチン酸、ヒドロキシ
フェニルパルミチン酸、ヒドロキシフェニルステアリン
酸、ヒドロキシフェニルオレイン酸、ヒドロキシフェニ
ルベヘン酸、ビス−ヒドロキシフェニルステアリン酸、
ジヒドロキシフェニルパルミチン酸、トリヒドロキシフ
ェニルステアリン酸、ヒドロキシメチルフェニルステア
リン酸、ヒドロキシノニルフェニルステアリン酸、ヒド
ロキシメトキシパルミチン酸等が挙げられる。これらの
化合物はアルカリ金属塩、有機アミンなどの塩になって
いてもよい。
【0029】これらの脂肪酸を現像液に含有させる量
は、0.05〜10g/リットル程度、好ましく0.5
〜5g/リットル程度である。特に好ましくは親油化剤
に対して重量比で2〜10倍程度である。
【0030】上記ヒドロキシアリール脂肪酸を銀錯塩拡
散転写法を利用した平版印刷版の現像液に含有させて耐
刷力を向上させることが、特開平2−254453号に
開示されている。しかしながら、本発明が対象とする迅
速処理、特に塗布処理方式における課題及び技術思想は
何ら示されていない。本発明は迅速処理及び塗布処理方
式特有の効果を見いだし、特に塗布処理方式における重
大な欠点を改良した点、技術的に非常に有意義である。
【0031】本発明に用いられる現像液には、上記化合
物の他にアルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム
等)、保恒剤(例えば亜硫酸塩)、ハロゲン化銀溶剤
(例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チ
オサリチル酸、メソイオン性化合物等)、粘調剤(例え
ばヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース等)、現像主薬(例えばハイドロキノン、1-フェ
ニル-3-ピラゾリドン、メトール、カテコール、ピロガ
ロール、グリシン等)、現像変性剤(例えばポリオキシ
アルキレン化合物、オニウム化合物等)を含有すること
ができる。
【0032】また、銀錯塩拡散転写(DTR法)を実施
するに当たっては、例えば英国特許第1,000,115号、同
第1,012,476号、同第1,017,273号、同第1,042,477号等
の明細書に記載されている如く、ハロゲン化銀乳剤層お
よび/または受像層ないしはそれに隣接する他の水透過
性層中に現像主薬を混入することが行われている。従っ
て、この様な材料においては、現像段階で使用する処理
液は、現像主薬を含まないいわゆる「アルカリ性活性化
液」を使用しうる。
【0033】本発明において、現像処理後中和液が施さ
れる。版面上のpHを中和し、安定化する役目がある。
中和液には、一般に使用されている緩衝剤、保恒剤、保
存剤、湿潤剤及び界面活性剤等を混合することができ
る。例えば、緩衝剤には、リン酸、硫酸等の無機酸、コ
ハク酸、プロピオン酸等の有機酸を使用しpHを5〜7
に保つようにする。更に、イミノ二酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸等の錯化剤、コロイダルシリカ等の無機の微
粒子も含有することができる。また、前記親油化剤を含
有させることが好ましい。
【0034】本発明において、現像時間とは平版印刷版
に現像液が供給された時点から版面上の現像液が絞り取
られた時点までの時間である。本発明は現像時間が15
秒以下である。好ましくは3〜10秒である。
【0035】本発明における塗布処理方式とは、平版印
刷版の版面上に処理液を塗布供給する方式である。塗布
方式としては、ローラ塗布方式、液上げ塗布方式、滴下
法ローラ塗布方式、滴下法ナイフ塗布方式、スプレー塗
布方式及びブラシ塗布方式等が挙げられる。例えば、特
開昭48−76603号、特開昭62−237455
号、同平4−307245号、同平6−27682号、
同平7−175219号公報等に記載されている。これ
らの中でも特にワイヤーバー等を用いたローラ塗布方式
が一定量の塗布量に計量が可能であり好ましい。
【0036】現像液の塗布量は10〜80ml/m2、好
ましくは20〜60ml/m2の範囲である。処理液が塗
布された後、感光層と処理液との反応を維持するため
に、版面上に処理液を一定時間(3〜10秒程度)保持
する工程が設けられている。その後、絞りローラによっ
て版面上の処理液が絞り取られ除去される。
【0037】本発明に用いられる塗布処理方式の好まし
い態様について、以下に図面により詳しく説明する。図
1は、塗布処理方式を用いた自動現像装置全体の概略断
面図である。図1の自動現像装置は大別して平版印刷材
料の加温部、現像処理部、中和(安定)処理部、乾燥部
から成っている。
【0038】加温手段(31)で所定温度に加温された
平版印刷材料は現像処理部、中和処理部で処理された後
乾燥部(10)で乾燥処理される。現像処理部は、主と
して感光材料搬送ローラ対(11)、現像液塗布部
(1)、反応維持部(8)、現像液循環ポンプ(1
2)、現像液中間タンク(13)から成っている。
【0039】中和処理部は、現像処理部と同様の構成を
有しており、感光材料搬送ローラ対(21)、中和液塗
布部(5)、反応維持部(9)、中和液循環ポンプ(2
2)、中和液中間タンク(23)から成り、平版印刷材
料搬送ローラ対(21)は前記反応維持部(8)で版面
上に保持された現像液を絞り取る絞りローラを兼ねてい
る。
【0040】塗布部(1)及び(5)は、特開平7−1
75219号公報記載の塗布方式を用いており、塗布ロ
ーラ(3)(ワイヤーバー)によって、処理液が計量塗
布される。他の好ましい塗布方式として、特開昭62−
237455号、同平6−27682号公報に記載され
ているような、1対のローラを用いてもよい。この場
合、処理液は供給手段(スリットまたはノズル等)から
塗布ローラに供給され、該ローラを介して版面上に供給
されて塗布される。
【0041】処理液の中間タンク(13)に貯溜された
処理液はポンプによって、塗布ローラ(3)と案内ロー
ラ(2)の間に供給される。供給量は塗布を均一安定に
するため、通常、塗布量(塗布ローラによって計量塗布
されて持ち出された量)より多くなるように設定され
る。この過剰量の処理液は回収されて中間タンクに戻
り、再利用される。
【0042】本発明の実施に用いられる平版印刷版のハ
ロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ
化銀、塩臭ヨウ化銀等使用でき、好ましくは塩化銀が5
0モル%以上のハロゲン化銀である。これらのハロゲン
化銀は分光増感剤(光源、用途に応じた分光増感色素、
例えばカメラタイプ、レーザー光タイプ、色分解用パン
クロタイプ等。)、ゼラチン硬化剤、塗布助剤、かぶり
防止剤、可塑剤、現像剤、マット剤等を含むことができ
る。
【0043】ハロゲン化銀乳剤の結合剤は、一般にこの
目的に使用されている天然および/または合成結合剤、
例えばゼラチン、コロイド状アルブミン、セルロース誘
導体等が使用できる。
【0044】ハロゲン化銀乳剤層の下側(支持体面)に
は接着改良用下引層および/またはハレーション防止等
の目的で下塗層を含むこともでき、この層には現像剤、
マット剤を含むこともできる。
【0045】ハロゲン化銀乳剤を塗布する支持体は、
紙、各種フィルム、プラスチック、樹脂様物質を塗布し
た紙、金属等が使用できる。
【0046】物理現像核層に使用される物理現像核は、
この種の薬品の例は周知であって、アンチモン、ビスマ
ス、カドミウム、コバルト、パラジウム、ニッケル、
銀、鉛、亜鉛等の金属およびこれらの硫化物が使用でき
る。物理現像核層にも現像剤を含んでもよく、水溶性バ
インダーを含んでもよい。
【0047】本発明により製造された平版印刷版は、例
えば特公昭48−29723号、米国特許第3,721,539
号等明細書に記載されている如き化合物でインキ受容性
に変換ないし増強しうる。
【0048】印刷方法あるいは使用する不感脂化液、給
湿液等は、普通によく知られている方法によることがで
きる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、勿
論これに限定されるものではない。
【0050】実施例1 銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版として、下引き
処理したポリエステルフィルム支持体上の片面に平均粒
子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層を設
け、反対側の面にカーボンブラックを含み、写真用ゼラ
チンに対して20重量%の平均粒径3.5μmのシリカ
粉末を含むハレーション防止用下塗層(pH4に調整)
と、化学増感された後に平均粒径3.5μmのシリカ粉
末を写真用ゼラチンに対して5重量%の割合で含む緑感
域にスペクトル増感された高感度塩化銀乳剤(pH4に
調整)とを設けた。
【0051】下塗層のゼラチンは3.5g/m2、乳剤
層のゼラチンは0.8g/m2、硝酸銀に換算したハロ
ゲン化銀1.0g/m2の割合で塗布された。この下塗
層と乳剤層とは硬膜剤としてホルマリンをゼラチンに対
して5.0mg/gゼラチン量で含んでいる。乾燥後4
0℃で10日間加熱した後、乳剤層の上に特開昭54−
103104号実施例2のプレートNo.31記載の核
塗液を塗布、乾燥し、平版印刷版を製造した。
【0052】ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成時にハロゲ
ン化銀1モル当り4×10-6モルの塩化ロジウムを添加
したものであり、平均粒径0.4μであった。上記のよ
うにして作成した平版印刷版は像反転機構を有する製版
カメラで細線画像を露光し、以下のように処理した。
【0053】現像液A、B及び中和液を下記のように調
製した。現像液の温度は30℃になるように調整した。
【0054】 <現像液A> 水酸化カリウム 8g 水酸化ナトリウム 24g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2−アミノエチル−アミノエタノール 10g 親油化剤 0.25g 水を加えて1lとする。pHは13.4に調整。 親油化剤は2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジア
ゾールである。
【0055】<現像液B>上記現像液Aにヒドロキシフ
ェニルステアリン酸(日本油脂(株)製、商標ノバアシ
ッドP)を1g/リットル添加した。
【0056】 <中和液> リン酸 1.2g 第一リン酸ナトリウム 25g 無水亜硫酸ナトリウム 2.5g エチレングリコール 5g 親油化剤 0.1g ジエタノールアミン 5g 水で1lとする。pHは6に調整。 親油化剤は2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジア
ゾールである。
【0057】自動現像装置として、2種類の装置を用意
した。処理方式Aは従来の浸漬処理方式で、市販のDT
R平版印刷版用カメラプロセッサCP−414S、及び
CP−286S(両者共、三菱製紙(株)/大日本スクリ
ーン製造(株)社製)である。これらの処理装置の現像処
理時間を30秒(CP−414S)と13秒(CP−2
86S)に設定した。
【0058】処理方式Bは、塗布処理方式として前記図
1の塗布処理装置を用いた(塗布部は特開平6−276
82号公報に記載の1対のローラで、塗布ローラはワイ
ヤーバーである)。現像液の塗布量は40ml/m
2で、現像時間(塗布ローラで版面上に現像液が供給さ
れてから絞りローラで版面上の現像液が絞り取られるま
での時間)は7秒である。
【0059】得られた平版印刷版について、印刷開始時
のインキ受理性を評価した。印刷試験は印刷版をオフセ
ット印刷機(エービーディック365;AB−Dick
社製オフセット印刷機の商標)にセットし、インキはA
B−Dick社製3−1012墨インキ、給湿液にOD
30(三菱製紙社製給湿液)を使用し、特開平6−79
982号のエッチ液でエッチングを行って印刷した。
【0060】インキ受理性の評価は、版面にインキを接
触させると同時に紙を送り始め、画像濃度が安定し良好
な印刷物が得られるまでの印刷枚数として評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】また、塗布処理方式(No.5、6)にお
ける現像ムラを観察した結果、現像液Aを用いた場合
(No.5)は現像ムラが発生していたが、本発明の現
像液Bを用いた場合(No.6)は現像ムラは全くなか
った。
【0063】表1から分かるように、従来の浸漬処理方
式(No.1及び2)は脂肪酸を用いてもインキ受理性
はほとんど変わらない。ところが、浸漬処理の現像時間
を短縮(No.3及び4)することによって、本発明の
脂肪酸のインキ受理性に対する効果は顕著に現れる。更
に、塗布処理方式(No.5及び6)においては、その
効果は歴然となり、更に浸漬処理に比べ一段とインキ受
理性は向上する。
【0064】更に比較例として、現像液Aの親油化剤と
して、2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾー
ルの代わりに、前記特開平7−13335号の1−ヘキ
シル−5−メルカプト−テトラゾールを用いて、上記N
o.3と同様に試験したが、インキ受理性は向上しなか
った。
【0065】<参考例>実施例1の塗布処理方式と、現
像液A、B及び現像液Aの親油化剤量を1g/リットル
(現像液C)、3g/リットル(現像液D)にした現像
液を用いて、実施例1と同様に試験した。インキ受理性
は実施例1に準じて評価し、耐刷性は以下の基準で評価
した。但し現像ムラによる部分的な耐刷不良は評価から
除外した。その結果を表2に示す。
【0066】<耐刷性> G1:10000枚以上でも100μmの細線が欠落し
ない。 G2:5000枚で100μmの細線が欠落する。 G3:3000枚で100μmの細線が欠落する。
【0067】
【表2】
【0068】上記結果から、親油化剤を増量してもイン
キ受理性はあまり向上せず、逆に物理現像を抑制して耐
刷不良を生じさせることが分かる。本発明の現像液Bは
物理現像を抑制しない程度の親油化剤量で著しくインキ
受理性を向上させる。
【0069】実施例2 実施例1に準じて平版印刷版を作成し、印刷開始時のイ
ンキ乗り速度を評価した。評価は、印刷開始から画像濃
度が安定するまでの印刷物をサンプリングし、画像部
(黒ベタ)の濃度を測定した。その結果を図3に示す。
横軸は印刷枚数、縦軸は黒ベタ部の反射濃度である。図
3aが浸漬処理30秒のNo.1と2、図3bが浸漬処
理15秒のNo.3と4、図3cが塗布処理のNo.5
と6である。
【0070】図3から分かるように、図3bの迅速処理
及び図3cの塗布処理は、親油化剤を含有する現像液A
で処理した場合はインキ乗り速度が遅いが、親油化剤と
本発明の脂肪酸を含有させることによって、インキ乗り
速度が向上する。特に塗布処理方式においてはその効果
が顕著に現れる。図3aの従来の浸漬処理では本発明の
効果は現れない。
【0071】また、図3cの1点鎖線は上記参考例のN
o.9である。親油化剤を増やすことによって、No.
5に比べインキ受理性は向上するが、インキ乗り速度を
表す曲線の形状は変わらず、インキがほとんど乗らない
状態は改善されない。
【0072】実施例3 実施例1の現像液Bに用いたヒドロキシフェニルステア
リン酸の代わりに、ヒドロキシフェニルステアリン酸の
アミン塩、ヒドロキシ−メチル−フェニルステアリン
酸、及びヒドロキシフェニルベヘン酸を用いたが、実施
例1と同様な結果が得られた。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、銀錯塩拡散転写法を利
用した平版印刷版の現像処理において、迅速現像処理に
おけるインキ受理性及びインキ乗り速度を向上させるこ
とができる。特に少量の現像液で迅速に処理する塗布処
理方式においては、そのインキ受理性及びインキ乗り速
度の向上は顕著であり、更に少量の現像液を塗布すると
きに生じる現像ムラを改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布処理方式を用いた現像装置の一例を示す概
略断面図。
【図2】塗布処理と浸漬処理のインキ乗り速度を比較し
た図。
【図3】脂肪酸のインキ乗り速度の効果を表した図。
【符号の説明】
1 現像液塗布部 3 塗布ローラ 5 中和液塗布部 8 反応維持部 13 現像液中間タンク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版
    の現像処理方法において、現像時間が15秒以内であ
    り、かつ現像液がメルカプト基またはチオン基を有する
    化合物と、ヒドロキシアリール脂肪酸を含有することを
    特徴とする平版印刷版の現像処理方法。
  2. 【請求項2】 平版印刷版に現像液を塗布する塗布処理
    方式を用いた請求項1記載の平版印刷版の現像処理方
    法。
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