JP2926916B2 - 表面潜像型ハロゲン化銀写真感光材料を用いた超硬調ネガ画像の形成方法 - Google Patents

表面潜像型ハロゲン化銀写真感光材料を用いた超硬調ネガ画像の形成方法

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JP2926916B2 JP17864990A JP17864990A JP2926916B2 JP 2926916 B2 JP2926916 B2 JP 2926916B2 JP 17864990 A JP17864990 A JP 17864990A JP 17864990 A JP17864990 A JP 17864990A JP 2926916 B2 JP2926916 B2 JP 2926916B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,グラフィックアーツの印刷用写真製版工程
に有用な極めて硬調なネガチブ画像を形成する複素環チ
オン化合物を含有することを特徴とする表面潜像型ハロ
ゲン化銀写真感光材料を使用した超硬調ネガ画像の形成
方法に関するものである。
(従来の技術) 写真製版工程に於いてはシャープな網点画像あるいは
線画像の形成が要求されるため,極めて硬調な写真特性
(特にガンマが10以上)を示す画像形成システムが必要
である。
従来この目的のために、塩化銀の含有量が50%モル
%,好ましくは70モル%をこえる塩臭化銀乳剤からなる
リス型ハロゲン化銀写真感光材料を,現像主薬としてハ
イドロキノンのみを含む,遊離亜硫酸イオン濃度を極め
て低くした(通常0.1モル/リットル以下)、リス現像
液で処理する方法が用いられてきた。しかし,リス型ハ
ロゲン化銀写真乳剤は塩化銀含量の高い塩臭化銀乳剤を
用いなければならないため,高感度化の達成が困難であ
った。
硬調なネガチブ画像を得る別の方法としては米国特許
第4,168,977号,同第4,224,401号,同第4,241,164号,
同第4,269,929号,同第4,311,781号,同第4,650,746
号,等に開示されている特定のヒドラジン誘導体を用い
る方法がある。この方法によれば,造核剤として特定の
ヒドラジン誘導体(一般にアシルフェニルヒドラジン誘
導体)を含有する表面潜像型ハロゲン化銀写真感光材料
をpH11.0から12.3の現像液で処理してガンマが10をこえ
る超硬調で高い感度の写真特性が得られる。この方法で
は,臭化銀や臭化銀含有量の高い塩素化銀乳剤を用いる
ことができるのでリス型ハロゲン化銀に比べて高感度化
を達成することができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら,上記のアシルヒドラジン誘導体を用い
る硬調画像形成システムはいくつかの欠点を有すること
が判ってきた。すなわち,上記の画像形成システムを用
いると硬調なネガチブ画像が得られると同時にペッパー
(黒ポツ)の発生をともない写真製版工程上大きな問題
となっている。ペッパーというのは,未露光部,例えば
網点と網点の間の非現像部となるべき部分に発生する黒
胡麻のようなスポットのことで,写真製版感材としての
商品価値を著しく低下させる故障を引き起こす。従っ
て,ペッパー抑制技術の開発に多大の努力がなされてい
るが,ペッパーの改良が感度およびガンマの低下をもた
らすことが多く,ペッパー発生をともなわずに高感度硬
調化を達成する画像形成システム開発が強く望まれてい
る。従来の硬調画像形成システムの第二の欠点として,
現像液の活性度を一定に保つために高価なハイドロキノ
ンを多量に用いなければならないことである。リス現像
液は液中の亜硫酸イオン濃度が低いため容易に空気酸化
を受け現像主薬であるハイドロキノンの消費が著しい。
また,ヒドラジン誘導体を用いる硬調画像形成システム
の現像液中には高濃度の亜硫酸塩を加えることが許容さ
れているが高pH(11から12.3)であるため空気酸化を受
けやすくハイドロキノンの消費が著しい。従って,これ
らの現像液の現像活性度を保持するためには高価なハイ
ドロキノンを多量に用いたり,空気酸化によるハイドロ
キノンの消費量を補充したりして現像液中のハイドロキ
ノン量を一定水準以上に保つ必要があり,ハイドロキノ
ンの消費量が少ないあるいは現像主薬としてハイドロキ
ノンを使用しない現像液による硬調画像形成システムの
開発が望まれている。
本発明者等は、現像主薬として高価なハイドロキノン
をまったく使用することなくペッパー発生の少ない超硬
調かつ高感度のネガ画像を形成することを目的として研
究を進めた結果、本発明に到達した。
(課題を解決するための手段) 本発明は、複素環チオン化合物を含有する表面潜像型
ハロゲン化銀写真感光材を、ポリアルキレンオキサイド
またはその誘導体の存在下に、(a)アミノフェノール
系現像主薬および(b)レダクトン類とを含有する現像
液にて現像処理する超硬調ネガ画像の形成方法に関する
ものである。
いままでに有機硫黄化合物を用いハロゲン化銀感光材
料の現像性を改良したものとして特公昭55−51169(1,
2,4−トリアゾリン−5−チオン誘導体またはその互変
異性型化合物)、特公昭56−24936(メルカプトイミダ
ゾール類縁化合物)、特公昭57−6092(互変異性を起こ
さないヘテロ環チオケトン化合物)、特開昭60−242453
(テトラヒドロー1,3,5−トリアジン−2−チオン誘導
体)などが挙げることができるが,いずれもリス型ハロ
ゲン化銀写真感光材料として用いられたものであり,本
発明による(a)アミノフェノール系現像主薬および
(b)レダクトン類を含有する現像液にて現像処理する
表面潜像型のハロゲン化銀写真感光材料として用いられ
たものは知られていない。
本発明で使用する複素環チオン化合物としては下記一
般式(I)で表されるエチレンチオウレア誘導体または
その互変異性型化合物や,一般式(II)または(III)
で表されるテトラヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−チ
オン誘導体を挙げることができる。
式中R1およびR2はそれぞれ水素原子,アルキル基,ま
たは置換または未置換のアリール基を表す。
式中R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子,アルキル
基,アリール基のいずれかを表し,R5は置換もしくは未
置換の一価の有機基をあらわす。
式中R6,R7,R8およびR9はそれぞれ独立に水素原子,ア
ルキル基,またはアリール基のいずれかを表し,R10は置
換または未置換の二価の有機基を表す。
本発明で用いる一般式(I)で表されるエチレンチオ
ウレア誘導体またはその互変異性化合物は,例えば,Ber
ichte der Deu.Chemi.Gesel.24,2191(1891)や大有機
化学15,235(1958)(朝倉書店)などに記載されている
方法により合成することができる。以下に好ましい具体
例を挙げるが,本発明はこれら化合物に限定されるもの
ではない。
本発明で用いる一般式(II)の化合物において式中R5
で示される置換もしくは未置換の一価の有機基として
は,例えば,未置換またはアルキル基,ハロゲン原子,
アルコキシル基,アミノ基,置換アミノ基(R11−N−R
12;R11またはR12はそれぞれ水素原子,メチル基,エチ
ル基,プロピル基,ブチル基などを表す。),水酸基、
カルボキシル基,カルボアルコキシル基,アシルアミド
基などで置換された炭素原子1から20のアルキル基,ア
リール基,アラルキル基,シクロアルキル基,ヘテロ環
残基などが挙げられる。一般式(II)または(III)で
表される化合物は,例えば、J.Am.Chem.Soc.69,2136(1
947).に記載されている方法などにより製造すること
ができる。
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に挙げ
るが,本発明はこれら化合物に限定されるものではな
い。
本発明で用いる一般式(III)の化合物においてR10で
示される二価の有機基としては,例えば,炭素原子数1
から12の置換もしくは未置換のアルキレン基,オキシア
ルキレン基,ポリオキシアルキレン基(例えば,ポリオ
キシエチレン,ポリオキシプロピレン,ポリオキシブチ
レン等)等が挙げられる。また,一般式(III)の化合
物の中で高分子の物質に関しては,数平均分子量が10,0
00以下のものが好ましいが,本発明はこれらに限定され
るものではない。一般式(III)で表される化合物の具
体例を以下に挙げられるが,本発明はこれらに限定され
るものではない。
本発明で用いる複素環チオン化合物を写真感光材料中
に含有させるには該化合物を表面潜像型写真乳剤中に添
加してもよいし,それ以外の親水性コロイド層から成る
非感光性層,例えば,保護層,中間層,ハレーション防
止層,フィルター層などの層中に添加しても良い。好ま
しいのは,本発明に用いる表面潜像型写真乳剤に添加さ
せることである。また,複素環チオン化合物を写真感光
材料中に添加するには,水または水と混和しうる有機溶
媒,たとえば,アルコール類,ケトン類,エステル類,
アミド類等に溶解して本発明に用いる表面潜像型写真乳
剤もしくは非感光性の親水性コロイド溶液に添加すれば
良い。本発明に用いられる複素環チオン化合物の写真感
光材料中への添加量は,ハロゲン化銀1モル当り1X10-8
モルから1X10-2モル,好ましくは1X10-5モルから1X10-3
モルの範囲である。また,該化合物を添加する時期は,
写真感光材料を製造する工程中の任意の時期を選ぶこと
ができる。例えばハロゲン化銀乳剤層中に添加する場合
には,第二熟成を終えた後,塗布前までの任意の時期に
添加するのが好ましい。
本発明に使用されるポリアルキレンオキサイドまたは
その誘導体としては,エチレンオキサイドやプロピレン
オキサイドなどのアルキレンオキサイドと水,脂肪族ア
ルコール類,フェノール類,グリコール類,脂肪酸類,
有機アミン類からの群から選ばれた一種の化合物との付
加重合物,またはポリアルキレンオキサイドと上記化合
物群から選ばれた一種の化合物との縮合物,または,種
々のアルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド
とプロピレンオキサイド)相互のブロックコポリマーな
どである。また,本発明に使用されるポリアルキレンオ
キサイド誘導体は数平均分子量が500から20,000特に好
ましくは1,000から10,000である。
次に本発明に用いられるポリアルキレンオキサイドお
よびその誘導体その若干の具体例をしめす。
ポリアルキレンオキサイド誘導体の具体例 本発明に使用されるポリアルキレンオキサイドまたは
その誘導体は,写真感光材料中または現像液中のいずれ
に含有させてもよい。しかし,写真感光材料中に含有さ
せる方がより好ましい。
ポリアルキレンオキサイドまたはその誘導体を写真感
光材料中に含有させるには該化合物を表面潜像型写真乳
剤中に添加してもよいし,それ以外の親水性コロイド層
から成る非感光非層,例えば,保護層,中間層,ハレー
シヨン防止層,フイルター層などの層中に添加してもよ
い。好ましいのは,本発明に用いる表面潜像型写真乳剤
に添加させることである。本発明に用いられるポリアル
キレンオキサイドまたはその誘導体を写真感光材料中に
添加するには水または水と混和しうる有機溶媒,例えば
アルコール類,ケトン類,エステル類,アミド類,など
に溶解して本発明に用いる表面潜像型写真乳剤もしくは
非感光性の親水性コロイド溶液に添加すればよい。
本発明に用いられるポリアルキレンオキサイドまたは
その誘導体の写真感光材料中への添加量はハロゲン化銀
1モル当り0.1gから5gの範囲が適切であり0.5gから3gの
範囲が特に好ましい。またこれらの化合物を添加する時
期は,写真感光材料を製造する工程中の任意の時期を選
ぶことができる。例えばハロゲン化銀乳剤層中に添加す
る場合には第二熟成を終えた後,塗布前までの任意の時
期に添加するのが好ましい。
尚,本発明に用いられるポリアルキレンオキサイドま
たはその誘導体は,本発明の現像液中に添加含有せしめ
ても効果があり,この場合,現像液1リットル当り0.1g
から5gを添加すればよい。
本発明に使用する現像液にはアミノフェノール系現像
主薬が用いられる。アミノフェノール系現像主薬として
は4−アミノフェノール、4−(N−メチル)アミノフ
ェノール、2,4−ジアミノフェノール、N−(4−ヒド
ロキシフェニル)グリシン、N−(2′−ヒドロキシエ
チル)−2−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル
−4−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−4−
(N−メチル)アミノフェノールや、これらの化合物の
塩酸塩や硫酸塩などがあるが特にN−メチル−4−アミ
ノフェノール硫酸塩(メトール)が好ましい。これらの
現像主薬の添加量は現像液1リットル当り0.5gから10g,
好ましくは1gから3gである。
本発明に使用する現像液に用いられるレダクトン類
は,エンジオール(Endiol),エナミノール型(Enamin
ol),エンジアミン型(Endiamine),チオールエノー
ル型(Thiol−Enol)およびエナミンチオール型(Enami
ne−Thiol)が,化合物として一般に知られている。こ
れらの化合物の例は米国特許第2,688,549号,特開昭62
−237,443号などに記載されているこれらのレダクトン
類の合成法もよく知られており,例えば野村男次と大村
浩久共著“レダクトンの化学”(内田老鶴圃新社,1969
年)に詳細に述べられている。
この中でも,本発明にもちるのに特に好ましいレダク
トン類は、次の一般式(IV)で示される化合物である。
式中R13は水素原子または水酸基を表しnは1から4
の整数をあらわす。R14は水酸基,アルコキシル基,チ
オール基またはアミノ基を表す。R15は水素原子または
炭素数1から4のアルキル基を表す。
次に本発明に用いられるレダクトン類の特に好ましい
具体例をあげる。
本発明に用いられるレダクトン類はリチウム塩,ナト
リウム塩,カリウム塩などのアルカリ金属塩の形でも使
用できる。これらのレダクトン類は,現像液1リットル
当り1から50g,好ましくは5から20g用いるのが好まし
い。
本発明に用いる現像液には前記必須成分以外に保恒剤
およびアルカリを含むことが望ましい。保恒剤としては
亜硫酸塩を用いることができる。亜硫酸としては,亜硫
酸ナトリウム,亜硫酸カリウム,亜硫酸リチウム,亜硫
酸アンモニウム,重亜硫酸ナトリウム,重亜硫酸カリウ
ム,メタ重亜硫酸カリウムなどがある。これらの亜硫酸
塩の添加量は現像液1リットル当り0.2モル以下,特に
0.1モル以下が好ましい。
アルカリは現像液のpHを9以上,特に好ましくはpH10
から11に設定するために加えられる。pH設定のために用
いるアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩,
例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウム,第三燐酸カリウムなどを用いるこ
とができる。
本発明に使用する現像液は上記成分の他に必要に応じ
て,水溶性の酸(例えば酢酸,ホウ酸),pH緩衝剤(例
えば炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,第三燐酸ナトリウ
ム,メタホウ酸ナトリウム),無機カブリ抑制剤(例え
ば臭化ナトリウム,臭化カリウム),有機カブリ抑制剤
(例えば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾー
ル),有機溶剤(例えばエチレングリコール,ジエチレ
ングリコール,メチルセロソルブ),を含有してもよ
く,さらに必要に応じて色調剤,界面活性剤,消泡剤,
硬水軟化剤などを含有してもよい。
現像処理温度は摂氏18度から50度の範囲が選ばれる
が,より好ましくは摂氏20度から40度の範囲である。
本発明の現像処理方法により,現像主薬として高価な
ハイドロキノンをまったく使用することなくペッパー発
生の少ない超硬調かつ高感度の写真特性が得られるよう
になる。
次に本発明のハロゲン化銀写真感光材料について説明
する。
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料は実質
的に表面潜在型のハロゲン化銀乳剤からなる乳剤層を少
なくとも一層有するものである。ここで実質的に表面潜
像型のハロゲン化銀乳剤とは,潜像が主として粒子表面
に形成されるタイプのハロゲン化銀乳剤を意味し,内部
潜像型のハロゲン化銀乳剤に対立する性質を有するもの
である。
使用するハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成には特別な
限定はなく,塩化銀,塩臭化銀,ヨウ臭化銀,ヨウ臭塩
化銀など,どの組成であってもかまわない。ヨウ化銀の
含量は5モル%以下で,さらに3%以下であることが好
ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は,比較的広い
粒子サイズ分布をもつこともできるが,狭い粒子サイズ
分布をもつことが好ましく,特に全粒子の90%を占める
粒子サイズが平均粒径の+40%以内にある単分散乳剤で
あることが好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は,平均粒径が
0.7ミクロン以下が好ましく,特に0.4ミクロン以下が好
ましい。また,ハロゲン化銀粒子は立方体,八面体のよ
うな規則的な結晶形を有するものでも,球状,板状のよ
うな変則的な結晶形を有するものでもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は任意の公知の
方法を用いて調製することができる。すなわち,酸性
法,中性法,アンモニア法などのいずれでもよく可溶性
銀塩と可溶性ハロゲン塩の反応形式としては順混合法,
逆混合法,同時混合法,それらの組合せなどのいずれを
用いてもよい。同時混合法の一つとして,ハロゲン化銀
の生成される液相中の銀イオン濃度(pAg)を一定に保
つ方法,すなわち,pAgコントロールド・ダブルジェット
法(C.D.J.法)を用いると結晶形が揃い,かつ粒子サイ
ズが均一に近い単分散ハロゲン化銀粒子が得られる。ハ
ロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程においてハロ
ゲン化銀乳剤のコントラストを増大させるためにカドミ
ウム塩,イリジウム塩またはロジウム塩を共存させても
よい。
本発明に用いるハロゲン化銀写真乳剤層に含まれるバ
インダーはハロゲン化銀1モル当り250gをこえないこと
が好ましい。バインダーとしてはゼラチンが最も好まし
いがゼラチン以外の親水性コロイドを用いることもでき
る。例えば,アルブミン,カゼイン,ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー,ポリビニルアルコール,ポ
リアクリルアミドなどの親水性ポリマーなどを用いるこ
とが出来る。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は化学増感を行わな
くともよいが,通常は化学増感される。化学増感法とし
て硫黄増感,還元増感,貴金属増感およびそれらの組合
せが用いられるが本発明の実施のために特に好ましい化
学増感は硫黄増感法あるいは硫黄増感と貴金属増感の一
つである金増感を組合せた方法である。
硫黄増感剤としては活性ゼラチン,チオ硫酸塩,チオ
尿素類,アリルチオカルバミドなどを用いることができ
る。金増感剤としてはHAuC14,Au(SCN)2-塩,Au(S2O
3)23-塩などを用いることができる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は,所望の感光波長
域に感光性を付与するために,一種または二種以上の増
感色素を用いて分光増感される。増感色素としてはシア
ニン色素,メロシアニン色素,スチリル色素,ヘミシア
ニン色素,ホロポーラーシアニン色素,オキソノール色
素,およびヘミオキソノール色素などを用いることがで
きる。特に有用な色素はシアニン色素およびメロシアニ
ン色素である。色素類の塩基性異節環核としてシアニン
色素に通常利用される核はいずれも適用できる。すなわ
ち,ピロリン核,オキサゾール核,オキサゾリン核,チ
アゾール核,チアゾリン核,ピロール核,,セレナゾール
核,イミダゾール核,テトラゾール核,ピリジン核,イ
ンドール核,ベンズオキサゾール核,ベンゾチアゾール
核,ベンゾセレナゾール核,ベンズイミダゾール核,キ
ノリン核などが適用できる。
本発明に係わるハロゲン化銀写真感光材料は支持体上
に実質的に表面潜像型のハロゲン化銀乳剤を含有する少
なくとも一つの親水性コロイド層を塗設して成るが,そ
れ以外の非感光性の親水性コロイド層例えば,保護層,
中間層,ハレーション防止層,フィルター層,などが塗
設されていてもよい。これらの親水性コロイド層には無
機または有機の硬膜剤を含有してよい。硬膜剤としては
クロム塩(クロム明ばんなど),アルデヒド類(ホルム
アルデヒド,グリオキサールなど),N−メチロール化合
物(ジメチロール尿素,メチロールジメチルヒダントイ
ンなど),活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−
ヒドロキシ−s−トリアジン,ムコクロール酸など),
活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサ
ヒドロ−S−トリアジンなど),エポキシおよびアジリ
ン系硬膜剤などを用いることができる。
本発明に用いられる上記親水性コロイド層には必要に
応じて各種写真用添加剤,例えば乳剤安定剤(6−ヒド
ロキシ−4−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンなど
のヒドロキシテトラザインデン化合物),延展剤(サポ
ニンなど),ゼラチン可塑剤(アクリル酸エステルの共
重合体など),帯電防止,塗布助剤,および写真特性改
良(たとえば現像促進,硬調化)など種々の目的のため
の各種界面活性剤(カチオン性,アニオン性,非イオン
性,両性界面活性剤),カブリ抑制剤(ハイドロキノ
ン,5−メチルベンゾトリアゾール,1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾールなど),マット剤,写真感光材料
の寸度安定性の改良などの目的で水不溶または難溶性ポ
リマーラテックス(アルキルアクリレート,アルキルメ
タアクリレート,アクリル酸,グリシジルアクリレート
などのホモまたはコポリマー)などを本発明の効果が損
なわれない範囲で使用することができる。
(実施例) 以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明す
るが本発明は,その要旨を越えない限り,以下の実施例
に限定されるものではない。
実施例1 40℃に保ったゼラチン水溶液中に,硝酸銀水溶液と銀
一モル当り7.5x10-8モルの六塩化ロジウム(III)ナト
リウムを含むヨウ化カリウム,臭化カリウムおよび塩化
ナトリウムの混合水溶液(モル比 I:Br:Cl=0.1:30:7
0)をpAg7.2に保ちながら同時に75分にわたって加える
ことにより,平均粒系0.28μの立方晶単分散で0.1モル
%のヨウ化銀を含む塩臭化銀乳剤を調製した。常法によ
り可溶性塩類を除去したのちハロゲン化銀一モル当り4x
10-5モルのチオ硫酸ナトリウムおよび1x10-5モルの塩化
金酸を加え,48℃で60分間化学熟成した。この乳剤には
ハロゲン化銀一モル当り80gのゼラチンをふくむ。この
ようにして調製した乳剤にハロゲン化銀一モル当り6x10
-3モルの6−ヒドロキシ−4−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン、3.5x10-4モルの3,3′−ジメチルチアゾ
リノカルボシアニンメチルサルフェート、カブリ抑制剤
として5x10-2モルのハイドロキノン、2gのメニルフェニ
ルポリエチレンオキシド(P−8)、および表−1に示
すように本発明の複素環チオン化合物をそれぞれ添加し
たのち、ポリエチレンテレフタレート(PET)ベース上
に100cm2当り40mgの銀量になるように塗布した。この乳
剤層を硬膜剤としてホルマリンおよびジメチロール尿素
を含むゼラチン保護層によって保護した。
上述のようにして作製したフィルムのサンプルをLB−
200フィルターを用い,2666Kのタングステン光源にて段
差0.15のステップウェッジを通して5秒間露光したの
ち,下記組成の現像液を用いて現像し、その後停止,定
着,水洗そして乾燥した。
現像液組成 メトール 2.5g アスコルビン酸ナトリウム 10.5g 臭化カリウム 1.0g メタホウ酸ナトリウム・4水塩 35.0g 水を加えて 1.0リットル pH 10.8 得られた写真特性を表−2および表−3に示す。
表−2で相対感度はカブリを除く濃度3.0が得られる
露光量の逆数の相対値で,比較例の複素環チオン化合物
を添加しないフイルムを現像液中20℃,5分間現像したと
きの値を100として示したものである。ガンマはカブリ
を除く黒化濃度0.5と3.0の間の平均勾配でしめした。ま
た表−3におけるペッパーはフィルムの非露光部を50倍
のルーペで観測し,5段階に評価したものでAが最も良い
品質(実質的にペッパー発生がない)を表し,Eが最も悪
い品質をあらわす。A,Bが実用に適し,Cは低品位ながら
何とか実用許容範囲内であり,D,Eは実用不可能である。
表−2および表−3から明らかなように,比較例の複
素環チオン化合物を添加しないフィルムを現像した場
合,20℃,5分という条件では良好な硬調化した画像が得
られるものの,現像時間を短くしたり,温度を上げたり
して実用的な時間内で現像処理をしようとすると,目的
とする硬調化された良好な画像を得ることはできない。
しかし本発明による複素環チオン化合物を適量添加した
場合には、27℃,1分45秒という現像条件でペッパーのな
い良好な硬調化された画像を形成することができること
がわかる。
実施例2 実施例1で作成したのと同じフィルム1から7を,実
施例1と同様に露光したのち下記組成の現像液により27
℃で1分45秒間現像し,停止、定着、水洗そして乾燥し
た。
現像液組成 メトール 2.5g アスコルビン酸ナトリウム 10.0g 臭化カリウム 1.0g メタほう酸ナトリウム4水塩 35.0g ノニルフェニルポリエチレンオキサイド(P−8) 2.0g 水を加えて 1リットル pH 10.8 得られた写真特性を表−4および表−5に示す。表中
の写真諸特性は,相対感度を複素環チオン化合物を含有
しない比較例のフィルムを27℃,1分45秒間現像したとき
の値を100として示した他は,実施例1の場合と同じで
ある。
表−4および表−5から明らかなように,本発明によ
る複素環チオン化合物を含有するフィルムは27℃,1分45
秒という現像条件でペッパーのない良好な硬調化された
画像が得られることがわかる。
(発明の効果) 本発明によれば、現像主薬として高価なハイドロキノ
ンをまったく使用することなくペッパー発生の少ない超
硬調かつ高感度のネガ画像を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−129435(JP,A) 特開 昭60−95537(JP,A) 特開 昭48−47339(JP,A) 特開 昭59−191035(JP,A) 特開 昭48−20527(JP,A) 特開 昭49−35029(JP,A) 特開 昭60−97348(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 5/29 501 G03C 5/30 G03C 5/305 G03C 1/06 501

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複素環チオン化合物を含有する表面潜像型
    ハロゲン化銀写真感光材料を、ポリアルキレンオキサイ
    ドまたはその誘導体の存在下に、(a)アミノフェノー
    ル系現像主薬および(b)レダクトン類を含有する現像
    液にて現像処理する超硬調ネガ画像の形成方法。
  2. 【請求項2】複素環チオン化合物が下記一般式(I)で
    示されるエチレンチオウレア誘導体またはその互変異性
    型化合物であることを特徴とする請求項1記載の超硬調
    ネガ画像の形成方法。 式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子、アルキル基、ま
    たは置換または未置換のアリール基を表す。
  3. 【請求項3】複素環チオン化合物が下記一般式(II)ま
    たは(III)で示されるテトラヒドロ−1,3,5−トリアジ
    ン−2−チオン誘導体であることを特徴とする請求項1
    記載の超硬調ネガ画像の形成方法。 式中、R6、R7、R8、R9はそれぞれ独立に水素原子、アル
    キル基、アリール基のいずれかを表し、R10は置換また
    は未置換の二価の有機基を表す。
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