JP3480663B2 - 平版印刷版及び製版方法 - Google Patents

平版印刷版及び製版方法

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JP3480663B2
JP3480663B2 JP23931297A JP23931297A JP3480663B2 JP 3480663 B2 JP3480663 B2 JP 3480663B2 JP 23931297 A JP23931297 A JP 23931297A JP 23931297 A JP23931297 A JP 23931297A JP 3480663 B2 JP3480663 B2 JP 3480663B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版お
よびその製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】本発明が対象とする、アルミニウム板を支
持体とした銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開昭57−118244号、同57−158
844号、同63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号、米国特許第4,56
7,131号、同第5,427,889号等の公報に詳
しく記載されている。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ハロゲン化銀乳剤層の除
去:ウォッシュオフ)、仕上げ処理の工程から成ってい
る。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(以降、親油化剤と称す)を含有することも一
般的である。
【0008】前記アルミニウム平版印刷版の製版方法に
おける重大な課題の1つとして、水洗処理時のハロゲン
化銀乳剤層のゼラチンの除去の問題がある。アルミニウ
ム平版印刷版において、ハロゲン化銀乳剤層の水洗除去
は、銀画像部及びアルミニウム表面自身で構成する非画
像部を完全に露出させるために極めて重要な工程であ
る。とりわけ、インキを受容する銀画像部は強い親油性
が必要であり、ゼラチン等の親油性を阻害する物質は完
全に排除する必要がある。
【0009】上記水洗処理は、25〜35℃の水洗液を
ジェット方式で吹き付けて乳剤層を剥離除去する方法、
または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層
を剥離する方法が一般的に採用されている。しかしなが
ら、このような物理的な剥離除去方法では、完全に乳剤
層を除去することは難しく、保水性やインキ受理性が低
下するという問題があった。特にランニング処理におけ
るウォッシュオフ性の低下は重大な問題であった。
【0010】一方、水洗液は濾過フィルターを介して循
環し、水洗液中に溶出または分散した乳剤層構成成分
(ゼラチンや各種添加剤)を回収して、水洗液を再利用
することが行われている。しかしながら、水洗液中に溶
出または分散した乳剤層の成分は完全には回収すること
は難しい。従って、ランニング処理している間に、処理
装置の搬送ローラや絞りローラ及びスクラブローラに析
出物が付着し、平版印刷版の版面を傷つけたり、ウォッ
シュオフ性を低下させる原因となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、水洗処理時のウォッシュ・オフ性を向上
させ、インキ受理性及び保水性に優れたアルミニウム平
版印刷版を提供することにある。特にランニング処理時
のウォッシュ・オフ性の低下を防止する。本発明の他の
目的は、処理装置のローラに析出物が付着するのを防止
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ア
ルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像
核を有する平版印刷版において、該平版印刷版を構成す
る全構成層の合計のカルシウムイオン含有量が1000
ppm以下であることを特徴とする平版印刷版によって
達成された。
【0013】本発明者は、平版印刷版を構成する構成
層、例えば、物理現像核層、中間層、ハロゲン化銀乳剤
層、保護層等が現像処理後の水洗処理でウォッシュオフ
されて、水洗液中にそれらの成分、例えば、ゼラチン、
銀、各種添加剤が溶出するとき、ゼラチン中に含まれる
カルシウムイオンも溶出し、カルシウムイオンがゼラチ
ンのウォッシュオフ性を低下させていることを見いだ
し、本発明に到った。また、水洗液中のカルシウムがロ
ーラ、特にハロゲン化銀乳剤層を剥離除去するためのス
クラビングローラに析出し堆積して、ウォッシュオフ性
を阻害していることもわかった。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が対象とするアルミニウム平版印刷版は、粗面化
及び陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核
層を塗布し、その上にハロゲン化銀乳剤層を塗布した構
成になっている。必要に応じて物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に中間層を設けてもよいし、ハロゲン化
銀乳剤層の上に保護層を設けてもよい。
【0015】ハロゲン化銀乳剤層には保護コロイドとし
てゼラチンが一般に用いられる。その他の構成層にもゼ
ラチンを用いることができる。通常、一般的な製法(ア
ルカリ処理)で作られたゼラチンには、3000から5
000ppmのカルシムが含まれている。これらのゼラ
チンを用いた場合、ランニング処理によって前記したよ
うに水洗液中のカルシウムイオンが増加し、ウォッシュ
オフ性を阻害する。
【0016】従って、本発明はアルミニウム平版印刷版
を構成する全構成層のカルシウム濃度を1000ppm
以下にすることによって上記問題が解消することを見い
だした。好ましくは500ppm以下であり、更に好ま
しくは300ppm以下である。
【0017】本発明において、ハロゲン化銀乳剤層また
はその他の構成層には、脱塩処理を施したゼラチンを用
いるのが好ましい。特に、カルシウムイオンの含有量が
1000ppm以下のゼラチンを用いる。好ましくは、
カルシウムイオンが500ppmのゼラチンであり、さ
らに好ましくは300ppm以下のゼラチンである。こ
れらのゼラチンは各ゼラチンメーカーから供給されてい
る。
【0018】ハロゲン化銀乳剤層には、前記ゼラチン
と、一般的なアルカリ処理ゼラチンを併用してもよい。
また、保護コロイドとして、ポリビニルピロリドン、各
種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラ
ビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高
分子化合物を含有させることができる。
【0019】ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン含有量は1
〜7g/m2程度で、好ましくは2〜5g/m2である。ハ
ロゲン化銀乳剤層を構成するゼラチン層は、水洗処理時
のウォッシュオフ性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まないことが望ましい。
【0020】ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀は、一
般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、
塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀
主体(塩化銀50モル%以上のものを意味する)が好ま
しい。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいず
れでもよい。これらのハロゲン化銀は必要に応じて化学
増感あるいはスペクトル増感することができる。また、
各種レーザー(アルゴン、ヘリウム・ネオン、赤色L
D、赤外LD、LED等)に対応するように増感及びス
ペクトル増感することができる。
【0021】本発明に用いられるアルミニウム支持体は
粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ま
しくは米国特許第5,427,889号公報に記載され
ているものが用いられる。
【0022】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス
ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド
・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0023】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報の疎水
性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよい。
【0024】本発明が対象とするアルミニウム平版印刷
版は、露光後、現像処理、水洗処理、仕上げ処理が通常
施される。本発明の目的であるランニング処理時のウォ
ッシュオフ性を更に向上させるためには、水洗液に金属
イオンキレート剤を含有させることが好ましい。
【0025】水洗液に用いられる金属キレート剤として
は、公知のものを用いることができる。好ましくは、ア
ミノポリカルボン酸、ポリリン酸、モノホスホノ(モ
ノ,ジ,トリ)カルボン酸、2個以上のホスホン酸基を
有する化合物等である。
【0026】本発明に好ましく用いられるキレート剤を
以下に挙げる。アミノポリカルボン酸及びその塩として
は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジ
アミン−N−(β−オキシエチル)−N,N’,N’−
三酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸ト
リナトリウム塩、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミ
ノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチルエーテ
ルジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン
酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒド
ロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、トリエチレンテ
トラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコ
ールエーテルジアミン四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸
等が挙げられる。
【0027】ポリリン酸及びその塩としては、特開昭5
7−53749号公報に記載の化合物が挙げられる。以
下に例示化合物を示す。
【0028】
【化1】
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】モノホスホノ(モノ,ジ,トリ)カルボン
酸及びその塩としては、1−ヒドロキシ−1−ホスホノ
−エタン−1−カルボン酸、1−ヒドロキシ−1−ホス
ホノ−エタン−1,2−ジカルボン酸、1−ヒドロキシ
−1−ホスホノ−プロパン−1−カルボン酸、1−ヒド
ロキシ−1−ホスホノ−プロパン−1,2,3−トリカ
ルボン酸、1−ホスホノ−エタン−2−カルボン酸、1
−ヒドロキシ−1−ホスホノ−エタン−2−カルボン
酸、2−ホスホノ−ペンタン−2,5−ジカルボン酸、
2−メチル−4−ホスホノ−ブタン−1,4−カルボン
酸、2−ホスホノ−ブタン−1,4−ジカルボン酸カリ
ウム塩、2,3−ジメチル−2−ホスホノ−ブタン−
1,4−ジカルボン酸,1−ホスホノ−プロパン−1,
2,3−トリカルボン酸、2−ホスホノ−ブタン−2,
3,4−トリカルボン酸等が挙げられる。
【0035】2個以上のホスホン酸基を有する化合物と
しては、下記の化合物が挙げられる。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】
【化25】
【0055】
【化26】
【0056】本発明において、上記キレート剤は水洗液
1リットル当り、1〜100g、好ましくは5〜50g
程度含有させる。
【0057】本発明に用いられる水洗液のpHは4〜9
程度であるが、pH8以下が好ましく、特にpH7以下
が好ましい。水洗液には前記キレート剤の他に、pHを
4〜7、好ましくは5〜7の範囲に緩衝させる緩衝剤、
例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの
混合物を含有することができる。また、防腐剤を含有さ
せてもよい。更に水洗液にタンパク質分解酵素を含有さ
せることが好ましい。これによって、乳剤層の水洗除去
(ウォッシュ・オフ)がより効果的に行われる。
【0058】本発明に用いられるタンパク質分解酵素
は、ゼラチンなどのタンパク質を加水分解できる植物性
または動物性酵素で、公知のものが用いられる。例え
ば、ペプシン、レンニン、トリプシン、キモトリプシ
ン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロンビン、レ
ニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、細菌プロティナー
ゼ(例えば、長瀬産業(株)製のビオプラーゼ)等が挙
げられる。この中でも特に、トリプシン、パパイン、フ
ィシン、細菌プロティナーゼが好ましい。水洗液中への
酵素の含有量は、0.5〜50g/リットル程度が適当
である。
【0059】水洗液には、更にメルカプト基またはチオ
ン基を有する化合物を含有させるのが好ましい。メルカ
プト基またはチオン基を有する化合物としては、特公昭
48−29723号、特開昭58−127928号に記
載されているものが好ましく用いられる。特にメルカプ
ト基またはチオン基を有する5ないし6員環の含窒素複
素環化合物が好ましい。
【0060】5ないし6員環の具体的な例としては、イ
ミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、
オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮
合したものであってもよい。
【0061】係る化合物の具体例としては、2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル
−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾ
リジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチ
アゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオ
ン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2
−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル
−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル
−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−
1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メル
カプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト
−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカ
プト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト
−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−
アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−
トリアジン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0062】水洗液中へのメルカプト基またはチオン基
を有する化合物の含有量は、0.01〜10g/リット
ル程度が適当である。
【0063】メルカプト基またはチオン基を有する化合
物を水洗液に含有することによって、インキ受理性及び
耐刷性の向上が期待される。
【0064】水洗液はアルミニウム支持体上のハロゲン
化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、通
常、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける
方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで
乳剤層を剥離する方法が採用されている。
【0065】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジ
ノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、
あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポ
リオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えば
チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチ
ル酸、メソイオン性化合物等等の添加剤等を含ませるこ
とができる。現像液のpHは通常10〜14、好ましく
は12〜14である。更に銀画像を親油性にする親油化
剤を含有させることができる。親油化剤としては、前述
のメルカプト基またはチオン基を有する化合物が好まし
い。
【0066】現像処理及びそれに続いて行われる水洗処
理によって露出した銀画像部及び非画像部は、各々の親
油性及び親水性を高めるため、及び版面の保護のため
に、仕上げ液による処理が施される。仕上げ液には前記
メルカプト基またはチオン基を有する化合物、及び非画
像部の陽極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラ
ビヤゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アル
ギン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエ
チル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン
スルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイドを
含有することが好ましい。
【0067】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0068】実施例1 アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米
国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従っ
て、平均直径約5μmのプラトー上に直径0.03〜
0.30μmのピットを100μm2当たり約5,60
0個有し、かつ これらのピットの平均直径が0.08
μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。
このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであ
り、平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0069】上記アルミニウム支持体上に、少量の親水
性バインダーを含む硫化パラジウムの物理現像核液を塗
布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれるPdS
核量は3mg/m2であった。
【0070】ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドと
して、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当り0.006m
molドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr20モ
ル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳
剤に硫黄金増感を施し、化27の増感色素を銀1g当り
3mg用いて分光増感した。
【0071】
【化27】
【0072】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアル
ミニウム支持体上に銀量が2.5g/m2、ゼラチン(ア
ルカリ処理ゼラチン)が3g/m2になるように塗布、乾
燥して平版印刷材料を得た。平版印刷材料の作成に際
し、カルシウムイオン含有量が100ppm〜5000
ppmの各種ゼラチンを用いて、全構成層(この場合、
ハロゲン化銀乳剤層と物理現像核層)中に含有するカル
シウムイオン量を表1のように変化させた平版印刷版を
作成した。
【0073】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像
機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(22℃、15秒間浸漬)、水洗
処理工程(33℃の水洗液を12秒間シャワー噴射しな
がらスクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理
工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成
されている。該製版用プロセッサーの水洗工程は水洗液
を30リットル貯溜するタンクと、タンクからポンプを
介して平版印刷材料に供給し乳剤層を剥離除去するユニ
ットと、タンクから系外に配置された濾過フィルターを
通して水洗水を循環させるユニットで構成されている。
濾過フィルターは円筒型の5μmのフィルターを用い
た。
【0074】下記に示す現像液、水洗液及び仕上げ液を
用いて菊半サイズで100版処理した。
【0075】 <現像液> 水酸化ナトリウム 20g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g モノメチルエタノールアミン 6g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g 無水チオ硫酸ナトリウム 6g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g ポリエチレングリコ−ル(平均分子量400) 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは13.0に調整した。
【0076】 <水洗液A> 第1燐酸カリウム 40g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.0に調整した。
【0077】 <仕上げ液> アラビアゴム 10g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 1g トリエタノールアミン 26g 第1燐酸ナトリウム 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0に調整した。
【0078】上記記載の方法で作成された平版印刷版の
10版目、50版目及び100版目について、印刷機ハ
イデルベルグMO(アルカラー給水装置付:Heidelberg
社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ
株製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給
湿液を用いて印刷を行い、印刷開始時のインキ受理性
(インキ乗り)を評価した。保水性はインキを低粘度イ
ンキ(大日本インキ株製のニューチャンピオン紫S)に
変更して印刷した。その結果を表1に示す。
【0079】インキ受理性は印刷開始後、画像の濃度の
変化の起きなくなる迄の枚数で評価した。保水性は上記
給湿液に最初イソプロピルアルコ−ル(IPA)を15
%添加し、徐々にIPAを減少させたときの非画像部の
汚れを観察し、4段階で評価した。4は全く汚れ無し、
3は僅かに薄い汚れが確認される。2は部分的に汚れが
ある。1は全面に汚れが発生。
【0080】
【表1】
【0081】上記結果から明らかなように、本発明は比
較に比べてインキ受理性及び保水性に優れていることが
分かる。特に、本発明はランニング処理によるインキ受
理性及び保水性の劣化が抑制できる。
【0082】上記の製版処理において、製版用プロセッ
サーの水洗工程におけるローラへの析出物の付着状況を
観察した。その結果を表2に示す。 (評価基準) ◎:全く付着なし。 ○:わずかに付着あり。 △:付着物が目立つが、版面には傷は生じない。 ×:かなり付着あり、版面に傷が生じる。
【0083】
【表2】
【0084】実施例2 実施例1の本発明の平版印刷版3、4、5を用い、下記
水洗液を用いる以外実施例1と同様に試験した。
【0085】<水洗液B>前記水洗液Aにキレート剤と
して、ジエチレントリアミン5酢酸を20g加えた。
【0086】<水洗液C>前記水洗液Aにキレート剤と
して、1−ヒドロキシ−1−ホスホノ−エタン−1−カ
ルボン酸を20g加えた。
【0087】<水洗液D>前記水洗液Aにキレート剤と
して、化1の化合物を20g加えた。
【0088】<水洗液E>前記水洗液Aにキレート剤と
して、化9の化合物を20g加えた。
【0089】印刷試験の結果、インキ受理性が各々、3
0〜50%向上した。
【0090】実施例3 上記水洗液Eに更に、2−メルカプト−5−nヘプチル
−オキサジアゾールを0.5g、モノエタノールアミン
を6g、タンパク質分解酵素(ビオプラーゼAL−1
5)1gを加えた水洗液Fを作成して、同様に試験し
た。その結果、実施例2に比べ、インキ受理性が更に約
30%向上した。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、水洗処理時の乳剤層の
ウォッシュ・オフ性を向上させ、インキ受理性及び保水
性を向上させる。特にランニング処理におけるウォッシ
ュ・オフ性の低下を抑制することができる。また、処理
装置のローラへの析出物の付着を抑制することができ、
安定したランニング処理を可能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−22101(JP,A) 特開 平8−29969(JP,A) 特開 昭62−99752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/18 G03F 7/26 - 7/42 G03C 8/00 - 8/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核を有する平版印刷版において、該平
    版印刷版を構成する全構成層の合計のカルシウムイオン
    含有量が1000ppm以下であることを特徴とする平
    版印刷版。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の平版印刷版を露光後、
    現像処理及び水洗処理する製版方法であって、該水洗処
    理に用いられる水洗液が金属イオンキレート剤を含有す
    ることを特徴とする平版印刷版の製版方法。
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