JP2003167349A - 平版印刷版の現像処理方法 - Google Patents

平版印刷版の現像処理方法

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JP2003167349A
JP2003167349A JP2001367462A JP2001367462A JP2003167349A JP 2003167349 A JP2003167349 A JP 2003167349A JP 2001367462 A JP2001367462 A JP 2001367462A JP 2001367462 A JP2001367462 A JP 2001367462A JP 2003167349 A JP2003167349 A JP 2003167349A
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Hajime Fujioka
肇 藤岡
Kenji Hirata
賢治 平田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写
法を利用した平版印刷版において、多数枚の印刷時に発
生するブランケット汚れを防止する。 【解決手段】陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロ
ゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転
写法を利用した平版印刷版の現像処理方法において、ア
ミノ酸を含有する現像液を前記平版印刷版の版面上に塗
布する事を特徴とする平版印刷版の現像処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする、銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版
の現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】本発明が対象とするアルミニウム板を支持
体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開昭57−118244号、同57−158
844号、同63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号、米国特許第4,56
7,131号、同第5,427,889号等の公報に詳
しく記載されている。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲ
ン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなってい
る。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する
含窒素複素環化合物)を含有することも一般的である。
【0008】上記したアルミニウム平版印刷版の印刷時
の問題点としてブランケット汚れが挙げられる。ここで
述べるブランケット汚れとは印刷時、非画像部の保水性
の低下によって生じるインキ汚れ(地汚れ)とは異な
り、印刷紙面上に地汚れは発生しないが非画像部に僅か
に転移した印刷インキが徐々にブランケット上に堆積
し、印刷版を交換した時にはブランケット上に堆積した
インキが印刷紙面の端部に付着する事によりインキ汚れ
を生じさせる現象を指す。
【0009】上記ブランケット汚れはアルミニウム板上
に感光性樹脂層を設けたPS版では現像液中で珪酸塩等
によりシリケート処理する事で改善されることは既に知
られているが、本発明が対象とする銀塩拡散転写法を利
用したアルミニウム平版印刷版においては画像部の耐刷
性やインキ受容性が低下するためシリケート処理をする
事が困難でありブランケット汚れが発生しやすいという
問題があった。
【0010】本発明が対象とするアルミニウム平版印刷
版を現像処理するための現像液の構成としては、ハイド
ロキノンや1−フェニル−3ピラゾリジノンに代表され
る現像主薬、チオ硫酸塩やアルカノールアミンに代表さ
れるハロゲン化銀溶剤、亜硫酸塩等の保恒剤、及びpH
を調整するために水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を含
有する事が一般的であるが、これら以外に画像部の耐刷
性やインキ受容性を向上させるために多くの報告がなさ
れている。例えば特開2001−281841号にはア
ミノ酸とグリセリンもしくはその多量体、または糖類を
含有する現像液、同2001−22077号にはアルカ
リ土類金属とそのキレート剤を含有する現像液、同20
00−275846号にはポリアクリル酸を含有する現
像液、同2000−162776号にはメルカプト基を
有するテトラゾール化合物を含有する現像液、同200
0−162763号にはアルカノールアミンを含有し、
且つチオ硫酸塩を含まないか、もしくは0.03モル/
リットル以下含有する現像液、同2000−16278
6号にはチオ硫酸塩を0.04モル/リットル以上含有
する現像液、同2000−19961号にはアルカリ土
類金属を含有する現像液、特開平11−160878号
にはプロピレンオキシ基とエチレンオキシ基を有するア
ミン化合物、プロピレンオキシ基とエチレンオキシ基を
有する脂肪族アミド化合物、プロピレンオキシ基とエチ
レンオキシ基を有する4級アンモニウム化合物の中から
選ばれる少なくとも1つを含有する現像液、同平11−
52585号にはオキシアルキレン単位及びグリセロー
ル単位の少なくとも1つを有し、且つノニオン性化合物
を含有する現像液、同平10−282688号にはポリ
オキシアルキレン単位を有するリン酸化合物を有する現
像液、同平10−104841号にはアニオン性有機ゼ
ラチン凝集剤を含有する現像液、同平10−10484
0号にはアセチレングリコール化合物を含有する現像液
等が記載されている。
【0011】また、上記アルミニウム平版印刷版の現像
処理方法としては多量の現像液を槽中に貯留し、その槽
中に平版印刷版を挿入する現像処理方法(以下浸漬現像
方式と称する)及び特開平6−51521号、同平6−
51520号、同平7−234517号、特開2001
−174970号に開示されている様な平版印刷版上に
現像液を塗布する現像処理方法(以下塗布現像方式)が
知られている。
【0012】しかしながら、これら現像液及び現像処理
方法においてはブランケット汚れに関する記載はなく、
耐ブランケット汚れ性能に関しては不十分であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、陽極
酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の
間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平
版印刷版に於いて、画像部のインキ受容性や耐刷性に悪
影響を与えず、且つ耐ブランケット汚れ性能に優れた現
像処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、陽
極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した
平版印刷版の現像処理方法において、アミノ酸を含有す
る現像液を前記平版印刷版の版面上に塗布する事を特徴
とする平版印刷版の現像処理方法により達成された。
【0015】本発明者らは、まずこのブランケット汚れ
の原因を調査した結果、本来非画像部に存在するはずの
ない物理現像銀が極わずか、目視できないほど転写して
いることが一因である事をつきとめた。
【0016】非画像部に物理現像銀が析出する要因とし
ては現像液中に存在する銀錯体の量が影響することが考
えられる。本発明に用いられる塗布現像方式においては
常に新液が版面上に供給されるため、現像液中には過剰
な銀錯体は存在していない事が有利な点である。更に、
前記塗布現像方式とアミノ酸を含有する現像液を組み合
わすことにより、より効果的に非画像部の物理現像銀を
減少させることができた。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の現像液に用いられるアミノ酸としては天然ある
いは合成のアミノ酸及びその誘導体を使用できる。
【0018】上記アミノ酸及びその誘導体の具体例とし
ては例えばグリシン、アラニン、セリン、アスパラギ
ン、グルタミン、グルタミン酸、メチオニン、リシン、
アルギニン、シトルリン、バリン、ロイシン、トレオニ
ン、ヒスチジン、グリシルグリシン、メチルグリシン、
グリシンエチルエステル、N−ヒドロキシアラニン等が
挙げられるが、好適には効果が高く且つコスト的にも安
価なグリシンが最も良い。
【0019】これらアミノ酸の添加量としては1〜10
0g/リットルであるが、好ましくは5〜50g/リッ
トル添加すると良い。また、これらアミノ酸は単独もし
くは2種類以上のアミノ酸を組み合わせて使用すること
もできる。
【0020】本発明において現像液のpHは11.0か
ら14.0で使用できるが、安定した印刷品質を得るた
めに好ましくはpH12.5〜13.5が良い。
【0021】本発明において、現像液には、現像抑制剤
を組み合わせて用いるのが好ましい。現像抑制剤として
は、メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素
環化合物、ベンゾトリアゾールもしくはその誘導体、ま
たは臭化物等がある。
【0022】ベンゾトリアゾールもしくはその誘導体と
しては5−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベン
ゾトリアゾール等が挙げられ、臭化物としては臭化ナト
リウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム等が挙げられ
る。
【0023】前記メルカプト基もしくはチオン基を有す
る含窒素複素環化合物の複素環としては、イミダゾー
ル、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オキサゾ
ール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾール、チア
ジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン等
があり、中でもイミダゾール、トリアゾール、テトラゾ
ールが好ましい。
【0024】メルカプト基もしくはチオン基を有する含
窒素複素環化合物の具体例を以下に挙げる。2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミ
ダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダ
ゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾ
ール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チ
オン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオ
ン、2,2´−ジメルカプト−1,1´−デカメチレン
−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチア
ゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メル
カプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリ
ン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2
−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサ
ゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペン
チル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル
−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト
−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリア
ゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘ
プチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−
4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾ
ール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チ
アジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,
3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘ
プチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘ
プチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェ
ニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシ
ル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5
−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メル
カプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−
2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6
−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジ
フェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェ
ニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メル
カプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,
5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−S−トリアゾ
リノ〔1,2−a〕−S−トリアゾリン等が挙げられ
る。
【0025】上記現像抑制剤の現像液への添加量は、
0.01〜10g/リットル程度が好ましい。好適には
0.1〜5g/リットルである。
【0026】更に本発明に用いられる現像液には、現像
主薬、例えばハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼ
ン類やアスコルビン酸およびその誘導体、1−フェニル
−3ピラゾリジノン及びその誘導体等の3−ピラゾリジ
ノン類を含有できる。
【0027】その他、本発明で用いられる現像液にはア
ルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはア
ミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠
剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブリ防止
剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキ
シアルキレン化合物、キレート剤、例えばエチレンジア
ミン4酢酸、アニオン性ゼラチン凝集剤、例えばポリス
チレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体、及び以下
に示すようなハロゲン化銀溶剤等の添加剤を含有させる
ことができる。
【0028】ハロゲン化銀溶剤としては、例えばチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜硫
酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、
ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物、
2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのよ
うな環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、メ
ソイオン性化合物、チオエーテル類等が挙げられる。
【0029】これらのハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸塩、アルカノールアミン、メソイオン性化合物及び
チオエーテル化合物が好ましい。チオ硫酸塩の添加量
は、現像液1リットル当たり4〜50g、好ましくは5
〜40g程度である。
【0030】アルカノールアミンとしては、例えば2−
(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブ
タノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−ア
ミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノ
ジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。添
加量は現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは
5〜50gである。
【0031】メソイオン性化合物としては、特開平4−
328559号、同平9−160248号、同平9−1
71257号公報で開示されているものが挙げられる。
メソイオン性化合物の添加量は種々の条件により異なる
が、現像液1リットル当り0.1g〜10gであり、好
ましくは0.1g〜5gの範囲である。
【0032】チオエーテル化合物は、USP5,20
0,294号公報、特願平9−89444号明細書に記
載されているものが挙げられる。チオエーテル化合物の
添加量は、現像液1リットル当り0.01g〜20gで
あり、好ましくは0.1g〜10gの範囲である。
【0033】上記ハロゲン化銀溶剤の中でも、特にチオ
硫酸塩とアルカノールアミンを組み合わせて用いるのが
好ましい。
【0034】本発明の現像処理方法において、現像処理
時間(現像液を塗布してから次の処理工程で現像が停止
するまでの時間)は制限されるものではないが、好まし
く5〜30秒間、より好ましくは10〜20秒間であ
る。また現像液が塗布された平版印刷版上の版面温度は
好ましくは5〜35℃、より好ましくは20〜30℃が
良い。これらの現像時間、現像温度は現像時の環境条件
や印刷品質に合わせて適宜決定することができる。
【0035】本発明の現像液の塗布量は平版印刷版1平
方メートル当たり30〜120ml、好ましくは40〜
110ml、より好ましくは50〜100mlである。
現像液の塗布量はより少ない方がブランケット汚れには
効果的である。
【0036】本発明で用いられる現像液塗布装置に関し
ては、例えば特開平6−27680号、同平6−276
82号、同平10−62952号、同2001−174
970号に示されたものを使用できるがこれらに限定は
されない。好適には特開2001−174970号のダ
イ内部にマニホールドとスリットを有するスロットダイ
を用いた塗布現像装置が用いられる。
【0037】本発明において、現像処理に続いて水洗処
理が施される。水洗液にはpHを4〜10、好ましくは
4.5〜8の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩
衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を含有す
ることができる。また、防腐剤を含有させてもよい。水
洗液中には更にタンパク質分解酵素(例えば、ペプシ
ン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシ
ン、パパイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲ
ナーゼ、ブロメライン、細菌プロティナーゼ)や、特公
昭48―29723号及び特開昭58−127928号
に記載されている親油化剤を含有させることができる。
【0038】現像処理と水洗処理の間に、現像の進行を
停止させる中和安定化処理を施してもよく、中和液に前
記親油化剤を含有させてもよい。
【0039】上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロ
ゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、
25〜45℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方
法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳
剤層を剥離する方法が一般的に用いられるが、特開平3
−116151号、同平4−318553号に記載され
ている剥離シートの様なものを用いて乳剤層を除去する
こともできる。
【0040】アルミニウム平版印刷版において、ハロゲ
ン化銀乳剤層の水洗除去は、銀画像部及びアルミニウム
表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために
極めて重要な工程である。とりわけ、インキを受容する
銀画像部は強い親油性が必要であり、ゼラチン等の親油
性を阻害する物質は完全に排除する必要がある。
【0041】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層
の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキス
トリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレ
ングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好
ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるため
に、上記親油化剤を含有することが好ましい。更に上記
酵素を含有することができる。
【0042】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を
有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ
臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モ
ル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタ
イプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これら
のハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはス
ペクトル増感することができる。
【0043】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0044】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0045】本発明に用いられるアルミニウム支持体
は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム板であ
り、特開昭63−260491号、米国特許第5,42
7,889号公報に記載された方法、または一般に知ら
れているPS版用のアルミニウム支持体の製造方法等に
よって作ることができる。
【0046】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、特公昭48−30562号、特開昭48−55
402号、同53−21602号、フォーカル・プレ
ス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ
ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィッ
ク・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシ
ズ」を参照し得る。
【0047】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報に記載
の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよ
い。
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 幅1030mm、厚み0.24mmのA1050タイプアル
ミニウム板帯を13m/minの処理速度で移動させ、60
℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した
後、水洗し、30℃の1.5%の塩酸と2%の酢酸を満
たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、電源より40A
/dm2、50Hzの単相交流電流を30秒間流して、交
流電解粗面化し、水洗し、その後70℃、6%硝酸水溶
液に10秒間浸漬してデスマットし、水洗し、乾燥し
た。さらに25℃、20%硫酸中に通し、陽極酸化を行
い、陽極酸化アルミニウム量2.0g/m2のアルミニウ
ム支持体を得た。
【0049】これらのアルミニウム支持体に硫化パラジ
ウム核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含
まれる核量は3mg/m2であった。
【0050】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(III)酸カリウムを銀1モル当たり0.00
6ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀
0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、
この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらに
この乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、赤
色領域に分光増感する増感色素を銀1g当たり3mg用
いて赤色領域に分光増感した。
【0051】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体
上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.0g/m2になる
ように塗布乾燥して平版印刷材料を得た。
【0052】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(三菱製紙P−α880RFW自動塗布現
像機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセ
ッサーは、スロットダイ塗布装置を用いた現像処理工程
(平版印刷版1平方メートル当たりの現像液塗布量80
ml、現像が塗布された平版印刷版の版面温度は25
℃、現像液が塗布されてから次工程で現像が停止するま
での現像時間は12秒間)、水洗処理工程(33℃の水
洗液を10秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで
乳剤層をウオッシュオフする)、仕上げ処理工程(20
℃、ローラー塗布)及び乾燥工程から構成されている。
【0053】用いた現像液を下記に示す。 〈現像液A〉 水酸化ナトリウム 32g 無水亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 20g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 15g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルーオキサシ゛アソ゛ール 0.5g 5メチルベンゾトリアゾール 0.2g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.1
【0054】〈現像液B〉現像液Bとして上記現像液A
にグリシンを10g添加した。
【0055】〈現像液C〉現像液Cとして上記現像液A
にアラニンを10g添加した。
【0056】用いた水洗液及び仕上げ液の組成を下記に
示す。 〈水洗液〉 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g トリエタノールアミン 20g 重亜硫酸カリウム 6gアミノトリメチレンホスホン 酸 20g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは7.2に調整した。 タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15
(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
【0057】 〈仕上げ液〉 燐酸 100g N−メチルエタノールアミン 30g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5gホ゜リフ゜ロヒ゜レンク゛リコールアルキルエーテル 90g 硝酸ソーダ 20g アラビアゴム 50gエチレンシ゛アミン 4酢酸 0.5g タンパク質分解酵素 1g 脱イオン水で1000mlとする。 pHは5.4に調整した。
【0058】また比較処理として、浸漬現像方式プロセ
ッサー(三菱製紙P−α880自動現像機)を用て処理
した。このプロセッサーは、現像液温度は22℃、平版
印刷版が現像液に浸漬されてから現像が停止するまでの
現像時間は10秒である以外は上記した製版用プロセッ
サーP−α880RFWと同様な構成になっている。ま
た現像液は上記現像液Aあるいは現像液Bを使用した。
【0059】上記方法にて得られたアルミニウム平版印
刷版を印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オ
フセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ(株)
社製のGEOS−G紅)及び市販のPS版用給湿液を用
いて印刷を行い、ブランケット汚れを評価した。
【0060】評価結果を表1に示す。なお、ブランケッ
ト汚れに関しては印刷紙面の端部に悪影響がでるほどの
汚れが発生するまでの印刷枚数で比較した。
【0061】
【表1】 ────────────────────────────────── 現像方式 現像液 ブランケット汚れ 備考 ────────────────────────────────── 塗布現像 現像液A 5千枚 比較 塗布現像 現像液B 2万枚以上 本発明 塗布現像 現像液C 2万枚以上 本発明 浸漬現像 現像液A 2千枚 比較 浸漬現像 現像液B 2千枚 比較 ──────────────────────────────────
【0062】上記結果より現像液中にアミノ酸を含有す
る現像液を平版印刷版上に塗布する塗布現像方式を用い
た場合に、明らかにブランケット汚れは改善され、浸漬
現像方式を用いた現像処理方法では得られなかった効果
である事が確認できた。
【0063】
【発明の効果】上記結果から、本発明を用いることによ
り多数枚の印刷時にブランケットにインキが堆積する事
が防止でき、印刷版の交換時に印刷紙面の端部が印刷イ
ンキで汚れることが無くなった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化されたアルミニウム支持体とハ
    ロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散
    転写法を利用した平版印刷版の現像処理方法において、
    アミノ酸を含有する現像液を前記平版印刷版の版面上に
    塗布する事を特徴とする平版印刷版の現像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記アミノ酸がグリシンであることを特
    徴とする請求項1記載の平版印刷版の現像処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102770812A (zh) * 2010-01-25 2012-11-07 东亚合成株式会社 含导电性高分子的基材上的光致抗蚀剂用显影液、以及图形形成方法
WO2014187109A1 (zh) * 2013-05-24 2014-11-27 京东方科技集团股份有限公司 一种显影液组合物
WO2015109645A1 (zh) * 2014-01-27 2015-07-30 太阳油墨(苏州)有限公司 碱显影型感光性树脂组合物、干膜和固化物、以及印刷电路板

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