JP3736981B2 - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の製版方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】
その中で述べられているように、DTR法を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にしたツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57−158844号公報に詳しく記載されている。又、モノシートタイプについては、特公昭48−30562号、同51−15765号、特開昭51−111103号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載されている。
【0004】
本発明が対象とする、アルミニウム板を支持体とした銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイプの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称す)は、特開昭57−118244号、同57−158844号、同63−260491号、特開平3−116151号、同4−282295号、米国特許第4,567,131号、同第5,427,889号等の公報に詳しく記載されている。
【0005】
前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、露光後、現像処理、水洗処理(ハロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程から成っている。
【0006】
詳細には、現像処理によって物理現像核上に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部として露出する。
【0007】
露出した銀画像部及び非画像部には、その保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にする化合物(以降、親油化剤と称す)を含有することも一般的である。
【0008】
前記アルミニウム平版印刷版の製版方法における重大な課題の1つとして、水洗処理時のハロゲン化銀乳剤層のゼラチンの除去の問題がある。アルミニウム平版印刷版において、ハロゲン化銀乳剤層の水洗除去は、銀画像部及びアルミニウム表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために極めて重要な工程である。とりわけ、インキを受容する銀画像部は強い親油性が必要であり、ゼラチン等の親油性を阻害する物質は完全に排除する必要がある。
【0009】
水洗液は濾過フィルターを介して循環し、水洗液中に溶出または分散した乳剤層構成成分(ゼラチンや各種添加剤)を回収して、水洗液を再利用することが行われている。また水洗処理は、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付けて乳剤層を剥離除去する方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層を剥離する方法が一般的に採用されている。しかしながら、このような物理的な剥離除去方法では、完全に乳剤層を除去することは難しく、保水性やインキ受理性が低下するという問題があった。
【0010】
特開平5−216236号公報には、リン酸塩でpH4〜8に緩衝された水洗液を用いることが記載されているが、この水洗液はランニング処理している間に、処理装置の搬送ローラや絞りローラ及びスクラブローラにリン酸塩の析出物が付着し、平版印刷版の版面を傷つけるという問題のあることが分かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決し、水洗処理時の乳剤層(ゼラチン)のウォッシュ・オフ性を向上させ、インキ受理性及び耐刷力に優れたアルミニウム平版印刷版の製版方法を提供することにある。特にランニング処理におけるウォッシュ・オフ性の低下を抑制する。本発明の他の目的は、処理装置のローラに析出物が付着するのを防止した製版方法を提供することにある。本発明のその他の目的は以下の明細書の中で示される。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する平版印刷材料に、露光後少なくとも現像処理及び水洗処理を施す平版印刷版の製版方法において、前記水洗処理に用いられる水洗液がアミン化合物を含有し、リン酸塩を含有しないもしくはリン酸塩を水洗液1リットル当たり3g以下で含有し、pH4〜9に調整されていることを特徴とする平版印刷版の製版方法によって達成された。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な水洗液の例は、アルカノールアミン化合物および酸化合物を含有し、かつpHが5〜8の、リン酸塩を実質的に含有しない水洗液である。リン酸塩を実質的に含有しないとは、前述した、あるいは後述するようなリン酸塩による欠点が実用上支障にならない程度は含んでもよいことを意味し、例えば水洗液1リットル当り3g程度までは可能である。
【0014】
以下本発明を更に詳細に説明する。本発明の水洗液に添加されるアミン化合物としては、脂肪族アミン、芳香族アミン等の任意のアミンが用いられるが、特にアルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。特に第2級あるいは第3級のアルカノールアミンが好ましい。添加量は水洗液1リットル当り1〜100g、好ましくは3〜60gである。
【0015】
本発明のアミン化合物を含有する水洗液は、pH4〜9、好ましくはpH5〜8に調整するために、リン酸塩(リン酸、ならびに第1、第2および第3リン酸のアルカリ金属もしくはアンモニウム塩)以外の酸を含有することが好ましい。酸としてはクエン酸のような有機酸あるいはホスホン酸のような有機酸のいずれでもよく併用してもよい。また塩になっていてもよい。
【0016】
酸の添加量は、所望とする水洗液のpH、酸およびアミン化合物の種類と量等により異なるが、水洗液1リットル当り0.5〜100g、好ましくは1〜50gである。
【0017】
ホスホン酸基を有する酸化合物としては、下記の化合物が挙げられる。
【0018】
【化1】
Figure 0003736981
【0019】
【化2】
Figure 0003736981
【0020】
【化3】
Figure 0003736981
【0021】
【化4】
Figure 0003736981
【0022】
【化5】
Figure 0003736981
【0023】
【化6】
Figure 0003736981
【0024】
【化7】
Figure 0003736981
【0025】
【化8】
Figure 0003736981
【0026】
【化9】
Figure 0003736981
【0027】
【化10】
Figure 0003736981
【0028】
上記ホスホン酸化合物は処理装置のローラに固着する析出物(主に、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の成分からなる)の発生を防止するという効果も有する。
【0029】
一方、本出願人は、アルカリ土類金属とくにカルシウム化合物を現像液に添加して現像処理することによって、アルミニウム支持体の酸化アルミニウムの溶解を抑制でき、高耐刷力、高インキ受理性で安定な製版が出来ることを提案したが、この場合、現像液中のカルシウムが水洗液に持ち込まれ、前述したリン酸を含む水洗液を使用すると親水性のリン酸カルシウムが生成し、画像部の親油性を低下してインキ受理性が劣るという問題があることが判明した。
【0030】
上述のアルカリ土類金属を含有させた現像液を用いても、高インキ受理性で高耐刷力の性能を安定して得るためには、本発明の水洗液にホスホン酸化合物を含有させることが有効であることが判明した。
【0031】
本発明の現像液に用いられるアルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウムが挙げられる。現像液にアルカリ土類金属を添加する場合、以下のような化合物として添加してもよい。例えば、臭化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、沃化カルシウム、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酒石酸カルシウム、塩素酸バリウム、過塩素酸バリウム、臭化バリウム、臭素酸バリウム、硝酸バリウム、硫酸バリウム、チオ硫酸バリウム、亜硝酸バリウム、塩化ベリリウム等、臭化ベリリウム、沃化ベリリウム、硝酸ベリリウム、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム等である。これらの化合物は、アルカリ土類金属として現像液中に1〜100ミリモル/リットル、好ましくは2〜100ミリモル/リットル、より好ましくは3〜80ミリモル/リットルの濃度で含有させる。上記アルカリ土類金属の中でも、特にカルシウムが好ましく用いられる。
【0032】
本発明に用いられる水洗液のpHは4〜9であるが、pH4.5〜8.5が好ましく、特にpH5〜8が好ましい。また水洗液には防腐剤を含有させてもよい。更にタンパク質分解酵素を含有させることが好ましい。これによって、乳剤層の水洗除去(ウォッシュ・オフ)がより効果的に行われる。
【0033】
本発明に用いられるタンパク質分解酵素は、ゼラチンなどのタンパク質を加水分解できる植物性または動物性酵素で、公知のものが用いられる。例えば、ペプシン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、細菌プロティナーゼ(例えば、長瀬産業(株)製のビオプラーゼ)等が挙げられる。この中でも特に、トリプシン、パパイン、フィシン、細菌プロティナーゼが好ましい。水洗液中への酵素の含有量は、0.5〜50g/リットル程度が適当である。
【0034】
水洗液には、更にメルカプト基またはチオン基を有する化合物を含有させるのが好ましい。メルカプト基またはチオン基を有する化合物としては、特公昭48−29723号、特開昭58−127928号に記載されているものが好ましく用いられる。特にメルカプト基またはチオン基を有する5ないし6員環の含窒素複素環化合物が好ましい。
【0035】
5ないし6員環の具体的な例としては、イミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮合したものであってもよい。
【0036】
係る化合物の具体例としては、2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
水洗液中へのメルカプト基またはチオン基を有する化合物の含有量は、0.01〜10g/リットル程度が適当である。
【0038】
メルカプト基またはチオン基を有する化合物を水洗液に含有することによって、インキ受理性及び耐刷性の向上がさらに期待される。
【0039】
水洗液はアルミニウム支持体上のハロゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、通常、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層を剥離する方法が採用されている。
【0040】
本発明に用いられる現像液には、現像主薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、アルカノールアミン、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常10〜14、好ましくは12〜14である。更に銀画像を親油性にする親油化剤を含有させることができる。親油化剤としては、前述のメルカプト基またはチオン基を有する化合物が好ましい。
【0041】
現像処理及びそれに続いて行われる水洗処理によって露出した銀画像部及び非画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。仕上げ液には前記メルカプト基またはチオン基を有する化合物、及び非画像部の陽極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラビヤゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好ましい。
【0042】
本発明が対象とする平版印刷版は、アルミニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀70モル%以上のものが好ましい。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはスペクトル増感することができる。
【0043】
ハロゲン化銀乳剤層に用いられるゼラチンは、各種ゼラチンが用いられるが、アルカリ処理ゼラチンが好ましい。また、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有させることができる。用いられる親水性コロイドとしては、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン含有量は1〜5g/m2、好ましくは2〜4g/m2程度である。
【0044】
本発明に用いられるアルミニウム支持体は粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ましくは米国特許第5,427,889号公報に記載されているものが用いられる。
【0045】
本発明で用いられる物理現像核層の物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いることもできる。これらの詳細及び製法については、例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0046】
本発明において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載の水膨潤性中間層を設けてもよい。
【0047】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。
【0048】
実施例1
アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従って、平均直径約5μmのプラトー上に直径0.03〜0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0049】
物理現像核として、特開昭63−208843号公報に記載の核液(A)の調整方法に準じて作成した後、pHを6.8に調整した。この物理現像核液を前記アルミニウム支持体に塗布、乾燥した。
【0050】
ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドとして、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当り0.006mmolドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr15モル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳剤に硫黄金増感を施し、赤色域感光性の増感色素を銀1g当り3mg用いて分光増感した。
【0051】
このようにして作成したハロゲン化銀乳剤に界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体上に銀量が2g/m2、ゼラチン(アルカリ処理ゼラチン)が3g/m2になるように塗布、乾燥して平版印刷材料を得た。
【0052】
上記平版印刷材料を633nmの赤色LDレーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサーは、現像処理工程(22℃、15秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を12秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成されている。該製版用プロセッサーの水洗工程は水洗液を30リットル貯溜するタンクと、タンクからポンプを介して平版印刷材料に供給し乳剤層を剥離除去するユニットと、タンクから系外に配置された濾過フィルターを通して水洗水を循環させるユニットで構成されている。濾過フィルターは円筒型の5μmのフィルターを用いた。
【0053】
下記に示す現像液、水洗液及び仕上げ液を用いて菊半サイズで100版処理した。
【0054】
<現像液>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
モノメチルエタノールアミン 6g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.1g
無水チオ硫酸ナトリウム 6g
ポリエチレングリコ−ル(平均分子量400) 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは13.0に調整した。
【0055】
<水洗液A>
第1燐酸カリウム 40g
無水亜硫酸ナトリウム 10g
モノエタノールアミン 10g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
タンパク質分解酵素(ビオプラーゼAL−15) 1g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.2に調整した。
【0056】
<水洗液B>
無水亜硫酸ナトリウム 10g
モノメチルエタノールアミン 10g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
化7のホスホン酸化合物 20g
タンパク質分解酵素(ビオプラーゼAL−15) 1g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.2に調整した。
【0057】
<仕上げ液>
アラビアゴム 10g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 1g
トリエタノールアミン 26g
第1燐酸ナトリウム 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0に調整した。
【0058】
上記記載の方法で作成された平版印刷版の1版目、50版目及び100版目について、印刷機ハイデルベルグMO(アルカラー給水装置付:Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ株製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿液を用いて印刷を行った。
【0059】
上記の製版処理において、製版用プロセッサーの水洗工程におけるローラへの析出物の付着状況を観察した。
(評価基準)
◎:全く付着なし。
○:わずかに付着あり。
△:付着物が目立つが、版面には傷は生じない。
×:かなり付着あり、版面に傷が生じる。
【0060】
水洗液Aは50版目が△、100版目が×であるのに対し、水洗液Bは50版目および100版目とも◎であった。
【0061】
実施例2
下記に示す現像液、水洗液及び仕上げ液を用いて菊半サイズで100版処理した。
【0062】
<現像液>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
モノメチルエタノールアミン 6g
無水チオ硫酸ナトリウム 6g
硫酸カルシウム 22ミリモル
アミノトリ(メチレンホスホン酸) 10g
ポリエチレングリコ−ル(平均分子量400) 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは13.0に調整した。
【0063】
<水洗液C>
第1燐酸カリウム 40g
無水亜硫酸ナトリウム 10g
モノエタノールアミン 10g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
タンパク質分解酵素(ビオプラーゼAL−15) 1g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.9に調整した。
【0064】
<水洗液D>
無水亜硫酸ナトリウム 10g
トリエタノールアミン 20g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
化2のホスホン酸化合物 20g
タンパク質分解酵素(ビオプラーゼAL−15) 1g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.9に調整した。
【0065】
実施例1に従って印刷したところ、水洗液C及びDともに1版目は耐刷力、インキ受理性は実施例1より非常に良好であったが、水洗液Cを用いて製版した印刷版は少なくとも50版目以降でインキ受理性が低下するのに対し、水洗液Dを用いて製版した印刷版は100版目でもインキ受理性、耐刷力ともに低下せず、また水洗液Cは製版用プロセッサーの水洗工程におけるローラへの析出物の付着が生じたのに対し、水洗液Dは析出物の付着は認められなかった。
【0066】
【発明の効果】
銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウム平版印刷版の製版処理において、アミン化合物を含有し、リン酸塩を含有することなく、pH4〜9の水洗液とすることにより、処理装置のローラへの析出物の付着を防止することができ、インキ受理性を低下することなく安定したランニング処理を可能にした。

Claims (1)

  1. アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する平版印刷材料に、露光後少なくとも現像処理及び水洗処理を施す平版印刷版の製版方法において、前記水洗処理に用いられる水洗液がアミン化合物を含有し、リン酸塩を含有しないもしくはリン酸塩を水洗液1リットル当たり3g以下で含有し、pH4〜9に調整されていることを特徴とする平版印刷版の製版方法。
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