JP3512588B2 - アルミニウム平版印刷版の製版方法 - Google Patents

アルミニウム平版印刷版の製版方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の
製版方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。 【0003】DTR法を用いた平版印刷版には、転写材
料(感光材料)と受像材料を別々にしたツーシートタイ
プ、あるいはそれらを一枚の支持体上に設けたモノシー
トタイプの二方式が知られている。ツーシートタイプの
平版印刷版については、特開昭57−158844号公
報に詳しく記載されている。又、モノシートタイプにつ
いては、特公昭48−30562号、同51−1576
5号、特開昭51−111103号、同52−1501
05号などの各公報に詳しく記載されている。 【0004】アルミニウム板を支持体とした銀錯塩拡散
転写法を利用したモノシートタイプの平版印刷版(以
降、アルミニウム平版印刷版と称す)は、特開昭57−
118244号、同57−158844号、同63−2
60491号、特開平3−116151号、同4−28
2295号、米国特許第4,567,131号、同第
5,196,290号、同第5,427,889号等の公
報に詳しく記載されている。 【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ハロゲン化銀乳剤層の除
去)、仕上げ処理の工程から成っている。 【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。 【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(以降、親油化剤と称す)を含有することも知
られている。 【0008】アルミニウム平版印刷版の製版方法におけ
る重大な課題の1つとして、水洗処理時のハロゲン化銀
乳剤層のゼラチンの除去の問題がある。アルミニウム平
版印刷版において、ハロゲン化銀乳剤層の水洗除去は、
銀画像部及びアルミニウム表面自身で構成する非画像部
を完全に露出させるために極めて重要な工程である。と
りわけ、インキを受容する銀画像部は強い親油性が必要
であり、ゼラチン等の親油性を阻害する物質は完全に排
除する必要がある。 【0009】水洗処理は、25〜35℃の水洗液をジェ
ット方式で吹き付けて乳剤層を剥離除去する方法、また
は水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層を剥
離する方法が一般的に採用されている。しかしながら、
このような物理的な剥離除去方法では、完全に乳剤層を
除去することは難しく、その結果、保水性やインキ受理
性が低いという問題がある。 【0010】一方、水洗液は濾過フィルターを介して循
環し、水洗液中に溶出または分散した乳剤層の成分、例
えばゼラチン、銀イオン等を回収して、水洗液を再利用
することが行われている。従って、水洗液中に溶出また
は分散した乳剤層の成分を効率よく濾過することが水洗
液再利用のためには好ましいが、充分に濾過回収できて
いないのが現状であり、水洗液が汚れるという問題があ
った。この水洗液中に溶け出したゼラチンは腐敗しやす
く、作業環境を悪化させる。更にランニング処理によっ
て、水洗液中に溶け出したゼラチン量が多くなれば、水
洗液中のゼラチンがアルミ表面及び銀画像部に再付着し
て、インキ受理性や保水性を低下させる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、インキ受理性及び保水性に優れたアルミ
ニウム平版印刷版の製版方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、水洗液中に溶出または分散した乳剤
ゼラチン成分を効率よく濾過することができる製版方法
を提供することにある。更に他の目的は、ランニング処
理における水洗液の性能を保持し、インキ受理性及び保
水性を維持する製版方法を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、水
洗液にポリオキシアルキレン単位を有するリン酸化合物
が存在するようにして処理することを特徴とするアルミ
ニウム平版印刷版の製版方法により達成される。 【0013】 【発明の実施の形態】すなわち本発明は、アルミニウム
支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する
平版印刷版を露光後、ポリオキシアルキレン単位を有す
るリン酸化合物を含有する現像液または/および水洗液
で処理するものである。 【0014】ポリオキシアルキレン単位を有するリン酸
化合物(以下、POA−リン酸化合物という)は、好ま
しくは水洗液に含有されるが、現像液に含有させてもよ
い。POA−リン酸化合物を水洗液中に含有させること
により、スクラブローラ等によって、ばらばらにされた
ゼラチンを凝集させて除去しやすくする。また現像液中
に含有させた場合は、POA−リン酸化合物が乳剤層等
に含まれた状態で次の水洗液中に持ち込まれ、やはりゼ
ラチンを凝集して除去しやすくする。 【0015】ゼラチン・ハロゲン化銀乳剤層は実質的に
硬化されておらず、従って比較的容易に除去できるので
あるが、ミクロな凹凸を有するアルミニウム表面あるい
は転写銀画像に付着した微量のゼラチンを完全に水洗除
去することは極めて困難であった。本発明によれば、水
洗液中でPOA−リン酸化合物がゼラチンの凝集作用を
示し、水洗液中からゼラチンを良好に分離できるのみな
らず、アルミニウム表面及び転写銀画像部から微量のゼ
ラチンさえも除去し、インキ受理性及び保水性が改良さ
れる。 【0016】水洗液にPOA−リン酸化合物を存在させ
ることは、水洗液中に溶け出したゼラチンの濾過回収の
効率を向上させ、ランニング処理によるゼラチンの腐敗
を防止することができる。更に、水洗液中に溶出してい
るゼラチンが少なくなれば、アルミ表面及び銀画像部へ
の再付着が起こらず、従ってランニング処理におけるイ
ンキ受理性及び保水性(耐汚れ性)の低下も防止でき
る。 【0017】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明に用いられるポリオキシアルキレン単位を有するリ
ン酸化合物のポリオキシアルキレン単位は、好ましくは
ポリオキシエチレンであるが、ポリオキシプロピレンで
あっても、あるいはポリオキシプロピレンとポリオキシ
エチレンを含んでいても良い。具体例においては、ポリ
オキシエチレン単位の一端はアルキル基もしくはアリー
ル基とエーテル結合しており、他端はリン酸と結合して
いる。すなわちポリオキシエチレンアルキルもしくはア
リールエーテルのリン酸(塩)である。アルキル基は炭
素数5〜20で直鎖状のものが好ましく、不飽和結合を
有していても良い。アリール基はフェニル、ナフチル等
であり、アルキル基、スルホン酸基のような置換基を有
していても良い。ポリオキシエチレン単位は2以上から
30程度まで、好ましくは2以上20以下である。ポリ
オキシエチレン単位はリン酸に1、2または3個結合す
る物が含まれる。2個以上のときは同じでも異なってい
ても良い。リン酸は、ナトリウム、カリウム等の塩にな
っていても良い。 【0018】以下に具体例を示す。( )内の数字は、
ポリオキシエチレン(POE)単位の数を示す。POE
(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、POE
(4)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、POE
(5)セチルエーテルリン酸ナトリウム、POE(8)
オレイルエーテルリン酸ナトリウム、ジPOE(2)ド
デシルエーテルリン酸、ジPOE(4)オレイルエーテ
ルリン酸、ジPOE(6)ドデシルエーテルリン酸、ジ
POE(8)ドデシルエーテルリン酸、ジPOE(1
0)ドデシルエーテルリン酸、トリPOE(2)ラウリ
ルエーテルリン酸、トリPOE(6)ドデシルエーテル
リン酸、トリPOE(8)ドデシルエーテルリン酸、ト
リPOE(10)ドデシルエーテルリン酸、ジPOE
(4)ノニルエーテルリン酸。 【0019】本発明に於いて、水洗液または現像液に添
加されるPOA−リン酸化合物の量は0.05〜50g
/リットルが好ましく、0.1〜30g/リットルが更
に好ましい。現像液のみに添加する場合は、水洗液に必
要な量より多めに用いる。 【0020】本発明に用いられる現像液には、上記PO
A−リン酸化合物の他に、現像主薬、例えばポリヒドロ
キシベンゼン類、3-ピラゾリジノン類、アルカリ性物
質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合
物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えば
カルボキシメチルセスロース、カブリ防止剤、例えば臭
化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシエチレン化
合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシア
ン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化
合物等の添加剤を含ませることができる。現像液のpH
は通常10〜14、好ましくは12〜14である。更に
銀画像を親油性にする親油化剤を含有させることができ
る。親油化剤としては、後述するメルカプト基またはチ
オン基を有する化合物が好ましい。 【0021】本発明に用いられる水洗液のpHは4〜9
程度であるが、pH8以下が好ましく、特にpH7以下
が好ましい。水洗液には前記POA−リン酸化合物の他
に、pHを4〜8、好ましくは5〜7の範囲に緩衝させ
る緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤また
はそれらの混合物を含有することができる。また、防腐
剤を含有させてもよい。更に水洗液にタンパク質分解酵
素を含有させることが好ましく、POA−リン酸化合物
との組合せによって、ゼラチンの分解・除去がより効果
的に行われ、インキ受理性が一段と改良される。 【0022】タンパク質分解酵素としては、ゼラチンな
どのタンパク質を加水分解できる植物性または動物性酵
素で、公知のものが用いられる。例えば、ペプシン、レ
ンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パ
パイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲナー
ゼ、ブロメライン、細菌プロティナーゼ(例えば、長瀬
産業(株)製のビオプラーゼ)等が挙げられる。この中
でも特に、トリプシン、パパイン、フィシン、細菌プロ
ティナーゼが好ましい。水洗液中への酵素の含有量は、
0.5〜50g/リットル程度が適当である。 【0023】水洗液には、更にメルカプト基またはチオ
ン基を有する化合物を含有させるのが好ましい。メルカ
プト基またはチオン基を有する化合物としては、特公昭
48−29723号、特開昭58−127928号に記
載されているものが好ましく用いられる。特にメルカプ
ト基またはチオン基を有する5ないし6員含窒素複素環
化合物が好ましい。 【0024】5ないし6員含窒素複素環の具体的な例と
しては、イミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チ
アゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、
トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テ
トラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラ
ジン、トリアジン等であり、又これらの環は2個以上の
縮合生成した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリ
ン環と縮合したものであってもよい。また、カルボキシ
基、スルホ基等の水溶性基は有しない方が好ましい。 【0025】かかる化合物の具体例としては、2−メル
カプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−
1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチ
ル−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダ
ゾリジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニル
チアゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオ
ン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2
−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル
−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル
−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−
1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メル
カプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト
−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカ
プト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト
−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−
アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−
トリアジン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。 【0026】水洗液中へのメルカプト基またはチオン基
を有する化合物の含有量は、0.01〜10g/リット
ル程度が適当である。 【0027】本発明において、上記メルカプト基または
チオン基を有する化合物は、水洗液に含有することによ
って、水洗液中に溶出した銀イオンの濾過回収を可能に
し、銀イオンによる水洗液の白濁を防止する。このた
め、POA−リン酸化合物とメルカプト基またはチオン
基を有する化合物を一緒に用いることによって、水洗液
からゼラチンや銀イオン等の乳剤層成分を効率的に取り
除き、汚れのないきれいな水洗液の再利用を可能にす
る。 【0028】また、メルカプト基またはチオン基を有す
る化合物を水洗液に含有することは、POA−リン酸化
合物あるいはそれとタンパク質分解酵素によってゼラチ
ンが効率的に除去される結果、メルカプト基またはチオ
ン基を有する化合物の転写銀画像への吸着が促進され、
更にインキ受理性及び耐刷性の向上が図られる。 【0029】水洗液はアルミニウム支持体上のハロゲン
化銀乳剤層等を除去するために用いるもので、通常、2
5〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方法、
または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層
を剥離する方法が知られている。 【0030】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には親油化剤の他に、非画像
部の陽極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラビ
ヤゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエチ
ル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンス
ルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイドを含
有することが好ましい。 【0031】本発明に用いられる平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を
少なくとも有している。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用
いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ
臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体
(塩化銀50モル%以上のものを意味する)が好まし
い。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれ
でもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化
学増感あるいはスペクトル増感することができる。 【0032】ハロゲン化銀乳剤層に用いられるゼラチン
は、各種ゼラチンが用いられるが、アルカリ処理ゼラチ
ンが好ましい。また、更にポリビニルピロリドン、各種
でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビ
アガム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分
子化合物を含有させることができる。用いられる親水性
コロイドとしては、現像後の剥離性を容易にするために
実質的に硬膜剤を含まない親水性コロイド層を用いるこ
とが望ましい。ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン含有量は
1〜5g/m2、好ましくは2〜4g/m2程度である。 【0033】本発明に用いられるアルミニウム支持体は
粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ま
しくは米国特許第5,427,889号公報に記載され
ているものが用いられる。 【0034】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス
ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド
・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。 【0035】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層を設けてもよい。 【0036】 【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 【0037】実施例1 アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米
国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従っ
て、平均直径約5μmのプラトー上に直径0.03〜
0.30μmのピットを100μm2当たり約5,60
0個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μ
mである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。こ
のアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、
平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。 【0038】このアルミニウム支持体に少量の親水性バ
インダーを含む硫化パラジウムの物理現像核液を塗布
し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれるPdS核
量は3mg/m2であった。 【0039】ハロゲン化銀乳剤として、アルカリ処理ゼ
ラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒
径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリ
ウムを銀1モル当り0.006mmolドープさせた塩
ヨウ臭化銀乳剤(AgBr20モル%、AgI0.4モ
ル%)を作成した。更に、この乳剤に硫黄金増感を施
し、赤色増感色素を銀1g当り3mg用いて分光増感し
た。 【0040】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアル
ミニウム支持体上に銀量が3g/m2、ゼラチンが3g
/m2になるように塗布、乾燥して平版印刷材料を得
た。 【0041】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(デュポン社製SLT−N自動現像機)で
処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサー
は、現像処理工程(21℃、30秒間浸漬)、水洗処理
工程(33℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながら
スクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理工程
(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成され
ている。該製版用プロセッサーの水洗工程は水洗液を3
0リットル貯溜するタンクと、タンクからポンプを介し
て平版印刷材料に供給し乳剤層を剥離除去するユニット
と、タンクから系外に配置された濾過フィルターを通し
て水洗水を循環させるユニットで構成されている。濾過
フィルターは円筒型の5μmのフィルターを用いた。 【0042】下記に示す現像液、水洗液及び仕上げ液を
用いて100版製版処理した。 <現像液A> 水酸化ナトリウム 20g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g モノメチルエタノールアミン 6g 無水チオ硫酸ナトリウム 6g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g ポリエチレングリコール(平均分子量400) 10g 水を加えて全量を1000mlに調整する。pHは13.0に調整した。 【0043】 <水洗液A> 第1燐酸カリウム 40g 水を加えて全量を1000mlに調整する。pHは6.
0に調整した。 【0044】<水洗液B>上記水洗液Aに平均分子量4
00のポリエチレングリコールを3g加えた。 【0045】<水洗液C>上記水洗液Aにジメチルラウ
リルアミンオキサイドを3g加えた。 【0046】<水洗液D>上記水洗液AにPOE(1
0)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムを3g加えた。 【0047】<水洗液E>上記水洗液AにジPOE(1
0)ドデシルエーテルリン酸を3g加えた。 【0048】<水洗液F>上記水洗液AにトリPOE
(8)オレイルエーテルリン酸を3g加えた。 【0049】 <仕上げ液> アラビアゴム 10g タンパク質分解酵素 2g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 1g トリエタノールアミン 26g 第1燐酸ナトリウム 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0
に調整した。タンパク質分解酵素は、ビオプラーゼAL
−15である。 【0050】上記記載の方法で作成された平版印刷版の
1版目と100版目について、印刷機ハイデルベルグT
OK(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)、イン
キ(大日本インキ株製のニューチャンピオン墨H)及び
市販のPS版用給湿液を用いて印刷を行い、印刷開始時
のインキ受理性(インキ乗り)を評価した。保水性はイ
ンキを低粘度インキ(大日本インキ株製のニューチャン
ピオン紫S)に変更して印刷した。その結果を表1に示
す。 【0051】インキ受理性は印刷開始後、画像の濃度の
変化の起きなくなる迄の枚数で評価した。保水性は上記
給湿液に最初イソプロピルアルコール(IPA)を15
%添加し、徐々にIPAを減少させたときの非画像部の
汚れを観察し、4段階で評価した。4は全く汚れ無し、
3は僅かに薄い汚れが確認される。2は部分的に汚れが
ある。1は全面に汚れが発生。 【0052】 【表1】 【0053】上記結果から明らかなように、POA−リ
ン酸化合物を含有する本発明の水洗液は、比較に比べて
インキ受理性及び保水性に優れていることが分かる。ま
た本発明の水洗液は、溶出したゼラチンが処理中に凝集
して沈殿するため、容易に系外に取り除くことが出来
た。さらに本発明の水洗液は、ランニング処理による印
刷性能の低下もなく、高い印刷性能を維持できる。 【0054】実施例2 実施例1の現像液A、実施例1の水洗液Aおよび下記の
水洗液Gを用い、実施例1と同様にして100版処理し
た時の水洗液の汚れの状態を観察した。 【0055】 <水洗液G> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g トリエタノールアミン 13g ポリスチレンスルホン酸(平均分子量50万) 10g トリPOE(2)ラウリルエーテルリン酸 5g 1燐酸カリウム 40g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.
0に調整した。 【0056】その結果、比較である水洗液Aは、かなり
の汚れと白濁があり、ゼラチンの腐敗臭があったが、本
発明の水洗液Gは、汚れや白濁及び腐敗臭もなく、イン
キ受理性も著しく向上した。 【0057】 【発明の効果】銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウ
ム平版印刷版の製版処理において、水洗液にPOA−リ
ン酸化合物を存在させることによって、印刷開始時のイ
ンキ受理性及び保水性が向上し、更に水洗液の濾過によ
るゼラチンの回収効率を上げ、ランニング処理時の水洗
液の腐敗を防止し、ランニング処理時のインキ受理性及
び保水性の低下を防止することができる。 【0058】更に、水洗液にメルカプト基またはチオン
基を有する化合物を含有することによって、水洗液中に
溶出した銀イオンの濾過回収が容易になり、POA−リ
ン酸化合物との組合せによって、汚れや白濁のない水洗
液の再利用が可能になり、インキ受理性も一段と向上す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00,7/07 G03F 7/26 - 7/42

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核を有する平版印刷材料に、露光後、
    少なくとも現像液及び水洗液の順で処理を施す平版印刷
    版の製版方法において、前記水洗液にポリオキシアルキ
    レン単位を有するリン酸化合物が存在するようにして処
    理することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
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