JPH1184670A - 平版印刷材料の製造方法 - Google Patents

平版印刷材料の製造方法

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JPH1184670A
JPH1184670A JP23931697A JP23931697A JPH1184670A JP H1184670 A JPH1184670 A JP H1184670A JP 23931697 A JP23931697 A JP 23931697A JP 23931697 A JP23931697 A JP 23931697A JP H1184670 A JPH1184670 A JP H1184670A
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Kunihiro Nakagawa
邦弘 中川
Genzo Yamano
元三 山野
Etsuji Tanaka
悦二 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウム平版
印刷版において、水洗処理時の乳剤層(ゼラチン)のウ
ォッシュ・オフ性を向上させ、インキ受理性及び保水性
に優れたアルミニウム平版印刷版を提供する 【解決手段】アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に物理現像核を有する平版印刷材料の製造方法にお
いて、該ハロゲン化銀乳剤層を塗布して乾燥する際、該
ハロゲン化銀乳剤層のゲル化温度以下で、かつ該ゲル化
温度より10℃低い温度以上で乾燥する時間が60秒以
内であることを特徴とする平版印刷材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷材料
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】本発明が対象とする、アルミニウム板を支
持体とした銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開昭57−118244号、同57−158
844号、同63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号、米国特許第4,56
7,131号、同第5,427,889号等の公報に詳
しく記載されている。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ハロゲン化銀乳剤層の除
去:ウォッシュオフ)、仕上げ処理の工程から成ってい
る。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(以降、親油化剤と称す)を含有することも一
般的である。
【0008】前記アルミニウム平版印刷版の製版におけ
る重大な課題の1つとして、水洗処理時のハロゲン化銀
乳剤層のゼラチンの除去の問題がある。アルミニウム平
版印刷版において、ハロゲン化銀乳剤層の水洗除去は、
銀画像部及びアルミニウム表面自身で構成する非画像部
を完全に露出させるために極めて重要な工程である。と
りわけ、インキを受容する銀画像部は強い親油性が必要
であり、ゼラチン等の親油性を阻害する物質は完全に排
除する必要がある。
【0009】上記水洗処理は、25〜35℃の水洗液を
ジェット方式で吹き付けて乳剤層を剥離除去する方法、
または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層
を剥離する方法が一般的に採用されている。しかしなが
ら、安定的にハロゲン化銀乳剤層を完全に除去すること
は難しく、保水性やインキ受理性が低下するという問題
があった。特に平版印刷材料の保存期間が長くなるほ
ど、この問題は深刻であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、水洗処理時のウォッシュ・オフ性を向上
させ、インキ受理性及び保水性に優れたアルミニウム平
版印刷材料の製造方法を提供することにある。特に平版
印刷材料を長期間保存してもウォッシュ・オフ性の低下
がない平版印刷材料を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ア
ルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像
核を有する平版印刷材料の製造方法において、該ハロゲ
ン化銀乳剤層を塗布して乾燥する際、該ハロゲン化銀乳
剤層のゲル化温度以下で、かつ該ゲル化温度より10℃
低い温度以上で乾燥する時間が60秒以内であることを
特徴とする平版印刷材料の製造方法によって達成され
た。
【0012】本発明者は、平版印刷材料を構成するハロ
ゲン化銀乳剤層のアルミニウム支持体からの剥離除去性
を向上させるために、乳剤層の皮膜形成について鋭意研
究し、好適な乾燥方法を見いだした。即ち、ハロゲン化
銀乳剤層の塗布乾燥においては、充分にゲル化させて乾
燥するのが一般的であり、写真感光材料の諸性能に有利
に働くが、本発明はゲル化を充分に行わずに乾燥するこ
とである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が対象とするアルミニウム平版印刷版は、粗面化
及び陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核
層を塗布し、その上にハロゲン化銀乳剤層を塗布した構
成になっている。
【0014】ハロゲン化銀乳剤層には保護コロイドとし
てゼラチンが一般に用いられており、上記したように、
一般的には乳剤層を塗布した後ゼラチンを一旦ゲル化し
て乾燥させる。乳剤層のゲル化温度は、ゼラチンの種
類、濃度等によって変化するが、通常15℃〜30℃程
度に設計される。本発明はこのゲル化温度以下で、かつ
該ゲル化温度より10℃低い温度以上で乾燥させる時間
を60秒以内とするものである。例えば、乳剤層のゲル
化温度が20℃の場合は、乳剤層を塗布後、10℃〜2
0℃の間の温度で乾燥させる時間が60秒以内にするこ
とである。好ましくは、乳剤層のゲル化温度より8℃低
い温度以上であり、更に好ましくは該ゲル化温度より5
℃低い温度以上である。
【0015】本発明において、最も好ましくは、乳剤層
を実質的にゲル化させないことであり、乳剤層を塗布
後、該乳剤層のゲル化温度より低い温度での乾燥を全く
行わないことである。
【0016】ここで、乾燥温度とは、支持体上に塗布さ
れた乳剤層に空気を吹き付ける場合は、その空気の温度
であり、また、空気を意図的に吹き付けない場合はその
雰囲気の温度である。
【0017】従来、乳剤層の塗布乾燥の説明の中で、ゲ
ル化工程と乾燥工程を分けて説明している場合もある
が、本発明においては特に区別せず、乳剤層を塗布して
から乾燥するまでの間を乾燥工程とする。
【0018】ハロゲン化銀乳剤層には、保護コロイドと
して、ゼラチンの他にポリビニルピロリドン、各種でん
ぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアガ
ム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化
合物を含有させることができる。
【0019】ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン含有量は1
〜7g/m2程度で、好ましくは2〜5g/m2である。ハ
ロゲン化銀乳剤層を構成するゼラチン層は、水洗処理時
のウォッシュオフ性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まないことが望ましい。
【0020】ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀は、一
般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、
塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀
主体(塩化銀50モル%以上のものを意味する)が好ま
しい。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいず
れでもよい。これらのハロゲン化銀は必要に応じて化学
増感あるいはスペクトル増感することができる。また、
各種レーザー(アルゴン、ヘリウム・ネオン、赤色L
D、赤外LD、LED等)に対応するように増感及びス
ペクトル増感することができる。
【0021】本発明に用いられるアルミニウム支持体は
粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ま
しくは米国特許第5,427,889号公報に記載され
ているものが用いられる。
【0022】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス
ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド
・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0023】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報の疎水
性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよい。ま
た、ハロゲン化銀乳剤層の上に保護層を設けてもよい。
これらの中間層及び保護層は単独で塗布してもよいが、
ハロゲン化銀乳剤層と同時に重層塗布して乾燥してもよ
い。その場合も前記したような乾燥方法を用いる。
【0024】本発明が対象とするアルミニウム平版印刷
版は、露光後、現像処理、水洗処理、仕上げ処理が通常
施される。本発明の目的である水洗処理時のハロゲン化
銀乳剤層のウォッシュオフ性を更に向上させるために
は、以下に説明する水洗液を用いるのが好ましい。
【0025】本発明に用いられる水洗液のpHは4〜9
程度であるが、pH8以下が好ましく、特にpH7以下
が好ましい。水洗液には前記キレート剤の他に、pHを
4〜7、好ましくは5〜7の範囲に緩衝させる緩衝剤、
例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの
混合物を含有することができる。また、防腐剤を含有さ
せてもよい。更に水洗液にタンパク質分解酵素を含有さ
せることが好ましい。これによって、乳剤層の水洗除去
(ウォッシュ・オフ)がより効果的に行われる。
【0026】本発明に用いられるタンパク質分解酵素
は、ゼラチンなどのタンパク質を加水分解できる植物性
または動物性酵素で、公知のものが用いられる。例え
ば、ペプシン、レンニン、トリプシン、キモトリプシ
ン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロンビン、レ
ニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、細菌プロティナー
ゼ(例えば、長瀬産業(株)製のビオプラーゼ)等が挙
げられる。この中でも特に、トリプシン、パパイン、フ
ィシン、細菌プロティナーゼが好ましい。水洗液中への
酵素の含有量は、0.5〜50g/リットル程度が適当
である。
【0027】水洗液には、更にメルカプト基またはチオ
ン基を有する化合物を含有させるのが好ましい。メルカ
プト基またはチオン基を有する化合物としては、特公昭
48−29723号、特開昭58−127928号に記
載されているものが好ましく用いられる。特にメルカプ
ト基またはチオン基を有する5ないし6員環の含窒素複
素環化合物が好ましい。
【0028】5ないし6員環の具体的な例としては、イ
ミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、
オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮
合したものであってもよい。
【0029】係る化合物の具体例としては、2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル
−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾ
リジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチ
アゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオ
ン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2
−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル
−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル
−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−
1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メル
カプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト
−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカ
プト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト
−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−
アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−
トリアジン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0030】水洗液中へのメルカプト基またはチオン基
を有する化合物の含有量は、0.01〜10g/リット
ル程度が適当である。
【0031】水洗液に金属イオンキレート剤を用いるこ
とが好ましい。キレート剤としては、公知のものを用い
ることができる。好ましくは、アミノポリカルボン酸、
ポリリン酸、モノホスホノ(モノ,ジ,トリ)カルボン
酸、2個以上のホスホン酸基を有する化合物等である。
添加量は水洗液1リットル当り5〜50g程度が好まし
い。
【0032】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジ
ノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、
あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポ
リオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えば
チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチ
ル酸、メソイオン性化合物等等の添加剤等を含ませるこ
とができる。現像液のpHは通常10〜14、好ましく
は12〜14である。更に銀画像を親油性にする親油化
剤を含有させることができる。親油化剤としては、前述
のメルカプト基またはチオン基を有する化合物が好まし
い。
【0033】現像処理及びそれに続いて行われる水洗処
理によって露出した銀画像部及び非画像部は、各々の親
油性及び親水性を高めるため、及び版面の保護のため
に、仕上げ液による処理が施される。仕上げ液には前記
メルカプト基またはチオン基を有する化合物、及び非画
像部の陽極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラ
ビヤゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アル
ギン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエ
チル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン
スルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイドを
含有することが好ましい。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0035】実施例1 アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米
国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従っ
て、平均直径約5μmのプラト−上に直径0.03〜
0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600
個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μm
である厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このア
ルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平均
粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0036】上記アルミニウム支持体上に、少量の親水
性バインダーを含む硫化パラジウムの物理現像核液を塗
布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれるPdS
核量は3mg/m2であった。
【0037】ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドと
して、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当り0.006m
molドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr20モ
ル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳
剤に硫黄金増感を施し、化1の増感色素を銀1g当り3
mg用いて分光増感した。
【0038】
【化1】
【0039】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアル
ミニウム支持体上に銀量が2.5g/m2、ゼラチンが3
g/m2になるように塗布、乾燥して平版印刷材料を得
た。ハロゲン化銀乳剤層の塗布液のゲル化温度は23
℃、湿分塗布量は40g/m2である。乾燥時の乾燥条件
を以下に示す。
【0040】 比較例−1 10℃−40秒でケ゛ル化させた後、35℃で乾燥
した。 比較例−2 16℃−80秒でケ゛ル化させた後、35℃で乾燥
した。 本発明−1 16℃−40秒で弱くケ゛ル化させた後、35℃で
乾燥した。 本発明−2 20℃−50秒で弱くケ゛ル化させた後、35℃で
乾燥した。 本発明−3 25℃で50秒間乾燥の後、35℃で乾燥した。
【0041】上記の方法で作成された平版印刷材料につ
いて、作成後常温で1日保管したものと、35℃で3カ
月間保管したものを633nmの赤色LDレーザーを光
源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロセッサー
(デュポン社製SLT−85N自動現像機)で処理して
平版印刷版を作成した。製版用プロセッサーは、現像処
理工程(22℃、15秒間浸漬)、水洗処理工程(33
℃の水洗液を12秒間シャワー噴射しながらスクラブロ
ーラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理工程(21℃、
5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成されている。
【0042】下記に示す現像液、水洗液及び仕上げ液を
用いて版処理した。 <現像液> 水酸化ナトリウム 20g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g モノメチルエタノールアミン 6g 無水チオ硫酸ナトリウム 6g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g ポリエチレングリコ−ル(平均分子量400) 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは13.0に調整した。
【0043】 <水洗液> 第1燐酸カリウム 40g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g モノエタノールアミン 6g タンパク質分解酵素(ビオプラーゼAL−15) 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.0に調整した。
【0044】 <仕上げ液> アラビアゴム 10g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 1g トリエタノールアミン 26g 第1燐酸ナトリウム 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0に調整した。
【0045】上記記載の方法で作成された平版印刷版の
10版目、50版目及び100版目について、印刷機ハ
イデルベルグMO(アルカラー給水装置付:Heidelberg
社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ
株製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給
湿液を用いて印刷を行い、印刷開始時のインキ受理性
(インキ乗り)を評価した。保水性はインキを低粘度イ
ンキ(大日本インキ株製のニューチャンピオン紫S)に
変更して印刷した。その結果を表1に示す。
【0046】インキ受理性は印刷開始後、画像の濃度の
変化の起きなくなる迄の枚数で評価した。保水性は上記
給湿液に最初イソプロピルアルコ−ル(IPA)を15
%添加し、徐々にIPAを減少させたときの非画像部の
汚れを観察し、4段階で評価した。4は全く汚れ無し、
3は僅かに薄い汚れが確認される。2は部分的に汚れが
ある。1は全面に汚れが発生。
【0047】
【表1】
【0048】上記結果から明らかなように、本発明は比
較に比べてインキ受理性及び保水性に優れていることが
分かる。特に、平版印刷材料の保管後のインキ受理性及
び保水性の劣化が抑制できる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、水洗処理時の乳剤層の
ウォッシュ・オフ性を向上させ、インキ受理性及び保水
性を向上させる。特に平版印刷材料の保管後のインキ受
理性及び保水性の劣化が抑制できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/38 501 G03F 7/38 501

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核を有する平版印刷材料の製造方法に
    おいて、該ハロゲン化銀乳剤層を塗布して乾燥する際、
    該ハロゲン化銀乳剤層のゲル化温度以下で、かつ該ゲル
    化温度より10℃低い温度以上で乾燥する時間が60秒
    以内であることを特徴とする平版印刷材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核を有する平版印刷材料の製造方法に
    おいて、該ハロゲン化銀乳剤層を塗布して乾燥する際、
    該ハロゲン化銀乳剤層を実質的にゲル化させずに乾燥す
    ることを特徴とする平版印刷材料の製造方法。
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