JP2001022077A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版の製版方法

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JP2001022077A JP19267199A JP19267199A JP2001022077A JP 2001022077 A JP2001022077 A JP 2001022077A JP 19267199 A JP19267199 A JP 19267199A JP 19267199 A JP19267199 A JP 19267199A JP 2001022077 A JP2001022077 A JP 2001022077A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写
法を利用した平版印刷版の製版方法において、現像ラチ
チュード、インキ脱離性及び指紋汚れを改良さする。 【解決手段】陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロ
ゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転
写法を利用した平版印刷版を露光後少なくとも現像処理
する製版方法において、該現像液がアルカリ土類金属と
そのキレート剤を含有することを特徴とする平版印刷版
の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウム
平版印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】本発明が対象とするアルミニウム板を支持
体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開昭57−118244号、同57−158
844号、同63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号、米国特許第4,56
7,131号、同第5,427,889号等の公報に詳
しく記載されている。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲ
ン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなってい
る。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する
含窒素複素環化合物)を含有することも一般的である。
【0008】かかるアルミニウム平版印刷版の製版処理
は、依然として種々の問題を有している。特に、現像条
件(現像温度、現像時間、現像液の成分やpH等)の変
化に対してラチチュードが狭い、すなわち現像安定性に
劣るという問題がある。具体的には、現像時間が短いと
ハイライトの網点が再現されにくく、現像時間が長いと
細線が再現されにくいという問題がある。この再現性と
は、平版印刷版の版面にはハイライトの網点や細線の銀
画像が形成されるが、印刷に供するレベルの画像強度を
持たないということである。従って、ランニング処理
(同じ現像液で繰り返し処理する)等によって現像液の
活性度が低下する場合や、環境の温度変化によって現像
液の温度が低下する場合に対応できるように、予め現像
時間は長めに余裕を持たせて設定されるが、上記したよ
うに細線の再現性の低下を招くことがしばしば生じた。
【0009】また、他の課題として、印刷開始時のイン
キ脱理性が悪いという問題がある。オフセット輪転印刷
機の分野では、紙切れを防ぐため、印刷の立ち上がり時
には湿し水によるエッチングを省略することが多く、版
全面にインキを付けてから湿し水を送り、非画像部のイ
ンキを脱離するという印刷方法が用いられている。この
ような印刷において、非画像部のインキ脱離速度の遅れ
は印刷効率を著しく低下させる。
【0010】更に、非画像部に係わる問題として、指紋
汚れがある。これは、印刷版の取扱い時に版面の非画像
部に付着した指紋が、印刷時にインキを付着させて汚す
という問題である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
ミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した
平版印刷版の処理において、現像ラチチュードを改良
し、常に安定した印刷性能が得られる製版方法を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、非画像部のインキ
脱離性及び指紋汚れを改良することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、陽
極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した
平版印刷版を露光後少なくとも現像処理する製版方法に
おいて、該現像液がアルカリ土類金属とそのキレート剤
を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法によ
って達成された。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、現像液にアルカリ土類金属を含有させる。本
発明に用いられるアルカリ土類金属としては、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシ
ウムが挙げられる。現像液にアルカリ土類金属を添加す
る場合、以下のような化合物として添加してもよい。例
えば、臭化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸
化カルシウム、沃化カルシウム、硝酸カルシウム、亜硝
酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸カル
シウム、硫酸カルシウム、酒石酸カルシウム、塩素酸バ
リウム、過塩素酸バリウム、臭化バリウム、臭素酸バリ
ウム、硝酸バリウム、硫酸バリウム、チオ硫酸バリウ
ム、亜硝酸バリウム、塩化ベリリウム等、臭化ベリリウ
ム、沃化ベリリウム、硝酸ベリリウム、塩化マグネシウ
ム、過塩素酸マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マ
グネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩
化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、硝酸ストロン
チウム、硫酸ストロンチウム等である。これらの化合物
は、アルカリ土類金属として現像液中に1〜100ミリ
モル/リットル、好ましくは2〜100ミリモル/リッ
トル、より好ましくは3〜80ミリモル/リットルの濃
度で含有させる。上記アルカリ土類金属の中でも、特に
カルシウムが好ましく用いられる。
【0014】本発明は、前記アルカリ土類金属と金属キ
レート剤を併用する。これによって、広い現像ラチチュ
ードが得られる。金属キレート剤としては、クエン酸や
酒石酸のようなオキシカルボン酸、アミノポリカルボン
酸、ポリリン酸、モノホスホノ(モノ,ジ,トリ)カル
ボン酸、2個以上のホスホン酸基を有する化合物等が挙
げられる。これらの金属キレート剤は、アルカリ土類金
属に対して、モル比で0.1〜50、好ましくは0.2
〜20の範囲で用いる。
【0015】本発明において、カルシウムとそのキレー
ト剤を用いるのが好ましい。キレート剤としては、アミ
ノポリカルボン酸、モノホスホノ(モノ,ジ,トリ)カ
ルボン酸、2個以上のホスホン酸基を有する化合物が好
ましい。
【0016】アミノポリカルボン酸及びその塩として
は、エチレンジアミン四酢酸、ジヒドロキシエチルエチ
レンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、
エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,
N’,N’−三酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニト
リロ三酢酸トリナトリウム塩、シクロヘキサンジアミン
四酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、
エチルエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンテト
ラプロピオン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三
酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ト
リエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジアミノプ
ロパン四酢酸、メチルグリシン三酢酸等が挙げられる。
【0017】モノホスホノ(モノ,ジ,トリ)カルボン
酸及びその塩としては、1−ヒドロキシ−1−ホスホノ
−エタン−1−カルボン酸、1−ヒドロキシ−1−ホス
ホノ−エタン−1,2−ジカルボン酸、1−ヒドロキシ
−1−ホスホノ−プロパン−1−カルボン酸、1−ヒド
ロキシ−1−ホスホノ−プロパン−1,2,3−トリカ
ルボン酸、1−ホスホノ−エタン−2−カルボン酸、1
−ヒドロキシ−1−ホスホノ−エタン−2−カルボン
酸、2−ホスホノ−ペンタン−2,5−ジカルボン酸、
2−メチル−4−ホスホノ−ブタン−1,4−カルボン
酸、2−ホスホノ−ブタン−1,4−ジカルボン酸カリ
ウム塩、2,3−ジメチル−2−ホスホノ−ブタン−
1,4−ジカルボン酸,1−ホスホノ−プロパン−1,
2,3−トリカルボン酸、2−ホスホノ−ブタン−2,
3,4−トリカルボン酸等が挙げられる。
【0018】2個以上のホスホン酸基を有する化合物と
しては、下記の化合物が挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】上記キレート剤の中でも、特に、カルシウ
ムに対するキレート安定度定数が5〜10.5の範囲が
好ましく、5〜10の範囲がより好ましい。
【0040】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン
類やアスコルビン酸およびその誘導体、1−フェニル−
3ピラゾリジノン及びその誘導体等の3−ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポ
リオキシアルキレン化合物、キレート剤、例えばエチレ
ンジアミン4酢酸、アニオン性ゼラチン凝集剤、例えば
ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体、及
び以下に示すようなハロゲン化銀溶剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0041】ハロゲン化銀溶剤としては、例えばチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜硫
酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、
ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物、
2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのよ
うな環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、メ
ソイオン性化合物、チオエーテル類等が挙げられる。
【0042】これらのハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸塩、アルカノールアミン、メソイオン性化合物及び
チオエーテル化合物が好ましい。チオ硫酸塩の添加量
は、現像液1リットル当たり4〜50g、好ましくは5
〜40g程度である。
【0043】アルカノールアミンとしては、例えば2−
(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブ
タノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−ア
ミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノ
ジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。添
加量は現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは
10〜100gである。
【0044】メソイオン性化合物としては、特開平4−
328559号、同平9−160248号、同平9−1
71257号公報で開示されているものが挙げられる。
メソイオン性化合物の添加量は種々の条件により異なる
が、現像液1リットル当り0.1g〜10gであり、好
ましくは0.1g〜5gの範囲である。
【0045】チオエーテル化合物は、USP5,20
0,294号公報、特願平9−89444号明細書に記
載されているものが挙げられる。チオエーテル化合物の
添加量は、現像液1リットル当り0.01g〜20gで
あり、好ましくは0.1g〜10gの範囲である。
【0046】上記ハロゲン化銀溶剤の中でも、特にチオ
硫酸塩とアルカノールアミンを組み合わせて用いるのが
好ましい。
【0047】現像液には、更に銀画像部を親油性にする
化合物(親油化剤)を含有させるのが好ましい。親油化
剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨ
ーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディ
ス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハラ
イド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、10
6ページに記載されている化合物が挙げられる。例えば
メルカプト基またはチオン基を有する化合物、4級アン
モニウム化合物等があり、本発明においてはメルカプト
基またはチオン基を有する化合物が好ましく用いられ
る。特に好ましくは、メルカプト基またはチオン基を有
する含窒素複素環化合物であり、特公昭48−2972
3号、特開昭58−127928号に記載されている。
以下にその具体例を挙げるが、これらに限定されること
はない。
【0048】2−メルカプト−4−フェニルイミダゾー
ル、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−
メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メ
ルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−
ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベン
ゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イ
ミダゾリジン−2−チオン、2,2´−ジメルカプト−
1,1´−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカ
プト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベン
ゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−
エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル
−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−
4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベン
ゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−
2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5
−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデ
シル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5
−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト
−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリア
ゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシ
ル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−
フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプ
ト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−
メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2
−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール、2
−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジア
ゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4
−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−
テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、
1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メル
カプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−
メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メル
カプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジ
ン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,
3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−
ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−ト
リアゾリン等が挙げられる。
【0049】上記親油化剤の現像液への添加量は、0.
01〜10g/リットル程度が好ましい。
【0050】現像液のpHは通常10〜14、好ましく
は12〜14である。現像液の温度は、20〜30℃程
度で、現像時間は6〜20秒程度である。
【0051】本発明において、現像処理に続いて水洗処
理が施される。水洗液にはpHを4〜8、好ましくは
4.5〜7の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩
衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を含有す
ることができる。また、防腐剤を含有させてもよい。水
洗液中には更にタンパク質分解酵素(例えば、ペプシ
ン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシ
ン、パパイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲ
ナーゼ、ブロメライン、細菌プロティナーゼ)や、前記
した親油化剤を含有させることができる。
【0052】現像処理と水洗処理の間に、現像の進行を
停止させる中和安定化処理を施してもよく、中和液に前
記親油化剤を含有させてもよい。
【0053】上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロ
ゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、
25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方
法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳
剤層を剥離する方法が一般的に用いられている。
【0054】アルミニウム平版印刷版において、ハロゲ
ン化銀乳剤層の水洗除去は、銀画像部及びアルミニウム
表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために
極めて重要な工程である。とりわけ、インキを受容する
銀画像部は強い親油性が必要であり、ゼラチン等の親油
性を阻害する物質は完全に排除する必要がある。
【0055】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層
の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキス
トリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレ
ングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好
ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるため
に、上記親油化剤を含有することが好ましい。更に上記
酵素を含有することができる。
【0056】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を
有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ
臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モ
ル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタ
イプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これら
のハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはス
ペクトル増感することができる。
【0057】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0058】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0059】本発明に用いられるアルミニウム支持体は
粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ま
しくは米国特許第5,427,889号公報に記載され
ているものが用いられる。
【0060】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、特公昭48−30562号、特開昭48−55
402号、同53−21602号、フォーカル・プレ
ス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ
ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィッ
ク・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシ
ズ」を参照し得る。
【0061】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報に記載
の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよ
い。
【0062】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 幅1030mm、厚み0.24mmのA1050タイプアル
ミニウム板帯を13m/minの処理速度で移動させ、60
℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した
後、水洗し、30℃の1.5%の塩酸と2%の酢酸を満
たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、電源より40A
/dm2、50Hzの単相交流電流を30秒間流して、
交流電解粗面化し、水洗し、その後70℃、6%硝酸水
溶液に10秒間浸漬してデスマットし、水洗し、乾燥し
た。さらに25℃、20%硫酸中に通し、陽極酸化し、
陽極酸化膜量が2.1g/m2、中心線平均粗さ(R
a)が0.5μmのアルミニウム支持体を作成した。
【0063】次に上記アルミニウム支持体に物理現像核
として硫化パラジウム核液を塗布し、その後乾燥した。
【0064】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.00
6ミリモルドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr1
5モル%、AgI0.3モル%)を調製した。その後、
この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらに
この乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、化
21の増感色素を銀1g当たり1.3mg用いて分光増
感した。
【0065】
【化21】
【0066】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体
上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が3g/m2 になる
ように塗布乾燥して平版印刷材料試料を得た。
【0067】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像
機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(22℃で浸漬現像)、水洗処理
工程(35℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながら
スクラブローラで乳剤層をウオッシュオフする)、仕上
げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程か
ら構成されている。
【0068】下記に示す6種類の現像液を用いて、浸漬
時間を変化させて処理した。 <現像液A> 水酸化ナトリウム 25g ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体 (平均分子量50万) 10g 無水亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 50g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 20g ハイドロキノン 15g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.4
【0069】<現像液B>上記現像液Aに硫酸カルシウ
ム(カルシウムが7ミリモルになる量)と、キレート剤
としてエチレンジアミン4酢酸を7ミリモル添加した。
【0070】<現像液C>上記現像液Aに硫酸カルシウ
ム(カルシウムが7ミリモルになる量)と、キレート剤
としてアミノトリ(メチレンホスホン酸)5Na塩を7
ミリモル添加した。
【0071】<現像液D>上記現像液Aに硫酸カルシウ
ム(カルシウムが7ミリモルになる量)と、キレート剤
としてジヒドロキシエチルエチレンジアミン2酢酸を9
ミリモル添加した。
【0072】<現像液E>上記現像液Aに硫酸カルシウ
ム(カルシウムが7ミリモルになる量)と、キレート剤
としてトリエチレンテトラミン6酢酸を6ミリモル添加
した。
【0073】用いた水洗液及び仕上げ液の組成を下記に
示す。 <水洗液> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g モノエタノールアミン 13g 重亜硫酸ナトリウム 10g 第1燐酸カリウム 40g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.
0に調整した。タンパク質分解酵素として、ビオプラー
ゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)
製)を用いた。
【0074】 <仕上げ液> 燐酸 0.5g モノエタノールアミン 5.0g 2ーメルカフ゜ト-5ーnヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g ポリグリセロール(6量体) 50g 脱イオン水で1000mlとする。pHは7.2に調整
した。
【0075】上記の現像液A〜Fを用いて製版された印
刷版について、細線画像の印刷物への再現性を評価し
た。印刷版に50μm及び100μm幅の細線を形成さ
せ、それらの細線が印刷物に再現された程度で評価し
た。印刷は、印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg
社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ
(株)社製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS
版用給湿液を用いて行った。その結果を表1に示す。表
1には、印刷物に再現された細線の内、細い細線を記載
した。従って、細線幅の小さい方が優れていることを示
す。
【0076】同時に、インキ脱離性及び指紋汚れを評価
した。インキ脱離性は、オフセット輪転印刷機に印刷版
を装着し、版面にインキを乗せた後、湿し水を送り、非
画像部のインキ汚れが取れるまでの枚数でインキ脱離性
を評価した。その結果を表1に示す。枚数が少ないほど
優れていることを示す。
【0077】指紋汚れは、版面の非画像部に強制的に指
を押し当てて指紋を付けた後、1日放置した印刷版を、
印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセッ
ト印刷機の商標)、インキ(大日本インキ(株)社製の
ニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿液を
用いて印刷を行い、指紋汚れのを評価した。その結果を
表1に示す。
【0078】
【表1】 ─────────────────────────────────── 現像液 細 線 再 現 性 インキ脱離性 指紋汚れ 備考 10秒 12秒 14秒 16秒 ─────────────────────────────────── A 50 − − − 100枚 有り 比較 B 50 50 100 − 20枚 なし 本発明 C 50 50 50 50 20枚 なし 本発明 D 50 50 50 100 20枚 なし 本発明 E 50 50 50 50 20枚 なし 本発明 ─────────────────────────────────── 表中、[−]は、いずれの細線も再現できなかったこと
を表す。
【0079】上記結果から明らかなように、現像液にカ
ルシウム(アルカリ土類金属)とそのキレート剤を含有
させた本発明は、現像ラチチュード、インキ脱離性及び
指紋汚れが大幅に改良される。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、現像ラチチュード、イ
ンキ脱離性及び指紋汚れが大幅に改良される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化されたアルミニウム支持体とハ
    ロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散
    転写法を利用した平版印刷版を露光後少なくとも現像処
    理する製版方法において、該現像液がアルカリ土類金属
    とそのキレート剤を含有することを特徴とする平版印刷
    版の製版方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ土類金属がカルシウムであ
    る請求項1に記載の平版印刷版の製版方法。
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