JP2001281841A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版の製版方法

Info

Publication number
JP2001281841A
JP2001281841A JP2000089120A JP2000089120A JP2001281841A JP 2001281841 A JP2001281841 A JP 2001281841A JP 2000089120 A JP2000089120 A JP 2000089120A JP 2000089120 A JP2000089120 A JP 2000089120A JP 2001281841 A JP2001281841 A JP 2001281841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developer
silver
printing plate
mercapto
sheets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000089120A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Fujioka
肇 藤岡
Makoto Takagi
信 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2000089120A priority Critical patent/JP2001281841A/ja
Publication of JP2001281841A publication Critical patent/JP2001281841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写
法を利用した平版印刷材版において、多数枚の印刷時に
発生する画像部のインキ着肉性の低下を防止する。 【解決手段】陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロ
ゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転
写法を利用した平版印刷版を露光後少なくとも現像処理
する製版方法において、該現像液中にアミノ酸と、グリ
セリンもしくはその多量体、又は糖類を含有する事を特
徴とする平版印刷版の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウ
ム平版印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】本発明が対象とするアルミニウム板を支持
体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開昭57−118244号、同57−158
844号、同63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号、米国特許第4,56
7,131号、同第5,427,889号等の公報に詳
しく記載されている。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲ
ン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなってい
る。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する
含窒素複素環化合物)を含有することも一般的である。
【0008】上記アルミニウム平版印刷版の製版処理方
法において、印刷中に画像部のインキの着肉性が低下す
る問題があった。この問題の特徴は印刷のごく初期にイ
ンキが画像部に着肉していく速度を追求するインキ乗り
速度とは違い、多数枚印刷時に画像部のインキ着肉性が
徐々に低下する現象で、耐刷力のように銀画像の強度に
単純に依存するものではなく、その対策に苦慮してい
た。
【0009】また、上記インキ着肉性の低下は印刷中に
インキと給湿液の乳化のバランスが崩れた過乳化と呼ば
れる現象や、給湿液の送り量が過剰であるために起こる
水負け現象、インキローラーからインキが送られなくな
るローラーストリッピング等の印刷条件の不適により発
生するものでもなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多数
枚の印刷中に発生するインキ画像部の着肉性の低下を防
止することにより安定した印刷品質を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、
陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用し
た平版印刷版を露光後少なくとも現像処理する製版方法
において、該現像液中にアミノ酸と、グリセリンもしく
はその多量体、又は糖類を含有する事を特徴とする製版
方法により達成された。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるアミノ酸としては天然あるいは合成
のアミノ酸及びその誘導体を使用できる。
【0013】上記アミノ酸及びその誘導体の具体例とし
ては例えばグリシン、アラニン、セリン、アスパラギ
ン、グルタミン、グルタミン酸、メチオニン、リシン、
アルギニン、シトルリン、バリン、ロイシン、トレオニ
ン、ヒスチジン、グリシルグリシン、メチルグリシン、
グリシンエチルエステル、N−ヒドロキシアラニン等が
挙げられるが、効果が高く且つコスト的にも安価なグリ
シンが最も好ましい。
【0014】これらアミノ酸の添加量としては1〜10
0g/Lであるが、好ましくは5〜50g/L添加する
と良い。
【0015】また、これらアミノ酸は単独もしくは2種
類以上のアミノ酸を組み合わせて使用することもでき
る。
【0016】本発明においてアミノ酸と共に用いられる
グリセリン又はその多量体及び糖類の添加量は5g/L
以上であれば効果は見られるが実用的に好ましくは10
〜100g/Lである。
【0017】上記糖類の具体例としては、例えばグルコ
ース、マンノース、フルクトース、ガラクトースに代表
される単糖類からデキストリン、デンプン、グリコーゲ
ン、セルロース、寒天などの多糖類に至る天然あるいは
合成の糖類及びその誘導体が使用できる。好ましくはデ
ンプンが良い。
【0018】本発明においてグリセリンもしくはその多
量体及び糖類の中ではグリセリンもしくはその多量体が
好ましく、より好ましくはグリセリンである。
【0019】本発明において現像液のpHは11.0か
ら13.5で使用できるが、安定した印刷品質を得るた
めに好ましくはpH12.5〜13.2が良い。
【0020】本発明において、現像液には、現像抑制剤
を組み合わせて用いるのが好ましい。現像抑制剤として
は、メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素
環化合物、ベンゾトリアゾールもしくはその誘導体、ま
たは臭化物等がある。
【0021】ベンゾトリアゾールもしくはその誘導体と
しては5−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベン
ゾトリアゾール等が挙げられ、臭化物としては臭化ナト
リウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム等が挙げられ
る。
【0022】前記メルカプト基もしくはチオン基を有す
る含窒素複素環化合物の複素環といえば、イミダゾー
ル、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オキサゾ
ール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾール、チア
ジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン等
があり、中でもイミダゾール、トリアゾール、テトラゾ
ールが好ましい。
【0023】メルカプト基もしくはチオン基を有する含
窒素複素環化合物の具体例を以下に挙げる。2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミ
ダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダ
ゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾ
ール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チ
オン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオ
ン、2,2´−ジメルカプト−1,1´−デカメチレン
−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチア
ゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メル
カプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリ
ン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2
−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサ
ゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペン
チル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル
−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト
−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリア
ゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘ
プチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−
4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾ
ール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チ
アジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,
3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘ
プチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘ
プチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェ
ニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシ
ル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5
−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メル
カプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−
2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6
−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジ
フェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェ
ニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メル
カプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,
5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−S−トリアゾ
リノ〔1,2−a〕−S−トリアゾリン等が挙げられ
る。
【0024】上記現像抑制剤の現像液への添加量は、
0.01〜10g/リットル程度が好ましい。
【0025】更に本発明に用いられる現像液には、現像
主薬、例えばハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼ
ン類やアスコルビン酸およびその誘導体、1−フェニル
−3ピラゾリジノン及びその誘導体等の3−ピラゾリジ
ノン類を含有できる。
【0026】その他、本発明で用いられる現像液にはア
ルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはア
ミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠
剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブリ防止
剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキ
シアルキレン化合物、キレート剤、例えばエチレンジア
ミン4酢酸、アニオン性ゼラチン凝集剤、例えばポリス
チレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体、及び以下
に示すようなハロゲン化銀溶剤等の添加剤を含有させる
ことができる。
【0027】ハロゲン化銀溶剤としては、例えばチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜硫
酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、
ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物、
2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのよ
うな環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、メ
ソイオン性化合物、チオエーテル類等が挙げられる。
【0028】これらのハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸塩、アルカノールアミン、メソイオン性化合物及び
チオエーテル化合物が好ましい。チオ硫酸塩の添加量
は、現像液1リットル当たり4〜50g、好ましくは5
〜40g程度である。
【0029】アルカノールアミンとしては、例えば2−
(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブ
タノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−ア
ミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノ
ジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。添
加量は現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは
10〜100gである。
【0030】メソイオン性化合物としては、特開平4−
328559号、同平9−160248号、同平9−1
71257号公報で開示されているものが挙げられる。
メソイオン性化合物の添加量は種々の条件により異なる
が、現像液1リットル当り0.1g〜10gであり、好
ましくは0.1g〜5gの範囲である。
【0031】チオエーテル化合物は、USP5,20
0,294号公報、特願平9−89444号明細書に記
載されているものが挙げられる。チオエーテル化合物の
添加量は、現像液1リットル当り0.01g〜20gで
あり、好ましくは0.1g〜10gの範囲である。
【0032】上記ハロゲン化銀溶剤の中でも、特にチオ
硫酸塩とアルカノールアミンを組み合わせて用いるのが
好ましい。
【0033】本発明の製版方法において、現像処理時間
(現像液に浸漬してから次の処理工程で現像が停止する
までの時間)は制限されるものではなく、例えば20秒
間もしくはそれより短い浸漬現像の後に、さらに3〜3
0秒間程度の現像を進行させてもよい。また現像温度は
15〜35度、好ましくは20〜30度が良い。
【0034】本発明において、現像処理に続いて水洗処
理が施される。水洗液にはpHを4〜10、好ましくは
4.5〜8の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩
衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を含有す
ることができる。また、防腐剤を含有させてもよい。水
洗液中には更にタンパク質分解酵素(例えば、ペプシ
ン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシ
ン、パパイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲ
ナーゼ、ブロメライン、細菌プロティナーゼ)や、特公
昭48―29723号及び特開昭58−127928号
に記載されている親油化剤を含有させることができる。
【0035】現像処理と水洗処理の間に、現像の進行を
停止させる中和安定化処理を施してもよく、中和液に前
記親油化剤を含有させてもよい。
【0036】上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロ
ゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、
25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方
法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳
剤層を剥離する方法が一般的に用いられている。
【0037】アルミニウム平版印刷版において、ハロゲ
ン化銀乳剤層の水洗除去は、銀画像部及びアルミニウム
表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために
極めて重要な工程である。とりわけ、インキを受容する
銀画像部は強い親油性が必要であり、ゼラチン等の親油
性を阻害する物質は完全に排除する必要がある。
【0038】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層
の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキス
トリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレ
ングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好
ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるため
に、上記親油化剤を含有することが好ましい。更に上記
酵素を含有することができる。
【0039】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を
有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ
臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モ
ル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタ
イプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これら
のハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはス
ペクトル増感することができる。
【0040】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0041】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0042】本発明に用いられるアルミニウム支持体
は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム板であ
り、特開昭63−260491号、米国特許第5,42
7,889号公報に記載された方法、または一般に知ら
れているPS版用のアルミニウム支持体の製造方法等に
よって作ることができる。
【0043】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、特公昭48−30562号、特開昭48−55
402号、同53−21602号、フォーカル・プレ
ス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ
ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィッ
ク・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシ
ズ」を参照し得る。
【0044】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報に記載
の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよ
い。
【0045】以下に本発明を実施例により説明する。
【0046】
【実施例】実施例1 幅1030mm、厚み0.24mmのA1050タイプアル
ミニウム板帯を13m/minの処理速度で移動させ、60
℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した
後、水洗し、30℃の1.5%の塩酸と2%の酢酸を満
たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、電源より40A
/dm2、50Hzの単相交流電流を30秒間流して、
交流電解粗面化し、水洗し、その後70℃、6%硝酸水
溶液に10秒間浸漬してデスマットし、水洗し、乾燥し
た。さらに25℃、20%硫酸中に通し、陽極酸化を行
い、陽極酸化アルミニウム量2.0g/m2のアルミニ
ウム支持体を得た。
【0047】これらのアルミニウム支持体に硫化パラジ
ウム核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含
まれる核量は3mg/m2であった。
【0048】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.00
6ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀
0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、
この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらに
この乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、増
感色素を銀1g当たり3mg用いて赤色領域に分光増感
した。
【0049】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体
上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.0g/m2にな
るように塗布乾燥して平版印刷材料を得た。
【0050】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像
機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(25℃、12秒間浸漬)、水洗
処理工程(33℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しな
がらスクラブローラで乳剤層をウオッシュオフする)、
仕上げ処理工程(20℃、5秒間シャワー)及び乾燥工
程から構成されている。
【0051】用いた現像液を下記に示す。 〈現像液A〉 水酸化ナトリウム 32g 無水亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 20g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 15g 5メルカプト1フェニルテトラゾール 0.8g 5メチルベンゾトリアゾール 0.2g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 脱イオン水で1000mlとする。
【0052】〈現像液B〉上記現像液Aにグリシンを1
0g/L添加した。
【0053】〈現像液C〉上記現像液Aにグリシンを1
0g/Lとグリセリンを60g/L添加した。
【0054】〈現像液D〉上記現像液Aにグリシンを1
0g/Lとポリグリセロール(グリセリンの6量体)を
60g/L添加した。
【0055】〈現像液E〉上記現像液Aにグリシンを1
0g/Lとガラクトースを60g/L添加した。
【0056】〈現像液F〉上記現像液Aにグリシンを1
0g/Lとアラビアゴムを60g/L添加した。
【0057】〈現像液G〉上記現像液Aにグリシンを1
0g/Lとデンプンを60g/L添加した。
【0058】〈現像液H〉上記現像液Aにアラニンを1
0g/Lとグリセリンを60g/L添加した。
【0059】〈現像液I〉上記現像液Aにアルギニンを
10g/Lとグリセリンを60g/L添加した。
【0060】用いた水洗液及び仕上げ液の組成を下記に
示す。 〈水洗液〉 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g トリエタノールアミン 20g 重亜硫酸カリウム 6gアミノトリメチレンホスホン 酸 20g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは7.
2に調整した。タンパク質分解酵素として、ビオプラー
ゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)
製)を用いた。
【0061】 〈仕上げ液〉 燐酸 100g N−メチルエタノールアミン 30g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5gホ゜リフ゜ロヒ゜レンク゛リコールアルキルエーテル 90g 硝酸ソーダ 20g アラビアゴム 50gエチレンシ゛アミン 4酢酸 0.5g タンパク質分解酵素 1g 脱イオン水で1000mlとする。 pHは5.4に調整した。
【0062】上記処理液を用いて処理されたアルミニウ
ム平版印刷版を印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelber
g社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本イン
キ(株)社製のGEOS−G藍H)及び市販のPS版用
給湿液を用いて印刷を行い、インキ着肉性を評価した。
インキ着肉性は良好な印刷物が得られなくなる時の印刷
枚数で評価した。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】 ──────────────────── 現像液サンプル インキ着肉性 ──────────────────── 現像液A(比較) 10万枚 現像液B(比較) 10万枚 現像液C(本発明) 20万枚 現像液D(本発明) 18万枚 現像液E(本発明) 15万枚 現像液F(本発明) 17万枚 現像液G(本発明) 18万枚 現像液H(本発明) 19万枚 現像液I(本発明) 17万枚 ────────────────────
【0064】上記結果より本発明で使用されるアミノ酸
としてはグリシンが効果が高く、且つグリセリンと併用
することが最も好ましいことがわかる。
【0065】本発明で使用される糖類では単糖類よりも
多糖類の方がより効果的である。特にデンプンが好まし
いことがわかる。
【0066】実施例2 実施例1で使用した現像液A(比較)及び現像液C(本
発明)を1ヶ月間にわたり空気中に接触させた状態で放
置した際のインキ着肉性の低下を実施例1と同様に評価
した。その結果を表2に示す。
【0067】
【表2】 ──────────────────────────────────── 現像液サンプル 初日 7日目 14日目 21日目 28日目 ──────────────────────────────────── 現像液A 10万枚 8万枚 5万枚 4万枚 4万枚 現像液C 20万枚 19万枚 19万枚 19万枚 18万枚 ────────────────────────────────────
【0068】上記結果より本発明の現像液は比較液に比
べ長期間にわたり放置した状態であってもその効果を失
うことなく、多数枚の印刷時において安定した印刷品質
を得る事が可能となった。
【0069】
【発明の効果】上記結果から、本発明の示す現像液を使
用することにより多数枚の印刷時においてインキ着肉性
の低下を引き起こすことなく、更には長期間にわたり安
定した印刷品質を得ることが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化されたアルミニウム支持体とハ
    ロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散
    転写法を利用した平版印刷版を露光後少なくとも現像処
    理する製版方法において、現像液中にアミノ酸と、グリ
    セリンもしくはその多量体、又は糖類を含有する事を特
    徴とする平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 前記アミノ酸がグリシンであることを特
    徴とする請求項1記載の平版印刷版の製版方法。
JP2000089120A 2000-03-28 2000-03-28 平版印刷版の製版方法 Pending JP2001281841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089120A JP2001281841A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 平版印刷版の製版方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089120A JP2001281841A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 平版印刷版の製版方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001281841A true JP2001281841A (ja) 2001-10-10

Family

ID=18604911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000089120A Pending JP2001281841A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 平版印刷版の製版方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001281841A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102770812A (zh) * 2010-01-25 2012-11-07 东亚合成株式会社 含导电性高分子的基材上的光致抗蚀剂用显影液、以及图形形成方法
JP2013152486A (ja) * 2013-04-10 2013-08-08 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102770812A (zh) * 2010-01-25 2012-11-07 东亚合成株式会社 含导电性高分子的基材上的光致抗蚀剂用显影液、以及图形形成方法
US8895227B2 (en) 2010-01-25 2014-11-25 Toagosei Co., Ltd. Developing solution for photoresist on substrate including conductive polymer, and method for forming pattern
JP2013152486A (ja) * 2013-04-10 2013-08-08 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001281841A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2002107953A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2003167349A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP3763705B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3368154B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11338166A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2000275846A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3518719B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液及び製版方法
JP2006267340A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2000206697A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3736981B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3790407B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3626025B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3512588B2 (ja) アルミニウム平版印刷版の製版方法
JP3710271B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2000284487A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3739228B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液
JPH11160878A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3778768B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液
JP2000162763A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2000162786A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2000199961A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2004151290A (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2000162776A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2000284488A (ja) アルミニウム平版印刷材料