JP2003295464A - 平版印刷版の処理液 - Google Patents

平版印刷版の処理液

Info

Publication number
JP2003295464A
JP2003295464A JP2002095567A JP2002095567A JP2003295464A JP 2003295464 A JP2003295464 A JP 2003295464A JP 2002095567 A JP2002095567 A JP 2002095567A JP 2002095567 A JP2002095567 A JP 2002095567A JP 2003295464 A JP2003295464 A JP 2003295464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithographic printing
washing
printing plate
silver
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002095567A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukinao Kawamata
幸直 川真田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2002095567A priority Critical patent/JP2003295464A/ja
Publication of JP2003295464A publication Critical patent/JP2003295464A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】経時によってインキ受理性を低下させることな
く、かつ現像処理後の処理工程でのローラーの付着物や
スライムの発生を防止する処理液を提供する。 【解決手段】陽極酸化されたアルミニウム支持体上に少
なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀錯塩拡散転写法
を利用した平版印刷材料に、露光後少なくとも現像処理
及び水洗処理を施す平版印刷版の処理において、現像処
理後に用いられる処理液がタンパク質分解酵素及び下記
Aに示す化合物を共に含むことを特徴とする平版印刷版
の処理液。A:C、H、O原子のみから構成され、一つ
のカルボキシル基と2つ以上の水酸基をもつ化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウ
ム平版印刷版の処理において、現像処理後に用いられる
処理液、特にハロゲン化銀乳剤層を水洗除去するために
用いられる水洗液に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、平版印刷の分野において、アルミ
ニウム板を支持体とした平版印刷版は、感光性樹脂を用
いたPS版(プレセンシタイズド版)をはじめ各種印刷
版が知られている。例えば、特開平7−20629号、
同平7−271029号に記載のサーマルプレート、特
開平7−314934号、同平8−48018号に記載
のレーザーアブレーションを利用した平版印刷版、及び
特開平5−265216、同平5−313206号、同
平7−56345号、同平9−6005号に記載の銀錯
塩拡散転写方式を利用した銀塩印刷版等が知られてい
る。本発明は銀塩印刷版を対象とするものである。
【0003】前記銀塩アルミニウム平版印刷版は、粗面
化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像
核を担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた
構成になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法
は、露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハ
ロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなっ
ている。
【0004】詳細には、現像処理によっアルミニウム支
持体上に物理現像によって金属銀画像部が形成され、次
の水洗処理によってハロゲン化銀乳剤層が除去されてア
ルミニウム支持体上の金属銀画像部(以降、銀画像部と
称す)が露出する。同時に陽極酸化されたアルミニウム
表面自身が非画像部として露出する。
【0005】銀塩印刷版は、高感度、高感色性と高い解
像力、高いシャープネスを持った画像を形成することが
可能であり、光による画像形成方法としては非常に有利
な方法である。しかし、単に温水だけで水洗処理を行っ
た銀画像部は、感光性樹脂によって形成されたPS版等
の画像部に比べ親油性が低い。この原因は、単に温水に
よる水洗だけでは、元来親油性である金属銀で形成され
た銀画像部に、ハロゲン化銀乳剤層由来のゼラチンが残
存し、このためにインキ受理性が低下することにある。
【0006】このような問題点を解決する方法として、
タンパク質分解酵素を利用する方法が知られている。例
えば、米国特許第4,567,131号公報には、仕上
げ処理工程でタンパク質分解酵素と親油化剤を作用させ
ることが開示されている。さらに、特開平10−488
29には水洗工程でタンパク質分解酵素を作用させる方
法、特開平10−193827では印刷開始時に版面を
処理するためのスターター液にタンパク質分解酵素を含
有させる方法が開示されている。また、特開平10−1
33381にも上記と同様、親油化剤とタンパク質分解
酵素を用いて銀塩アルミニウム平版印刷版の銀画像部の
親油性を高める方法が開示されている。これらのなかで
も、水洗工程においてタンパク質分解酵素を作用させる
方法がもっとも効率がよい。
【0007】また、前工程の現像処理を安定化させるた
めに、現像処理以降の工程では弱アルカリから酸性にP
Hを緩衝させ現像処理におけるアルカリを中和する機能
を付与することが一般的である。しかしながら、現像処
理以降の工程で中和反応を行うと、現像処理でアルミニ
ウム支持体から溶出するアルミニウムイオンが不溶性の
塩を形成してローラーに付着物が発生したり、水洗槽に
スライムが発生し循環系が詰まったりといった不都合が
生じることがある。これらの現象は特に水洗工程で著し
い。
【0008】上記の不都合を解決するために、例えば、
特開平11−38643、あるいは特開平11−846
65には、水洗液にキレート剤を含有させる方法が開示
されている。これらの方法はローラーの付着物やスライ
ムの発生を防止するのに高い効果を示す。
【0009】これらの特許に挙げられているようなキレ
ート剤を含んだ処理液に対して、画像部のインキ受理性
を向上させるために、タンパク質分解酵素を含有させる
ことができる。このような処理液を用いれば、画像部の
インキ受理性を向上させると同時に、ローラーの付着物
やスライムの発生を防止する事ができる。しかしなが
ら、調液の後時間が経過するとともに、インキ受理性が
徐々に低下していくという問題が判明した。言い換えれ
ば、インキ受理性の向上とローラーの付着物やスライム
の発生を防止を同時に実現するために、現像処理後に用
いる処理液にタンパク質分解酵素とキレート剤の両方を
含有させると、この処理液は経時によってインキ受理性
が低下していくという、液の保存性に関する問題があ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、経時によってインキ受理性を低下させることなく、
かつ現像処理後の処理工程でのローラーの付着物やスラ
イムの発生を防止する処理液を提供することであり、特
に水洗工程で用いる水洗液で前記の目的を達成すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記手段によって達成された。陽極酸化されたアルミニウ
ム支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀
錯塩拡散転写法を利用した平版印刷材料に、露光後少な
くとも現像処理及び水洗処理を施す平版印刷版の処理に
おいて、現像処理後に用いられる処理液がタンパク質分
解酵素及び下記Aに示す化合物を共に含むことを特徴と
する平版印刷版の処理液。A:C、H、O原子のみから
構成され、一つのカルボキシル基と2つ以上の水酸基を
もつ化合物。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、現像処理後に平
版印刷版に施される処理液としては、水洗液、仕上げ
液、及び現像処理と水洗処理の間に必要に応じて設けら
れる中和液が挙げられるが、本発明は、特にハロゲン化
銀乳剤層を水洗除去するための水洗液に適用した場合に
有効であり、以下水洗液に適用した場合について説明す
る。本発明の水洗液に用いられるタンパク質分解酵素
(以降、酵素と称す)は、ゼラチンなどのタンパク質を
加水分解できる植物性または動物性酵素で公知のものが
用いられる。例えば、ペプシン、レンニン、トリプシ
ン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシ
ン、トロンビン、レニン、コラゲナーゼ、ブロメライ
ン、細菌プロテアーゼ等が挙げられる。この中でも特
に、トリプシン、パパイン、フィシン、細菌プロテアー
ゼが好ましい。その中でも特に細菌プロテアーゼ(例え
ば、長瀬産業(株)製のビオプラーゼ)は安価に市販さ
れており容易に入手が可能である。本発明の水洗液の酵
素含有量は、特に指定はないが、通常使用液にして、
0.1〜50g/リットル程度が適当である。
【0013】本発明の水洗液には、下記Aに示す特徴を
有する化合物を含む。A:C、H、O原子のみから構成
され、一つのカルボキシル基と2つ以上の水酸基をもつ
化合物。ただし、これらの化合物は水酸基とカルボキシ
ル基は脱水して縮合していても良い。
【0014】以下に上記化合物の具体例を示すが、本発
明はこれに限定されるものではない。グルコン酸、ヘプ
トン酸、2,3ジヒドロキシ安息香酸、2,4ジヒドロ
キシ安息香酸、2,5ジヒドロキシ安息香酸、2,6ジ
ヒドロキシ安息香酸、3,4ジヒドロキシ安息香酸、
3,5ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4トリヒドロキ
シ安息香酸、2,4,6トリヒドロキシ安息香酸、没食
子酸、キナ酸、シキミ酸、グルクロン酸、グルコノラク
トン等が挙げられる。この中でも特に、グルコン酸、ヘ
プトン酸、グルクロン酸、キナ酸、グルコノラクトン等
の分子内に炭素−炭素間の二重結合のないものが好まし
い。
【0015】これら化合物Aの添加量は、処理液1リッ
トル当たり5ミリモル以上が好ましい。より好ましくは
10ミリモル以上である。添加量は多いほどローラーの
付着物やスライムの発生を防止する効果が高いので特に
上限はないが、処理液1リットル当たり10〜100ミ
リモル程度が適当である。
【0016】本発明の水洗液には、さらに、液の経時安
定性を付与するために、水溶性ゼラチンを加えることが
好ましい。ここで言う水溶性ゼラチンは、重量平均分子
量が1000から3万程度の間の低分子量のゼラチンが
該当する。さらに、アミノ酸残基をコハク酸やフタル酸
で修飾して水溶性を向上させたゼラチンであっても良
い。これらの水溶性ゼラチンの添加量は、0.1〜50
g/リットル程度が適当である。
【0017】上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロ
ゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、
通常、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付け
る方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラ
で乳剤層を剥離する方法が採用されている。また、水洗
工程は、水洗液を循環させて再利用するクローズドタイ
プが一般に用いられている。
【0018】本発明の水洗液には、特にpHを設定する
必要は無いが、現像処理の中和安定の役割を持たせる目
的で、適当な緩衝剤を用いて4〜9の間に設定する事が
好ましい。pHを4〜9の範囲に緩衝させる緩衝剤とし
て、例えば燐酸塩緩衝剤を含有することができる。ま
た、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンを緩
衝剤として用い、適当な酸でpHを調整する事もでき
る。本発明の水洗液には、上記の通り、液の保存性の観
点から、化合物A以外のいわゆるキレート剤は、できる
限り少量にすることが求められる。また、防腐剤を含有
させてもよい。水洗液中には更に親油化剤を含有させる
ことが好ましい。前記親油化剤としてはメルカプト基ま
たはチオン基を有する含窒素複素環化合物が好ましい。
【0019】以下に親油化剤の具体例を挙げる。2−メ
ルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト
−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズ
イミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイ
ミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミ
ダゾール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2
−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−
チオン、2,2´−ジメルカプト−1,1´−デカメチ
レン−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニル
チアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−
メルカプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチア
ゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン
−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオ
キサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−
1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n
−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−
nヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−
フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタ
デシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾー
ル、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2
−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノ
リン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチ
ル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,
6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−
ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4
−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジ
ン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−S−
トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−トリアゾリン等が挙
げられる。
【0020】水洗液への親油化剤の添加量は、使用液に
して0.01〜10g/リットル程度が適当である。上
記メルカプト基またはチオン基を有する含窒素複素環化
合物はアルカリ溶液には溶解するが、中性から弱酸性の
仕上げ液には溶解しないため、有機溶剤、アミン化合物
(例えばアミノアルコール)、ポリエチレングリコー
ル、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤等の溶
解助剤を用いて添加することができる。
【0021】本発明の仕上げ液には、非画像部の保水性
を安定させるためにリン酸及びリン酸1アンモニウムの
ごときリン酸の塩を用いることができる。その他にも同
様の目的で、クエン酸、酒石酸等のオキシカルボン酸あ
るいはその塩、アラビヤガム、デキストリン、アルギン
酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレングリコールエス
テル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール
等の保護コロイド、またはそれらの混合物等の親水性ポ
リマーを用いることができる。
【0022】さらに本発明の仕上げ液には、水洗液と同
様、上記のような親油化剤を用いることができる。仕上
げ液への親油化剤の添加量は、使用液にして0.01〜
10g/リットル程度が適当である。
【0023】さらに本発明の仕上げ液には、グリセリ
ン、ポリグリセロールまたはポリエチレングリコール等
のアルキレングリコールとその誘導体を含有することが
できる。また、防腐剤を含有しても良い。
【0024】本発明に用いられる仕上げ液のPHは特に
規定は無いが、保水性の安定のためにはあまり高いpH
は好ましくなく、好ましくは8以下、さらに好ましくは
6.5以下である。
【0025】銀塩印刷版の製版に用いられる現像液に
は、現像主薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピ
ラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナト
リウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸
ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロー
ス、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、
例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶
剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、
チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤を含ま
せることができる。上記親油化剤を含有させてもよい。
現像液のpHは通常10〜14、好ましくは12〜14
である。
【0026】銀塩印刷版は、前記したようにアルミニウ
ム支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する。
ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化銀、臭化
銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等
から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モル%以上
のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタイプとし
てはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これらのハロゲ
ン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはスペクトル
増感することができる。
【0027】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0028】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0029】本発明に用いられるアルミニウム支持体は
粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ま
しくは米国特許第5,427,889号公報に記載され
ているものが用いられる。
【0030】本発明において、アルミニウム支持体の物
理現像活性を高め、画像金属銀の形成を安定的に行う目
的で、アルミニウム支持体とハロゲン化乳剤層の間に物
理現像核層を設けることが好ましい。上記物理現像層の
物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いら
れるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウ
ム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物な
どが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイ
ドを用いることもできる。これらの詳細及び製法につい
ては、例えば、特公昭48−30562号、特開昭48
−55402号、同53−21602号、フォーカル・
プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アン
ドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフ
ィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロ
セシズ」を参照し得る。
【0031】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報に記載
の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよ
い。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米
国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従っ
て、平均直径約5μmのプラート上に直径0.03〜
0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600
個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μm
である厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。この
アルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平
均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。陽極酸
化膜量は2.1g/m2であった。
【0033】このアルミニウム支持体に硫化パラジウム
核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれ
る核量は3mg/m2であった。
【0034】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.006
ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀0.
4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、この
乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらにこの
乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、赤色領
域に分光感度を持つ増感色素を銀1g当たり3mg用い
て分光増感した。
【0035】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体
上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.5g/m2になる
ように塗布乾燥して平版印刷材料試料を得た。
【0036】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(三菱製紙社製P−α880自動現像機)
で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサー
は、現像処理工程(22℃、10秒間浸漬)、水洗処理
工程(32℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながら
スクラブローラで乳剤層をウオッシュオフする)、仕上
げ処理工程及び乾燥工程から構成されている。水洗処理
工程は、貯留タンクに貯留された20リットルの水洗液
をポンプで循環させて、平版印刷版にシャワー噴射した
後、濾過フィルターで濾過して貯留タンクに回収し再使
用するクローズドタイプになっている。
【0037】用いた現像液、水洗液及び仕上げ液の組成
は次の通りである。 <現像液> 水酸化ナトリウム 20g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g N-メチルエタノールアミン 6g チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 8g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g 脱イオン水で1000mlとする。 pH(25℃)=13.4
【0038】 <水洗液A> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g トリエタノールアミン 10.0g N−メチルジエタノールアミン 2.5g 酢酸 2.0g タンパク質分解酵素 1g 水溶性ゼラチン 10g 水を加えて全量を1000mlに調整する。pHは7.
0に調整した。タンパク質酵素としてビオプラーゼAL
−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用
いた。水溶性ゼラチンとしてWGUゼラチン(新田ゼラ
チン(株)製)を用いた。
【0039】<水洗液B>上記水洗液Aにエチレンジア
ミン4酢酸を5g加え、水酸化ナトリウムでpHを7.
0に調整した。 <水洗液C>上記水洗液Aにアミノトリメチレンホスホ
ン酸を5g加え、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調
整した。 <水洗液D>上記水洗液Aに酒石酸を5g加え、水酸化
ナトリウムでpHを7.0に調整した。 <水洗液E>上記水洗液Aにサリチル酸5g加え、水酸
化ナトリウムでpHを7.0に調整した。 <水洗液F>上記水洗液Aにグルコン酸を5g加え水酸
化ナトリウムでpHを7.0に調整した。 <水洗液G>上記水洗液Aにグルクロン酸を5g加え水
酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した。 <水洗液H>上記水洗液Aに2,4ジヒドロキシ安息香
酸を5g加え、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整
した。
【0040】 <仕上げ液> アラビアゴム 10g 硝酸ナトリウム 20g ポリエチレングリコール#400 100g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g カチオン系界面活性剤 5g リン酸1アンモニウム 10g 脱イオン水で1000mlとする。 カチオン系界面活性剤としてナイミーンL−703(日
本油脂(株)製)を、タンパク質分解酵素としてビオプ
ラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業
(株)製)を用いた。水酸化ナトリウムにてpHは5.
0に調整した。
【0041】A〜Hのそれぞれの水洗液は、調液後35
℃1ヶ月間加温しておいたものを使用した。上記記載の
方法で100m2処理した後、ローラーの付着物の有無、
スライム発生の有無等、水洗液の状況を確認した。ま
た、100m2処理後に作成された平版印刷版を下記の方
法で印刷した。これまで経験的に得られた比較的インキ
受理性の悪い印刷条件、即ち、印刷機小森スプリント2
6(小森コーポレーション社製オフセット印刷機の商
標)、インキ(大日本インキ株製のニューチャンピオン
墨H)及び市販のPS版用給湿液を用いて印刷を行い、
印刷開始時のインキ受理性(インキ乗り)を評価した。
インキ受理性は印刷開始後、画像の濃度の変化の起きな
くなる迄の枚数で評価した。以上の結果を表1に示す。
なお、表1の水洗液の状況は、ローラーに付着物が発生
している場合、あるいは、水洗槽にスライムが発生して
いる場合を×、それらが見られない場合を○とした。
【0042】
【表1】 ──────────────────────────────────── 水洗液 100m2処理後の水洗液の状況 インキ乗り枚数 備考 ──────────────────────────────────── A × 10枚 比較 B ○ 100枚以上 比較 C ○ 100枚以上 比較 D ○ 100枚以上 比較 E × 70枚 比較 F ○ 10枚 本発明 G ○ 10枚 本発明 H ○ 30枚 本発明 ────────────────────────────────────
【0043】なお、調液後の水洗液A〜Hを用いてダウ
用の試験を行ったが、いずれもインキ乗り枚数は10枚
であった。表1の結果から明らかなように、本発明の水
洗液は、100m2処理後も、ローラーに付着物もなく水
洗槽にスライムも発生せず、なおかつ35℃1ヶ月の経
時においても良好なインキ受理性を保持している。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、陽極酸化されたアルミ
ニウム支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を有す
る銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷材料に、露光後
少なくとも現像処理及び水洗処理を施す平版印刷版の処
理において、現像処理後に用いられる処理液がタンパク
質分解酵素及び本発明の化合物を共に含むことを特徴と
する平版印刷版の処理液によって、経時によるインキ受
理性の低下がなく、水洗工程でのローラーの付着物やス
ライムの発生を防止する処理液を提供することができ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化されたアルミニウム支持体上に
    少なくともハロゲン化銀乳剤層を有する銀錯塩拡散転写
    法を利用した平版印刷材料に、露光後少なくとも現像処
    理及び水洗処理を施す平版印刷版の処理において、現像
    処理後に用いられる処理液がタンパク質分解酵素及び下
    記Aに示す化合物を共に含むことを特徴とする平版印刷
    版の処理液。A:C、H、O原子のみから構成され、一
    つのカルボキシル基と2つ以上の水酸基をもつ化合物。
  2. 【請求項2】 前記処理液がハロゲン化銀乳剤層を水洗
    除去するために用いられる水洗液である請求項1記載の
    平版印刷版の処理液。
JP2002095567A 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の処理液 Pending JP2003295464A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095567A JP2003295464A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の処理液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095567A JP2003295464A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の処理液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003295464A true JP2003295464A (ja) 2003-10-15

Family

ID=29238993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095567A Pending JP2003295464A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の処理液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003295464A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137917A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kao Corp バイオフィルム制御剤組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137917A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kao Corp バイオフィルム制御剤組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5910391A (en) Process for making lithographic printing plate with water wash containing mercapto compound
JP2003295464A (ja) 平版印刷版の処理液
JP3736943B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3368154B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2003167349A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP3763705B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3778749B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液
JP3736981B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2002287379A (ja) タンパク質分解酵素を用いた写真処理液、及び平版印刷用処理液
JP3518719B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液及び製版方法
JP3739228B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液
JP3480663B2 (ja) 平版印刷版及び製版方法
JP3778768B2 (ja) 平版印刷版用仕上げ液
JP3512588B2 (ja) アルミニウム平版印刷版の製版方法
JP2001281841A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3678888B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11338166A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2003107750A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2002006505A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2001281843A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH11160878A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2003295473A (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2006284710A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2006267340A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2000206697A (ja) 平版印刷版の製版方法