JP2006284710A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】停機、再印刷を繰り返した時に発生するインキ汚れを改良したアルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の製版方法を提供することである。
【解決手段】陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版に、露光後少なくとも現像液、水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施す製版方法において、前記仕上げ液にアルカリ土類金属とシュウ酸もしくはマロン酸を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
【選択図】 なし
【解決手段】陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版に、露光後少なくとも現像液、水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施す製版方法において、前記仕上げ液にアルカリ土類金属とシュウ酸もしくはマロン酸を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の製版方法に関するものである。
現在、平版印刷の分野において、アルミニウム板を支持体とした平版印刷版は、感光性樹脂を用いたPS版(プレセンシタイズド版)をはじめ各種印刷版が知られている。例えば、特開平7−20629号、特開平7−271029号に記載のサーマルプレート、特開平7−314934号、特開平8−48018号に記載のレーザーアブレーションを利用した平版印刷版、及び特開平5−265216、特開平5−313206号、特開平7−56345号、特開平9−6005号に記載の銀錯塩拡散転写方式を利用した銀塩印刷版等が知られている。本発明は銀塩印刷版を対象とするものである。
前記銀塩アルミニウム平版印刷版は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなっている。
詳細には、現像処理によってアルミニウム支持体上に物理現像によって金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上の金属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部として露出する。
銀塩印刷版は、高感度、高感色性と高い解像力、高いシャープネスを持った画像を形成することが可能であり、光による画像形成方法としては非常に有利な方法である。しかし金属銀によってなる銀画像部は、感光性樹脂によって形成されたPS版等の画像部に比べ、親油性が低い。従って、銀塩印刷版はPS版等に比べ、製版処理工程での高い親水性の付与は、画像部の親油性の低下を顕著に招く。それ故、現像処理は言うまでもなく、水洗処理、仕上処理の役割もその両者間で大きく異なる。即ち、銀塩印刷版の処理は、非画像部の親水性と画像部の親油性をバランスよく高めることが要求される。
上記理由から、印刷時の非画像部のインキ汚れは、現像処理は言うまでもなく、水洗処理、仕上処理の方法によって大きく異なる。
また、版の非画像部の親水性を強化したり、画像部の親油性を強化する事を目的に、印刷直前にスターター液と呼ばれる液を版面に塗布することが行われることがある。スターター液を使用するにあたっても、非画像部の親水性と画像部の親油性のバランスをさらに高める機能を持たせることが重要である。
版面の保護及び非画像部の親水性向上のためには、通常、アラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にする化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する含窒素複素環化合物)を含有することも一般的である。
前記アルミニウム平版印刷版の製版方法における課題として、非画像部の親水性向上には不十分であり、特に、印刷中に停機、再印刷を繰り返しているうちにインキ汚れが発生するという問題がある。このインキ汚れの問題については、親油化剤含有液で処理後、乾燥工程を経てアラビアガムを含有する処理液を版面に適用することが特開2001−272772号公報(特許文献1)に開示されており、特開2001−281840号公報(特許文献2)には仕上げ液またはスターター液にアミン類を含有させることが記載されている。更に特開2002−6505号公報(特許文献3)には現像された版面にリン酸とアルカリ土類金属を同時またはリン酸を先に施す処理方法が記載されている。これらの方法によって、停機、再印刷を繰り返した時に発生するインキ汚れはある程度改良されたが、十分満足できるものではなかった。
特開2001−272772号公報、第1頁〜第8頁
特開2001−281840号公報、第1頁〜第8頁
特開2002−6505号公報、第1頁〜第8頁
本発明の目的は、停機、再印刷を繰り返した時に発生するインキ汚れを改良したアルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の製版方法を提供することである。
本発明の上記目的は、陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版に、露光後少なくとも現像液、水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施す製版方法において、前記仕上げ液にアルカリ土類金属とシュウ酸もしくはマロン酸を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法で達成できた。
本発明者は、一旦停機した後の再印刷時の汚れ発生メカニズムについて、次のように推測している。特開平7−287398号、特開平7−287399公報等に記載のあるようなこれまでの仕上げ液では、一旦印刷を行うと印刷版に塗布されていた仕上げ液中の版面親水化保護剤のほとんどは洗い流されてしまい、版面に残らない。従って印刷版上の非画像部には給湿液の成分以外は、むき出しの陽極酸化アルミの表面が現れる。一般に銀塩印刷版の陽極酸化被膜は封孔処理(陽極酸化皮膜の微細孔を封鎖する)が施されない場合が多く、この場合においてはむき出しの陽極酸化アルミ表面は空気中で腐食を受けやすい。特に印刷機上は高温高湿の状態になっているために、陽極酸化膜が容易に破壊されてアルミの腐食が起こり、そこが汚れの起点となる。
このような腐食を防止するためには、陽極酸化膜を厚くすることが一つの方法として挙げられる。5g/m2以上陽極酸化膜を付けると効果はあるものの、陽極酸化膜の厚みを増すことはアルミベース製造時に多大な電力消費を伴い、経済的にコストがかかりすぎる。またあまりに陽極酸化膜を厚くすると表面に欠陥が生じやすく、このような背景にあって、陽極酸化膜の比較的薄いアルミニウム支持体を用いた平版印刷版に本発明は好適であり、特に陽極酸化膜が3.5g/m2以下、さらには3g/m2以下の場合に高い効果を発現する。
従って本発明者らは陽極酸化膜厚を増やすことなく本目的を達成するために鋭意検討した結果、陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版に、露光後少なくとも現像液、水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施す製版方法において、前記仕上げ液にアルカリ土類金属とシュウ酸もしくはマロン酸を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法によって上記目的が達成されることを見いだした。
本発明を詳細に説明する。本発明における効果は平版印刷版を現像処理後、水洗処理して以降適用することにより、その効果を発現するものであり、仕上げ液に適用される。
本発明の仕上げ液で用いられるアルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム等を挙げることができる。取り扱い性やコストを考慮に入れると、これらの中でも特にマグネシウム及びカルシウムが好ましく、その中でも特にマグネシウムが好ましい。実際にはこれらアルカリ土類金属は塩の形で処理液に添加することが好ましい。
以下に本発明に用いられる金属塩の具体例を挙げるが本発明はこれに限定されるものではない。酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、リン酸二水素カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、臭化マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウムを挙げることができる。これらの塩は水溶液あるは水和物の形で仕上げ液に添加しても良い。
これら金属塩の添加量は、仕上げ液1リットル当たり5ミリモル以上が好ましい。より好ましくは0.1モル以上である。特に上限はないが、仕上げ液1リットル当たり0.2〜0.5モル程度が適当である。
本発明の仕上げ液で用いられるシュウ酸、マロン酸の添加量は、仕上げ液1リットル当り1〜50g、好ましくは5〜30g程度である。
本発明の仕上げ液のpHは、3〜8の間が好ましく、さらに好ましくは4〜7である。pH調整にはリン酸、硫酸等を使用することができる。
本発明の仕上げ液には、リン酸またはその塩を含むことが望ましい。リン酸またはリン酸塩の例としては、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸カリウム、トリエタノールアミンリン酸塩、その他のアミン類とのリン酸塩を挙げることができる。これらの添加量は、好ましくは1〜100gの範囲である。
本発明の仕上げ液には、保存安定性を高めるためにキレート剤を用いることができる。キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸等のアミノポリカルボン酸あるいはその塩、フィチン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等のポリホスホン酸あるいはその塩、そのほかにも、ポリアクリル酸等のポリマーやメタリン酸、ポリリン酸あるいはその塩を挙げることができる。
本発明の仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイド、またはそれらの混合物を含有することができる。また、防腐剤を含有させてもよい。仕上げ液には更にタンパク質分解酵素を含有させるのが好ましい。これらの酵素の例としてはペプシン、レニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロンビン、レンニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、細菌プロテアーゼを挙げることができる。
本発明の仕上げ液は、銀画像部を親油化にする化合物(親油化剤)を含有させることが望ましい。親油化剤としては、2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2’−ジメルカプト−1,1’−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−トリアゾリン等が挙げられる。
本発明の仕上げ液への親油化剤の添加量は、0.01〜10g/リットル程度が適当である。上記メルカプト基またはチオン基を有する化合物はアルカリ溶液には溶解するが、中性から弱酸性の仕上げ液には溶解しないため、有機溶剤、アミン化合物(例えばアミノアルコール)、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤等の溶解助剤を用いて添加することができる。
銀塩印刷版の製版に用いられる現像液には、現像主薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤を含ませることができる。上記親油化剤を含有させてもよい。現像液のpHは通常10〜14、好ましくは12〜14である。
銀塩印刷版の製版に用いられる水洗液には、pHを4〜9、好ましくは5〜7.5の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を含有することができる。また、防腐剤を含有させてもよい。水洗液には更に上記タンパク質分解酵素及び親油化剤を含有させることが好ましい。
上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、通常、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳剤層を剥離する方法が採用されている。また、水洗工程は、水洗液を循環させて再利用するクローズドタイプが一般に用いられている。
銀塩印刷版は、前述したようにアルミニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはスペクトル増感することができる。
ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとしてはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成する際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。また、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有させることができる。用いられる親水性コロイドとしては、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセテート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含有させてもよい。
本発明に用いられるアルミニウム支持体は粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ましくは米国特許第5,427,889号公報に記載されているものが用いられる。
本発明で用いられる物理現像核層の物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いることもできる。フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
本発明において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載の水膨潤性中間層、特開平4−282295号公報に記載の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよい。
上記アルミニウム平版印刷版の現像処理方法としては多量の現像液を槽中に貯留し、その槽中に平版印刷版を挿入する現像処理方法及び特開平6−51521号、特開平6−51520号、特開平7−234517号、特開2001−174970号公報に開示されている様な平版印刷版上に現像液を塗布する現像処理方法のいずれの方法であっても得られた平版印刷版は使用することができる。
以下に本発明を実施例により説明する。記載中、%は断りのない限り質量%を表す。
幅1030mm、厚み0.24mmのA1050タイプアルミニウム板帯を13m/minの処理速度で移動させ、60℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗し、30℃の1.5%の塩酸と2%の酢酸を満たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、電源より40A/dm2、50Hzの単相交流電流を30秒間流して、交流電解粗面化し、水洗し、その後70℃、6%硝酸水溶液に10秒間浸漬してデスマットし、水洗し、乾燥した。さらに25℃、20%硫酸中に通し、陽極酸化を行い、陽極酸化アルミニウム量2.0g/m2のアルミニウム支持体を得た。
これらのアルミニウム支持体に硫化パラジウム核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれる核量は1mg/m2であった。
ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイドとしてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウムを銀1モル当たり0.006ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらにこの乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、増感色素を銀1g当たり3mg用いて赤色領域に分光増感した。
このようにして作製したハロゲン化銀乳剤に界面活性剤を加えて塗布液を作製した。この乳剤層塗布液を前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.0g/m2になるように塗布乾燥して平版印刷材料を得た。
上記平版印刷材料を赤色半導体レーザーであるイメージセッターSDP−α2400(三菱製紙(株)製)で2400dpi、175lpiで50mm×50mmの30%網点画像と線幅50μmで縦横の長さ20mmの十字形の細線画像を含む画像の出力を行い、次に製版用プロセッサー(三菱製紙(株)製P−α880自動現像機)で処理して平版印刷版を作製した。製版用プロセッサーは、現像処理工程(22℃、10秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層をウオッシュオフする)、仕上げ処理工程(20℃、5秒間ローラー塗布)及び乾燥工程から構成されている。水洗処理工程は、貯留タンクに貯留された20リットルの処理液をポンプで循環させ、平版印刷版にシャワー噴射した後、濾過フィルターで濾過して貯留タンクに回収し再利用するクローズドタイプになっている。
用いた処理液を下記に示す。
〈現像液〉
水酸化ナトリウム 30g
ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体
(平均分子量50万) 10g
ハイドロキノン 15g
1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g
亜硫酸ナトリウム 100g
モノメチルエタノールアミン 50g
2−メルカフ゜ト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.1g
5メルカプト−1フェニルテトラゾール 0.8g
5メチルベンゾトリアゾール 0.2g
チオ硫酸ナトリウム 20g
アミノトリメチレンホスホン酸 7g
硫酸カルシウム 1g
脱イオン水で全量を1000mlに調整する。pHは13.3に調整した。
〈現像液〉
水酸化ナトリウム 30g
ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体
(平均分子量50万) 10g
ハイドロキノン 15g
1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g
亜硫酸ナトリウム 100g
モノメチルエタノールアミン 50g
2−メルカフ゜ト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.1g
5メルカプト−1フェニルテトラゾール 0.8g
5メチルベンゾトリアゾール 0.2g
チオ硫酸ナトリウム 20g
アミノトリメチレンホスホン酸 7g
硫酸カルシウム 1g
脱イオン水で全量を1000mlに調整する。pHは13.3に調整した。
〈水洗液〉
2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.5g
トリエタノールアミン 20g
重亜硫酸カリウム 6g
アミノトリメチレンホスホン酸 20g
タンパク質分解酵素 1g
水を加えて全量を1000mlに調整する。pHは7.4に調整した。
タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.5g
トリエタノールアミン 20g
重亜硫酸カリウム 6g
アミノトリメチレンホスホン酸 20g
タンパク質分解酵素 1g
水を加えて全量を1000mlに調整する。pHは7.4に調整した。
タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
〈仕上げ液A〉
アラビアゴム 10g
硝酸マグネシウム6水和物 30g
ポリエチレングリコール#400 100g
2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.5g
カチオン系界面活性剤 5g
リン酸アンモニウム 30g
エチレンジアミン4酢酸 0.5g
タンパク質分解酵素 1g
脱イオン水で1000mlに調整する。
カチオン性界面活性剤としてナイミーンL−703(日本油脂(株)製)を用いた。タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
アラビアゴム 10g
硝酸マグネシウム6水和物 30g
ポリエチレングリコール#400 100g
2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.5g
カチオン系界面活性剤 5g
リン酸アンモニウム 30g
エチレンジアミン4酢酸 0.5g
タンパク質分解酵素 1g
脱イオン水で1000mlに調整する。
カチオン性界面活性剤としてナイミーンL−703(日本油脂(株)製)を用いた。タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
〈仕上げ液B〉
上記仕上げ液Aに酢酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
〈仕上げ液C〉
上記仕上げ液Aにプロピオン酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
〈仕上げ液D〉
上記仕上げ液Aにシュウ酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
〈仕上げ液E〉
上記仕上げ液Aにマロン酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
上記仕上げ液Aに酢酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
〈仕上げ液C〉
上記仕上げ液Aにプロピオン酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
〈仕上げ液D〉
上記仕上げ液Aにシュウ酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
〈仕上げ液E〉
上記仕上げ液Aにマロン酸を20g加え、水酸化ナトリウムにてpHは4.0に調整した。
上記記載の方法で作製された平版印刷版を、印刷機スプリント26((株)小森コーポレーション製オフセット印刷機の商標)、インキ(東洋インキ製造(株)製のTOYOハイエコー紅MZ)及び給湿液(日研化学研究所(株)製のアストロマーク3)を使用して印刷した。通常の方法で200枚印刷後、版を印刷機に装着したまま60分停機、その後水を送らずにインキだけを版に送って20枚印刷し、版をインキで全面汚す。次に水を送り非画像部の汚れがとれていく様子を観察する。水を送り始めてから100枚目の印刷物をサンプリングし、印刷物にインキ汚れがないかを見る。典型的な汚れの状態は網点部分に直径0.1mm〜5.0mmの斑点状に出る汚れであり、この斑点状の汚れの大きさ、個数によって評価を行った。もちろんこうした汚れが出ない印刷版が安定した印刷性を示す良い印刷版である。
評価の結果を表1に示す。汚れが全くないものを○、斑点状の汚れの直径が0.5mm以下でその個数が100平方センチメートル当たり5個以下のものを△、斑点状の汚れの直径が0.5mm以上のものがある場合、もしくは100平方センチメートル当たり直径が0.5mm以下の斑点状の汚れが10個以上ある場合は×とした。
表1の結果から明らかなように、仕上げ液にアルカリ土類金属とシュウ酸もしくはマロン酸を含有することによって停機、再印刷を繰り返した時に発生するインキ汚れを改良したアルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の製版方法を提供することが可能である。
Claims (1)
- 陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版に、露光後少なくとも現像液、水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施す製版方法において、前記仕上げ液にアルカリ土類金属とシュウ酸もしくはマロン酸を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
Priority Applications (1)
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JP2005101839A JP2006284710A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 平版印刷版の製版方法 |
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