JPH1051888A - スピーカ装置および音声再生システム - Google Patents

スピーカ装置および音声再生システム

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JPH1051888A
JPH1051888A JP8359044A JP35904496A JPH1051888A JP H1051888 A JPH1051888 A JP H1051888A JP 8359044 A JP8359044 A JP 8359044A JP 35904496 A JP35904496 A JP 35904496A JP H1051888 A JPH1051888 A JP H1051888A
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JP
Japan
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coil
speaker
audio signal
digital audio
primary coil
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JP8359044A
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English (en)
Inventor
Jun Kishigami
純 岸上
Masao Fujihira
正男 藤平
Takahiro Muraguchi
高弘 村口
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/005Details of transducers, loudspeakers or microphones using digitally weighted transducing elements
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2209/00Details of transducers of the moving-coil, moving-strip, or moving-wire type covered by H04R9/00 but not provided for in any of its subgroups
    • H04R2209/043Short circuited voice coils driven by induction

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  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁結合スピーカによって低域までの再生が
可能となり、低音から高音までを再生するフルレンジス
ピーカを実現できるようにする。 【解決手段】 スピーカユニット10は、電磁結合スピ
ーカで、空隙が形成された磁気回路の空隙の近傍部分に
一次コイル1A,1B〜1N,1Pを固定し、振動板に
固定して空隙内に二次コイルを配し、一次コイル1A,
1B〜1N,1Pに流れる信号電流により二次コイルに
二次電流が誘起されて、振動板が偏位するものとする。
このスピーカユニット10の一次コイル1A,1B〜1
N,1Pを、シリアルパラレル変換器220からの2’
sコンプリメントコードであるデジタル音声信号のMS
Bを除く各ビットに対応させて、MSBを除く各ビット
のデータによって駆動し、振動板をMSBの値に応じた
方向に偏位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、音響再生用のス
ピーカ装置、およびこれを用いた音声再生システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】音響再生用のスピーカとしては、各種の
タイプのものが考えられ、実用化されている。
【0003】例えば、センターポール・ヨークとプレー
トとによってマグネットを挟んで、センターポール・ヨ
ークのセンターポール部とプレートとの間に空隙を有す
る磁気回路を構成し、その磁気回路の空隙内において、
センターポール部またはプレートに一次コイルを固定
し、これと対向するように振動板に固定して磁気回路の
空隙内に、ショートコイルを構成する二次コイルを配し
たスピーカユニットが、電磁結合(電磁誘導形)スピー
カとして実用化されている。
【0004】この電磁結合スピーカでは、一次コイルに
流れる信号電流によって、二次コイルに二次電流が誘起
され、磁気回路の空隙に生じる磁束との相互作用によっ
て、フレミングの左手の法則により、二次コイルに二次
電流に応じた駆動力を生じて、二次コイルが固定された
振動板が偏位する。
【0005】この電磁結合スピーカは、信号電流が流れ
る一次コイルが、鉄などの磁性材料からなるセンターポ
ール部またはプレートなどに固定されるため、放熱性に
優れ、大入力にも耐えられる利点がある。また、ショー
トコイルを構成する二次コイルを、非磁性の導電材料、
例えばアルミニウムからなる、1ターン分のパイプない
し円筒体によって構成すれば、歪みを少なくすることが
できる。
【0006】他方で、磁気回路の空隙内にボイスコイル
を配置したダイナミック(導電型)スピーカが実用化さ
れており、このダイナミックスピーカでは、ボイスコイ
ルに電力を供給するとともに、ボイスコイルを含む振動
系に不用な振動や抵抗を与えないために、ボイスコイル
を錦糸線からなるコイル引出線によって、スピーカフレ
ームに設けた入力端子に接続する。
【0007】また、このダイナミックスピーカで、ボイ
スコイルをデジタル音声信号のビット数分に分割して、
それぞれのコイルを、デジタル音声信号のそれぞれのビ
ットに対応させて、それぞれのビットのデータで直接駆
動することが考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、電磁
結合スピーカは、放熱性に優れ、大入力にも耐えられる
利点があるとともに、歪みを少なくすることができる。
しかし、磁気回路の空隙の長さを大きくすると、スピー
カの感度が低下するため、一次コイルおよび二次コイル
は、ターン数を多くすることができない。
【0009】そのため、一次コイルおよび二次コイルの
インダクタンスを大きくすることができず、一次コイル
に流れる信号電流によって二次コイルに二次電流が誘起
される電磁結合力が、数kHzないし1kHz以下の低
域で小さくなって、音声の再生に必要な20Hzまでの
再生は不可能である。そのため、電磁結合スピーカは、
主として高音再生用のスピーカとして用いられている。
【0010】他方で、上述したように、ダイナミックス
ピーカでは、ボイスコイルを錦糸線からなるコイル引出
線によって、スピーカフレームに設けた入力端子に接続
する。また、ダイナミックスピーカで、ボイスコイルを
デジタル音声信号のビット数分に分割して、それぞれの
コイルをデジタル音声信号のそれぞれのビットのデータ
で直接駆動することが考えられている。
【0011】しかし、現在では、音声信号をデジタル化
する場合、音声の忠実な再生などのために、デジタル音
声信号を16ビットとするのが一般的である。そのた
め、ダイナミックスピーカで、ボイスコイルをデジタル
音声信号で駆動する場合には、一つのスピーカに16対
のコイル引出線が必要になる。
【0012】しかしながら、そのコイル引出線である錦
糸線はボイスコイルの振動とともに大きく振れるため、
互いの距離を小さくすることができない。そのため、1
6対もの錦糸線を小型のスピーカに設けるのは、かなり
困難である。
【0013】そこで、この発明は、電磁結合スピーカに
よって低域までの再生が可能となるようにしたものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明では、空隙が形
成された磁気回路の前記空隙の近傍部分に一次コイルが
固定され、振動板に固定されて前記空隙内に二次コイル
が配され、前記一次コイルに流れる信号電流により前記
二次コイルに二次電流が誘起されて前記振動板が偏位す
るスピーカユニットと、このスピーカユニットの前記一
次コイルをデジタル音声信号によって駆動するスピーカ
駆動回路と、を設ける。
【0015】音声信号をデジタル化する場合のサンプリ
ング周波数は、例えば44.1kHzまたは48kHz
というような、可聴周波数の上限と言われる20kHz
の2倍前後の高い周波数とされる。したがって、デジタ
ル化される前の音声信号の数kHzないし1kHz以下
というような低域成分も、デジタル音声信号としては2
0kHzを超える高い周波数となる。
【0016】また、電磁結合スピーカは、スピーカ感度
の低下を来さないように磁気回路の空隙の長さを小さく
し、一次コイルおよび二次コイルのターン数を少なくし
ても、一次コイルに流れる信号電流の周波数が20kH
zを超えるような高い周波数のときには、その電磁結合
力が低下せず、音声の再生が可能となる。
【0017】そして、上記のように構成された、この発
明のスピーカ装置においては、電磁結合スピーカの一次
コイルが、デジタル音声信号によって駆動されるので、
デジタル化される前の音声信号の低域成分も、一次コイ
ルに流れる信号電流としては20kHzを超える高い周
波数となる。したがって、電磁結合スピーカによって低
域までの再生が可能となる。
【0018】また、この発明では、空隙が形成された磁
気回路の前記空隙の近傍部分に一次コイルが固定され、
振動板に固定されて前記空隙内に二次コイルが配され、
前記一次コイルに流れる信号電流により前記二次コイル
に二次電流が誘起されて前記振動板が偏位するスピーカ
ユニットと、このスピーカユニットの前記一次コイルを
アナログ音声信号によって駆動するスピーカ駆動回路
と、を設け、このスピーカ駆動回路は、前記アナログ音
声信号を可聴周波数より高い周波数で断続させるものと
する。
【0019】このように構成された、この発明のスピー
カ装置においては、アナログ音声信号が可聴周波数より
高い周波数で断続されて電磁結合スピーカの一次コイル
に供給されるので、アナログ音声信号の低域成分も、一
次コイルに流れる信号電流としては20kHzを超える
高い周波数となる。したがって、電磁結合スピーカによ
って低域までの再生が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、この発明のスピーカ装置
を用いた音声再生システムの一例を示し、デジタル音声
出力装置からのデジタル音声信号によって音声を再生す
る場合である。
【0021】デジタル音声出力装置210は、CDプレ
ーヤやDAT(デジタルオーディオテープレコーダ)な
どで、そのデジタル出力端子から、例えば44.1kH
zまたは48kHzのサンプリング周波数で16ビット
にデジタル化された、左右の音声信号からなるステレオ
音声信号が、左右の音声データにつき1サンプルごとに
交互に、シリアルデータとして出力される。
【0022】このデジタル音声出力装置210からのシ
リアルデータの16ビットのデジタル音声信号が、シリ
アルパラレル変換器220に供給されて、シリアルパラ
レル変換器220において、左右のデジタル音声信号が
分離されるとともに、それぞれがパラレルデータに変換
され、そのパラレルデータとされた16ビットの左右の
デジタル音声信号が、左右のスピーカ装置100L,1
00Rに供給される。
【0023】スピーカ装置100L,100Rは、この
例では、それぞれ、デコーダ70、スピーカ駆動回路4
0およびスピーカユニット10を備え、それぞれ、デコ
ーダ70において、シリアルパラレル変換器220から
のパラレルデータとされた16ビットのデジタル音声信
号から、後述するような制御信号が生成され、その制御
信号がスピーカ駆動回路40に供給されて、スピーカ駆
動回路40により、スピーカユニット10の後述する一
次コイルが駆動される。
【0024】図2は、スピーカユニット10の一例を示
す。この例のスピーカユニット10では、センターポー
ル・ヨーク11のセンターポール部12の先端部の周囲
に、凹部13が形成され、この凹部13に嵌め込まれ
て、一次コイル1がセンターポール部12に取り付けら
れる。
【0025】一次コイル1は、空芯コイルとして巻回さ
れて、凹部13に圧入接着されることにより、センター
ポール部12に取り付けられ、または、凹部13に直
接、巻回されることによって、センターポール部12に
取り付けられ、または、図示していないが、磁性体ボビ
ンに巻回されて、その磁性体ボビンが凹部13に圧入接
着されることにより、センターポール部12に取り付け
られる。
【0026】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14には、センターポール部12と連続して近接する位
置において、開口(穴)15が形成され、フランジ部1
4の後面には、端子板16が取り付けられる。そして、
一次コイル1の、例えば錦糸線からなるコイル引出線1
7が、センターポール部12の周面に接着されて開口1
5に挿入され、端子板16上の入力端子18に、半田付
けによって接続される。
【0027】コイル引出線17は、一次コイル1の巻き
始めおよび巻き終りに、それぞれ設けられて、それぞれ
が別個の入力端子に接続される。また、後述するように
一次コイル1が複数のコイルで構成される場合には、そ
れぞれのコイルのコイル引出線17が、センターポール
部12の周面に接着されて開口15に挿入され、端子板
16上の入力端子18に接続される。
【0028】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14の前面には、マグネット21が接着され、マグネッ
ト21の前面には、プレート22が接着されて、センタ
ーポール部12の先端部の外周面とプレート22の内周
面との間に空隙23を有する磁気回路20が形成され
る。
【0029】磁気回路20の空隙23内には、ショート
コイルを構成する二次コイル2が挿入される。二次コイ
ル2は、この例では、非磁性の導電材料、例えばアルミ
ニウムからなる、1ターン分のパイプないし円筒体であ
る。
【0030】二次コイル2には、外周部にエッジ31が
付いたコーン32の内周部、センターキャップ33、お
よびダンパー34の内周部が、取り付けられる。また、
プレート22には、スピーカフレーム35が取り付けら
れ、コーン32の外周部のエッジ31、およびガスケッ
ト36が、スピーカフレーム35に取り付けられるとと
もに、ダンパー34の外周部が、スピーカフレーム35
に取り付けられる。
【0031】図3に示すように、一次コイル1の一部の
コイル1aがセンターポール部12の先端部の周面に取
り付けられ、残りのコイル1bがプレート22の内周面
に取り付けられてもよい。この場合、プレート22に取
り付けられたコイル1bのコイル引出線は、図では省略
しているが、例えば、プレート22とマグネット21と
の間に挿入されて、プレート22の外周面に取り付けら
れた端子板上の入力端子に接続される。また、図4に示
すように、一次コイル1がすべてプレート22の内周面
に取り付けられてもよい。
【0032】図2、図3または図4のように、二次コイ
ル2を1ターン分のアルミパイプなどにより構成するこ
とによって、二次コイル2を巻装するボビンを省略する
ことができる。
【0033】そして、一次コイル1を複数のコイルで構
成する場合、図1のシリアルパラレル変換器220から
の16ビットのデジタル音声信号が、図5に示すような
2’sコンプリメントコードで、かつ直線的に量子化さ
れたものであるときには、そのMSB(最上位ビット)
をサインビットとして、図5および図6に示すように、
一次コイル1を15個のコイル1A,1B…1N,1P
で構成して、コイル1AをLSB(最下位ビット)に対
応させて、例えば2ターンとし、以下、コイル1B,1
C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1
K,1L,1M,1N,1Pを、15SB,14SB,
13SB,12SB,11SB,10SB,9SB,8
SB,7SB,6SB,5SB,4SB,3SB,2S
Bに対応させて、それぞれ4ターン、8ターン、16タ
ーン…というように、一つ下位のビットに対応するコイ
ルのターン数の2倍のターン数とする。
【0034】図7は、この場合の、図1に示したデコー
ダ70およびスピーカ駆動回路40の部分の一例を示
し、スピーカ駆動回路40は、一次コイル1の15個の
コイル1A〜1N,1Pに対応して15個のコイル駆動
回路40A〜40N,40Pを有する。
【0035】そして、それぞれのコイル駆動回路40A
〜40N,40Pは、定電流源41A〜41N,41P
と、それぞれスイッチング素子としての4個のFET5
1〜54と、対応するコイル1A〜1N,1Pとが、ブ
リッジ接続されて構成され、FET51,53がオン、
FET52,54がオフとされるときには、対応する定
電流源の電流Iaが、対応するコイルにプラス方向に流
れ、FET51,53がオフ、FET52,54がオン
とされるときには、対応する定電流源の電流Iaが、対
応するコイルにマイナス方向に流れるようにされる。
【0036】定電流源41A〜41N,41Pの電流
は、すべて電流Iaで示すように等しい電流値にされ
る。同一のコイル駆動回路において、FET51〜54
がすべてオンまたはオフとされるときには、対応するコ
イルに電流は流れない。
【0037】デコーダ70は、一次コイル1の15個の
コイル1A〜1N,1Pに対応して、すなわちシリアル
パラレル変換器220からのデジタル音声信号のMSB
を除く15ビットに対応して、15個の制御信号生成回
路70A〜70N,70Pを有し、それぞれの制御信号
生成回路70A〜70N,70Pからは、シリアルパラ
レル変換器220からのデジタル音声信号のMSBと、
それぞれの制御信号生成回路70A〜70N,70Pに
対応する下位ビット(LSB〜2SB)とから、それぞ
れ後述するような4個の制御信号G1〜G4が得られ、
その制御信号G1〜G4が、スピーカ駆動回路40の対
応するコイル駆動回路40A〜40N,40PのFET
51〜54のゲートに供給される。
【0038】4個の制御信号G1〜G4は、シリアルパ
ラレル変換器220からのデジタル音声信号のMSBが
0で、対応する下位ビットが1のときには、制御信号G
1,G3がFET51,53をオンにするレベル、制御
信号G2,G4がFET52,54をオフにするレベル
となり、MSBが0で、対応する下位ビットも0のと
き、またはMSBが1で、対応する下位ビットも1のと
きには、制御信号G1〜G4がFET51〜54をオフ
にするレベルとなり、MSBが1で、対応する下位ビッ
トが0のときには、制御信号G1,G3がFET51,
53をオフにするレベル、制御信号G2,G4がFET
52,54をオンにするレベルとなるものである。
【0039】したがって、MSBが0のときには、ある
下位ビットが1のときにのみ、これに対応する一次コイ
ルにプラス方向に電流Iaが流れ、逆にMSBが1のと
きには、ある下位ビットが0のときにのみ、これに対応
する一次コイルにマイナス方向に電流Iaが流れる。
【0040】電磁結合スピーカの振動系の駆動力Fは、
二次コイルに誘起される二次電流iと、磁気回路の空隙
に生じる磁束の密度Bと、磁気回路の空隙内にある二次
コイルの長さLとの積として、F=BLiで表され、磁
束密度Bおよび長さLは一定であるので、振動系の駆動
力Fは、二次コイルに誘起される二次電流iに比例する
ことになる。そして、二次コイルに誘起される二次電流
iは、一次コイルに流れる信号電流と一次コイルのター
ン数(インピーダンス)との積に比例する。
【0041】そして、上述した例では、一次コイル1の
各コイル1A〜1Pのターン数が、シリアルパラレル変
換器220からのデジタル音声信号のMSBを除く各ビ
ットの重みに比例したターン数とされることにより、あ
る一次コイルに信号電流として電流Iaが流れるとき、
二次コイル2には、シリアルパラレル変換器220から
のデジタル音声信号のMSBの値に応じた方向の、その
一次コイルに対応するビットの重みに比例した電流値の
二次電流が誘起される。
【0042】したがって、二次コイル2が固定されたコ
ーン32が、シリアルパラレル変換器220からのデジ
タル音声信号のMSBの値に応じた方向に、その一次コ
イルに対応するビットの重みに比例した量だけ偏位し、
スピーカユニット10において、シリアルパラレル変換
器220からのデジタル音声信号に忠実に音声が再生さ
れることになる。
【0043】この場合、シリアルパラレル変換器220
からのデジタル音声信号は、例えば44.1kHzまた
は48kHzのサンプリング周波数でデジタル化された
もので、一次コイル1の各コイル1A〜1Pは、同じサ
ンプリング周波数のデジタル信号で駆動されるので、デ
ジタル化される前の音声信号の低域成分も、一次コイル
1の各コイル1A〜1Pに流れる信号電流としては20
kHzを超える高い周波数となる。
【0044】したがって、電磁結合スピーカであるスピ
ーカユニット10によって低域までの再生が可能とな
り、低音から高音までを再生するフルレンジスピーカを
実現することができる。
【0045】一般のスピーカと同様に、スピーカユニッ
ト10の振動系は、高域には反応しにくく、特に20k
Hzを超えるような高い周波数の成分はほとんど再生し
ない。したがって、一次コイル1の各コイル1A〜1P
が44.1kHzまたは48kHzのサンプリング周波
数のデジタル信号で駆動されても、そのサンプリング周
波数成分はほとんど再生されない。かりに微小な音圧で
再生されても、20kHzを超える音は人間の耳でほと
んど聞き取ることができないので、音楽を聴く時などで
も支障を生じない。また、20kHz以上を阻止帯域と
するメカニカルフィルタを、意図的に形成して、スピー
カユニット10に組み込むことも容易である。
【0046】しかも、D/A変換器およびパワーアンプ
を使用しないで、デジタル音声信号によって直接、音声
を再生する、歪みの小さい、最大出力の大きいスピーカ
装置を実現することができる。
【0047】図1の音声再生システムは、例えば、シリ
アルパラレル変換器220からスピーカ駆動回路40ま
でを一体化して、これをデジタル音声出力装置210に
接続するとともに、これにスピーカユニット10を接続
し、またはシリアルパラレル変換器220からスピーカ
ユニット10までを一体化して、これをデジタル音声出
力装置210に接続する構成とすることができる。
【0048】なお、コイル駆動回路40A〜40Pのス
イッチング素子としては、FETに限らず、高速で動作
する他の素子を用いることができる。
【0049】シリアルパラレル変換器220からのデジ
タル音声信号の、あるビットが、連続する複数サンプリ
ング周期の期間において、対応する一次コイルに信号電
流が流れる値となることがある。
【0050】すなわち、シリアルパラレル変換器220
からのデジタル音声信号が、図5に示したような2’s
コンプリメントコードである場合、図8に示すように、
連続する複数サンプリング周期の期間Tpにおいて、M
SBが0、かつ例えば2SBが1となり、同様の期間T
aにおいて、MSBが1、かつ例えばLSBが0となる
ことがあり、このようなときには、期間Tpにおいて
は、一次コイル1Pにプラス方向に電流Iaが連続して
流れ、期間Taにおいては、一次コイル1Aにマイナス
方向に電流Iaが連続して流れることになる。
【0051】しかし、この場合、2SB,LSBのデー
タの見かけ上のサンプリング周波数が低下し、例えば期
間Tp,Taが1m秒にわたるときには1kHzとな
る。そのため、スピーカユニット10の電磁結合力が小
さくなって、スピーカユニット10の最適な駆動がなさ
れなくなる。
【0052】そこで、図1および図7に示したデコーダ
70では、シリアルパラレル変換器220からのデジタ
ル音声信号のMSBを除く各ビットのデータに、そのサ
ンプリング周期ごとに、対応する一次コイルに信号電流
が流れなくなる値の期間が設定される。
【0053】図9は、そのための非駆動期間設定回路の
一例を示す。この非駆動期間設定回路80は、デコーダ
70内において、シリアルパラレル変換器220からの
デジタル音声信号のMSBを除く各ビットに対して設け
られるが、図示したものは、そのうちの一つのビットに
対するものである。
【0054】非駆動期間設定回路80では、シリアルパ
ラレル変換器220からのデジタル音声信号に同期し
た、周波数が、そのデジタル音声信号のサンプリング周
波数に等しい、図10に示すようなクロックSCLK
と、これを遅延回路81によって、そのデジタル音声信
号のサンプリング周期Tsより短い時間遅延させた、同
図に示すようなクロックDCLKとが、イクスクルーシ
ブオア回路82に供給されて、イクスクルーシブオア回
路82から、同図に示すような信号EXが得られ、その
信号EXと、クロックSCLKとが、ナンド回路83に
供給されて、ナンド回路83から、同図に示すような信
号NAが得られ、その信号NAと、対応するビットの入
力データDiとが、アンド回路84に供給されて、アン
ド回路84から、出力データDoが得られる。
【0055】入力データDiは、MSBが0のときに
は、もとのデータのままであり、MSBが1のときに
は、非駆動期間設定回路80の入力側において、もとの
データを反転させたものである。したがって、もとの2
SBおよびLSBのデータが、MSBの値との関係で図
8に示したようなものであるとき、その2SBおよびL
SBのデータは、非駆動期間設定回路80の入力データ
Diとしては、図10にデータDi(2SB)およびD
i(LSB)として示すようなものとなる。
【0056】したがって、このとき、2SBのデータ
は、非駆動期間設定回路80の出力データDoとして
は、図10にデータDo(2SB)として示すように、
サンプリング周期Tsごとに、遅延回路81での遅延時
間分の、0となる期間が設定されたものとなり、同様
に、LSBのデータは、非駆動期間設定回路80の出力
データDoとしては、図10にデータDo(LSB)と
して示すように、サンプリング周期Tsごとに、遅延回
路81での遅延時間分の、0となる期間が設定されたも
のとなる。
【0057】そして、図1および図7に示したデコーダ
70では、この非駆動期間設定回路80の出力データD
oから、上記の制御信号G1〜G4が生成される。した
がって、制御信号G1〜G4も同様に、サンプリング周
期Tsごとに、それより短い時間分の、対応する一次コ
イルに信号電流が流れなくなる値の期間が設定されたも
のとなる。
【0058】したがって、シリアルパラレル変換器22
0からのデジタル音声信号の内容のいかんにかかわら
ず、そのデジタル音声信号の各ビットのデータの見かけ
上のサンプリング周波数が低下することによりスピーカ
ユニット10の電磁結合力が小さくなってしまうような
ことがなく、スピーカユニット10は常に最適に駆動さ
れる。その信号電流が流れなくなる値の期間は、短いほ
ど望ましいが、使用する素子の特性などとの関係で決定
する。
【0059】スピーカ駆動回路40のコイル駆動回路4
0A〜40Pは、それぞれ定電圧源によって構成するこ
ともできる。図11は、その場合の例を示し、制御形の
定電圧源42と、それぞれスイッチング素子としての4
個のFET51〜54と、対応するコイル、すなわちコ
イル駆動回路40Aの場合にはコイル1Aとが、ブリッ
ジ接続されて構成される。
【0060】そして、FET51,53がオン、FET
52,54がオフとされるときには、定電圧源42によ
って、対応するコイルにプラス方向に電流が流れ、FE
T51,53がオフ、FET52,54がオンとされる
ときには、定電圧源42によって、対応するコイルにマ
イナス方向に電流が流れる。
【0061】ただし、この定電圧駆動の場合には、一次
コイル1の各コイル1A〜1Pのターン数が異なること
によって、定電圧源42の出力インピーダンスが、それ
ぞれのコイル駆動回路40A〜40Pごとに異なり、定
電圧源42の電圧値を一定にしても、それぞれのコイル
1A〜1Pに流れる電流の値が異なるようになる。その
ため、それぞれのコイル1A〜1Pに流れる電流の値が
等しくなるように、調整用抵抗43によって定電圧源4
2の利得を調整する。
【0062】コイル駆動回路40A〜40Pは、また、
対応する一次コイルに接続された定電流源を、デコーダ
70からの三値データによって制御する構成とすること
もできる。
【0063】図12は、その場合の例を示し、デコーダ
70からは、上記のシリアルパラレル変換器220から
のデジタル音声信号の、MSBを除く各ビットのデータ
Xa〜Xpが、三値データとして得られて、そのデータ
Xa〜Xpが、それぞれ差動形の定電流源44の正側入
力端に供給されるとともに、定電流源44の出力端が、
抵抗45、対応する一次コイル1A〜1P、および抵抗
46を介して接地され、対応する一次コイル1A〜1P
と抵抗46との接続点に得られる電圧が、定電流源44
の負側入力端に供給される構成とされる。抵抗46の抵
抗値は、例えば0.1Ωとされる。
【0064】データXa〜Xpは、シリアルパラレル変
換器220からのデジタル音声信号のMSBが0で、対
応する下位ビット(LSB〜2SB)が1のときには、
正の電圧となり、MSBが0で、対応する下位ビットも
0のとき、またはMSBが1で、対応する下位ビットも
1のときには、接地電位となり、MSBが1で、対応す
る下位ビットが0のときには、負の電圧となるものであ
る。
【0065】この場合も、図13に示すように、データ
Xa〜Xpには、サンプリング周期Tsごとに、それよ
り短い時間分の、対応する一次コイル1A〜1Pに信号
電流が流れなくなる接地電位の期間が設定される。
【0066】この例では、データXa〜Xpが正の電圧
のときには、対応する一次コイル1A〜1Pにプラス方
向に定電流が流れ、データXa〜Xpが接地電位のとき
には、対応する一次コイル1A〜1Pに電流が流れず、
データXa〜Xpが負の電圧のときには、対応する一次
コイル1A〜1Pにマイナス方向に定電流が流れる。
【0067】したがって、図7の例と同様に、シリアル
パラレル変換器220からのデジタル音声信号のMSB
が0のときには、ある下位ビットが1のときにのみ、こ
れに対応する一次コイルにプラス方向に信号電流が流
れ、逆にMSBが1のときには、ある下位ビットが0の
ときにのみ、これに対応する一次コイルにマイナス方向
に信号電流が流れる。そして、この例によれば、FET
51〜54のようなスイッチング素子を必要とせず、コ
イル駆動回路40A〜40Pを簡略化することができ
る。
【0068】上述した例は、一次コイル1を構成する各
コイル1A〜1Pのターン数を、シリアルパラレル変換
器220からのデジタル音声信号のMSBを除く各ビッ
トの重みに比例したターン数とすることによって、その
デジタル音声信号の各ビットの重みの違いを再生する場
合であるが、各コイル1A〜1Pのターン数は同一にし
て、これに対応するコイル駆動回路40A〜40Pの定
電流源41A〜41Pの電流値を変えることによって、
シリアルパラレル変換器220からのデジタル音声信号
の各ビットの重みの違いを再生することもできる。
【0069】図14は、この場合の例を示し、一次コイ
ル1を構成する15個のコイル1A〜1N,1Pは、す
べて同一のターン数、例えば10ターンとされるととも
に、コイル1A〜1N,1Pに対応するコイル駆動回路
40A〜40N,40Pの定電流源41A〜41N,4
1Pの電流Ia〜In,Ipが後述するように変えられ
る。そのほかは、図7の例と同じである。
【0070】上述したように、スピーカユニット10の
振動系の駆動力Fは、二次コイル2に誘起される二次電
流iに比例し、その二次電流iは、一次コイル1に流れ
る信号電流と一次コイル1のターン数(インピーダン
ス)との積に比例する。
【0071】そのため、この例では、図14では省略し
ているが、シリアルパラレル変換器220からのデジタ
ル音声信号の15SBに対応するコイル1Bに対応する
コイル駆動回路の定電流源の電流Ibは、LSBに対応
するコイル1Aに対応するコイル駆動回路40Aの定電
流源41Aの電流Iaの2倍とされる。すなわち、Ib
=2Iaとされる。
【0072】以下、14SB,13SB,12SB…に
対応するコイル1C,1D,1E…に対応するコイル駆
動回路の定電流源の電流Ic,Id,Ie…は、電流I
b,Ic,Id…の2倍とされる。
【0073】したがって、図7の例と同様に、スピーカ
ユニット10において、コーン32が、シリアルパラレ
ル変換器220からのデジタル音声信号のMSBの値に
応じた方向に、信号電流が流れる一次コイルに対応する
ビットの重みに比例した量だけ偏位し、シリアルパラレ
ル変換器220からのデジタル音声信号に忠実に音声が
再生される。
【0074】さらに、このように定電流源の電流値を変
えることによってデジタル音声信号の各ビットの重みの
違いを再生する場合には、一次コイル1を一つにするこ
とができる。
【0075】図15は、その場合の例を示す。ただし、
この例は、シリアルパラレル変換器220からの16ビ
ットのデジタル音声信号が、自然2進符号である場合、
または図5に示したような2’sコンプリメントコード
のデジタル音声信号が、シリアルパラレル変換器220
において自然2進符号に変換される場合である。
【0076】この例では、一次コイル1が1個のコイル
で構成されるとともに、その一次コイル1に対して、そ
れぞれ後述するような電流Ia,Ib〜In,Ip,I
qの定電流源61A,61B〜61N,61P,61Q
が、それぞれスイッチ回路62A,62B〜62N,6
2P,62Qを介して接続され、スイッチ回路62A,
62B〜62N,62P,62Qが、シリアルパラレル
変換器220からのデジタル音声信号の対応するビット
のデータによって切り換えられる。
【0077】すなわち、シリアルパラレル変換器220
からのデジタル音声信号の、あるビットが1のときに
は、対応するスイッチ回路がオンとなって、一次コイル
1に、対応する定電流源の電流が流れる。そして、15
SBに対応する定電流源61Bの電流Ibは、LSBに
対応する定電流源61Aの電流Iaの2倍とされ、以
下、各ビットに対応する定電流源の電流は、一つ下位の
ビットに対応する定電流源の電流の2倍とされる。
【0078】したがって、この例では、スピーカユニッ
ト10において、コーン32が、一方向に、シリアルパ
ラレル変換器220からのデジタル音声信号の各ビット
の重みに比例した量だけ偏位し、シリアルパラレル変換
器220からのデジタル音声信号に忠実に音声が再生さ
れる。
【0079】なお、シリアルパラレル変換器220から
のデジタル音声信号が、図5に示したような2’sコン
プリメントコードである場合でも、図14に示したよう
なコイル駆動回路40A〜40P自体が、そのデジタル
音声信号のMSBを除く各ビットのデータによって切り
換えられるようにすることによって、一次コイル1を一
つにすることができる。
【0080】さらに、複数の一次コイルのターン数の違
いと複数の定電流源の電流値の違いとの組み合わせによ
って、デジタル音声信号の各ビットの重みの違いを再生
することもできる。
【0081】図16は、その場合の例を示す。ただし、
この例も、シリアルパラレル変換器220からの16ビ
ットのデジタル音声信号が、自然2進符号である場合、
または図5に示したような2’sコンプリメントコード
のデジタル音声信号が、シリアルパラレル変換器220
において自然2進符号に変換される場合である。
【0082】この例では、一次コイル1が後述するよう
なターン数比の4個のコイル1S,1T,1U,1Vで
構成され、コイル1Sに対して、それぞれ後述するよう
な電流Ia〜Idの定電流源61A〜61Dが、それぞ
れスイッチ回路62A〜62Dを介して接続され、コイ
ル1Tに対して、それぞれ後述するような電流Ie〜I
hの定電流源61E〜61Hが、それぞれスイッチ回路
62E〜62Hを介して接続され、コイル1Uに対し
て、それぞれ後述するような電流Ii〜Ilの定電流源
61I〜61Lが、それぞれスイッチ回路62I〜62
Lを介して接続され、コイル1Vに対して、それぞれ後
述するような電流Im,In,Ip,Iqの定電流源6
1M,61N,61P,61Qが、それぞれスイッチ回
路62M,62N,62P,62Qを介して接続され、
スイッチ回路62A,62B〜62N,62P,62Q
が、シリアルパラレル変換器220からのデジタル音声
信号の対応するビットのデータによって切り換えられ
る。
【0083】例えば、コイル1S,1T,1U,1Vの
ターン数比は、1:4:16:64とされ、定電流源6
1A〜61N,61P,61Qの電流Ia〜In,I
p,Iqは、Ib=2Ia,Ic=2Ia,Id=2
Ia,Ie=Ic=2Ia,If=Id=2
a,Ig=2Ia,Ih=2Ia,Ii=Ig=2
Ia,Ij=Ih=2Ia,Ik=2Ia,Il
=2Ia,Im=Ik=2Ia,In=Il=2
Ia,Ip=2Ia,Iq=2Ia,とされる。
【0084】上述したように、スピーカユニット10の
振動系の駆動力Fは、二次コイル2に誘起される二次電
流iに比例し、その二次電流iは、一次コイル1に流れ
る信号電流と一次コイル1のターン数(インピーダン
ス)との積に比例する。
【0085】したがって、この例では、シリアルパラレ
ル変換器220からのデジタル音声信号の、あるビット
が1となることにより、スイッチ回路62A〜62N,
62P,62Qの対応するものがオンとなって、一次コ
イル1S,1T,1Uまたは1Vに信号電流が流れるこ
とにより、二次コイル2に誘起される二次電流の比は、
シリアルパラレル変換器220からのデジタル音声信号
の各ビットの重みの比に等しくなる。
【0086】したがって、図15の例と同様に、スピー
カユニット10において、コーン32が、一方向に、シ
リアルパラレル変換器220からのデジタル音声信号の
各ビットの重みに比例した量だけ偏位し、シリアルパラ
レル変換器220からのデジタル音声信号に忠実に音声
が再生される。
【0087】そして、この例では、最小のターン数のコ
イル1Sと最大のターン数のコイル1Vとの間のターン
数の比を、1:64=1:2というように小さくする
ことができるとともに、最小の電流値Iaと最大の電流
値Iqとの間の電流値の比を、1:2というように小
さくすることができる。
【0088】上述した各例は、スピーカユニット10の
一次コイル1を駆動するデジタル音声信号が直線的に量
子化されていて、一次コイル1が複数のコイルで構成さ
れるときの、その複数のコイルのターン数、またはデジ
タル音声信号のMSBを除く各ビット、もしくはMSB
を含む各ビットに対応する定電流源の電流値が、等比級
数的に変えられる場合であるが、一次コイル1を駆動す
るデジタル音声信号が非直線的に量子化されている場合
には、その量子化の態様に応じて、一次コイル1が複数
のコイルで構成されるときの、その複数のコイルのター
ン数、またはデジタル音声信号のMSBを除く各ビッ
ト、もしくはMSBを含む各ビットに対応する定電流源
の電流値を変えるようにすればよい。
【0089】図17は、この発明のスピーカ装置を用い
た音声再生システムの他の例を示し、アナログ音声出力
装置からのアナログ音声信号がデジタル音声信号に変換
され、さらにそのデジタル音声信号が加工されて、音声
が再生される場合である。
【0090】アナログ音声出力装置310は、カセット
プレーヤやFMチューナなどで、その左右の音声出力端
子311L,311Rから、左右のアナログ音声信号が
出力され、その左右のアナログ音声信号が、A/D変換
器320L,320Rによって、それぞれ16ビットの
デジタル音声信号に変換される。
【0091】そのA/D変換器320L,320Rから
の左右のデジタル音声信号が、DSP(デジタル信号プ
ロセッサ)などを用いたエフェクタ330に供給され
て、エフェクタ330において、音像の定位、音場の形
成、残響音の生成などの加工がなされ、エフェクタ33
0から、それぞれ16ビットの前後左右のデジタル音声
信号が得られ、その前後左右のデジタル音声信号が、そ
れぞれスピーカ装置に供給される。
【0092】それぞれのスピーカ装置は、デコーダ70
FL,70FR,70BL,70BR、スピーカ駆動回
路40FL,40FR,40BL,40BR、およびス
ピーカユニット10FL,10FR,10BL,10B
Rによって構成され、デコーダ70FL,70FR,7
0BL,70BRは、それぞれ上述したデコーダ70の
ように構成され、スピーカ駆動回路40FL,40F
R,40BL,40BRは、それぞれ上述したスピーカ
駆動回路40のように構成され、スピーカユニット10
FL,10FR,10BL,10BRは、それぞれ上述
したスピーカユニット10のように構成される。
【0093】この例の音声再生システムによれば、例え
ば、A/D変換器320L,320Rからスピーカ駆動
回路40FL,40FR,40BL,40BRまでを一
体化して、これをアナログ音声出力装置310に接続す
るとともに、これにスピーカユニット10FL,10F
R,10BL,10BRを接続することによって、また
はA/D変換器320L,320Rからスピーカユニッ
ト10FL,10FR,10BL,10BRまでを一体
化して、これをアナログ音声出力装置310に接続する
ことによって、入力アナログ音声信号をデジタル音声信
号に変換し、そのデジタル音声信号を加工した上で、音
声を再生することができる。
【0094】なお、図1に示した音声再生システムにお
いても、シリアルパラレル変換器220からのデジタル
音声信号を同様に加工し、その加工されたデジタル音声
信号をスピーカ装置に供給する構成とすることができ
る。
【0095】図18は、この発明のスピーカ装置を用い
た音声再生システムのさらに他の例を示し、データ出力
装置からのデータ中から音声データが分離されて、音声
が再生される場合である。
【0096】データ出力装置410は、パーソナルコン
ピュータなどで、これからは、デジタル音声信号のデー
タと他のデータとが所定のフォーマットで統合されたデ
ータが、シリアルデータとして出力される。
【0097】そして、このデータ出力装置410からの
データが、USBデコーダ420に供給されて、USB
デコーダ420から、デジタル音声信号のデータのみが
パラレルデータとして出力され、そのデジタル音声信号
が、デコーダ70、スピーカ駆動回路40およびスピー
カユニット10からなる上述したスピーカ装置のデコー
ダ70に供給される。
【0098】この例の音声再生システムによれば、例え
ば、USBデコーダ420からスピーカ駆動回路40ま
でを一体化して、これをデータ出力装置410に接続す
るとともに、これにスピーカユニット10を接続するこ
とによって、またはUSBデコーダ420からスピーカ
ユニット10までを一体化して、これをデータ出力装置
410に接続することによって、パーソナルコンピュー
タなどからの統合データ中に存する音声データによっ
て、音声を再生することができる。
【0099】図19は、この発明のスピーカ装置の他の
例を用いた音声再生システムを示す。この例では、カセ
ットプレーヤやFMチューナなどのアナログ音声出力装
置510からのアナログ音声信号Aoが、チョッパ52
0に供給されて、チョッパ520において、図20のア
ナログ音声信号Acで示すように、可聴周波数より高い
周波数、すなわち可聴周波数の上限と言われる20kH
zを超える周波数fcで、チョッピングされる。
【0100】ただし、そのチョッピング周波数fcは、
20kHzの2倍前後の高い周波数とされることが望ま
しく、例えば40kHzとされる。また、チョッピング
期間の時間幅は、チョッピング周期Tcに比べて十分短
くされ、例えばチョッピング周期Tcの1/10とされ
る。
【0101】そして、このチョッパ520からのチョッ
ピングされたアナログ音声信号Acが、パワーアンプ5
30で増幅されて、上述したスピーカユニット10の一
次コイル1に供給される。ただし、スピーカユニット1
0は、一次コイル1が一つのものである。
【0102】上述したように、電磁結合スピーカである
スピーカユニット10は、一次コイル1に流れる信号電
流によって二次コイル2に二次電流iが誘起される電磁
結合力が、数kHzないし1kHz以下の低域で小さく
なる。
【0103】しかし、図19の例によれば、アナログ音
声信号が、可聴周波数より高い周波数fcで断続され
て、スピーカユニット10の一次コイル1に供給される
ので、アナログ音声信号の低域成分も、一次コイル1に
流れる信号電流としては20kHzを超えるような高い
周波数となる。したがって、電磁結合スピーカであるス
ピーカユニット10によって低域までの再生が可能とな
る。
【0104】なお、この例の音声再生システムにおいて
も、例えば、チョッパ520およびパワーアンプ530
を一体化して、これをアナログ音声出力装置510に接
続するとともに、これにスピーカユニット10を接続
し、またはチョッパ520からスピーカユニット10ま
でを一体化して、これをアナログ音声出力装置510に
接続する構成とすることができる。
【0105】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、電
磁結合スピーカの一次コイルをデジタル音声信号で駆動
することによって、または電磁結合スピーカの一次コイ
ルに供給されるアナログ音声信号を可聴周波数より高い
周波数で断続させることによって、電磁結合スピーカに
よって低域までの再生が可能となり、低音から高音まで
を再生するフルレンジスピーカを実現することができ
る。
【0106】さらに、D/A変換器およびパワーアンプ
を使用しないで、デジタル音声信号によって直接、音声
を再生する、歪みの少ない、最大出力の大きいスピーカ
装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスピーカ装置を用いた音声再生シス
テムの一例を示すブロック図である。
【図2】スピーカユニットの一例を示す断面図である。
【図3】スピーカユニットの他の例を示す断面図であ
る。
【図4】スピーカユニットのさらに他の例を示す断面図
である。
【図5】デジタル音声信号の一例の説明に供する図であ
る。
【図6】スピーカユニットのコイル構成の一例を示す図
である。
【図7】この発明のスピーカ装置の一例を示す接続図で
ある。
【図8】デジタル音声信号の各ビットのデータの態様の
説明に供する図である。
【図9】非駆動期間設定回路の一例を示す図である。
【図10】図9の非駆動期間設定回路の説明に供する図
である。
【図11】定電圧源を用いたコイル駆動回路の一例を示
す接続図である。
【図12】コイル駆動回路の他の例を示す接続図であ
る。
【図13】図12のコイル駆動回路の説明に供する図で
ある。
【図14】この発明のスピーカ装置の他の例を示す接続
図である。
【図15】この発明のスピーカ装置のさらに他の例を示
す接続図である。
【図16】この発明のスピーカ装置のさらに他の例を示
す接続図である。
【図17】この発明のスピーカ装置を用いた音声再生シ
ステムの他の例を示すブロック図である。
【図18】この発明のスピーカ装置を用いた音声再生シ
ステムのさらに他の例を示すブロック図である。
【図19】この発明のスピーカ装置の他の例を用いた音
声再生システムを示すブロック図である。
【図20】図19のスピーカ装置の説明に供する図であ
る。
【符号の説明】
10…スピーカユニット、1,1a,1b,1A,1
B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1
J,1K,1L,1M,1N,1P,1Q,1S,1
T,1U,1V…一次コイル、2…二次コイル、20…
磁気回路、23…空隙、32…コーン、40…スピーカ
駆動回路、40A〜40P…コイル駆動回路、41A〜
41P,44,61A〜61Q…定電流源、42…定電
圧源、51〜54…FET、62A〜62Q…スイッチ
回路、70…デコーダ、80…非駆動期間設定回路、2
10…デジタル音声出力装置、220…シリアルパラレ
ル変換器、310,510…アナログ音声出力装置、3
20L,320R…A/D変換器、330…エフェク
タ、410…データ出力装置、420…USBデコー
ダ、520…チョッパ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空隙が形成された磁気回路の前記空隙の近
    傍部分に一次コイルが固定され、振動板に固定されて前
    記空隙内に二次コイルが配され、前記一次コイルに流れ
    る信号電流により前記二次コイルに二次電流が誘起され
    て前記振動板が偏位するスピーカユニットと、 このスピーカユニットの前記一次コイルをデジタル音声
    信号によって駆動するスピーカ駆動回路と、 を備えるスピーカ装置。
  2. 【請求項2】請求項1のスピーカ装置において、 前記一次コイルが、互いにターン数が異なる、前記デジ
    タル音声信号のビット数に対応した数のコイルで構成さ
    れ、 前記スピーカ駆動回路が、前記一次コイルを構成する、
    それぞれのコイルに信号電流を供給する、前記デジタル
    音声信号のビット数に対応した数のコイル駆動回路を有
    し、 そのそれぞれのコイル駆動回路が、前記デジタル音声信
    号の対応するビットによって制御されるスピーカ装置。
  3. 【請求項3】請求項2のスピーカ装置において、 前記それぞれのコイル駆動回路は、前記一次コイルの対
    応するコイル、定電流源および複数のスイッチング素子
    がブリッジ接続されて構成されたスピーカ装置。
  4. 【請求項4】請求項2のスピーカ装置において、 前記それぞれのコイル駆動回路は、前記一次コイルの対
    応するコイル、定電圧源および複数のスイッチング素子
    がブリッジ接続されて構成されたスピーカ装置。
  5. 【請求項5】請求項2のスピーカ装置において、 前記それぞれのコイル駆動回路は、前記一次コイルの対
    応するコイルに接続された定電流源を、前記デジタル音
    声信号の対応するビットの三値データによって制御する
    構成とされたスピーカ装置。
  6. 【請求項6】請求項1のスピーカ装置において、 前記スピーカユニットと、前記スピーカ駆動回路とが、
    別体とされたスピーカ装置。
  7. 【請求項7】請求項1のスピーカ装置において、 前記スピーカユニットと、前記スピーカ駆動回路とが、
    一体化されたスピーカ装置。
  8. 【請求項8】シリアルデータのデジタル音声信号をパラ
    レルデータに変換するシリアルパラレル変換器と、 空隙が形成された磁気回路の前記空隙の近傍部分に一次
    コイルが固定され、振動板に固定されて前記空隙内に二
    次コイルが配され、前記一次コイルに流れる信号電流に
    より前記二次コイルに二次電流が誘起されて前記振動板
    が偏位するスピーカユニットと、 このスピーカユニットの前記一次コイルを、前記シリア
    ルパラレル変換器からのパラレルデータとされたデジタ
    ル音声信号によって駆動するスピーカ駆動回路と、 を備える音声再生システム。
  9. 【請求項9】デジタル音声信号を加工するデジタル音声
    信号加工手段と、 空隙が形成された磁気回路の前記空隙の近傍部分に一次
    コイルが固定され、振動板に固定されて前記空隙内に二
    次コイルが配され、前記一次コイルに流れる信号電流に
    より前記二次コイルに二次電流が誘起されて前記振動板
    が偏位するスピーカユニットと、 このスピーカユニットの前記一次コイルを、前記デジタ
    ル音声信号加工手段で加工されたデジタル音声信号によ
    って駆動するスピーカ駆動回路と、 を備える音声再生システム。
  10. 【請求項10】デジタル音声信号のデータと他のデータ
    とが所定のフォーマットで統合されたデータから前記デ
    ジタル音声信号のデータを分離するデジタル音声信号分
    離手段と、 空隙が形成された磁気回路の前記空隙の近傍部分に一次
    コイルが固定され、振動板に固定されて前記空隙内に二
    次コイルが配され、前記一次コイルに流れる信号電流に
    より前記二次コイルに二次電流が誘起されて前記振動板
    が偏位するスピーカユニットと、 このスピーカユニットの前記一次コイルを、前記デジタ
    ル音声信号分離手段で分離されたデジタル音声信号によ
    って駆動するスピーカ駆動回路と、 を備える音声再生システム。
  11. 【請求項11】空隙が形成された磁気回路の前記空隙の
    近傍部分に一次コイルが固定され、振動板に固定されて
    前記空隙内に二次コイルが配され、前記一次コイルに流
    れる信号電流により前記二次コイルに二次電流が誘起さ
    れて前記振動板が偏位するスピーカユニットと、 このスピーカユニットの前記一次コイルをアナログ音声
    信号によって駆動するスピーカ駆動回路とを備え、 このスピーカ駆動回路は、前記アナログ音声信号を可聴
    周波数より高い周波数で断続させるスピーカ装置。
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