JPH09322286A - スピーカ装置および音響再生システム - Google Patents

スピーカ装置および音響再生システム

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Publication number
JPH09322286A
JPH09322286A JP8160666A JP16066696A JPH09322286A JP H09322286 A JPH09322286 A JP H09322286A JP 8160666 A JP8160666 A JP 8160666A JP 16066696 A JP16066696 A JP 16066696A JP H09322286 A JPH09322286 A JP H09322286A
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JP
Japan
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speaker
coil
digital
signal
secondary coil
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Application number
JP8160666A
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English (en)
Inventor
Takahiro Muraguchi
高弘 村口
Jun Kishigami
純 岸上
Masao Fujihira
正男 藤平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチチャンネルスピーカシステムにおい
て、各チャンネル間の信号伝達特性の違いにより生じる
各チャンネルの出力音声の時間的ずれ、位相のずれを少
なくし、より効果的なデジタルエフェクトを可能とす
る。 【解決手段】 複数のスピーカユニット15LF〜15
RBのそれぞれを、1次コイル24に流れる電流に応じ
た2次電流を2次コイル25Cに誘起し、この2次電流
と磁気空隙GP内の磁束との相互作用により2次コイル
に取り付けられる振動板が振動する電磁結合スピーカで
構成する。スピーカユニット15LF〜15RBのそれ
ぞれの1次コイル24を駆動する信号をモニタして、そ
のモニタ出力信号を出力する複数のモニタ回路16LF
〜16RBを設ける。DSP13は、入力デジタル音声
信号から、スピーカユニット15LF〜15RBを駆動
するためのデジタル音声信号を生成するが、複数のモニ
タ回路16LF〜16RBからのモニタ出力信号を参照
して、対応するデジタル音声信号を最適化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スピーカ装置お
よび音響再生システムに関する。
【0002】
【従来の技術】音声信号用のDSP(Digital Signal P
rocessor;デジタル信号処理回路)を用いて、デジタル
エフェクトと呼ばれる種々の音場再生を行うようにする
音響システムが従来から知られている。
【0003】この場合、DSPでは、残響の生成および
コントロール、再生音の周波数特性をコントロールする
イコライジング処理、ピアニッシモの微妙なニュアンス
までも聞き取れるようにするため、小レベルの音を持ち
上げてきわだたせ、全体のダイナミックレンジを圧縮す
るコントロール(ダイナミクスコントロールという)な
どを行う。
【0004】例えば、残響の生成およびコントロールの
場合であれば、DSPは、音場感を構成する、その初期
反射音(壁や天井などに数回はねかえってから届く音)
や主残響音(初期反射音よりもさらに複雑な経路を辿っ
てから遅れて届く音)を生成すると共に、初期反射音の
タイミングとレベル、主残響音のタイミングと減衰時間
などのコントロールを行う。そして、DSPでは、残
響、イコライジンジ、ダイナミクスコントロールとを使
い分け、また、組み合わせることにより、様々な音場を
作り出すことができるようにしている。
【0005】ところで、このDSPを効果的に用いるも
のとして、複数個のスピーカを用いたマルチチャンネル
スピーカシステムと呼ばれる音響再生システムが知られ
ている。
【0006】図9に、この種の従来の音響再生システム
の構成例を示す。この例は、左,右2チャンネルのステ
レオ音声信号SL,SRから、左前、右前、左後ろ、右
後ろ、の4チャンネルの音声を生成して、左前用、右前
用、左後ろ用、右後ろ用の4個のスピーカを駆動するよ
うにするものである。
【0007】すなわち、図9に示すように、左チャンネ
ルの音声信号SLおよび右チャンネルの音声信号SR
は、それぞれ入力端子1Lおよび1Rを通じてA/D変
換回路2Lおよび2Rに供給され、左チャンネルデジタ
ル音声信号DLと右チャンネルデジタル音声信号DRに
変換される。
【0008】これら左チャンネルデジタル音声信号DL
と右チャンネルデジタル音声信号DRは、4チャンネル
(左前・右前・左後ろ・右後ろ)のデジタルエフェクト
の信号処理を行うデジタル信号処理回路であるDSP3
に入力され、このDSP3により4チャンネルのデジタ
ル音声信号である左前スピーカ用デジタル音声信号DL
f、右前スピーカ用デジタル音声信号DRf、左後ろス
ピーカ用デジタル音声信号DLb、右後ろスピーカ用デ
ジタル音声信号DRbに変換される。
【0009】このとき、DSP3では、図示しないユー
ザからの指示入力に応じて、前記の4チャンネルのデジ
タル音声信号である左前スピーカ用デジタル音声信号D
Lf、右前スピーカ用デジタル音声信号DRf、左後ろ
スピーカ用デジタル音声信号DLb、右後ろスピーカ用
デジタル音声信号DRbのそれぞれの残響特性やイコラ
イザ特性が制御されるものである。
【0010】上記の4チャンネルのデジタル音声信号D
Lf,DRf,DLb,DRbは、それぞれのチャンネ
ルに対応したD/A変換回路4LF,4RF,4LB,
4RBによりアナログ音声信号SLf,SRf,SL
b,SRbにそれぞれ変換され、さらに、それぞれのチ
ャンネルに対応した電力増幅回路5LF,5RF,5L
B,5RBにより増幅された後、左前用スピーカ6L
F、右前用スピーカ6RF、左後ろ用スピーカ6LB、
右後ろ用スピーカ6RBを、それぞれ駆動する。
【0011】これら左前用スピーカ6LF、右前用スピ
ーカ6RF、左後ろ用スピーカ6LB、右後ろ用スピー
カ6RBからは、デジタルエフェクトの効いた4チャン
ネルの音声がそれぞれ出力される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、DSP3で
は、デジタルエフェクトが最適になるように、各種パラ
メータを設定して4チャンネルのデジタル音声信号DL
f,DRf,DLb,DRbを出力するが、これらのデ
ジタル音声信号DLf,DRf,DLb,DRbは、後
段のデジタル/アナログ変換回路4LF,4RF,4L
B,4RB、電力増幅回路5LF,5RF,5LB,5
RBをそれぞれのチャンネルごとに独立に通過するた
め、特に各チャンネルの上記回路内のアナログ回路部分
の伝達特性の違いにより、最終的に4個のスピーカ6L
F,6RF,6LB,6RBから出力される4チャンネ
ルの音声の間に、時間的ずれ、位相のずれが生じる。
【0013】これにより、DSP3におけるデジタルエ
フェクトの設定が最適とならなくなるという問題があ
る。
【0014】この発明は、以上の点にかんがみ、上述の
ようなデジタルエフェクト機能付きマルチチャンネルス
ピーカ装置において使用した場合に、各チャンネル間の
信号伝達特性の違いにより生じる各チャンネルの出力音
声の時間的ずれ、位相のずれを少なくし、より効果的な
デジタルエフェクトを可能とするスピーカ装置および音
響再生システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、スピーカユニットとして、
デジタル信号により駆動する電磁結合スピーカを用い、
この電磁結合スピーカ内の各コイルを駆動する信号を各
チャンネルごとにデジタルエフェクト用デジタル信号処
理回路にフィードバックし、デジタルエフェクトをより
効果的にする構成を有するスピーカ装置および音響再生
システムとするものである。
【0016】すなわち、この発明によるスピーカ装置
は、磁気回路中の空隙の近傍に設けられる1次コイル
と、前記空隙内に配されて、前記1次コイルに流れる電
流に応じた2次電流が誘起される2次コイルが形成され
る2次コイルユニットと、前記2次コイルユニットに取
り付けられ、前記2次コイルに誘起される2次電流と前
記空隙内の磁束との相互作用により前記2次コイルユニ
ットが振動することにより振動する振動板とを備えるス
ピーカユニットと、デジタル音声信号により、前記スピ
ーカユニットの前記1次コイルを駆動するデジタル駆動
回路と、前記1次コイルを駆動する信号をモニタし、そ
のモニタ出力信号を出力するモニタ回路と、を備えるこ
とを特徴としている。
【0017】また、この発明による音響再生システム
は、磁気回路中の空隙の近傍に設けられる1次コイル
と、前記空隙内に配されて、前記1次コイルに流れる電
流に応じた2次電流が誘起される2次コイルが形成され
る2次コイルユニットと、前記2次コイルユニットに取
り付けられ、前記2次コイルに誘起される2次電流と前
記空隙内の磁束との相互作用により前記2次コイルユニ
ットが振動することにより振動する振動板とを備える電
磁結合スピーカでそれぞれが構成される複数のスピーカ
ユニットと、前記複数のスピーカユニットのそれぞれの
前記1次コイルを、デジタル音声信号により駆動する複
数のデジタル駆動回路と、前記複数のスピーカユニット
のそれぞれの前記1次コイルを駆動する信号をモニタし
て、そのモニタ出力信号を出力する複数のモニタ回路
と、入力デジタル音声信号から、前記複数のデジタル駆
動回路のそれぞれに供給する前記デジタル音声信号を生
成すると共に、前記複数のモニタ回路からのモニタ出力
信号を受けて、対応するデジタル駆動回路に供給する前
記デジタル音声信号を適正化するデジタル信号処理回路
とを備えることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるスピーカ装
置および音響再生システムの実施の形態を、図を参照し
ながら説明する。
【0019】この発明においては、スピーカユニット
は、電磁結合スピーカを用いる。図2は、この発明に用
いる電磁結合スピーカの一実施例の構造の断面図を示す
ものである。
【0020】図2に示すように、この例の電磁結合スピ
ーカは、円柱状のセンターポール部21aと円板状のフ
ランジ部21bとを備える第1のヨーク21と、第2の
ヨークを構成するドーナツ形状のプレート22と、第1
のヨーク21のフランジ部21bとプレート22との間
に配されるドーナツ形状のマグネット23と、プレート
22とセンターポール部21aとの間の磁気空隙GPに
より磁気回路が構成される。
【0021】なお、フランジ部21bには、マグネット
23と、センターポール部21aとの中心位置が一致す
るようにするための段差からなるマグネットガイド35
が設けられている。また、センターポール部21aの中
心と、プレート22の中心とが一致するように、磁気回
路の組み立てに際しては、ギャップガイドと呼ばれる治
具が用いられ、磁気空隙GPの大きさが、センターポー
ル部21aの外周面とプレート22の内周面との間で一
定となるようにされている。
【0022】そして、磁気空隙GPを挟んで互いに対向
するセンターポール部21aの外周面部と、プレート2
2の内周面部との、どちらか一方あるいは双方に、1次
コイルとしての駆動コイルを配する。この実施例では、
センターポール部21aの外周面部に1次コイル24を
配する。この1次コイル24を配するため、センターポ
ール部21aの頂部近傍には、1次コイル24の巻幅分
の長さの小径部21cが設けられ、この小径部21cに
1次コイル24が設けられる。
【0023】この1次コイル24は、この例の場合、入
力デジタル信号のビット数に応じた数のコイル群からな
る。例えば、入力デジタル信号が16ビット/1サンプ
ルであり、最上位ビットMSBがサインビット(正負ビ
ット)とされている折り返し2進符号の場合、1次コイ
ル24としてはビット数に対応して15個のコイルが設
けられる。
【0024】そして、15個のコイルのそれぞれは、対
応する各ビットの重みに応じたターン数とされる。デジ
タル音声信号が直線量子化されたものであった場合に
は、15個のコイルのターン数は、最下位ビットLSB
から最上位ビットMSBまでの各ビットに対応して等比
級数的に変化するものとされる。例えば、LSBに対応
するコイルが2ターンとした場合には、15SBに対応
するコイルは4ターン、14SBに対応するコイルは8
ターン、13SBに対応するコイルは16ターン、…と
いうようにターン数が増えるものとされる。
【0025】1次コイル24の例を、図3Aに示す。こ
の例は、1次コイル24が空芯コイルの構成とされた場
合である。すなわち、図3Aに示すように、1次コイル
24は、それぞれターン数の異なる15個のコイルLA
〜LG,LI〜LPからなり、各コイルLA〜LG,L
I〜LPから、その巻き始めおよび巻き終りのリード線
の対37a〜37g,37i〜37pが導出される。そ
して、この1次コイル24は、図3Bに示すセンターポ
ール部21aの小径部21cに挿入され、接着されて、
図2に示すような状態とされる。
【0026】なお、1次コイル24は、磁性体のボビン
に線材を巻回したものであってもよいし、センターポー
ル部21aの小径部21cに線財を直接巻回して取り付
けるようにようにしても、もちろんよい。
【0027】1次コイル24から導出されたリード線対
37a〜37pは、第1の磁気ヨーク21のフランジ部
21bに設けられた貫通孔34を通って、フランジ部2
1bの裏側にまで延長される。そして、これらリード線
対37a〜37p(図では代表番号として37と記載)
のそれぞれは、フランジ部21bの裏側に設けられた1
5個の入力端子38a〜38p(図では代表番号として
38と記載)に、それぞれ接続される。
【0028】この場合、リード線対37a〜37pから
の放熱のために、リード線対37a〜37pはセンター
ポール部21aの外表面に接着されて、第1の磁気ヨー
ク21のフランジ部21bの方向に導出される。
【0029】そして、この実施の形態においては、空隙
GPの中に、1次コイル24と電磁結合するショートコ
イルからなる2次コイル25Cが挿入される。この例の
場合、2次コイル25Cを構成する2次コイルユニット
25は、以下に説明するように構成され、2次コイル2
5C(ショートコイル)の幅は、磁気空隙GPの振動方
向の長さよりも、この2次コイル25Cの振動の振幅分
だけ長くしただけの長さとして、必要最小限の長さにさ
れる。
【0030】図4は、非磁性で、かつ導電性の材料、例
えばアルミニウムのみで2次コイルユニット25を構成
した例である。この例の2次コイルユニット25は、図
4Aに示すように、2次コイルユニット25として必要
な幅Whを有すると共に、ショートコイル25Cを構成
すべき突出部26aを備えるアルミニウムの板26を、
前記突出部26aの部分で突き合わせて接合したもので
ある。この場合、突出部26aの突き合わせ部の幅Ws
は、前記2次コイルユニット25として必要な幅Whよ
りも短く、2次コイル25Cの振動の振幅分の長さに選
定される。突き合わせ部は、例えば半田付けされて接合
される。半田付けではなく、溶接やその他の、接合部分
での電気的抵抗が小さい接合方法を用いて、接合して
も、もちろんよい。
【0031】図5は、2次コイルユニット25の他の例
である。この例の2次コイルユニット25は、2次コイ
ルユニットとして必要な長さWhのコイルボビン27
に、しぼり加工により構成した前記幅Wsのアルミニウ
ムからなる1ターンのショートコイル25Cを構成する
ショートコイル部品28を接着固定したものである。シ
ョートコイル部品28は、幅Wsが小さいため、しぼり
加工により比較的容易に量産できる。コイルボビン27
は、非磁性、かつ非導電性の材料、例えば厚紙により構
成される。
【0032】また、図5の例のように、コイルボビン2
7は、空隙を空けて突き合わすようにすることにより、
非磁性材料ではあるが、導電性の材料、例えばアルミニ
ウムの矩形板により構成することもできる。
【0033】このようにして、2次コイルユニット25
を構成し、ショートコイル25Cをを必要な幅とするこ
とにより、安価で量産に適した加工が可能になる。
【0034】以上のような構成の2次コイルユニット2
5は、ダンパー30を介してスピーカフレーム31に取
り付けられる。また、この2次コイルユニット25に
は、振動板の例としてのコーン紙29が取り付けられ
る。コーン紙29は、可撓性のエッジ29eを介して、
ガスケット32によりスピーカフレーム31に取り付け
られる。
【0035】以上説明した電磁結合スピーカの入力端子
38a〜38gおよび38i〜38pに、デジタル信号
の各ビットに応じた信号入力を加えれば、1次コイル2
4に流れる電流に応じて、2次コイルとしてのショート
コイル25Cに電流が誘起され、空隙GP内の磁束との
相互作用により、フレミングの左手の法則によって2次
コイルユニット25が上下に振動する。この場合、デジ
タル信号の変化周期は、そのサンプリング周波数である
44.1kHzまたは48kHzであり、2次コイル2
5Cと1次コイル24との誘導結合力は、低下せず、低
音の再生が可能である。
【0036】次に、この発明による音響再生システムの
一例の構成を、図1に示す。この例も、前述した図9の
例と同様に、左右2チャンネルのステレオ音声信号S
L,SRから、左前、右前、左後ろ、右後ろ、の4チャ
ンネルの音声を生成して、左前用、右前用、左後ろ用、
右後ろ用の4個のスピーカを駆動するようにするもので
ある。この場合、4個のスピーカは、上述した電磁結合
スピーカを用いるものである。
【0037】すなわち、図1に示すように、例えば16
ビット/1サンプルの左チャンネルの音声信号SLおよ
び右チャンネルの音声信号SRは、それぞれ入力端子1
1Lおよび11Rを通じてA/D変換回路12Lおよび
12Rに供給され、左チャンネルのデジタル音声信号D
Lと右チャンネルのデジタル音声信号DRに変換され
る。
【0038】これら左チャンネルのデジタル音声信号D
Lと右チャンネルのデジタル音声信号DRは、4チャン
ネル(左前・右前・左後ろ・右後ろ)のデジタルエフェ
クトの信号処理を行うデジタル信号処理回路であるDS
P13に入力され、このDSP13により4チャンネル
のデジタル音声信号である、それぞれ16ビット/1サ
ンプルの左前スピーカ用デジタル音声信号DLf、右前
スピーカ用デジタル音声信号DRf、左後ろスピーカ用
デジタル音声信号DLb、右後ろスピーカ用デジタル音
声信号DRbに変換される。
【0039】DSP13では、前述の例と同様に、図示
しないユーザからの指示入力に応じて、前記の4チャン
ネルのデジタル音声信号DLf,DRf,DLb,DR
bのそれぞれの残響特性やイコライザ特性が制御される
ものである。
【0040】このDSP13からの4チャンネルのデジ
タル音声信号DLf,DRf,DLb,DRbは、それ
ぞれのチャンネルに対応したデジタル駆動回路14L
F,14RF,14LB,14RBに供給される。そし
て、後で詳述するが、このデジタル駆動回路14LF,
14RF,14LB,14RBにより、左前用スピーカ
ユニット15LF、右前用スピーカユニット15RF、
左後ろ用スピーカユニット15LB、右後ろ用スピーカ
15RBの1次コイル24が駆動される。
【0041】そして、これらスピーカユニット15L
F、15RF、15LB、15RBの1次コイル24に
供給されるデジタル信号に応じた信号が、それぞれモニ
タ回路16LF、16RF、16LB、16RBに供給
されて、モニタリングされる。このモニタ回路16L
F、16RF、16LB、16RBからのモニタ出力信
号MLf,MRf,MLb,MRbが、それぞれDSP
13に帰還される。
【0042】なお、この図1において、スピーカユニッ
トと、デジタル駆動回路と、モニタ回路とからなる部分
を、1つのスピーカ装置として構成したものを用いるよ
うにすることもできる。
【0043】デジタル駆動回路14LF,14RF,1
4LB,14RBおよびモニタ回路16LF、16R
F、16LB、16RBは、まったく同様の構成を有す
るもので、デジタル駆動回路14LFおよびモニタ回路
16LFを代表させて説明すると、図6に示すようにな
る。
【0044】すなわち、デジタル駆動回路は、シリアル
パラレル変換器60と、デコーダ70と、スピーカ駆動
回路40とからなる。シリアルパラレル変換器60で
は、これに入力されるDSP13からのシリアルデータ
の16ビットのデジタル音声信号がパラレルデータに変
換され、そのパラレルデータとされた16ビットのデジ
タル音声信号が、デコーダ70に供給される。
【0045】デコーダ70では、シリアルパラレル変換
器60からのパラレルデータとされた16ビットのデジ
タル音声信号から、後述するような制御信号が生成さ
れ、その制御信号がスピーカ駆動回路40に供給され
て、スピーカ駆動回路40により、スピーカユニット1
5LFの1次コイル24が駆動される。
【0046】この場合、前述したように、1次コイル2
4は、15個のコイルLA〜LG,LI〜LPで構成さ
れており、この1次コイル24が、16ビットの折り返
し2進符号で駆動される場合として、以下、説明する。
すなわち、この例のデジタル駆動回路14LF,14R
F,14LB,14RBには、DSP13から16ビッ
トの折り返し2進符号としてデジタル音声信号DLf,
DRf,DLb,DRbが供給される。
【0047】この場合、1次コイル24を構成する15
個のコイルLA〜LG,LI〜LPは、折り返し2進符
号のMSB(最上位ビット)をサインビットとして、図
7に示すように、コイルLAをLSB(最下位ビット)
に対応させて、例えば2ターンとし、以下、コイルL
B,LC,LD,LE,LF,LG,LI,LJ,L
K,LL,LM,LN,LO,LPを、15SB,14
SB,13SB,12SB,11SB,10SB,9S
B,8SB,7SB,6SB,5SB,4SB,3S
B,2SBに対応させて、それぞれ4ターン、8ター
ン、16ターン…というように、一つ下位のビットに対
応するコイルのターン数の2倍のターン数としている。
【0048】なお、アナログ音声信号が非直線量子化さ
れて、デジタル音声信号に変換された場合には、1次コ
イル24を構成する複数のコイルのターン数は、前記の
ように、等比級数的に変化させるのではなく、当該非直
線量子化の非直線特性に応じて変化させるものとする。
【0049】図8は、図6に示したデコーダ70および
スピーカ駆動回路40の部分の一例を示し、スピーカ駆
動回路40は、1次コイル24の15個のコイルLA〜
LG,LI〜LPに対応して15個のコイル駆動回路4
0A〜40G,40I〜40Pを有する。
【0050】そして、それぞれのコイル駆動回路40A
〜40G,40I〜40Pは、図示しない定電圧電源回
路からの直流電圧Vreg が得られる端子と、接地との間
に、それぞれスイッチング素子としての4個のFET5
1〜54と、対応するコイルとがブリッジ接続されて構
成された電流切換回路と、インピーダンス回路41A〜
41G,41I〜41Pとが、1組づつ直列に接続され
て構成されている。
【0051】そして、コイル駆動回路40A〜40G,
40I〜40Pのそれぞれにおいて、インピーダンス回
路41A〜41G,41I〜41Pと電流切換回路との
接続点に得られる電圧(以下、モニタ電圧という)EA
〜EG,EI〜EPがモニタ信号として導出され、それ
ぞれ対応するモニタ回路16LF,16RF,16L
B,16RBに供給されるように構成されている。
【0052】この場合、インピーダンス回路41A〜4
1G,41I〜41PのインピーダンスZA〜ZG,Z
I〜ZPは、1次コイル24のコイルLA〜LG,LI
〜LPのうち、対応するコイルのインピーダンスの和
が、互いに等しくなるような値とされている。これによ
り、コイルLA〜LG,LI〜LPに流れる電流は、等
しい値Iaとなる。
【0053】電流切換回路においては、FET51,5
3がオン、FET52,54がオフとされるときには、
電流Iaが、対応する1次コイルにプラス方向に流れ、
FET51,53がオフ、FET52,54がオンとさ
れるときには、電流Iaが、対応する1次コイルにマイ
ナス方向に流れるようにされる。同一のコイル駆動回路
において、FET51〜54がすべてオフとされるとき
には、対応するコイルに電流は流れない。
【0054】デコーダ70は、1次コイル24の15個
のコイルLA〜LG,LI〜LPに対応して、すなわ
ち、その入力デジタル音声信号のMSBを除く15ビッ
トに対応して、15個の制御信号生成回路70A〜70
G,70I〜70Pを有し、それぞれの制御信号生成回
路70A〜70G,70I〜70Pからは、シリアルパ
ラレル変換器220からのパラレルデータとされたデジ
タル音声信号のMSBと、それぞれの制御信号生成回路
70A〜70G,70I〜70Pに対応する下位ビット
(LSB〜2SB)とから、それぞれ後述するような4
個の制御信号G1〜G4が得られ、その制御信号G1〜
G4が、スピーカ駆動回路40の対応するコイル駆動回
路のFET51〜54のゲートに供給される。
【0055】4個の制御信号G1〜G4は、入力デジタ
ル音声信号のMSBが0で、対応する下位ビットが1の
ときには、制御信号G1,G3がFET51,53をオ
ンにするレベル、制御信号G2,G4がFET52,5
4をオフにするレベルとなり、対応する1次コイルに
は、プラス方向に電流Iaが流れ、対応するインピーダ
ンス回路にも電流Iaが流れる。
【0056】一方、デジタル音声信号のMSBが1で、
対応する下位ビットが1のときには、制御信号G1,G
3がFET51,53をオフにするレベル、制御信号G
2,G4がFET52,54をオンにするレベルとな
り、対応する1次コイルには、上記と逆向きのマイナス
方向に電流Iaが流れ、このとき、対応するインピーダ
ンス回路には、プラス方向の場合と同様の向きに電流I
aが流れる。
【0057】また、デジタル音声信号のMSBが0また
は1で、対応する下位ビットが0のときには、制御信号
G1〜G4がFET51〜54をオフにするレベルとな
り、1次コイルおよび対応するインピーダンス回路には
電流は流れない。
【0058】こうして、各スピーカユニット15LF,
15RF,15LB,15RBの1次コイル24がデジ
タル音声信号DLf,DRf,DLb,DRbにより駆
動されることにより、各スピーカユニット15LF,1
5RF,15LB,15RBでは、1サンプルごとに、
各ビットの重みに対応した大きさだけ、振動板であるコ
ーン紙29が偏位することになり、各スピーカユニット
15LF,15RF,15LB,15RBからは、DS
P13からのデジタル音声信号DLf,DRf,DL
b,DRbの再生音が出力されることになる。
【0059】電磁結合スピーカの振動系の駆動力Fは、
2次コイルに誘起される2次電流iと、磁気回路の空隙
に生じる磁束の密度Bと、磁気回路の空隙内にある2次
コイルの長さLとの積として、F=BLiで表され、磁
束密度Bおよび長さLは一定であるので、振動系の駆動
力Fは、2次コイルに誘起される2次電流iに比例する
ことになる。そして、2次コイルに誘起される2次電流
iは、1次コイルに流れる信号電流の2乗と1次コイル
のターン数との積に比例する。
【0060】そして、上述した例では、1次コイル24
の各コイルLA〜LG,LI〜LPのターン数が、入力
デジタル音声信号のMSBを除く各ビットの重みに比例
したターン数とされることにより、ある1次コイルに信
号電流として電流Iaが流れるとき、2次コイルユニッ
ト25を構成するショートコイル25Cには、デジタル
音声信号のMSBの値に応じた方向の、その1次コイル
に対応するビットの重みに比例した電流値の2次電流が
誘起される。
【0061】したがって、2次コイルユニット25が固
定された振動板であるコーン紙29が、入力デジタル音
声信号のMSBの値に応じた方向に、その1次コイルに
対応するビットの重みに比例した量だけ振動し、スピー
カユニット110において、入力デジタル音声信号に忠
実に音声が再生されることになる。
【0062】この場合、入力デジタル音声信号は、4
4.1kHzまたは48kHzのサンプリング周波数で
デジタル化されたもので、1次コイル24の各コイルL
A〜LG,LI〜LPは、同じサンプリング周波数のデ
ジタル信号で駆動されるので、デジタル化される前の音
声信号の低域成分も、1次コイル24の各コイルLA〜
LG,LI〜LPに流れる信号電流としては20kHz
を超える高い周波数となる。したがって、電磁結合スピ
ーカであるスピーカユニット110によって低域までの
再生が可能となる。
【0063】一般のスピーカと同様に、スピーカユニッ
ト110の振動系は、高域には反応しにくく、特に20
kHzを超えるような高い周波数の成分はほとんど再生
しない。したがって、1次コイル24の各コイルLA〜
LG,LI〜LPが44.1kHzまたは48kHzの
サンプリング周波数のデジタル信号で駆動されても、そ
のサンプリング周波数成分はほとんど再生されない。か
りに微小な音圧で再生されても、20kHzを超える音
は人間の耳でほとんど聞き取ることができないので、音
楽を聴く時などでも支障を生じない。
【0064】また、20kHz以上を阻止帯域とするメ
カニカルフィルタを、意図的に形成して、スピーカユニ
ット110に組み込むことも容易である。
【0065】しかも、D/A変換器およびパワーアンプ
を使用しないで、デジタル音声信号によって直接、音声
を再生する、歪みの小さい、最大出力の大きいスピーカ
装置を実現することができる。
【0066】なお、コイル駆動回路40A〜40G,4
0I〜40Pのスイッチング素子としては、FETに限
らず、高速で動作する他の素子を用いることができる。
【0067】次に、モニタ回路の系について説明する。
前述したように、MSBにより電流の向きは変わるが、
対応するビットが1で、1次コイルに電流Iaが流れる
ときは、その1次コイルに対応するインピーダンス回路
にも、電流Iaが流れる。このため、そのインピーダン
ス回路の両端電圧としてのモニター電圧は、所定レベル
以上の電圧となる。つまり、15個のコイル駆動回路4
0A〜40G,40I〜40Pからのモニタ電圧EA〜
EG,EI〜EPは、デジタル駆動回路の入力デジタル
音声信号のMSBを除く15ビットのうちの、1が立つ
ビットに対応するものは、所定レベル以上の電圧とな
る。
【0068】また、対応するビットが0で、1次コイル
に電流Iaが流れないときには、その1次コイルに対応
するインピーダンス回路には電流Iaが流れないため、
モニタ電圧は、零レベルとなる。つまり、15個のコイ
ル駆動回路40A〜40G,40I〜40Pからのモニ
タ電圧EA〜EG,EI〜EPは、デジタル駆動回路の
入力デジタル音声信号のMSBを除く15ビットのうち
の、0のビットに対応するものは、零レベルの電圧とな
る。
【0069】そして、図6にも示すように、デジタル駆
動回路14LF,14RF,14LB,14RBの各ス
ピーカ駆動回路40からのモニタ電圧EA〜EG,EI
〜EPは、それぞれモニタ回路16LF,16RF,1
6LB,16RBに供給される。
【0070】モニタ回路16LF,16RF,16L
B,16RBは、それぞれ図6に示すように、2値化回
路80と、パラレルシリアル変換器90とからなる。2
値化回路80は、例えば、モニタ電圧EA〜EG,EI
〜EPと、所定のスレッショールド値とを比較して、モ
ニタ電圧EA〜EG,EI〜EPの電圧値がスレッショ
ールド値より大きいとき1、小さいとき0とする2値化
を行う。
【0071】こうして、この2値化回路80から得られ
る15ビット分のデータは、各デジタル駆動回路14L
F,14RF,14LB,14RBの入力デジタル音声
信号DLf,DRf,DLb,DRbのMSBを除く下
位15ビットに対応するものとなる。
【0072】この2値化回路80から得られる15ビッ
ト分のパラレルデータは、パラレルシリアル変換器90
によりシリアルデータに変換される。そして、このシリ
アルデータが、モニタ回路16LF,16RF,16L
B,16RBのそれぞれから、モニタ出力信号MLf,
MRf,MLb,MRbとしてDSP13に帰還され
る。
【0073】以上のように、モニタ回路16LF,16
RF,16LB,16RBからのモニタ出力信号ML
f,MRf,MLb,MRbのそれぞれは、それぞれス
ピーカユニット15LF,15RF,15LB,15R
Bの1次コイル24を駆動するデジタル信号であって、
デジタル駆動回路14LF,14RF,14LB,14
RBの入力デジタル音声信号DLf,DRf,DLb,
DRbのそれぞれに応じたデジタル信号である。
【0074】したがって、DSP13では、このモニタ
出力信号MLf,MRf,MLb,MRbを参照するこ
とにより、出力したデジタル音声信号DLf,DRf,
DLb,DRbにより適切にスピーカユニット15L
F,15RF,15LB,15RBのそれぞれが駆動制
御されたかを知ることができる。
【0075】これを利用して、DSP13は、デジタル
駆動回路14LF,14RF,14LB,14RBのそ
れぞれで生じる各チャンネル間の信号伝達特性の違いに
より生じる各チャンネル音声出力の時間的ずれ、位相ず
れを補正するように、4チャンネルのデジタル音声信号
DLf,DRf,DLb,DRbの出力タイミングを制
御する。
【0076】この場合、4チャンネルのデジタル音声信
号DLf,DRf,DLb,DRbの出力タイミングを
制御して、前記各チャンネル間の信号伝達特性の違いに
より生じる各チャンネル音声出力の時間的ずれをキャン
セルし、音声のスピーカユニット15LF,RF,L
B,RBからの音声の放射のタイミングを一致させる場
合だけではなく、チャンネル間に、所定の遅延を設定す
るような制御を行っている場合に、そのチャンネル間の
遅延を目的の値とするような制御も行う。
【0077】したがって、この実施の形態によれば、前
記各チャンネル間の信号伝達特性の違いにより生じる各
チャンネル音声出力の時間的ずれ、位相ずれが減少し、
より効果的なデジタルエフェクトが可能となる。
【0078】そして、この発明によれば、上述した4チ
ャンネルスピーカシステムにおいて、例えば、左前スピ
ーカ用および右前スピーカ用のデジタル駆動回路14L
Fおよび14RFと、DSP13との間にのみ、例えば
イコライザ回路などの付加回路を設け、左後ろスピーカ
用および右後ろスピーカ用のデジタル駆動回路14LB
および14RBの前段には、付加回路を設けないような
構成の場合であっても、スピーカユニット15LF,1
5RF,15LB,15RBの音声再生タイミングを一
致させるように、前記4チャンネルのデジタル音声信号
DLf,DRf,DLb,DRbの出力タイミングを制
御することも可能である。
【0079】また、出力したデジタル音声信号DLf,
DRf,DLb,DRbと、モニタ出力信号MLf,M
Rf,MLb,MRbとの各ビットを比較参照すること
により、15ビットの各ビットに対応したコイル駆動回
路に発生した故障や、対応するコイルの断線などの故障
を、DSP13で判定することもできる。
【0080】なお、前述もしたように、2次コイルに誘
起される2次電流iは、1次コイルに流れる信号電流の
2乗と1次コイルのターン数との積に比例する。したが
って、ビットの重みに応じた目的の2次電流を得るため
に、1次コイルのターン数を重みに応じて変える方法
と、1次コイルに流れる電流を重みに応じて変える方法
と、両者を変える方法の3通りが可能である。
【0081】すなわち、上述の例では、スピーカユニッ
トは、その1次コイルを構成する複数のコイルLA〜L
G,LI〜LPのターン数を、デジタル信号の各ビット
の重みに対応させて、変化させるように構成したが、前
記複数のコイルLA〜LG,LI〜LPのターン数は、
等しくし、対応して設けるインピーダンス回路41A〜
41G,41I〜41PのインピーダンスZA〜ZG,
ZI〜ZPの値を変えることで、複数コイルLA〜L
G,LI〜LPに流れる電流IA〜IG,II〜IPの
値を、デジタル信号の各ビットの重みに対応させるよう
にしてもよい。
【0082】また、複数の1次コイルLA〜LG,LI
〜LPのターン数と、各1次コイルに流す電流との積
が、各ビットの重みに対応するように、ターン数と、電
流とを複数の1次コイルLA〜LG,LI〜LPの間で
変えるようにしてもよい。
【0083】また、デジタル駆動回路は、上述したよう
な定電圧により駆動するのではなく、複数個の1次コイ
ルに前述したようなスイッチ回路を介して定電流源から
の電流を供給するような構成とすることもできる。その
例の場合は、定電流源に対して、例えばカレントミラー
回路を接続し、そのカレントミラー回路に流れる電流を
モニタして、モニタ出力信号を形成し、DSPにフィー
ドバックするように構成する。
【0084】そして、このように定電流源を用いる場合
も、ビットの重みに応じた2次電流を得るためには、複
数の1次コイルのターン数をビットの重みに応じて変え
る方法、定電流源の電流値を変える方法、両者の組み合
わせの方法がある。
【0085】さらに、定電流源の電流値を変えることに
よってデジタル音声信号の各ビットの重みの違いを再生
する場合には、1次コイルとしての駆動コイルを、デジ
タル信号のビット数分を設ける必要はなく、ビットの重
みに応じた複数ビット分の電流を一つあるいは数個のコ
イルに重畳して流すように構成することもできる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、電磁結合スピーカをスピーカユニットとして用い、
その1次コイルを駆動する信号をモニタすることによ
り、実際に駆動される時点での駆動信号をモニタするこ
とができる。そして、このモニタ出力信号をデジタル信
号処理回路であるDSPに帰還することにより、DSP
で生成するスピーカの駆動信号を最適化することができ
る。
【0087】特に、複数のスピーカを用いるマルチチャ
ンネル音響再生システムにおいては、DSPにより、上
述のスピーカユニットの駆動信号の帰還信号を用いて、
チャンネル間の、時間ずれ、位相ずれを補正して、最適
なマルチチャンネル駆動ができる。したがって、最適な
デジタルエフェクトを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による音響再生システムの一実施の形
態の構造の断面図である。
【図2】この発明に用いられるスピーカユニットの実施
例を示す図である。
【図3】図2のスピーカユニットに用いられる1次コイ
ルの例を示す図である。
【図4】図2のスピーカユニットに用いられる2次コイ
ルの例を示す図である。
【図5】図2のスピーカユニットに用いられる2次コイ
ルの他の例を示す図である。
【図6】図1の音響再生システムに用いられるデジタル
駆動回路の例を示すブロック図である。
【図7】この発明によるスピーカ装置の駆動原理を説明
するための図である。
【図8】図6の一部回路の具体例を示す回路図である。
【図9】従来の音響再生システムの一例を示すブロック
図である。
【符号の説明】
13…DSP、14LF,14RF,14LB,14R
B…デジタル駆動回路、15LF,15RF,15L
B,15RB…スピーカユニット、14LF,14R
F,14LB,14RB…モニタ回路、21…第1の磁
気ヨーク、21a…センターポール部、21b…フラン
ジ部、22…第2の磁気ヨーク(プレート)、23…マ
グネット、24…駆動コイル(1次コイル)、25…2
次コイルユニット、25C…ショートコイル、27…コ
イルボビン、28…ショートコイル部品、29…振動板
の例としてのコーン紙、30…ダンパー、31…スピー
カフレーム、32…ガスケット、33…キャップ、34
…貫通孔、35…マグネットガイド、37a〜37gお
よび37i〜37p…リード線対、38a〜38gおよ
び38i〜38p…入力端子、GP…磁気空隙、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 3/00 G10K 15/00 M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気回路中の空隙の近傍に設けられる1次
    コイルと、 前記空隙内に配されて、前記1次コイルに流れる電流に
    応じた2次電流が誘起される2次コイルが形成される2
    次コイルユニットと、 前記2次コイルユニットに取り付けられ、前記2次コイ
    ルに誘起される2次電流と前記空隙内の磁束との相互作
    用により前記2次コイルユニットが振動することにより
    振動する振動板と、 を備えるスピーカユニットと、 デジタル音声信号により、前記スピーカユニットの前記
    1次コイルを駆動するデジタル駆動回路と、 前記1次コイルを駆動する信号をモニタし、そのモニタ
    出力信号を出力するモニタ回路と、 を備えるスピーカ装置。
  2. 【請求項2】磁気回路中の空隙の近傍に設けられる1次
    コイルと、 前記空隙内に配されて、前記1次コイルに流れる電流に
    応じた2次電流が誘起される2次コイルが形成される2
    次コイルユニットと、 前記2次コイルユニットに取り付けられ、前記2次コイ
    ルに誘起される2次電流と前記空隙内の磁束との相互作
    用により前記2次コイルユニットが振動することにより
    振動する振動板と、 を備えるスピーカユニットと、 デジタル音声信号により、前記スピーカユニットの前記
    1次コイルを駆動するデジタル駆動回路と、 前記1次コイルを駆動する信号をモニタし、そのモニタ
    出力信号を出力するモニタ回路と、 前記モニタ回路からのモニタ出力信号を参照して、入力
    デジタル音声信号から、前記デジタル駆動回路に供給す
    る前記デジタル音声信号を生成するデジタル信号処理回
    路とを備える音響再生システム。
  3. 【請求項3】磁気回路中の空隙の近傍に設けられる1次
    コイルと、前記空隙内に配されて、前記1次コイルに流
    れる電流に応じた2次電流が誘起される2次コイルが形
    成される2次コイルユニットと、前記2次コイルユニッ
    トに取り付けられ、前記2次コイルに誘起される2次電
    流と前記空隙内の磁束との相互作用により前記2次コイ
    ルユニットが振動することにより振動する振動板とを備
    える電磁結合スピーカでそれぞれが構成される複数のス
    ピーカユニットと、 前記複数のスピーカユニットのそれぞれの前記1次コイ
    ルを、デジタル音声信号により駆動する複数のデジタル
    駆動回路と、 前記複数のスピーカユニットのそれぞれの前記1次コイ
    ルを駆動する信号をモニタして、そのモニタ出力信号を
    出力する複数のモニタ回路と、 入力デジタル音声信号から、前記複数のデジタル駆動回
    路のそれぞれに供給する前記デジタル音声信号を生成す
    ると共に、前記複数のモニタ回路からのモニタ出力信号
    を受けて、対応するデジタル駆動回路に供給する前記デ
    ジタル音声信号を適正化するデジタル信号処理回路とを
    備える音響再生システム。
JP8160666A 1996-05-31 1996-05-31 スピーカ装置および音響再生システム Pending JPH09322286A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011125276A1 (ja) * 2010-04-09 2011-10-13 クラリオン株式会社 ボイスコイルスピーカー
WO2016088459A1 (ja) * 2014-12-02 2016-06-09 ソニー株式会社 スピーカー装置

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JPWO2016088459A1 (ja) * 2014-12-02 2017-09-07 ソニー株式会社 スピーカー装置
US10154336B2 (en) 2014-12-02 2018-12-11 Sony Corporation Speaker apparatus

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